JP7159881B2 - 化学機械研磨用水系分散体及び化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体及び化学機械研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、化学機械研磨用水系分散体及びそれを用いた化学機械研磨方法に関する。
CMP(Chemical Mechanical Polishing)は、半導体装置の製造における平坦化技術などで急速な普及を見せてきた。このCMPは、被研磨体を研磨パッドに圧着し、研磨パッド上に化学機械研磨用水系分散体を供給しながら被研磨体と研磨パッドとを相互に摺動させて、被研磨体を化学的かつ機械的に研磨する技術である。
近年、半導体装置の高精細化に伴い、半導体装置内に形成される配線及びプラグ等からなる配線基板の微細化が進んでいる。これに伴い、配線基板をCMPにより平坦化する手法が用いられている。半導体装置における配線基板には、絶縁膜材料、配線材料、該配線材料の無機材料膜への拡散を防止するためのバリアメタル材料等が含まれている。前記配線材料としては、例えば銅やタングステンが、前記バリアメタル材料としては、例えばチタン、タンタル、又はコバルトを含む化合物が主に使用されている。
前記のような金属を含む基板に対する研磨特性を向上させるために、例えば特許文献1では、表面に軟質な酸化膜を形成し得るエッチング剤及び前記酸化膜を除去し得る砥粒を含有する研磨用組成物が開示されている。この研磨用組成物に含まれるエッチング剤としては、グリシン、アラニン、バリン等のα-アミノ酸が挙げられている。
国際公開第2007/026862号
しかしながら、特許文献1に記載された研磨用組成物に含まれるエッチング剤は、研磨対象物をエッチングする作用を有するので、前記のような金属を含む基板に対してより高い研磨速度が得られる一方で、金属の腐食の要因にもなり得る。一方、エッチング剤を全く含有しない研磨用組成物では、前記のような金属を含む基板に対して十分な研磨速度が得られない。このような背景のもと、特に最近では、半導体装置の小型化・微細化に伴い、腐食許容度が極めて小さくなっており、局部腐食が全く発生しない状態を形成することが必要とされている。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、配線材料やバリアメタル材料の腐食を抑制しながら、これらの金属を含む基板を高速で研磨することができる化学機械研磨用水系分散体、及びそれを用いた化学機械研磨方法を提供する。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のいずれかの態様として実現することができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の一態様は、
(A)反応性基を有する砥粒と、
(B)窒素含有複素環化合物と、
を含有し、
実質的にエッチング剤を含有しないことを特徴とする。
前記化学機械研磨用水系分散体の一態様において、
前記(B)窒素含有複素環化合物の含有量が、化学機械研磨用水系分散体の全質量を100質量%としたときに、0.01質量%以上0.5質量%以下であることができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様において、
前記(A)反応性基を有する砥粒が、反応性基を有するコロイダルシリカ粒子であることができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様において、
前記(A)反応性基を有する砥粒が、チオール塩、スルホン酸塩、及びカルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を形成し得る基を表面に有する砥粒であることができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様において、
前記(B)窒素含有複素環化合物が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、及び3-メルカプト-1,2,4-トリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種であることができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様において、
さらに、前記(B)成分以外の、(C)炭素数が12以上20以下であり、かつ、カルボキシル基を有する界面活性剤を含有することができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様において、
前記(C)界面活性剤が、不飽和結合を有する界面活性剤であることができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様は、タングステン、タンタル、チタン、及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む基板研磨用であることができる。
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
前記いずれかの態様の化学機械研磨用水系分散体を用いて、タングステン、タンタル、チタン、及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む基板を研磨する工程を含む。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、配線材料やバリアメタル材料の腐食を抑制しながら、これらの金属を含む基板を高速で研磨することができる。また、本発明に係る化学機械研磨方法によれば、配線材料やバリアメタル材料の腐食を抑制しながら、これらの金属を含む基板を高速で研磨することができる。
化学機械研磨装置を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本明細書において、「~」を用いて記載された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
「配線材料」とは、銅、タングステン等の導電体金属材料のことをいう。「絶縁膜材料」とは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アモルファスシリコン等の材料のことをいう。「バリアメタル材料」とは、チタン、タンタル、コバルト等の配線の信頼性を向上させる目的で配線材料と積層させて用いられる材料のことをいう。
1.化学機械研磨用水系分散体
本発明の一実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)反応性基を有する砥粒(以下、「(A)成分」ともいう。)と、(B)窒素含有複素環化合物(以下、「(B)成分」ともいう。)と、を含有し、実質的にエッチング剤を含有しない。以下、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれる各成分について詳細に説明する。
1.1.(A)反応性基を有する砥粒
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)反応性基を有する砥粒を含有する。(A)成分は、配線材料及びバリアメタル材料等を研磨し、これらの材料に対する研磨速度を向上させる機能を有する。具体的には、(A)成分の反応性基は、配線材料やバリアメタル材料に用いられる金属の表面に、錯体を形成する等の化学的な作用を奏しながら吸着して、前記金属の表面を研磨されやすい軟質な状態へと改質することができる。その後、軟質な状態へと改質された金属の表面を、本来砥粒が有する研磨作用によって研磨することにより、配線材料やバリアメタル材料に用いられる金属の研磨速度を向上させることができる。
すなわち、(A)成分は、砥粒の研磨作用とエッチング剤のエッチング作用とを併せ持つ成分であるといえる。そのため、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、いわゆるエッチング剤を含有する必要がない。エッチング剤は、化学機械研磨時に研磨圧力の有無に関わらず、化学機械研磨用水系分散体が配線材料及びバリアメタル材料等に接触している限り常時エッチング作用を示し、且つ化学機械研磨後の洗浄工程を経ても配線材料やバリアメタル材料の表面に残留することがあり、腐食が生じやすいのに対して、(A)成分は、砥粒が有する反応基が化学機械研磨時の研磨圧力応答時に配線材料及びバリアメタル材料等に接触することでエッチング作用を示し、且つ化学機械研磨後の洗浄工程を経ることにより配線材料やバリアメタル材料の表面から速やかに清浄に洗い流されるので、腐食が生じ難いという利点がある。
前記反応性基としては、化学的な作用によって配線材料やバリアメタル材料に吸着し得る基であれば特に限定されないが、例えばチオール塩を形成し得る基、スルホン酸塩を形成し得る基、及びカルボン酸塩を形成し得る基等が挙げられる。これらの中でも、チオール塩を形成し得る基及びスルホン酸塩を形成し得る基であることが好ましく、チオール塩を形成し得る基であることがより好ましい。
ここで、「チオール塩を形成し得る基」とは、具体的には下記一般式(1)で表される基のことをいう。「スルホン酸塩を形成し得る基」とは、具体的には下記一般式(2)で表される基のことをいう。「カルボン酸塩を形成し得る基」とは、具体的には下記一般式(3)で表される基のことをいう。
Figure 0007159881000001
(上記式(1)中、Rは、アルキレン基、アリーレン基、若しくはこれらの組合せ、又は単結合を表す。)
Figure 0007159881000002
(上記式(2)中、Rは、アルキレン基、アリーレン基、若しくはこれらの組合せ、又は単結合を表す。)
Figure 0007159881000003
(上記式(3)中、Rは、アルキレン基、アリーレン基、若しくはこれらの組合せ、又は単結合を表す。)
砥粒としては、特に限定されないが、シリカ、セリア、アルミナ、ジルコニア、及びチタニア等の無機粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、チタニアが好ましく、シリカがより好ましい。シリカは適度な硬度を有するため、タングステン、タンタル、チタン、コバルト等の金属を用いている配線材料やバリアメタル材料を高速に研磨することが可能であり、また研磨傷が生じ難くなる場合がある。なお、シリカは上記金属のなかでも、タングステンまたはコバルトを用いている配線材料やバリアメタル材料等を研磨するのに適している。
シリカとしては、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられるが、コロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカとしては、例えば特開2003-109921号公報等に記載される方法で製造されたものを使用することができる。
砥粒にチオール塩を形成し得る基を導入する方法としては、特に制限されないが、例えば、特開2010-269985号公報や、J.Ind.Eng.Chem.,Vol.12,No.6,(2006)911-917等に記載されているような公知の方法を適用することが可能である。例えばシリカ砥粒とメルカプト基含有シランカップリング剤とを十分に撹拌することにより、前記シリカ砥粒の表面にメルカプト基含有シランカップリング剤を共有結合させることで達成できる。メルカプト基含有シランカップリング剤としては、例えば、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
砥粒にスルホン酸塩を形成し得る基を導入する方法としては、特に制限されないが、例えば、シリカ砥粒とメルカプト基含有シランカップリング剤を十分に撹拌することにより
、前記シリカ砥粒の表面にメルカプト基含有シランカップリング剤を共有結合させて、その後、さらに過酸化水素等の酸化剤を適量添加して十分に放置することにより、スルホン酸塩を形成し得る基を表面に有するシリカ砥粒を得ることができる。メルカプト基含有シランカップリング剤としては、上記と同様のシランカップリング剤が挙げられる。
砥粒にカルボン酸塩を形成し得る基を導入する方法としては、特に制限されないが、例えば、シリカ砥粒とカルボキシ基又はカルボキシ基誘導体含有シランカップリング剤を十分に撹拌することにより、前記シリカ砥粒の表面にカルボキシ基又はカルボキシ基含有シランカップリング剤を共有結合させることで達成できる。カルボキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば、4-トリメトキシシリルブタン酸、4-トリエトキシシリルブタン酸、5-トリメトキシシリルペンタン酸、5-トリエトキシシリルペンタン酸、10-トリメトキシシリルデカン酸、10-トリエトキシシリルデカン酸、4-ジメトキシメチルシリルブタン酸の他、信越化学工業社製の製品名「X-12-1135」等が挙げられる。また、カルボキシ基誘導体含有シランカップリング剤としては、例えば、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸等が挙げられる。
なお、反応性基は、砥粒表面に固定化されていればよいが、結合強さを考慮すると、共有結合を介して砥粒表面に固定化されていることが好ましい。このように反応性基が砥粒表面に固定化されていれば、反応性基が砥粒から脱離しにくくなり、また反応性基が配線材料やバリアメタル材料に用いられる金属に吸着しやすくなる。その結果、本来砥粒が有する研磨作用により配線材料やバリアメタル材料の研磨速度を向上させやすくすることができる場合がある。
(A)成分の平均粒子径については特に限定されないが、その下限は、好ましくは5nmであり、より好ましくは10nmであり、特に好ましくは15nmであり、その上限は、好ましくは300nmであり、より好ましくは150nmであり、特に好ましくは100nmである。(A)成分の平均粒子径が前記範囲にあると、配線材料やバリアメタル材料の研磨速度を向上させながら、被研磨面における研磨傷の発生を低減できる場合がある。前記範囲の中でも、(A)成分の平均粒子径が10nm以上であると、配線材料やバリアメタル材料の研磨速度をより向上できる場合がある。また、(A)成分の平均粒子径が100nm以下であると、被研磨面における研磨傷の発生をより低減できる場合がある。
(A)成分の平均粒子径は、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置で測定することにより求めることができる。動的光散乱法による粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB-550」、ベックマン・コールター社製のナノ粒子アナライザー「DelsaNanoS」、Malvern社製の「Zetasizernanozs」等が挙げられる。なお、動的光散乱法を用いて測定した平均粒子径は、一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の平均粒子径を表している。
(A)成分の含有量の下限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.05質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.3質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であると、配線材料やバリアメタル材料を研磨するのに十分な研磨速度が得られる場合がある。一方、(A)成分の含有量の上限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、10質量%が好ましく、7質量%がより好ましく、5質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が前記上限値以下であると、貯蔵安定性が良好となりやすく、被研磨面における良好な平坦性や研磨傷の低減を実現できる場合がある。
1.2.(B)窒素含有複素環化合物
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)窒素含有複素環化合物を含有する。(B)成分は、配線材料及びバリアメタル材料等の表面を保護し、過剰なエッチングや腐食を抑制する機能を有する。
本明細書において「窒素含有複素環化合物」とは、1個以上の窒素原子を有する、複素五員環及び複素六員環よりなる群から選択される少なくとも1種の複素環を含む有機化合物のことをいう。このような複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造等の複素五員環;ピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造等の複素六員環が挙げられる。これらの複素環は縮合環を形成していてもよい。縮合環が形成された複素環としては、例えば、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造等が挙げられる。このような構造を有する複素環化合物のうち、トリアゾール構造又はベンゾトリアゾール構造を有する複素環化合物が好ましく、トリアゾール構造を有する複素環化合物がより好ましい。
このような(B)成分の具体例としては、アジリジン、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラジン、トリアジン、ピロール、イミダゾール、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、プリン、プテリジン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、トリアゾリジン、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール等が挙げられ、さらに、これらの骨格を有する誘導体が挙げられる。これらの中でも、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾールが好ましく、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾールがより好ましい。これらの(B)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量の下限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.06質量%が特に好ましい。一方、(B)成分の含有量の上限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、1.0質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、0.15質量%が特に好ましい。(B)成分の含有量が前記範囲にあると、配線材料やバリアメタル材料等の過剰なエッチングや腐食を抑制しながら、配線材料やバリアメタル材料等の基板を高速で研磨することができる場合がある。
1.3.(C)界面活性剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、前記(B)成分以外の、(C)炭素数が12以上20以下であり、かつ、カルボキシル基を有する界面活性剤(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有してもよい。(C)成分は、(B)成分と併用することで、配線材料及びバリアメタル材料等の表面を保護し、過剰なエッチングや腐食を抑制する効果が大幅に向上する場合がある。
前記(C)成分は、炭素数が12以上20以下であるが、炭素数12以上20以下の炭化水素基を有することが好ましく、炭素数が12以上20以下の炭化水素基が不飽和結合を有することがより好ましい。このような(C)成分であれば、配線材料及びバリアメタル材料等の表面に(C)成分が配向することによって高い疎水性とすることができるため、過剰なエッチングや腐食をより抑制することができる場合がある。
このような(C)成分の具体例としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム等が挙げ
られる。これらの中でも、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウムが好ましく、オレイン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウムが特に好ましい。これらの(C)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含有量の下限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.001質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましい。一方、(B)成分の含有量の上限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、1.0質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、0.1質量%が特に好ましい。(C)成分の含有量が前記範囲にあると、配線材料やバリアメタル材料等の過剰なエッチングや腐食を抑制する効果が大幅に向上する場合がある。
1.4.エッチング剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、実質的にエッチング剤を含有しないことを特徴とする。ここで、本明細書において「実質的にエッチング剤を含有しない」とは、エッチング剤の合計含有量が、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0質量%以上0.001質量%以下であることをいう。
エッチング剤としては、カルボキシル基及びスルホ基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物(前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分を除く。)、並びに窒素含有化合物(前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分を除く。)が挙げられる。このようなエッチング剤の具体例としては、乳酸、酒石酸、フマル酸、グリコール酸、フタル酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、キノリン酸、キナルジン酸、アンモニア、アミド硫酸;グリシン、アラニン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、トリプトファン、アルギニン、ヒスチジン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸等のアミノカルボン酸等の有機酸、及びこれらの塩のようなキレート作用を有する化合物等が挙げられる。
一般に、化学機械研磨用水系分散体は、研磨特性をより向上させるためにエッチング剤を含有している。このエッチング剤が、配線金属表面に軟質な酸化膜を形成させることにより、研磨特性を向上させることができる。一方、エッチング剤は、CMP工程後において金属表面の腐食を生じさせやすいという問題がある。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、実質的にエッチング剤を含有しないため研磨特性の低下が懸念されるが、前記(A)成分及び前記(B)成分を含有するため、実質的にエッチング剤を含有しなくても、十分に配線材料やバリアメタル材料等を高速で研磨することができ、さらに配線材料やバリアメタル材料等の過度なエッチングや腐食を十分に抑制することができる。
1.5.その他の成分
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、主要な液状媒体である水の他に、必要に応じて、酸化剤、pH調整剤等を含有してもよい。
<水>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、主要な液状媒体として水を含有する。水としては、特に制限されるものではないが、純水が好ましい。水は、上述した化学機械研磨用水系分散体の構成材料の残部として配合されていればよく、水の含有量については特に制限はない。
<酸化剤>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、さらに必要に応じて酸化剤を含有して
もよい。酸化剤としては、例えば、過酸化水素や硝酸鉄等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。これらの酸化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
酸化剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.02~5質量%がより好ましく、0.03~1質量%が特に好ましい。酸化剤の含有量が前記範囲にあると、配線材料やバリアメタル材料等の表面に軟質な改質層が形成されることにより研磨速度を向上できる場合がある。酸化剤は、10質量%含有させれば十分に研磨速度を向上させることができるため、10質量%を超えて多量に含有させる必要はない。
<pH調整剤>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、さらに必要に応じてpH調整剤を含有してもよい。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHは、7以上であることが好ましく、8以上14以下であることがより好ましく、8.5以上11以下であることが特に好ましい。化学機械研磨用水系分散体のpHが前記範囲にあると、上述した(A)成分や(B)成分の効果が発揮されやすい場合がある。また、化学機械研磨用水系分散体のpHが前記範囲にあると、上述した(A)成分の化学機械研磨用水系分散体中の分散安定性が向上する場合がある。
pH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましく、水酸化カリウムがより好ましい。これらのpH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
本発明において、pHとは、水素イオン指数のことを指し、その値は、25℃、1気圧の条件下で市販のpHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、卓上型pHメーター)を用いて、測定することができる。
1.6.用途
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)成分、(B)成分、場合により(C)成分を含有することにより、配線材料やバリアメタル材料の腐食を抑制しながら、これらの金属を含む基板を高速で研磨することができる。また、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、実質的にエッチング剤を含有していないため、過剰なエッチングや腐食を抑制することができる。すなわち、エッチング剤は、化学機械研磨時に研磨圧力の有無に関わらず、化学機械研磨用水系分散体が配線材料及びバリアメタル材料等に接触している限り常時エッチング作用を示し、且つ化学機械研磨後の洗浄工程を経ても配線材料やバリアメタル材料の表面に残留することがあり、過剰なエッチングや腐食が生じやすいのに対して、(A)成分は、砥粒が有する反応基が化学機械研磨時の研磨圧力応答時に配線材料及びバリアメタル材料等に接触することでエッチング作用を示し、且つ化学機械研磨後の洗浄工程を経ることにより配線材料やバリアメタル材料の表面から速やかに清浄に洗い流されるので、過剰なエッチングや腐食が生じ難い。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、配線材料やバリアメタル材料を含む基板の中でも、タングステン、タンタル、チタン、及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む基板である場合、腐食を抑制しながら高速で研磨する効果が特に得られやすい。
2.化学機械研磨方法
本発明の一実施形態に係る化学機械研磨方法は、上述の化学機械研磨用水系分散体を用いて、タングステン、タンタル、チタン、及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む基板を研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう。)を含む。本実施形
態に係る化学機械研磨方法によれば、上述の化学機械研磨用水系分散体を用いることにより、タングステン、タンタル、チタン、及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む基板の腐食を抑制しながら、該基板を高速で研磨することができる。
上述の研磨工程には、例えば図1に示すような研磨装置100を用いることができる。図1は、研磨装置100を模式的に示した斜視図である。上述の研磨工程では、スラリー供給ノズル42からスラリー(化学機械研磨用水系分散体)44を供給し、かつ、研磨布46が貼付されたターンテーブル48を回転させながら、基板50を保持したキャリアーヘッド52を当接させることにより行う。なお、図1には、水供給ノズル54及びドレッサー56も併せて示してある。
キャリアーヘッド52の研磨荷重は、0.7~70psiの範囲内で選択することができ、好ましくは1.5~35psiである。また、ターンテーブル48及びキャリアーヘッド52の回転数は10~400rpmの範囲内で適宜選択することができ、好ましくは30~150rpmである。スラリー供給ノズル42から供給されるスラリー(化学機械研磨用水系分散体)44の流量は、10~1,000mL/分の範囲内で選択することができ、好ましくは50~400mL/分である。
市販の研磨装置としては、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO-112」、「EPO-222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP-510」、「LGP-552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」、「Reflexion」;G&P
TECHNOLOGY社製、型式「POLI-400L」;AMAT社製、型式「Reflexion LK」;FILTEC社製、型式「FLTec-15」;東京精密社製、型式「ChaMP」等が挙げられる。
上述の研磨工程後に、基板の表面を洗浄する洗浄工程をさらに実施してもよい。上述の化学機械研磨用水系分散体は、実質的にエッチング剤を含有しないので、基板の表面から化学機械研磨用水系分散体に含まれている成分やパーティクル等を洗浄工程により速やかに除去することができる。その結果、基板の表面に残留する化学機械研磨用水系分散体に含まれている成分やパーティクル等による腐食の発生を効果的に抑制することができる。
洗浄方法としては、特に制限されないが、基板に洗浄剤を直接接触させる方法により行われる。洗浄剤を基板上に直接接触させる方法としては、洗浄槽に洗浄剤を満たして配線基板を浸漬させるディップ式;ノズルから基板上に洗浄剤を流下しながら基板を高速回転させるスピン式;基板に洗浄剤を噴霧して洗浄するスプレー式等の方法が挙げられる。また、このような方法を行うための装置としては、カセットに収容された複数枚の配線基板を同時に洗浄するバッチ式洗浄装置、1枚の配線基板をホルダーに装着して洗浄する枚葉式洗浄装置等が挙げられる。
上記の洗浄剤としては、例えば、特開2018-92960号公報、特開2017-112200号公報、特開2016-171294号公報等に記載されている洗浄用組成物を用いることができる。
上記の洗浄方法において、洗浄剤の温度は、通常室温とされるが、性能を損なわない範囲で加温してもよく、例えば40~70℃程度に加温することができる。
また、上記の洗浄剤を基板に直接接触させる方法に加えて、物理力による洗浄方法を併用することも好ましい。これにより、基板に付着したパーティクルによる汚染の除去性が向上し、洗浄時間を短縮することができる。物理力による洗浄方法としては、洗浄ブラシを使用したスクラブ洗浄や超音波洗浄が挙げられる。
さらに、上記の洗浄方法による洗浄の前および/または後に、超純水または純水による洗浄を行ってもよい。
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例における「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.反応性基修飾シリカ砥粒を含む水分散体の調製
<シリカ粒子分散体A>
扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL-3;シリカ含有量(固形分濃度)20質量%、平均粒子径75nm)5kgと3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン6gを混合して、2時間加熱還流した。このようにして、固形分濃度20質量%、平均粒子径72nmのスルフィニル化したシリカ粒子分散体Aを得た。
<シリカ粒子分散体B>
扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL-3;シリカ含有量(固形分濃度)20質量%、平均粒子径75nm)5kgと信越化学工業社製のシランカップリング剤(品番:X-12-1135)6gを混合して、2時間加熱還流した。このようにして、固形分濃度20質量%、平均粒子径75nmのカルボン酸化したシリカ粒子分散体Bを得た。
<シリカ粒子分散体C>
扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL-3;シリカ含有量(固形分濃度)20質量%、平均粒子径75nm)5kgと3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン6gを混合して、2時間加熱還流し、チオール化シリカゾルを得た。このチオール化シリカゾルに、酸化剤として過酸化水素を加えて8時間加熱還流させることで、その表面を酸化させてスルホン酸基を固定化した。このようにして、固形分濃度20質量%、平均粒子径73nmのスルホン酸化したシリカ粒子分散体Cを得た。
3.2.化学機械研磨用水系分散体の調製
ポリエチレン製容器に、イオン交換水及び表1又は表2に示す含有割合となるように砥粒、窒素含有複素環化合物、及び界面活性剤を添加して十分に撹拌した後、10%水酸化カリウム水溶液を適量加えて表1又は表2に示すpHとなるように調整した。その後、孔径0.3μmのフィルターで濾過し、各実施例及び各比較例で使用する化学機械研磨用水系分散体を調製した。なお、後述の各種評価試験行う直前に、35質量%過酸化水素水を過酸化水素に換算して表1又は表2に示す含有割合となるように、上記で調製した化学機械研磨用水系分散体にそれぞれ添加した。
3.3.評価方法
3.3.1.研磨速度評価
上記で調製した化学機械研磨用水系分散体を用いて、直径12インチのコバルト膜200nm付きウエハを被研磨体として、下記の研磨条件で1分間の化学機械研磨試験を行った。研磨速度評価の評価基準は下記の通りである。その結果を表1又は表2に併せて示す。
<研磨条件>
・研磨装置:G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI-400L」
・研磨パッド:富士紡績社製、「多硬質ポリウレタン製パッド;H800-type1(3-1S)775」
・化学機械研磨用水系分散体供給速度:100mL/分
・定盤回転数:100rpm
・ヘッド回転数:90rpm
・ヘッド押し付け圧:2psi
・研磨速度(Å/min)=(研磨前の各膜の厚さ-研磨後の各膜の厚さ)/研磨時間
なお、コバルト膜の厚さは、抵抗率測定機(NPS社製、型式「Σ-5」)により直流4探針法で抵抗を測定し、このシート抵抗値とコバルトの体積抵抗率から下記式によって算出した。
膜の厚さ(Å)=[コバルト膜の体積抵抗率(Ω・m)÷シート抵抗値(Ω))]×1010
<評価基準>
・AA:研磨速度が600Å/min以上。研磨速度が十分に大きいため実際の半導体基板の研磨において他材料膜の研磨との速度バランスが容易に確保でき、非常に実用的であるから極めて良好である。
・A :研磨速度が450Å/min以上600Å/min未満。研磨速度が大きいため実際の半導体基板の研磨において他材料膜の研磨との速度バランスが確保でき、実用的であるから良好である。
・B :研磨速度が350Å/min以上450Å/min未満。研磨速度が小さくなく、実際の半導体基板の研磨において他材料膜の研磨との速度バランスが確保でき、実用可能である。
・C :研磨速度が350Å/min未満。研磨速度が小さいため、実用困難である。
3.3.2.エッチング速度評価
直径12インチのコバルト膜ウエハを切断して3cm×3cmの試験片とした。表1又は表2に記載の化学機械研磨用水系分散体に、この試験片を45℃、1時間浸漬した後、水洗し、乾燥処理した。浸漬前後の試験片の重量を測定して、コバルト密度8.9g/cmとコバルト膜ウエハの面積(3cm×3cm)よりエッチングされたコバルト膜厚みを算出し、コバルトのエッチング速度を評価した。その結果を表1又は表2に併せて示す。なお、評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
・AA:エッチング速度が2Å/min未満。腐食性が極めて低く、非常に良好である。・A :エッチング速度が2Å/min以上9Å/min未満。腐食性が低く、良好である。
・B :エッチング速度が9Å/min以上15Å/min未満。腐食性が高くなく、使用可能である。
・C :エッチング速度が15Å/min以上。腐食性が高いため不良である。
3.3.3.コバルト腐食電流評価
上述の「3.3.1.研磨速度評価」で研磨した直径12インチのコバルト膜ウエハを切断して1cm×3cmの試験片を作製し、中央の1cm×1cmの箇所を絶縁テープで被覆した。その後、北斗電工株式会社製の電気化学測定装置「HZ-7000」を用いて、試験片を作用極、白金(Pt)電極を対極、及び銀塩化銀(Ag/AgCl)電極を参照極とし、表1又は表2に記載の化学機械研磨用水系分散体を電解質とした3極セルを作製した。このようにして作製した3極を用い、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)によりターフェルプロットを作成し、腐食電流を求めた。その結果を表1又は表2に併せて示す。なお、評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
・AA:腐食電流が10μA未満。コバルト腐食が極めて抑制できており、非常に実用的である。
・A :腐食電流が10μA以上50μA未満。コバルト腐食が抑制できており、実用的
である。
・B :腐食電流が50μA以上100μA未満。コバルト腐食がある程度抑制できており、実用可能である。
・C :腐食電流が100μA以上。コバルト腐食が抑制できず、実用困難である。
3.4.評価結果
各実施例及び各比較例で使用した化学機械研磨用水系分散体の組成、物性、及び各評価結果を下表1及び下表2に示す。
Figure 0007159881000004
Figure 0007159881000005
上表1及び上表2において、各成分の数値は質量%を表す。但し、砥粒の含有量は、固形分濃度を表す。また、各実施例及び各比較例において、各成分の合計量は100質量%となり、残部はイオン交換水である。
上表1及び上表2中の各成分は、それぞれ下記の商品又は試薬を用いた。
<砥粒>
・シリカ砥粒A~C:上記で調製した反応性基を有するシリカ粒子分散体A~C
・PL-3:扶桑化学工業株式会社製、商品名「PL-3」、超高純度コロイダルシリカ、シリカ濃度20%、平均粒子径70nm
<窒素含有複素環化合物>
・1,2,3-トリアゾール:大塚化学株式会社製、商品名「1,2,3-トリアゾール」
・1,2,4-トリアゾール:大塚化学株式会社製、商品名「1,2,4-トリアゾール」
・ベンゾトリアゾール:富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「1H―ベンゾトリアゾール」
・3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール:大塚化学株式会社製、商品名「3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール」
<界面活性剤>
・ステアリン酸カリウム:純正化学株式会社製、商品名「ステアリン酸カリウム」
・オレイン酸カリウム:花王株式会社社製、商品名「FR-14」
・アルケニルコハク酸ジカリウム:花王株式会社製、商品名「ラテムル ASK」
<酸化剤>
・過酸化水素:富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「過酸化水素水(30%)」
<pH調整剤>
・水酸化カリウム:関東化学社製
実施例1~11の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合、コバルト膜を高速で研磨することができ、かつ、コバルト膜のエッチング及び腐食を効果的に抑制できることが判明した。また、炭素数が12以上20以下であり、かつ、カルボキシル基を有する界面活性剤をさらに含有する、実施例9~11の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合、コバルト膜のエッチング及び腐食をより効果的に抑制できることが判明した。以上の結果より、実施例1~11の化学機械研磨用水系分散体は、配線材料やバリアメタル材料を有する基板に対して、良好な化学機械研磨を実現できると推測される。
一方、エッチング剤を含有する、比較例1~2の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合、コバルト膜のエッチング速度は高いものの、コバルト膜の腐食が抑制できていないことが判明した。また、(B)成分を含有しない、比較例3の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合、コバルト膜のエッチング速度は高いものの、腐食電流が大きくなりコバルト腐食が抑制できていないことが判明した。
以上の結果より、エッチング剤を含有しない、本願発明に係る化学機械研磨用水系分散体を用いることの優位性が示された。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成するこ
とができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
42…スラリー供給ノズル、44…スラリー(化学機械研磨用水系分散体)、46…研磨布、48…ターンテーブル、50…基板、52…キャリアーヘッド、54…水供給ノズル、56…ドレッサー、100…研磨装置

Claims (7)

  1. (A)反応性基を有する砥粒と、
    (B)窒素含有複素環化合物と、
    (C)炭素数が12以上20以下であり、かつ、カルボキシル基及び不飽和結合を有する界面活性剤と、
    を含有し、
    実質的にエッチング剤を含有しないことを特徴とする、化学機械研磨用水系分散体。
  2. 前記(B)窒素含有複素環化合物の含有量が、化学機械研磨用水系分散体の全質量を100質量%としたときに、0.01質量%以上0.5質量%以下である、請求項1に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  3. 前記(A)反応性基を有する砥粒が、反応性基を有するコロイダルシリカ粒子である、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  4. 前記(A)反応性基を有する砥粒が、チオール塩、スルホン酸塩、及びカルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を形成し得る基を表面に有する砥粒である、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  5. 前記(B)窒素含有複素環化合物が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、及び3-メルカプト-1,2,4-トリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  6. タングステン、タンタル、チタン、及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む基板研磨用である、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて、
    タングステン、タンタル、チタン、及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む基板を研磨する工程を含む、化学機械研磨方法。
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