JP7163167B2 - 炉体の解体方法 - Google Patents
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煉瓦の解体に際して、燃焼室33と蓄熱室35は内径が大きいことから、室内に搬入した重機を用いた解体が行わる(例えば、特許文献1参照)。
そのため、従来は、煉瓦解体のための設備を設置し、作業者が室内に入って煉瓦の手作業による解体を行い、その後鉄皮の解体を行うという手順で行っていた。
ブラストミキサー1が設置されている場所には通常重機の設置等のスペースがないことから、煉瓦の解体を重機等の機械で行うためには、ブラストミキサー1を設置現場から別の場所に搬送する必要があるが、ブラストミキサー1の設置現場は周囲に他の機器等があり、クレーン車で吊り下げ、取り回しするのは難しい。このため、ブラストミキサー1を解体することなく他の場所に搬送することは難しいという問題がある。
・問題点1
分割のブロックサイズをどのようにするかという問題。
・問題点2
鉄皮と煉瓦を一体的に切断するにはいかにするべきかという問題。
・問題点3
ブラストミキサーを複数のブロック体に切断すると、各ブロック体が転倒してしまうという問題。
・問題点4
切断して分割したブロック体を吊り上げると、下端が開放されていることから、鉄皮内面の煉瓦が脱落してしまうという問題。
前記炉体を高さ方向で複数に切断する位置を決定し、切断される上側のブロックの下端周方向に所定の間隔で貫通孔を設けて該貫通孔に煉瓦を支持するための支持ピンを挿入して設置する支持ピン設置工程と、
切断後の上下となるブロック同士を連結する連結具を取り付ける連結具取付工程と、
前記決定された切断位置において、鉄皮と煉瓦を一体的に切断する切断工程と、
前記連結具を外して搬出対象となるブロックを個別に所定の位置まで搬出するブロック搬出工程とを備えたことを特徴とするものである。
本実施の形態の炉体の解体方法は、図1に示すように、支持ピン設置工程、連結具取付工程、切断工程、ブロック搬出工程及び煉瓦解体工程を備えたものである。
以下、各工程を詳細に説明する。
支持ピン設置工程は、ブラストミキサー1を高さ方向で切断する複数の切断位置Cを決定し(図2参照)、図3に示すように、切断される上側のブロックの下端周方向に所定の間隔で、鉄皮3と煉瓦5を貫通する貫通孔7を設けて貫通孔7に煉瓦5を支持するための支持ピン9を挿入して設置する工程である。
本例では、解体対象となっているブラストミキサー1の重量が180ton、使用するクレーンの吊り出し可能重量が53ton、運搬時の制限高さが5.1mであったので、5分割することとした。分割位置と、各ブロックの重量は、図2に示すように、ブロックIが37ton、ブックIIが39ton、ブロックIIIが42ton、ブロックIVが21ton、ブロックVが37tonである。
本例においては、鉄皮3外面よりφ90mmの貫通孔7を周方向に等間隔(478mm)で18個開口し、開口した各貫通孔7に対しφ85mmの支持ピン9を差し込み、鉄皮3外面に溶接固定している(図4参照)。
支持ピン9は、支持ピン9よりも上方にある煉瓦5aを支持するためのものであるため、この目的を満たす必要がある。
煉瓦5の幅が72mmであるため、支持ピン9の挿入により支持ピン9の周辺2~3個の煉瓦5が支持ピン9によって直接支持される支持煉瓦5bとなるよう支持ピン9の径を煉瓦幅より2割ほど大きいφ85mmとした。支持煉瓦5bよりも上方の煉瓦5a(図中最も色の薄いグレーの煉瓦)は順次その上方にある煉瓦5aを支持するため、図5、図6に示す境界線Lよりも上方の煉瓦5aが支持ピン9によって支持されることになる。
なお、境界線Lよりも下方にある煉瓦5cは、支持ピン9によって支持されているわけではないが、摩擦等によって保持されている。もっとも、ブロックの吊り上げ時等に際して、多少の煉瓦5cが脱落する可能性があるが、そのための養生をするようにすればよい。
これに対して、上述した本実施の形態で示した方法は、切断前に施工できることから、施工が容易で、かつ確実に施工できるので、好適な方法である。
連結具取付工程は、切断後の上下となるブロック同士を連結する連結具を取り付ける工程である。
連結具は、切断後に各ブロックが転倒するのを防止するためのものである。
また、切断後に搬出作業を行う際に連結が必要なブロック同士の連結を維持する機能も有することから、当該作業時にも耐えて連結を維持できるものである必要がある。
このような要請を満たすものとして、本例では、連結具としてコ字形状で各辺部が上下のブロックに跨るストロングバック11を採用した(図7参照)。ストロングバック11の上片の先端を上側のブロックに、下片の先端を下側のブロックにそれぞれ溶接によって固定する。
ストロングバック11は、ブラストミキサー1の周方向で、例えば5、6個取り付けるようにする。もっとも、取付個数はブラストミキサー1の大きさ、各ストロングバック11に必要とされる耐力によって適宜設定すればよい。
切断工程は、決定された切断位置Cにおいて鉄皮3と煉瓦5を一体的に切断する工程である。切断工具としては、ワイヤーソー切断機13を採用した。ワイヤーソー切断機13は、図8に示すように、切断ワイヤー15をブラストミキサー1の胴体における切断位置Cに巻き付けて切断する。
ブロック搬出工程は、連結具を外して搬出対象となるブロックを個別に所定の位置まで搬出する工程であり、搬送台車によって横引きする台車搬送工程と該台車搬送工程によって横引きされた各ブロックを吊り出す吊出し工程を備えている。
このブロック搬出工程としては、特開2009-41062号公報(特願2007-206376)に開示された方法を適用することができる。以下、この方法をブラストミキサーに適用した場合の具体的な方法を説明する。
上記の機器を用いて、ブロックを搬出する方法を図10に基づいて説明する。
図10(a)では、ワイヤージャッキ23のワイヤー27をブロックIに連結し、ブロックIIIとブロックIVを連結していたストロングバック11を切断している。
この状態で、ワイヤージャッキ23を稼働して、ブロックI、II、IIIを一体として吊り上げ(図10(b)参照)、吊り上げられたブロックIIIの下方に搬送台車19を配置する(図10(c)参照)。
同様の操作によって、ブロックIIの吊り出し(図10(f))と、ブロックIのつり出しをこの順で行う。ブロックIの吊り出しが完了すると、ワイヤージャッキ23のワイヤー27をブロックIVに連結し(図10(g)参照)、ブロックIV、Vを4FLよりも上方に吊り上げる(図10(h)参照)。その後、搬送台車19をブロックVの下方に配置し、ブロックVとブロックIVを連結しているストロングバック11を切断して、搬送台車19を図中右方向に移動して、ブロックVを吊り出し(図10(i)参照)、最後にブロックIVを吊り出して、搬出を完了する。
煉瓦解体工程は、ブロック搬出工程によって吊り出された各ブロックの煉瓦5を重機で解体する工程である。
各ブロックを吊り出す搬出場所については、特に言及していないが、重機による解体が可能なスペースのある場所であれば特に限定されるものではない。
もっとも、支持ピン設置工程を先に行う方が、貫通孔7を設ける際にストロングバック11が邪魔にならず、作業性に優れる。
3 鉄皮
5 煉瓦
5a 煉瓦(上方)
5b 支持煉瓦
5c 煉瓦(下方)
7 貫通孔
9 支持ピン
11 ストロングバック
13 ワイヤーソー切断機
15 切断ワイヤー
17 走行レール
19 搬送台車
21 ジャッキ架構
23 ワイヤージャッキ
25 吊具
27 ワイヤー
C 切断位置
L 境界線
<熱風炉>
31 熱風炉
33 燃焼室
35 蓄熱室
Claims (1)
- 鉄皮の内周壁に煉瓦を積層した炉体の解体方法であって、
前記炉体を高さ方向で複数に切断する位置を決定し、切断される上側のブロックの下端周方向に所定の間隔で貫通孔を設けて該貫通孔に煉瓦を支持するための支持ピンを挿入して設置する支持ピン設置工程と、
該支持ピン設置工程の後に、切断後の上下となるブロック同士を連結する連結具を、切断前に取り付ける連結具取付工程と、
前記決定された切断位置において、鉄皮と煉瓦をワイヤーソー切断機によって一体的に切断する切断工程と、
前記連結具を外して搬出対象となるブロックを個別に所定の位置まで搬出するブロック搬出工程とを備え、
前記支持ピンは、該支持ピンの周辺2~3個の煉瓦が直接支持される支持煉瓦となるように径が設定されていることを特徴とする炉体の解体方法。
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JP2018237038A JP7163167B2 (ja) | 2018-12-19 | 2018-12-19 | 炉体の解体方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005139482A (ja) | 2003-11-04 | 2005-06-02 | Jfe Mechanical Co Ltd | 熱風炉の改修方法 |
JP2009041062A (ja) | 2007-08-08 | 2009-02-26 | Taihei Dengyo Kaisha Ltd | 高炉用熱風炉の解体および構築工法 |
JP2010053441A (ja) | 2008-07-31 | 2010-03-11 | Jfe Steel Corp | 高炉炉体の建設および改修の方法 |
WO2011027610A1 (ja) | 2009-09-02 | 2011-03-10 | 新日鉄エンジニアリング株式会社 | 多層耐火物構造の炉の解体方法 |
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