JP7162140B2

JP7162140B2 - 内装部品

Info

Publication number: JP7162140B2
Application number: JP2021536452A
Authority: JP
Inventors: 貴広後藤
Original assignee: Kasai Kogyo Co Ltd
Current assignee: Kasai Kogyo Co Ltd
Priority date: 2019-07-26
Filing date: 2019-07-26
Publication date: 2022-10-27
Anticipated expiration: 2039-07-26
Also published as: WO2021019606A1; JPWO2021019606A1

Description

本発明は、内装部品に関する。

従来、車両内に設けられる内装部品が知られている。この内装部品には、例えば車両ピラー部に対して取り付けられると共に、内部にエアバッグを搭載したものが提案されている（例えば特許文献１参照）。この内装部品は、エアバッグの展開時に適切な位置で本体部が割れるように本体部の内面に形成されたリブに対して切込が設けられている。

特開２０１０－１７３３８６号公報

しかし、特許文献１に記載の内装部品はリブに対して内装部品の本体部まで届く切込が形成されているため、エアバッグの展開時の割れ方向（割れて開く方向）とは反対方向に内装部品本体部が倒れ込む、いわゆる内倒れが成形直後等に発生してしまう可能性がある。

また、特許文献１の図５に示すように、リブの切込をリブの高さ中間部までとする構造も提案されている。このように、リブの切込を高さ中間部までとすることでリブをある程度残して内倒れを防止することができる。

しかし、この構造では内倒れを防止することができても所望の位置で割れを発生させることが困難となってしまう。すなわち、この構造ではリブがある程度残っていることから、残ったリブがどの方向に切り裂かれていくのか不安定となり、所望の位置で割れを発生させることが困難となってしまう。

本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内倒れを防止しつつも所望の位置にて割れを発生させ易くすることができる内装部品を提供することである。

かかる課題を解決するために、本発明に係る内装部品は、車室側から車体に対して取り付けられると共に、車室側となる表面の反対側となる裏面側にエアバッグを搭載した内装部品であって、前記表面及び前記裏面を有する本体部と、前記本体部の前記裏面に形成されて第１方向に延びる第１リブと、前記本体部の前記裏面に形成されて前記第１方向と異なる第２方向に延びると共に前記第１リブと交差する第２リブと、を備え、前記第１リブは、その高さ方向中間部まで切り込まれた切込部を有し、前記切込部は、その先端が前記高さ方向に前記第２リブよりも低く、且つ、前記第２リブの一側面に位置し、前記第１リブは、さらに、前記第２リブの一側面の反対側となる他面側において、前記第２リブより前記高さ方向に高く延びる延長部を有している。

本発明によれば、内倒れを防止しつつも所望の位置にて割れを発生させ易くすることができる。

図１は、本実施形態に係る内装部品を示す正面図である。図２は、図１に示した円破線部分の裏面側拡大図である。図３は、図２に示した内装部品の断面図である。図４は、内装部品の一部構成を示す斜視図である。図５は、図３の一部を示す拡大図である。図６は、本実施形態に係る内装部品の作用を説明する断面図である。

以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。

図１は、本実施形態に係る内装部品を示す正面図である。図１に示す内装部品１は、例えばウィンドシールドとサイドガラスとの間のＡピラー部に対して設けられるピラー用樹脂部品である。この内装部品１は、車室側から車体に対して取り付けられると共に、車室側となる表面１ａの反対側となる裏面１ｂ（図２参照）側にエアバッグＡＢを搭載したものである。内装部品１は、エアバッグＡＢの展開時に展開スペースを確保する為、破断ラインＢＬ（所望の位置）にて割れが発生するように設計されている。

図２は、図１に示した円破線部分の裏面側拡大図である。図２に示すように、内装部品１は、表面１ａ及び裏面１ｂを有する本体部１０と、複数の第１リブ２０と、複数の第２リブ３０と、取付部４０とを備えている。

各第１リブ２０は、本体部１０の裏面１ｂにおいて第１方向に延びて形成された板材である。本実施形態において第１方向は内装部品１（Ａピラー）の短手方向となっている。各第２リブ３０は、本体部１０の裏面１ｂにおいて第１方向と異なる第２方向に延びて形成された板材である。本実施形態において第２方向は内装部品１（Ａピラー）の長手方向となっている。複数の第２リブ３０のうち、一側に位置する第２リブ３０ａ（以下特定リブ３０ａという）については、図１に示した破断ラインＢＬに沿って設けられている。また、一部の図示を省略するが、複数の第１リブ２０は、少なくとも破断ラインＢＬ（すなわちエアバッグＡＢの搭載箇所）に対応して、第２方向に所定の間隔を有して設けられている。

さらに、複数の第１リブ２０は、第２リブ３０（特に特定リブ３０ａ）と交差して設けられている。特に、各第１リブ２０は、少なくとも特定リブ３０ａを挟んで直線状に並ぶように特定リブ３０ａと交差している。すなわち、第１リブ２０は、特定リブ３０ａの一側と他側とで第２方向にズレることなく、直線的に設けられている。

取付部４０は、内装部品１を車体側に取り付けるための係合部である。なお、図２においては、内装部品１の一端側のみを示しているため、取付部４０が１つのみ図示されているが、このような取付部４０は内装部品１の他端側等の適宜の箇所に必要個数設けられている。

図３は、図２に示した内装部品１の断面図であり、図４は、内装部品１の一部構成を示す斜視図であり、図５は、図３の一部を示す拡大図である。図３及び図５においては第１リブ２０を平面的に示し、特定リブ３０ａ及び本体部１０を断面にて示している。

図３～図５に示すように、第１リブ２０は、その高さ方向の中間部まで切り込まれた切込部２１を有している。すなわち、第１リブ２０の切込部２１は、図５の破線に示すように本体部１０の内装部品裏面１ｂまで届くものではない。さらに、図５に示すように、切込部２１の先端２２は、高さ方向に特定リブ３０ａよりも低く、且つ、特定リブ３０ａの一側面に位置している。なお、切込部２１の先端２２は、特定リブ３０ａの高さの１／２以上９／１０以下の範囲内に位置することが好ましいが、特にこれに限られるものではない。また、切込部２１は、特定リブ３０ａの一側面に対する角度θが鋭角となるように形成されているが、その角度θは鋭角（より好ましくは４５°以内）であれば、特に何度であるかは問われるものではない。

加えて、第１リブ２０は、特定リブ３０ａとの交差部において、特定リブ３０ａよりも高さ方向に高く延びる延長部２３を有している。第１リブ２０は特定リブ３０ａの他面側において延長部２３が形成されている分だけ、形成されていない場合と比較して剛性が高められている。

さらに、図５に示すように、本体部１０は各所において厚みが調整されており、第１リブ２０と特定リブ３０ａとの交差部の周辺部については特定リブ３０ａの一側面と対応する位置ａにおいて厚みＴ１が最小となるようにされている。より詳細に説明すると、本体部１０は、特定リブ３０ａの一側面と対応する位置ａから第１方向の一側面側に所定距離Ｘ１離れた位置ｂから厚みが徐変されている。すなわち、本体部１０は、位置ｂにおける厚みＴ２から位置ａに向かって徐々に薄くされ、位置ａにおいて最小の厚みＴ１とされている。同様に、本体部１０は、特定リブ３０ａの一側面と対応する位置ａから第１方向の他面側に所定距離Ｘ２離れた位置ｃから厚みが徐変されている。すなわち、本体部１０は、位置ｃにおける厚みＴ３から位置ａに向かって徐々に薄くされ、位置ａにおいて最小の厚みＴ１とされている。

なお、このような徐変構造は、意匠面となる表面１ａにおいて凹みが発生しない程度にされている。すなわち、本体部１０の厚みが急激に変化する場合には意匠面となる表面１ａに凹みが発生することがあるが、本体部１０はこのような凹みが発生しない程度に厚みが徐変されている。このため、本実施形態に係る内装部品１は表面１ａ側の凹みをクロスとウレタン等を積層した表皮によって隠す必要がないものとなっている。

次に、本実施形態に係る内装部品１の作用を説明する。図６は、本実施形態に係る内装部品１の作用を説明する断面図である。

まず、本実施形態に係る第１リブ２０は、高さ方向の中間部まで切り込まれた切込部２１を有している。このため、切込部２１は本体部１０の内装部品裏面１ｂまで到達しておらず、本体部１０の内装部品裏面１ｂまで届く切込部２１ａを有する場合と比較して内倒れ方向への内倒れが防止されている。

また、車両衝突時等にはエアバッグＡＢが膨張展開する。このとき、内装部品１に負荷が加わる。ここで、切込部２１は、先端２２が高さ方向に特定リブ３０ａよりも低く、且つ、特定リブ３０ａの一側面に位置している。このため、エアバッグ展開時には、図６の太破線に示すように、特定リブ３０ａに沿うようにして第１リブ２０が切り裂かれ易くなる（少なくとも特定リブ３０ａの他面側への割れが防止される）。

また、第１リブ２０は特定リブ３０ａとの交差部において特定リブ３０ａより高さ方向に高く延びる延長部２３を有している。このため、第１リブ２０のうち特定リブ３０ａの他面側については剛性が高められることとなる。この結果、第１リブ２０について特定リブ３０ａの他面側で剛性を高め、特定リブ３０ａの一側面側で切込部２１により剛性を低めることとなり、切込部２１を利用した切り裂きが適切に行われる。

加えて、本体部１０は、特定リブ３０ａの一側面と対応する位置ａにおいて最も薄くされている。このため、太破線に示すように、この薄くされた部分に誘導するように第１リブ２０が切り裂かれ易くなる。

さらに、第１リブ２０は、特定リブ３０ａを挟んで直線状に並んでいることから、第１リブ２０は特定リブ３０ａの一側面側と他面側とでズレることなく、エアバッグ展開時にはズレによる力の分散を抑えて、第１リブ２０が適切に切り裂かれるようにすることができる。

以上より、本実施形態に係る内装部品１は、内倒れを防止しつつも、エアバッグ展開時には特定リブ３０ａの一側面に沿って第１リブ２０を切り裂いていき、所望の位置となる破断ラインＢＬに沿って内装部品１を割れ易くすることとなる。

このようにして、本実施形態に係る内装部品１によれば、第１リブ２０は高さ方向中間部まで切り込まれて形成された切込部２１を有していることから、切込部２１が本体部１０の内装部品裏面１ｂまで到達しておらず内倒れを防止することができる。また、切込部２１の先端２２は第１リブ２０に交差する特定リブ３０ａの一側面に位置していることから、エアバッグ展開時においては特定リブ３０ａに沿うようにして第１リブ２０が切り裂かれ易くなり（少なくとも特定リブ３０ａの他面側への割れが防止され）、本体部１０についても破断ラインＢＬ（所望の位置）で割れを発生させ易くすることができる。従って、内倒れを防止しつつも破断ラインＢＬ（所望の位置）にて割れを発生させ易くすることができる。

また、第１リブ２０は特定リブ３０ａの一側面の反対側となる他面側において特定リブ３０ａより高さ方向に高く延びる延長部２３を有しているため、第１リブ２０のうち特定リブ３０ａの他面側については剛性が高められることとなる。この結果、第１リブ２０について特定リブ３０ａの他面側で剛性を高め、特定リブ３０ａの一側面側で切込部２１により剛性を低めることとなり、切込部２１を利用した切り裂きを適切に行い易くすることができる。

また、第１リブ２０は特定リブ３０ａを挟んで直線状に並んでいるため、第１リブ２０の位置が特定リブ３０ａの一側面側と他面側とでずれることなく、エアバッグＡＢの展開時にズレによる力の分散が防止され、第１リブ２０が適切に切り裂かれるようにすることができる。

また、本体部１０は特定リブ３０ａの一側面側と対応する位置ａにおいて最も薄くされているため、薄くされた部分に誘導するように第１リブ２０を切り裂くことができ、より一層破断ラインＢＬ（所望の位置）にて割れを発生させ易くすることができる。

以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能であれば公知又は周知の技術を組み合わせてもよい。特に、形状や寸法については上記した内容又は図示した内容に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

また、上記実施形態において、破断ラインＢＬは内装部品１に対して１つだけ存在しているが、これに限らず２つ以上の破断ラインＢＬが設定されていてもよい。

また、本実施形態において第２リブ３０の一つである特定リブ３０ａについては、破断ラインＢＬに沿って連続的に設けられることを想定しているが、これに限らず、破断ラインＢＬに沿って断続的に設けられていてもよい。

さらに、本実施形態に係る内装部品１は表皮材を必要としない構造を提案しているが、これに限らず、表皮材を備えるものであってもよい。

加えて、本実施形態においては、Ａピラー部に対して設けられるピラー用樹脂部品を内装部品１として説明したが、これに限らず、Ｂピラー部やＣピラー部に適用されてもよいし、他の位置に適用されるものであってもよい。

また、本実施形態に係る第１リブ２０は、破断ラインＢＬに対応して設けられていればよく、破断ラインＢＬとは無関係な箇所に関しては切込部２１を有しない通常形状のリブが形成されていてもよい。

１：内装部品
１ａ：表面
１ｂ：裏面
１０：本体部
２０：第１リブ
２１：切込部
２２：先端
２３：延長部
３０：第２リブ
３０ａ：特定リブ
ＡＢ：エアバッグ
ＢＬ：破断ライン

Claims

車室側から車体に対して取り付けられると共に、車室側となる表面の反対側となる裏面側にエアバッグを搭載した内装部品であって、
前記表面及び前記裏面を有する本体部と、
前記本体部の前記裏面に形成されて第１方向に延びる第１リブと、
前記本体部の前記裏面に形成されて前記第１方向と異なる第２方向に延びると共に前記第１リブと交差する第２リブと、を備え、
前記第１リブは、その高さ方向中間部まで切り込まれた切込部を有し、
前記切込部は、その先端が前記高さ方向に前記第２リブよりも低く、且つ、前記第２リブの一側面に位置し、
前記第１リブは、さらに、前記第２リブの一側面の反対側となる他面側において、前記第２リブより前記高さ方向に高く延びる延長部を有している
ことを特徴とする内装部品。
前記第１リブは、前記第２リブを挟んで直線状に並んでいる
ことを特徴とする請求項１に記載の内装部品。
前記本体部は、前記第１リブと前記第２リブとの交差部の周辺部において、その厚みが前記第２リブの一側面側と対応する箇所において最も薄くされている
ことを特徴とする請求項１又は請求項２のいずれかに記載の内装部品。