JP6508789B2 - ポリマーセメントモルタル、及びポリマーセメントモルタルを用いた工法 - Google Patents

ポリマーセメントモルタル、及びポリマーセメントモルタルを用いた工法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばコンクリート構造物の補修に用いられるポリマーセメントモルタルに関する。
コンクリート構造物(例えば、鉄筋コンクリート(RC)床版やボックスカルバートの中床版などの床版、壁、天井部)には、疲労や乾燥収縮により、ひび割れが生じる。この種の劣化の進行や、ひび割れのすり合わせによって、ひび割れ幅が大きくなると、そこから水や塩化物イオン等の劣化因子がコンクリート構造物内に侵入する。この結果、鉄筋が腐食する。すなわち、ひび割れによる損傷を放置していると、最終的に鉄筋が腐食して断面欠損し、構造物の安全性が保てなくなる。この為、劣化した箇所を除去した後、その凹部に補修材を充填することが行われている。
前記補修材あるいは補強材として、ポリマーセメントモルタルが提案されている。特に、早期施工を目的として、初期強度発現性を向上させた急硬性を有する急硬性ポリマーセメントモルタルが提案されている(特許文献1,2)。
特開2008−201643号公報 特開2011−16681号公報
しかしながら、従来提案のポリマーセメントモルタルが用いられた場合では、ひび割れ対策が十分では無く、例えば中性化および塩化物イオンの抵抗性が悪い等の問題が認められた。
従って、本発明が解決しようとする課題は、流動性が良く、凹部内への充填性は良く、かつ、充填された場合の表面平坦性に優れ、更には硬化体の機械的強度に優れ、しかも硬化体の収縮度合も大きくなく、又、塩化物浸透深さや中性化深さが小さいポリマーセメントモルタルを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、水/セメント、ポリマー/セメント、細骨材/セメント、及び軽量骨材/細骨材の割合を考慮すると、前記の課題が大きく改善されることを見出すに至り、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
セメントと、セメント用ポリマーと、骨材と、水とを含有するポリマーセメントモルタルであって、
前記骨材には、軽量骨材に分類される骨材と、細骨材に分類される骨材とが含まれてなり、
水(質量)/セメント(質量)が18〜45%、ポリマー(質量)/セメント(質量)が10〜28、細骨材(容積)/セメント(質量)が0.3〜1.2、軽量骨材(容積)/全骨材(容積)が0.4〜0.9である
ポリマーセメントモルタルを提案する。
本発明は、好ましくは、前記セメントが急硬性セメントであって、前記ポリマーセメントモルタルが急硬性ポリマーセメントモルタルであるポリマーセメントモルタルを提案する。
本発明は、前記ポリマーセメントモルタルであって、好ましくは、前記セメント用ポリマーがゴムの群の中から選ばれる一種または二種以上であるポリマーセメントモルタルを提案する。
本発明は、前記ポリマーセメントモルタルであって、好ましくは、前記セメント用ポリマーが、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体の群の中から選ばれる合成ゴム、天然ゴム、ポリオレフィン、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、瀝青質の群の中から選ばれる一種または二種以上であるポリマーセメントモルタルを提案する。
本発明は、前記ポリマーセメントモルタルであって、好ましくは、前記軽量骨材が無機発泡系骨材であるポリマーセメントモルタルを提案する。
本発明は、前記ポリマーセメントモルタルを用いて補修または補強する工法を提案する。
本発明は、コンクリート構造物の劣化部を除去する除去工程と、この除去工程により形成されたコンクリート構造物の凹部に前記ポリマーセメントモルタルを充填する充填工程とを具備する工法を提案する。
本発明によれば、重量の増加を抑制したいコンクリート部材の劣化部分において適用可能で好適なモルタルが得られる。すなわち、ポリマーセメントモルタルの流動性が良く、凹部内への充填性は良く(このことは、補修や補強に際しての作業性が良いことを意味する。)、かつ、充填された場合の表面平坦性に優れ、硬化体の機械的強度(圧縮強度、曲げ強度、付着強度)に優れ、しかも収縮度は大きくなく、更には塩化物浸透深さや中性化深さが小さい(このことは、補修や補強後における硬化体の劣下が小さいことを意味する。)。
本発明の実施形態が説明される。
第1の本発明はポリマーセメントモルタルである。特に、急硬性ポリマーセメントモルタルである。前記ポリマーセメントモルタルはセメントを有する。前記セメントは、好ましくは、急硬性のセメントである。前記ポリマーセメントモルタルはセメント用ポリマーを有する。前記ポリマーセメントモルタルは骨材を有する。前記ポリマーセメントモルタルは水を有する。前記骨材には、軽量骨材に分類される骨材と、細骨材に分類される骨材とが含まれる。すなわち、前記ポリマーセメントモルタルには軽量骨材が必須成分として含まれる。しかし、骨材は軽量骨材のみで構成されるものでは無い。軽量骨材に分類されない細骨材が必須成分として含まれる。前記ポリマーセメントモルタルにおいて、水(質量)/セメント(質量)が18〜45%、ポリマー(質量)/セメント(質量)が10〜28%、細骨材(容積)/セメント(質量)が0.3〜1.2、軽量骨材(容積)/全骨材(容積)が0.4〜0.9である。前記セメント用ポリマーは、好ましくは、ゴムの群の中から選ばれる一種または二種以上である。例えば、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体の群の中から選ばれる何れかである。天然ゴムでも良い。或いは、ポリオレフィン、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、瀝青質の群の中から選ばれる一種または二種以上であっても良い。前記軽量骨材は、好ましくは、無機発泡系骨材である。
第2の本発明は工法である。前記工法は、前記ポリマーセメントモルタルを用いて補修または補強する工法である。前記工法は、コンクリート構造物の劣化部(劣下部)を除去する除去工程を具備する。前記工法は、前記除去工程で形成されたコンクリート構造物の凹部に前記ポリマーセメントモルタルを充填する充填工程を具備する。
以下、更に詳細な説明がなされる。
本発明で用いられるセメントは如何なるセメントでも良い。例えば、水硬性セメントである。具体的には、例えばポルトランドセメント(普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント)が挙げられる。エコセメント等も挙げられる。更には、前記セメントに、例えばシリカフュームやフライアッシュ等のポゾラン粉末、高炉スラグ、石灰石微粉末などが混合された各種混合セメントも挙げられる。アルミナセメントも挙げられる。好ましくは、更に、急硬性混和材(剤)が添加された急硬性のセメントである。「ジェットセメント」や「スーパージェットセメント」等の商品名で市販されている超速硬セメント等も使用できる。
急硬性混和材(剤)は、好ましくは、カルシウムアルミネート類を主成分とする材(剤)である。カルシウムアルミネート類としては、カルシウムアルミネート、カルシウムハロアルミネート、カルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムサルホアルミネート、並びにこれらにSiO、KO、Fe、TiO等が固溶又は化合したものの群から選ばれる一種又は二種以上を用いることが出来る。これらのカルシウムアルミネート類は、化合物、固溶体、ガラス質、又はこれらの二種以上が共存するものであっても良い。急硬性混和材(剤)には、カルシウムアルミネート類以外に、硫酸塩、炭酸塩、アルミン酸塩が適宜配合されても良い。急硬性混和材(剤)は二種以上の急硬性混和材(剤)が併用されても良い。
本発明で用いられるセメント用ポリマーとしては、ポリマーセメントモルタルやポリマーセメントコンクリートに使用できるものならば、如何なるポリマーでも良い。ゴムは好ましい例である。例えば、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴムは好ましい。天然ゴムも好ましい。その他には、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンも好ましい。例えば、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体も好ましい。例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体、変性酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体、アクリル・酢酸ビニル・べオバ(t‐デカン酸ビニルの商品名)共重合体などの酢酸ビニル系樹脂も好ましい。その他にも、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及びエポキシ樹脂等の合成樹脂も好ましい。又、アスファルト、ゴムアスファルト及びパラフィン等の瀝青質等も好ましい。これらの中から、適宜、一種又は二種以上が用いられる。コンクリート床版との接着性が良いことから、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴムは、特に、好ましい。前記セメント用ポリマーは、液体、エマルジョン、又はエマルジョンを粉末状にした再乳化型粉末樹脂と言った如何なる形態のものでも良い。
本発明では骨材が用いられる。骨材としては、軽量骨材に分類される骨材と、細骨材に分類される骨材とが、共に、用いられる。軽量細骨材のみで済まされるものでは無い。例えば、軽量細骨材と、軽量骨材に分類されない細骨材とが、共に、用いられる。前記軽量骨材は、特に、限定されるものではない。しかし、例えば、黒曜石を焼成発泡させた無機系発泡性骨材であるパーライト、火力発電所で発生するフライアッシュバルーン、発泡ガラス粒(ガラスバルーン)等が、好ましい軽量骨材(軽量細骨材)として挙げられる。一種類であっても、二種類以上であっても良い。軽量骨材は、例えば嵩比重が0.1〜0.8のものが好ましい。嵩比重が0.8を越えた骨材では、軽量化の効果が奏され難い。逆に、0.1未満の場合は、骨材強度が弱くなり、好ましくない。より好ましくは、0.15以上である。より好ましくは、0.6以下である。軽量骨材に分類されない細骨材しては、例えば川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂などが挙げられる。粒度調整された細骨材が好ましい。軽量骨材に分類されない細骨材は、嵩比重が、例えば2.0以上である。
本発明では、水/セメント(W/C:水セメント比)は18〜45質量%が必須要件であった。すなわち、本発明のポリマーセメントモルタルは、W/Cが上記値となる水を含有する。水性の液状混和材料(例えば、混和剤水溶液やエマルジョン状のセメント用ポリマー)が添加される場合、前記水量には、ポリマーセメントモルタルに添加された前記水性材料に含まれる水量も入る。前記W/Cが18質量%未満の場合、ポリマーセメントモルタルの流動性が低い。この為、ポリマーセメントモルタルの充填性が悪く、かつ、ポリマーセメントモルタルの付着強度も低下した。前記W/Cが45質量%を越えた場合、ポリマーセメントモルタルの組成物の分離が起こり易かった。かつ、中性化や塩分浸透性に対する抵抗性が大きく低下した。このようなことから、W/Cが18〜45質量%は、非常に、大事な必須要件であった。好ましくは、23質量%以上であった。好ましくは、35質量%以下であった。尚、セメントが、例えば急硬性セメントである場合、前記セメント量は急硬性混和材(剤)を含んだ量である。
本発明では、ポリマー/セメント(ポリマーセメント比)は10〜28質量%が必須要件であった。前記セメント用ポリマーは、ポリマーセメント比(固形分[105℃における不揮発性分]換算の質量比)が10〜28質量%となるように配合される。ポリマーセメント比が10%未満の場合、付着強度や曲げ強度が不足した。更に、中性化や塩分浸透性に対する抵抗性も低下した。ポリマーセメント比が28質量%を越えた場合、ポリマーセメントモルタルの粘性が高くなり過ぎ、ポリマーセメントモルタルの充填作業性が大きく低下した。更に、硬化後の圧縮強度が低下した。このようなことから、ポリマーセメント比は10〜28質量%であることが必要であった。好ましくは、12質量%以上であった。好ましくは、25質量%以下であった。単位ポリマー量は、固形分換算で、50〜150kg/mであった。
本発明では、細骨材/セメント(細骨材の容積/セメントの質量:細骨材容積セメント質量比)は0.3〜1.2が必須要件であった。細骨材容積セメント質量比が0.3未満の場合、セメントペーストに富んだ配合となる為、自己収縮が大きかった。かつ、十分な軽量化が達成できなかった。1.2を越えた場合、ポリマーセメントモルタルの充填性が悪く、付着強度も悪かった。このようなことから、細骨材容積セメント質量比が0.3〜1.2であることが必要であった。好ましくは、0.45以上であった。好ましくは、0.90以下であった。
本発明では、軽量骨材/全骨材(軽量骨材の容積/全骨材の容積:軽量骨材容積比)は0.4〜0.9が必須要件であった。前記軽量骨材容積比が0.4未満の場合、軽量化が達成できない。0.9を越えた場合、圧縮強度や曲げ強度が低下した。更に、乾燥収縮も大きくなった。かつ、中性化や塩分浸透性に対する抵抗性も低下した。このようなことから、前記軽量骨材容積比が0.4〜0.9であることが必要であった。好ましくは、0.6以上であった。好ましくは、0.8以下であった。
本発明のポリマーセメントモルタルには、本発明の効果を実質上喪失させない限り、前記以外の成分を含むものであっても良い。例えば、減水剤(高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、分散剤と称されるものを含む。)、収縮低減剤、消泡剤、繊維、凝結調整剤、ポゾラン反応性物質、撥水剤、白華防止剤、抗菌剤、浄化剤、増粘剤、顔料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではない。繊維としては、例えばガラス繊維、金属繊維、又は有機繊維などが挙げられる。繊維が併用されると、ポリマーセメントモルタルの飛散が防止されるので、好ましい。
ポリマーセメントモルタルの作製方法は、特には、限定されない。例えば、一般的なセメント系のモルタルと概ね同様な方法で作製できる。具体的な一例を示すと、市販のモルタルミキサに前記材料をペール缶などの容器に一括投入し、水を加えて混合する。多量に作製する場合は、パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ等が使用される。
前記ポリマーセメントモルタルは、各種コンクリート構造物のひび割れ、剥離、或いは欠損箇所の補修・補強に用いられる。特に、コンクリート床版の劣化箇所の補修に好適である。
以下、更に具体的な説明が行われる。但し、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の特長が大きく損なわれない限り、各種の変形例・応用例も含まれる。
[実施例]
[使用材料]
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、比重;3.16)
急硬性混和剤:カルシウムアルミネートを有効成分とする急硬剤
セメント用ポリマー:スチレンブタジエンゴム(太平洋マテリアル株式会社製、不揮発性分量;45質量%)
細骨材:珪砂(比重;2.63、F.M.;2.89)
軽量骨材(軽量細骨材):発泡軽量骨材(太平洋パーライト株式会社製、嵩比重;0.21)
水:水道水
[ポリマーセメントモルタルの作製]
急硬性混和剤をセメントと混合し、急硬性セメントとして調製した後、表1に示される配合割合のポリマーセメントモルタルを5L作製した。
Figure 0006508789
作製は、各材料を金属製円筒容器(容量:18L)に全量投入した後、90秒間ハンドミキサ(回転数:300r.p.m)で混合した。供試体作製、及び練り混ぜは、全て20℃で行い、使用材料の温度も20℃とした上で評価試験を行った。
[評価試験]
(1) フロー試験
JISR5201「セメントの物理試験方法」に準拠し、15打の振動を与える前のフロー値と振動を与えた後のフロー値を測定した。
(2) 単位容積重量試験
練り上がり直後の試料を容積400mlの円筒容器に詰め、その重量を測定し、試料重量/容器容積により算出した。
(3) 充填性評価試験
10cm×10cm×4cm(たて、よこ、高さ)の型枠にモルタルを流し込み、硬化した後に充填状況を目視にて確認した。
(4) 平坦性評価試験
10cm×10cm×4cm(たて、よこ、高さ)の型枠にモルタルを流し込み、コテで均した。勾配が0%の場合と、4%の場合の平坦性を評価した。
(5) 圧縮強度試験
JISA1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠し、材齢28日時点での試験を実施した。
(6) 曲げ強度試験
JISA1116「コンクリートの曲げ強度試験方法」に準拠し、材齢28日時点での試験を実施した。
(7) 付着強度試験
JISA1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準拠し、材齢28日時点での試験を実施した。
(8) 自己収縮試験
10cm×10cm×40cmの供試体中央部に埋め込み型ひずみ計を設置して供試体を作製し、アルミテープで全面をシールし、乾燥を防いだ状態とし、材齢28日のひずみ量(自己収縮量)を測定した。
(9) 乾燥収縮試験
4cm×4cm×16cmの型枠にモルタルを充填して供試体を作製した。2日で脱型し、5日水中養生した後、材齢28日における乾燥収縮量を、JISA1129「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準拠し、測定した。
(10) 塩化物イオン浸透深さ試験
材齢28日まで養生した供試体の一側面を残してエポキシで覆い塩水に浸漬し、更に28日経過後、側面からの塩化物イオンの浸透深さをJISA1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」及びJISA6205「鉄筋コンクリート用防せい剤」に準拠して測定した。
(11) 中性化深さ試験
材齢28日まで養生した供試体の一側面を残してアルミテープでシールして中性化槽に入れ、更に28日経過後、側面からの中性化深さをJISA1153「コンクリートの促進中性化試験方法」に準拠して測定した。
評価試験の結果が表2に示される。
Figure 0006508789
表1,2から、水(質量)/セメント(質量)が18〜45%、ポリマー(質量)/セメント(質量)が10〜28、細骨材(容積)/セメント(質量)が0.3〜1.2、軽量骨材(容積)/細骨材(容積)が0.4〜0.9のポリマーセメントモルタルは、流動性が良く、凹部内への充填性が良く、かつ、充填された場合の表面平坦性に優れ、硬化体の機械的強度(圧縮強度、曲げ強度、付着強度)に優れ、かつ、収縮度合は適度であり、しかも塩化物浸透深さは小さく、更には中性化深さも小さい。
これに対して、水セメント比が本発明外の15%(配合No.9)の場合、モルタルの流動性が悪く、かつ、充填性や平坦性に劣り、又、機械的強度(圧縮強度、曲げ強度、付着強度)が劣り、更には塩化物浸透深さや中性化深さが大きい。
水セメント比が本発明外の50%(配合No.10)の場合、充填モルタルの平坦性に劣り、かつ、機械的強度(圧縮強度、曲げ強度、付着強度)が劣り、又、乾燥収縮の度合いが大きく、更には塩化物浸透深さや中性化深さが大きい。
ポリマーセメント比が本発明外の5%(配合No.11)の場合、充填モルタルの平坦性に劣り、かつ、機械的強度(曲げ強度、付着強度)が劣り、更には塩化物浸透深さや中性化深さが大きい。
ポリマーセメント比が本発明外の30%(配合No.12)の場合、充填モルタルの平坦性に劣り、かつ、機械的強度(圧縮強度)が劣る。
軽量骨材容積比が本発明外の0.22(配合No.15,17)の場合、軽量性に劣る。
軽量骨材容積比が本発明外の0.94(配合No.16)の場合、機械的強度(圧縮強度、曲げ強度、付着強度)が劣り、かつ、収縮度合が大きく、更には塩化物浸透深さや中性化深さが大きい。
細骨材容積セメント質量比が本発明外の0.06(配合No.20)の場合、充填モルタルの平坦性に劣り、かつ、収縮度合が大きい。
細骨材容積セメント質量比が本発明外の1.26(配合No.21)の場合、モルタルの流動性が悪く、かつ、充填性や平坦性に劣り、又、機械的強度(圧縮強度、曲げ強度、付着強度)が劣る。
何れにしても、本発明の必須構成要件が一つ欠けたのみでも、本発明が奏する特長を、到底に、奏することが出来ない。


Claims (6)

  1. セメントと、セメント用ポリマーと、骨材と、水とを含有するポリマーセメントモルタルであって、
    前記骨材には、軽量骨材に分類される骨材と、細骨材に分類される骨材とが含まれてなり、
    水(質量)/セメント(質量)が18〜45%、ポリマー(質量)/セメント(質量)が10〜28%、細骨材(容積)/セメント(質量)が0.3〜1.2、軽量骨材(容積)/全骨材(容積)が0.45〜0.9である
    ポリマーセメントモルタル。
  2. 前記セメントが急硬性セメントであって、前記ポリマーセメントモルタルが急硬性ポリマーセメントモルタルである
    請求項1のポリマーセメントモルタル。
  3. 前記セメント用ポリマーがゴムの群の中から選ばれる一種または二種以上である
    請求項2のポリマーセメントモルタル。
  4. 前記セメント用ポリマーが、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体の群の中から選ばれる合成ゴム、天然ゴム、ポリオレフィン、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、瀝青質の群の中から選ばれる一種または二種以上である
    請求項1〜請求項3いずれかのポリマーセメントモルタル。
  5. 前記軽量骨材が無機発泡系骨材である
    請求項1〜請求項4いずれかのポリマーセメントモルタル。
  6. 請求項1〜請求項5いずれかのポリマーセメントモルタルを用いて補修または補強する工法。
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