JP7158252B2 - プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置 - Google Patents

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Description

本開示は、プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置に関するものである。
従来、被処理体の温度が0℃以下に維持される低温環境下で、被処理体上のシリコン酸化膜をエッチングする技術がある。
特開2016-122774号公報
本開示は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜に形成されるホール又は溝のベンディングを抑制することができる技術を提供する。
開示するプラズマエッチング方法は、1つの実施態様において、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜をプラズマによりエッチングする第1のエッチング工程と、前記多層膜がエッチングされて形成されるホール又は溝の内側壁のうち、前記シリコン窒化膜に対応する部分の、当該ホール又は当該溝の深さ方向に対する傾斜を減少させる処理条件で、前記多層膜をプラズマによりエッチングする第2のエッチング工程とを含む。
開示するプラズマエッチング方法の1つの態様によれば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜に形成されるホール又は溝のベンディングを抑制することができるという効果が得られる。
図1は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置の一例を示す縦断面図である。 図2は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置によってエッチングされるウェハWの構造の一例を示す図である。 図3は、本実施形態に係るプラズマエッチング方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、ウェハWの温度を変更してONON膜をエッチングした場合のONON膜のエッチングレートの変化を示す図である。 図5は、ウェハWの温度を変更してONON膜をエッチングした場合のマスク選択比の変化を示す図である。 図6は、ウェハWの温度を変更してONON膜をエッチングした場合の変位率の3σの変化を示す図である。 図7は、ウェハの温度を変更して単層のシリコン酸化膜又は単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合の実験結果を示す図である。 図8は、希ガスの流量を変更して混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状の変化を示す図である。 図9は、希ガスの流量、並びに、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更した場合のホールの形状の変化を示す図である。 図10は、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更してONON膜をエッチングした場合のONON膜のエッチングレートの変化を示す図である。 図11は、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更してONON膜をエッチングした場合のマスク選択比の変化を示す図である。 図12は、第2のエッチング工程が開始されるタイミングの詳細を説明するための図である。 図13は、変位量、Top CD及びBtm CDの関係の一例を説明するための図である。 図14は、変位量、Top CD及びBtm CDの関係の一例を説明するための図である。 図15は、希釈ガスの流量を変更して混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状の変化を示す図である。 図16は、ハロゲン含有ガスの流量を変更して混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状の変化を示す図である。
以下に、開示するプラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により開示技術が限定されるものではない。
従来、被処理体の温度が0℃以下に維持される低温環境下で、被処理体上のシリコン酸化膜をエッチングする技術がある。
ところで、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜をエッチングする場合、形成されるホール又は溝が途中で折れ曲がるベンディングが発生する虞がある。例えば、上述の低温環境下で、多層膜をエッチングする場合に、多層膜に形成されるホール又は溝のベンディングの程度が大きくなり、結果として、ホール又は溝の垂直性が低下することが知られている。そこで、多層膜に形成されるホール又は溝のベンディングを抑制することが期待されている。
[プラズマエッチング装置10の構成]
図1は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置10の一例を示す縦断面図である。図1に示すプラズマエッチング装置10は、容量結合型プラズマエッチング装置である。プラズマエッチング装置10は、チャンバ12を備えている。チャンバ12は、略円筒形状を有している。チャンバ12は、その内部空間を処理空間12cとして提供している。チャンバ12は、例えばアルミニウムから形成されている。チャンバ12の内壁面には、耐プラズマ性を有する処理が施されている。例えば、チャンバ12の内壁面には、陽極酸化処理が施されている。チャンバ12は、電気的に接地されている。
また、チャンバ12の側壁には、通路12pが形成されている。被処理体の一例であるウェハWは、処理空間12cに搬入されるとき、また、処理空間12cから搬出されるときに、通路12pを通る。この通路12pは、ゲートバルブ12gにより開閉可能となっている。
チャンバ12の底部上には、支持部13が設けられている。支持部13は、絶縁材料から形成されている。支持部13は、略円筒形状を有している。支持部13は、処理空間12c内において、チャンバ12の底部から鉛直方向に延在している。支持部13は、ステージ14を支持している。ステージ14は、処理空間12c内に設けられている。
ステージ14は、下部電極18及び静電チャック20を有している。ステージ14は、電極プレート16を更に備え得る。電極プレート16は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート16上に設けられている。下部電極18は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート16に電気的に接続されている。
静電チャック20は、下部電極18上に設けられている。静電チャック20の上面の上には、ウェハWが載置される。静電チャック20は、誘電体から形成された本体を有する。静電チャック20の本体内には、膜状の電極が設けられている。静電チャック20の電極は、スイッチを介して直流電源22に接続されている。静電チャック20の電極に直流電源22からの電圧が印加されると、静電チャック20とウェハWとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、ウェハWは静電チャック20に引き付けられ、当該静電チャック20によって保持される。
下部電極18の周縁部上には、ウェハWのエッジを囲むように、フォーカスリングFRが配置される。フォーカスリングFRは、エッチングの均一性を向上させるために設けられている。フォーカスリングFRは、限定されるものではないが、シリコン、炭化シリコン、又は、石英から形成され得る。
下部電極18の内部には、流路18fが設けられている。流路18fには、チャンバ12の外部に設けられているチラーユニット26から配管26aを介して熱交換媒体(例えば冷媒)が供給される。流路18fに供給された熱交換媒体は、配管26bを介してチラーユニット26に戻される。プラズマエッチング装置10では、静電チャック20上に載置されたウェハWの温度が、熱交換媒体と下部電極18との熱交換により、調整される。
プラズマエッチング装置10には、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャック20の上面とウェハWの裏面との間に供給する。
プラズマエッチング装置10は、上部電極30を更に備えている。上部電極30は、ステージ14の上方に設けられている。上部電極30は、部材32を介して、チャンバ12の上部に支持されている。部材32は、絶縁性を有する材料から形成されている。上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34の下面は、処理空間12c側の下面であり、処理空間12cを画成している。天板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から形成され得る。天板34には、複数のガス吐出孔34aが形成されている。複数のガス吐出孔34aは、当該天板34をその板厚方向に貫通している。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から形成され得る。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。ガス拡散室36aからは、複数のガス吐出孔34aにそれぞれ連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。支持体36には、ガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されている。ガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介して、ガスソース群40が接続されている。ガスソース群40は、複数のガスソースを含んでいる。複数のガスソースは、方法MTで利用される処理ガスを構成する複数のガスのソースを含んでいる。バルブ群42は、複数の開閉バルブを含んでいる。流量制御器群44は、複数の流量制御器を含んでいる。複数の流量制御器の各々は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。ガスソース群40の複数のガスソースは、バルブ群42の対応のバルブ、及び、流量制御器群44の対応の流量制御器を介してガス供給管38に接続されている。
プラズマエッチング装置10では、チャンバ12の内壁に沿って、シールド46が着脱自在に設けられている。シールド46は、支持部13の外周にも設けられている。シールド46は、チャンバ12にエッチング副生物が付着することを防止する。シールド46は、例えば、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
支持部13とチャンバ12の側壁との間には、バッフルプレート48が設けられている。バッフルプレート48は、例えば、アルミニウム製の母材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成される。バッフルプレート48には、複数の貫通孔が形成されている。バッフルプレート48の下方、且つ、チャンバ12の底部には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力制御弁、及び、ターボ分子ポンプといった真空ポンプを有している。
プラズマエッチング装置10は、第1の高周波電源62及び第2の高周波電源64を更に備えている。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波を発生する電源である。第1の高周波の周波数は、例えば、27MHz~100MHzの範囲内の周波数である。第1の高周波電源62は、整合器66及び電極プレート16を介して下部電極18に接続されている。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(下部電極18側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。なお、第1の高周波電源62は、整合器66を介して、上部電極30に接続されていてもよい。
第2の高周波電源64は、ウェハWにイオンを引き込むための第2の高周波を発生する電源である。第2の高周波の周波数は、第1の高周波の周波数よりも低い。第2の高周波の周波数は、例えば400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数である。第2の高周波電源64は、整合器68及び電極プレート16を介して下部電極18に接続されている。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極18側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
プラズマエッチング装置10は、直流電源部70を更に備え得る。直流電源部70は、上部電極30に接続されている。直流電源部70は、負の直流電圧を発生し、当該直流電圧を上部電極30に与えることが可能である。
プラズマエッチング装置10は、制御部80を更に備え得る。制御部80は、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり得る。制御部80は、プラズマエッチング装置10の各部を制御する。制御部80では、入力装置を用いて、オペレータがプラズマエッチング装置10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができる。また、制御部80では、表示装置により、プラズマエッチング装置10の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部80の記憶部には、プラズマエッチング装置10で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラム、及び、レシピデータが格納されている。制御部80のプロセッサが制御プログラムを実行して、レシピデータに従ってプラズマエッチング装置10の各部を制御することにより、所望の処理がプラズマエッチング装置10で実行される。
例えば、制御部80は、後述するプラズマエッチング方法を行うようにプラズマエッチング装置10の各部を制御する。詳細な一例を挙げると、制御部80は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜をプラズマによりエッチングする第1のエッチング工程を実行する。そして、制御部80は、多層膜がエッチングされて形成されるホール又は溝の内側壁のうち、シリコン窒化膜に対応する部分の、当該ホール又は当該溝の深さ方向に対する傾斜を減少させる処理条件で、多層膜をプラズマによりエッチングする第2のエッチング工程を実行する。ここで、第1のエッチング工程及び第2のエッチング工程は、例えば、多層膜を有する被処理体の温度が0℃以下に維持される低温環境下で、実行される。また、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程とは、少なくとも1回以上交互に繰り返されても良い。
[ウェハWの構成]
図2は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置10によってエッチングされるウェハWの構造の一例を示す図である。
ウェハWは、例えば図2に示すように、ONON膜202をシリコン基板201上に有する。また、ONON膜202上には、所定パターンの開口を有するフォトレジスト203が形成されている。
ONON膜202は、例えば図2に示すように、シリコン酸化膜211とシリコン窒化膜212とが交互に積層された多層膜である。ONON膜202には、シリコン酸化膜211が例えば5層設けられ、シリコン窒化膜212が例えば5層設けられている。ただし、ONON膜202に含まれるシリコン酸化膜211及びシリコン窒化膜212の積層数はこれに限られず、図2に示した積層数よりも多くても良く、少なくても良い。また、図2では、シリコン基板201上にシリコン酸化膜211が積層され、さらにシリコン酸化膜211上にシリコン窒化膜212が積層されているが、これに限定されない。
[プラズマエッチング方法]
次に、本実施形態に係るプラズマエッチング方法について説明する。図3は、本実施形態に係るプラズマエッチング方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係るプラズマエッチング方法では、まず、被処理体となるウェハWがチャンバ12内に搬入されてステージ14上に載置される。続いて、ステージ14の下部電極18内の流路18fを通流する冷媒の温度が調整されることによって、ステージ14上に載置されたウェハWの温度が0℃以下に維持される。このため、以降の処理(ステップS101及びS102)は、ウェハWの温度が0℃以下に維持される低温環境下で、実行される。
続いて、制御部80は、ONON膜202をプラズマによりエッチングする第1のエッチング工程を実行する(ステップS101)。具体的には、制御部80は、ガスソース群40から処理ガスをチャンバ12内に供給し、フォトレジスト203をマスクとして処理ガスのプラズマによりONON膜202をエッチングする。
制御部80は、例えば以下の処理条件で、ステップS101における第1のエッチング工程を実行する。
チャンバ12内の圧力:3.333Pa(25mTorr)
第1の高周波の電力(40MHz):4.5kW
第2の高周波の電力(400kHz):7kW
処理ガス:H2、CH2F2、NF3及びHBrを含む混合ガス
ウェハの温度:0℃
ここで、ウェハWの温度を変更してONON膜202をエッチングした場合の実験結果について、図4~図6を参照して、説明する。図4は、ウェハWの温度を変更してONON膜202をエッチングした場合のONON膜202のエッチングレートの変化を示す図である。図5は、ウェハWの温度を変更してONON膜202をエッチングした場合のマスク選択比の変化を示す図である。図6は、ウェハWの温度を変更してONON膜202をエッチングした場合の変位率の3σの変化を示す図である。
なお、図5において、マスク選択比は、ONON膜202のエッチングレートをフォトレジスト203のエッチングレートで除算して得られる値である。マスク選択比は、その値が大きいほど、エッチング後におけるフォトレジスト203の残量が多いことを表し、その値が小さいほど、エッチング後におけるフォトレジスト203の残量が少ないことを表す。
また、図6において、変位率は、以下の式(1)で表される。
変位率(%)=(Q-P)/P×100 ・・・ (1)
式(1)において、Pは、初期のフォトレジスト203における隣り合う2つの開口の中心間の距離であり、Qは、これら2つの開口の下方でエッチングによりONON膜202に形成された2つのホールの底部の中心間の距離である。また、変位率の3σは、変位率の標準偏差σの3倍の値である。変位率の3σは、その値が大きいほど、ホールのベンディングの程度が大きいことを表し、その値が小さいほど、ホールのベンディングの程度が小さいことを表す。
図4及び図5を参照すると、ウェハWの温度の低下に伴って、ONON膜202のエッチングレート及びマスク選択比が上昇することが分かる。これに対して、図6を参照すると、ウェハWの温度の低下に伴って、変位率の3σが上がることが分かる。すなわち、ウェハWの温度の低下に伴って、ホールのベンディングの程度が大きくなり、その結果、ホールの垂直性が低下することが確認された。本願の発明者は、ONON膜202に形成されるホールの垂直性が低下する原因を究明するために、ウェハの温度を変更して単層のシリコン酸化膜又は単層のシリコン窒化膜をエッチングする実験を行った。この実験では、単層のシリコン酸化膜又は単層のシリコン窒化膜を有するウェハが用いられた。
図7は、ウェハの温度を変更して単層のシリコン酸化膜又は単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合の実験結果を示す図である。図7では、ウェハの温度を-20℃、0℃又は65℃に変更してエッチングを行った場合の単層のシリコン酸化膜(SiO)及び単層のシリコン窒化膜(SiN)の夫々の断面が示されている。
図7に示した実験結果を参照すると、単層のシリコン酸化膜に形成されるホールの断面形状は、ウェハの温度に関わらず、略矩形状となった。これに対して、単層のシリコン窒化膜に形成されるホールの断面形状は、ウェハの温度が0℃以下に維持される低温環境下では、先細り形状となった。言い換えると、ウェハの温度が0℃以下に維持される低温環境下では、単層のシリコン窒化膜に形成されるホールの内側壁に、大きな傾斜が発生した。図7に示した実験結果から、ONON膜202に形成されるホールの内側壁のうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜が、当該ホールの垂直性の低下を引き起こす要因となることが確認された。すなわち、ONON膜202に形成されるホールの内側壁のうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜が残存する状態で、ONON膜202のエッチングが進行すると、ホールのベンディングの程度が大きくなる可能性があることが分かった。
図3の説明に戻る。続いて、制御部80は、ONON膜202がエッチングされて形成されるホールの内側壁のうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜を減少させる処理条件で、ONON膜202をプラズマによりエッチングする第2のエッチング工程を実行する(ステップS102)。具体的には、制御部80は、ガスソース群40から処理ガスをチャンバ12内に供給し、フォトレジスト203をマスクとして処理ガスのプラズマによりONON膜202をエッチングする。第2のエッチング工程に適用される処理条件では、処理ガスとして、例えば、水素含有ガスとフッ素含有ガスとを含む混合ガスが用いられる。水素含有ガスとしては、例えば、H2ガスや、CH4ガス、C2H6ガス、C2H2ガス、C3H6ガス等の炭化水素ガスが用いられる。フッ素含有ガスとしては、例えば、CF4ガス、NF3ガス、SF6ガス、CHF3ガス、CH2F2ガス、C4F8ガス、HFガス、F2ガス等が用いられる。また、混合ガスは、希ガスを含んでも良い。希ガスとしては、例えば、Arガス、Heガス、Neガス、Krガス、Xeガス等が用いられる。
また、混合ガスが希ガスを含む場合、混合ガスにおいて、水素含有ガスの流量、フッ素含有ガスの流量及び希ガスの流量の合計に対する希ガスの流量の比は、33%以上であることが好ましい。また、混合ガスが希ガスを含む場合、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比は、25%~90%の範囲内であることが好ましい。
また、第2のエッチング工程は、第1のエッチング工程で形成されるホールの開口部の中心位置を通り且つ当該ホールの深さ方向に延伸する基準軸に対する、当該ホールの底部の中心位置の変位の変位量に基づき決定されるタイミングで、開始される。
また、混合ガスは、希ガスに代えて、希釈ガス(dilution gas)を含んでも良い。希釈ガスは、例えば、窒素含有ガス、酸素含有ガス及び希ガスのうち少なくともいずれか一つである。窒素含有ガスとしては、例えば、N2ガス等が用いられる。酸素含有ガスとしては、例えば、COガス、CO2ガス、O2ガス等が用いられる。希ガスとしては、例えば、Arガス、Heガス、Neガス、Krガス、Xeガス等が用いられる。なお、希釈ガスとして、種類が異なる複数の希ガスが用いられても良い。
また、混合ガスは、希ガスに代えて、フッ素以外のハロゲンを少なくとも含むガスを含んでも良い。フッ素以外のハロゲンを少なくとも含むガスは、フッ素以外のハロゲンを含んでいれば良く、フッ素以外のハロゲン及びフッ素を含むガスであっても良い。フッ素以外のハロゲンを少なくとも含むガスとしては、例えば、HBrガス、Cl2ガス、HClガス、HIガス、SiCl4ガス、CF3Iガス、ClF3ガス、CF2Br2ガス、CCl4ガス等が用いられる。
制御部80は、例えば以下の処理条件で、ステップS102における第2のエッチング工程を実行する。
チャンバ12内の圧力:3.333Pa(25mTorr)
第1の高周波の電力(40MHz):4.5kW
第2の高周波の電力(400kHz):7kW
処理ガス:H2/CF4/Ar
ウェハの温度:0℃
[希ガスの添加とホールの形状との関係]
ここで、水素含有ガスとフッ素含有ガスと希ガスとを含む混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状について実験を行った。実験では、水素含有ガスとして、H2ガスを用い、フッ素含有ガスとして、CF4ガスを用い、希ガスとして、Arガス又はHeガスを用い、且つ希ガスの流量を変更した。図8は、希ガスの流量を変更して混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状の変化を示す図である。なお、流量条件の間で比較するため、各々の流量条件においてエッチングされたシリコン窒化膜の深さは一定(1100nm)に揃えている。
図8において、「Top CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの開口部の幅を示し、「Btm CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの底部の幅を示す。また、「Btm CD/Top CD」は、「Top CD」に対する「Btm CD」の比(%)を示す。「Btm CD/Top CD」は、その値が100%に近くなるほど、ホールの断面形状が矩形状に近づくことを表し、その値が小さいほど、ホールの断面形状が先細り形状に近づくことを表す。
また、図8の実験では、希ガスの流量以外は、主に以下の条件で行われた。
チャンバ12内の圧力:3.333Pa(25mTorr)
第1の高周波の電力(40MHz):4.5kW
第2の高周波の電力(400kHz):7kW
処理ガス及び流量:H2/CF4/Ar又はHe
=150/50/0、100、200、400sccm
ウェハの温度:0℃
エッチングされたシリコン窒化膜の深さ:1100nm
図8に示した実験結果を参照すると、混合ガスにおける希ガスの添加量の増加に伴って、「Btm CD/Top CD」の値が大きくなり、ホールの断面形状が矩形状に近づいた。言い換えると、混合ガスにおける希ガスの添加量の増加に伴って、ホールの内側壁における傾斜が減少した。図8に示した実験結果から、混合ガスに希ガスが添加されることによって、ONON膜202に形成されるホールのうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜を減少させることができることが確認された。
[希ガスの流量とホールの形状との関係]
次に、希ガスの流量、並びに、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更した場合のホールの形状について実験を行った。実験では、水素含有ガスとして、H2ガスを用い、フッ素含有ガスとして、CF4ガスを用い、希ガスとして、Arガス又はHeガスを用い、且つ希ガスの流量を変更した。さらに、実験では、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更した。図9は、希ガスの流量、並びに、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更した場合のホールの形状の変化を示す図である。なお、流量条件の間で比較するため、各々の流量条件においてエッチングされたシリコン窒化膜の深さは一定(1100nm)に揃えている。
図9において、「Top CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの開口部の幅を示し、「Btm CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの底部の幅を示す。また、「Btm CD/Top CD」は、「Top CD」に対する「Btm CD」の比(%)を示す。「Btm CD/Top CD」は、その値が100%に近くなるほど、ホールの断面形状が矩形状に近づくことを表し、その値が0%に近くなるほど、ホールの断面形状が先細り形状に近づくことを表す。また、「H2/(H2+CF4)」は、H2ガスの流量及びCF4ガスの流量の合計に対するH2ガスの流量の比(%)を表す。
また、図9の実験では、希ガスの流量、並びに、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比以外は、主に以下の条件で行われた。
チャンバ12内の圧力:3.333Pa(25mTorr)
第1の高周波の電力(40MHz):4.5kW
第2の高周波の電力(400kHz):7kW
処理ガス及び流量:H2/CF4/Ar
=50、100、150、180/150、100、50、20/0、100(H2ガスの流量、CF4ガスの流量及びArガスの流量の合計を100%とした場合における33%)、200(H2ガスの流量、CF4ガスの流量及びArガスの流量の合計を100%とした場合における50%)、400sccm(H2ガスの流量、CF4ガスの流量及びArガスの流量の合計を100%とした場合における66%)
ウェハの温度:0℃
エッチングされたシリコン窒化膜の深さ:1100nm
図9に示した実験結果を参照すると、Arガスの流量が0である場合、「H2/(H2+CF4)」が50%~75%である範囲において、「Btm CD/Top CD」の値が0%となり、ホールの断面形状が先細り形状となった。
これに対して、H2ガスの流量、CF4ガスの流量及びArガスの流量の合計に対するArガスの流量が33%以上である場合、「H2/(H2+CF4)」に関わらず、「Btm CD/Top CD」の値が0%より大きく、ホールの断面形状が矩形状に近づいた。その結果、H2ガスの流量、CF4ガスの流量及びArガスの流量の合計に対するArガスの流量が33%以上である場合、ONON膜202に形成されるホールのうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜を減少させることができることが確認された。
[水素含有ガスの流量と、ONON膜202のエッチングレート及びマスク選択比との関係]
次に、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更してONON膜202をエッチングした場合の実験結果について、図10及び図11を参照して、説明する。図10は、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更してONON膜202をエッチングした場合のONON膜202のエッチングレートの変化を示す図である。図11は、水素含有ガスの流量及びフッ素含有ガスの流量の合計に対する水素含有ガスの流量の比を変更してONON膜202をエッチングした場合のマスク選択比の変化を示す図である。
なお、図10及び図11の実験では、水素含有ガスとして、H2ガスを用い、フッ素含有ガスとして、CF4ガスを用い、希ガスとして、Arガスを用いた。また、図10及び図11において、「H2/(H2+CF4)」は、H2ガスの流量及びCF4ガスの流量の合計に対するH2ガスの流量の比(%)を表す。また、図11において、マスク選択比は、ONON膜202のエッチングレートをフォトレジスト203のエッチングレートで除算して得られる値である。マスク選択比は、その値が大きいほど、エッチング後におけるフォトレジスト203の残量が多いことを表し、その値が小さいほど、エッチング後におけるフォトレジスト203の残量が少ないことを表す。
また、図10及び図11の実験では、H2ガスの流量及びCF4ガスの流量以外は、主に以下の条件で行われた。
チャンバ12内の圧力:3.333Pa(25mTorr)
第1の高周波の電力(40MHz):4.5kW
第2の高周波の電力(400kHz):7kW
処理ガス及び流量:H2/CF4/Ar
=50、100、150、180/150、100、50、20/0、200sccm
ウェハの温度:0℃
図10及び図11を参照すると、「H2/(H2+CF4)」が25%~90%の範囲内である場合、Arガスが添加された場合であっても、ONON膜202のエッチングレート及びマスク選択比が比較的に高い値に維持されることが分かる。
[第2のエッチング工程が開始されるタイミング]
ここで、第2のエッチング工程が開始されるタイミングについて、更に詳細に説明する。図12は、第2のエッチング工程が開始されるタイミングの詳細を説明するための図である。
図12において、「ホールの深さ」は、第1のエッチング工程でONON膜202に形成されるホールの深さ(nm)を表す。「Top CD」は、第1のエッチング工程でONON膜202に形成されるホールの開口部の幅(nm)を示し、「Top CD - Btm CD」は、「Top CD」と「Btm CD」との差分を示す。「変位量の3σ」は、第1のエッチング工程で形成されるホールの開口部の中心位置を通り且つ当該ホールの深さ方向に延伸する基準軸に対する、当該ホールの底部の中心位置の変位量の3σを示す。図12において、「変位量の3σ」は、実線で表される。
また、「変位量」は、例えば以下の式(2)で求められる。
変位量(nm)=Q-P ・・・ (2)
式(2)において、Pは、初期のフォトレジスト203における隣り合う2つの開口の中心間の距離であり、Qは、これら2つの開口の下方でエッチングによりONON膜202に形成された2つのホールの底部の中心間の距離である。また、変位量の3σは、変位量の標準偏差σの3倍の値である。
本実施形態では、第2のエッチング工程は、第1のエッチング工程で形成されるホールの開口部の中心位置を通り且つ当該ホールの深さ方向に延伸する基準軸に対する、当該ホールの底部の中心位置の変位の変位量に基づき決定されるタイミングで、開始される。例えば、第2のエッチング工程が開始されるタイミングは、図12に示すように、変位量の3σが「Top CD - Btm CD」の1/2倍以下となるタイミングである。
図13及び図14は、変位量、ToP CD及びBtm CDの関係の一例を説明するための図である。変位量の3σが「Top CD - Btm CD」の1/2倍を超える場合、ONON膜202に形成されるホールは、図13に示すように、途中で折れ曲がる。
これに対して、変位量の3σが「Top CD - Btm CD」の1/2倍以下である場合、ONON膜202に形成されるホールの折れ曲がりは、図14に示すように、図13に示すホールの折れ曲がりと比較して、抑制される。すなわち、図13及び図14を参照すると、第2のエッチング工程が、変位量の3σが「Top CD - Btm CD」の1/2倍以下となるタイミングで開始されることにより、ONON膜202に形成されるホールのベンディングが抑制されることが分かる。
[希釈ガスの添加とホールの形状との関係]
ここで、水素含有ガスとフッ素含有ガスと希釈ガスとを含む混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状について実験を行った。実験では、水素含有ガスとして、H2ガスを用い、フッ素含有ガスとして、CF4ガスを用い、希釈ガスとして、N2ガス、COガス、Arガス又はHeガスを用い、且つ希釈ガスの流量を変更した。図15は、希釈ガスの流量を変更して混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状の変化を示す図である。なお、流量条件の間で比較するため、各々の流量条件においてエッチングされたシリコン窒化膜の深さは一定(1100nm)に揃えている。
図15において、「Top CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの開口部の幅を示し、「Btm CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの底部の幅を示す。また、「Btm CD/Top CD」は、「Top CD」に対する「Btm CD」の比(%)を示す。「Btm CD/Top CD」は、その値が100%に近くなるほど、ホールの断面形状が矩形状に近づくことを表し、その値が小さいほど、ホールの断面形状が先細り形状に近づくことを表す。
また、図15の実験では、希釈ガスの流量以外は、主に以下の条件で行われた。
チャンバ12内の圧力:3.333Pa(25mTorr)
第1の高周波の電力(40MHz):4.5kW
第2の高周波の電力(400kHz):7kW
処理ガス及び流量:H2/CF4/N2
=150/50/0、20、40、100sccm
又は
H2/CF4/CO
=150/50/0、100、200、400sccm
又は
H2/CF4/Ar
=150/50/0、100、200、400sccm
又は
H2/CF4/He
=150/50/0、100、200、400sccm
ウェハの温度:0℃
エッチングされたシリコン窒化膜の深さ:1100nm
図15に示した実験結果を参照すると、混合ガスにおける希釈ガスの添加量の増加に伴って、「Btm CD/Top CD」の値が大きくなり、ホールの断面形状が矩形状に近づいた。言い換えると、混合ガスにおける希釈ガスの添加量の増加に伴って、ホールの内側壁における傾斜が減少した。図15に示した実験結果から、混合ガスに希釈ガスが添加されることによって、ONON膜202に形成されるホールのうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜を減少させることができることが確認された。
[フッ素以外のハロゲンを少なくとも含むガスの添加とホールの形状との関係]
ここで、水素含有ガスとフッ素含有ガスとフッ素以外のハロゲンを少なくとも含むガス(以下単に「ハロゲン含有ガス」と呼ぶ)とを含む混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状について実験を行った。実験では、水素含有ガスとして、H2ガスを用い、フッ素含有ガスとして、CF4ガスを用い、ハロゲン含有ガスとして、HBrガス又はCl2ガスを用い、且つハロゲン含有ガスの流量を変更した。図16は、ハロゲン含有ガスの流量を変更して混合ガスのプラズマにより単層のシリコン窒化膜をエッチングした場合のホールの形状の変化を示す図である。なお、流量条件の間で比較するため、各々の流量条件においてエッチングされたシリコン窒化膜の深さは一定(1100nm)に揃えている。
図16において、「Top CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの開口部の幅を示し、「Btm CD」は、単層のシリコン窒化膜に形成されたホールの底部の幅を示す。また、「Btm CD/Top CD」は、「Top CD」に対する「Btm CD」の比(%)を示す。「Btm CD/Top CD」は、その値が100%に近くなるほど、ホールの断面形状が矩形状に近づくことを表し、その値が小さいほど、ホールの断面形状が先細り形状に近づくことを表す。
また、図16の実験では、ハロゲン含有ガスの流量以外は、主に以下の条件で行われた。
チャンバ12内の圧力:3.333Pa(25mTorr)
第1の高周波の電力(40MHz):4.5kW
第2の高周波の電力(400kHz):7kW
処理ガス及び流量:H2/CF4/HBr
=150/50/0、20、40sccm
又は
H2/CF4/Cl2
=150/50/0、20、40sccm
ウェハの温度:0℃
エッチングされたシリコン窒化膜の深さ:1100nm
図16に示した実験結果を参照すると、混合ガスにおけるハロゲン含有ガスの添加量の増加に伴って、「Btm CD/Top CD」の値が大きくなり、ホールの断面形状が矩形状に近づいた。言い換えると、混合ガスにおけるハロゲン含有ガスの添加量の増加に伴って、ホールの内側壁における傾斜が減少した。図16に示した実験結果から、混合ガスにハロゲン含有ガスが添加されることによって、ONON膜202に形成されるホールのうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜を減少させることができることが確認された。
また、図16に示した実験結果と図15に示した実験結果とを比較すると、以下の点が確認された。すなわち、混合ガスにハロゲン含有ガスが添加される場合、混合ガスに希釈ガスが添加される場合と比較して、少ないガス流量で、ホールの断面形状を矩形状に近づけることができることが確認された。これは、混合ガスにハロゲン含有ガスが添加される場合、ホールの内側壁において、ホールの断面形状が先細り形状に近づく要因の一つである反応生成物の堆積量が減少するためであると考えられる。もしくは、ホールの内側壁に付着した反応生成物がハロゲン含有ガスに含まれるハロゲンよって低減又は除去されたためであると考えられる。
図3の説明に戻る。続いて、制御部80は、第1のエッチング工程及び第2のエッチング工程の繰り返し回数が所定回数に到達したか否かを判定する(ステップS103)。制御部80は、第1のエッチング工程及び第2のエッチング工程の繰り返し回数が所定回数に到達していない場合(ステップS103No)、処理をステップS101に戻す。これにより、第1のエッチング工程(ステップS101)と第2のエッチング工程(ステップS102)とが、少なくとも1回以上交互に繰り返される。一方、制御部80は、第1のエッチング工程及び第2のエッチング工程の繰り返し回数が所定回数に到達した場合(ステップS103Yes)、処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、ONON膜202を途中までエッチングし、ONON膜202に形成されるホールの内側壁のうち、シリコン窒化膜212に対応する部分の、当該ホールの深さ方向に対する傾斜を減少させる処理条件で、ONON膜202をエッチングする。これにより、ONON膜202に形成されるホールの垂直性の低下を引き起こす要因となる傾斜を減少させつつ、ONON膜202のエッチングを進行させることができる。結果として、ONON膜202に形成されるホールのベンディングを抑制することができる。
なお、開示の技術は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、ONON膜202にエッチングによりホールを形成する場合を例に説明したが、ONON膜202にエッチングにより溝を形成しても良い。
また、上記実施形態では、第2のエッチング工程が開始されるタイミングは、変位量が「Top CD - Btm CD」の1/2倍以下となるタイミングである場合を例に説明したが、開示の技術は、これに限られない。例えば、第2のエッチング工程が開始されるタイミングは、変位量が予め定められた量(例えば10nm)以下となるタイミングであっても良い。
10 プラズマエッチング装置
12 チャンバ
14 ステージ
30 上部電極
40 ガスソース群
50 排気装置
62 第1の高周波電源
64 第2の高周波電源
80 制御部
201 シリコン基板
202 ONON膜
203 フォトレジスト
211 シリコン酸化膜
212 シリコン窒化膜

Claims (13)

  1. シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜をプラズマによりエッチングする第1のエッチング工程と、
    前記多層膜がエッチングされて形成されるホール又は溝の内側壁のうち、前記シリコン窒化膜に対応する部分の、当該ホール又は当該溝の深さ方向に対する傾斜を減少させる処理条件で、前記多層膜をプラズマによりエッチングする第2のエッチング工程と
    を含み、
    前記第2のエッチング工程は、前記第1のエッチング工程で形成される前記ホール又は前記溝の開口部の中心位置を通り且つ当該ホール又は当該溝の深さ方向に延伸する基準軸に対する、当該ホール又は当該溝の底部の中心位置の変位の変位量に基づき決定されるタイミングで、開始される
    ことを特徴とするプラズマエッチング方法。
  2. 前記第1のエッチング工程及び前記第2のエッチング工程は、前記多層膜を有する被処理体の温度が0℃以下に維持される低温環境下で、実行されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング方法。
  3. 前記第2のエッチング工程が開始されるタイミングは、前記変位量の3σが前記ホール又は前記溝の開口部の幅と前記ホール又は前記溝の底部の幅との差分の1/2倍以上となるタイミングであることを特徴とする請求項に記載のプラズマエッチング方法。
  4. 前記第2のエッチング工程が開始されるタイミングは、前記変位量の3σが10nm以上となるタイミングであることを特徴とする請求項に記載のプラズマエッチング方法。
  5. 前記第1のエッチング工程と前記第2のエッチング工程とは、少なくとも1回以上交互に繰り返されることを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載のプラズマエッチング方法。
  6. 前記処理条件では、水素含有ガスとフッ素含有ガスとを含む混合ガスが用いられることを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載のプラズマエッチング方法。
  7. 前記混合ガスは、希ガスを更に含むことを特徴とする請求項に記載のプラズマエッチング方法。
  8. 前記水素含有ガスの流量、前記フッ素含有ガスの流量及び前記希ガスの流量の合計に対する前記希ガスの流量の比は、33%以上であることを特徴とする請求項に記載のプラズマエッチング方法。
  9. 前記水素含有ガスの流量及び前記フッ素含有ガスの流量の合計に対する前記水素含有ガスの流量の比は、25%~90%の範囲内であることを特徴とする請求項又はに記載のプラズマエッチング方法。
  10. 前記混合ガスは、希釈ガス(dilution gas)を更に含むことを特徴とする請求項に記載のプラズマエッチング方法。
  11. 前記希釈ガスは、窒素含有ガス、酸素含有ガス及び希ガスのうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項10に記載のプラズマエッチング方法。
  12. 前記混合ガスは、フッ素以外のハロゲンを少なくとも含むガスを更に含むことを特徴とする請求項に記載のプラズマエッチング方法。
  13. チャンバと、
    前記チャンバの内部を減圧するための排気部と、
    前記チャンバの内部に処理ガスを供給するためのガス供給部と、
    シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜をプラズマによりエッチングする第1のエッチング工程と、前記多層膜がエッチングされて得られる溝又はホールの内側壁のうち、前記シリコン窒化膜に対応する部分の、当該ホール又は当該溝の深さ方向に対する傾斜を減少させる処理条件で、前記多層膜をプラズマによりエッチングする第2のエッチング工程とを実行する制御部と
    を備え
    前記第2のエッチング工程は、前記第1のエッチング工程で形成される前記ホール又は前記溝の開口部の中心位置を通り且つ当該ホール又は当該溝の深さ方向に延伸する基準軸に対する、当該ホール又は当該溝の底部の中心位置の変位の変位量に基づき決定されるタイミングで、開始される
    ことを特徴とするプラズマエッチング装置。
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