JP7160537B2 - 鉄筋コンクリート構造体 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 公益財団法人 土木学会から発行された土木学会第72回年次学術講演会(平成29年9月)のDVD版公演概要集、「杭頭部の半剛結化の載荷実験」(I-458)(補充資料)
本開示は、棒状の第1コンクリート部材が、フーチング等の第2コンクリート部材に結合された鉄筋コンクリート構造体に関する。
例えば、特許文献1に記載の鉄筋コンクリート構造体では、第1コンクリート部材のうちフーチングとの結合部分の外径寸法が他の部位の外形寸法に比べて小さくなっているとともに、当該結合部分に埋設された帯鉄筋量が当該他の部位に比べて多くなっている。
特許第4505249号公報
本願は、鉄筋コンクリート構造体に地震等による加振力が作用した場合等において、高剛性及び高耐力を発揮可能な鉄筋コンクリート構造体の一例を開示する。
鉄筋コンクリート構造体は、例えば、第1コンクリート部材(1)内に埋設された複数の第1軸方向鉄筋(11)であって、当該第1コンクリート部材(1)の長手方向と平行な方向に延びるとともに、当該第1コンクリート部材(1)の中心軸線(L1)周りに配置された複数の第1軸方向鉄筋(11)と、第1コンクリート部材(1)内のうち複数の第1軸方向鉄筋(11)より第2コンクリート部材(2)に近い位置に埋設された複数の第2軸方向鉄筋(12)であって、前記長手方向と平行な方向に延びて一部が第2コンクリート部材(2)に埋設されているとともに、複数の第1軸方向鉄筋(11)より中心軸線(L1)に近い位置にて当該中心軸線(L1)周りに配置された複数の第2軸方向鉄筋(12)と、第1コンクリート部材(1)内に埋設され、当該第1コンクリート部材(1)のうち複数の第2軸方向鉄筋(12)が配置された部位に発生するせん断に対抗するせん断補強鋼(14)とを備え、せん断補強鋼(14)のせん断補強筋比は、2%以上、3%以下であることが望ましい。
これにより、鉄筋コンクリート構造体に地震等による加振力が作用した場合等において、高剛性及び高耐力を発揮することが可能となり得る。
なお、鉄筋コンクリート構造体は、以下の構成であってもよい。
すなわち、第1コンクリート部材(1)のうち複数の第2軸方向鉄筋(12)が配置された部位における「かぶり寸法」である第2かぶり寸法(A)は、第1コンクリート部材(1)のうち複数の第1軸方向鉄筋(11)が配置された部位における「かぶり寸法」である第1かぶり寸法(B)より大きいことが望ましい。
これにより、鉄筋コンクリート構造体に地震等による加振力が作用した場合、変形の初期段階において大きな耐力を得ることが可能となり得る。変形が初期段階を越えると、第2軸方向鉄筋(12)が配置された部位は、金属材料が塑性変形するように、当該耐力より小さい荷重で変形が進行する。
したがって、当該変形により加振力が吸収されるため、第2軸方向鉄筋(12)が配置された部位に大きな曲げモーメントは発生することを抑制でき得る。延いては、鉄筋コンクリート構造体に地震等による加振力が作用した場合等において、高剛性及び高耐力を発揮することが可能となり得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるもではない。
実施形態に係る鉄筋コンクリート構造体を示す図である。 Aは実施形態に係る杭のうち杭頭部より下部の断面を示す図である。Bは実施形態に係る杭頭部の断面を示す図である。 実施形態に係る鉄筋コンクリート構造体を示す図である。 A~Cは実施形態に係る鉄筋コンクリート構造体に発生する曲げモーメントを示す図である。 試験体を示す図表である。 試験体1の試験結果を示す図である。 試験体2の試験結果を示す図である。 試験体3の試験結果を示す図である。
以下の「発明の実施形態」は、本願発明の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載されたものである。本明細書に記載された発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。
(第1実施形態)
1.鉄筋コンクリート構造体の概要
本実施形態は、図1に示される杭基礎フーチング周りに本願に係る鉄筋コンクリート構造体の一例を適用したものである。杭1は第1コンクリート部材の一例である。フーチング2は第2コンクリート部材の一例である。杭1は、棒状の部材であって、フーチング2に結合されている。フーチング2は、構造物の基礎低板部である。
2.鉄筋コンクリート構造体の詳細
2.1 鉄筋構造について
杭1は、複数の第1軸方向鉄筋11、複数の第2軸方向鉄筋12、第1帯鉄筋13及び第2帯鉄筋14等を少なくとも有して構成されている。各第1軸方向鉄筋11~第2帯鉄筋14は、杭1を構成するコンクリートCR内に埋設されている。
複数の第1軸方向鉄筋11は、杭1の長手方向と平行な方向に延びるとともに、当該杭1の中心軸線L1周りに等間隔で配置されている。換言すれば、複数の第1軸方向鉄筋11は、筒状のワイヤーフレーム(以下、第1ワイヤーフレームという。)を構成するように配置されている。
第1帯鉄筋13は、複数の第1軸方向鉄筋11と交差する1本又は複数(本実施形態では、複数)の鉄筋により構成されている。つまり、第1帯鉄筋13は、第1ワイヤーフレームの外周側又は内周側(本実施形態では、外周側)に巻き付けられた帯状の鉄筋である。
すなわち、複数の第1帯鉄筋13は、杭1のうち複数の第1軸方向鉄筋11が配置された部位に発生するせん断に対抗するせん断補強鋼として機能する。なお、本実施形態では、図2Aに示されるように、二重円筒状の第1ワイヤーフレームが構成されるように、複数の第1軸方向鉄筋11が配置されている。
複数の第2軸方向鉄筋12は、図1に示されるように、杭1内のうち複数の第1軸方向鉄筋11よりフーチング2に近い位置に埋設されている。各第2軸方向鉄筋12は、杭1の長手方向と平行な方向に延びて一部がフーチング2に埋設されている。
つまり、杭1とフーチング2とは、フーチング2を構成するコンクリートCRに埋設された複数の第2軸方向鉄筋12、及びフーチング2のコンクリートCRと杭1のコンクリートCRとが一体化することにより結合される。
なお、複数の第2軸方向鉄筋12のうちフーチング2内に埋設された部位には、当該第2軸方向鉄筋12と交差する方向に延びる鉄筋12Aと一体化されている。当該鉄筋12Aは、フーチング2を構成する鉄筋である。
複数の第2軸方向鉄筋12は、中心軸線L1周りに配置されて筒状のワイヤーフレーム(以下、第2ワイヤーフレーム)を構成している。各第2軸方向鉄筋12は、複数の第1軸方向鉄筋11より中心軸線L1に近い位置に配置されている。
つまり、第2ワイヤーフレームの直径寸法Cは、図3に示されるように、第1ワイヤーフレームの直径寸法Dより小さい。なお、第1軸方向鉄筋11と第2軸方向鉄筋12とは、所定の鉄筋の定着が確保されている。「鉄筋の定着」とは、例えば「コンクリート標準示方書」等に記載されている「鉄筋の定着」と同意語である。
第2帯鉄筋14は、複数の第2軸方向鉄筋12と交差する1本又は複数(本実施形態では、複数)の鉄筋により構成されている。つまり、第2帯鉄筋14は、第2ワイヤーフレームの外周側又は内周側(本実施形態では、外周側)に巻き付けられた帯状の鉄筋である。
すなわち、複数の第2帯鉄筋14は、杭1のうち複数の第2軸方向鉄筋12が配置された部位に発生するせん断に対抗するせん断補強鋼として機能する。本実施形態では、図2Bに示されるように、二重円筒状の第2ワイヤーフレームが構成されるように、複数の第2軸方向鉄筋12が配置されている。
そして、隣り合う第2帯鉄筋14間の寸法、つまり第2帯鉄筋14のピッチ寸法E(図3参照)は、コンクリートCRを構成する粗骨材の最大寸法以下である。なお、「粗骨材の最大寸法」とは、例えば「コンクリート標準示方書」等に記載されている「粗骨材の最大寸法」と同意義である。
第2帯鉄筋14のせん断補強筋比は、2%以上、4%以下である。具体的には、当該せん断補強筋比は、2%以上、3%以下である。さらに望ましくは、せん断補強筋比は、2.5%以上、3%以下である。
「せん断補強筋比」とは、いわゆる「帯鉄筋比」と同様な技術的意義を有するパラメータである。つまり、「せん断補強筋比」とは、杭1のうち対象となる帯鉄筋(せん断補強鋼)が占める面積割合である。したがって、「せん断補強筋比」が大きくなるほど、帯鉄筋(せん断補強鋼)が占める面積が大きくなる。
2.2 「かぶり」について
「かぶり」とは、杭1の表面から最外周に位置する軸方向鉄筋までのコンクリートCRの厚み寸法、又は杭1の表面から最外周に位置する帯鉄筋までのコンクリートCRの厚み寸法である。
そして、本実施形態では、図3に示されるように、第2かぶり寸法Aは、第1かぶり寸法Bより大きい。具体的には、第2かぶり寸法Aは、第1かぶり寸法Bの1.2倍以上、5倍以下である。望ましくは、第2かぶり寸法Aは、第1かぶり寸法Bの2倍以上、5倍以下である。
第2かぶり寸法Aとは、杭1のうち複数の第2軸方向鉄筋12が配置された部位(以下、杭頭部ともいう。)における「かぶり寸法」である。第1かぶり寸法Bとは、杭1のうち杭頭部以外の部位における「かぶり寸法」をいう。
3.本実施形態に係る鉄筋コンクリート構造体の特徴
3.1 半剛結合による合理的な杭基礎構造について
杭1の杭頭部とフーチング2との結合状態は、概ね、(a)「剛結合」、(b)「半剛結合」、(c)「ヒンジ結合」の3つがある。
ヒンジ結合は、杭頭部とフーチング2とが互いに回転自在に結合された結合状態である。剛結合は、杭頭部とフーチング2とが互いに回転不可な状態で結合された結合状態である。半剛結合は、剛結合とヒンジ結合との中間状態で結合された結合状態である。
ヒンジ結合では、杭頭部とフーチング2とが互いに回転自在に結合されているので、トラス構造とする必要がある。剛結合では、杭頭部とフーチング2とが互いに回転不可な状態で結合されているので、ラーメン構造を採用することができる。
しかし、剛結合では、杭頭部とフーチング2とが互いに回転不可な状態で結合されているので、杭頭部とフーチング2との結合部に大きな曲げモーメントが発生してしまう。このため、地震等による加振力が結合部に作用すると、当該結合部に大きな曲げ応力及びせん断力応力が発生する。
したがって、半剛結合として結合部に過度に大きな曲げモーメントが発生することを抑制することにより(図4参照)、コンクリート及び鉄筋の量を削減することができ得る。延いては、低コスト化が可能な杭基礎構造(鉄筋コンクリート構造体)を得ることが可能となる。
杭頭部とフーチング2との結合強度を杭頭部固定度αとすると、ヒンジ結合は杭頭部固定度α=0であり、剛結合は杭頭部固定度α=1.0である。そして、本実施形態に係る杭頭部とフーチング2との結合強度、つまり杭頭部固定度αは、概ね0.3以上、0.7以下となる半剛結合である。
そして、本実施形態では、複数の第2軸方向鉄筋12が複数の第1軸方向鉄筋11より中心軸線L1に近い位置に配置されていることにより、杭頭部固定度αが1未満となる。さらに、本実施形態では、複数の第2軸方向鉄筋12がフーチング2に埋設されていることにより、杭頭部固定度αが0より大きくなる。
このため、本実施形態では、数値シミレーション及び実験により最適な杭頭部固定度αが決定された後、当該決定された最適な杭頭部固定度αに基づいて第2ワイヤーフレームの直径寸法C、つまり杭頭部の曲げ剛性が決定されている。
半剛結合とした場合の直径寸法Cは、剛結合とした場合の直径寸法Cより小さくなる。このため、杭頭部のせん断耐力が過度に低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、第2帯鉄筋14のせん断補強筋比を2%以上、4%以下とすることにより、十分なせん断耐力を確保している。
本実施形態では、第2かぶり寸法Aが第1かぶり寸法Bより大きい寸法となっている。これにより、地震等による加振力が作用した場合、図6~図8の○で囲まれた部分に示されるように、変形の初期段階において大きな耐力を得ることが可能となり得る。
変形が初期段階を越えると、杭頭部は、金属材料が塑性変形するように、当該耐力より小さい荷重で変形が進行する。したがって、当該変形により加振力が吸収されるため、杭頭部に大きな曲げモーメントは発生することを抑制でき得る。
延いては、地震等による加振力が作用した場合等において、高剛性及び高耐力を発揮することが可能となり得る。なお、第2かぶり寸法Aが第1かぶり寸法Bの1.2倍未満であると、変形の初期段階において大きな耐力を得難くなる。
3.2 試験による効果の確認
<試験体と載荷方法>
3つの試験体の諸元を図表5に示す。各試験体は、1/3~1/2スケールを想定したものである。それら試験体は、微小変形領域では高い耐力を有し、かつ、大変形領域では一定耐力で変形性能を有すことを想定したものである。
杭頭部φ350の構造は、密帯鉄筋の外側は無筋コンクリートの75mmかぶりとし、他の部分はφ500と同径である。これにより、微小変形領域では主にφ500の断面が変形し、大変形領域ではかぶり部分が杭本体から剥離し塑性ヒンジ化となり、半剛結構造となる。
配筋は、せん断破壊を発生させず、より変形性能を向上させるため、公知の実験ケースに対し密帯鉄筋量を2.24倍にし、計算上では同値と想定される密帯鉄筋の仕様を変化させたものである。
試験体1は帯鉄筋間に隙間有りのタイプである。試験体2は隙間なしタイプである。試験体3は、帯鉄筋比が試験体1及び試験体2と略同一の値となる鋼管タイプである。載荷は、レベル2地震時の最大軸力を想定した値であって、鉛直方向に軸圧縮力1500kNが作用し、水平方向に基準変位δy=7.5mmで正負交番する。
<載荷実験結果>
図6~図8は、各試験体の損傷状況及び荷重-変位関係を示すグラフである。
試験体1は、曲げひび割れ発生後、縦方向にひび割れが生じ、主鉄筋が降伏、3δy後に杭頭部のかぶりコンクリートが剥落し荷重が低下する。しかし、その後30δyまで顕著な荷重低下もなく、46.6δyまで押し切るが主鉄筋の顕著な座屈及び破断は生じない。
試験体2は、試験体1と比較し、ほぼ同様な結果である。なお、試験体2では、かぶりコンクリートの剥落に差が生じ、4δy~6δyでは若干荷重は上回り、その後30δyでフーチング上400mmの位置で主鉄筋の座屈及び破断が生じた。
試験体3は、試験体2と比べ、かぶりコンクリートの剥落に差が生じ、4δy~10δyで荷重が上回った。しかし、20δyで鋼管とフーチング間50mmの位置で主鉄筋の破断が生じ、25δyで荷重低下となった。
したがって、せん断補強鋼として、鋼管を用いることで若干のコスト増となるものの、かぶりコンクリート剥落による荷重低下を少しでも回避するのであれば効果的であるとことが確認できる。
<実験結果のまとめ>
密帯鉄筋の仕様、つまり、せん断補強鋼を構成する鉄筋のピッチ寸法の違いにより各載荷時の損傷度や荷重-変位に差が生じる。しかし、載荷時の損傷度や荷重-変位の差に大きな違いは無い。
そして、本実施形態では、密帯鉄筋比を2.5%程度とすることで、55%を超える高軸応力比の条件であっても、密帯鉄筋比を2.5%程度としたことによる拘束効果によって内部のコアコンクリートの損傷を抑制できる。
さらに、当該拘束効果により、主鉄筋の座屈・破断を抑制し、かつ、変形性能の向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では、密帯鉄筋比を2.5%程度であるため、鉄筋のピッチ寸法は、粗骨材の最大寸法以下となる。
図6~図8の○で囲まれた部分で示されるように、「常時・レベル1地震時」には、高い剛性・耐力を有する。図6~図8の○で囲まれた部分のピーク値以降においては、コアコンクリート及び主鉄筋より、杭頭部のかぶりコンクリートが優先的に損傷する。
つまり、本実施形態では、ピーク値以降において、杭頭部のかぶりコンクリートを積極的に損傷させることで、コアコンクリート及び主鉄筋の損傷を抑制することができる。このため、本実施形態に係る杭基礎構造は、レベル1地震時から、それを少し上回る程度の地震までは揺れ難い構造となる。
ピーク値以降においては、剛性・耐力が低下するものの変形性能が向上するので、各状態での荷重に適応して安全性や使用性の構造性能を確保可能なスマート構造となり、合理的な半剛結化が可能となる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る杭1では、第1軸方向鉄筋11と第2軸方向鉄筋12とは、連続した1本の鉄筋ではなく、互いに独立した鉄筋にて構成されていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1軸方向鉄筋11と第2軸方向鉄筋12とが連続した1本の鉄筋で構成されていてもよい。
上述の実施形態では、せん断補強筋比が2%以上、4%以下であった。しかし、本願明細書に開示された発明に係るせん断補強筋比は、上記された値に限定されるものではない。
上述の実施形態では、第2かぶり寸法Aが第1かぶり寸法Bより大きい寸法となっていた。しかし、本願明細書に開示された発明に係る第2かぶり寸法Aと第1かぶり寸法Bとの大小関係は上記関係に限定されるものではない。
上述の実施形態では、杭1とフーチング2との結合構造に本願に係る鉄筋コンクリート構造体が適用されたものであった。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、例えば、第1コンクリート部材が水平方向に延び、かつ、第2コンクリート部材が当該第1コンクリート部材と交差する方向に延びた鉄筋コンクリート構造体にも適用可能である。
上述の実施形態に係る杭1では、円形断面にて構成されていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、当該杭1は、例えば、矩形状等の多角形、又は楕円や長円等の断面形状にて構成されていてもよい。
上述の実施形態に係るせん断補強鋼は、第2帯鉄筋14にて構成されていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、試験体3に示されるような鋼管にてせん断補強鋼が構成されていてもよい。
上述の実施形態に係るせん断補強鋼を構成する鉄筋のピッチ寸法は0より大きい値であった。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ピッチ寸法が0である第2帯鉄筋14、又はせん断補強鋼が1本の鉄筋にて螺旋状に構成された構成であってもよい。
さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態を組み合わせてもよい。
1… 杭
2… フーチング
11… 第1軸方向鉄筋
12… 第2軸方向鉄筋
CR… コンクリート

Claims (7)

  1. 棒状の杭をなす第1コンクリート部材、及び構造物の基礎低板部を構成するフーチングである第2コンクリート部材を備え、当該第1コンクリート部材が当該第2コンクリート部材の下面側に結合された鉄筋コンクリート構造体において、
    前記第1コンクリート部材内に埋設された複数の第1軸方向鉄筋であって、当該第1コンクリート部材の長手方向と平行な方向に延びるとともに、当該第1コンクリート部材の中心軸線周りに配置された複数の第1軸方向鉄筋と、
    前記第1コンクリート部材内のうち前記複数の第1軸方向鉄筋より前記第2コンクリート部材に近い位置に埋設された複数の第2軸方向鉄筋であって、前記長手方向と平行な方向に延びて一部が前記第2コンクリート部材に埋設されているとともに、前記複数の第1軸方向鉄筋より前記中心軸線に近い位置にて当該中心軸線周りに配置された複数の第2軸方向鉄筋と、
    前記第1コンクリート部材内に埋設され、当該第1コンクリート部材のうち前記複数の第2軸方向鉄筋が配置された部位に発生するせん断に対抗するせん断補強鋼とを備え、
    前記せん断補強鋼のせん断補強筋比は、2%以上、4%以下であり、
    前記複数の第1軸方向鉄筋は、径方向に近接して並んで配置された少なくとも2本の第1軸方向鉄筋を1組として、それら組をなす第1軸方向鉄筋が前記中心軸線周りに配置されて二重筒状のワイヤーフレーム(以下、第1ワイヤーフレームという。)を構成するように配置され、
    前記複数の第2軸方向鉄筋は、径方向に近接して並んで配置された少なくとも2本の第2軸方向鉄筋を1組として、それら組をなす第2軸方向鉄筋が前記中心軸線周りに配置されて二重筒状のワイヤーフレーム(以下、第2ワイヤーフレーム)を構成するとともに、当該第2ワイヤーフレームの直径寸法が前記第1ワイヤーフレームの直径寸法より小さくなるように配置されており、
    さらに、前記第1コンクリート部材のうち前記複数の第2軸方向鉄筋が配置された部位(以下、第2部位という。)における「かぶり寸法」である第2かぶり寸法は、前記第1コンクリート部材のうち前記複数の第1軸方向鉄筋が配置された部位(以下、第1部位という。)における「かぶり寸法」である第1かぶり寸法より大きく、かつ、前記第1部位の外径寸法と前記第2部位の外径寸法とが同一である鉄筋コンクリート構造体。
  2. 前記第2かぶり寸法は、前記第1かぶり寸法の1.2倍以上、5倍以下である請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造体。
  3. 前記第2かぶり寸法は、前記第1かぶり寸法の2倍以上、5倍以下である請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造体。
  4. 前記せん断補強鋼は、前記複数の第2軸方向鉄筋と交差する1本又は複数の鉄筋により構成されており、
    さらに、前記せん断補強鋼を構成する鉄筋のピッチ寸法は、粗骨材の最大寸法以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造体。
  5. 前記せん断補強鋼は、筒状の鋼管により構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造体。
  6. 前記せん断補強鋼のせん断補強筋比は、2%以上、3%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造体。
  7. 前記せん断補強鋼のせん断補強筋比は、2.5%以上、3%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造体。
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