JP7177393B2 - 軟磁性金属粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、軟磁性金属粉末に関し、特に、インダクタ、リアクトル等の電磁気回路部品のコアに好適に用いられる軟磁性金属粉末に関する。
大電流を印加する用途で使用されるリアクトル、インダクタ用の磁心材料として、フェライトコア、軟磁性金属粉末から構成される圧粉コア、ケイ素鋼板を用いる積層電磁鋼板等が用いられている。
これらの磁心材料の中でも、軟磁性金属圧粉コアはコアロスが積層電磁鋼板よりも小さく、飽和磁束密度がフェライトコアよりも大きいことから、磁心材料として広く用いられるようになっている。
リアクトルおよびインダクタには、小型化と磁気特性とを両立することが求められる。磁気特性としては、特に、直流電流を重畳しても高いインダクタンスを有することが求められる。そのため、軟磁性金属圧粉コアには、直流重畳磁界が印加されても高い透磁率を有すること、すなわち、直流重畳特性が優れていることが求められている。
軟磁性金属圧粉コアの直流重畳特性を改善するためには、コアの密度を高めること、用いる軟磁性金属粉末の円形度を高めること等が有効であることが知られている。
また、リアクトルおよびインダクタには高効率が求められるため、軟磁性金属圧粉コアには、コアロスが小さいことが求められている。
軟磁性金属圧粉コアのコアロスを低減するためには、コアロスを構成するヒステリシス損失と渦電流損失との両方を低減することが必要である。ヒステリシス損失の低減のためには、用いる軟磁性金属粉末の保磁力を小さくすることが有効であることが知られている。一方、渦電流損失の低減のためには、用いる軟磁性金属粉末の粒径を小さくすることが有効であるとされる。
したがって、軟磁性金属圧粉コアに用いられる軟磁性金属粉末には、保磁力が小さく、円形度が高く、粒径が小さいことが求められている。そこで、そのような軟磁性金属粉末を得る方法として、例えば、特許文献1には鉄とケイ素とホウ素を含む金属原料粉末を窒素雰囲気中で熱処理することで、保磁力が小さい軟磁性金属粉末を得る方法が示されている。
特開2015-233119号公報
特許文献1には、軟磁性金属粉末を高温で熱処理することで保磁力を低減することができることが記載されている。しかしながら、粒子の形状および粒度分布は原料となる金属粉末の性状によって決まるものであって、熱処理によりこれらを改善することはできない。
上記の金属粉末を得るために一般的な製造方法としては、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法等が知られている。
水アトマイズ法により製造される水アトマイズ粉末は、低コストであるものの、溶融金属の液滴が急冷され固化することにより粒子が得られるので、平均粒径の小さい粉末を得ることができる。しかしながら、その形状は不定形であり、真球状の形状を有する粒子を得るのは困難である。
一方、ガスアトマイズ法により製造されるガスアトマイズ粉末は、水アトマイズ粉末よりも高コストであるものの、溶融金属の液滴が比較的ゆっくり冷却され固化することにより粒子が得られるので、真球状に近い形状を有する粒子を得ることができる。しかし、水アトマイズ法により製造される水アトマイズ粉末に比べると、平均粒径が大きなものしか得られないという問題がある。
また、特許文献1では、軟磁性金属粉末に対して、窒化ホウ素皮膜研削処理を行うことが好ましいとされている。しかしながら、窒化ホウ素皮膜研削処理において、ボールミル処理により軟磁性金属粉末の保磁力が大きくなってしまうという問題がある。
よって、粒径が小さい軟磁性金属粉末において、保磁力が小さく、円形度が高い軟磁性金属粉末を得ることは非常に難しいという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、保磁力が小さく、円形度が高い軟磁性金属粉末を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る軟磁性金属粉末は、
[1]鉄とケイ素と炭素とを含む複数の金属粒子を有する軟磁性金属粉末であって、
金属粒子のうち、80%以上の金属粒子の円形度が0.80以上であり、
軟磁性金属粉末100質量%中、炭素の含有量が0.030質量%以上0.200質量%以下であり、
軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量100質量%に対するケイ素の含有量をA質量%とし、
金属粒子の断面を2n個(n≧25)観察したとき、
金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB質量%としたとき、
0.95*A < B < A
を満たすことを特徴とする軟磁性金属粉末である。
[2]金属粒子の断面を2n個(n≧25)観察したとき、
金属粒子の断面輪郭の外接円直径の小さい方から1番目からn番目の金属粒子について、当該金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB1質量%とし、
金属粒子の断面輪郭の外接円直径の小さい方から(n+1)番目から2n番目の金属粒子について、当該金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB2質量%としたとき、
B1 > B2
を満たすことを特徴とする[1]に記載の軟磁性金属粉末である。
[3]金属粒子のうち、90%以上の金属粒子が1個の結晶粒からなることを特徴とする[1]または[2]に記載の軟磁性金属粉末である。
[4]窒化ホウ素粉末を含むことを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の軟磁性金属粉末である。
本発明によれば、保磁力が小さく、円形度が高い軟磁性金属粉末を提供することができる。
以下、当該軟磁性金属粉末について詳細に説明する。
本実施形態では、軟磁性金属粉末は鉄とケイ素とを含む金属粒子を有している。具体的には、当該金属粒子は鉄とケイ素との合金を含んでいる。ケイ素は、鉄との合金として含まれている場合、軟磁性金属粉末の結晶磁気異方性を小さくする効果があり、保磁力を低減する効果がある。また、ケイ素は鉄との合金として含まれている場合、磁歪定数を小さくする効果があり、応力が加わったときの保磁力を低減する効果がある。
一方、軟磁性金属粉末は、大気中で取り扱われるため、主に、金属粒子表面に酸化物が形成されている。酸化物は、鉄の酸化物、ケイ素の酸化物、ならびに他の合金元素の酸化物、不純物の酸化物から構成される。ケイ素は酸化しやすいことから、形成されている酸化物にはケイ素酸化物が多く含まれる。
したがって、ケイ素が鉄との合金ではなく、酸化物として存在している場合には、軟磁性金属粉末の保磁力が高くなる傾向にある。そこで、本実施形態では、軟磁性金属粉末に含まれるケイ素を、酸化物としてではなく、鉄との合金中に合金元素として存在させることにより、軟磁性金属粉末の保磁力を低減する。
本実施形態では、軟磁性金属粉末に含まれるケイ素の含有量と、金属粒子に合金元素として含まれるケイ素の含有量と、に着目している。しかしながら、金属粒子に合金元素として含まれるケイ素の含有量を定量することは困難である。そこで、軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量と、金属粒子に含まれる鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量と、に着目している。
酸化物として存在しているケイ素は、鉄とケイ素との合金中のケイ素に由来しているので、金属粒子表面に形成されている酸化物量が増えると、金属粒子に含まれる鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量が減ってしまう。したがって、軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量と、金属粒子に含まれる鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量と、の関係は、軟磁性金属粉末に含まれるケイ素の含有量と、金属粒子に合金元素として含まれるケイ素の含有量と、の関係を反映している。
本実施形態では、軟磁性金属粉末の保磁力を低減するために、軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量と、金属粒子に含まれる鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量と、が特定の関係を満足するよう制御している。
具体的には、本実施形態に係る軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量100質量%に対するケイ素の含有量をA質量%、金属粒子の断面を2n個(n≧25)観察したとき、金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB質量%としたとき、
0.95*A < B < A
を満たす。
軟磁性金属粉末に含まれるケイ素のうち95%以上のケイ素が金属粒子内に合金元素として存在するため、結晶磁気異方性が小さくなり、保磁力を低減することが可能となる。また、磁歪定数が小さくなるため、解砕工程後の保磁力も低減することが可能となる。
軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量100質量%に対するケイ素の含有量(A質量%)は、例えば、重量法、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)、蛍光X線分析法(XRF)、ガス成分分析などを組み合わせて測定することができる。すなわち、鉄とケイ素の存在形態にかかわらず、軟磁性金属粉末に含まれる全ての鉄の含有量および全てのケイ素の含有量を測定できる方法であればよい。軟磁性金属粉末100質量%中の鉄の含有量をWFe(質量%)、ケイ素の含有量をWSi(質量%)とすると、
A=WSi/(WSi+WFe)
で算出することができる。
金属粒子の断面を2n個(n≧25)観察した場合の金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値(B質量%)は、例えば、SEM-EDS、EPMAなどの解析装置を用いて測定することができる。まず、軟磁性金属粉末を冷間埋め込み樹脂などの樹脂で固定したものを断面が露出するように切断し、鏡面になるまで研磨する。その研磨面を、例えばSEMにて観察する。金属粒子の断面を観察し、その外接円直径を測定する。また、EDSにて当該粒子の内部の組成分析を行い、鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量を計算する。分析範囲は金属粒子の表面に重ならない必要があり、金属粒子の断面の面積に対して十分に小さくする。本実施形態では、分析範囲は1μmx1μmの範囲よりも小さいことが好ましい。後述のように、熱処理工程がケイ素の拡散に十分な温度で行われるため、金属粒子内部のケイ素の分布は均一になっていると考えてよく、金属粒子表面に近接しなければ金属粒子断面内部の分析位置は特に気にするものではない。これを50個以上の金属粒子について行い、鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値を計算して、これをB(質量%)とする。
また、本実施形態では、粗大な金属粒子と、微細な金属粒子のそれぞれに合金元素として含まれるケイ素の含有量に着目する。金属粒子の断面観察において、外接円直径の大きな金属粒子断面は粗大な金属粒子からしか生成しない。すなわち、外接円直径が小さい金属粒子断面は微細な金属粒子を含んでいるのに対し、外接円直径が大きい金属粒子断面は微細な金属粒子を含まない。そこで、金属粒子のうち、外接円直径が小さいものから順に測定個数の半分までの金属粒子を金属粒子S、それ以外の金属粒子を金属粒子Lとする。すなわち、金属粒子の断面を2n個(n≧25)観察したとき、金属粒子の断面輪郭の外接円直径の小さい方から1番目からn番目の金属粒子を金属粒子Sとし、金属粒子の断面の外接円直径の小さい方から(n+1)番目から2n番目の金属粒子を金属粒子Lとすると、金属粒子Sは微細な金属粒子を含んでいるのに対し、金属粒子Lは微細な金属粒子を含まない。
本実施形態では、金属粒子Sについて、金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB1質量%とし、金属粒子Lについて、金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB2質量%としたとき、
B1 > B2
を満たすことが望ましい。すなわち、微細な金属粒子を含む金属粒子Sの方が、微細な金属粒子を含まない金属粒子Lよりもケイ素含有量が多いことが望ましい。
微細な粒子は比表面積が大きいため、酸化の影響を受けやすく、金属粒子に合金元素として含まれるケイ素の含有量が少なくなりやすい。さらに、解砕工程では、微細な粒子は比表面積が大きいため、粒子表面への応力印加の影響が強くなり、磁歪に起因する保磁力が大きくなりやすい。ケイ素含有量が多いほど、硬度が高く、磁歪定数が小さくなることから、微細な粒子のケイ素含有量を粗大な粒子よりも多くすることによって、表面への応力印加の影響を軽微にすることが可能となり、結果として、解砕工程後の保磁力を低減することが可能となる。
軟磁性金属粉末に含まれるケイ素の含有量は、軟磁性金属粉末100質量%中、1.0質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましい。また、ケイ素の含有量は、10.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下であることがより好ましい。ケイ素の含有量が少なすぎると、保磁力が高くなる傾向にある。一方、ケイ素の含有量が多すぎると、金属粒子の硬度が大きくなりすぎて、軟磁性金属圧粉コアの密度が低下する傾向にある。
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は炭素を含む。後述するが、本実施形態では、原料粉末に炭素源物質を意図的に添加し、熱処理工程において酸素と結合しているケイ素を炭素によって還元し、金属粒子内のケイ素量を増やす。還元に寄与した炭素は一酸化炭素として軟磁性金属粉末外に排出されるが、一部の炭素は必然的に軟磁性金属粉末に残留する。
軟磁性金属粉末の金属粒子に含まれる炭素量が多いと軟磁性金属の保磁力が増大するため、金属粒子に含まれる炭素量は少ない方が好ましい。本実施形態では、軟磁性金属粉末に含まれる炭素量は、軟磁性金属粉末100質量%中、0.030質量%以上0.200質量%以下である。
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は、金属粒子のうち、80%以上の金属粒子の円形度が0.80以上である。本実施形態では、ガスアトマイズ粉のような円形度の高い粉末を原料として用いることができる。また、後述のように、円形度の低い、不定形な粉末を用いても、熱処理することにより粒子の形状を球形に改善することも可能である。円形度が高いため、金属粒子の比表面積を小さくすることができ、軟磁性金属粉末を大気中で取り扱ったとしても、酸化による金属粒子内部のケイ素含有量の低下を抑制することが可能となる。
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は、軟磁性金属粉末を構成する金属粒子のうち、90%以上の金属粒子が1個の結晶粒からなることが好ましい。1個の結晶粒からなる金属粒子には、磁壁の移動を妨げる結晶粒界が存在しないため、保磁力が小さい軟磁性金属粉末を得ることができる。
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は、さらに窒化ホウ素粉末を含むことが好ましい。窒化ホウ素粉末は焼結防止材として働く。焼結防止材として窒化ホウ素を含んだ混合粉末を熱処理することによって、円形度が高く、結晶粒界がほとんど存在しない軟磁性金属粉末を得ることができる。
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は、平均粒径が10μm以下であることが好ましい。平均粒径を10μm以下とすることによって、圧粉コアにしたときの渦電流損失を特に小さくすることが可能となる。
本実施形態の製造方法を述べる。
(金属原料粉末)
軟磁性金属粉末の原料粉末は鉄とケイ素を含む金属原料粒子を有する金属原料粉末である。金属原料粒子はさらにホウ素を含んでもよい。金属原料粒子に含まれるホウ素は後述の熱処理工程で金属粒子表面に窒化ホウ素を形成して、焼結防止材として作用させることができる。
金属原料粉末は、大気中で取り扱われるため、上述したように、酸化物が形成されている。酸化物は鉄の酸化物、ケイ素の酸化物、ならびに他の合金元素の酸化物、不純物の酸化物から構成される。ケイ素は酸化しやすいことから、形成されている酸化物にはケイ素酸化物が多く含まれる。したがって、金属原料粉末に含まれるケイ素の合計含有量に比べて、金属粒子内に存在する合金元素としてのケイ素の含有量は少なくなっている。特に、微細な金属粒子の方が体積当たりの表面積が大きいため、酸化物がより多く生成し、金属粒子内に存在するケイ素の含有量はさらに少なくなっている。ケイ素の含有量が少ないということは、結晶磁気異方性が大きくなるだけでなく、硬度が低く、磁歪が大きくなるため応力の影響を受けて保磁力が大きくなりやすい。
金属原料粉末を作製する方法は特に制限されず、本実施形態では、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、鋳造粉砕法等が例示されるが、微細な粉末が得られやすい水アトマイズ法が好ましい。水アトマイズ法で作製される金属粉末は不定形な金属粒子を多く含み、円形度が低いが、本実施形態では金属粒子の円形度を高めることが可能であるため、問題とはならない。
金属原料粉末の平均粒径は特に制限されないが、渦電流損失を低減するために平均粒径は10μm以下とするとことが望ましい。
(混合工程)
次に、金属原料粉末と炭素源物質と焼結防止材を混合して混合粉末を得る。混合粉末に、さらにケイ素酸化物源物質を添加してもよい。
炭素源物質としては、後述する熱処理工程において、炭素を供給できる物質であれば特に制限されない。本実施形態では、炭素源物質は、炭素および/または有機化合物である。炭素としては、グラファイト、カーボンブラック、アモルファスカーボンなどの炭素粉末が例示される。有機化合物としては、非酸化性の雰囲気で加熱した場合に熱分解して、炭素を発生させる物質が例示される。具体的には、炭化水素、アルコール、樹脂などが例示される。
後述する熱処理工程において、炭素源物質は、金属原料粉末を構成する金属原料粒子表面に炭素を含む微粒子を付着させる。この付着した炭素を含む微粒子が当該粒子を球状化する役割の一部を担うことができる。炭素源物質が有機化合物である場合には、有機化合物が非酸化性の雰囲気で加熱されることにより熱分解し、炭素を含む微粒子が生成し、粒子表面に付着する。
炭素源物質は、炭素のみで構成されていてもよいし、有機化合物のみで構成されていてもよいし、炭素と有機化合物とから構成されていてもよい。また、炭素および有機化合物は、それぞれ、例示した物質を2種類以上含んでいてもよい。
本実施形態では、炭素源物質は、炭素粉末であることが好ましい。炭素は熱分解せずに粒子表面に付着するため、球状化反応に寄与する炭素量の制御が容易だからである。
炭素源物質の形態が粉末である場合には、金属原料粉末に炭素源物質をコーティングして用いることが好ましい。コーティングすることにより、原料粉末と炭素源物質との分散性を高めて、熱処理工程における球状化の効果を高めることができる。コーティングする方法としては、公知の方法であれば特に制限されないが、たとえば、炭素源物質の粉末を有機溶剤に分散させた溶媒を、金属原料粉末と混合して乾燥することによりコーティングする方法が例示される。また、コーティングの助剤として樹脂などの有機化合物を用いてもよい。
混合粉末に含まれる炭素源物質の含有量は、混合粉末に含まれる酸素の含有量100質量%に対して、炭素換算で60質量%以上100質量%以下とするのが好ましく、より好ましくは90質量%以上100質量%以下とすることが好ましい。上記の範囲内で含まれることにより、後述する熱処理において金属原料粒子内のケイ素量の増加を促進する。
焼結防止材は金属原料粉末の金属原料粒子同士が熱処理時にネッキングするのを防止する。焼結防止材の形態は粉末状であり、金属原料粒子同士の接触を阻害する必要があることから、金属原料粉末の平均粒径よりも小さい。焼結防止材としては、熱処理工程での金属原料粉末や炭素との反応性がほとんどなく、熱処理温度において、それ自体が焼結しない物質が適しており、酸化アルミニウム、窒化ホウ素などが例示される。本実施形態では、焼結防止材は窒化ホウ素粉末が好ましく、窒化ホウ素を用いることにより熱処理後の軟磁性金属粉末の金属粒子の円形度が高まる効果がある。焼結防止材の添加量は金属原料粉末の粒径や焼結防止材の粒径などによって、熱処理後の軟磁性金属粉末が所望の粒径となるように選択すればよい。
ケイ素酸化物源物質は、後述する熱処理工程において、ケイ素酸化物を供給できる物質であれば特に制限されない。本実施形態では、二酸化ケイ素、ケイ酸、シリカゲル、シリコーンなどが例示される。本実施形態では、ケイ素酸化物源物質は、二酸化ケイ素粉末であることが好ましい。二酸化ケイ素粉末は入手が容易で、反応に寄与するケイ素酸化物量の制御が容易だからである。ケイ素酸化物は、後述のように、熱処理工程において炭素と反応して金属ケイ素を生成し、金属粒子内の合金元素としてのケイ素を所望の量に調整する作用を有する。
(熱処理工程)
熱処理工程では、準備した混合粉末に対して窒素を含む非酸化性雰囲気の気流中で熱処理する。
熱処理工程では、雰囲気中の窒素分圧は0.9atm以上であることが好ましく、1.0atm以上であることがより好ましい。雰囲気の圧力が大気圧の場合には、窒素濃度が90%以上であることが好ましく、100%、すなわち、純窒素であることが特に好ましい。また、雰囲気中の酸素分圧は0.0001atm以下であることが好ましい。酸素分圧が高すぎると、ケイ素の酸化反応が進行し、金属粒子に含まれる合金元素としてのケイ素が減少する傾向にある。
熱処理工程では、熱処理温度は1250℃以上であり、1300℃以上であることが好ましい。また、熱処理温度は1500℃以下であることが好ましい。熱処理温度が低すぎると、ケイ素酸化物と炭素との反応が進行しない傾向にある。一方、熱処理温度が高すぎると、焼結が進みやすくなるため、粒径の制御が困難に傾向にある。
熱処理工程の初期段階では、炭素源物質が炭素に、ケイ素酸化物源物質がケイ素酸化物となる。また、金属原料粒子にホウ素を含む場合には、雰囲気中の窒素と反応して、金属原料粒子の表面に窒化ホウ素を形成する。窒化ホウ素は焼結防止材としての作用を持つ。
熱処理工程では、熱処理温度が1250℃以上の高温となるが、添加された焼結防止材および/または形成された焼結防止材が金属原料粒子同士の接触を阻害するため、粒度分布の変化はほとんどない。
熱処理工程の反応段階では、炭素とケイ素酸化物が金属原料粒子表面で反応し、金属ケイ素を生成する。金属ケイ素は金属原料粒子内に拡散し、合金元素となる。熱処理温度が1250℃以上と高温であることから、金属原料粒子内のケイ素の分布は均一になる。炭素は一酸化炭素や二酸化炭素などの形態で気流とともに系外に排出される。
焼結防止材として窒化ホウ素を用いた場合、熱処理工程において金属原料粒子の球状化が進行し、円形度の高い金属粒子からなる軟磁性金属粉末を得ることができる。その機構は次のように考えることができる。
前述のように炭素とケイ素酸化物との反応によって、炭素由来の一酸化炭素などのガス成分が発生する。そのガス成分によって雰囲気の窒素分圧が低下すると、窒化ホウ素の一部が分解し金属ホウ素が生成する。金属ホウ素は金属原料粒子に拡散し、1250℃以上の高温では液相を生成する。生成した液相は金属原料粒子の表面を覆うように分布するが、表面張力の作用によって球状になる。
系内の炭素とケイ素酸化物の量は有限であるから、その一方もしくは両方が消費されると、自ずと反応は終息し一酸化炭素などの炭素由来のガス成分は減少する。すると、供給される窒素雰囲気の気流によって再び窒素分圧が上昇し、金属ホウ素が再び窒化して、金属原料粒子の表面に窒化ホウ素を生成し、金属原料粒子内のホウ素量は減少する。再び窒化するときには金属原料粒子の形状は変わらないので球状の金属粒子が得られる。
ケイ素酸化物には金属原料粉末の表面に存在したケイ素酸化物と、混合工程で添加したケイ素酸化物に由来するケイ素酸化物と、がある。
金属原料粉末の金属原料粒子表面に存在したケイ素酸化物は、金属原料粒子内部の金属ケイ素から生成したものであるから、炭素との反応で金属原料粒子内部に戻ることで、金属原料粉末に含まれるケイ素の含有量と金属原料粒子内に存在するケイ素の含有量の差が小さくなる。炭素の量を適宜選択することによって、熱処理後の軟磁性金属粉末に含まれるケイ素の含有量と金属粒子内に存在するケイ素の含有量との差を5%以内に抑えることができる。
混合工程で添加したケイ素酸化物に由来するケイ素酸化物は炭素と反応して、接触する金属原料粒子に対して金属ケイ素を増加させる。微細な金属原料粒子は、粗大な金属原料粒子よりも体積当たりの表面積(比表面積)が大きい。ケイ素酸化物と金属原料粒子との接触する割合は金属粒子の表面積に比例するため、体積当たりの表面積が大きい金属原料粒子(微細な金属原料粒子)の方が、ケイ素酸化物からより多くのケイ素が取り込まれる。よって、ケイ素酸化物源物質を混合して熱処理を行うことによって、熱処理後に、微細な金属粒子に含まれるケイ素の質量比を高めることが可能となる。
(焼結防止材除去工程)
焼結防止材除去工程では、熱処理によって得られた熱処理粉末から焼結防止材を除去して、軟磁性金属粉末を得る。
熱処理工程後の焼結防止材は、篩い分け、サイクロン、静電分離、磁気分級、風力分級、湿式沈降分離などの分級装置を用いて金属粒子から分離することができる。
また、熱処理工程後の焼結防止材が金属粒子と密着している場合には、たとえば、熱処理粉末を解砕することにより、金属粒子から焼結防止物質を機械的に分離することができる。解砕には、湿式ボールミル、乾式ボールミル、ジェットミルなどの一般的な解砕装置を用いることができる。また、分級機能を有する解砕装置などの複合装置を用いてもよい。
本実施形態では、解砕と分離とを組み合わせて、焼結防止材を強制的に分離することが好ましい。たとえば、湿式ボールミルによる解砕を行い、磁気選別により金属粒子と焼結防止材とを強制的に分離してもよい。また、乾式解砕による解砕を行い、湿式での磁気選別により金属粒子と焼結防止材とを強制的に分離してもよい。さらに、乾式解砕による解砕を行い、風力を用いる分級により金属粒子と焼結防止材とを強制的に分離してもよい。
本実施形態では、金属粒子に含まれるケイ素の含有量が高められているので、合金元素としてのケイ素が発揮する磁歪低減効果が大きい。したがって、上記のように、熱処理粉末に応力が掛かるような解砕を行っても、保磁力の増加が抑制された軟磁性金属粉末を得ることができる。
なお、解砕工程の条件、または、分離工程の条件によって焼結防止材の除去率は変化するが、焼結防止材除去工程を行っても、焼結防止材を完全に除去できるわけではない。したがって、焼結防止材除去工程後の軟磁性金属粉末には、少なくとも微量の焼結防止材が含まれている。特に、焼結防止材として窒化ホウ素を用いた場合には、前述のようにホウ素と金属粒子との反応を伴うため、金属粒子に密着した窒化ホウ素が生成しやすく、軟磁性金属粉末に窒化ホウ素が残留しやすい。窒化ホウ素は絶縁体であることから、圧粉コアにした場合に、金属粒子間を電気的に絶縁する作用があるため、渦電流損失を低減する効果がある。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の態様で改変しても良い。
まず、金属原料粉末を水アトマイズ法により作製した。金属原料粉末の組成はFe-4.5質量%Siとした。作製した金属原料粉末の平均粒径は6μmであった。
作製した金属原料粉末に対して、炭素源物質、焼結防止材、ケイ素酸化物源物質を表1に示す量を添加して混合粉末を作製した。炭素源物質にはカーボンブラック、焼結防止材には窒化ホウ素粉末、ケイ素酸化物源物質は二酸化ケイ素(アエロジル)を用いた。混合は乾式の撹拌機にて行った。なお、参考例は混合工程も熱処理工程も行っていない、すなわち、金属原料粉末である。
焼結防止材に用いた窒化ホウ素粉末の作製方法は次のとおりである。水アトマイズ法によってFe-4.5質量%Si-1.0質量%B合金粉末を作製し、この合金粉末を窒素気流中、1300℃で熱処理し、金属粒子表面に窒化ホウ素薄片が被覆された粉末を得た。この粉末をエタノールと混合し、ボールミルにて解砕したのち、金属粉末を磁石で沈降させ、白濁した上澄みを回収し、上澄みを乾燥させて残った回収物として窒化ホウ素粉末を得た。
作製した混合粉末をアルミナ製のるつぼに充填し、管状炉に載置して、1350℃、窒素気流中にて熱処理工程を行い、熱処理粉末を作製した。
得られた熱処理後の軟磁性金属粉末を20mg秤量し、φ6mmx5mmのプラスチックケースにパラフィンと共に入れ、パラフィンを融解、凝固させて粉末を固定したものを保磁力計(東北特殊鋼社製、K-HC1000型)にて測定した。測定磁界は150kA/mであった。本実施例では、保磁力が180A/m以下である試料を良好であると判断した。結果を表1に示す。
作製した熱処理粉末は、解砕工程と分離工程を組み合わせた焼結防止材除去工程を行って、軟磁性金属粉末を作製した。解砕工程はミキサーミルにて行った。分離工程は磁力分離にて行い、熱処理粉末をエタノール中に分散させたのちに磁石を用いて軟磁性金属粉末を沈降させ、微細な焼結防止材を含んだ上澄み溶液を除去する工程を繰り返した。
得られた解砕後の軟磁性金属粉末を20mg秤量し、φ6mmx5mmのプラスチックケースにパラフィンと共に入れ、パラフィンを融解、凝固させて粉末を固定したものを保磁力計(東北特殊鋼社製、K-HC1000型)にて測定した。測定磁界は150kA/mであった。本実施例では、保磁力が250A/m以下である試料を良好であると判断した。結果を表2に示す。
軟磁性金属粉末の粒度分布をレーザー回折式粒子径分布測定装置HELOS&RODOS(Sympatec製)を用いて測定し、平均粒径d50%を得た。結果を表2に示す。
軟磁性金属粉末の炭素量を、炭素分析装置(LECO社製、CS-600)にて測定した。結果を表2に示す。
軟磁性金属粉末を冷間埋め込み樹脂で固定して、金属粒子の断面が露出するように鏡面研磨を行った。得られた断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、50個の粒子断面をランダムに選択して、その円形度を測定し、円形度が0.80以上の粒子の割合を算出した。円形度としては、Wadellの円形度を用いた。結果を表2に示す。
鏡面研磨を行った金属粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、50個の金属粒子の断面について、鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量をEDSにて測定し、50個の平均値をB質量%とした。結果を表1に示す。分析箇所は観察した金属粒子の断面の中央付近とし、分析範囲は1μmx1μmとして、位置をずらして3回測定を行った平均値を、当該粒子の測定値とした。
また、質量比を測定した金属粒子の断面輪郭の外接円直径を測定し、外接円直径の小さい方から1番目から25番目の金属粒子について、金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB1質量%とした。また、外接円直径の小さい方から26番目から50番目の金属粒子について、金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB2質量%とした。結果を表2に示す。
鏡面研磨を行った金属粒子の断面をナイタールでエッチングした後、50個の金属粒子の断面をランダムに選択して、金属粒子内に結晶粒界が存在するか否かを評価して、1個の結晶粒からなる粒子の割合を算出した。結果を表2に示す。
軟磁性金属粉末に含まれるケイ素の含有量を誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)にて測定した。軟磁性金属粉末に含まれる酸素の含有量を、酸素分析装置(LECO社製、TC600)にて測定した。軟磁性金属粉末に含まれる鉄の含有量は100質量%からケイ素の含有量と酸素の含有量を除いた残部とした。なお、ケイ素と酸素以外の不純物は微量であり、影響はほとんどない。軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量100質量%に対するケイ素の含有量をA質量%として算出した。結果を表2に示す。
Figure 0007177393000001
Figure 0007177393000002
実施例1では、軟磁性金属粉末に含まれる炭素が0.06%であり、100%の金属粒子が円形度0.80以上であり、軟磁性金属粉末の鉄とケイ素の質量比(A)と金属粒子に含まれる鉄とケイ素の質量比(B)の関係がB=0.96Aであることから、焼結防止材除去工程で受けた応力の影響が軽微となり、232A/mの低い保磁力を有する軟磁性金属粉末となっていることがわかる。
実施例2~4では、炭素の含有量、円形度およびAとBとの関係が本発明の範囲内であることに加えて、さらに微細な金属粒子に含まれる鉄とケイ素の質量比(B1)と粗大な金属粒子に含まれる鉄とケイ素の質量比(B2)の関係がB1>B2となっていることから、焼結防止材除去工程で受けた応力の影響がさらに軽微となり、実施例1よりも低い保磁力を有する軟磁性金属粉末となっていることがわかる。
比較例1は炭素源物質を混合しないためケイ素酸化物の還元反応が進まず炭素の含有量が0.02%であり、円形度0.80以上である金属粒子の割合が74%であり、磁性金属粉末の鉄とケイ素の質量比(A)と金属粒子に含まれる鉄とケイ素の質量比(B)の関係がB=0.90Aであるため、焼結防止材除去工程で受けた応力の影響が大きく、301A/mの大きな保磁力を有する軟磁性金属粉末となっていることがわかる。
比較例2では、炭素の含有量が多すぎるため、円形度およびAとBとの関係は本発明の範囲内であっても、290A/mの大きな保磁力を有する軟磁性金属粉末となっていることがわかる。
実施例1~4では、窒化ホウ素粉末を混合して熱処理しているため、焼結防止材除去工程後でも0.3~0.6質量%の窒化ホウ素が残留している。
実施例1~4では、1300℃以上の高温で熱処理されているため、90%以上の金属粒子が1個の結晶粒からなっている。

Claims (4)

  1. 鉄とケイ素と炭素とを含む複数の金属粒子を有する軟磁性金属粉末であって、
    前記金属粒子のうち、80%以上の金属粒子の円形度が0.80以上であり、
    前記軟磁性金属粉末100質量%中、炭素の含有量が0.030質量%以上0.200質量%以下であり、
    前記軟磁性金属粉末に含まれる鉄とケイ素との合計含有量100質量%に対するケイ素の含有量をA質量%とし、
    前記金属粒子の断面を2n個(n≧25)観察したとき、
    前記金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB質量%としたとき、
    0.95*A < B < A
    を満たすことを特徴とする軟磁性金属粉末。
  2. 前記金属粒子の断面を2n個(n≧25)観察したとき、
    前記金属粒子の断面輪郭の外接円直径の小さい方から1番目からn番目の金属粒子について、当該金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB1質量%とし、
    前記金属粒子の断面輪郭の外接円直径の小さい方から(n+1)番目から2n番目の金属粒子について、当該金属粒子の断面における鉄とケイ素との合計含有量に対するケイ素の含有量の平均値をB2質量%としたとき、
    B1 > B2
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の軟磁性金属粉末。
  3. 前記金属粒子のうち、90%以上の金属粒子が1個の結晶粒からなることを特徴とする請求項1または2に記載の軟磁性金属粉末。
  4. 窒化ホウ素粉末を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。
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