JP7173920B2 - 鞍乗車両のスタンド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車等の鞍乗車両を駐車するためのスタンド装置に関する。
特許文献1には、自動二輪車の駐車時に使用されるサイドスタンド装置が開示されている。サイドスタンド装置は、車体フレームの左側下部に固定されたブラケットと、当該ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続されたスタンドバーとを備え、ブラケットから突出するピンとスタンドバーから突出するフック部とにバネが係止される。これにより、ユーザーがスタンドバーを足で操作する際に、バネの付勢力によりスタンドバーが円滑に揺動する。
特公平5-29590号公報
ところで、スタンドバーの揺動に連動してバネがピンに対して揺動する際には、バネに強い張力が発生した状態で、ピンに対してバネの係止端部が摺動することになる。そのため、長期使用されると、ピンの被係止面が摩耗して荒れてしまい、ピンに対するバネの摺動が円滑ではなくなる。その結果、長期使用されたサイドスタンド装置では、バネに応力集中が発生しやすくなり、バネの寿命が短くなる可能性がある。
そこで本発明は、鞍乗車両のスタンド装置のバネの長寿命化を図ることを目的とする。
本発明の一態様に係る鞍乗車両のスタンド装置は、車体フレームに固定されるブラケットと、前記ブラケットに設けられ、第1被係止部を有するピンと、前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有するスタンド部材と、前記ピンの前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記スタンド部材の前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ピンと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、前記ピンの前記第1被係止部の被押圧面は、前記ブラケットに対して前記ピンの軸線周りに回転自在に構成される。
前記構成によれば、スタンド部材の揺動に連動してバネがピンに対して揺動する際、バネの第1係止端部の移動に追従してピンの第1被係止部の被押圧面が回転可能であるので、バネに応力集中が発生することが抑制され、バネを長寿命化できる。
一例として、前記ピンは、前記ブラケットに対して前記軸線周りに回転自在に取り付けられており、前記第1被係止部は、前記ピンの前記軸線周りに形成された環状凹部であり、前記被押圧面は、前記環状凹部の底面である構成としてもよい。
前記構成によれば、ピン自体がその軸線周りに回転自在であることで、ピンの第1被係止部の被押圧面を回転自在とする構成を簡易に実現できる。
一例として、前記ピンは、前記ブラケットに固定されたピン本体と、前記ピン本体に対して回転自在に外嵌された摺動部材とを有し、前記被押圧面は、前記摺動部材の外周面により形成される構成としてもよい。
前記構成によれば、ピン本体は回転自在とせずに摺動部材を回転自在とするので、ピン本体をブラケットに固定することでピンをブラケットに取り付けることができる。よって、ピンの第1被係止部の被押圧面を回転自在としながらも、ピンをブラケットに簡単に組み付けることができる。
一例として、前記ピン本体は、前記軸線周りに形成された環状溝部を有し、前記摺動部材は、前記環状溝部に回転自在に嵌合されており、前記第1被係止部は、前記摺動部材の外周面と前記環状溝部の両側面とで形成された環状凹部である構成としてもよい。
前記構成によれば、ピンの第1被係止部の被押圧面を回転自在としながらも、ブラケットに対してピンを容易かつ安定して取り付けることができる。
一例として、前記スタンド部材は、スタンド本体部と、前記スタンド本体部に接続された前記第2被係止部とを有し、前記スタンド本体部は、前記支軸に接続される軸支部と、地面に着地する足部とを含み、前記支持部から前記足部に向けて延びており、前記第2被係止部は、前記スタンド本体部に対して前記スタンド部材の跳上げ方向とは逆方向にオフセット配置される構成としてもよい。
前記構成によれば、スタンド部材を跳ね上げた非使用状態において、スタンド本体部に対して第2被係止部が下方に位置するため、第2被係止部及びそれに係止されたバネが車体側の部品と干渉し難くなり、車体側の部品の配置自由度を高めることができる。
一例として、車体フレームに固定されるブラケットと、前記ブラケットに固定され、第1被係止部を有するピンと、前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有するスタンド部材と、前記ピンの前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記スタンド部材の前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ピンと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、前記ピンの前記第1被係止部の被押圧面は、前記ピンのうち前記ブラケットに固定される基端部よりも硬い構成としてもよい。
前記構成によれば、スタンド部材の揺動に連動してバネがピンに対して揺動を繰り返しても、ピンの第1被係止面が摩耗し難く、ピンに対するバネの摺動を円滑に保つことができる。よって、バネに応力集中が発生することが抑制され、バネを長寿命化できる。
前記ピンは、前記被押圧面が焼入れ部かつ前記基端部が非焼入れ部となるように部分焼入れされてなり、前記ピンの前記基端部は、前記ブラケットに溶接固定される構成としてもよい。
前記構成によれば、ピンの第1被係止部の被押圧面を焼入れにより硬くしながらも、ピンの基端部をブラケットに固定する溶接部に割れが生じることを防止できる。
一例として、前記ブラケットは、前記車体フレームの側部に固定され、前記スタンド部材は、略直線状に延びるスタンドバーである構成としてもよい。
前記構成によれば、二輪車を側方に傾斜させて駐車するためのサイドスタンド装置において好適にバネの長寿命化を図ることができる。
本発明によれば、鞍乗車両のスタンド装置のバネの長寿命化を図ることができる。
第1実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 図1に示す自動二輪車のサイドスタンド装置の側面図である。 図2に示すサイドスタンド装置のピン及びその近傍の断面図である。 第2実施形態に係る図3相当の図面である。 第3実施形態に係る図3相当の図面である。 第4実施形態に係る図3相当の図面である。 第5実施形態に係る図3相当の図面である。 第6実施形態に係る図3相当の図面である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に乗車した運転者から見た方向を基準とする。また、以下の説明では、鞍乗車両の例として自動二輪車を例示するが、運転者が跨って乗車する乗物であれば、自動三輪車でもよいし自転車でもよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る自動二輪車の側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は、前輪2及び後輪3を備える。前輪2は、フロントフォーク4に接続され、フロントフォーク4は、ヘッドパイプ5に回転自在に支持されたステアリングシャフト(図示せず)に支持される。ステアリングシャフトには、運転者Rが把持するバー型のハンドル6が略車幅方向の左右に延びるように取り付けられる。ハンドル6は、自動二輪車1の操舵のために運転者Rの操作によって前記ステアリングシャフトを通じて前輪2を操舵するために回動する。ヘッドパイプ5からは左右一対のメインフレーム7が下方に傾斜しながら後方へ延び、メインフレーム7の後部にピボットフレーム8が接続される。即ち、ヘッドパイプ6、メインフレーム7及びピボットフレーム8が、車体フレーム10を構成する。ピボットフレーム8には、スイングアーム11の前端部が軸支され、スイングアーム11の後端部に後輪3が軸支される。
ハンドル6の後方には、燃料タンク12が配置される。燃料タンク12の後方には、運転者Rが跨って着座するシート13が配置される。燃料タンク12は、その少なくとも一部がメインフレーム7よりも上方に位置し、シート13に前側から隣接し、シート13よりも上方に突出している。運転者Rは、燃料タンク12の後部を脚の内側面で挟んだ状態で運転する。前輪2と後輪3との間には、メインフレーム7及びピボットフレーム8に支持されたエンジンEが配置される。エンジンEの出力軸には変速機13が接続され、変速機13から出力される駆動力がチェーン又はベルトを介して後輪3に伝達される。車体フレーム10のピボットフレーム8には、サイドスタンド装置20が固定される。なお、以下の説明では、スタンド装置がサイドスタンド装置20であるとして説明するが、その代わりにセンタースタンド装置であってもよい。
図2は、図1に示す自動二輪車1のサイドスタンド装置20の側面図である。図2に示すように、サイドスタンド装置20は、ブラケット21、ピン22、スタンドバー24(スタンド部材)、バネ28等を備える。ブラケット21は、車体フレーム10の側部(具体的には、ピボットフレーム8の下側の側部)に固定される。ピン22は、ブラケット21から車幅方向外方(例えば、左方)に突出している。スタンドバー24は、略直線状に延びる。ピン22は、バネ28の第1係止端部28aが係止される第1被係止部22aを有する。第1被係止部22aの詳細は後述する。
スタンドバー24は、スタンド本体部30と、スタンド本体部30から突出した突出部31と、突出部31に設けられたピン32とを備える。スタンド本体部30は、軸支部30aと、地面に着地する足部30cと、軸支部30aから足部30cに向けて直線状に延びるロッド部30bとを有する。軸支部30aは、ボルト状の支軸26及びナット27によりブラケット21に対して回転自在に接続される。これにより、スタンドバー24は、ブラケット21に対して支軸26を介して揺動自在に接続される。
図2において、実線のスタンドバー24は跳ね上げ状態(非使用状態)を示し、二点鎖線のスタンドバー24は着地状態(使用状態)を示す。跳ね上げ状態のスタンドバー24では、側面視において、自動二輪車1の他部品29(例えば、シフトチェンジレバー等)がスタンド本体部30に車幅方向外側から重なる。
突出部31は、スタンド本体部30の中途部分からスタンドバー24の跳上げ方向とは逆方向に突出している。ピン32は、突出部31から車幅方向外方(左方)に突出している。ピン32は、バネ28の第2係止端部28bが係止される第2被係止部32aを有する。このようにして、第2被係止部32aは、スタンド本体部30に対し、スタンドバー24の跳上げ方向とは逆方向にオフセット配置される。第2被係止部32aは、例えば、ピン32の外周面を窪ませた環状凹部である。なお、ピン32の代わりにフックを用いてもよいし、突出部31及びピン32の代わりにフックを用いてもよい。
バネ28は、コイルバネ部28cと、コイルバネ部28cの一方側に設けられたフック状の第1係止端部28aと、コイルバネ部28cの他方側に設けられたフック状の第2係止端部28bとを有する。バネ28の第1係止端部28aをブラケット21のピン22の第1被係止部22aに係止し、バネ28の第2係止端部28bをスタンドバー24のピン32の第2被係止部32aに係止することで、コイルバネ部28cの付勢力によってバネ28がピン22とスタンドバー24との間に張設される。
図3は、図2に示すサイドスタンド装置20のピン22及びその近傍の断面図である。図3に示すように、サイドスタンド装置20のピン22は、略円柱形状を有し、その全体が焼入れされた金属である。ブラケット21は、焼入れされていない金属である。ピン22は、大径部22b及び小径部22cを有し、小径部22cがブラケット21のピン孔21aに挿入される。ピン孔21aを通過してブラケット21の裏面から突出した小径部22cの端部には、ピン22の軸線Xに直交する貫通孔22dが形成され、その貫通孔22dに抜け止め具23(例えば、割りピン、スナップリング等)が挿通される。即ち、抜け止め具23と大径部22bとの間でブラケット21が挟まれることで、ピン22がピン孔21aから抜けることが防止される。このようにして、ピン22は、ブラケット21に対して軸線X周りに回転自在に取り付けられる。
第1被係止部22aは、ピン22の軸線X周りに形成された環状凹部であり、その環状凹部の底面が被押圧面Sとなる。バネ28の第1係止端部28aが第1被係止部22aに引っ掛けられることで、第1係止端部28aがピン22の第1被係止部22aの被押圧面Sを押圧することになる。ピン22は、ブラケット21に対して軸線X周りに回転自在であるので、被押圧面Sはブラケット21に対して軸線X周りに回転自在である。
以上に説明した構成によれば、スタンドバー24の揺動に連動してバネ28がピン22に対して揺動する際、バネ28の第1係止端部28aの移動に追従してピン22(第1被係止部22aの被押圧面S)が回転可能であるので、バネ28に応力集中が発生することが抑制され、バネ28を長寿命化できる。また、ピン22自体がその軸線X周りに回転自在であることで、ピン22の第1被係止部22aの被押圧面Sを回転自在とする構成を溶接無しで簡易に実現できる。また、スタンドバー24を跳ね上げた非使用状態において、スタンド本体部30に対して第2被係止部32aが下方に位置するため、第2被係止部32a及びそれに係止されたバネ28が他部品29と干渉し難くなり、車体側の他部品29の配置自由度を高めることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る図3相当の図面である。図4に示すように、第2実施形態のサイドスタンド装置120は、ピン122の抜け止め構造が第1実施形態のものと異なる。ピン122は、ブラケット21の両面側においてピン122の軸線Xに直交する貫通孔122dがそれぞれ形成され、それら貫通孔122dに抜け止め具23(例えば、割りピン、スナップリング等)がそれぞれ挿通される。即ち、一対の抜け止め具23の間でブラケット21が挟まれることで、ピン122がピン孔21aから抜けることが防止されると共に、ピン22がブラケット21に対して軸線X周りに回転自在に取り付けられる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る図3相当の図面である。図5に示すように、第3実施形態のサイドスタンド装置220のピン222は、略円柱形状を有するピン本体240と、ピン本体240に回転自在に外嵌される摺動部材241とを有する。ピン本体240の基端部は、ブラケット21のピン孔21aに嵌合され、隅肉溶接により溶接部Wが形成されることでブラケット21に固定される。ピン本体240及びブラケット21は、焼入れされていない金属である。ピン本体240には、軸線X周りに環状溝部240aが形成されており、その環状溝部240aに摺動部材241が回転自在に嵌合されている。摺動部材241は、ピン本体240よりも強度が高く、例えば焼入れされた金属である。摺動部材241の厚みは、環状溝部240aの深さよりも小さい。摺動部材241は、例えば、断面C形状の略筒状体である。
ピン本体240の環状溝部240aの両側面と摺動部材241の外周面とで形成された環状凹部が、ピン222の第1被係止部222aである。第1被係止部222aに係止されたバネ28の第1係止端部28aは、摺動部材241の外周面(即ち、当該環状凹部の底面)を押圧する。即ち、摺動部材241の外周面が、第1被係止部222aの被押圧面Sである。
以上の構成によれば、スタンドバー24の揺動に連動してバネ28がピン222に対して揺動する際、バネ28の第1係止端部28aの移動に追従してピン222の摺動部材241が回転可能であるので、バネ28に応力集中が発生することが抑制され、バネ28を長寿命化できる。また、ピン本体240は回転自在とせずに摺動部材241を回転自在とするので、ピン本体240をブラケット21に固定することでピン222をブラケット21に取り付けることができる。よって、ピン222の第1被係止部222aの被押圧面Sを回転自在としながらも、ピン222をブラケット21に簡単に組み付けることができる。また、ピン222を二部材で構成することで、ピン222の第1被係止部222aの被押圧面Sを回転自在としながらも、ブラケット21に対してピン222を容易かつ安定して取り付けることができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る図3相当の図面である。図6に示すように、サイドスタンド装置320のピン322は、略円柱形状を有するピン本体340と、ピン本体340に回転自在に外嵌される摺動部材341とを有する。ピン本体340は、焼入れされていない金属である。摺動部材341は、ピン本体340よりも強度が高く、例えば焼入れされた金属である。ピン本体340は、主部材351、蓋部材352及び固定部材353を有する。主部材351は、ブラケット21のピン孔21aに嵌合される大径部351aと、大径部351aよりも外径が小さい小径部351bとを有する。大径部351aの基端部は、隅肉溶接により溶接部Wが形成されることでブラケット21に固定される。
主部材351の小径部351bには、摺動部材341が回転自在に嵌合される。摺動部材341は、例えば、断面O形状の筒状体である。主部材351の軸線X方向の先端面には、主部材351と略同一外径の蓋部材352が被せられ、その蓋部材352は固定部材353(例えば、ネジ)により主部材351に固定される。摺動部材341の厚みは、大径部351aの半径から小径部351bの半径を引いた値よりも小さい。このようにして、ピン本体340には、大径部351a及び蓋部材352の互いに対向する端面と摺動部材341の外周面とによって形成された環状凹部が第1被係止部322aとなる。第1被係止部322aに係止されたバネ28の第1係止端部28aは、摺動部材341の外周面(即ち、当該環状凹部の底面)を押圧する。即ち、摺動部材341の外周面が、第1被係止部322aの被押圧面Sである。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態に係る図3相当の図面である。図7に示すように、第5実施形態のサイドスタンド装置420のピン422は、略円柱形状を有する。ピン422の基端部は、ブラケット21のピン孔21aに嵌合され、隅肉溶接により溶接部Wが形成されることでブラケット21に固定される。ピン422の環状凹部の第1被係止部422aには、バネ28の第1係止端部28aが係止されている。ピン422のうち第1被係止部422aの被押圧面S(環状凹部の底面)は、ピン422のうちブラケット21に溶接部Wで固定される基端部よりも硬い。具体的には、ピン422のうち第1被係止部422aの被押圧面S(及びその近傍)が部分的に焼入れされ、ピン422の基端部は焼入れされていない。
以上の構成によれば、スタンドバー24の揺動に連動してバネ28がピン422に対して揺動を繰り返しても、ピン422の第1被係止部422aが摩耗し難く、ピン422に対するバネ28の摺動を円滑に保つことができる。よって、バネ28に応力集中が発生することが抑制され、バネ28を長寿命化できる。そして、ピン422の第1被係止部422aの被押圧面Sが焼入れ部で且つピン422の基端部が非焼入れ部となるようにピン422が部分焼入れされているので、ピン422の被押圧面Sを焼入れにより硬くしながらも、ピン422の基端部をブラケット21に固定する溶接部Wに割れが生じることを防止できる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第6実施形態)
図8は、第6実施形態に係る図3相当の図面である。図8に示すように、第6実施形態のサイドスタンド装置520のピン522は、円柱状のピン本体541と、ピン本体541に軸線Xから螺着されるボルト部材542とを有する。ピン本体541及びブラケット21は、焼入れされていない金属である。ボルト部材542は、ピン本体541よりも強度が高く、例えば焼入れされた金属である。ピン本体541の基端部は、ブラケット21のピン孔21aに嵌合され、隅肉溶接により溶接部Wが形成されることでブラケット21に固定される。
ピン本体541の軸線X方向の先端面には、ネジ穴541aが凹設される。ボルト部材542は、軸部542a及びフランジ部542bを有する。軸部542aの先端部には雄ネジ部541cが形成され、ネジ穴541aに螺合される。軸部542aのうちネジ穴541aの外部に位置する部分は、ネジのない滑面を有する。フランジ部542bは、ピン本体541と略同一の外径を有する。このようにして、ピン522には、ピン本体541及びフランジ部542bの互いに対向する端面と軸部542aの外周面(滑面)とによって形成された環状凹部が第1被係止部522aとなる。第1被係止部522aに係止されたバネ28の第1係止端部28aは、第1被係止部522a(環状凹部)の底面である被押圧面Sを押圧する。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
1 自動二輪車(鞍乗車両)
10 車体フレーム
20,120,220,320,420,520 サイドスタンド装置
21 ブラケット
22a,122a,222a,322a,422a,522a 第1被係止部
22,122,222,322,422,522 ピン
24 スタンドバー(スタンド部材)
26 支軸
28 バネ
28a 第1係止端部
28b 第2係止端部
30 スタンド本体部
30a 軸支部
30c 足部
32 ピン
32a 第2被係止部
240,340 ピン本体
240a 環状溝部
241,341 摺動部材
S 被押圧面
X 軸線

Claims (5)

  1. 車体フレームに固定されるブラケットと、
    前記ブラケットに設けられ、第1被係止部を有するピンと、
    前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有するスタンド部材と、
    前記ピンの前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記スタンド部材の前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ピンと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、
    前記ピンの前記第1被係止部の被押圧面は、前記ブラケットに対して前記ピンの軸線周りに回転自在に構成され、
    前記ピンは、前記ブラケットに対して前記軸線周りに回転自在に取り付けられており、
    前記第1被係止部は、前記ピンの前記軸線周りに形成された環状凹部であり、
    前記被押圧面は、前記環状凹部の底面である、鞍乗車両のスタンド装置。
  2. 車体フレームに固定されるブラケットと、
    前記ブラケットに設けられ、第1被係止部を有するピンと、
    前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有するスタンド部材と、
    前記ピンの前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記スタンド部材の前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ピンと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、
    前記ピンの前記第1被係止部の被押圧面は、前記ブラケットに対して前記ピンの軸線周りに回転自在に構成され、
    前記ピンは、前記ブラケットに固定されたピン本体と、前記ピン本体に対して回転自在に外嵌された摺動部材とを有し、
    前記被押圧面は、前記摺動部材の外周面により形成され、
    前記ピン本体は、前記軸線周りに形成された環状溝部を有し、
    前記摺動部材は、前記環状溝部に回転自在に嵌合されており、
    前記第1被係止部は、前記摺動部材の外周面と前記環状溝部の両側面とで形成された環状凹部である、鞍乗車両のスタンド装置。
  3. 車体フレームに固定されるブラケットと、
    前記ブラケットに設けられ、第1被係止部を有するピンと、
    前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有するスタンド部材と、
    前記ピンの前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記スタンド部材の前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ピンと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、
    前記ピンの前記第1被係止部の被押圧面は、前記ブラケットに対して前記ピンの軸線周りに回転自在に構成され、
    前記スタンド部材は、スタンド本体部と、前記スタンド本体部に接続された前記第2被係止部とを有し、
    前記スタンド本体部は、前記支軸に接続される軸支部と、地面に着地する足部とを含み、前記軸支部から前記足部に向けて延びており、
    前記第2被係止部は、前記スタンド本体部に対して前記スタンド部材の跳上げ方向とは逆方向にオフセット配置される、鞍乗車両のスタンド装置。
  4. 車体フレームに固定されるブラケットと、
    前記ブラケットに固定され、第1被係止部を有するピンと、
    前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有するスタンド部材と、
    前記ピンの前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記スタンド部材の前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ピンと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、
    前記ピンの前記第1被係止部の被押圧面は、前記ピンのうち前記ブラケットに固定される基端部よりも硬く、
    前記ピンは、前記被押圧面が焼入れ部かつ前記基端部が非焼入れ部となるように部分焼入れされてなり、
    前記ピンの前記基端部は、前記ブラケットに溶接固定される、鞍乗車両のスタンド装置。
  5. 前記ブラケットは、前記車体フレームの側部に固定され、
    前記スタンド部材は、略直線状に延びるスタンドバーである、請求項1乃至のいずれか1項に記載の鞍乗車両のスタンド装置。
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