JP7159004B2 - 衣服 - Google Patents

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Description

本発明は、送風装置を着脱可能な衣服に関する。
送風装置を着脱可能な衣服が知られている。このような衣服では、送風装置によって衣服内に外気が送出されることで、衣服の使用者の身体を冷却することができる。例えば、特許文献1に開示されている衣服では、送風装置は、後身頃に左右一対で設けられたポケットに収納される。
特開2017―150120号
特許文献1の衣服は上着であって、ポケットは、上着の後身頃の左右幅方向両側寄り、且つ、裾部寄りに配置されている。よって、送風装置は、使用者の腰部の左側面および右側面に近い領域に対向するように配置されることになる。このため、送風装置が腕の動きに干渉する場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、送風装置を着脱可能な衣服において、使用者の動きやすさを確保しつつ、効果的に身体を冷却することが可能な構成を提供することを目的とする。
本発明の一態様として、少なくとも1つのファンと少なくとも1つのモータとを備えた送風装置を着脱可能な衣服が提供される。この衣服は、表地を備えている。表地は、衣服の着用時に使用者の胴体の前面を覆う前身頃と、胴体の背面を覆う後身頃とを少なくとも含む。また、表地は、送風装置を着脱可能に構成された取付け孔を有する。取付け孔は、前身頃または後身頃の左右方向の中心線上にあり、且つ、その少なくとも一部が、衣服の着用時に使用者の腰部よりも上方に配置される位置に設けられている。
送風装置が取付け孔に取り付けられた状態で、本態様の衣服が使用者に着用されると、送風装置は、使用者の前面側または背面側に配置されて、正中線(身体の前面または背面の左右方向の中心線)に対向する(重なる)。つまり、前側または後側からみた場合、送風装置は、使用者の身体の正中線上に配置される。よって、本態様の衣服では、送風装置が腰部の左側面および右側面に近い領域に対向する従来の衣服に比べ、使用者が左右に腕を振る動きの際、送風装置が干渉しにくい。また、送風装置は、腰部よりも上方、つまり背部または胸部(つまり、胴体のうち胸椎の背面側または前面側の部分)に対向する位置に配置されるため、腰部を支点とする前屈、後屈、側屈等、様々な動きの邪魔にもなりにくい。更に、上述の従来の衣服では、例えば、腕を左右に振る動き等、身体が捩られる動きを伴う運動では、送風装置が受ける遠心力が使用者への負荷となる。よって、一般的には、激しい動きを伴うスポーツには好適とはいいがたい。このような従来の衣服に比べ、本態様の衣服では、送風装置は、遠心力をより受けにくい、身体の中心軸に近い位置に配置されている。これにより、送風装置が着脱可能な衣服をより広範な分野に好適に使用可能とすることができる。
更に、身体の前面および背面のうち、正中線に沿った領域は、人間の身体の中で最も汗をかきやすい領域であることが知られている。本態様の衣服によれば、取付け孔を介して、正中線に沿った領域に対向するように送風装置を配置することができるため、使用者の身体を効果的に冷却することができる。
本発明の一態様として、少なくとも1つのファンと少なくとも1つのモータとを備えた送風装置を着脱可能な衣服が提供される。この衣服は、表地を備えている。表地は、衣服の着用時に使用者の胴体の前面を覆う前身頃と、胴体の背面を覆う後身頃とを少なくとも含む。また、表地は、送風装置を着脱可能に構成された取付け孔を複数有する。そして、複数の取付け孔はすべて、前身頃または後身頃の左右方向の中心線上に設けられている。また、本態様において、複数の取付け孔のうち少なくとも1つは、その少なくとも一部が、衣服の着用時に前記使用者の腰部よりも上方に配置される位置に設けられていることが好ましい。
本態様の衣服には、複数の取付け孔を介して複数の送風装置が着脱可能である。そして、複数の送風装置が取り付けられた状態で、衣服が使用者に着用されると、複数の送風装置はすべて、使用者の前面側または背面側に配置されて、正中線に対向する(重なる)。つまり、前側または後側からみた場合、複数の送風装置はすべて、使用者の身体の正中線上に配置される。よって、本態様の衣服では、送風装置が腰部の左側面および右側面に近い領域に対向する従来の衣服に比べ、使用者が腕を左右に振る動きの際、送風装置が干渉しにくい。また、上述の従来の衣服では、例えば、腕を左右に振る動き等、身体が捩られる動きを伴う運動では、送風装置が受ける遠心力が使用者への負荷となる。よって、一般的には、激しい動きを伴うスポーツには好適とはいいがたい。このような従来の構成に比べ、本態様の衣服では、複数の送風装置はすべて、遠心力をより受けにくい、身体の中心軸に近い位置に配置されている。これにより、複数の送風装置が着脱可能な衣服をより広範な分野に好適に使用可能とすることができる。
また、上述の従来の衣服は、腰部の左側面および右側面の近傍に送風装置を配置する空間を確保するために、身頃の左右方向の幅を、身体の幅に対して比較的広く設定する必要がある。このため、衣服が身体に対して動きやすい。本態様の衣服は、複数の送風装置が何れも左右方向の中心線上に配置されるため、身頃の左右方向の幅を、上述の従来の衣服に比べて狭くすることができる。つまり、衣服を身体によりフィットさせることが可能となる。これにより、本態様の衣服は、使用者が動いたときに、複数の送風装置をより安定して保持することができ、使用者の感じる負荷を軽減することができる。
更に、本態様の衣服によれば、複数の取付け孔を介して、人間の身体の中で最も汗をかきやすい正中線に沿った領域に対向するように複数の送風装置を配置することができるため、送風装置が1つの場合に比べ、使用者の身体をより効果的に冷却することができる。
なお、上述の各態様における衣服は、例えば、胴体のみを覆う袖なしの上衣、胴体および腕の一部を覆う袖付きの上衣、上衣と下衣とが一体化された所謂つなぎ服として構成されうる。また、衣服は、表地のみを有する1層構造の衣服であってもよいし、表地と裏地とを少なくとも有する多層構造の衣服であってもよい。また、衣服に着脱される送風装置は、ファンとモータとを1つずつ備えていてもよいし、ファンとモータとを夫々複数備えていてもよい。あるいは、複数のファンと1つのモータとを備えていてもよい。少なくとも1つのファンと少なくとも1つのモータは、典型的には、ハウジングに収容される。
本発明の一態様において、取付け孔は、後身頃に配置されていてもよい。この場合、送風装置は、使用者の背部に対向することになる。なお、複数の取付け孔を有する衣服においては、複数の取付け孔のうち、少なくとも1つが後身頃に配置されていればよい。
本態様によれば、使用者の身体の前面側に比べ、より使用者の動きの妨げになりにくい背面側に送風装置を装着することができる。更に、前傾姿勢となる作業時や運動時には、背部に対向する送風装置の重心が、使用者の身体の重心の上方に配置されやすい。これにより、送風装置が腰部に対向配置される場合に比べ、使用者が送風装置の重みを感じにくく、安定した姿勢を維持することが容易となる。また、背面側の正中線に沿った領域は、前面側よりも更に汗をかきやすい領域であることが知られている。よって、本態様によれば、使用者の身体を更に効果的に冷却することができる。なお、本態様において、取付け孔の少なくとも一部は、衣服の着用時に使用者の背部の上半分領域に対向する(重なる)位置に設けられることが好ましい。この場合、身体の様々な動きの影響をより受けにくい位置に送風装置を配置することができる。
本発明の一態様において、取付け孔の少なくとも一部は、衣服の着用時に、使用者の背面のうち、左右の肩甲骨の間の領域に対向する位置に配置されていてもよい。つまり、後側からみた場合、送風装置は、使用者の左右の肩甲骨の間に配置されてもよい。なお、複数の取付け孔を有する衣服においては、複数の取付け孔のうち、少なくとも1つが上記位置に配置されているとよい。左右の肩甲骨の間の領域は、左右の腕の動きを含め、身体の様々な動きの影響を特に受けにくい。よって、本態様によれば、この領域に対向する位置で取付け孔に取り付けられた送風装置を、使用者の動きに干渉しにくく、安定した状態で保持することができる。また、本態様によれば、送風装置が、使用者が特に冷感を得やすく、熱がこもった身体の冷却効果が高いとされる首筋に近い位置に配置されるため、冷却効果を更に高めることができる。
本発明の一態様において、衣服は、取付け孔を表地の外面側から覆う閉状態と、取付け孔を衣服の外部に露出させる開状態との間で変位可能に構成されたカバーを更に備えていてもよい。本態様によれば、送風装置が取り付けられていないときにカバーを閉状態とすることで、取付け孔を介して衣服の内部に異物が進入する可能性を低減することができる。また、取付け孔が外部に露出して衣服のデザイン性を損なうのを回避することができる。なお、本態様において、カバーは、閉状態と開状態との間で変位可能であれば、表地から取り外し可能であってもよいし、表地に一部が固定された状態であってもよい。
本発明の一態様において、カバーの少なくとも一部は、メッシュ地で構成されていてもよい。本態様によれば、外気がメッシュ地を通してカバー内に流入可能であるため、カバーが閉状態にあるときにも、カバーが開状態にあるときと同様に、送風装置が問題なく吸気を行うことができる。また、送風装置が取り付けられていない状態でカバーが閉状態にあるときにも、ポンピング効果(ふいご作用ともいう)によって、取付け孔およびメッシュ地を通して、衣服の内部と外部との換気が可能となる。これにより、カバーを閉状態とした場合の衣服内環境を改善することができる。
本発明の一態様において、メッシュ地は、カバーのうち、カバーが閉状態にあるときに取付け孔を覆う領域に設けられていてもよい。この場合、取付け孔に取り付けられた送風装置をメッシュ地が覆うため、送風装置の効率的な吸気が可能となる。
本発明の一態様において、カバーは、カバーが閉状態にあるときに取付け孔を覆う第1領域と、第1領域と異なる第2領域とを含んでいてもよい。そして、第2領域は、開口を有してもよい。本態様によれば、外気が開口からカバー内に流入可能であるため、カバーが閉状態にあるときにも、カバーが開状態にあるときと同様に、送風装置が問題なく吸気を行うことができる。また、取付け孔に取り付けられた送風装置が、カバーの第1領域によって覆われるため、主に送風装置の吸気口近傍で生じやすい騒音が外部に漏れるのを抑制することができる。
本発明の一態様において、カバーは、吸音部材を含んでいてもよい。本態様によれば、吸音部材によって、送風装置の騒音を効果的に低減することができる。なお、吸音部材は、カバーに取り付けられていてもよいし、カバーの一部または全部が吸音部材で構成されていてもよい。なお、吸音部材がカバーに取り付けられる場合やカバーの一部が吸音部材で構成される場合には、吸音部材は、カバーが閉状態にあるときに取付け孔を覆う領域に配置されることが好ましい。
本発明の一態様において、カバーは、閉状態において、前身頃または後身頃の左右方向の中心線に沿って上下方向に延在し、左端部および右端部が表地と接続されて閉じられ、且つ、少なくとも上端部が開放された状態で、取付け孔を覆うように構成されていてもよい。本態様によれば送風装置が取り付けられていないときにカバーを閉状態とした場合、ポンピング効果によって取付け孔からカバー内に排気された空気を、煙突効果によってカバーの上端部から逃がすことができる。これにより、カバーを閉状態とした場合の衣服内環境を改善することができる。
本発明の一態様において、カバーは、保水性および通気性を有していてもよい。本態様によれば、通気性を有するカバーを通して外気がカバー内に流入可能であるため、カバーが閉状態にあるときにも、カバーが開状態にあるときと同様に、送風装置が問題なく吸気を行うことができる。また、カバーに予め水を吸収させておくことで、カバーの通過時に冷却された外気を衣服内に導入することができ、使用者の冷感を更に高めることができる。
本発明の一態様において、衣服は、表地の内面側に取り付けられた裏地と、表地と裏地の間に形成された内部空間とを更に備えていてもよい。そして、内部空間は、送風装置が取付け孔に装着された場合、送風装置によって送出された外気が流動可能に構成されていてもよい。本態様によれば、送風装置から送出された外気を内部空間で流動させることで、使用者の身体を冷却することができる。なお、本態様において、衣服は、内部空間と衣服の内部(使用者の身体側の空間ともいえる)とを連通する開口を更に備えていてもよい。この場合、送風装置によって内部空間へ送出され、開口から流出する外気によって、使用者の身体の特定の部位を選択的に冷却することが可能となる。
本発明の一態様において、衣服は、取付け孔に取り外し可能に装着された送風装置を更に備えていてもよい。更に、本発明の一態様において、衣服は、送風装置に電力を供給するためのバッテリを更に備えていてもよい。
ファンユニットが取り付けられ、使用者によって着用された状態の第1実施形態の上着を、後側(背面側)からみたときの説明図である。 前を開いた状態の上着を前側(裏地側)からみた説明図である。 カバーが取り外された上着と、上着に取り付けられたファンユニットの断面を示す説明図である。 ファンユニットが取り付けられた状態の第2実施形態の上着を後側からみたときの説明図である。 第3実施形態の上着を後側からみたときの説明図である。 第4実施形態の上着を後側からみたときの説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る衣服について説明する。
[第1実施形態]
以下、図1~図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る上着11について説明する。
まず、上着11の概略構成について説明する。図1および図2に示す本実施形態の上着11は、通気衣服、空調衣服、冷却衣服などとも称される衣服の一例であって、送風を行うファンユニット8を着脱可能に構成されている。
図1~図3に示すように、上着11は、表地2と裏地3とを備えている。ファンユニット8は、吸気口844および排気口848が表地2の外側および裏地3側(使用者の身体側)に夫々配置された状態で、表地2に取り付けられる。使用者が上着11を着用した状態でファンユニット8による送風が行われると、吸気口844から吸い込まれた外気は、排気口848を介して表地2と裏地3の間に送出され、表地2と裏地3の間に形成された内部空間4(図3参照)内を流動する。これにより裏地3が膨らみ、使用者の身体(肌着を着用した状態を含む)に接触して、汗を吸収する。そして、内部空間4を流動する外気がこの汗を蒸発させることで熱を奪い、使用者に冷感を与えるものである。また、外気は、裏地3を通して内部空間4から流出し、身体全体の放熱を促進することによっても使用者に冷感を与える。
以下、上着11の詳細構成について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、使用者によって着用されたときの方向を基準として、上着11の方向を規定する。つまり、使用者の頭側が上側、足側が下側、右手側が右側、左手側が左側、前面側が前側、背面側が後側である。
図1および図2に示すように、上着11は、使用者の胴体(体幹ともいう)を覆う、袖なしの上衣(所謂ベスト)として構成されており、表地2と、表地2に取り付けられた裏地3とを備えている。更に、本実施形態の上着11は、表地2に着脱可能に構成されたカバー51を備えている。以下、表地2、裏地3、およびカバー51の詳細構成について順に説明する。
図1および図2に示すように、表地2は、前身頃23と、後身頃21とを含む。
前身頃23は、使用者の胴体の前面を覆う部分である。前身頃23は、左身頃と右身頃とがスライドファスナ231によって接続(開閉)可能とされている。
後身頃21は、使用者の胴体の背面を覆う部分である。後身頃21は、ファンユニット8を着脱可能に構成された取付け孔211を有する。より詳細には、取付け孔211は、ファンユニット8のハウジング84の筒状部841(図3参照)の径と概ね同径の開口として構成されている。また、本実施形態では、後身頃21には、2つの取付け孔211が設けられており、2つのファンユニット8が着脱可能とされている。2つのファンユニット8は、夫々、その一部が取付け孔211に挿通された状態で、後身頃21に固定される。以下、取付け孔211の周縁部を、ファン取付け部212ともいう。
本実施形態では、2つの取付け孔211は何れも、後身頃21の左右方向の中心線上に設けられている。言い換えると、2つの取付け孔211は何れも、後身頃21のうち、使用者が上着11を着用したときに使用者の背面側で正中線に対向する位置(つまり、脊柱に対向する位置、後ろからみて脊柱と重なる位置)に配置されている。以下では、2つの取付け孔211を区別する場合には、上側の取付け孔211を取付け孔211Aといい、下側の取付け孔211を取付け孔211Bというものとする。下側の取付け孔211Bは、使用者が上着11を着用したときに使用者の腰部101(腰椎の周囲の部分)に対向する(重なる)位置に設けられている。一方、上側の取付け孔211Aは、腰部よりも上方の背部103(胸椎の背面側の部分)に対向する(重なる)位置に設けられている。より詳細には、上側の取付け孔211Aは、その概ね全体が、使用者の背部103の上半分領域、更に詳細には、左右の肩甲骨105の間の領域に対向する(重なる)位置に設けられている。
また、後身頃21は、カバー51を着脱可能に構成されている。以下、後身頃21の一部であって、カバー51が取り付けられたときにカバー51によって覆われる領域を、カバー領域213という。本実施形態では、左右方向において取付け孔211の径よりも大きい一定幅を有し、後身頃21の左右方向の中心線に沿って、後身頃21の上端から下端まで延びる矩形状の領域が、カバー領域213とされている。後身頃21に対するカバー51の着脱については後述する。
図2に示すように、裏地3は、表地2の内面側に取り付けられている。より詳細には、裏地3は、表地2の後身頃21および前身頃23の概ね全体を覆うように配置され、裏地3の縁部30の大部分が表地2に縫い付けられている。図3に示すように、表地2と裏地3の間には、内部空間4が形成されている。なお、裏地3のうち、表地2との接合部(縁部30)に囲まれた領域は、表地2のうち接合部に囲まれた領域よりも大きい。これにより、裏地3は、ファンユニット8による送風に伴って膨らみやすい構成を有する。
図2に示すように、縁部30のうち、表地2に縫い付けられていない部分は、内部空間4と上着11の内部(上着11の内側、使用者の身体側の空間)とを連通する開口31を構成する。本実施形態では、開口31は、スライドファスナ32により開閉可能とされている。なお、開口31は、使用者の首筋、両脇の下から背中側の両腕の付け根までの部分、および胸部(特に、鳩尾およびその上部)に夫々対向する領域に設けられている。これらの領域は、使用者が特に冷感を得やすく、熱がこもった身体の冷却効果が高いとされる部位(例えば、皮膚のすぐ下に太い血管が通っている部位)に対応している。使用者は、スライドファスナ32の開き具合を調整することで、開口31を介してこれらの部位に直接当たる外気の風速を調整することができる。
裏地3のうち、後身頃21を覆う部分の下端部には、縁部30に沿って、直線状に切り込まれた開口33が形成されている。開口33は、スライドファスナ34により開閉可能とされている。ファンユニット8を着脱する場合には、スライドファスナ34が開けられ、開口33を介して着脱作業が行われる。一方、上着11の着用時には、スライドファスナ34は閉じられた状態とされる。これにより、腰の周囲で内部空間4から外気が漏れ出ることが防止される。
裏地3のうち、右前身頃を覆う部分には、ポケット38が設けられている。ポケット38は、バッテリホルダ96を収容可能である。バッテリホルダ96には、ファンユニット8の電源としての充電式のバッテリ95が取り外し可能に装着される。更に、裏地3には、ポケット38に比較的近い位置に、開口36が設けられている。開口36には、バッテリホルダ96のケーブル961とファンユニット8とを接続するためのケーブル91を挿通可能である。バッテリホルダ96がポケット38に収容された場合には、ポケット38から引き出されたケーブル961が、開口36を通して内部空間4から上着11の内部に引き出されたケーブル91と接続される。なお、本実施形態のバッテリホルダ96は、モータ82の駆動を制御するコントローラと、ファンユニット8(モータ82)の駆動開始および停止の指示、ファン83の風量(モータ82の回転数)の設定等を入力するための操作ボタンを備えている。なお、バッテリ95は、ファンユニット8の専用バッテリであってもよいし、各種の電動工具(スクリュードライバ、ハンマドリル等)の電源としても使用可能なバッテリであってもよい。また、バッテリ95は、バッテリホルダ96から取り外し不能な内蔵式バッテリに変更されてもよい。
なお、図2に示すように、上着11には、裏地3に設けられたポケット38に加え、表地2の左右の前身頃23の内面側(裏地3側)に設けられ(つまり、内部空間4(図3参照)内に配置され)、表地2の外側に開口を有するポケット28も設けられている(図2では左側のポケット38のみ図示)。ポケット28には、バッテリホルダ96のケーブル961を挿通可能な開口281が設けられている。よって、バッテリホルダ96がポケット28に収容された場合には、開口281を通してケーブル961が内部空間4に引き出され、内部空間4内で、ケーブル91と接続される。
本実施形態では、表地2と裏地3には、何れも化学繊維織物が採用されている。表地2には、内部空間4から外気が流出するのを抑制するために、通気度の低い生地が採用されている。また、表地2は、優れた耐水性および透湿性を有する。一方、裏地3の通気度は、表地2の通気度よりは高いものの、比較的低く設定されている。より詳細には、裏地3の通気度は、内部空間4に送出された外気の圧力を大気圧よりある程度高く維持でき、且つ、内部空間4の外気が裏地3を通過して緩やかに外部へ流出することが可能な程度に設定されている。また、裏地3は、優れた吸水性および速乾性を有する。
図1に示すように、カバー51は、取付け孔211を後身頃21の外面側から覆う閉状態と、取付け孔211を上着11の外部に露出させる開状態との間で変位可能に構成されている。本実施形態では、カバー51は、後身頃21に着脱可能に構成されている。カバー51は、後身頃21に取り付けられた場合には取付け孔211を覆い、後身頃21から取り外された場合には取付け孔211を外部に露出させることができる。カバー51は、後身頃21のカバー領域213を覆うように取り付けられる。よって、カバー51は、カバー領域213と対応する矩形状に形成されている。カバー51の左右の端部と、カバー領域213の左右の端部には、夫々、スライドファスナ61の務歯が取り付けられている。カバー51は、スライドファスナ61の開閉を介して後身頃21に着脱される。閉状態では、カバー51の左右の端部は、スライドファスナ61を介して後身頃21に接続され、上下の端部は開放された状態となる。
なお、本実施形態では、カバー51には、表地2と同じ生地が採用されている。また、表地2のうち、カバー領域213の色は、少なくとも、ファンユニット8のうち取付け孔211の外側に配置される部分(詳細には、吸気部843およびフランジ部845(図3参照))の色と同じ(例えば、黒)である。一方、カバー51の色は、表地2のうちカバー領域213以外の部分の色と同じ(例えば、白)である。
以下、上着11に着脱可能に構成されたファンユニット8の構成について説明する。図3に示すように、ファンユニット8は、本体部81と、本体部81とは別体として形成され、本体部81に着脱可能なリング部材89とを備えている。
まず、本体部81について説明する。本体部81は、モータ82と、モータ82によって駆動されるファン83と、モータ82およびファン83を収容するハウジング84とを主体として構成されている。
モータ82およびファン83は、ハウジング84内に同軸状に配置されている。モータ82は、ロータと共に回転軸A1周りに回転駆動されるモータシャフト821を有する。ファン83は、複数の羽根を備えた軸流ファンとして構成されている。ファン83は、モータ82の駆動に伴って、回転軸A1周りにモータシャフト821と一体的に回転される。
ハウジング84は、リング部材89が取り付けられる筒状部841と、吸気口844を有する吸気部843と、吸気部843の周囲に設けられたフランジ部845と、排気口848を有する排気部847とを含む。なお、本実施形態では、ハウジング84は、上着11のカバー領域213と同じ色である。
筒状部841は円筒状に形成された部分であって、モータ82およびファン83と同軸状に配置されている。詳細な図示は省略するが、筒状部841の外周面には、雄ネジ部が形成されている。吸気部843は、筒状部841の2つの開口端のうち、ファン83の吸気側の端を覆うように配置されている。詳細な図示は省略するが、吸気部843は、中央部に配置された板状部と、板状部から放射状に延びる複数のリブとを含む。吸気口844は、板状部と複数のリブの間に形成された貫通孔であって、吸気部843を回転軸A1方向に貫通している。つまり、ファンユニット8は、後方から前方へ向かう方向に外気を吸引する。フランジ部845は、吸気部843の外周から径方向外側に突出するように設けられている。排気部847は、全体としては円形ドーム状に形成され、筒状部841の2つの開口端のうち、ファン83の排気側の端を覆うように配置されている。詳細な図示は省略するが、排気部847も、中央部に配置された板状部と、板状部から放射状且つアーチ状に延びる複数のリブとを含む。排気口848は、板状部と複数のリブの間に形成された貫通孔であって、排気部847を回転軸A1方向および回転軸A1に交差する方向に貫通している。つまり、ファンユニット8は、後方から前方へ向かう方向に加え、回転軸A1から概ね径方向外側へ向かう方向にも外気を送出する。
次に、リング部材89について説明する。リング部材89は、筒状部891と、フランジ部893とを主体として構成されている。筒状部891は、本体部81の筒状部841の外周に着脱可能に構成された短尺状の円筒体として形成されている。詳細な図示は省略するが、本実施形態では、筒状部891の内周面には、雌ネジ部が形成されている。筒状部841の外周面に形成された雄ネジ部に対してこの雌ネジ部が螺合されることで、リング部材89が本体部81に対して同軸状に取付けられる。フランジ部893は、筒状部841の軸方向における一端部から径方向外側に突出するように設けられている。フランジ部893の外径は、本体部81のフランジ部845の外径と概ね同一に設定されている。
以下、上着11の使用態様とその効果について説明する。
例えば、高温環境下での作業時、運動時等、身体の冷却が望まれる場合には、使用者は、上着11にファンユニット8を取り付けた状態で上着11を着用することができる。ファンユニット8を上着11に取り付ける手順は、次の通りである。
使用者は、まず、図1に示すように、スライドファスナ61を開いて後身頃21からカバー51を取り外し、取付け孔211を露出させる(カバー51を開状態とする)。また、使用者は、ファンユニット8のリング部材89を本体部81から取り外す。そして、本体部81の排気部847側を、表地2の外面側から上着11の取付け孔211に挿入する。これにより、フランジ部845の前側にファン取付け部212(表地2)が配置された状態となる。更に、開口33を通して、表地2の内面側からリング部材89を本体部81に取り付ける。具体的には、図3に示すように、外側のフランジ部845と内側のフランジ部893によってファン取付け部212(表地2)が挟持される位置まで、リング部材89(筒状部891)を本体部81(筒状部841)に螺合させる。このようにしてファンユニット8が取付けられると、排気部847は、裏地3に対向するように、表地2と裏地3の間に配置される。使用者は、図2に示すように、ファンユニット8に接続されたケーブル91を、ポケット28または38に収容されたバッテリホルダ96のケーブル961に接続して、スライドファスナ34を閉じる。
また、使用者は、首筋、両脇の下から背中側の両腕の付け根までの部分、および胸部のうち、内部空間4から流出する外気を直接当てて冷却したい部分に対応する開口31のスライドファスナ32を、適宜開く。
使用者がバッテリホルダ96の操作ボタン(図示略)を介して駆動開始指示を入力すると、ファンユニット8の駆動が開始される。ファンユニット8によって内部空間4に送出された外気は、裏地3を表地2から離れる方向(つまり、使用者の身体側)に膨らませる(図3参照)。これにより、裏地3の少なくとも一部が使用者の身体に接触して汗を吸収し、表地2と裏地3の間で流動する外気がこの汗を蒸発させる。裏地3の身体に接触している部分では、効率的な熱交換が行われ、使用者は冷感を得ることができる。
また、内部空間4に送出された外気は、スライドファスナ32が開かれた開口31から流出し、使用者に冷感を与えるとともに、熱がこもった身体を効果的に冷却することができる。また、内部空間4内における外気の流動性が確保されることで、裏地3に吸収された汗を効果的に蒸発させることができる。更に、裏地3は、ある程度の外気の通過を許容する生地で構成されているため、裏地3のうち、使用者の身体に密着していない領域を通過する外気によって身体の放熱を促進することによっても使用者に冷感を与えることができる。
特に、本実施形態では、ファンユニット8用の2つの取付け孔211は何れも、後身頃21の左右方向の中心線上に設けられている。よって、上着11に取り付けられた2つのファンユニット8も、後身頃21の中心線上に配置され、使用者の背面側で正中線に対向する(後ろから見て、使用者の身体の正中線上に配置される)ことになる。正中線に沿った領域、特に、背面側の正中線に沿った領域(脊柱に沿った領域)は、人間の身体の中で最も汗をかきやすい領域であることが知られている。本実施形態では、ファンユニット8の排気口848から、裏地3のうち、背面側の正中線に沿った領域に向けて外気が排出されるため、この領域で特に効率的な熱交換が行われ、使用者の身体を効果的に冷却することができる。また、上側の取付け孔211Aに取り付けられたファンユニット8は、使用者が特に冷感を得やすく、熱がこもった身体の冷却効果が高いとされる首筋に近い位置に配置されるため、冷却効果を更に高めることができる。
また、ファンユニット8が後身頃21の左右方向の中心線上に配置されることで、作業時や運動時に、ファンユニット8が腕の動きに干渉しにくくなる。よって、上着11は、例えば、ファンユニット8が腰部の左側面および右側面に近い領域に配置されている場合に比べ、動きやすさの点で改善されている。特に、取付け孔211を、前身頃(身体の前面側)ではなく、後身頃21(背面側)に配置することで、より使用者の動きの妨げになりにくい位置にファンユニット8の装着位置が設定されている。
また、ファンユニット8が腰部の左側面および右側面に近い領域に配置されている場合、例えば、腕を左右に振る動き等、身体が捩られる動きを伴う運動では、ファンユニット8が受ける遠心力が使用者への負荷となる。よって、一般的には、激しい動きを伴うスポーツには好適とはいいがたい。本実施形態の上着11では、2つのファンユニット8は何れも、遠心力をより受けにくい、使用者の身体の中心軸に近い位置に配置されている。これにより、上着11は、激しい動きを伴うスポーツを含む、より広範な分野に好適に使用することができる。
特に、2つの取付け孔211のうち、上側の取付け孔211Aは、上着11が着用されたとき、使用者の背部103のうち、左右の肩甲骨105の間に配置される。人間の腕は、肩甲骨を支点として動くため、背部103のうち、左右の肩甲骨の間の領域は、左右の腕の動きに干渉しにくく、また、左右の腕の動きの影響を受けにくい領域であるといえる。また、この領域は、左右の腕の動き以外の身体の様々な動き(捩り等)の影響も受けにくい。よって、上側の取付け孔211Aに取り付けられたファンユニット8は、特に、使用者の動きに干渉しにくく、且つ、より安定した状態で保持される。
また、2つのファンユニット8が取り付けられた状態の上着11の重心は、2つのファンユニット8が何れも腰部に対向する位置に取り付けられた状態の衣服に比べ、上方に位置することになる。また、脊柱に対向する領域にファンユニット8が配置されるため、使用者が前傾姿勢となる作業時や運動時(例えば、サイクリング時やトレイルランニング時)には、ファンユニット8が、使用者の背面上に配置されやすい。特に、上側の取付け孔211に取り付けられたファンユニット8は背部に載るような状態となり、その重心は身体の重心の上方に配置されやすい。よって、使用者がファンユニット8の重みを感じにくく、安定した姿勢を維持することが容易となる。
更に、2つのファンユニット8が腰部の左側面および右側面に近い領域に取り付けられる衣服では、左右の2箇所において、衣服と身体の間にファンユニット8を配置する空間を確保する必要が生じる。このため、身頃の左右方向の幅が、身体の幅に対して比較的広く設定されることになり、衣服が身体に対して動きやすい。一方、本実施形態の上着11は、2つのファンユニット8が何れも後身頃21の左右方向の中心線上に配置される(上下方向に並ぶ)ため、後身頃21の左右方向の幅を、上述のような衣服に比べて狭くすることができる。つまり、身体によりフィットする上着11を実現することができる。これにより、上着11は、使用者が動いたときに、2つのファンユニット8をより安定して保持することができ、使用者の感じる負荷を軽減することができる。
なお、カバー51が取り外された状態で、ファンユニット8が上着11に取り付けられると、吸気部843およびフランジ部845は、取付け孔211から外部に露出した状態となる(図3参照)。しかしながら、上述のように、本実施形態では、カバー領域213とハウジング84とが同じ色、且つ、表地2のうちカバー領域213以外の部分とは異なる色である。よって、上着11は、ファンユニット8が取り付けられた状態で着用されても、ファンユニット8が目立ちにくく、デザイン性に優れた外観を呈することができる。
一方、ファンユニット8の送風による身体の冷却が不要な場合には、使用者は、ファンユニット8を取り外した状態で上着11を着用することができる。この場合、使用者は、裏地3の下端部のスライドファスナ34(図2参照)を開け、開口33を介してリング部材89を本体部81から取り外した後、取付け孔211に挿入された本体部81を外側から引き抜くことで、ファンユニット8を上着11から取り外せばよい。
ファンユニット8が取り外された状態では、後身頃21の取付け孔211が外部に露出した状態となる。そこで、使用者は、カバー51を後身頃21に取り付けることで、取付け孔211を覆う(カバー51を閉状態とする)ことができる。これにより、取付け孔211を介して上着11の内部に異物が進入する可能性を低減することができる。また、取付け孔211が外部に露出して上着11のデザイン性を損なうのを回避することができる。なお、本実施形態では、上述のように、カバー51は、表地2と同じ色であることから、カバー51が表地2に取り付けられることで、より一層自然な外観を呈することができる。
[第2実施形態]
以下、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る上着12について説明する。上着12は、第1実施形態のカバー51(図1参照)とは異なるカバー52を備えているが、その他の構成は、基本的に第1実施形態の上着11の構成と同一である。以下では、既述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して図示および説明を簡略化または省略し、主に、異なる構成について説明する。なお、この点については、第3実施形態以降についても同様である。
図4に示すように、本実施形態の上着12も、第1実施形態の上着11と同じく、2つの取付け孔211を有する表地2と、表地2の内面側に取り付けられた裏地3(図2参照)とを備えている。そして、取付け孔211を介して表地2に取り付けられたファンユニット8によって内部空間4に送出された外気により、使用者の身体が冷却される。
カバー52は、第1実施形態のカバー51と同様、矩形状に形成されており、左右一対のスライドファスナ61を介して、カバー領域213を覆うように後身頃21に取り付けられる。一方、カバー51とは異なり、カバー52は、メッシュ地で構成されたメッシュ領域521を含む。より詳細には、カバー52は、表地2と同一の生地で形成されているが、後身頃21に取り付けられたときに(つまり、閉状態において)2つの取付け孔211に夫々対向する領域には、2つの開口が設けられている。これらの開口を覆うようにメッシュ地が接合されることで、2つのメッシュ領域521が形成されている。メッシュ領域521は、取付け孔211よりも一回り大きい領域として設定されている。なお、本実施形態でいうメッシュ地とは、空隙率の高い網目状の織物または編物であって、裏地3よりも大幅に通気性の高い生地である。
以上のような構成により、後身頃21にファンユニット8が取り付けられた状態で、後身頃21にカバー52が取り付けられると(閉状態とされると)、ファンユニット8の吸気部843(吸気口844)はメッシュ領域521に覆われる。よって、ファン83の駆動時に上着12にカバー52が取り付けられていても、カバー52によって吸気が妨げられるのを回避することができる。つまり、上着12は、カバー52が取り外された状態でも、カバー52が取り付けられた状態でも、ファンユニット8を好適に使用することができる。なお、カバー52およびメッシュ地を、ハウジング84と同じ色とした場合には、ファンユニット8の機能を確保しつつ、ファンユニット8を隠すことができ、自然な外観を呈することができる。
また、上述のように、ファンユニット8の吸気口844は、複数のリブの間の隙間として形成されることが一般的である。このような場合、ハウジング84内への異物の進入を抑制するためには、リブの間隔(つまり、吸気口844の大きさ)はある程度小さいことが好ましい。一方で、リブの間隔が小さくなると、吸気口844への外気の流入時に乱流が生じやすく、騒音が増加するという一面がある。これに対し、本実施形態の上着12によれば、カバー52のメッシュ領域521が異物の進入を抑制できるため、吸気部843の設計の自由度を高める(例えば、リブの数を減らす)ことが可能となる。これにより、吸気口844近傍における乱流の発生を抑え、騒音を低減することが可能となる。
また、ファンユニット8が取り外され、カバー52が取り付けられた状態で上着12が着用された場合には、上着12は、ポンピング効果(ふいご作用ともいう)を発揮し、換気を促進することができる。より詳細には、使用者の上半身の動きに伴って生じる上着12の動きが、内部空間4内の空気に強制的な流れを生み、取付け孔211およびメッシュ領域521を介した換気を促進する。これにより放熱が促進され、使用者は冷感を得ることができる。このように、本実施形態の上着12によれば、ファンユニット8が使用されない場合でも、より快適な衣服内環境を実現することができる。
[第3実施形態]
以下、図5を参照して、本発明の第3実施形態に係る上着13について説明する。上着13は、表地2とカバー53とを備えた袖なしの上衣であって、裏地は備えていない。上着13の表地2の構成は、第1実施形態の上着11(図1参照)と基本的に同一であり、カバー53の構成はカバー51とは異なっている。
図5に示すように、カバー53は、第1実施形態のカバー51と同様、矩形状に形成されており、左右一対のスライドファスナ61を介して、カバー領域213を覆うように後身頃21に取り付けられる。一方、カバー51とは異なり、カバー53は、カバー53と後身頃21(カバー領域213)との密着を防止する(言い換えると、カバー53と後身頃21との間に隙間を確保する)ように構成されたスペーサ63を有する。本実施形態では、カバー53をアーチ状に保つことが可能な複数のスペーサ63が、上下方向に互いに離間してカバー53に取り付けられている。また、本実施形態では、カバー53には、保水性および通気性を有する生地が採用されている。
以上のようなカバー53の構成により、本実施形態の上着13は、カバー53が取り外された状態でも、カバー53が取り付けられた状態でも、ファンユニット8を好適に使用することができる。具体的には、後身頃21にファンユニット8が取り付けられた状態で、後身頃21にカバー53が取り付けられると(閉状態とされると)、ファンユニット8の吸気部843(吸気口844)(図4参照)とカバー53の間には隙間が形成される。ファン83が回転駆動されると、通気性を有するカバー53のうち、吸気部843に対向する領域を通して、また、カバー53の上端および下端と、カバー領域213の上端および下端との間に夫々形成された開口531、532から、カバー53とカバー領域213の間の空間に流入した外気が、ファンユニット8によって、表地2の内側、つまり、使用者の身体と表地2の間の空間へ送出される。これにより、使用者は冷感を得ることができる。
なお、本実施形態の上着13は、裏地3を備えていない。よって、ファンユニット8が駆動されると、排気口848から、身体のうち最も汗をかきやすいとされている、脊柱に沿った領域に向けて直接外気が送出される。これにより、使用者の身体を効果的に冷却することができる。また、上側の取付け孔211Aは、使用者の首筋に近い位置にある。よって、取付け孔211Aに取り付けられたファンユニット8によって、より迅速に首筋に外気を供給し、冷却効果を高めることができる。
更に、使用者がカバー53に予め水を吸収させておいた場合には、ファンユニット8は、カバー53の通過時に冷却された外気を内部空間4に供給することができる。よって、使用者の冷感をより一層高めることができる。
また、本実施形態では、取付け孔211に取り付けられたファンユニット8の吸気口844には、閉状態にあるカバー53の一部が対向する。これにより、吸気口844から放射される騒音がカバー53の外部へ漏れるのを効果的に抑制することができる。
ファンユニット8が取り外され、カバー53が取り付けられた状態で上着13が着用された場合には、上着13は、ポンピング効果(ふいご作用ともいう)および煙突効果を発揮することができる。より詳細には、使用者の上半身の動きに伴って生じる上着13の動きが、使用者の身体と表地2との間の空気に強制的な流れを生み、取付け孔211を介した換気を促進する。そして、カバー領域213とカバー53との間の空間に放出された空気は、この空間内を上昇し、カバー領域213の上端とカバー53の上端との間に形成された開口531から流出する。このような気流によって放熱が促進され、使用者は冷感を得ることができる。このように、本実施形態の上着13によれば、ファンユニット8が使用されない場合でも、より快適な衣服内環境を実現することができる。
また、例えば、使用者が前傾姿勢でバイクや自転車に乗る場合、カバー領域213の上端とカバー53の上端との間に形成された開口531から外気を取り入れ、取付け孔211から上着13内に導入することも可能となる。
[第4実施形態]
以下、図6を参照して、本発明の第4実施形態に係る上着14について説明する。上着14は、第3実施形態の上着13(図5参照)と同様、表地20とカバー54とを備える一方、裏地は備えていない。但し、上着13の表地20およびカバー54の構成は何れも、上着13の表地2およびカバー53とは異なっている。
図6に示すように、表地20は、前身頃23(図2参照)および後身頃21に加え、袖25を有する長袖の上衣として構成されている。表地20は、難燃性の生地で構成されている。また、表地20は、ファンユニット8用の取付け孔211を1つのみ有する。取付け孔211は、後身頃21の左右方向の中心線上で、使用者が上着14を着用したときに、使用者の背部103(図1参照)に対向する領域(脊柱に対向する領域)に設けられている。より詳細には、取付け孔211は、上着13の上側の取付け孔211A(図5参照)よりも若干下方に配置されており、使用者が上着14を着用すると、取付け孔211の上端部が、使用者の背部103のうち、左右の肩甲骨105(図1参照)の間の領域に対向する。
以上のような取付け孔211の配置により、本実施形態でも、2つの取付け孔211が設けられた上着13と同様、作業時や運動時に、取付け孔211に取り付けられたファンユニット8が腕の動きに干渉しにくい、動きやすい上着14が実現されている。なお、上着14では、腰部101に対向する領域にファンユニット8が配置されないため、上着13に比べ、椅子等に座るときの快適性や、前屈、後屈、側屈時の動きやすさも向上されている。また、上着13と同様、ファンユニット8が遠心力をより受けにくい、激しい動きを伴うスポーツを含む、より広範な分野に好適に使用可能な上着14が実現されている。
また、カバー54は、第3実施形態のカバー53と同様、矩形状に形成されており、左右一対のスライドファスナ61を介して、カバー領域213を覆うように後身頃21に取り付けられる。また、カバー53と同様、カバー54には、カバー54と後身頃21(カバー領域213)との密着を防止するために、複数のスペーサ63が取り付けられている。本実施形態では、カバー54は、吸音性および難燃性を有する生地で構成されている。
更に、カバー54には、カバー54が後身頃21に取り付けられたときに取付け孔211を覆う領域543とは異なる領域544に、開口545が設けられている。なお、本実施形態では、開口545は、左右方向に延びる長穴として構成されており、取付け孔211に対向する領域543よりも上方および下方に、3つずつ設けられている。
以上のようなカバー54の構成により、本実施形態の上着14は、カバー54が取り外された状態でも、カバー54が取り付けられた状態でも、ファンユニット8を好適に使用することができる。具体的には、後身頃21にファンユニット8が取り付けられた状態で、後身頃21にカバー54が取り付けられると(閉状態とされると)、ファンユニット8の吸気部843(吸気口844)とカバー53の間には隙間が形成される。ファン83が回転駆動されると、開口545から、また、カバー54の上端および下端と、カバー領域213の上端および下端との間に夫々形成された開口541、542から、カバー53とカバー領域213の間の空間に流入した外気が、ファンユニット8によって表地2の内側の空間へ送出される。これにより、使用者は冷感を得ることができる。
また、本実施形態では、ファンユニット8に供給される外気を流入させるための開口545が、取付け孔211に対向する領域543から外れた位置(領域544内)に設けられている。よって、ファンユニット8が取付け孔211に取り付けられると、吸気口844は、カバー54の一部(領域543)によって覆われる。これにより、吸気口844から放射される騒音がカバー54の外部へ漏れることを抑制することができる。また、カバー54自体が吸音性を有する生地で構成されているため、更に効果的に騒音を低減することができる。更に、上着14は、難燃性のカバー54によって取付け孔211を覆うことができるため、火気のある場所での作業時等にも好適に使用可能である。
更に、ファンユニット8が取り外され、カバー53が取り付けられた状態で上着14が着用された場合には、上着14は、第3実施形態の上着13と同様、ポンピング効果(ふいご作用ともいう)および煙突効果を発揮することができる。なお、上着14では、カバー領域213とカバー54との間の空間に放出された空気は、開口545、および、カバー領域213の上端とカバー54の上端との間に形成された開口541から流出する。
上記実施形態および変形例の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。上着11~14の各々は、本発明の「衣服」の一例である。ファンユニット8、ファン83、モータ82は、夫々、本発明の「送風装置」、「ファン」、「モータ」の一例である。表地2、20の各々は、本発明の「表地」の一例である。取付け孔211は、本発明の「取付け孔」の一例である。前身頃23、後身頃21は、夫々、本発明の「前身頃」、「後身頃」の一例である。カバー51~54の各々は、本発明の「カバー」の一例である。カバー52のメッシュ領域521を構成するメッシュ地は、本発明の「メッシュ地」の一例である。カバー54のうち、取付け孔211に対向する領域543、領域543以外の領域544、開口545は、夫々、本発明の「第1領域」、「第2領域」、「開口」の一例である。カバー54(吸音性を有する生地)は、本発明の「吸音部材」の一例である。裏地3、内部空間4は、夫々、本発明の「裏地」、「内部空間」の一例である。
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る衣服は、例示された上着11~14の構成に限定されるものではない。例えば、上着11~14の何れかの構成の一部が、上着11~14の他の何れかの構成と入れ替えられてもよい。また、例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す上着11~14の各々と、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
本発明に係る衣服は、必ずしも上着11~14のような前開きの上衣である必要はなく、例えば、被り式の上衣、フード付きの上衣、上衣とズボンがつながった所謂つなぎ服としても好適に実現することができる。なお、衣服の用途は特に限定されるものではなく、例えば、作業着、スポーツウェア、レジャーウェア、消防服、防護服、手術着等として実現されうる。また、表地2、20、裏地3、およびカバー51~54の素材は、上記実施形態で例示されたものに限られず、適宜、変更可能である。
取付け孔211の数は、上記実施形態で例示された1または2に限られるものではない。つまり、取付け孔211は、3つ以上設けられてもよい。また、取付け孔211の配置位置も、適宜、変更されうる。例えば、前身頃が左右に分割されていない場合には、取付け孔211は、前身頃23の左右方向の中心線上(つまり、前身頃23のうち、使用者の身体の正中線に対向する領域)に設けられてもよい。例えば、鳩尾に対向する領域に、取付け孔211が1つ設けられてもよい。この場合、取付け孔211の少なくとも一部は、腰部101(腰椎の周囲の領域)よりも上方の領域(つまり、胸部)に対向するように配置される。また、後身頃21および前身頃23の各々に、少なくとも1つの取付け孔211が設けられていてもよい。
上記実施形態で例示されたファンユニット8では、ハウジング84内にモータ82およびファン83が1つずつ収容されている。しかしながら、ハウジング内に、モータとファンとが複数組(例えば、2つずつ)収容されたファンユニットが採用されてもよい。あるいは、ハウジング内に、1つのモータと、そのモータによって駆動される複数のファンが収容されたファンユニットが収容されてもよい。このような場合、取付け孔211の構成(例えば、大きさや形状)は、採用されるファンユニット(ハウジング)の構成に応じて適宜変更されうる。なお、複数のファンを備えたファンユニットに対応する取付け孔は、複数のファンが上下方向に並ぶようにファンユニットを取り付け可能であることが好ましい。
また、ファンユニット8の表地2、20に対する取付け方法は、上記実施形態の例に限られない。例えば、ハウジング84(筒状部841)およびリング部材89の一方に可撓性を有する係止片が設けられ、他方に係止片が係止可能な凹部が設けられていてもよい。この場合、リング部材89がハウジング84に対して回転軸A1方向に嵌め込まれ、係止片が凹部に係止することで、取付けが完了する。あるいは、ハウジング84(筒状部841)の外周面にL字状のガイド溝が設けられ、リング部材89の内周面にガイド溝に係合可能な突起が設けられていてもよい。この場合、突起がガイド溝内に配置された状態で、リング部材89がハウジング84に対して回転軸A1方向に嵌め込まれ、更に、周方向に回転されることで、取付けが完了する。
更に、第1~第3実施形態では、同一構成を有する取付け孔211が複数設けられる例が挙げられているが、互いに径が異なる取付け孔が複数設けられてもよい。つまり、衣服に取り付けられるファンユニットは、大きさ(典型的にはハウジングの筒状部の径)が異なっていてもよい。使用者の腰部101の左側面および右側面に近い領域に対向するようにファンユニットが配置される従来の衣服では、重心が左または右に偏ると動きにくいため、重量が同じ2つのファンユニットが採用されている。これに対し、使用者の正中線に対向するように複数のファンユニットが配置される場合、ファンユニットの重量が異なっていても、衣服の重心が左または右に偏ることがない。よって、例えば、上側に取り付けられるファンユニットをより大きくし、下側に取り付けられるファンユニットをより小さくしてもよい。この場合、上側のファンユニットによって、冷感を感じやすい首筋に近い領域に送出される風量を増加させつつ、例えば椅子に座るときに下側のファンユニットが邪魔になりにくい衣服を実現することができる。また、左右で大きさが異なるファンユニットが配置される場合に比べ、外観上の違和感も生じにくい。
カバー51~54は、必ずしも設けられなくてもよい。また、カバー51~54が設けられる場合には、カバー51~54は、取付け孔211を覆う閉状態と、取付け孔211を開放する開状態との間で変位可能である限り、適宜、変更が可能である。例えば、カバー51~54は、閉状態において、取付け孔211を含むカバー領域213全体を覆う必要はなく、取付け孔211およびその周縁部のみを覆うカバーが採用されてもよい。スライドファスナ61に代えて、例えば、面ファスナまたはスナップボタンを介して衣服に着脱可能なカバーが採用されてもよい。また、カバーは、衣服から完全に取り外し可能でなくてもよい。つまり、カバーの一部は衣服に固定されていてもよい。例えば、カバー51の下端部が、上着11(後身頃21)の下端部に縫い付けられていてもよい。この場合、上着11の下端部に、カバー51の保持部が設けられていると好ましい。このような保持部として、例えば、巻かれた状態のカバー51を留めるストラップを採用することができる。また、例えば、保持部として、上着11の下端部に、カバー51を収容可能な袋状の収容部が設けられてもよい。
また、例えば、カバー52(図4参照)は、全体がメッシュ地で構成されていてもよい。カバー53、54(図5、図6参照)のスペーサ63は、カバー53、54と後身頃21との密着を防止し、空気が流通可能な隙間を確保可能であればよく、異なる構成のスペーサに変更されてもよい。例えば、後身頃21の外面に交差する方向に突出する少なくとも1つの突起を含むスペーサが採用されてもよい。例えば、スペーサは、複数の突起が設けられたシートとして構成されてもよい。なお、このようなスペーサは、カバーとは別体として構成され、カバーと後身頃21の間に配置されてもよい。カバー54は、その全体が吸音部材(吸音性を有する生地)で構成されているが、その一部に吸音部材が設けられるだけであってもよい。例えば、カバー54の内面(カバー領域213に対向する面)のうち、閉状態において取付け孔211を覆う領域543に、スポンジが貼り付けられていてもよい。また、カバー54の開口545は、メッシュ地で覆われていてもよい。
本発明および上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、単独で、または、上述の実施形態、変形例、もしくは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されてもよい。
[態様1]
前記取付け孔の少なくとも一部は、前記衣服の着用時に前記使用者の背部または胸部に対向する位置に設けられている。
[態様2]
前記取付け孔は、その全体が、前記衣服の着用時に前記腰部よりも上方に配置される位置に設けられている。
[態様3]
前記取付け孔の少なくとも一部は、前記衣服の着用時に前記使用者の背部の上半分領域に対向する位置に設けられている。
[態様4]
前記衣服は、作業着、スポーツウェア、レジャーウェア、消防服、防護服、および手術着のうち何れかである。
[態様5]
前記衣服は、前記内部空間と、前記衣服の内側の空間とを連通する連通口を備えている。
[態様6]
態様5に記載の衣服であって、
前記連通口は、開閉可能に構成されている。
[態様7]
前記送風装置は、前記取付け孔に一部が挿通可能に構成され、前記少なくとも1つのファンと前記少なくとも1つのモータとを収容するハウジングを備えている。
[態様8]
前記衣服は、前記表地と前記カバーとの間に配置され、前記表地と前記カバーとの間に隙間を確保するように構成されたスペーサを更に備えている。
更に、送風装置を着脱可能な衣服において、送風装置が取り付けられていない状態で衣服内に異物が進入するのを抑制することを目的として、以下の態様9、10が構築される。以下の態様9、10は、夫々が独立して、あるいは、上述の実施形態とその変形例、および各請求項に記載された発明の1つまたは複数と組み合わされて採用されうる。
[態様9]
少なくとも1つのファンと少なくとも1つのモータとを備えた送風装置を着脱可能な衣服であって、
前記送風装置を着脱可能に構成された取付け孔を有し、前記衣服の着用時に使用者の胴体を少なくとも覆う表地と、
前記取付け孔を前記表地の外面側から覆う閉状態と、前記取付け孔を前記衣服の外部に露出させる開状態との間で変位可能に構成されたカバーとを備えたことを特徴とする衣服。
本態様の衣服によれば、送風装置の着脱時や、送風装置の稼働時には、カバーを開状態とすることで、着脱作業の効率や送風装置による吸気効率を良好に維持することができる。一方で、送風装置が取り付けられていないときには、カバーを閉状態とすることで、取付け孔を介して衣服の内部に異物が進入するのを抑制することができる。また、カバーを閉状態とすることで、取付け孔が外部に露出して、衣服のデザイン性を損なうのを回避することができる。
[態様10]
前記カバーは、難燃性の生地で構成されている。
この場合、火気のある場所での作業時等にも衣服を好適に使用可能である。
101:腰部
103:背部
105:肩甲骨
11、12、13、14:上着
2、20:表地
21:後身頃
211、211A、211B:取付け孔
212:ファン取付け部
213:カバー領域
23:前身頃
231:スライドファスナ
25:袖
28:ポケット
281:開口
3:裏地
30:縁部
31、33、36:開口
32、34:スライドファスナ
38:ポケット
4:内部空間
51、52、53、54:カバー
521:メッシュ領域
531、532:開口
541、542:開口
543、544:領域
545:開口
61:スライドファスナ
63:スペーサ
8:ファンユニット
81:本体部
82:モータ
821:モータシャフト
83:ファン
84:ハウジング
841:筒状部
843:吸気部
844:吸気口
845:フランジ部
847:排気部
848:排気口
89:リング部材
891:筒状部
893:フランジ部
91:ケーブル
95:バッテリ
96:バッテリホルダ
961:ケーブル
A1:回転軸

Claims (13)

  1. 少なくとも1つのファンと少なくとも1つのモータとを備えた送風装置を着脱可能な衣服であって、
    前記衣服の着用時に使用者の胴体の前面を覆う前身頃と、前記胴体の背面を覆う後身頃とを少なくとも含み、且つ、前記送風装置を着脱可能に構成された取付け孔を有する表地と、
    前記取付け孔を前記表地の外面側から覆う閉状態と、前記取付け孔を前記衣服の外部に露出させる開状態との間で変位可能に構成されたカバーと
    前記表地と前記カバーとの間に配置され、前記表地と前記カバーとの間に隙間を確保するように構成されたスペーサとを備え、
    前記取付け孔は、前記前身頃または前記後身頃の左右方向の中心線上にあり、且つ、その少なくとも一部が、前記衣服の着用時に前記使用者の腰部よりも上方に配置される位置に設けられ、
    前記カバーは、吸音部材を含み、
    前記吸音部材は、スポンジであって、前記カバーが前記閉状態にあるときに前記取付け孔を少なくとも覆うように前記カバーに取り付けられていることを特徴とする衣服。
  2. 少なくとも1つのファンと少なくとも1つのモータとを備えた送風装置を着脱可能な衣服であって、
    前記衣服の着用時に使用者の胴体の前面を覆う前身頃と、前記胴体の背面を覆う後身頃とを少なくとも含み、且つ、前記送風装置を着脱可能に構成された取付け孔を有する表地と、
    前記取付け孔を前記表地の外面側から覆う閉状態と、前記取付け孔を前記衣服の外部に露出させる開状態との間で変位可能に構成されたカバーとを備え、
    前記取付け孔は、前記後身頃の左右方向の中心線上にあり、且つ、その少なくとも一部が、前記衣服の着用時に前記使用者の腰部よりも上方に配置される位置に設けられ、
    前記カバーは、前記閉状態において、前記中心線に沿って、前記後身頃の上端から下端まで上下方向に延在し、左端部および右端部が前記表地と接続されて閉じられ、且つ、少なくとも上端部が開放された状態で、前記取付け孔を覆うように構成されていることを特徴とする衣服。
  3. 請求項に記載の衣服であって、
    前記表地と前記カバーとの間に配置され、前記表地と前記カバーとの間に隙間を確保するように構成されたスペーサを更に備えたことを特徴とする衣服。
  4. 請求項に記載の衣服であって、
    前記取付け孔は、前記後身頃に配置されていることを特徴とする衣服。
  5. 請求項2~4の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記取付け孔の少なくとも一部は、前記衣服の着用時に、前記使用者の前記背面のうち、左右の肩甲骨の間の領域に対向する位置に配置されていることを特徴とする衣服。
  6. 請求項1~5の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記取付け孔は、複数設けられ、
    複数の前記取付け孔のうち少なくとも1つは、その少なくとも一部が、前記衣服の着用時に前記使用者の前記腰部よりも上方に配置される位置に設けられ、
    複数の前記取付け孔はすべて、前記中心線上に設けられていることを特徴とする衣服。
  7. 請求項1~の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記カバーの少なくとも一部は、メッシュ地で構成されていることを特徴とする衣服。
  8. 請求項に記載の衣服であって、
    前記メッシュ地は、前記カバーのうち、前記カバーが前記閉状態にあるときに前記取付け孔を覆う領域に設けられていることを特徴とする衣服。
  9. 請求項1~の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記カバーは、前記カバーが前記閉状態にあるときに前記取付け孔を覆う第1領域と、前記第1領域と異なる第2領域とを含み、
    前記第2領域は、開口を有することを特徴とする衣服。
  10. 請求項1~の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記カバーは、保水性および通気性を有することを特徴とする衣服。
  11. 請求項1~10の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記表地の内面側に取り付けられた裏地と、
    前記表地と前記裏地の間に形成された内部空間とを更に備え、
    前記内部空間は、前記送風装置が前記取付け孔に装着された場合、前記送風装置によって送出された外気が流動可能に構成されていることを特徴とする衣服。
  12. 請求項1~11の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記取付け孔に取り外し可能に装着された前記送風装置を更に備えたことを特徴とする衣服。
  13. 請求項1~12の何れか1つに記載の衣服であって、
    前記送風装置に電力を供給するためのバッテリを更に備えたことを特徴とする衣服。
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