JP7171321B2 - モータ駆動装置およびモータ駆動方法 - Google Patents

モータ駆動装置およびモータ駆動方法 Download PDF

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本発明は、ロータの回転検出位置に対して効率的な駆動波形を与えるモータ駆動技術に関するものである。
位置検出機構部によってロータの回転位置を検出し、モータに駆動波形を印加することで効率的な回転駆動を実現する技術がある。特許文献1に開示の装置は、磁石をロータ(回転子)側に配置し、コイル巻線をステータ(固定子)側に配置したモータ構成において、低分解能の矩形波位置検出センサから効率的な位相の正弦波駆動信号を生成する。また特許文献2には、位置検出器の矩形波変化分解能を向上させる技術が開示されている。これは、ロータ検出位相と駆動波形位相との関係が目標の位相関係からずれていた場合、ずれ量を補償することで回転駆動を効率化する技術である。
特開2014-45646号公報 特開2016-154422号公報
従来の技術は、理想とするロータ回転位相と駆動波形位相との位相関係に基づき、位相関係が理想値から差分を持っていることが検出された後に補償処理を行う技術である。そのため、差分の検出時点から補償処理が完了する時点までの反応に遅延が生じる。遅延時間が長いと、加減速時や外乱発生時に機構部が持っている反応のポテンシャルを出し切ることができない可能性がある。
位置検出機構部を高精度化する方法として、矩形波信号の分解能を高める方法がある。この方法では信号の周波数特性により、高速回転時に十分な矩形信号変化の検出結果が得られないと、位置検出ができなくなる可能性がある。またロータ回転位相と駆動波形位相との位相関係の指令値が変更されたときに、駆動波形の連続性が損なわれて不連続な波形となり、モータの振動や騒音が発生する可能性がある。
本発明の目的は、回転検出位置に基づいて効率的な駆動波形を生成するモータ駆動装置において、反応遅れの少ない駆動波形生成を可能とし、外乱等による振動時にモータの逆転動作を抑制することである。
本発明の一実施形態に係るモータ駆動装置は、ロータの回転方向を設定する設定手段と、前記ロータの回転位置を検出する検出手段と、モータへの駆動波形を生成する生成手段と、前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を行う制御手段と、前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する位相差設定手段と、を備える。前記制御手段は、前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定手段によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御を行い、前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する第1の方向と、前記設定手段によって設定された第2の方向とが同じである状態から、前記第1の方向と前記第2の方向とが異なる状態に変化した場合、前記制御手段は、前記第1の方向と前記第2の方向とが同じであったときに前記検出手段により検出された回転位置の最大値に相当する位相に対し、前記位相差設定手段による位相差を加算した駆動波形の位相にしたがってモータの駆動を制御する。
本発明によれば、回転検出位置に基づいて効率的な駆動波形を生成するモータ駆動装置において、反応遅れの少ない駆動波形生成を可能とし、外乱等による振動時にモータの逆転動作を抑制することができる。
本発明の実施形態のシステム概要を示すブロック図である。 本発明の実施形態のモータにおける位置検出構造を示す模式図である。 位置ENC回路と駆動波形生成回路による処理を説明する図である。 位置検出信号と検出位置カウントとの関係を示す図である。 モータの駆動波形と位相カウントとの関係を示す図である。 本発明の第1実施形態の処理を説明するフローチャートである。 図6に続く処理を説明するフローチャートである。 ロータ磁石位相と駆動波形位相とが安定停止関係にある状態を示す図である。 モータに正転トルクが発生する状態を示す図である。 モータの加速時の挙動を示す図である。 電流位相補償処理時のロータ磁石位相と駆動波形位相を示す図である。 モータの定常速度時と減速停止時の挙動を示す図である。 意図しない逆転トルクの発生時のロータ磁石位相と駆動波形位相を示す図である。 意図しない逆転動作を抑制するための処理を説明する図である。 減速トルクの発生時のロータ磁石位相と駆動波形位相を示す図である。 本発明の第2実施形態の処理を説明するフローチャートである。 図16に続く処理を説明するフローチャートである。 第2実施形態における意図しない逆転動作を抑制するための処理を説明する図である。 第2実施形態におけるメカ部材の移動時の処理を説明する図である。 第2実施形態におけるメカ部材の固定時の処理を説明する図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態のモータ駆動装置は、撮像装置や光学ディスク装置、プリンタやプロジェクタ等の各種機器に適用可能である。
[第1実施形態]
図1は本実施形態のシステムの概要を説明するブロック図であり、駆動用の電気回路を含めたモータ駆動装置の構成例を示す。ステッピングモータ101は、ロータ軸102にENC(エンコード用)磁石103を備える。ENC磁石103は、回転軸を中心とする円周上に発生する磁場が回転位置に応じて正弦波状の磁場を発生するように着磁されている。またステッピングモータ101はリセット機構121を備える。リセット機構121は、ロータ軸102の回転に応じて、特定の1箇所において変化する信号を出力する構成となっている。この信号は、モータの回転位置に係る絶対位置の基準を与えるための信号である。リセット機構121としては、具体的には、ロータ軸102がスクリュー軸となっており、スクリュー軸の回転に応じて並進移動する移動体にスリットが形成されている。スリットがフォトインタラプタを遮光することで、その出力信号が変化する。
Hall素子パッケージ104は、ENC磁石103の磁気検出部であり、複数のホール素子を備える。例えば、Hall素子105および106はそれぞれの位置にて、ENC磁石103の回転による磁場の変化を検出し、検出信号をアンプ107へ出力する。図2を参照して具体例を説明する。
図2(A)はステッピングモータ101の外観例を示す斜視図である。ステッピングモータ101のロータ軸102には、短い円筒状のENC磁石103が設置されている。ENC磁石103の発生する磁場を検知可能な位置に、Hall素子パッケージ104が配置されている。ステッピングモータ101から配線部材201が外部に引き出されており、配線部材201は後述のモータドライバ113に接続される。
図2(B)はENC磁石103とHall素子105,106との位置関係を示す模式図である。ENC磁石103は対極数5(10極)の磁石であり、36度ごとの領域が着磁されている。Hall素子105,106はENC磁石103の中心位置から見た場合、中心位置から等距離に配置されている。中心位置に対するHall素子105,106の角度、つまり、2つのHall素子が中心位置に対して成す物理的な角度(物理角)が18度となる配置である。2つのHall素子で検出される信号位相としては、90度の位相差となる。
図1のアンプ107は、Hall素子105,106からそれぞれ入力される微弱な信号を増幅し、後段のAD変換回路108へ出力する。AD変換回路108はアンプ107から入力されたアナログ電圧信号をデジタル変換して数値化し、変換結果をデジタル数値信号として位置ENC回路109に出力する。
位置ENC回路109はAD変換回路108から入力される信号のエンコード処理を行う。位置ENC回路109は、入力された2つの信号のオフセット調整およびゲイン調整を行う処理部を備える。位置ENC回路109は、調整後に2つの信号からTAN値(正接値)を算出した後でArcTAN演算(逆正接演算)を行い、回転角度情報を生成する。この回転角度情報を積分することで回転位置情報が生成される。生成された回転位置情報は駆動波形生成回路110に送られる。
駆動波形生成回路110はモータに対する駆動用波形を生成する。駆動波形生成回路110は、OPEN駆動とCLOSE駆動の切り替えを行う。OPEN駆動は予め設定された周波数で駆動用の位相の異なる正弦波信号を出力する駆動である。CLOSE駆動は位置ENC回路109と連動させた駆動波形を出力する駆動である。OPEN駆動とCLOSE駆動の切り替えはCPU(中央演算処理装置)111の指令にしたがって行われる。
CPU111は駆動波形生成回路110に対して、OPEN駆動とCLOSE駆動の切り替えの指令を行い、OPEN駆動時の出力正弦波信号の周波数と振幅ゲイン値を設定する。またCPU111は、位置ENC回路109に対して位置カウント値の初期化設定等を行う。位置ENC回路109および駆動波形生成回路110による処理については、図3から図5を用いて後述する。
PWM(パルス幅変調)発生器112は駆動波形生成回路110から出力されるPWM指令値に応じて、モータドライバ113に対してPWM信号を出力する。PWM信号については図5を用いて後述する。
モータドライバ113は、PWM発生器112より出力されるPWM信号に応じた増幅を行い、ステッピングモータ101のA相用コイル114、B相用コイル115に電圧を印加する。モータへの印加信号はPWM信号に応じた高周波電圧信号となるが、コイルに発生する電流値信号はコイルのL(インダクタンス)成分によりLPF(ローパスフィルタ)がかかった場合と同様になる。このことから、コイルには実効的に、図5で説明する正弦波状の信号電圧が印加されるのと同様であるものとする。
ステータA+116、ステータA-117はそれぞれ、A相用コイルの両端の発生する磁場を集中して放出する働きをもつ。ステータB+118、ステータB-119はそれぞれ、B相用コイルの両端の発生する磁場を集中して放出する働きをもつ。図2(C)を参照して、ステータA+およびA-、ステータB+およびB-、ロータ磁石の配置関係を具体的に説明する。
図2(C)においてステータA+116、ステータA-117、ステータB+118、ステータB-119は、互いの物理角が18度毎の位置関係で配置される。ロータ磁石120の回転方向はCW方向またはCCW方向である。この例では、ステータ群がそれぞれ合計5組配置されている。ロータ磁石120はステータ群の中央に位置し、N極、S極がそれぞれ5極で、合計10極の磁極を持つ。駆動波形の正弦波が1波出力される毎に、ロータ磁石120は物理角で72度回転する。
次に位置ENC回路109、駆動波形生成回路110の処理を詳細に説明する。図3(A)は位置ENC回路109、駆動波形生成回路110の処理を詳細に示すブロック図である。Apos生成部301およびBpos生成部302が位置ENC回路109に相当する。駆動波形位相決定部303~回転方向固定機能設定部307が駆動波形生成回路110に相当する。
図1のHall素子105の出力信号を検出信号1と表記し、Hall素子106の出力信号を検出信号2と表記する。検出信号1および2はアンプ107を介してAD変換回路108へ入力され、AD変換された信号はApos生成部301が取得する。Apos生成部301は、ArcTan(逆正接)演算を用いて回転位置を算出する。前処理として、入力された2つの信号のオフセット調整およびゲイン調整が行われる。つまり、2つの信号のオフセットおよびゲインを同一にする調整が行われる。この調整はOPEN駆動でモータを回転させることによって2つの信号のピーク値とボトム値を検出し、その検出結果を用いて行われる。調整後に、90度の位相差を持った2つの正弦波状信号で正接値を算出し、逆正接演算を行うと回転角度情報(Aposと記す)が生成される。この回転角度の値を積分した値を算出することで回転位置情報を生成することができる。検出信号1および2と回転位置情報との関係について、図4の例で説明する。
図4(A)および(B)は、それぞれ検出された回転位置信号を調整した後の信号を例示する。図4(A)に示す信号は正弦波状信号であり、図4(B)に示す信号は余弦波状信号である。図4(C)は検出位置のカウント値の変化を示す。横軸はロータの回転量を表す。本実施形態では、2つのHall素子の信号が正弦波の1波長分出力されたときに1024カウント分の位置分解能で位置検出を行えるものとする。検出位置のカウント値は図3(A)のApos生成部301の記憶領域に格納される。
図3(B)はAposを示し、グラフの横軸はロータの回転量を表す。Aposの値はロータの回転量に比例したカウント値である。Apos生成部301の次にBpos生成部302が処理を引き継ぐ。
Bpos生成部302は、Aposに対して任意のオフセット値を持った情報(Bposと記す)を生成する。CPU111は任意のタイミングでBposを任意の値に書き換え可能であり、当該タイミングで書き換えた値、およびBposとAposとの差分量をオフセット値として記録する。図3(C)はBposを示す。横軸はロータの回転量を表す。Bpos生成部302は、図3(B)に示すApos値に対し、記録されたオフセット値が常に付与されたBpos値を生成する。Bpos値は、ゼロと上限値との間で回転量に対して周期的に変化する鋸歯状波の信号値である。
Bpos生成部302により生成されるBposの情報は、駆動波形位相決定部303に入力される。駆動波形位相決定部303は、最終的にA相用コイル114、B相用コイル115に印加する駆動波形の位相カウント情報を決定する。駆動波形位相決定部303は、図1のPWM発生器112に対し、位相カウントに相当するPWM値を出力する。駆動波形位相決定部303は、OPEN駆動用カウント部304の指令により、位相カウント情報を出力するOPEN駆動と、Bpos値に基づいて位相カウント情報を出力する位置連動駆動とを切り替えることができる。OPEN駆動と位置連動駆動は、CPU111が駆動波形位相決定部303に対して設定を行うことで切り替えられる。
OPEN駆動を行う場合、CPU111はOPEN駆動用カウント部304に駆動波形の周波数を指令し、駆動波形位相決定部303に駆動波形の振幅ゲインを設定する。これにより、駆動波形位相決定部303は所望周波数、所望振幅の駆動波形を出力する。一方、位置連動駆動を行う場合、Bposの下位10ビット値に対して駆動波形位相決定部303は所定のオフセット値を付与した値を算出する。所定のオフセット値は以下の通りである。
・CPU111が定常位相差設定部305を通じて設定した第1のオフセット値(STC_OFS値)
・CPU111が駆動用位相差設定部306を通じて設定した第2のオフセット値(PHS_OFS値)。
これらのオフセットを付与した値が算出されて駆動波形位相のカウント値が取得される。このカウント値に相当する位相の出力値が駆動波形の出力値として選択される。この関係を図3(D)、(E)のグラフによって示す。図3(D)はBposの下位10ビット値と回転量との関係を示す。図3(E)はオフセットを付与した後の駆動波形を示す。横軸はロータの回転量を表す。Bposに対してSTC_OFS、PHS_OFSの両方が加算されてオフセット値が付与される。後述するように、STC_OFSはロータの検出位置カウントと駆動波形カウントの安定位置を管理する役割をもつ。PHS_OFSはトルク発生のための位相差を管理する役割が割り当てられている。
回転方向固定機能設定部(以下、単に固定機能設定部という)307は、駆動波形生成回路110と位置ENC回路109とを連動させたCLOSE駆動時に、過剰負荷等がかかった場合の意図しない逆転駆動を防ぐ働きをする。その詳細な動作については後述する。
駆動波形生成回路110は、図3(A)の駆動波形位相決定部303~固定機能設定部307によって駆動波形の位相を決定し、駆動波形に対応するPWM指令値をPWM発生器112へ出力する。PWM発生器112は駆動波形生成回路110から出力されるPWM指令値に応じて、モータドライバ113にPWM信号を出力する。図5を参照して、正弦波位置カウント値と、出力されるPWM値(Duty%値)との関係を説明する。図5(A)、(B)ともに横軸はテーブル番号を表し、図3(E)に示す出力値と同様に1024の分解能である。縦軸はPWM信号のDuty%値を表わす。
図5(A)では、横軸がプラスカウントされていてA相駆動電圧波形に対してB相駆動電圧波形が90度先行している。これはモータがCW方向に回転する場合を示している。逆に図5(B)では、横軸がマイナスカウントされていてB相駆動電圧波形に対してA相駆動電圧波形が90度先行している。これはモータがCCW方向に回転する場合を示している。縦軸のDuty%値はCPU111によるゲイン設定値に応じて増減する。本実施形態ではモータの回転運動に支障を来すことのない適切なゲイン値が設定されているものとする。
図6および図7は、本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。CPU111は所定のプログラムにしたがって以下の制御を行う。駆動シーケンスが開始するとS601の処理に進む。
図6のS601でCPU111は、位置連動駆動をオフにする設定処理を実行する。つまり、OPEN駆動が働く設定となる。続くS602でCPU111はリセット機構121が出力しているリセット信号の検出状態を判定する。リセット信号は、ロータ軸102のスクリュー機構に取り付けられた被検知部材の移動に伴い、被検知部材が予め設定された位置を通過するときにHighまたはLowに変化する2値信号である。モータ駆動装置がステッピングモータ101にB相先行の駆動波形を印加してCW回転をするときに被検知部材が進行する側が、リセット信号としてHighレベルを出力する側である。モータ駆動装置がステッピングモータ101にA相先行の駆動波形を印加してCCW回転をするときに被検知部材が進行する側が、リセット信号としてLowレベルを出力する側である。リセット信号が変化する位置を検出して絶対位置を確定するために、S602の判定処理が行われる。
S602にてリセット信号がLowレベルであればS603に進み、またS602にてリセット信号がHighレベルであればS604に進む。S603でCPU111はB相先行波形の駆動波発生をOPEN駆動用カウント部304(図3)に指令し、モータを回転させる制御を行う。S604でCPU111はA相先行波形の駆動波発生をOPEN駆動用カウント部304に指令し、モータを回転させる制御を行う。S603またはS604の処理後、S605の処理に進む。
S605でCPU111はリセット信号の状態が変化したかどうかを判定する。CPU111はリセット信号を監視し、リセット信号に変化が起きた場合、S606の処理に進み、リセット信号に変化がない場合には監視を継続してS605の判定処理を繰り返す。S606でCPU111は、駆動波形の進行を停止させる指令をOPEN駆動用カウント部304に出力する。このときの停止位置は位置カウントの基準位置となる。次のS607では、検出位置の最終的な位置管理を行うBpos値が初期化され、Bposにゼロを書き込む処理が行われる。
続くS608では、ロータの停止状態で駆動波形位相決定部303に保持されている駆動波形の位相カウント値から、Bposの下位10ビット値を引いた値をSTC_OFSとして書き込む処理が実行される。STC_OFSの値は、位置連動駆動をオンにした瞬間に、駆動波形の出力位相がずれないようにするための値である。S608の時点では、OPEN駆動波形の結果、ある駆動波形位相を出力している状態にてロータ磁石120が安定に停止している。位置連動駆動がオンに設定された後の駆動波形位相は、Bposの下10ビットの値に基づいて生成される。位置連動駆動がオンに設定された直後に、Bposの下位10ビットの値にSTC_OFSの値が加算される。加算後の値が駆動波形の位相カウント値として出力されるので、駆動波形の位相カウント値は位置連動駆動のオンとオフの前後で値が変わらないことが保証される。次にS609の処理に進む。
S609でCPU111は、固定機能設定部307を通じて、回転方向固定機能をオンにし、回転方向をCW方向、すなわち位置検出のカウント方向でプラス方向に設定する。S610でCPU111は位置連動駆動をオンに設定する。このとき、オフセットPHS_OFSにはゼロが設定されているものとする。位置連動駆動のオン設定の直後には前述の通り、駆動波形の出力位相は変化しない。
S611において、位置連動機能を利用した回転トルク発生動作が行われる。具体的にはPHS_OFSに駆動波形位相で90度に相当する値である256が設定される。この時にモータに発生する現象については図8から図10を用いて後述する。
S612でCPU111は、ロータの検出位置が予め設定された第1の位置(X1と記す)以上であるか否かを判定する。検出位置がX1以上である場合、S613に進み、検出位置がX1未満である場合にはS612の判定処理が繰り返される。S613でCPU111は、PHS_OFSに対し、S611での値256に256をさらに加えた値512を設定する。次に図7のS614へ進んでCPU111は、ロータの検出位置が予め設定された第2の位置(X2と記す)以上であるか否かを判定する。X2の大きさはX1の大きさより大きいものとする。検出位置がX2以上である場合、S615に進み、検出位置がX2未満である場合にはS614の判定処理が繰り返される。S615でCPU111はPHS_OFSに対し、S613での値512に128をさらに加えた値640を設定する。これらの処理はモータ電流の位相補償のために行われる。処理の詳細については図10、図11を用いて後述する。
続くS616において、CPU111はモータの減速開始位置の判定処理を行う。ロータの検出位置が減速開始位置以上であると判定された場合、S617の処理に進み、またロータの検出位置が減速開始位置未満であると判定された場合にはS616の判定処理が繰り返される。減速開始位置については、事前にモータおよび機構部の駆動特性を調べておき、所望の減速トルクをかけたときに十分な減速効果が得られるように、必要な回転量分だけ目標停止位置から手前の位置が設定されるものとする。続くS617でCPU111は、モータにCCW方向の回転トルク、すなわちCW回転時にはブレーキとなる減速トルクがかかるようにPHS_OFSの値として、-256を設定する。
S618でCPU111は、ロータの検出位置が減速終了位置以上であるか否かを判定する。ロータの検出位置が減速終了位置以上である場合、S619に進み、またロータの検出位置が減速終了位置未満である場合にはS618の判定処理が繰り返される。減速終了位置については、事前にモータおよび機構部の駆動特性を調べておき、十分な減速が可能であって、かつ減速終了後に慣性で目標到達位置まで到達できるように、目標停止位置より手前の位置が設定されるものとする。
S619でCPU111は、PHS_OFSの値としてゼロを設定する。すなわち検出位置と駆動波形との位相関係は、ブレーキトルクがかかる位相関係から回転トルクが発生しない位相関係へと移行する。続くS620でCPU111はロータの検出位置が予め設定された目標停止位置(TPと記す)以上であるか否かを判定する。ロータの検出位置が目標停止位置TP以上である場合、S621に進み、またロータの検出位置が目標停止位置TP未満である場合にはS620の判定処理が繰り返される。S621でCPU111は位置連動駆動をオフにし、駆動波形の位相を固定する。これにより、モータは回転を停止する。以上で一連の駆動シーケンスを終了する。
ロータの回転検出位置が一定時間以上所望の変化をしない場合や、逆転移動量が予め定められた量より大きくなった場合にCPU111はモータの駆動状態が正常でないことを示す通知処理を実行する。逆転移動量とは、モータの駆動中に保持されている回転位置と、位置検出部により検出される回転位置との差分量に相当し、逆転方向の差分量である。このような場合、CPU111はモータの駆動シーケンスを一旦停止し、安全に再始動するシーケンスへ移行させる制御を行う。
図8から図10を参照して、図6のS611の処理について具体的に説明する。図8(A)は、図2(C)で示されているステータ群の配置に関し、ステータを横一列に並べた場合の模式図である。また図8(B)はステータ群に対してモータの周方向にどのような電圧印加を行っているかを模式的に示す図である。図8(C)はその電圧印加によってステータ群が発生させている、周方向の位置に対応した磁場の強さを示す図である。図8(D)は図2(C)に示されるロータ磁石120の着磁位相を示す図である。図8(B)から(D)において横軸は位置を表す。図8は、図6のS611の状態を示しており、ステータ群が発生させている磁場のNS磁極位相と、ロータ磁石120のNS磁極位相との関係は、ロータが安定に停止する関係である。
図9は、図6のS611にてPHS_OFSの値に256が設定された後の状態を示す説明図である。図9(A)から(D)はそれぞれ、図8(A)から(D)に対応している。図9に示す状態では、ステータ群が発生させている磁場が図8に示す状態に比べて90度進んだ位置にある。この場合、図8(C)および(D)に示す関係から、図9(C)および(D)に示す関係へと変化する。このことにより、図9(D)で示されるように、ロータ磁石120は右側に引っ張られる引力、すなわちCW方向の回転トルク(正転トルク)が発生する。
図10はモータの挙動を説明するグラフである。図10(A)はBposの時間変化を示し、横軸は時間軸であり、縦軸はロータの位置を表す。X1、X2は図6のS612、図7のS614で説明した所定の位置を表す。図10(B)はBposの下位10ビット値の時間変化を示す。図10(C)は駆動波形位相カウント値の時間変化を示す。時刻t1は、図6のS611においてPHS_OFSの値として256が設定されるタイミングを示す。時刻t2は、図6のS613の実行タイミングを示し、時刻t3は図7のS615の実行タイミングを示す。また図10(D)、(E)はそれぞれ、駆動波形位相カウント値に基づいて、ステータA+116に発生する駆動波形磁場の時間変化と、ステータB+118に発生する駆動波形磁場の時間変化を表している。
図10の時刻t1にてPHS_OFSに256が設定されると、図10(B)に示すBposの下位10ビット値と、図10(C)に示す駆動波形位相カウント値との間には差分値256が発生する。これにより、駆動波形の位相がロータの回転位相より90度進み、CW回転方向のトルクが発生する。モータが回転することで、検出位置に対応するBposが進み、そのことにより駆動波形の位相カウント値も進む。このループ処理によって、図9(B)および(C)に示す2つの波形の位相差が常に維持され、回転トルクがかかり続けることになる。その結果、図10(A)に示すようにモータに加速がかかりモータの回転速度が上昇していく。
図10の時刻t2、t3では、図10(B)に示すBposの下位10ビット値と、図10(C)に示す駆動波形位相カウント値との位相差がそれぞれ512、640になっていることが分かる。図10(A)にて時刻t2に対応する第1の位置X1は2048での位置を表し、時刻t3に対応する第2の位置X2は3072での位置を表している。このように段階的に位相差を変化させている理由は、モータの回転量に応じて、与えている電圧印加波形の位相に対する電流位相が遅れてくることに対処するためである。極度の低速回転時には印加電圧波形と実際にモータコイルの電流波形との間に位相差がほとんど生じない。しかし回転量が大きくなるにつれて、コイルの電流遅れ成分やモータ構造による逆起電圧の影響により、電流波形は印加電圧波形に対して遅れを生じる。高速回転になるほど、この影響は大きくなる。そこで図6のS613、図7のS615の処理の実行によって、印加電圧波形に対する電流波形の遅れを抑制することができる。
図11は、図6のS615の実行後、定常状態に移行した状態での印加電圧波形と発生磁力との関係を説明する図である。図11(A)から(D)は、図8(A)から(D)や図9(A)から(D)に対応している。
図11と図8とを比較すると、磁場とロータ磁石が釣り合った状態から印加電圧の位相は225度進んでいることが分かる。225度はPHS_OFSの設定値640(図6:S615)に対応する位相差である。この時、モータは高速で回転しているため、コイルの電流遅れ、モータの逆起電力の影響で電流が電圧に対して大幅に遅れる。図11では、この遅れ量を135度としている。コイルに流れている電流と発生する磁場は比例関係にあるので、コイル電流と発生磁場の位相は一致する。よって、図11(C)で示す発生磁場の位相は電圧位相から135度遅れる。しかし図8で示す安定停止位相と比べると、ロータ磁石の位相に対して90度進んだ位相になり、図9に示す磁場の引力関係と結果的に同じになる。安定停止の位相関係から、回転のために印加する磁場が90度進んだ位相関係において、最もトルク効率が高い。本実施形態では予めモータの特性を測定しておき、最高速度が得られる場合の印加電圧の位相が225度の進相状態であると特定されているものとする。図6、図7にてS611からS615の処理で説明したように、位相差PHS_OFSを段階的に上げる処理が実行される。これは、低速回転時には電流遅れの作用が少ないため、初めから大きな位相差を加えると効率的なトルクで回転加速を行えないからである。位相差の切り替え点に相当する第1および第2の位置であるX1、X2の値については、予めモータの加速特性、電流遅れ特性等を測定して、測定結果に基づいて設定される。なお、上記の現象は逆起電力作用、コイルの遅れ成分が大きいモータで顕著な現象であり、本実施形態ではそのようなモータを前提としている。
次に、図12を参照して、モータの加速後の挙動を説明する。図12は、モータが加速後に一定速度での定速状態に移行し、さらに減速して空走し、目標停止位置TPにて停止する様子を示す。図12(A)はBposの時間変化を示し、横軸は時間軸であり、縦軸は位置を表す。図12(B)はモータの回転速度の時間変化を示し、横軸は時間軸であり、縦軸は回転速度を表す。また、図12(C)はBposの下位10ビット値の時間変化を示す。図12(D)は駆動波形位相カウント値の時間変化を示す。駆動波形位相カウント値は、図12(C)に示す値に指令位相差を加算して、0~1023の値に正規化した値に相当する。図12(E)、(F)はそれぞれ、駆動波形位相カウント値に基づいて、ステータA+116に発生する駆動波形磁場の時間変化と、ステータB+118に発生する駆動波形磁場の時間変化を示す。図12では、時刻t4から時刻t5までの期間でモータが定速状態にあり、時刻t5から時刻t6までの期間でモータが減速状態にある。時刻t6から時刻t7までの期間でモータは空走状態にある。
図7のS615からS616までの間はモータが正転方向の回転状態であり、図12で示す時刻t4は最終的な位相差指令値が確定した後の速度が一定となるタイミングを示す。時刻t5は図7のS617の処理が実行されるタイミングを示す。以下では図12、図13を用いて、PHS_OFSの値が640となった期間(t4~t5)において、外力等の外乱作用によってモータが急減速した場合に発生し得る逆転動作について説明する。
図12に示す定速状態の期間(t4~t5)中に、外力による急減速が起こり、電流遅れ作用が無視できるほど小さくなった場合を想定する。図13は、ロータに逆転トルクが発生することを示す図である。図11(A)から(D)に示す印加電圧波形、発生磁場、ロータ磁石位相の関係は、図13(A)から(D)に示す関係となる。この場合、モータの回転が急減速を起こしており、コイルの電流遅れ、逆起電力による電流遅れが非常に小さくなる。つまり、図11で135度としていた位相遅れは、図13において、これらの作用が無視できるほど小さい場合を表している。図13(B)に示す印加電圧の位相は、図13(D)に示すロータの着磁位相に対して、図9と同様に225度進んでいる。しかし、電流遅れが無視できるほど小さいので、図13(C)で示す発生磁場の位相が、図13(B)で示す印加電圧の位相と同じになってしまう。図13(D)のロータ磁石は、意図している回転方向とは逆向きの、逆転トルクを受けることとなる。この状態が所定時間以上に亘って維持されると逆回転方向に暴走することが懸念される。そこで、この課題の解決方法について、図14を参照して詳細に説明する。
図6のS609で説明したように、固定機能設定部307によって、回転方向固定機能のオン設定と、回転方向の設定が行われている場合には、図14に示す処理が実行される。この処理は、図10(B)および(C)、図12(C)および(D)で示す検出位置と出力駆動波形位相との同期制御時に行われる。図14は、駆動波形位相1301の時間変化と、検出位置の下10ビット1302の時間変化を示し、両者が位相差1303の位相差を維持しながら同期していることを示す。横軸は時間軸であり、時刻m1からm11を示す。予め決められたAD変換周期ごとに検出位置が確定し、その検出位置の下10ビットに位相差を付加した値が駆動波形の位相値として出力される。時刻m1からm11の各時間間隔はAD変換周期に相当する。位相差1303は、例えば、図12の時刻t4~t5の期間中であれば、値640が設定されている。
時刻m4での検出位置と時刻m5での検出位置との変化を、範囲1304で示す。これは外乱等の影響により、検出位置のカウント値がマイナス方向に変化している例である。本実施形態では固定機能設定部307によって、CW方向、つまり位置のカウント値でプラス方向が設定されている(図6:S609)。この場合、時刻m5での位置検出時には、検出位置として、この時点までに検出されているプラス方向の最大値が採用される。つまり、時刻m4で検出された値が用いられる。よって、時刻m5で出力される駆動波形位相は、駆動波形位相1305で示されるように、時刻m4での検出位置に相当する位相に対し、位相差1303を加算した値となる。このことにより、駆動波形位相がマイナス方向に変化しないので、逆回転が抑制される。固定機能設定部307は駆動波形によるトルクを、設定された回転方向のトルクに維持する働きをする。
同様に、時刻m7、m8、m9での各検出位置の変化を範囲1306で示す。外乱等の影響により、検出位置のカウント値が連続してマイナス方向に変化している。固定機能設定部307により、位置のカウント値のプラス方向が設定されているので、時刻m8、m9での位置検出時にはいずれも、それまでに検出されたプラス方向の最大値が採用される。つまり、時刻m7で検出された値が用いられる。よって、時刻m8、m9でそれぞれ出力される駆動波形位相は、駆動波形位相1307で示されるように、時刻m7での検出位置に相当する位相に対し、位相差1303を加算した値となる。このことにより、駆動波形位相がマイナス方向に変化しないので、逆回転が抑制される。このように、位置検出のタイミングごとに位置の差分をとることで、位置検出の周期で設定された回転方向と実際の回転方向が一致しているか否かを判別し、一致していない場合は逆回転を抑制する制御を行うことができる。
図7のS616において、検出位置が減速開始位置以上であると判定された場合には、S617の処理に進み(図12の時刻t5)、減速制御が行われる。図15は、S617での状態を説明する図である。図15(A)から(D)は、図8(A)から(D)に対応するが、ステータ群が発生させている磁場は、図8に示す状態に比べて90度遅れた状態にある。よって、図15(D)に示されるロータ磁石120には、左側に引っ張られる引力、すなわちCCW方向の回転トルク(減速トルク)が発生する。このトルクは、図7のS617の段階ではCW方向の回転トルクに対してブレーキトルクとして働くので、これを利用して速やかなモータの減速動作が行われる。
その後、図12の時刻t6では、図7のS619に示すように、PHS_OFSの値としてゼロが設定され、空走期間に移行する。図12の時刻t7では、図7のS621に示すように連動機能がオフに設定される。モータの位置は目標停止位置TPに到達して、モータが回転を停止する。
本実施形態では、駆動波形の連続性が損なわれて不連続な波形になることを抑制しつつ、検出された回転位置に基づき、モータに対して効率的な駆動波形を生成することができる。その際に反応遅れを低減できる。また、電流遅れを補償する効率的な制御を行っている最中に、急な過剰負荷や外乱等に基づく急減速により、意図しない逆転動作が引き起こされることを防止できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態においては、位置連動駆動での回転方向が一方向である場合について述べた。本実施形態では、位置連動駆動で現時点とは逆方向の回転動作を行う場合について説明する。この場合、駆動波形の連続性が損なわれて不連続な波形になることを抑制しつつ、急な過剰負荷や外乱等に基づく意図しない逆転動作が引き起こされることを防止できる。
図6、図16、図17に示すフローチャートを参照して、本実施形態における処理を説明する。CPU111は所定のプログラムにしたがって以下の制御を行う。駆動シーケンスが開始するとS601の処理に進む。図6のS601~S613の処理については説明を省略する。また図16のS614~S621の処理に関しては図7と同様のため説明を省略する。本実施形態においては、図16にてS615の後にS1601の処理が追加され、またS616とS618との間でS617の代わりにS1616の処理が行われる。
S1601でCPU111は、モータの反転動作を行うか否かの判定処理を行う。例えば、操作部材等によって現在の回転方向とは反対の回転方向に指令が変化した場合、CPU111は操作部材の信号変化に基づいて判定処理を行う。反転動作の処理を行うことが判定された場合、S1602の処理に進む。また、反転動作の処理を行わないことが判定された場合、S616に進む。
S1602でCPU111は、固定機能設定部307を通じて、回転方向固定機能をオフに設定する。その後にS1603でCPU111は逆回転補正機能をオンに設定する。逆回転補正機能は駆動波形生成回路110によって実現される機能であり、駆動波形生成回路110と位置ENC回路109とを連動させた位置連動駆動時に、過剰負荷等がかかった場合の意図しない駆動を防ぐ働きをする。逆回転補正機能では、差分算出処理により所定期間ごとの回転検出位置の差分量を取得し、その差分量が閾値を上回っていないかを判定する処理が行われる。所定期間とはAD変換周期、つまり回転検出位置の更新タイミングに対応する期間である。逆回転補正機能の詳細については図18~図20を用いて後述する。
S1603の次に、S1604でCPU111は逆回転補正機能の閾値(Aと表記する)を算出する。本実施形態では、逆回転補正機能がオンに設定される直前のAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量を閾値Aとして設定する処理が行われる。ただし、閾値Aについては、例えば逆回転補正機能がオフに設定された状態での、AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量に関する平均値を閾値Aとしてもよい。あるいは、事前にモータおよび機構部の駆動特性を調べておき、反転動作前の速度に応じたAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量から決定される閾値Aがメモリに保持されていてもよい。また閾値Aは固定値である必要はない。例えば、事前にモータおよび機構部の駆動特性を調べておき、あらかじめ定められた時間ごとに変化する可変値として閾値Aを設定してもよい。
S1605において、位置連動機能を利用した回転トルク発生動作が行われる。具体的にはPHS_OFSに駆動波形位相で-90度に相当する値である-256が設定される。モータにCCW方向の回転トルク、すなわちCW回転時にはブレーキとなる減速トルクがかかる。その後に図17のS1606に進む。
S1606にてCPU111は、反転動作処理が完了するまでの所定時間が経過したか否かを判定する。反転動作処理が完了するまでの時間は、事前にモータおよび機構部の駆動特性を調べておき、反転動作前の速度に応じた、反転完了までにかかる時間のデータがメモリに保持されているものとする。事前に設定された時間が経過したと判定された場合、S1607へ進み、当該時間が経過していないと判定された場合にはS1611へ進む。
S1611にてCPU111は差分算出処理により得られた、AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量(差分の大きさ)が所定の範囲外、例えば閾値以上(A以上)であるか否かを判定する。AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が所定の範囲内、つまり閾値未満(A未満)であると判定された場合、S1606へと進んで判定処理が繰り返される。一方、AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が閾値以上(A以上)であると判定された場合、S1612へ進む。
S1612にてCPU111は、AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が、所定値(Bと表記する)以上であるかどうかを判定する。所定値BはAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量としては、ありえない値として事前に設定されている判定用の閾値である。例えば所定値Bは、モータが最高速で動作した場合の回転位置の変化量よりも大きい限界値として設定される。「閾値A<所定値B」の関係が必ず成り立つものとする。S1612にてAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が所定値B以上であると判定された場合、S1613へ進む。またAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が所定値Bよりも小さいと判定された場合、つまりAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が閾値以上(A以上)であって、かつ限界値である所定値Bより小さい場合にはS1614へ進む。
S1613にてCPU111は緊急停止処理を実行する。例えばモータに接続されたメカ部材が外部から強制的に移動させられた等の場合、CPU111はモータの駆動状態が正常でないことを示す通知処理を実行する。この場合、CPU111はモータの駆動シーケンスを一旦停止し、安全に再始動するシーケンスへ移行させる制御を行い、駆動シーケンスを終了させる。本処理に関しては図19を用いて後述する。
S1614にてCPU111は、CCW方向へのトルク生成に関する調整処理を行う。その際には、回転検出位置に対して駆動波形位相で-90度に相当する値を与えるのでなく、一つ前の回転検出位置の値(前回値)に閾値Aを加算した値に対して、駆動波形位相で-90度に相当する値を設定する処理が行われる。本処理に関しては図18を用いて後述する。S1614の処理後にS1606へ戻って判定処理が繰り返し行われる。本実施形態の閾値Aは、逆回転補正機能がオンに設定される直前のAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量により設定される。回転検出位置の前回値に、閾値未満であったときの差分量に対応する所定値(例えば閾値A)を加算した値に対して、所定の位相差に相当する値を加算した駆動波形の位相にしたがってモータの駆動制御が行われる。
S1606からS1607へ進む場合、S1607でCPU111は差分算出処理により得られた、AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が所定の範囲外、例えば閾値以上(A以上)であるか否かを判定する。AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が閾値以上であると判定された場合、S1608へ進む。またAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が所定の範囲内、つまり閾値未満(A未満)であると判断された場合にはS1610へ進む。閾値Aを用いた判定処理は例示であり、これに限るものではない。例えばAよりも小さい値で任意に閾値の設定が可能であり、また判定条件については、差分量が閾値Aを所定回数以上に亘って連続で上回ったことを条件としてもよい。
S1610にてCPU111は緊急停止処理を実行する。例えばモータの脱調や、外部から強制的にメカ部材が固定させられた等の場合、CPU111はモータの駆動状態が正常でないことを示す通知処理を実行する。この場合、CPU111はモータの駆動シーケンスを一旦停止し、安全に再始動するシーケンスへ移行させる制御を行い、駆動シーケンスを終了させる。本処理に関しては図20を用いて後述する。
S1608にてCPU111は反転動作が正常に完了したと判断し、逆回転補正機能をオフに設定する。その次のS1609でCPU111は、固定機能設定部307を通じて回転方向固定機能をオンにし、回転方向をCCW方向、すなわち位置検出のカウント方向でマイナス方向に設定する。その後、図16のS1601へ移行する。
図16においては、S616の次にS1616の処理が行われる。つまり、S616にてロータの検出位置が減速開始位置以上であると判定された場合、S1616に進む。CPU111は、モータにCW方向の回転トルク、すなわちCCW回転時にはブレーキとなる減速トルクがかかるようにPHS_OFSの値として、+256を設定する。その後にS618へと進む。
図16および図17の例においては、反転動作後に停止処理を行って一連の処理を終了するシーケンスに関して説明した。これに限るものではなく、例えば反転動作を繰り返したのちに停止処理を行うことも同様の方法で可能である。
次に図16のS1603で説明した、逆回転補正機能に関して、図18を参照して詳細を説明する。図18(A)は、逆回転補正機能を使用しない場合の駆動波形位相1731の時間変化と、検出位置1732の時間変化を示す図である。図18(B)は、逆回転補正機能を使用した場合の駆動波形位相1731の時間変化と、検出位置1732の時間変化を示す図である。図18(A)、図18(B)において横軸は時間軸であり、時刻m1からm13を示す。予め決められたAD変換周期ごとに検出位置が確定し、その検出位置の下10ビットに位相差を付加した値が駆動波形の位相値として出力される。また各図の縦軸は検出位置と駆動波形位相を示している。駆動波形位相1731と検出位置1732は、位相差1702の位相差を維持しながら同期している。時刻m1からm13の各時間間隔、つまり隣り合う時刻の間隔はAD変換周期に相当する。位相差1702については、例えば、図16のS1605における値である-256が設定されている。矢印1701により、図16のS1604で設定された閾値Aを表している。
ここで時刻m4に対応するポイント1723と、時刻m8に対応するポイント1724に着目する。これらのポイントにおいて、AD変換の検出誤差や外乱等によって、閾値Aを上回るAD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が発生したものとする。図18(A)においては逆回転補正機能を使用しないので、回転検出位置に対して位相差1702の位相差を維持しながら駆動波形位相1731を同期させる制御が行われる。そのため、AD変換の検出誤差や外乱の影響を受けた箇所において駆動波形の連続性が損なわれる可能性がある。
図18(B)においてCPU111は、回転検出位置に対して位相差1702を維持するのではなく、AD変換周期ごとの回転検出位置の差分量が閾値A以上である場合、その状況をAD変換の検出誤差や外乱の影響によると判断する。CPU111は一つ前の回転検出位置に閾値Aを加算した値に対して位相差1702を加算した駆動波形の位相にしたがってモータの駆動を制御する。例えばCPU111は、時刻m4に対応するポイント1723において位相差1713を、また時刻m8に対応するポイント1724においては位相差1714を駆動波形の位相に与える。このように反転挙動中において、AD変換の検出誤差や外乱の影響を極力抑制して、常に一定のトルクを発生させることで反転動作完了までの時間を短縮し、動作を安定させることができる。
次に図19を参照して、モータに接続されたメカ部材が外部から強制的に移動させられた等の事態が発生したことを判断する方法について詳説する。図19は、図17のS1613で緊急停止処理が実行される場合の駆動波形位相1731の時間変化と、検出位置1732の時間変化を示す図である。横軸および縦軸の設定は図18と同様であり、時間軸には時刻m1からm6を示す。時刻m1からm6の各時間間隔はAD変換周期に相当する。
図19にて、時刻m5に対応するポイント1802で、あらかじめ定められた所定値B以上の回転検出位置の差分量が発生したものとする(矢印1801参照)。このとき、駆動波形位相1731におけるポイント1802に対応する検出位置1732上での回転検出位置(ポイント1800参照)に対して、位相差1702(図19参照)を付加した駆動波形が出力されたとしても、モータが正常に動作しない可能性が高い。その理由はS1612で説明したように、限界値である所定値B以上の変化量が本実施形態のモータ駆動システムにおいて起こりえない変化量であることによる。この場合、CPU111は図17のS1613にて、例えば外部から強制的にメカ部材が移動させられた等の事態が発生したと判断し、モータの駆動状態が正常でないことを示す通知処理を実行する。そしてCPU111はモータの駆動シーケンスを一旦停止し、安全に再始動するシーケンスへ移行させる制御を行う。
次に図20を参照して、モータの脱調や、外部から強制的にメカ部材が固定させられた等の事態が発生したことを判断する方法について詳説する。図20は、図17のS1610で緊急停止処理が実行される場合の駆動波形位相1731の時間変化と、検出位置1732の時間変化を示す図である。横軸および縦軸の設定は図18と同様であり、時間軸には時刻m1からm16を示す。時刻m1からm16の各時間間隔はAD変換周期に相当する。時刻m16に対応するポイント1901にて、あらかじめ定められた反転動作に要する時間が経過したものとする。このとき、ポイント1901に対応する、ポイント1902での回転検出位置に対して、位相差1702を付加した駆動波形が出力され続けたとしても、正常にモータが動作しない可能性が高い。この場合、CPU111は、例えばモータの脱調や、外部から強制的にメカ部材が固定させられた等の事態が発生したと判断し、モータの駆動状態が正常でないことを示す通知処理を実行する。そしてCPU111はモータの駆動シーケンスを一旦停止し、安全に再始動するシーケンスへ移行させる制御を行う。
本実施形態では、ロータを逆方向に回転させる反転動作において、駆動波形の連続性が損なわれて不連続な波形になることを抑制しつつ、回転検出位置に基づき、モータに対して効率的な駆動波形を生成し、その際の反応遅れを低減できる。本実施形態によれば、急な過剰負荷や外乱等に基づく急減速により、意図しない逆転動作が引き起こされることを防止できる。
前記実施形態の位置検出器は、複数のホールセンサと回転磁石を用いた構成であるが、回転位置検出を高精度に行える構成であれば、他のセンサ機構を用いても実施可能である。また本実施形態では10極の一般的なクローポール型ステッピングモータの構成を前提に説明したが、これに限らず、ロータ側が永久磁石であって、ステータ側がコイル・ステータであれば、他の構成のモータでも実施可能である。
101 ステッピングモータ
102 ロータ軸
103 ENC磁石
104 Hall素子パッケージ
109 位置ENC回路
110 駆動波形生成回路
111 CPU
120 ロータ磁石

Claims (27)

  1. ロータの回転方向を設定する設定手段と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出手段と、
    モータへの駆動波形を生成する生成手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を行う制御手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する位相差設定手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定手段によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御を行い、
    前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する第1の方向と、前記設定手段によって設定された第2の方向とが同じである状態から、前記第1の方向と前記第2の方向とが異なる状態に変化した場合、前記制御手段は、前記第1の方向と前記第2の方向とが同じであったときに前記検出手段により検出された回転位置の最大値に相当する位相に対し、前記位相差設定手段による位相差を加算した駆動波形の位相にしたがってモータの駆動を制御する
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. ロータの回転方向を設定する設定手段と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出手段と、
    モータへの駆動波形を生成する生成手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を行う制御手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する位相差設定手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定手段によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御を行い、
    前記検出手段による回転位置の検出のタイミングに合わせて、前記制御手段が前記同期制御および前記逆回転を抑制する制御を行う
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  3. ロータの回転方向を設定する設定手段と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出手段と、
    モータへの駆動波形を生成する生成手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を行う制御手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する位相差設定手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定手段によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御を行い、
    前記制御手段は、前記モータの駆動中に前記回転位置が予め定められた時間以上に亘って変化しない場合に通知処理を行う
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  4. ロータの回転方向を設定する設定手段と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出手段と、
    モータへの駆動波形を生成する生成手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を行う制御手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する位相差設定手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定手段によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御を行い、
    前記制御手段は、前記モータの駆動中に保持されている回転位置と、前記検出手段によって検出される回転位置との差分の大きさが予め定められた値より大きくなった場合に通知処理を行う
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  5. 前記検出手段による回転位置の検出のタイミングに係る周期で、前記制御手段が前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する第1の方向と、前記設定手段によって設定された第2の方向とが同じであるか、異なるかを判定する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制御手段は前記通知処理を行い、前記モータの駆動を停止して再始動を行う
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記検出手段は、
    前記ロータの回転量に比例する第1のカウント値を算出する第1の算出手段と、
    前記回転量に対して周期的に変化する第2のカウント値を算出する第2の算出手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記検出手段は、位相差を有する複数の正弦波状信号から前記ロータの回転位置を検出する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記検出手段は、前記複数の正弦波状信号から正接値を算出し、当該正接値に逆正接演算を行って前記ロータの回転角度を算出し、前記回転角度を積分することによって前記ロータの回転位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記生成手段は、前記第2の算出手段の出力を取得して前記駆動波形の位相を決定する位相決定手段を備え、
    前記位相差設定手段は前記位相決定手段に対して定常位相差または駆動用位相差を設定する
    ことを特徴とする請求項に記載のモータ駆動装置。
  11. 前記制御手段は、前記モータが停止している状態で前記検出手段により検出される回転位置に相当する位相と前記駆動波形の位相との位相差を基準として、前記位相差設定手段によって設定した前記位相差にしたがって前記モータの駆動を制御する
    ことを特徴とする請求項10に記載のモータ駆動装置。
  12. モータ駆動装置にて実行されるモータ駆動方法であって、
    ロータの回転方向を設定する設定工程と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出工程と、
    モータへの駆動波形を生成する生成工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を制御手段が行う制御工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する位相差設定工程と、を有し、
    前記制御工程では、前記検出工程により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定工程によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御が行われ、前記検出工程により検出される回転位置の変化に対応する第1の方向と、前記設定工程によって設定された第2の方向とが同じである状態から、前記第1の方向と前記第2の方向とが異なる状態に変化した場合、前記制御手段は、前記第1の方向と前記第2の方向とが同じであったときに前記検出工程により検出された回転位置の最大値に相当する位相に対し、前記位相差設定工程による位相差を加算した駆動波形の位相にしたがってモータの駆動を制御する
    ことを特徴とするモータ駆動方法。
  13. モータ駆動装置にて実行されるモータ駆動方法であって、
    ロータの回転方向を設定する設定工程と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出工程と、
    モータへの駆動波形を生成する生成工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を制御手段が行う制御工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する工程と、を有し、
    前記制御工程では、前記検出工程により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定工程によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御が行われ、前記検出工程による回転位置の検出のタイミングに合わせて、前記制御手段が前記同期制御および前記逆回転を抑制する制御を行う
    ことを特徴とするモータ駆動方法。
  14. モータ駆動装置にて実行されるモータ駆動方法であって、
    ロータの回転方向を設定する設定工程と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出工程と、
    モータへの駆動波形を生成する生成工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を制御手段が行う制御工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する工程と、を有し、
    前記制御工程では、前記検出工程により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定工程によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御が行われ、前記制御手段は、前記モータの駆動中に前記回転位置が予め定められた時間以上に亘って変化しない場合に通知処理を行う
    ことを特徴とするモータ駆動方法。
  15. モータ駆動装置にて実行されるモータ駆動方法であって、
    ロータの回転方向を設定する設定工程と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出工程と、
    モータへの駆動波形を生成する生成工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を制御手段が行う制御工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する工程と、を有し、
    前記制御工程では、前記検出工程により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定工程によって設定された回転方向とが異なる場合、前記設定された回転方向とは逆の方向である逆回転を抑制する制御が行われ、前記制御手段は、前記モータの駆動中に保持されている回転位置と、前記検出工程によって検出される回転位置との差分の大きさが予め定められた値より大きくなった場合に通知処理を行う
    ことを特徴とするモータ駆動方法。
  16. ロータの回転方向を設定する設定手段と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出手段と、
    前記ロータの所定期間ごとの回転位置の差分を算出する差分算出手段と、
    モータへの駆動波形を生成する生成手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を行う制御手段と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する位相差設定手段と、を備え、
    前記設定手段によって第1の方向とは逆方向である第2の方向に回転方向が設定された際に前記制御手段は、前記差分算出手段により算出される所定期間ごとの回転位置の差分の大きさが閾値以上であって限界値より小さい場合に前記ロータの回転量を調整する制御を行う
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  17. 前記差分算出手段により算出される所定期間ごとの回転位置の差分の大きさが前記閾値以上であって前記限界値より小さい場合、前記制御手段は、前記検出手段により検出された回転位置に対して前記閾値未満であったときの前記回転位置の差分を加算した値に、前記位相差設定手段による位相差を加算した駆動波形の位相にしたがって前記モータの駆動を制御する
    ことを特徴とする請求項16に記載のモータ駆動装置。
  18. 前記差分算出手段により算出される所定期間ごとの回転位置の差分の大きさが前記閾値以上であって前記限界値より小さい場合、前記制御手段は、前記検出手段により検出された回転位置に対して前記閾値を加算した値に、前記位相差設定手段による位相差を加算した駆動波形の位相にしたがって前記モータの駆動を制御する
    ことを特徴とする請求項16に記載のモータ駆動装置。
  19. 前記検出手段による回転位置の検出のタイミングに合わせて、前記制御手段が前記同期制御および前記回転量を調整する制御を行う
    ことを特徴とする請求項16から18のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  20. 前記所定期間とは、前記検出手段による回転位置の検出のタイミングに係る周期である
    ことを特徴とする請求項16から19のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  21. 前記閾値は、前記設定手段によって前記第2の方向に回転方向が設定された際に前記差分算出手段により算出される回転位置の差分の値、または前記設定手段によって前記第2の方向に回転方向が設定される前に前記差分算出手段により算出される回転位置の差分の平均値、または前記ロータの反転動作前の速度に対応する回転位置の差分から決定される値である
    ことを特徴とする請求項16から20のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  22. 前記設定手段によって前記第2の方向が設定されてから予め定められた時間が経過した後に、前記制御手段は前記検出手段により検出される回転位置の変化に対応する方向と、前記設定手段によって設定された前記第2の方向とが異なる場合、前記第1の方向の逆回転を抑制する制御を行う
    ことを特徴とする請求項16から21のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  23. 前記制御手段は、前記所定期間ごとの回転位置の差分の大きさが予め定められた値以上である場合に通知処理を行う
    ことを特徴とする請求項16から22のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  24. 前記制御手段は、前記所定期間ごとの回転位置の差分の大きさが予め定められた時間が経過した後も予め定められた値より小さい場合に通知処理を行う
    ことを特徴とする請求項16から22のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  25. 前記制御手段は前記通知処理を行い、前記モータの駆動を停止して再始動を行う
    ことを特徴とする請求項23または請求項24に記載のモータ駆動装置。
  26. 前記検出手段は、位相差を有する複数の正弦波状信号から前記ロータの回転位置を検出する
    ことを特徴とする請求項16から25のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  27. モータ駆動装置にて実行されるモータ駆動方法であって、
    ロータの回転方向を設定する設定工程と、
    前記ロータの回転位置を検出する検出工程と、
    前記ロータの所定期間ごとの回転位置の差分を算出する算出工程と、
    モータへの駆動波形を生成する生成工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とを同期させる同期制御を行う制御工程と、
    前記回転位置の位相と前記駆動波形の位相とが同期した状態で、前記回転位置と前記駆動波形との間に位相差を設定する工程と、を有し、
    前記設定工程によって第1の方向とは逆方向である第2の方向に回転方向が設定された際に、前記制御工程では、前記算出工程により算出される所定期間ごとの回転位置の差分の大きさが閾値以上であって限界値より小さい場合に前記ロータの回転量を調整する制御が行われる
    ことを特徴とするモータ駆動方法。
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