JP7160212B2 - 位相同期回路及び同相分配回路 - Google Patents
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Description
上述した位相同期回路では、ケーブルを伝送して伝送先で反射してきた往復信号を用いてケーブルを伝送する前の信号との位相差を2nπ(nはケーブル長やフィードバック制御による遅延量の組み合わせにより決定される整数)となるように制御すると、ケーブルを伝送して出力される信号の位相は、位相調整の影響が半分となるため、ケーブルに入力前の信号に対してnπの位相差を持つことになる。このとき、それぞれのケーブルごとにnの値が異なるので、それぞれのケーブルに位相をそろえた信号を入力し、上述の位相同期回路でケーブルの入力側と出力側の位相を安定化させたとしてもケーブル長やフィードバック制御による遅延量の組み合わせで決まるnが奇数の場合と偶数の場合で位相がπ異なってしまい、複数の伝送先で同期信号の位相が異なる。
図1は、本実施の形態1に係る位相同期回路1a、1b、1cを用いた同相分配回路の構成を示す構成図である。同相分配回路は、基準信号の送信源である基準信号発生回路7内において、基準信号源6から出力された基準信号を同相分配器9で複数に分配し、分配された信号を異なる複数のケーブル3a、3b、3cで複数の送信先にある同期信号発生回路8a、8b、8cに送信することで、複数の送信先に位相が揃った同期信号を出力するものである。
ここで、分配される信号とは電磁波であり、例えば電波やマイクロ波に適用することができる。基準信号発生回路7と同期信号発生回路8a、8b、8cが離れてケーブル3a、3b、3cが長い場合、伝送路であるケーブル3a、3b、3c周囲の温度変化やケーブル3a、3b、3cに対する振動によって伝送される信号の位相に変動が生じ、それぞれの伝送先で得られる信号の間の位相がずれてしまう。この位相のずれを修正するために、各伝送路に位相同期回路1a、1b、1cを設けている。
位相同期回路1は、信号を伝送する伝送路であるケーブル3に送信信号を出力し、送信信号と送信信号がケーブル3を折り返した折り返し信号との位相差に対応する制御信号に基づいてケーブル3に出力する信号の位相を制御する位相制御部2と、位相制御部2からケーブル3に出力された送信信号の一部を折り返し信号としてケーブル3に折り返す信号折り返し部4と、信号折り返し部4に折り返されずにケーブル3から出力された送信信号の周波数を偶数倍する周波数逓倍器5とを有して構成されている。
本実施の形態では、位相比較器22は、第1の端子、第2の端子、及び、第3の端子を有して構成されている。信号分離器21の第4の端子から位相比較器22の第1の端子へ基準信号、信号分離器21の第3の端子から位相比較器22の第2の端子に折り返し信号が入力される。そして、位相比較器22の第3の端子から、入力された2つの信号の位相差制御信号を位相制御器23の第3の端子に出力する。この制御信号は、位相制御器23からケーブル3に出力する信号の位相を2つの信号の位相差が0となる方向に変化させる制御を位相制御器23に行わせる信号である。このように、位相比較器22は2つの入力信号の位相を比較して制御信号を出力するものであればよく、例えばシリコンICから成るものが用いられる。
本実施の形態では、位相制御器23は、第1の端子、第2の端子、第3の端子を有して構成されている。第1の端子から入力した信号を第3の端子から入力される制御信号に従って通過位相を変化させて第2の端子から出力するとともに、第2の端子から入力した信号を第3の端子から入力される制御信号に従って第1の端子から出力する。例えば位相比較器22が出力した制御電圧に従って、位相の変化量が連続的に変化するアナログ移相器が用いられる。
基準信号源6は、同相分配器9に基準信号を入力する。同相分配器9は、基準信号源6から基準信号が入力されると、入力された基準信号を複数に分配して同相の基準信号をそれぞれの位相同期回路1a、1b、1cに入力する。位相同期回路1a、1b、1cは、基準信号が入力されるとそれぞれの位相同期回路1a、1b、1cから同期信号を出力する。
信号分離器21は、信号分離器21の第1の端子に基準信号が入力されると、基準信号を分離して第2及び第4の端子から出力する。信号分離器21は第1の端子から第2の端子へ基準信号を出力する際に基準信号の位相を90度変化させて送信信号として位相制御器23の第1の端子へ出力する。また、第1の端子から第4の端子へ基準信号を出力する際に基準信号の位相を180度変化させて位相比較器22の第1の端子に出力する。
信号折り返し部4の第2の端子から出力される同期信号の位相θ3は、数式(1)で示される。ここで、位相同期装置に入力される基準信号の初期位相をθ0、位相制御器23の通過位相をθtune、ケーブル3の通過位相をθcableとする。
θ3=θ0+π+θtune+θcable ・・・(1)
θ1=θ0+π ・・・(2)
θ2=θ0+3π+2θtune+2θcable ・・・(3)
θtune+θcable=(n-1)π ・・・(4)
θ3=θ0+nπ
θout=2θ3=2θ0+2nπ=2θ0
次に、実施の形態2に係る高周波信号発生回路について説明する。図4は、実施の形態2に係る高周波信号発生回路の構成を示す構成図である。実施の形態2では、実施の形態1の同期信号発生回路8がそれぞれ周波数シンセサイザ10を備えた点が実施の形態1と異なり、そのほかは実施の形態1と同様である。
周波数逓倍器5から出力された同期信号が周波数シンセサイザ10に入力される。周波数シンセサイザ10は、同期信号に基づいて基準信号より高い周波数の信号を生成して出力する。
このように構成することで、周波数シンセサイザ10が高周波の連続波を出力する場合、すべての同期信号発生回路8から位相が揃った信号を出力することができる。また、チャープ信号を出力する場合においても同様に、すべての同期信号発生回路8は位相が揃った信号を出力することができる。複数の高周波を発生させる装置として、単一の周波数シンセサイザ10から出力される高周波信号を同相分配器9で分配し、同じ長さの高周波ケーブル3を複数用いることも考えられるが、本実施の形態の方法であれば高価な高周波ケーブルをもちいることなく高周波信号発生回路を構成することができる。
2.位相制御部
21.信号分離器
22.位相比較器
23.位相制御器
3.ケーブル
4.信号折り返し部
5.周波数逓倍器
6.基準信号源
7.基準信号発生回路
8.同期信号発生回路
9.同相分配器
10.周波数シンセサイザ
Claims (5)
- 信号を伝送する伝送路に送信信号を出力し、前記送信信号と前記送信信号が前記伝送路を折り返した折り返し信号との位相差に対応する制御信号に基づいて前記伝送路に出力する送信信号の位相を制御する位相制御部と、
前記位相制御部から伝送路に出力された送信信号の一部を前記折り返し信号として前記伝送路に折り返す信号折り返し部と、
前記信号折り返し部に折り返されずに前記伝送路から出力された送信信号の周波数を偶数倍して出力する周波数逓倍器と
を備えたことを特徴とする位相同期回路。 - 前記位相制御部は、
前記送信信号を2つに分離して出力する信号分離器と、
前記信号分離器から出力された一方の送信信号が入力されると前記制御信号に基づいて入力された送信信号の位相を制御して前記伝送路に出力するとともに、前記信号折り返し部に折り返された信号を前記信号分離器に出力する位相制御器と、
前記信号分離器が出力した他方の送信信号と前記位相制御器が信号分離器に出力した折り返し信号との位相差に対応した制御信号を前記位相制御器に出力する位相比較器と
から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の位相同期回路。 - 前記信号分離器は、90度ハイブリッドで構成されたことを特徴とする請求項2に記載の位相同期回路。
- 前記信号折り返し部は、90度ハイブリッドで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の位相同期回路。
- 基準信号を発生する基準信号源と、
前記基準信号を同相で複数に分配して送信信号として出力する同相分配器と、
前記同相分配器から出力された送信信号がそれぞれ入力される複数の位相同期回路と
を備え、
前記複数の位相同期回路は、
伝送する伝送路に出力する送信信号と前記送信信号が前記伝送路を折り返した折り返し信号との位相差に対応する制御信号に基づいて前記伝送路に出力する送信信号の位相を制御する位相制御部と、
前記位相制御部から伝送路に出力された送信信号の一部を前記折り返し信号として前記伝送路に折り返す信号折り返し部と、
前記信号折り返し部に折り返されずに前記伝送路から出力された送信信号の周波数を偶数倍して出力する周波数逓倍器と
を備えたことを特徴とする同相分配回路。
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