JP2009185532A - 異形鉄線溶接金網による重ね継手・定着工法 - Google Patents

異形鉄線溶接金網による重ね継手・定着工法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】複数本の異形鉄線1a,1bを格子状に配列し、各異形鉄線1a,1bの交点を溶接して組み立てられた異形鉄線溶接金網1の重ね継手部および端部定着部において、所定の重ね長さおよび所定の定着長さを保った状態で、直交方向の鉄線1aを取り除き、前記重ね継手部および端部定着部を含んで全体的にコンクリートを打設して鉄筋コンクリート床スラブとする。重ね継手部の重ね長さおよび端部定着部の定着長さを、
21N/mm2≦F<30N/mm2の場合:40db以上、30 N/mm2≦F≦60 N/mm2の場合:35db以上
とする。〔ここに、F:コンクリートの設計基準強度(単位:N/mm2)、db:異形鉄線の公称直径(単位:mm)〕
【効果】鉄筋コンクリート床スラブが曲げ終局耐力に達しても、前記重ね継手部は付着破壊を起さず、また、端部定着部は定着破壊を起さない。
【選択図】図1

Description

本発明は、異形鉄線溶接金網を用いて鉄筋コンクリート床スラブを構築する場合における重ね継手・定着工法に関するものである。
従来、溶接金網を用いて鉄筋コンクリート床スラブを構築する場合においては、複数本の丸鉄線を格子状に配列し、各丸鉄線の交点を溶接して組み立てられた溶接金網を使用することが前提になっている(例えば、非特許文献1参照)。
「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」,第16条(付着および継手),第17条(定着),日本建築学会,1999,p.170−202
この場合においても、規準に適合する鉄筋コンクリート床スラブを構築することができるが、この場合の重ね継手部においては、図19(a)、(b)、(c)に示すように、2枚重ねの溶接金網1’の端部の直交方向(図19の紙面に直角の方向)の丸鉄線相互の間隔が接近しており、丸鉄線がそれだけ必要となる。また、4枚重ねの場合においても、図20(a)、(b)に示すように、同様の状態になっている。したがって、このようなことが起らないように工夫することができれば、さらなるコストダウンを図ることができる。なお、図20(b)は図20(a)のA−A線断面図であるが、ハッチングは省略してある。
そこで、鉄筋コンクリート床スラブに異形鉄線溶接金網を使用することができないかについて鋭意検討した。その結果、前記異形鉄線溶接金網を使用すると、上述したような事態を回避することができるのみならず、施工性の面で有利に作用するであろうということが分かった。この知見に基づき、異形鉄線溶接金網の重ね継手部および端部定着部において直交方向の鉄線を取り除いても、異形鉄線の付着作用により継手強度および定着強度を確保できるという利点を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、鉄筋コンクリート床スラブに異形鉄線溶接金網を使用した場合の付着効果に注目し、前記従来法に代わる工法として配筋工事の施工性をさらに向上させ得るようにしたものである。
前記目的を達成するために、本発明においては、複数本の異形鉄線を格子状に配列し、各異形鉄線の交点を溶接して組み立てられた異形鉄線溶接金網の重ね継手部および端部定着部において、所定の重ね長さおよび所定の定着長さを保った状態で、図1(b)、図2(a)、(b)、図3(a)〜(c)、および図4(a)、(b)に示すように直交方向の鉄線を取り除き、前記重ね継手部および端部定着部を含んで全体的にコンクリートを打設して鉄筋コンクリート床スラブとする。
この工法を採った場合には、直交方向の鉄線を配置しなくても、異形鉄線の付着作用により継手強度および定着強度を確保できるのみならず、長期荷重時のひび割れ幅を従来の場合よりも小さくできる。
直交方向の鉄線を配置しなくても、重ね継手部の重ね長さおよび端部定着部の定着長さを、
21N/mm≦F<30N/mmの場合: 40d以上
30N/mm≦F≦60N/mmの場合: 35d以上
ここに、
:コンクリートの設計基準強度(単位:N/mm
:異形鉄線の公称直径(単位:mm)
とすることにより、鉄筋コンクリート床スラブが曲げ終局耐力に達しても、前記重ね継手部は付着破壊を起さず、また、端部定着部は定着破壊を起さない。
異形鉄線溶接金網を上下に間隔をおいて2枚配置する場合において、付着応力の条件が最も厳しいとされる上端側と下端側に重ね継手部および端部定着部が来るように上下2枚の異形鉄線溶接金網を配置し、上側の異形鉄線溶接金網の上端側からコンクリートを打設して鉄筋コンクリート床スラブとすることが望ましい。
この最も厳しい条件下において重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊が起り得るか否かを把握することができれば、重ね継手部および端部定着部の配置状況をこの条件よりも緩やかな他の配置状況に変えても、また、上下2枚ではなくて異形鉄線溶接金網をシングル配置とした場合においても、全ての場合において当然のことながら重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊は起らない。
異形鉄線は、JIS G 3532「鉄線」の記号SWM-Rに適合する鉄線であって、その外周面に所定方向に所定列のリブが形成されたものであることが望ましい。
このような異形鉄線を用いた場合には、異形鉄線の付着作用がさらに増大するので、前記重ね継手部の付着破壊および定着部の定着破壊を完全に防止することができる。
請求項1記載の発明によれば、直交方向の鉄線を配置しなくても、異形鉄線の付着作用により継手強度および定着強度を確保できるのみならず、長期荷重時のひび割れ幅を従来の場合よりも小さくできる。
請求項2記載の発明によれば、鉄筋コンクリート床スラブが曲げ終局耐力に達しても、前記重ね継手部は付着破壊を起こさず、また、端部定着部は定着破壊を起こさない。
請求項3記載の発明のように、最も厳しい条件下において重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊が起り得るか否かを把握することによって、重ね継手部および端部定着部の配置状況をこの条件よりも緩やかな他の配置状況に変えても、また、上下2枚ではなくて異形鉄線溶接金網をシングル配置とした場合においても、全ての場合において重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊が起らないことを容易に認識することができるので、極めて有利である。
請求項4記載の発明によれば、異形鉄線の付着作用がさらに増大するので、前記重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊を完全に防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図18を参照しながら詳細に説明する。
本発明で用いられる異形鉄線溶接金網1は、図1〜図4に示すように、複数本の異形鉄線1a,1bを格子状に配列し、各異形鉄線1a,1bの交点を溶接して組み立てられたもので、JIS G 3551(溶接金網及び鉄筋格子)に適合し、かつ、溶接点せん断強さを250N/mm−全点保証−に特別管理して製造されたものである。なお、本明細書および図面においては、便宜上、図面符号1aで示す異形鉄線を縦方向の異形鉄線、図面符号1bで示す異形鉄線を横方向の異形鉄線という。
前記異形鉄線溶接金網1に用いられる材料は、JIS G 3532「鉄線」の記号SWM-Rに適合する異形鉄線であり、線径は5mm(CD5)、5.5mm(CD5.5)、6mm(CD6)、7mm(CD7)、8mm(CD8)、9mm(CD9)、10mm(CD10)の7種類である。前記異形鉄線1a,1bの外周面には、複数列のリブ1c,1cが形成されている。リブ1cの形状寸法を図9(a)、(b)、(c)に、また、リブ1cの投影面積係数を表1に示す。リブの投影面積係数は、以下の式(1)から求めることができる。
なお、図9(b)は、図9(a)のA−A線断面図、図9(c)は図9(a)のB−B線断面図である。
ここに、
k :リブの列の数
:1つのリブの平面投影面積(mm
β :リブの傾き (45度以上)
d :公称線径
c :リブの間隔
また、異形鉄線1a,1bの諸量およびその許容差を、表2に示す。
このような異形鉄線1a,1bを格子状に配列し、各異形鉄線1a,1bの交点を溶接して組み立てられた左右2枚の異形鉄線溶接金網1,1の重ね継手部において、所定の重ね長さ(図1(a),(c)および図2(a),(b)参照)を保った状態で直交方向の鉄線(図1〜図3においては、右側に現われる異形鉄線溶接金網1の縦方向の鉄線)1aを取り除く。そして、上側の異形鉄線溶接金網1については、図3(a)に示すように上端側に重ね継手部が来るように、また、下側の異形鉄線溶接金網1については、図3(d)に示すように下端側に重ね継手部が来るように、上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1をダブル配置とし、上側の異形鉄線溶接金網1,1の上端側から前記重ね継手部を含む上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1全体にわたってコンクリートを打設して鉄筋コンクリート床スラブSとする。
また、床スラブ支持用の梁Hとの端部定着部においては、所定の定着長さを保った状態で上端側定着部の直交方向の鉄線(図4(a)、(b)における上側の異形鉄線溶接金網1の縦方向の鉄線)1aを取り除く。そして、重ね継手部の場合と同様に、上側の異形鉄線溶接金網1については、図3(a)に示すように上端側に端部定着部が来るように、また、下側の異形鉄線溶接金網1については、図3(d)に示すように下端側に端部定着部が来るように、上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1をダブル配置とし、上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1の端部定着部を床スラブ支持用の梁Hに関連させ、上側の異形鉄線溶接金網1,1の上端側から前記端部定着部を含む上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1全体と前記梁Hとにわたってコンクリートを打設して梁Hに支持された鉄筋コンクリート床スラブS’とする。
このようにした場合には、前記重ね継手部ならびに端部定着部における直交方向の鉄線を配置しなくても、異形鉄線1a,1bの付着作用により継手強度および定着強度を確保できるのみならず、長期荷重時のひび割れ幅を従来の場合よりも小さくできる。
重ね継手部において、直交方向の鉄線(図1(a)および図2(a)においては、右側に現われる異形鉄線溶接金網1の縦方向の鉄線)1aを取り除いた左右2枚の異形鉄線溶接金網1,1の重ね方は、図3(a)〜(d)のいずれの場合であってもよい。例えば、図3(a)に示すように、左右2枚の異形鉄線溶接金網1,1の直交方向の鉄線1a,1aがいずれも横方向の鉄線1bの下側に来るように重ねてもよいし、図3(b)に示すように、左右2枚の異形鉄線溶接金網1,1の直交方向の鉄線1a,1aが互いに向き合うように重ねてもよいし、図3(c),(d)に示すように、左右2枚の異形鉄線溶接金網1,1の直交方向の鉄線1a,1aがいずれも横方向の鉄線1bの上側に来るように重ねてもよい。
図1(a)、図2(a)および図3(a)では、図の右側に現われる異形鉄線溶接金網1の縦方向の鉄線1aのみを取り除き、いわゆる片側の突き出し部のみを重ね継手部とする場合を示すが、図2(b)に示すように、図の左右両側に現われる異形鉄線溶接金網1,1の縦方向の鉄線1a,1aをいずれも取り除き、いわゆる両側の突き出し部を重ね継手部とするようにしてもよい。
端部定着に際して、異形鉄線溶接金網1の突き出し部を定着する場合においては、図4(a)に示すように、上端側の突き出し部を直線にしたままとしてもよいし(直線定着)、図4(b)に示すように、上端側の突き出し部の端部を折り曲げてもよい(折り曲げ定着)。
異形鉄線溶接金網1,1を上下に間隔をおいて2枚配置する(ダブル配置とする)場合において、上端側と下端側に重ね継手部および端部定着部が来るように、すなわち、上側の異形鉄線溶接金網1については、図3(a)に示すように上端側に重ね継手部および端部定着部が来るように、また、下側の異形鉄線溶接金網1については、図3(d)に示すように下端側に重ね継手部および端部定着部が来るように、上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1を配置し、上側の異形鉄線溶接金網1の上端側からコンクリートを打設して鉄筋コンクリート床スラブSおよび梁Hに支持された鉄筋コンクリート床スラブS’とする場合が、付着応力の条件が最も厳しい場合とされる。
この最も厳しい条件下において重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊が起り得るか否かを把握することができれば、重ね継手部および端部定着部の配置状況をこの条件よりも緩やかな他の配置状況に変えても、また、上下2枚ではなくて異形鉄線溶接金網をシングル配置とした場合においても、全ての場合において当然のことながら重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊は起らない。
したがって、この最も厳しい条件下で重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊が起り得るか否かを把握するために、以下の実験を行うこととする。
(諸実験の説明)
前記効果を証明するために以下の諸実験を行った。これらの実験について、以下詳細に説明する。本実験は、表3、表4に示すように、異形鉄線溶接金網の重ね継手部と端部定着部に関するものであり、実験因子は、それぞれ以下(1)〜(3)である。
(1) 鉄線の直径(呼び名:CD5、CD7、CD10)
(2) コンクリートの圧縮強度F(単位:N/mm
(3) 重ね長さまたは定着長さ(単位:mm)
(試験体の概要)
試験体の数は、重ね継手の場合12体、端部定着の場合8体の合計20体で、重ね継手の場合には重ね継手を設けない試験体4体(表3のNo.3、No.6、No.9、No.12)を比較のために加えた。試験体の床スラブ厚さT(図6(a)、図6(c)、図8(a)参照)は150mmとし、重ね長さおよび定着長さは、非特許文献2,3のJASS 5 による異形鉄筋のフックなし(直線)の重ね長さLおよび定着長さLを念頭に置き、同種の異形鉄線溶接金網の重ね継手および端部定着に関する既往実験(非特許文献4)の場合よりも概ね10d減じた値とした(ここに、d:異形鉄線の公称直径)。溶接金網の網目寸法は、コンクリートのひび割れ性状に対して溶接金網の影響が明瞭に現われるように、床スラブの引張鉄筋比pができるだけ大きくなるように設定した。
「建築工事標準仕様書・同解説」,JASS 5 「鉄筋コンクリート工事」,11.9 (鉄筋の継手位置および定着),11.10(鉄筋の重ね継手),日本建築学会,2003,p.287−298
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説」,第6章(定着と継手),日本建築学会,2003,p.130−148
小宮敏明、益尾潔,「鉄筋コンクリート床スラブ用異形鉄線溶接金網の重ね継手および定着に関する実験」,GBRC,2001年1月,No.101,p.12−20
(試験体の詳細な説明)
次に、重ね継手部の試験体と端部定着部の試験体について、詳細に説明する。重ね継手部の試験体を図5および図6に、端部定着部の試験体を図7および図8に示す。各試験体ともに、2枚の異形鉄線溶接金網1,1を80mmの間隔をおいて上下に2枚配置し(いわゆるダブル配置とし)、上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1の上端側から、コンクリートを打設するとともに(重ね継手部の場合のコンクリートの打設方向を、図6(c)において矢印で示す)、図6(c)および図8(a)に示すように、付着応力の条件が厳しい上端側に重ね継手部および端部定着部を配置した。そして、上端および下端の鉄線中心からコンクリート縁端部までの距離を35mmに設定した。この場合には、最小かぶりは30〜32mmとなる。
図5(a)は表3のNo.1の試験体を、図5(b)は表3のNo.2の試験体を、図5(c)は表3のNo.4の試験体を、図5(d)は表3のNo.5の試験体を、図5(e)は表3のNo.7の試験体を、図5(f)は表3のNo.8の試験体を、図5(g)は表3のNo.10の試験体を、図5(h)は表3のNo.11の試験体を示す。一方、図6(a)は図5(e)に示す表3のNo.8の試験体(重ね継手あり)の上端側からコンクリートを打設して得られた鉄筋コンクリート床スラブSの全体平面図で、これと比較するために、重ね継手なしの試験体の上端側からコンクリートを打設して得られた鉄筋コンクリート床スラブを図6(b)に示す。図6(c)は図6(a)に示す鉄筋コンクリート床スラブSを正面側から見た図である。
重ね継手部の試験体については、上述したように、一方の異形鉄線溶接金網1の端部の直交方向の鉄線(図1(a)および図2(a)においては、右側に現われる異形鉄線溶接金網1の縦方向の鉄線)1aを取り除き、もう一方の異形鉄線溶接金網1の直交方向の鉄線(図1(a)および図2(a)における左側の異形鉄線溶接金網1の縦方向の鉄線)を、図1(d)に示すように、内側に配置した。また、図1(c)に示すように、重ね継手部における横方向の鉄線1b,1b相互の間隔を無くした。図5および図6において、着色してある部分が重ね継手部であり、その左右方向の長さを「重ね長さ」という。
一方、端部定着部の試験体については、いずれも上端側定着部の直交方向の鉄線(図8の上側に現われる異形鉄線溶接金網1の縦方向の鉄線)1aを取り除き、直線定着となるように床スラブ支持用の梁Hの幅を設定し、下端側の異形鉄線溶接金網1の定着長さは、上端側の定着長さが150mm以上の場合は150mm、150mm未満の場合には上端側の定着長さと等しくした。図4および図8に示すように、端部定着部において、直交方向の鉄線1aを取り除いた部分の左右方向の長さを「定着長さ」という。図7(a)〜(h)にも、「定着長さ」が示されている。
図7(a)は表4のNo.1の試験体を、図7(b)は表4のNo.2の試験体を、図7(c)は表4のNo.3の試験体を、図7(d)は表4のNo.4の試験体を、図7(e)は表4のNo.5の試験体を、図7(f)は表4のNo.6の試験体を、図7(g)は表4のNo.7の試験体を、図7(h)は表4のNo.8の試験体の各上端側定着部を床スラブ支持用の梁Hに関連させ、この下側にも上端側の定着長さに応じて所定の定着長さとした試験体を配置し、その各下端側定着部を床スラブ支持用の梁Hに関連させ、前記上端側定着部および下端側定着部を含む異形鉄線溶接金網1,1全体と前記梁Hとにわたってコンクリートを打設して梁Hに支持された鉄筋コンクリート床スラブS’とした状態を平面的に示す。一方、図8(a)は図7(f)に示す表4のNo.6の試験体の上端側定着部を床スラブ支持用の梁Hに関連させ、この下側にも上端側の定着長さである210mmに応じて定着長さを150mmとした試験体を配置し、その下端側定着部を床スラブ支持用の梁Hに関連させ、前記上端側定着部および下端側定着部を含む異形鉄線溶接金網1,1全体と前記梁Hとにわたってコンクリートを打設して得られた鉄筋コンクリート床スラブS’を梁Hとともに正面側から見た図で、図8(b)はそれを平面的に見た図である。
(実験方法)
次に、重ね継手部の試験体および端部定着部の試験体の実験方法について説明する。
重ね継手部の試験体については、図10(a)に示すように、スパン中央の純曲げ区間両側の下端部をピン2とピン・ローラ3とで支持し、上端側の重ね継手部が引張側になるように試験体Cの両端部付近に荷重を加えて行った。荷重を加えるに当っては、反力ビーム4、350kNオイルジャッキ5、50kNロードセル6を用いた。そして、荷重を加えた試験体Cの両端部付近、ピン2とピン・ローラ3とで支持された地点、および試験体Cの中央の前後両側に、それぞれ変位計7〜710を設置した。
変位計7〜7の型式等は、次の通りである。
型式:CDP−25、
感度:500×10−6/mm、
非直線性:0.1%FS、
F.S:25mm
また、変位計7〜710の型式等は、次の通りである。
型式:CDP−50、
感度:200×10−6/mm、
非直線性:0.1%FS、
F.S:50mm
図10(a)には、D部におけるピンによる支承とE部におけるピン・ローラによる支承とを詳細に示す図を添図してある。また、試験体Cの厚さ方向の中央部分を点線で示してある。なお、図10(b)は図10(a)のA−A線断面図、図10(c)は図10(a)のB−B線断面図である。
端部定着部の試験体については、図11(a)に示すように、床スラブ支持用の梁Hを載荷床に固定した上で、試験体C’の先端側に荷重を加えて行った。荷重を加えるに当っては、重ね継手部の試験体の実験の場合と同様に、反力ビーム4、350kNオイルジャッキ5、50kNロードセル6を用いた。そして、荷重を加えた試験体C’の先端付近の前後両側と試験体C’を支持している梁Hの左右2箇所に、それぞれ変位計8〜8を設置した。
変位計8〜8の型式等は、次の通りである。
型式:CDP−50、
感度:200×10−6/mm、
非直線性:0.1%FS、
F.S:50mm
また、変位計8〜8の型式等は、次の通りである。
型式:CDP−25、
感度:500×10−6/mm、
非直線性:0.1%FS、
F.S:25mm
両実験中、コンクリートのひび割れ発生状況を観察し、適宜、主要なひび割れ幅を測定した。また、両実験では、それぞれ3サイクルの片振り繰り返し載荷を行った後、単調漸増載荷を行った。各上限荷重Pは、下式(2)、(3)、(4)より算出した。重ね継手部における各試験体の上限荷重Pを表5に、端部定着部における各試験体の上限荷重Pを表6に示す。
ここに、
l :加力点から危険断面までの距離
:引張側鉄線の断面積
d :有効せい
ti:鉄線の引張応力度(ただし、ft1〜3=200N/mm、ft4〜6=345N/mmとした。)
t1〜3=200N/mmは、前記非特許文献1の「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」による溶接金網の長期許容引張応力度であり、ft4〜6=345N/mmは、異形鉄筋SD345の規格降伏点である。なお、ft4〜6=345N/mmは、建築基準法施行令第90条による溶接金網の床版に用いる短期許容引張応力度(295N/mm)よりも高い。
(実験結果と考察)
(異形鉄線溶接金網の重ね継手部に関する実験結果)
(a) 荷重−変形関係および破壊性状
重ね継手部に関する実験結果の一覧を表7に、M/M−δの関係を図12に、代表的な試験体の破壊状況を図13に示す。M(=P×l)は純曲げ区間の曲げモーメント、δはスパン中央の鉛直変形量で、曲げ終局強度Mは式(5)、(6)より計算した。表7中には、式(7)、(8)より求めた曲げひび割れ荷重計算値(Pcrを併記した。l=800mmはせん断スパン、Pは両側荷重の平均値である。
ここに、
:引張側鉄線の断面積
σsy:実降伏点
d:有効せい
σ :コンクリートの圧縮強度
Z:床スラブの断面係数
各試験体ともに、曲げひび割れ発生後剛性低下を起しつつ、純曲げ区間の鉄線が引張降伏を起した。鉄線の引張降伏は、荷重−変形関係中の明瞭な剛性低下によって判定した。
21、CD5およびCD7とした試験体No.1〜No.6については、継手の有無にかかわらず、いずれもδが50mm〜90mm程度で、鉄線が引張強度に達するか、または下端コンクリートが圧壊して最大荷重に達し、その直後に純曲げ区間の鉄線が破断した。
21、CD10としたNo.10〜No.12については、δが80mm〜110mm程度で、下端コンクリートの圧壊に伴い最大荷重に達し、耐力低下を起した後、純曲げ区間の鉄線が破断した。l/d=25のNo.10については、δが50mm程度で、異形鉄線の抜け出しを伴う付着破壊により、最大荷重に達した。
36、CD7としたNo.8とNo.9については、δが70mm〜100mm程度で、鉄線が引張強度に達して最大荷重に達し、その直後に純曲げ区間の鉄線が破断した。l/d=20のNo.7については、δが60mm程度で、重ね継手の鉄線に沿った床スラブ上面および側面にひび割れが発生して最大荷重に達し、耐力低下を起した後、純曲げ区間の鉄線が破断した。
(b) ひび割れ幅
(ひび割れ幅の測定値について)
1サイクル目および4サイクル目の上限荷重時における純曲げ区間の曲げひび割れの本数nと最大ひび割れ幅wを表8に示すとともに、M/M−w関係を図14に示す。図14中には、長期許容耐力M時を併示してある。最大ひび割れ幅wは、各測定段階における純曲げ区間の最大ひび割れ幅であり、長期許容耐力Mは、1〜3サイクル目の上限荷重時の曲げモーメントである。
21、CD7としたNo.4〜No.6では1サイクル目のM時に、F21、CD10としたNo.10〜No.12では1サイクル目の0.6×M程度で、純曲げ区間にひび割れが発生した。また、F21、CD5としたNo.1〜No.3では4サイクル目の1.5×M程度で、F36、CD7としたNo.7〜No.9では1.1×M程度で、純曲げ区間にひび割れが発生した。ひび割れ幅は、重ね継手なしの試験体では、ほぼ均等に進展したのに対し、重ね継手ありの試験体では、重ね継手のない範囲で進展する傾向があった。
No.4〜No.6およびNo.10〜No.12のM時のひび割れ幅wは0.04〜0.15mm程度であり、2×M程度までのひび割れ幅wには、重ね継手の有無または重ね長さによって有意な差が見られなかった。
上述したように、本実験結果によれば、溶接金網の長期許容引張応力度を200N/mmとすれば、重ね継手を配置した床スラブSにおける長期荷重下のひび割れ幅は0.2mm以下となる。
(ひび割れ幅の計算値と測定値との関係について)
PRC指針(非特許文献5)によれば、鉄線の引張ひずみεsLによって決まる最大ひび割れ幅twmaxおよびそれに乾燥収縮ひずみεshを考慮した最大ひび割れ幅wmaxは、下式(9)〜(13)によって計算できる。
ただし、εsL≧0.4σsL/E かつ εsL≧(σsL−105)/E
c:かぶり厚さ、 s:鉄線間隔、 k=0.00025t≦0.1
:スラブ厚さ、 d:鉄線の直径、 p=a/Ace
:引張側鉄線の断面積、
ce=(2c+d)・B:コンクリートの引張有効断面積、 B:スラブ幅
σsL:鉄線の長期応力、 E:鉄線のヤング係数、 F:コンクリートの引張強度
計算は、σsL=200N/mm、E=205kN/mm、εsh=0.3×10-3とし、コンクリートの実圧縮強度σを用い、F=0.56√σとして行った。
各試験体の平均ひび割れ間隔laveの計算値は、
No.1〜No.3: lave=108mm
No.4〜No.9: lave=114mm
No.10〜No.12: lave=113mm
であり、各試験体ともに、それぞれ
εsL=0.46×10-3、twmax=0.08mm、wmax=0.12〜0.13mmとなる。すなわち、乾燥収縮ひずみによるひび割れ幅増分の計算値Δwsh(=wmax−twmax)は0.05mm程度である。なお、εsLは、εsL=(σsL−105)/Eによって決定した。
表8によれば、試験体No.1〜No.9のひび割れ幅の測定値wは、最大ひび割れ幅計算値twmax(0.08mm)よりも小さいか同程度であり、No.10〜No.12のひび割れ幅の測定値wは、twmax(0.08mm)よりも大きい。したがって、CD5〜CD10を用いた重ね継手を有する床スラブSのひび割れ幅は、PRC指針(非特許文献5)に示された計算方法によって概ね評価できる。
「プレストレスト鉄筋コンクリート(III種PC)構造設計・施工指針・同解説」,付1.2 PRC部材の曲げひび割れ幅算定法,日本建築学会,2003,p.116−125
(異形鉄線溶接金網の端部定着部に関する実験結果)
(a) 荷重−変形関係および破壊性状
端部定着部に関する実験結果の一覧を表9に、M/M−δの関係を図15に、代表的な試験体の破壊状況を図16に示す。M(=P×l)は床スラブ危険断面の曲げモーメント、δは加力点の鉛直変形量、Mは前記式(5)、(6)による曲げ終局耐力である。表9中には、前記式(7)、(8)より求めた曲げひび割れ荷重計算値(Pcrを併記した。l=1025mmはせん断スパン、Pは先端荷重を示す。
21、CD5、CD7およびCD10としたl/d=35の試験体No.2、No.4、No.8については、床スラブ危険断面近傍の鉄線が引張降伏した後、δが40mm〜80mm程度で、鉄線が引張強度に達するか、または床スラブ危険断面近傍の下端コンクリートが圧壊し、その後、最大荷重に達し、床スラブ危険断面近傍の鉄線が破断した。l/d=25の試験体No.1、No.3、No.7については、床スラブ危険断面近傍の鉄線が引張降伏するか、またはそれ以前に、床スラブ危険断面近傍の鉄線の抜け出しを伴う定着破壊によって最大荷重が決定した。
36、CD7としたl/d=30の試験体No.6については、床スラブ危険断面近傍の鉄線が引張降伏した後、δが50mm程度で、床スラブ危険断面近傍の下端コンクリートが圧壊した後、最大荷重に達し、床スラブ危険断面近傍の鉄線が破断した。l/d=20の試験体No.5については、床スラブ危険断面近傍の鉄線の引張降伏とほぼ同時に、床スラブ危険断面近傍の鉄線の抜け出しを伴う定着破壊によって最大荷重が決定した。
なお、鉄線の引張降伏は、前記重ね継手部の場合と同様、荷重−変形関係中の明瞭な剛性低下によって判定した。
(b) ひび割れ幅について
1サイクル目および4サイクル目の上限荷重時における床スラブ危険断面近傍のひび割れ幅wを表10に示すとともに、M/M−w関係を図17に示す。ひび割れ幅は床スラブ危険断面近傍に発生したものが最も大きい。図17に示したひび割れ幅wは、各測定段階において床スラブ危険断面近傍上面の3箇所で測定したひび割れ幅の最大値である。
21、CD10とした試験体No.7、No.8については、1サイクル目の長期許容耐力M時までにひび割れが発生し、F21、CD5、CD7とした試験体No.1〜No.4およびF36、CD7とした試験体No.5、No.6では、4サイクル目の1.5×Mまでにひび割れが発生した。試験体No.7、No.8のM時のひび割れ幅wは0.1mm程度であり、2×M程度までのひび割れ幅wには、定着長さおよびコンクリート強度によって有意な差は見られなかった。
上述したように、本実験結果によれば、溶接金網の長期許容引張応力度を200N/mmとすれば、端部定着部を配置した床スラブS’についても、長期荷重下のひび割れ幅は0.2mm以下となる。
(必要重ね長さおよび必要定着長さについての検討)
(a) 付着指標の定義
重ね継手部および端部定着部については、異形鉄線のコンクリートに対する付着強度τbuが与えられると、式(14)の条件を満足すれば、鉄線の引張降伏を保証できるので、この点を考慮して付着指標Bを式(15)で定義する。
ここに、
:重ね長さまたは定着長さ
τbu:異形鉄線のコンクリートに対する付着強度
σ:異形鉄線の降伏強度
ψ :異形鉄線の周長
:異形鉄線の断面積
:異形鉄線の公称直径
:長期許容付着応力度
長期許容付着応力度fは、建設省(現国土交通省)告示第1450号(平成12年5月31日)による上端筋の値を採用することとし、下式(16)で求める。すなわち、付着指標Bは、異形鉄線溶接金網を用いた床スラブの曲げ終局耐力確保のための長期許容付着応力度fに対する割り増し係数を表す。
(b) 付着指標と最大荷重時の鉄線引張応力との関係について
重ね継手部および端部定着部の各試験体のB−σmax/σ関係を、図18に示す。図18中には、同種の異形鉄線(CD6、CD8)を用いた実験値(非特許文献4参照)も併示した。
σmaxは、下式(18)より求めた最大荷重時の鉄線引張応力であり、Bは、材料試験結果による鉄線の実降伏点をσとし、材料試験結果によるコンクリートの圧縮強度をFとして算定した。
ここに、
max:危険断面の最大荷重時曲げモーメント
Σa:引張側鉄線の全断面積
d :床スラブの有効せい
重ね継手部についての図18(a)によると、σmaxは、B≦2では1.5×σとほぼ等しく、B>2では1.5×σよりも減少するが、σよりも小さくならない。一方、端部定着部についての図18(b)によると、σmaxは、B≦2では1.5×σとほぼ等しく、B>2では1.5×σよりも低下する。
したがって、B≦2となるように、重ね長さおよび端部定着長さを確保すれば、異形鉄線金網を用いた床スラブは、重ね継手部において付着破壊を起すことなく、また、端部定着部において定着破壊を起すことなく、異形鉄線自体の引張強度によって決まる曲げ終局耐力を発揮すると考えられる。
(c) 必要重ね長さおよび必要定着長さの設定について
前記式(15)より、異形鉄線の必要重ね長さおよび必要定着長さは下式(19)によって算定できる。
σをJIS G 3551(溶接金網および鉄筋格子)の規格最小降伏点(400N/mm)の1.1倍とし、Bを2とすると、下記のように、必要重ね長さおよび必要定着長さを設定できる。この場合、異形鉄線溶接金網を用いた床スラブは曲げ終局耐力を発揮する。
以上から明らかなように、本実験結果より以下の結論を得ることができる。
(1) 異形鉄線溶接金網を用いた重ね継手部または端部定着部を配置した鉄筋コンクリート床スラブは、非特許文献1の「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」に示された溶接金網と同様、長期許容引張応力度を200N/mmとすれば、長期荷重時のひび割れ幅は0.2mm以下となる。
(2) 異形鉄筋と同様、直交方向の鉄線を配置しなくても、前記式(20)による必要重ね長さおよび必要定着長さを確保すれば、鉄筋コンクリート床スラブが曲げ終局耐力に達しても、異形鉄線溶接金網の重ね継手部は付着破壊を起さず、また、端部定着部は定着破壊を起さない。
ここでは、上述したように、異形鉄線溶接金網1,1を上下に間隔をおいて2枚配置する(ダブル配置とする)場合において、上端側と下端側に重ね継手部および端部定着部が来るように、すなわち、上側の異形鉄線溶接金網1については、図3(a)に示すように上端側に重ね継手部および端部定着部が来るように、また、下側の異形鉄線溶接金網1については、図3(d)に示すように下端側に重ね継手部および端部定着部が来るように、上下2枚の異形鉄線溶接金網1,1を配置するという、最も厳しい条件下で実験を行い、重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊が起るか否かを確認した。したがって、重ね継手部および端部定着部の配置状況をこの最も厳しい条件よりも緩やかな他の配置状況に変えた場合には、また、上下2枚ではなくて異形鉄線溶接金網をシングル配置とした場合にも、全ての場合において当然のことながら重ね継手部の付着破壊および端部定着部の定着破壊は起らないと結論付けた。
本発明による異形鉄線溶接金網の重ね継手・定着工法のうちの重ね継手工法の原理を示す図で、(a)は、平面図、(b)は、正面図、(c)は、重ね長さをさらに詳細に示す拡大図、(d)は、一方の異形溶接金網に対してもう一方の異形溶接金網の鉄線を内側に配置する状況を示す図である。 異形溶接金網を用いて重ね継手部とするに当っての一例を示す図で、(a)は、右側に現われる異形鉄線溶接金網の縦方向の鉄線のみを取り除き、いわゆる片側の突き出し部のみを重ね継手部とする場合を、(b)は、左右両側に現われる異形鉄線溶接金網の縦方向の鉄線をいずれも取り除き、いわゆる両側の突き出し部を重ね継手部とする場合を示す。 重ね継手部において、直交方向の鉄線を取り除いた左右2枚の異形鉄線溶接金網の重ね方を例示する正面図である。 本発明による異形鉄線溶接金網の重ね継手・定着工法のうちの定着工法の原理を示す図で、(a)は直線定着の一例を、(b)は折り曲げ定着の一例を示す。 重ね継手部の試験体の様々な例を示す図である。 重ね継手部の試験体の上端側からコンクリートを打設して得られた鉄筋コンクリート床スラブの全体図で、(a)は平面図、(b)は、(a)に示すものと比較するために、重ね継手なしの試験体の上端側からコンクリートを打設して得られた鉄筋コンクリート床スラブを、(c)は、(a)に示す鉄筋コンクリート床スラブを正面側から見た図である。 端部定着部の試験体の様々な例を示す図である。 上端側定着部および下端側定着部の直交方向の鉄線を取り除いた異形鉄線溶接金網を用いて梁に支持された鉄筋コンクリート床スラブとした場合を示す図で、(a)は正面側から見た図、(b)は平面図である。 本発明において用いられる異形鉄線溶接金網の材料に形成されているリブの形状寸法を示す図で、(a)は、その正面図、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図である。 重ね継手部の試験体の実験装置および変位測定位置を示す図で、(a)は、その正面図、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図である。 端部定着部の試験体の実験装置および変位測定位置を示す図で、(a)は、その正面図、(b)は、側面図である。 重ね継手部の試験体の実験におけるM/M−δの関係を示すグラフである。 重ね継手部の実験における代表的な試験体の破壊状況を示す写真である。 重ね継手部の試験体の実験におけるM/M−wの関係を示すグラフである。 端部定着部の試験体の実験におけるM/M−δの関係を示すグラフである。 端部定着部の試験体の実験における代表的な試験体の破壊状況を示す写真である。 端部定着部の試験体の実験におけるM/M−wの関係を示すグラフである。 重ね継手部および端部定着部の各試験体のB−σmax/σの関係を示すグラフである。 従来の2枚の溶接金網を重ねた場合の重ね継手部の欠点を説明するための図で、(a)は、左右2枚の溶接金網の直交方向の鉄線がいずれも横方向の鉄線の下側に来るように重ねた場合を、(b)は、左右2枚の溶接金網の直交方向の鉄線が互いに向き合うように重ねた場合を、(c)は、左右2枚の溶接金網の直交方向の鉄線がいずれも横方向の鉄線の上側に来るように重ねた場合を示す。 従来の4枚の溶接金網を重ねた場合の重ね継手部の欠点を説明するための図で、(a)は、その平面図、(b)は、正面図である。
符号の説明
1…異形鉄線溶接金網、1a…縦方向の異形鉄線、1b…横方向の異形鉄線、1c…リブ、C,C’…試験体、S,S’…鉄筋コンクリート床スラブ、H…梁、T…床スラブ厚さ。

Claims (4)

  1. 複数本の異形鉄線を格子状に配列し、各異形鉄線の交点を溶接して組み立てられた異形鉄線溶接金網の重ね継手部および端部定着部において、所定の重ね長さおよび所定の定着長さを保った状態で直交方向の鉄線を取り除き、前記重ね継手部および端部定着部を含む異形鉄線溶接金網全体にわたってコンクリートを打設して鉄筋コンクリート床スラブとすることを特徴とする異形鉄線溶接金網による重ね継手・定着工法。
  2. 重ね継手部の重ね長さおよび端部定着部の定着長さを、
    21N/mm≦F<30N/mmの場合: 40d以上
    30N/mm≦F≦60N/mmの場合: 35d以上
    ここに、
    :コンクリートの設計基準強度(単位:N/mm
    :異形鉄線の公称直径(単位:mm)
    とすることを特徴とする請求項1記載の異形鉄線溶接金網による重ね継手・定着工法。
  3. 異形鉄線溶接金網を上下に間隔をおいて2枚配置する場合において、付着応力の条件が最も厳しいとされる上端側と下端側に重ね継手部および端部定着部が来るように上下2枚の異形鉄線溶接金網を配置し、上側の異形鉄線溶接金網の上端側からコンクリートを打設して鉄筋コンクリート床スラブとすることを特徴とする請求項1記載の異形鉄線溶接金網による重ね継手・定着工法。
  4. 異形鉄線は、JIS G 3532「鉄線」の記号SWM-Rに適合する鉄線であって、その外周面に所定方向に所定列のリブが形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異形鉄線溶接金網による重ね継手・定着工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013185359A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Toami Corp デッキ合成スラブ
JP5866038B1 (ja) * 2015-01-22 2016-02-17 株式会社富士昭技研 デッキプレート、床スラブ、デッキプレートの製法、および床スラブ構築方法
JP2018178540A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 育弘 松崎 鉄筋コンクリート造基礎スラブの配筋構造および鉄筋ユニットのセット

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