JP2022142867A - 繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物及びそのモルタル - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、初期から長期にかけての強度発現性に優れる繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物を提供すること。【解決手段】セメント、ポゾラン物質、金属繊維、及びセメント用ポリマーを含み、前記セメント100質量部に対し、前記ポゾラン物質の含有量が2~38質量部であり、前記金属繊維の含有量が2~38質量部であり、前記金属繊維が、略直線部と、前記金属繊維の少なくとも一方の端部から前記略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する、繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物及びそのモルタルに関する。
コンクリート構造物(例えば、鉄筋コンクリート床版、プレキャストコンクリート床版、ボックスカルバートの中床版等の床版、壁、天井部)は、疲労や乾燥収縮によってひび割れが生じることがある。この種の劣化の進行やひび割れのすり合わせによってひび割れ幅が大きくなると、そこから水や塩化物イオン等の劣化因子がコンクリート構造物内に侵入する。この結果、コンクリート構造物に埋没されている鉄筋が腐食する。コンクリート構造物のひび割れによる損傷を放置していると、最終的に内部の鉄筋が腐食して断面欠損し、構造物の安全性が保てなくなる。このため、劣化した箇所への補修施工や耐久性に優れる材料による予防対策が行われている。
ポリマーセメントモルタル又はポリマーセメントコンクリートは補修・補強材料として広く使用されており、これらは更なる耐久性の向上が求められている。例えば、ひび割れ抵抗性や曲げ耐力を向上させるために、繊維類をポリマーセメントモルタルに使用することが提案されている。
特許文献1には、セメント、細骨材、再乳化形粉末樹脂、粘土鉱物系チクソ性付与材、及び高強度有機短繊維を含有するプレミクス高靱性ポリマーセメントモルタル材料が開示されている。特許文献2には、セメント、水、骨材、ポリマー、及び特定の引張強度を有する高強力短繊維を含有するポリマーセメント組成物が開示されている。
特開2007-269537号公報 特開2010-105831号公報
ところで、近年、建築構造物や土木構造物に対する超高層化・大規模化・高耐久性化の要求を満足するモルタル及びコンクリートの高強度化が図られており、補修・補強材料においても同様の要求がある。しかしながら、繊維類を混和したポリマーセメントモルタルでは、ポリマー成分や繊維類の含有によりモルタルの高強度化に課題があり、繊維との混合性との両立が困難だった。また、道路や鉄道等の構造物の部分的な補修工事のように工事できる時間が限られている場合、補修材料としては、材料の練り混ぜが容易であり、施工後に速やかに強度発現する材料が求められている。
したがって、本発明は、繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、初期から長期にかけての強度発現性に優れる繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物及びそのモルタルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定の形状を有する金属繊維及びポゾラン物質を特定量配合することで、繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、初期から長期にかけての強度発現性に優れる繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物及びそのモルタルが得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]~[7]である。
[1]
セメント、ポゾラン物質、金属繊維、及びセメント用ポリマーを含み、前記セメント100質量部に対し、前記ポゾラン物質の含有量が2~38質量部であり、前記金属繊維の含有量が2~38質量部であり、前記金属繊維が、略直線部と、前記金属繊維の少なくとも一方の端部から前記略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する、繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
[2]
前記略直線部の長さが、前記金属繊維の全長の50~95%を占め、前記変形部が、前記金属繊維の両端部から前記略直線部と30~160度の角度を有するようにそれぞれ折り曲げて形成されている、[1]に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
[3]
カルシウムアルミネート類及び石膏類を更に含む、[1]又は[2]に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
[4]
前記セメント用ポリマーの含有量が、前記セメント100質量部に対し、固形分換算で0.5~18質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
[5]
前記金属繊維のアスペクト比が、25~150である、[1]~[4]のいずれかに記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
[6]
膨張材を更に含む、[1]~[5]のいずれかに記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
[7]
[1]~[6]のいずれかに記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物と水とを含み、前記水の含有量が、前記セメント100質量部に対し、20~55質量部である、繊維補強ポリマーセメントモルタル。
本発明によれば、繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、初期から長期にかけての強度発現性に優れる繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物及びそのモルタルを提供することができる。
図1(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)は、本発明に係る繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物に配合される金属繊維の形状を説明する模式図である。
以下、図面を適宜参照しながら本発明の一実施形態について説明する。各図は模式図であり、各構成要素の大きさ等は図面に示されたものに限定されるものではない。
本実施形態の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物は、セメント、ポゾラン物質、金属繊維、及びセメント用ポリマーを含み、セメント100質量部に対し、ポゾラン物質の含有量が2~38質量部であり、金属繊維の含有量が2~38質量部であり、金属繊維が、略直線部と、金属繊維の少なくとも一方の端部から略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する。
セメントは、種々のものを使用することができ、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、速硬性セメント等が挙げられる。セメントとしては、早期硬化性及び流動性を両立しやすいという観点から、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントが好ましい。セメントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
ポゾラン物質は、JIS A 6201:2015に記載されている各種フライアッシュ、JIS A 6207:2016に記載されているシリカフューム、スラグ粉末、非晶質アルミノシリケート等が挙げられる。ポゾラン物質は、長期の強度発現性や施工性に一層優れるという観点から、シリカフューム、非晶質アルミノシリケートが好ましい。ポゾラン物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
ポゾラン物質の含有量は、セメント100質量部に対し、2~38質量部である。ポゾラン物質の含有量が上記範囲外であると、モルタルのダレが生じ作業性が低下し、金属繊維の分散性も低下する。初期及び長期の強度発現性がより一層両立しやすいという観点から、ポゾラン物質の含有量は、セメント100質量部に対し、5~35質量部であることが好ましく、8~30質量部であることがより好ましい。ポゾラン物質の粉末度は、長期の強度発現性をより向上させるという観点から、BET比表面積で5m/g以上であることが好ましく、10m/g以上であることがより好ましい。また、ポゾラン物質の粉末度は、BET比表面積で30m/g以下であることが好ましい。
図1は、本実施形態に係る金属繊維10の形状を模式的に表したものである。金属繊維10は、略直線部1と、金属繊維10の少なくとも一方の端部から略直線部1と角度Aを有するように折り曲げて形成された変形部2とから構成される。図1に示されるように、角度Aは、金属繊維10を折り曲げ始めた点(始点3)及び変形部2に含まれる金属繊維10の端部(終点4)を結んだ線と、略直線部1とのなす角である。
略直線部1の長さは、金属繊維10の全長の50~95%であることが好ましく、60~94%であることがより好ましく、70~93%であることが更に好ましい。略直線部1の長さが上記範囲内であれば、モルタルの混練性及び作業性がより一層向上する。
変形部2の形状は特に限定されるものではない。変形部2は、図1(a)に示されるように直線状であってもよく、図1(b)に示されるように曲線であってもよい。変形部2の途中で更に折り曲げられていてもよい。例えば、図1(c)に示されるように変形部2の途中で更に1回折り曲げられていてもよく、図1(d)に示されるように変形部2の途中で更に3回折り曲げられていてもよい。変形部2の途中に折れ曲がりを有する場合であっても、変形部2の始点3は、略直線部1と接する点であり、終点4は、変形部2に含まれる金属繊維10の端部である。変形部2の途中の折れ曲がりのなす角は特に限定されない。変形部2は、金属繊維10に複数あってもよい。例えば、図1(e)に示されるように金属繊維10の両端部にそれぞれ変形部2を有してもよく、図1(f)に示されるように金属繊維10の一方の端部に2つの変形部2を有してもよい。モルタルのダレ等を一層低減し、作業性を高めるという観点から、金属繊維10としては、金属繊維10の両端部にそれぞれ変形部2を有し、且つ変形部2の途中で更に1回以上折り曲げられているものが好ましく、変形部2の途中で変形部2の端部が互いに離れる方向へ1回折り曲げられて略直線部1と平行としたものがより好ましい(図1(e))。
角度Aは30~160度であることが好ましく、50~160度であることがより好ましく、70~160度であることが更に好ましく、90~150度であることが更により好ましく、120~150度であることが最も好ましい。角度Aが上記範囲内であれば、モルタルの作業性がより一層向上する。金属繊維10が複数の変形部2を有する場合、それぞれの角度Aは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
金属繊維10の全長は、15~50mmであることが好ましく、20~45mmであることがより好ましく、25~40mmであることが更に好ましい。金属繊維10の全長が上記範囲内であれば、モルタルの混練性及び作業性が更に向上する。
金属繊維10のアスペクト比(全長/直径)は25~150であることが好ましく、30~100であることがより好ましく、40~65であることが更に好ましい。アスペクト比が上記範囲内であれば、モルタルの混練性及び作業性が一層向上し、ダレが生じにくくなる。
金属繊維10は、金属製であれば特に限定されず、例えば、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス金属繊維、及びそれらの表面に化学的・物理的な処理を施したもの等が挙げられる。金属繊維10としては、モルタルの混練性及び硬化性状の両立という観点から、鋼繊維が好ましい。金属繊維10は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
金属繊維10の含有量は、セメント100質量部に対し、2~38質量部である。金属繊維10の含有量が上記範囲外であると、金属繊維10の分散性や強度発現性が低下する。金属繊維10の分散性と強度発現性を両立させやすいという観点から、金属繊維10の含有量は、セメント100質量部に対し、4~30質量部であることがより好ましく、5~25質量部であることが更に好ましい。
セメント用ポリマーは、JIS A 6203:2015「セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂」に規定されるポリマーが好ましい。このようなセメント用ポリマーとしては、ポリマーディスパージョン、再乳化形粉末樹脂等が挙げられる。ポリマーディスパージョンとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム系;天然ゴム系;ゴムアスファルト系;エチレン酢酸ビニル系;アクリル酸エステル系;樹脂アスファルト系等が挙げられる。ポリマーディスパージョンは、中でも、合成ゴム系、エチレン酢酸ビニル系及びアクリル酸エステル系が好ましく、具体的には、合成ゴムラテックス、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニルがより好ましい。再乳化形粉末樹脂としては、スチレンブタジエンゴム等の合成ゴム系;アクリル酸エステル系;エチレン酢酸ビニル系;酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル;酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル等が挙げられる。セメント用ポリマーとしては、ポリマーディスパージョンを用いてもよく、再乳化形粉末樹脂を用いてもよく、ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂を併用してもよい。
セメント用ポリマーの中でも、コンクリートとの付着性及び寸法安定性がより向上するという観点から、スチレンブタジエンゴムのポリマーディスパージョン及び/又は再乳化粉末樹脂が好ましい。スチレンブタジエンゴムは、スチレン及びブタジエンを共重合した合成ゴムの一種であり、スチレン含有量や加硫量により品質を適宜調整することができる。セメント混和用としては、安定性や付着性を向上させるという観点から、結合スチレン量が50~70質量%のものが多く使用されている。セメント用ポリマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
セメント用ポリマーの含有量は、セメント100質量部に対し、固形分換算で0.5~18質量部であることが好ましく、1~13質量部であることがより好ましく、1.5~8質量部であることが更に好ましい。セメント用ポリマーの含有量が上記範囲内であれば、より良好な施工性、寸法安定性及びコンクリートに対するより高い付着性が得られやすい。
本実施形態の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物は、上記成分以外に、カルシウムアルミネート類、石膏類、細骨材、膨張材、減水剤、凝結遅延剤等を含んでもよい。
繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物がカルシウムアルミネート類を含むことで、速硬性が優れたものとなる。カルシウムアルミネート類としては、CaOをC、AlをA、NaOをN、及びFeをFとして表したとき、CA、CA、C12、CA、又はCA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC・CaFやC11・CaF等と表示されるカルシウムフルオロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、CNAやC等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネート、アルミナセメント、並びにC・CaSO等と表示されるカルシウムサルホアルミネートを総称するものである。このカルシウムアルミネート類は、結晶質のもの、非結晶質のもの、非晶質及び結晶質が混在したもののいずれも使用可能である。カルシウムアルミネート類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。カルシウムアルミネート類の粉末度は、初期強度発現性をより向上させるという観点から、ブレーン比表面積で3000cm/g以上であることが好ましく、5000cm/g以上であることがより好ましい。また、カルシウムアルミネート類の粉末度は、ブレーン比表面積で8000cm/g以下であることが好ましい。
カルシウムアルミネート類の含有量は、セメント100質量部に対し、10~40質量部であることが好ましく、15~35質量部であることがより好ましく、20~30質量部であることが更に好ましい。カルシウムアルミネート類の含有量が上記範囲内であれば、速硬性がより優れたものとなりやすい。
繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物が石膏類を含むことで、長期の強度発現性が向上する。石膏類としては、例えば、無水石膏、半水石膏、二水石膏等が挙げられる。石膏類としては、強度発現性を更に向上させるという観点から、無水石膏が好ましい。石膏類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
石膏類の含有量としては、セメント100質量部に対し、5~30質量部であることが好ましく、10~28質量部であることがより好ましく、15~25質量部であることが更に好ましい。石膏類の含有量が上記範囲内であれば、長期の強度発現性がより一層向上する。石膏類の粉末度は、長期の強度発現性をより向上させるという観点から、ブレーン比表面積で4500cm/g以上であることが好ましく、6000cm/g以上であることがより好ましい。また、石膏類の粉末度は、ブレーン比表面積で15000cm/g以下であることが好ましい。
細骨材は特に限定されず、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂、スラグ骨材、軽量骨材等が挙げられる。これらの細骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
細骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、250~550質量部であることが好ましく、300~500質量部であることがより好ましく、350~450質量部であることが更に好ましい。細骨材の含有量が上記範囲内であると、十分な圧縮強度と割裂引張強度を両立しやすい。
繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物が膨張材を含むことで、モルタルの圧縮強度及び寸法変化率が優れたものとなる。膨張材は、コンクリート用膨張材として一般に使用されているJIS適合の膨張材(JIS A 6202:2008)であれば、何れの膨張材でもかまわない。膨張材としては、例えば、遊離生石灰を主成分とする膨張材(生石灰系膨張材)、アウインを主成分とする膨張材(エトリンガイト系膨張材)、遊離生石灰とエトリンガイト生成物質の複合系膨張材が挙げられる。膨張材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。膨張材はブレーン比表面積が2000~6000cm/gのものを使用することが好ましい。
膨張材の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~5質量部であることが好ましく、0.5~4質量部であることがより好ましく、1~3質量部であることが更に好ましい。膨張材の含有量が上記範囲内であれば、圧縮強度、寸法変化率等がより一層優れたものとなる。
減水剤は、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む。このような減水剤としては、JIS A 6204:2011「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水剤が挙げられる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミン系減水剤が挙げられる。これらの減水剤の中でも、少量の添加量であっても流動性保持時間を確保しやすいという観点から、ポリカルボン酸系減水剤が好ましい。減水剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
減水剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~5質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましく、0.3~1質量部であることが更に好ましい。減水剤の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を確保しやすく、流動性がより一層向上する。
繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物が凝結遅延剤を含むことで、夏場等ポリマーセメントモルタルの練り上り温度が高くなる場合においても、可使時間を確保しやすい。凝結遅延剤としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸又はその塩;ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩等の無機塩;糖類が挙げられる。これらの中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。凝結遅延剤は、粉体であってもよく、液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)であってもよい。凝結遅延剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
凝結遅延剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~5質量部であることが好ましく、0.3~3質量部であることがより好ましく、0.5~2質量部であることが最も好ましい。凝結遅延剤の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を更に確保しやすく、初期強度発現性が低下しにくい。
本実施形態の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で各種混和材料を配合してもよい。混和材料としては、例えば、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防水材、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、石粉、火山灰、空気連行剤、表面硬化剤が挙げられる。
本実施形態の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物を製造する方法は、特に限定されず、例えば、V型混合機や可傾式コンクリートミキサー等の重力式ミキサー、ヘンシェル式ミキサー、噴射型ミキサー、リボンミキサー、パドルミキサー等のミキサーにより上記成分を混合することで製造することができる。
本実施形態の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物は、水と混合して繊維補強ポリマーセメントモルタルとして調製することができ、その水の含有量は用途に応じて適宜調整すればよい。水の含有量は、セメント100質量部に対して20~55質量部であることが好ましく、30~52質量部であることがより好ましく、35~50質量部であることが更に好ましい。水の含有量が上記範囲内であれば、金属繊維の混練性、並びに、初期及び長期の強度発現性がより一層優れたものとなる。
本実施形態の繊維補強ポリマーセメントモルタルの調製は、通常のモルタル組成物と同様の混練器具を使用することができ、特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば、モルタルミキサー、ハンドミキサー、傾胴ミキサー、二軸ミキサー、パン型ミキサー等が挙げられる。
本実施形態の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物及び繊維補強ポリマーセメントモルタルは、高強度のポリマーセメントモルタルでありながら、金属繊維の分散性に優れるものである。したがって、高い強度発現性が求められる各種構造物や現場の補修・補強に好適に用いることができる。その施工方法は特に限定されず、型枠を作り充填する方法、コテ塗り、振動機を用いて敷き均す方法等が選択できる。
以下、本発明の実施例に基づいて説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
[材料]
・セメント(C):早強ポルトランドセメント
・ポゾラン物質(SF):シリカフューム、BET比表面積:15m/g
・金属繊維1:鋼繊維、全長:30mm、アスペクト比:45、形状:図1(e)に示される形状、全長に対する略直線部の割合:77%、それぞれの角度A:150度
・金属繊維2:鋼繊維、全長:30mm、アスペクト比:45、形状:直線状
・セメント用ポリマー(P):スチレンブタジエンゴム(SBR)エマルジョン
・カルシウムアルミネート類:CaO/Al=1.4、ガラス化率:40%、ブレーン比表面積:5000cm/g
・石膏類:無水石膏、ブレーン比表面積:7000cm/g
・細骨材:珪砂(粒度調整済み)
・膨張材:生石灰系膨張材、ブレーン比表面積:3200cm/g
・減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤
・凝結遅延剤:クエン酸
[繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物の配合設計]
セメント100質量部に対して、ポゾラン物質、金属繊維及びセメント用ポリマーを表1に示す割合とし、セメント100質量部に対して、カルシウムアルミネート類28質量部、石膏類19質量部、細骨材415質量部、膨張材2質量部、減水剤0.8質量部、凝結遅延剤1質量部として配合設計した。
Figure 2022142867000001
[繊維補強ポリマーセメントモルタルの作製]
20℃環境下において、セメント100質量部に対して水が45質量部の割合となるように各種繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物に水を添加し、ハンドミキサーで120秒混練してモルタルを約3L作製した。
[評価方法]
各項目については以下の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
1)フレッシュ性状
a)分散性
繊維補強ポリマーセメントモルタルをハンドミキサーにて作製する際、金属繊維の固まり等の発生により均一に金属繊維が分散されていない場合を不良(×)と評価し、均一に金属繊維が分散されていることが確認された場合を良好(○)と評価した。
b)ダレ性状
コンクリート平板(300×300×60mm)を勾配5%の状態に設置し、繊維補強ポリマーセメントモルタルを厚さ20mm施工した後コテで均して、ダレ性状を目視観察した。ダレが生じたものを不良(×)と評価し、ダレを生じなかったものを良好(○)と評価した。
2)圧縮強度
土木学会基準JSCE-G 5050-2010「円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法(案)」に準じて、材齢1日及び28日における圧縮強度を測定した。供試体の寸法は、直径50mm及び高さ100mmとした。材齢28日の供試体は翌日に脱型した後、材齢日まで水中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。
Figure 2022142867000002
10 金属繊維、1 略直線部、2 変形部、3 始点、4 終点、A 角度

Claims (7)

  1. セメント、ポゾラン物質、金属繊維、及びセメント用ポリマーを含み、
    前記セメント100質量部に対し、前記ポゾラン物質の含有量が2~38質量部であり、前記金属繊維の含有量が2~38質量部であり、
    前記金属繊維が、略直線部と、前記金属繊維の少なくとも一方の端部から前記略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する、繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
  2. 前記略直線部の長さが、前記金属繊維の全長の50~95%を占め、前記変形部が、前記金属繊維の両端部から前記略直線部と30~160度の角度を有するようにそれぞれ折り曲げて形成されている、請求項1に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
  3. カルシウムアルミネート類及び石膏類を更に含む、請求項1又は2に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
  4. 前記セメント用ポリマーの含有量が、前記セメント100質量部に対し、固形分換算で0.5~18質量部である、請求項1~3のいずれか一項に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
  5. 前記金属繊維のアスペクト比が、25~150である、請求項1~4のいずれか一項に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
  6. 膨張材を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の繊維補強ポリマーセメントモルタル組成物と水とを含み、
    前記水の含有量が、前記セメント100質量部に対し、20~55質量部である、繊維補強ポリマーセメントモルタル。
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