JP7172410B2 - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents
化粧シート及び化粧板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7172410B2 JP7172410B2 JP2018191837A JP2018191837A JP7172410B2 JP 7172410 B2 JP7172410 B2 JP 7172410B2 JP 2018191837 A JP2018191837 A JP 2018191837A JP 2018191837 A JP2018191837 A JP 2018191837A JP 7172410 B2 JP7172410 B2 JP 7172410B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- decorative sheet
- base material
- pattern layer
- decorative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
従来、絵柄層のバインダ樹脂として、硝化綿、セルロース、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステルなどが用いられている(例えば、特許文献1)。
絵柄層のバインダ樹脂として、耐湿熱性が要求される用途においては加水分解基を持たないアクリル樹脂を用いることができるが、化粧板を加工する際に、絵柄層に割れや白化が生じやすい問題があった。
また、本発明の一態様に係る化粧板は、前述した化粧シートと、化粧シートが少なくとも一方の面に貼り合わされた基材と、を備えている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1に示すように、本発明に係る実施形態(以下、本実施形態)の化粧シート10は、基材層11と、絵柄層12と、接着層13と、透明樹脂層14と、表面保護層15と、がこの順で積層されている。
また、本実施形態の化粧板20は、基材21の一方の面に、接着層22と、化粧シート10と、がこの順で積層されている。
基材層11は、ポリオレフィンないしポリエステルが好適に用いられ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの既存材料から任意に選択可能である。
基材層11は,絵柄層12との密着性を補うために、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。
絵柄層12は、ポリカーボネートジオール、ポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール及びポリイソシアネートを構成要素として含むウレタン樹脂をバインダ樹脂に用いた絵柄インキを、基材層11に印刷することで形成されている。
ポリカーボネートジオールは、ウレタン原料として一般に用いられるポリオールであり、耐加水分解性に優れるポリウレタンを得ることができるが、建材用途では特に低温において柔軟性が不足する場合がある。このポリカーボネートジオールを絵柄層12に適用すると、建材加工時のシートの変形に追従できずに割れや白化が生じる場合がある。
ポリアルキレングリコールの具体的な材料として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあるが、疎水性が大きいポリテトラメチレングリコールが、高温多湿に対する耐久性(耐湿熱性)の観点から好ましい。
ネオペンチルグリコールは、絵柄層12のウレタン樹脂に含まれることで耐湿熱性が向上する。
そして、ポリカーボネートジオール及びポリアルキレングリコールは、市販の各種材料から分子量などの観点より適宜選択して用いることができる。また、ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびその水添物などを用いることができる。
ウレタン樹脂の硬化に用いる硬化剤は特に限定されるものではく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびその水添物、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水添物などを含む市販の硬化剤から適宜選択して用いることができる。
絵柄層12を印刷形成した基材層11に透明樹脂層14を接合する方法は、特に限定されるものではなく、必要に応じて接着層13を介した熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート、サンドラミネートなどの各種ラミネート手法を用いることができる。
接着層13及び接着層22は、特に限定されるものではなく、ウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系などの樹脂材料から適宜選択しインキ化した材料を、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコートなど通常の塗布方法を用いて形成される。
透明樹脂層14は特に限定されるものではないがポリオレフィンが好適に用いられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンや、各種αオレフィンコポリマ(プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどの共重合体)が用いられる。この透明樹脂層14は、必要に応じて紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。また、透明樹脂層14の作製方法は特に限定されるものではなく、カレンダー成膜や押出成膜など通常の方法を用いることができる。
また、透明樹脂層14は意匠性を付与するために表面凹凸を設けてもよい。凹凸を設ける方法としては、例えば透明樹脂層14を押出成形した後に熱エンボス加工を施す方法、押出形成時に凹凸を設けた冷却ロールを用い押出し成形と同時にエンボス加工を施す方法がある。
表面保護層15は、化粧シート10に耐候性、耐傷性、耐汚染性、意匠性などの機能を付与するために設けられ、材料としては特に限定されるものではないが、ウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系などの樹脂材料より適宜選択して用いられる。この表面保護層15は、必要に応じて、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。
次に、化粧シート10を構成する層の厚さについて述べる。
基材層11は印刷作業性、コストなどを考慮して20μm~150μm、絵柄層は0.5~10μm、接着層13は1μm~20μm、透明樹脂層14は20μm~200μm、表面保護層15は3μm~20μmとすることが望ましく、化粧シート10の総厚は45μm~250μmの範囲内とすることが好適である。
次に、本実施形態の化粧シート10の効果について述べる。
化粧シート10の絵柄層12は、ポリカーボネートジオールと、基材層11への密着性と加工性を両立させるポリアルキレングリコール及びポリイソシアネートを構成要素として含むウレタン樹脂をバインダ樹脂に用いた絵柄インキが基材層11に積層されている。このため、化粧シート10を加工する際には、絵柄層12に割れや白化が生じにくくなり、化粧シート10の加工性を良好とすることができる。
また、絵柄層12のウレタン樹脂の構成要素として、さらにネオペンチルグリコールを含むことで、化粧シート10の耐湿熱性を向上させることができる。
また、絵柄層12のウレタン樹脂の構成要素であるポリアルキレングリコールをポリテトラメチレングリコールとすることで、化粧シート10の耐湿熱性を向上させることができる。
また、絵柄層12に透明樹脂層14が積層されていることで、絵柄層12の耐磨耗性を確保することができるとともに、絵柄層12の模様を際立たせることができる。
さらに、透明樹脂層14に表面保護層15が積層されていることで、化粧シート10に耐候性、耐傷性、耐汚染性、意匠性の機能を付与することができる。
一方、化粧シート10を基材21の一方の面に貼り合わせた化粧板20も、加工性、耐湿熱性が向上し、廃棄時に燃焼してもダイオキシンが発生しないので環境負荷を抑制することができ、絵柄層12の耐磨耗性を確保し、絵柄層12の模様を際立たせることができるとともに、衝撃力などの外力に対して絵柄層12の剥離を防止することができる。
<実施例1>
ポリオール成分としてポリカーボネートジオール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールとしてポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ネオペンチルグリコール(NPG)及びポリイソシアネートを構成要素として含むウレタン樹脂を合成した。ここで、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを用い、公知の付加重合法により、数平均分子量が2×104の水酸基末端のウレタン樹脂を合成した。そして、このウレタン樹脂に銅フタロシアニン系顔料を(顔料/ウレタン樹脂)=20/80の質量比で分散させ、絵柄インキを調整した。このインキにイソシアネート硬化剤を添加し、隠蔽性のあるポリエチレン(PE)原反(厚さ70μm)を基材層11としてグラビア印刷することで絵柄層12を設けた(厚さ3μm)。そして、絵柄層12に、ドライラミネート用接着剤(厚さ2μm)を介して透明ホモポリプロピレン樹脂を押出しラミネートすることで透明樹脂層(厚さ80μm)を積層して実施例1の化粧シート10を形成した。
実施例1において、基材層11をPE原反からポリブチレンテレフタレート(PBT)原反(厚さ70μm)に置き換えた点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例2の化粧シート10を形成した。
<実施例3>
実施例1のウレタン樹脂合成において、ポリオール成分としてネオペンチルグリコール(NPG)を使用しない点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例3の化粧シート10を形成した。
<実施例4>
実施例3のウレタン樹脂の合成において、ポリアルキレングリコールとしてポリプロピレングリコール(PPG)に置き換えた点を除いては実施例3と同様の方法で、実施例4の化粧シート10を形成した。
実施例1のウレタン樹脂の合成において、ポリオール成分としてPTMGを使用しない点を除いては実施例1と同様の方法で、比較例1の化粧シート10を形成した。
<比較例2>
実施例1のウレタン樹脂合成において、ポリオール成分としてポリカーボネートジオールを使用しない点を除いては実施例1と同様の方法で、比較例2の化粧シート10を得た。
上述した実施例1~4、比較例1、および参考例で得られた化粧シート10について、以下の方法で加工性と耐湿熱性を評価した。評価結果を表1に示す。
(a)加工性
建材用接着剤(ノーテープ工業、No5211)を用いアルミ板(厚み0.4mm)に化粧シートを貼り付けた試料を、環境温度5℃にて90°曲げ加工し、曲げ部分の外観を目視観察した。評価基準は、「○:絵柄層に割れが認められない」、「×:絵柄層に割れが認められる」とする。
(b)耐湿熱性
化粧シートの湿熱処理をHASTチャンバーで実施し(105℃100%RH,192時間)、その後、透明樹脂層と基材間のT字剥離強度を測定した(試料幅:25mm、引張り速度:5mm/sec)。評価基準は、「◎:剥離界面ができずに基材が破断」、「○:基材変形が生じながら剥離面生成」、「△:基材変形なく剥離面が生成」、「×:試料ハンドリング時に剥離が生じ測定不可」とする。
また、絵柄層12のバインダ樹脂に、ポリカーボネートジオール、ポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール(NPG)及びポリイソシアネートを構成要素として含むウレタン樹脂を用いた化粧シート10を、基材21の一方の面に貼り合わせた化粧板20も、加工性と耐湿熱性に優れたものとなる。
11 基材層
12 絵柄層
13 接着層
14 透明樹脂層
15 表面保護層
20 化粧板
21 基材
22 接着層
Claims (7)
- ポリカーボネートジオール、ポリアルキレングリコール及びポリイソシアネートを構成要素として含むウレタン樹脂をバインダ樹脂に用いた絵柄層が、基材層に積層されているとともに、前記ウレタン樹脂の前記構成要素として、さらにネオペンチルグリコールを含むことを特徴とする化粧シート。
- 前記ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
- 前記基材層の樹脂成分がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧シート。
- 前記基材層の樹脂成分がポリエステルであることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧シート。
- 前記絵柄層に透明樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の化粧シート。
- 前記透明樹脂層に表面保護層が積層されていることを特徴とする請求項5記載の化粧シート。
- 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の化粧シートと、前記化粧シートが少なくとも一方の面に貼り合わされた基材と、を備えたことを特徴とする化粧板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018191837A JP7172410B2 (ja) | 2018-10-10 | 2018-10-10 | 化粧シート及び化粧板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018191837A JP7172410B2 (ja) | 2018-10-10 | 2018-10-10 | 化粧シート及び化粧板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020059214A JP2020059214A (ja) | 2020-04-16 |
JP7172410B2 true JP7172410B2 (ja) | 2022-11-16 |
Family
ID=70219315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018191837A Active JP7172410B2 (ja) | 2018-10-10 | 2018-10-10 | 化粧シート及び化粧板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7172410B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7272115B2 (ja) * | 2019-05-30 | 2023-05-12 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シート |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008023752A (ja) | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | 化粧シート、化粧シートの着色層用水性樹脂および化粧シートの着色層用水系塗工液 |
-
2018
- 2018-10-10 JP JP2018191837A patent/JP7172410B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008023752A (ja) | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | 化粧シート、化粧シートの着色層用水性樹脂および化粧シートの着色層用水系塗工液 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020059214A (ja) | 2020-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7052731B2 (ja) | 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板 | |
JP3772634B2 (ja) | 化粧シート | |
JP6034780B2 (ja) | 高耐久機能性成型シート及びそれを用いて得られる加飾成型品 | |
JP7085551B2 (ja) | 装飾シート | |
JP7172410B2 (ja) | 化粧シート及び化粧板 | |
JP2006321241A (ja) | 化粧シート | |
JP3864456B2 (ja) | 化粧シート | |
KR101364237B1 (ko) | 장식 필름 | |
JP7286955B2 (ja) | 化粧シート | |
JP7272115B2 (ja) | 化粧シート | |
CN112236467A (zh) | 用于覆盖车身部件的多层涂层 | |
JP7234593B2 (ja) | 化粧シート | |
JP7255154B2 (ja) | 化粧シート | |
JP7310254B2 (ja) | 化粧シート及び化粧部材 | |
JP7213840B2 (ja) | 加飾シート、及び加飾成形品 | |
JP7524615B2 (ja) | 化粧シート | |
JP5608059B2 (ja) | 二次加工用化粧シートおよびそれを用いた化粧材の製造方法 | |
JP7331438B2 (ja) | 化粧シート | |
JP4325050B2 (ja) | 化粧シートの製造方法 | |
JP4006248B2 (ja) | 画像記録媒体及び画像表示シート | |
JP4522805B2 (ja) | 化粧板の製造方法 | |
JP2000334898A (ja) | ポリオレフィン系積層シート | |
JP2023158003A (ja) | 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板 | |
JP2023079757A (ja) | 化粧シート | |
KR20240028585A (ko) | 인테리어 데코용 필름 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210922 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220610 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220726 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220915 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7172410 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |