JP7461776B2 - ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタル - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルに関する。
鉄筋コンクリートのかぶり厚さが確保できていない場合、付着性に優れるポリマーセメントモルタルをコンクリート面に塗り付け、鉄筋のかぶり厚さを確保する工法が施工されている。その際に使用されるポリマーセメントモルタルは収縮低減やひび割れ抵抗性だけでなく、コンクリートと同様に不燃性も求められる。
かぶり厚不足の鉄筋コンクリート構造体の補修方法として、中性化抑制やひび割れ抑制のために高ポリマー比のポリマーセメントモルタルが提案されている(特許文献1、2)。コンクリートやモルタルの収縮低減やひび割れ抑制のために尿素を使用することが提案されている(特許文献3)。不燃性については、ポリマーセメントモルタル層の厚さが20mm以下で、ポリマーセメント比(P/C)が4%以下であれば爆裂が生じにくいことが実験的に確認されていると述べられている(非特許文献1)。
特許4700950号公報 特開2017-179986号公報 特開2019-1669号公報
国土交通省住宅局編集:平成17年6月1日施行 改正建築基準法・同施行令等の解説、ぎょうせい、2005.8
しかしながら、一般的にポリマーセメントモルタルのポリマー量が多いと不燃性が得られにくく、ポリマー量が少ないと不燃性は得られるが付着強さや中性化等の耐久性が低下するといった課題があった。
したがって、本発明は、強度発現性、付着性及び中性化抵抗性が良好で、且つ、不燃性に優れるポリマーセメント組成物及びポリマーセメントモルタルを提供することを目的とする。
上記課題について、本発者らが鋭意検討した結果、再乳化粉末樹脂、尿素、繊維類の含有量を調整することで、強度発現性、付着性、中性化抵抗性、不燃性を兼ね備えるポリマーセメント組成物及びポリマーセメントモルタルが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]で示される。
[1]セメント、再乳化粉末樹脂、尿素、繊維類、有機混和剤、無機混和剤及び細骨材を含み、セメント100質量部に対し、再乳化粉末樹脂の含有量が0.1~9質量部であり、尿素の含有量が0.1~10質量部であり、繊維類の含有量が0.01~5質量部である、ポリマーセメントモルタル組成物。
[2]有機混和剤が、収縮低減剤、減水剤、増粘剤及び消泡剤からなる群から選択される少なくとも2種の有機混和剤である、[1]に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[3]無機混和剤が、膨張材、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、非晶質アルミノシリケート、消石灰、石灰石及び硫酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも2種の無機混和剤である、[1]又は[2]に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[4][1]~[3]のいずれかに記載のポリマーセメントモルタル組成物及び水を含み、水の含有量が、セメント100質量部に対し、45~85質量部である、ポリマーセメントモルタル。
[5]再乳化粉末樹脂、尿素、繊維類及び有機混和剤の総量が、13~52kg/mである、[4]に記載のポリマーセメントモルタル。
本発明によれば、強度発現性、付着性及び中性化抵抗性が良好で、且つ、不燃性に優れるポリマーセメント組成物及びポリマーセメントモルタルを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、セメント、再乳化粉末樹脂、尿素、繊維類、有機混和剤、無機混和剤及び細骨材を含む。
セメントは種々のものを使用することができ、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、速硬性セメント等が挙げられる。ポンプ圧送性に更に優れ、高い強度発現性が得られやすいという観点から、セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、エコセメントであることが好ましい。セメントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
再乳化型粉末樹脂は、成分的にはポリマーセメントに用いることができるポリマーであるなら特に限定されない。再乳化型粉末樹脂は、例えば、JIS A 6203:2015に規定されている再乳化型粉末樹脂が挙げられ、具体的には、アクリル系共重合体、アクリル-スチレン系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル系共重合体、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル系共重合体等が挙げられる。再乳化型粉末樹脂は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併せて用いてもよい。再乳化型粉末樹脂は、中でも、耐水性が一層優れるという観点から、アクリル系共重合体が好ましい。
再乳化粉末樹脂の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~9質量部である。再乳化粉末樹脂の含有量が上記範囲外であると、付着性や不燃性に劣るものとなる。再乳化粉末樹脂の含有量は、付着性により一層優れるという観点から、セメント100質量部に対し、0.3~8質量部であることが好ましく、0.5~7質量部であることがより好ましく、0.7~5.5質量部であることが更に好ましい。
尿素は、試薬、工業用品等のいずれであっても使用可能である。尿素の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~10質量部である。尿素の含有量が上記範囲外であると、強度発現性や中性化抵抗性が優れない。尿素の含有量は、中性化抵抗性がより一層優れるという観点から、セメント100質量部に対し、0.3~8質量部であることが好ましく、0.5~6質量部であることがより好ましい。
繊維類としては、例えば、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン、セルロース繊維等の有機繊維が挙げられる。繊維類は、分散性がより良好であるという観点から、有機繊維であることが好ましく、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維がより好ましい。繊維類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
繊維類の長さは、1~20mmであることが好ましく、2~15mmであることがより好ましく、3~12mmであることが更に好ましい。繊維類の長さが上記範囲内であれば、モルタルの調製が更にしやすくなる。
繊維類の含有量は、セメント100質量部に対し、0.01~5質量部である。繊維類の含有量が上記範囲外であると、ポリマーセメントモルタルの硬化体が加熱された際に爆裂や着火するおそれがある。繊維類の含有量は、ポリマーセメントモルタルの硬化体が加熱による影響を抑制しやすいという観点から、セメント100質量部に対し、0.1~4質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましい。
有機混和剤は、有機系のセメント混和剤であり特に限定されるものではない。有機混和剤としては、例えば、収縮低減剤、減水剤、増粘剤、消泡剤、起泡剤、防水剤、撥水剤、粉じん低減剤、流動化剤、凝結遅延剤が挙げられる。有機混和剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。有機混和剤としては、中でも、収縮低減剤、減水剤、増粘剤及び消泡剤から少なくとも2種以上であることが好ましい。
有機混和剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.05~3質量部であることが好ましく、0.07~2質量部であることがより好ましく、0.1~1質量部であることが更に好ましい。有機混和剤の含有量が上記範囲内であれば、不燃性試験における総発熱量が抑制でき、着火しにくい傾向にある。
減水剤は、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む。このような減水剤としては、JIS A 6204:2011「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水剤が挙げられる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミン系減水剤が挙げられる。これらの中では、ナフタレンスルホン酸系減水剤が好ましい。減水剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
減水剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.01~2質量部であることが好ましく、0.05~1.5質量部であることがより好ましく、0.08~1質量部であることが更に好ましい。減水剤の含有量が上記範囲内であれば、モルタルとした際により良好な流動性が得られやすい。
増粘剤は特に限定されるものではなく、例えば、セルロース系増粘剤、アクリル系増粘剤、グアーガム系増粘剤等が挙げられる。増粘剤としては、中でもセルロース系増粘剤が好ましい。セルロース系増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
増粘剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.01~0.3質量部であることが好ましく、0.02~0.25質量部であることがより好ましく、0.03~0.2質量部であることが更に好ましい。増粘剤の含有量が上記範囲内であれば、良好な流動性を確保しやすい。
消泡剤は、一般のセメント用消泡剤、セメントモルタル用消泡剤又はコンクリートに使用される消泡剤であれば特に限定されず、例えば、鉱油系消泡剤、エステル系消泡剤、アミン系消泡剤、アミド系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤、特殊非イオン系消泡剤が挙げられる。消泡剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。消泡剤は、液体のものでも粉体のものでもよく、プレミックスモルタルのようにプレミックス、つまり、セメント及び混和材料を乾式混合したときに材料が均質化し易いという観点から、粉体のものを使用することが好ましい。
消泡剤の含有量としては、セメント100質量部に対し、0.003~0.5質量部であることが好ましく、0.005~0.3質量部であることがより好ましく、0.01~0.2質量部であることが更に好ましい。
無機混和剤は、無機系のセメント混和剤であり特に限定されるものではない。無機混和剤としては、例えば、膨張材、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、非晶質アルミノシリケート、消石灰、石灰石、硫酸アルカリ金属塩、石膏、シリカフューム、硬化促進剤、防錆剤が挙げられる。無機混和剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。無機混和剤としては、中でも、膨張材、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、非晶質アルミノシリケート、消石灰、石灰石、硫酸アルカリ金属塩から少なくとも2種以上であることが好ましい。
無機混和剤の含有量は、セメント100質量部に対し、10~100質量部であることが好ましく、20~90質量部であることがより好ましく、30~80質量部であることが更に好ましい。無機混和剤の含有量が上記範囲内であれば、施工性を向上させることができ、さらに少ないセメント量で強度向上させることができる。また、硬化後のひび割れを抑制しやすい。
膨張材は、コンクリート用膨張材として一般に使用されているJIS適合の膨張材(JIS A 6202:2008)であれば、何れの膨張材でもかまわない。膨張材としては、例えば、遊離生石灰を主成分とする膨張材(生石灰系膨張材)、アウインを主成分とする膨張材(エトリンガイト系膨張材)、遊離生石灰とエトリンガイト生成物質の複合系膨張材が挙げられる。膨張材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。膨張材はブレーン比表面積が2000~6000cm/gのものを使用することが好ましい。
膨張材の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~8質量部であることがより好ましく、1~5質量部であることが更に好ましい。膨張材の含有量が上記範囲内であれば、圧縮強度、寸法変化率等がより一層優れたものとなる。
フライアッシュは、JIS A 6201:2015に記載されている各種フライアッシュが使用できる。フライアッシュの含有量は、セメント100質量部に対し、5~30質量部であることが好ましく、7~25質量部であることがより好ましく、10~20質量部であることが更に好ましい。
非晶質アルミノシリケートは、粘土鉱物に由来し、非晶質部分を含むアルミノシリケートであれば特に限定されず、いずれも使用可能である。原料である粘土鉱物の例としては、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、スメクタイト型鉱物、及びこれらが混合生成した混合層鉱物が挙げられる。非晶質アルミノシリケートは、これらの結晶性アルミノシリケートを、例えば焼成・脱水して非晶質化することにより得られる。非晶質アルミノシリケートとしては、反応性に更に優れるという観点から、カオリナイト、ハロサイト、ディッカイト等のカオリン鉱物由来のものが好ましく、カオリナイトを焼成して得られるメタカオリンより好ましい。非晶質アルミノシリケートは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
本明細書において「非晶質」とは、粉末X線回折装置による測定で、原料である粘土鉱物に由来するピークがほぼ見られなくなることをいう。本実施形態に係る非晶質アルミノシリケートは非晶質の割合が70質量%以上であればよく、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%、即ち粉末X線回折装置による測定でピークが全く見られないものが最も好ましい。非晶質の割合は標準添加法により求めた値である。非晶質の割合が高いアルミノシリケート、即ち結晶質の割合が低いアルミノシリケートは、非晶質の割合が低いアルミノシリケートに比べて、同じ混和量における強度発現性が更によい傾向にある。アルミノシリケートの非晶質化のための加熱としては、外熱キルン、内熱キルン、電気炉等による焼成、及び溶融炉を用いた溶融等が挙げられる。
非晶質アルミノシリケートの含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましく、1~3質量部であることが更に好ましい。非晶質アルミノシリケートの含有量が上記範囲内であれば、高強度を確保しつつ、良好な施工性を確保しやすい。
炭酸カルシウムは、試薬、工業用、農業用品等のいずれであっても使用可能である。炭酸カルシウムの含有量は、セメント100質量部に対し、10~50質量部であることが好ましく、15~40質量部であることがより好ましく、20~30質量部であることが更に好ましい。
消石灰は、水酸化カルシウムであれば特に限定されず、試薬、工業用品等のいずれであっても使用可能である。消石灰の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~10質量部であることが好ましく、1~8質量部であることがより好ましく、2~5質量部であることが更に好ましい。
細骨材としては、例えば、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂、スラグ骨材等が挙げられる。細骨材は、これらの中から、微細な粉や粗い骨材を含まない粒度に調整した珪砂等を用いることが好ましく、通常用いられる粒径5mm以下のもの(5mmふるい通過分)を使用するのが好ましい。細骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
細骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、150~400質量部であることが好ましく、200~350質量部であることがより好ましく、220~300質量部であることが更に好ましい。細骨材の含有量が上記範囲内であれば、ひび割れを抑制しつつ、十分な強度発現性が得られやすい。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物を製造する方法は、特に限定されず、例えば、V型混合機や可傾式コンクリートミキサー等の重力式ミキサー、ヘンシェル式ミキサー、噴射型ミキサー、リボンミキサー、パドルミキサー等のミキサーにより混合することで製造することができる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、水と混合してポリマーセメントモルタルとすることができ、水の含有量は用途に応じて適宜調整すればよい。ポリマーセメントモルタルにおいて、水の含有量は、セメント100質量部に対し、45~85質量部であることが好ましく、50~75質量部であることがより好ましく、55~70質量部であることが更に好ましい。水の含有量が上記範囲内であれば、施工性を更に確保しやすく、付着性及び強度発現性も一層優れたものとなる。
ポリマーセメントモルタルにおいて、再乳化粉末樹脂、尿素、繊維類及び有機混和剤の総量が13~52kg/mであることが好ましく、14~40kg/mであることがより好ましく、15~35kg/mであることが更に好ましい。これらの総量が上記範囲内であると、不燃性試験における総発熱量を抑制でき、着火しにくくできる。
本実施形態のポリマーセメントモルタルの調製は、通常のポリマーセメントモルタル組成物と同様の混練器具を使用することができ、特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば、モルタルミキサー、グラウトミキサー、ハンドミキサー、傾胴ミキサー、二軸ミキサー、左官ミキサー等が挙げられる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルは、強度発現性、付着性及び中性化抵抗性が良好で、且つ、不燃性に優れるものである。したがって、本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルは、鉄筋コンクリート構造物、建築構造物等の補修に好適に用いることができる。その施工方法は特に限定されず、コテで充填する左官工法、ポンプ圧送による湿式吹付け施工、型枠に充填する型枠施工等が選択できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[材料]
セメント:
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
再乳化粉末樹脂:アクリル系粉末樹脂
尿素
繊維:ナイロン繊維(繊維長5mm、10mm)
フライアッシュ
メタカオリン
膨張材:生石灰系膨張材
炭酸カルシウム
消石灰
減水剤:ナフタレンスルホン酸系減水剤
増粘剤:メチルセルロース
消泡剤:特殊非イオン系消泡剤
細骨材:珪砂
[ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルの作製]
セメント100質量部に対し、各材料を表1~3に示す割合として配合設計した。20℃環境下において、表1~3に示す配合割合のポリマーセメントモルタル組成物の各材料と水を円筒容器に添加し、ホバートミキサーで180秒間混練し、ポリマーセメントモルタルを作製した。
[評価方法]
各項目については以下の方法で評価した。各試験は20℃環境下で行った。供試体の大きさについてはJIS規格に準拠した。試験結果を表1~3に示す。
・圧縮強さ試験
JIS A 1171:2016「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準じて、ポリマーセメントモルタルの材齢28日における圧縮強さを測定した。供試体は2日後に脱型した後、材齢7日まで水中で養生し、その後材齢まで気中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。圧縮強さが40N/mm以上であれば良好(○)と評価し、40N/mm未満であれば不良(×)と評価した。
・接着強さ試験
JIS A 1171:2016「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準じて、ポリマーセメントモルタルの材齢28日における接着強さを測定した。供試体は2日後に脱型した後、材齢7日まで水中で養生し、その後材齢まで気中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。接着強さが1.5N/mm以上であれば良好(○)と評価し、1.5N/mm未満であれば不良(×)と評価した。
・接着耐久性試験
JIS A 1171:2016「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準じて、ポリマーセメントモルタルの材齢28日における接着耐久性を測定した。供試体は2日後に脱型した後、材齢7日まで水中で養生し、その後材齢まで気中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。養生後、1サイクル:「20℃水中18時間、-20℃気中3時間、50℃気中3時間」を10サイクル行った。接着耐久性が1.5N/mm以上であれば良好(○)と評価し、1.5N/mm未満であれば不良(×)と評価した。
・不燃性試験(総発熱量、200kW/m超過時間、着火の有無、試験体状況)
ISO 5660-1:2015(Reaction to fire tests. - Heat release,smoke production and mass loss rate)に準じて、縦100×横100×高さ10mmのモルタル平板(材齢28日)における発熱性試験を行った。発熱性試験では、総発熱量、200kW/m超過時間、着火の有無及び試験体状況を測定した。
総発熱量:加熱20分後の総発熱量が8MJ/m以下であれば良好(○)と評価し、8MJ/m超であれば不良(×)と評価した。
200kW/m超過時間:最大発熱速度が継続して200kW/mを超える時間を計測した。
着火の有無:試験体表面から炎が上がらなかったものを着火無しと評価し、炎が上がったものを着火有りと評価した。
試験体状況:発熱試験後の試験体を観察し、裏面まで貫通する亀裂及び穴が生じなかったものを良好(○)と評価し、裏面まで貫通する亀裂及び穴が生じたものを不良(×)と評価した。
・中性化抵抗性試験
JIS A 1171:2016「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準じて、ポリマーセメントモルタルの材齢57日における中性化抵抗性を測定した。供試体は2日後に脱型した後、材齢7日まで水中で養生し、その後材齢まで気中で養生した。養生後、中性化促進槽(温度20±2℃、相対湿度60±5%、二酸化濃度5±0.2%)で28日間静置し、20℃で24時間静置し測定を行った。供試体表面から蛍光を発しない所までの深さが4mm以下であれば良好(○)と評価し、4mm未満であれば不良(×)と評価した。
・爆裂性試験
JIS A 1171:2016「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準じてφ50×高さ100mmのモルタル円柱体を成形し養生し、材齢28日後に60℃乾燥器で数日間乾燥して、含水率を4~6質量%に調整した円柱供試体を800℃に保った電気炉内に20分間静置し、その後常温(20℃)になるまで放置し、モルタル円柱体の損傷状況を確認した。試験体がひび割れなかったものを◎とし、ひび割れるが爆裂・崩壊しなかったものを○とし、試験体が爆裂・崩壊したものを×と評価した。
Figure 0007461776000001
Figure 0007461776000002
Figure 0007461776000003
表1~3の結果より、実施例のポリマーセメントモルタルの試験体は、十分な圧縮強さ、接着性、中性化抵抗性を有しており、且つ、不燃性試験・爆裂性試験においても良好な結果を示した。一方、比較例のポリマーセメントモルタルの試験体は、測定した特性について良好でない結果を示すものがあり、全ての特性を満足することができなかった。

Claims (5)

  1. セメント、再乳化粉末樹脂、尿素、繊維類、有機混和剤、無機混和剤及び細骨材を含み、
    前記無機混和がフライアッシュを含み、
    前記有機混和剤が減水剤、増粘剤及び消泡剤を含み、
    前記セメント100質量部に対し、前記再乳化粉末樹脂の含有量が0.1~9質量部であり、前記尿素の含有量が0.1~10質量部であり、前記繊維類の含有量が0.01~5質量部であり、前記有機混和剤合計の含有量が0.05~1質量部であり、前記フライアッシュの含有量が5~30質量部であり、前記細骨材の含有量が150~300質量部であり、
    前記有機混和剤において、前記セメント100質量部に対し、前記減水剤の含有量が0.01質量部以上、前記増粘剤の含有量が0.01~0.3質量部、前記消泡剤の含有量が0.003~0.5質量部である、ポリマーセメントモルタル組成物。
  2. 前記無機混和剤が、膨張材、高炉スラグ微粉末、非晶質アルミノシリケート、消石灰、石灰石及び硫酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種を更に含む無機混和剤である、請求項1に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  3. 前記無機混和が非晶質アルミノシリケートを含み、
    前記非晶質アルミノシリケートの含有量が、前記セメント100質量部に対し、0.1~10質量部である、請求項1又は2に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物及び水を含み、
    前記水の含有量が、前記セメント100質量部に対し、45~85質量部である、ポリマーセメントモルタル。
  5. 前記再乳化粉末樹脂、前記尿素、前記繊維類及び前記有機混和剤の総量が、13~52kg/mである、請求項4に記載のポリマーセメントモルタル。
JP2020061862A 2020-03-31 2020-03-31 ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタル Active JP7461776B2 (ja)

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