以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における自動運転車駐車システムの一例の概略平面図である。この駐車システムは、駐車設備制御装置1を有する駐車設備(全体は不図示)と、例えば入庫車両(自動運転車2a)が停車して利用者が降車する降車領域101aと、出庫車両(自動運転車2b)が停車して利用者が乗車する乗車領域101bと、降車領域101a,乗車領域101bとつながる駐車設備区画領域102a,102bと、降車領域101a及び乗車領域101bに面する利用者の待合い領域103と、待合い領域103内に設けられた設置端末3などを有する。降車領域101a及び乗車領域101bは、例えば、外部の一般道路100につながっている。
また、降車領域101aと駐車設備区画領域102aとの間に降車側進入阻止手段6aが設けられている。これらの進入阻止手段6a,6bは、降車,乗車領域101a,101bから駐車設備区画領域102a,102bへの人及び車両の進入を阻止する手段であり、例えばバーゲート、チェーンゲート等でもよい。また、駐車設備区画領域102a,102bが建物内となる場合には、進入阻止手段6a,6bは、建物の入出口に設けられるアップドア、スライドドアでもよい。
また、待合い領域103は、駐車設備を利用する利用者の待合い室でもあり、降車領域101aに面する利用者の出入口に開閉可能な降車側間仕切り手段(第1の間仕切り手段)5aが設けられ、乗車領域101bに面する利用者の出入口に開閉可能な乗車側間仕切り手段(第2の間仕切り手段)5bが設けられている。これらの間仕切り手段5a,5bは、降車,乗車領域101a,101bと待合い領域103との間の人の往来を制限できる開閉可能な手段であり、例えば自動ドア等で構成されて、開閉ロック機構を備えている。なお、図1では、降車,乗車領域101a,101bと待合い領域103との間に隙間が設けられているが、この隙間は無くてもよく、間仕切り手段5a,5bは、降車,乗車領域101a,101bと待合い領域103との間に設けられていると言える。また、待合い領域103には、駐車システム外の例えば一般道路100に連通する手動ドア9が設けられている。
さらに、図1の駐車システムには、降車領域101aを撮影する監視カメラである降車側カメラ7aと、乗車領域101bを撮影する監視カメラである乗車側カメラ7bとを備えている。
なお、本例では、設置端末3が待合い領域103に1つだけ設けられているが、複数設けられてあってもよい。また、本例では、1つの待合い領域103を、入庫利用者と出庫利用者との共用スペース(共通の待合い室)と使用しているが、入庫利用者用と出庫利用者用と別々に2つの待合い領域(降車領域101aに面する降車用待合い領域と、乗車領域101bに面する乗車用待合い領域)を設け、各待合い領域に設置端末3を設けるようにしてもよい。
図2は、図1に示す自動運転車駐車システムの概略を示すブロック図である。
駐車設備制御装置1は、前述の間仕切り手段5a,5b及び進入阻止手段6a,6bを制御するとともに機械式駐車設備等の駐車設備を制御するための制御装置である。また、駐車設備制御装置1には、外部と無線通信可能な通信部11、認証発行部(認証情報の生成部)12、認証照合部13及び認証記憶部14等を有している。なお、駐車設備制御装置1は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
設置端末3は、利用者が駐車設備を利用する時(例えば入庫時及び出庫時)に操作する操作端末であり、外部と無線通信可能な通信部31、各種操作ボタン32~35、カードリーダ36、及びモニタ(ディスプレイ)37等を備えている。カメラ7a,7bで撮影される映像は、リアルタイムでモニタ37に表示することができる。なお、各カメラ7a,7bの個数は特に限定されるものではなく、図1では2個ずつ設置された例が示されている。
自動運転車2は、外部と無線通信可能な通信部21及び自動運転制御部22等を有する車両制御装置20を備えている。自動運転制御部22には、車両を自動走行(自律走行)させる機能が備えられている。
駐車設備制御装置1と設置端末3とは、各々の通信部11,31によって互いに無線通信が可能に構成されている。また、駐車設備制御装置1と自動運転車2(車両制御装置20)とは、各々の通信部11,21によって互いに無線通信が可能に構成されている。なお、図2では、送受信される信号及び情報の一例が示されているが、全ての信号及び情報が示されているわけではない。
次に、図1に示す自動運転車駐車システムの駐車設備に自動運転車を入庫(駐車)する際の操作及び動作の一例を説明する。図3は、自動運転車駐車システムの駐車設備に自動運転車を入庫する際の操作及び動作の一例を示すフローチャートである。
降車側間仕切り手段5aは、閉じた状態で、かつその開閉ロック機構はロックされた状態である。
駐車設備に入庫する際、利用者は、自動運転車2(2a)を手動運転または自動運転によって一般道路100から降車領域101aにまで来て停車させる(ステップS1)。次に利用者は、自動運転車2に搭載された例えば操作パネル等を操作して、自動運転車2(車両制御装置20)を駐車待機モードに切り替える(ステップS2)。車両制御装置20は、駐車待機モードに切り替えられると、予め記憶している車両固有のID(車両ID)を駐車設備制御装置1へ送信する(ステップS3)。車両IDの送信は、駐車設備制御装置1から送信される問合せ信号を車両制御装置20が受信したときに行われるようにしてもよい。
そして、駐車設備制御装置1は、ステップS4で車両IDを受信する。
その後、利用者は降車して待合い領域103へ移動しようとする。この際、駐車設備制御装置1は、間仕切り手段5aの降車領域101a側に設けられた人検知センサ(図示せず)が間仕切り手段5aに接近する人を検知すると、降車側間仕切り手段5aの開閉ロック機構のロックを解除して間仕切り手段5aを開き、ロック解除状態を保持する(ステップS5)。そして、利用者は待合い領域103へ移動する(ステップS6)。人検知センサは、光電センサ等の人を検知できるものであればよい。また、人検知センサに代えて、間仕切り手段5aである自動ドアの降車領域101a側に操作ボタンが設けられてその操作ボタンが押し下げられることにより、間仕切り手段5aに近づく人を検知するようにしてもよい。本例では、駐車設備が車両IDを受信(ステップS4)するまでは、人検知センサや操作ボタンの押し下げにより近づく人が検知されても、ロックは解除されない。
次に、利用者は待合い領域103内で、設置端末3の発券ボタン32を押下すると(ステップS7)、設置端末3から磁気カードが発券される(ステップS8)。このとき、設置端末3の発券ボタン32が押下されると、駐車設備制御装置1は、設置端末3からその発券信号を受け、ステップS4で受信した車両ID(自動運転車の識別情報)と利用者個別の情報(利用者の識別情報)とが紐づけられてなる認証情報を発行(生成)する(認証発行部12の機能)。ここで、利用者個別の情報は、認証発行部12が利用者に適宜付与する情報である(例えば、乱数などのランダムに生成される数字でもよい)。認証発行部12で発行された認証情報は設置端末3へ送信され、設置端末3で上記認証情報を記憶させた磁気カードを発券する。
利用者は磁気カードを受け取ると、設置端末3は、降車側カメラ7aで撮影される降車領域101aの映像をモニタ37に表示し(ステップS9)、さらに降車領域の無人を確認して安全確認ボタンを押下することの利用者への指示をモニタ37に表示する(ステップS10)。なお、降車領域101aの無人の確認は、利用者が降車領域101aを直接目視して行うようにしてもよい。
次に、利用者によって安全確認ボタン33の押下があれば(ステップS11でYes)、設置端末3は、降車領域内が無人であることを示す第1の無人信号を駐車設備制御装置1へ送信して、自動運転起動指示操作可能状態に遷移し、入庫起動ボタン34の押下の指示をモニタ37に表示する(ステップS12)。
次に、設置端末3は、入庫起動ボタン34の押下の有無を判定し(ステップS13)、押下が所定時間無ければタイムオーバー(ステップS14でYes)となってステップS10へ戻る。タイムオーバーとならずに入庫起動ボタン34の押下があれば、入庫起動信号(第1の自動運転起動指示信号)を駐車設備制御装置1へ送信する。
駐車設備制御装置1は、入庫起動信号を受信すると、先に発行した認証情報を認証記憶部14に記憶し(ステップS15)、間仕切り手段5aを閉じてその開閉ロック機構をロックする(ステップS16)。この段階では、待合い領域103側から間仕切り手段5aへの人の接近や操作によってロックは解除されないが、万一降車領域101aに人が居た場合に備えて、降車領域101a側からの人の接近や操作に対してはロックが解除されるようにすることができる。
続いて、駐車設備制御装置1は、降車側進入阻止手段6aを開く(ステップS17)。このとき、駐車設備が機械式駐車設備である場合には、例えば入庫車用の空パレットの呼び出し(エレベータ式の機械式駐車設備の場合)等の入庫のための機械動作を開始してもよい。
さらに続いて、駐車設備制御装置1は、自動運転起動信号(第1の自動運転起動信号)を車両制御装置20へ送信する(ステップS18)。
車両制御装置20は、自動運転起動信号を受信すると(ステップS19)、自動運転車2は、自動運転制御部22の制御による自動運転を開始して駐車設備区画領域102aへ進入し(ステップS20)、駐車設備の所定場所(駐車場所または機械式駐車設備の入出庫部)まで走行して駐車(停車)する。
そして、駐車設備制御装置1は、自動運転車2が駐車設備区画領域102aへ進入すると、降車側進入阻止手段6aを閉じる(ステップS21)。ここで、自動運転車2が駐車設備区画領域102aへ進入したことの検出は、例えば、降車領域101aから駐車設備区画領域102aへ移動する車両を検出するためのセンサ(図示せず)を設けておいて行うようにしてもよい。
利用者は、入庫起動ボタン34の押下操作を行った後、手動ドア9を開いて待合い領域103から退出することができる。
なお、ステップS18で、駐車設備制御装置1は、自動運転起動信号とともに自動運転補助情報を車両制御装置20へ送信するようにしてもよい。そして、ステップS20で、自動運転制御部22は、自動運転補助情報を用いて自動走行により駐車を行わせるようにしてもよい。ここで、自動運転補助情報は、例えば、駐車設備区画内の地図や目標停止位置などの走行経路の情報等、駐車設備区画内を走行する上で利用する種々の情報である。
上記説明したように、駐車設備制御装置1は、降車領域101aに自動運転車2が停車しているときに、降車領域101a内が無人であることを示す第1の無人信号を受信し、かつ、自動運転車2から降車した利用者が操作する操作端末3から送信される第1の自動運転起動指示信号を受信したことを条件に、自動運転車2に降車領域101aから駐車設備の所定場所への自動走行の開始を指示する第1の自動運転起動信号を送信するよう構成されている。この構成によれば、駐車設備に自動運転車2を駐車させる際、利用者は降車領域101aで自動運転車2を停車させて降車して、待合い領域103へ移動し、設置端末3を操作して第1の自動運転起動指示信号を駐車設備制御装置1へ送信することにより自動運転車2の駐車設備の所定場所へ向かう自動走行を開始させることができる。ここで、降車領域101a内が無人でなければ自動走行を開始できないようにしており、利用者の家族等の同乗者が降車領域101a内に残っているときには自動走行を開始させないので、安全性を向上させることができる。
また、駐車設備制御装置1は、第1の自動運転起動指示信号を受信した後、第1の自動運転起動信号を送信する前に、降車側間仕切り手段5aを閉じた状態でロックするよう構成されている。これにより、自動運転車2が降車領域101aから自動走行を開始する際には、降車側間仕切り手段5aが閉じた状態でロックされており、人が待合い領域103から降車領域101aへ移動できないので、より安全性を向上させることができる。
また、駐車設備制御装置1は、第1の自動運転起動指示信号を受信後に、降車側進入阻止手段6aを開き、自動運転車2が降車側進入阻止手段6aを通過した後に降車側進入阻止手段6aを閉じるよう構成されている。これにより、降車側進入阻止手段6aによって駐車設備への人及び車両の不要な進入を阻止することができるので、安全性及び防犯性を向上させることができる。
次に、図1に示す自動運転車駐車システムの駐車設備から自動運転車を出庫(退出)する際の操作及び動作の一例を説明する。図4は、自動運転車駐車システムの駐車設備から自動運転車を出庫する際の操作及び動作の一例を示すフローチャートである。
乗車側間仕切り手段5bは、閉じた状態で、かつその開閉ロック機構はロックされた状態である。
出庫を行う利用者は、手動ドア9を開けて待合い領域103へ入り、入庫時に発券された磁気カードを設置端末3のカードリーダ36に挿入する(ステップS31)。
すると、設置端末3では、磁気カードに記録された認証情報をカードリーダ36で読み取って駐車設備制御装置1へ送信し、駐車設備制御装置1では、認証照合部13の機能により、受信した認証情報と、認証記憶部14に記憶されている認証情報とを照合し、出庫する車両を特定する(ステップS32,S33)。
次に、設置端末3では、乗車側カメラ7bで撮影される乗車領域101bの映像をモニタ37に表示し(ステップS34)、さらに乗車領域の無人を確認して安全確認ボタンを押下することの利用者への指示をモニタ37に表示する(ステップS35)。なお、乗車領域101bの無人の確認は、利用者が乗車領域101bを直接目視して行うようにしてもよい。
次に、利用者によって安全確認ボタン33の押下があれば(ステップS36でYes)、設置端末3は、乗車領域内が無人であることを示す第2の無人信号を駐車設備制御装置1へ送信して、自動運転起動指示操作可能状態に遷移し、出庫起動ボタン35の押下の指示をモニタ37に表示する(ステップS37)。
次に、設置端末3は、出庫起動ボタン35の押下の有無を判定し(ステップS38)、押下が所定時間無ければタイムオーバー(ステップS39でYes)となってステップS35へ戻る。タイムオーバーとならずに出庫起動ボタン35の押下があれば、出庫起動信号(第2の自動運転起動指示信号)を駐車設備制御装置1へ送信する。
駐車設備制御装置1は、出庫起動信号を受信すると、乗車側進入阻止手段6bを開く(ステップS40)。このとき、駐車設備が機械式駐車設備である場合には、例えば出庫車両を搭載したパレットの呼び出し(エレベータ式の機械式駐車設備の場合)等の出庫のための機械動作を開始してもよい。
続いて、駐車設備制御装置1は、自動運転起動信号(第2の自動運転起動信号)を出庫車両(ステップS33で特定された車両)の車両制御装置20へ送信する(ステップS41)。この自動運転起動信号の送信は、駐車設備が機械式駐車設備である場合には、例えば出庫車両を搭載したパレットの呼び出し等の出庫のための機械動作を終了後に行う。
車両制御装置20が自動運転起動信号を受信すると(ステップS42)、自動運転車2(2b)は、自動運転制御部22の制御による自動運転を開始して、駐車設備の所定場所から駐車設備区画領域102bを通って乗車領域101bまで走行して停車する(ステップS43)。
そして、駐車設備制御装置1は、自動運転車2が乗車領域101bへ移動すると、乗車側進入阻止手段6bを閉じる(ステップS44)。ここで、自動運転車2が乗車領域101bへ移動したことの検出は、例えば、駐車設備区画領域102bから乗車領域101bへ移動する車両を検出するためのセンサ(図示せず)を設けておいて行うようにしてもよい。
続いて、駐車設備制御装置1は、乗車側間仕切り手段5bの開閉ロック機構のロックを解除する(ステップS45)。
この後、利用者は待合い領域103から乗車領域101bへ出て自動運転車2(2b)に乗車して退場する(ステップS46)。この際、間仕切り手段5bは、待合い領域103側に設けられた人検知センサ(図示せず)が間仕切り手段5bに接近する人を検知すると開き、数秒後に自動的に閉じる。人検知センサは、光電センサ等の人を検知できるものであればよい。また、人検知センサに代えて、間仕切り手段5bである自動ドアの待合い領域103側に操作ボタンが設けられてその操作ボタンが押し下げられることにより、人を検知するようにしてもよい。
そして、駐車設備制御装置1は、自動運転車2が乗車領域101bから退場すると、乗車側間仕切り手段5bの開閉ロック機構をロックする(ステップS47)。ここで、自動運転車2が乗車領域101bから退場したことの検出は、例えば、乗車領域101bから退場する車両を検出するためのセンサ(図示せず)を設けておいて行うようにしてもよいし、乗車領域101bを撮影するカメラ7bの映像から車両が乗車領域101bから退場したことを検出するようにしてもよい。
上記説明したように、駐車設備制御装置1は、駐車設備に自動運転車2が駐車しているときに、乗車領域101b内が無人であることを示す第2の無人信号を受信し、かつ、自動運転車2へ乗車予定の利用者が操作する設置端末3から送信される第2の自動運転起動指示信号を受信したことを条件に、自動運転車2に駐車設備から乗車領域101bへの自動走行の開始を指示する第2の自動運転起動信号を送信するよう構成されている。この構成によれば、駐車設備から自動運転車2を退出させる際、利用者は待合い領域103で設置端末3を操作して第2の自動運転起動指示信号を駐車設備制御装置1へ送信することにより自動運転車2の乗車領域101bへ向かう自動走行を開始させることができる。ここで、乗車領域101b内が無人でなければ自動走行を開始できないようにしているので、安全性を向上させることができる。
また、駐車設備制御装置1は、自動運転車2が駐車設備から乗車領域101bへ到着するまでは、乗車側間仕切り手段5bを閉じた状態でロックし、到着後にロックを解除するよう構成されている。これにより、自動運転車2が駐車設備から乗車領域101bへ到着するまでは、乗車側間仕切り手段5bが閉じた状態でロックされており、人が待合い領域103から乗車領域101bへ移動できないので、より安全性を向上させることができる。
また、駐車設備制御装置1は、第2の自動運転起動指示信号を受信後に、乗車側進入阻止手段6bを開き、自動運転車2が乗車領域101bに到着すると乗車側進入阻止手段6bを閉じるよう構成されている。これにより、乗車側進入阻止手段6bによって駐車設備への人及び車両の不要な進入を阻止することができるので、安全性及び防犯性を向上させることができる。
また、本実施形態では、駐車設備制御装置1は、利用者が当該利用者の自動運転車2を駐車設備に駐車するために自動運転車2が降車領域101aに停車している間に、利用者の識別情報と自動運転車2の識別情報とが紐付け(関連付け)られてなる認証情報(言い換えれば、利用者の識別情報と自動運転車2の識別情報とを対にした情報)を生成して、認証記憶部14へ記憶するとともに、この認証情報を記憶した磁気カードを設置端末3から発行させるよう構成されている。そして、自動運転車2を駐車設備から退出させる際には、利用者が保持している磁気カードから設置端末3を介して認証情報を取得し、この取得した認証情報を認証記憶部14に記憶されている認証情報と照合することにより、駐車設備から退出させる自動運転車2を特定するよう構成されている。
このように、自動運転車2を駐車設備に駐車する際に生成した認証情報を認証記憶部14に記憶するとともに、その認証情報を記憶した磁気カードを利用者に保持させておいて、自動運転車2を駐車設備から退出させる際には、利用者が保持している磁気カードから認証情報を取得し、この取得した認証情報を認証記憶部14に記憶されている認証情報と照合して、退出させる自動運転車2を特定することにより、自動運転車2を駐車した利用者のみが駐車設備から退出させることができ、防犯性を向上させることができる。
なお、認証情報の認証記憶部14への記憶は、例えば機械式駐車設備への入庫が完了した後でもよい。また、磁気カードに代えて、予め利用者に配布したICカードを用いるように構成されていてもよい。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態における自動運転車駐車システムの一例の概略平面図である。この駐車システムは、駐車設備制御装置1を有する駐車設備(全体は不図示)と、入庫車両(自動運転車2a)が停車して利用者が降車する降車領域であるとともに、出庫車両(自動運転車2b)が停車して利用者が乗車する乗車領域でもある乗降領域101と、乗降領域101とつながる駐車設備区画領域102と、乗降領域101に面する利用者の待合い領域103と、利用者が所有する携帯端末の一例であるスマートフォン4などを有する。乗降領域101は、例えば、外部の一般道路100につながっている。また、本例では、乗降領域101と一般道路100との間に待機領域104が設けられている。
また、乗降領域101と駐車設備区画領域102との間に駐車設備側進入阻止手段6Aが設けられている。この進入阻止手段6Aは、乗降領域101から駐車設備区画領域102への人及び車両の進入を阻止する手段であり、例えばバーゲート、チェーンゲート等でもよい。また、駐車設備区画領域102が建物内となる場合には、進入阻止手段6Aは、建物の入出口に設けられるアップドア、スライドドアでもよい。また、乗降領域101と待機領域104との間に入退場側進入阻止手段6Bが設けられている。この進入阻止手段6Bは、前述の進入阻止手段6A同様、例えばバーゲート、チェーンゲート等でもよい。
また、待合い領域103は、利用者の待合い室あるいは待機室でもあり、乗降領域101に面する利用者の出入口に間仕切り手段5が設けられている。この間仕切り手段5は、乗降領域101と待合い領域103との間の人の往来を制限できる開閉可能な手段であり、図1の間仕切り手段5a,5b同様、例えば自動ドア等で構成されて、開閉ロック機構を備えている。なお、図5では、乗降領域101と待合い領域103との間に隙間が設けられているが、この隙間は無くてもよく、間仕切り手段5は、乗降領域101と待合い領域103との間に設けられていると言える。また、待合い領域103には、手動ドア9が設けられている。
さらに、図5の駐車システムには、乗降領域101に停車する車両を撮影するカメラ7を備えている。
図6は、図5に示す自動運転車駐車システムの概略を示すブロック図である。
この第2実施形態では、概ね、第1実施形態における降車領域101aと乗車領域101bとを共通の乗降領域101として設け、設置端末3に代えて、利用者のスマートフォン4を操作端末として用いるよう構成されている。
スマートフォン4には、外部と無線通信可能な通信部41、操作部及び表示部を兼ねたタッチパネルディスプレイからなる操作画面42等を備えている。このスマートフォン4には、予め自動運転車駐車システム専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という)がインストールされており、専用アプリを起動させて操作することにより、操作画面42に、認証ボタン、入庫起動ボタン、出庫起動ボタン等を適宜のタイミングで表示することができる。
また、駐車設備制御装置1とスマートフォン4とは、各々の通信部11,41によって互いに無線通信が可能に構成されている。また、第1実施形態同様、駐車設備制御装置1と自動運転車2(車両制御装置20)とは、各々の通信部11,21によって互いに無線通信が可能に構成されている。なお、図6では、送受信される信号及び情報の一例が示されているが、全ての信号及び情報が示されているわけではない。
前述の間仕切り手段5及び進入阻止手段6A,6Bは駐車設備制御装置1によって制御される。
また、駐車設備制御装置1は、カメラ7で撮影される映像を入力し、乗降領域101に停車する自動運転車2のナンバープレートの撮影映像から車番(車両情報)を認識できるよう構成されている。
なお、本例では、駐車設備制御装置1と車両制御装置20との無線通信を直接行っているが、対象とする自動運転車2専用のアプリケーションプログラムも予めインストールしたスマートフォン4を介して、駐車設備制御装置1と車両制御装置20との無線通信(自動運転起動信号など)を行うようにしてもよいし、車番(車両情報)も予めスマートフォンに記憶させておいて、駐車設備制御装置1に送信するようにしてもよい。
また、図5では図示していないが、乗降領域101内の人を検出することができる無人確認用のセンサ8が設けられており、このセンサ8の出力信号は、駐車設備制御装置1へ送信されて駐車設備制御装置1に入力される。
次に、図5に示す自動運転車駐車システムの駐車設備に自動運転車を入庫(駐車)する際の操作及び動作の一例を説明する。図7は、自動運転車駐車システムの駐車設備に自動運転車を入庫する際の操作及び動作の一例を示すフローチャートである。
駐車設備に入庫する際、出庫中の車両が無い場合(ステップS51においてNoの場合)には、利用者は、自動運転車2(2a)を手動運転または自動運転によって一般道路100から乗降領域101にまで来て停車させる(ステップS55)。このとき、入退場側進入阻止手段6Bは開いているか、自動運転車2の接近により自動的に開かれる。
一方、出庫中の車両が有る場合(ステップS51においてYesの場合)には、入退場側進入阻止手段6Bが閉じられており、利用者は、自動運転車2(2a)を待機領域104で停車して待機する(ステップS52)。そして、駐車設備制御装置1が出庫車両を退場させるために進入阻止手段6Bを開き(ステップS53)、出庫車両が退場後に、利用者は、自動運転車2(2a)を乗降領域101へ進入させて(ステップS54)、乗降領域101で停車させる(ステップS55)。
ステップS55で入庫車両が乗降領域101で停車すると、駐車設備制御装置1は、入退場側進入阻止手段6Bを閉じる(ステップS56)。ここで、自動運転車2が乗降領域101へ入場したことの検出は、例えば、待機領域104から乗降領域101へ移動する車両を検出するためのセンサ(図示せず)を設けておいて行うようにしてもよいし、乗降領域101を撮影するカメラ7の映像から車両が乗降領域101へ入場したことを検出するようにしてもよい。
そして、駐車設備制御装置1は、カメラ7で撮影される自動運転車2のナンバープレートの撮影映像から車番(車両情報)を取得する(ステップS57)。
その後、利用者は降車して待合い領域103へ移動しようとする。この際、駐車設備制御装置1は、間仕切り手段5の乗降領域101側に設けられた人検知センサ(図示せず)が間仕切り手段5に接近する人を検知すると、間仕切り手段5の開閉ロック機構のロックを解除して間仕切り手段5を開き、ロック解除状態を保持する(ステップS58)。そして、利用者は待合い領域103へ移動する(ステップS59)。なお、人検知センサに代えて、間仕切り手段5である自動ドアの乗降領域101側に操作ボタンが設けられてその操作ボタンが押し下げられることにより、間仕切り手段5に近づく人を検知するようにしてもよい。
次に、利用者は、待合い領域103内で、スマートフォン4を操作して専用アプリを起動し、その操作画面42に表示される認証ボタンにタッチ操作する(ステップS60)。これにより、スマートフォン4から駐車設備制御装置1へ予め定められた利用者固有のIDが送信される(ステップS61)。
駐車設備制御装置1は、スマートフォン4から利用者固有のIDを受信すると、認証発行部12が利用者固有のID(利用者の識別情報)とステップS57で取得した車両情報(自動運転車の識別情報)とが紐づけられてなる認証情報を発行(生成)し(ステップS62)、この認証情報をスマートフォン4へ送信する(ステップS63)。そして、スマートフォン4は、受信した認証情報を記憶する(ステップS64)。
続いて、駐車設備制御装置1は、乗降領域101内の無人確認用のセンサ8の出力信号を受信して判定し(ステップS65)、乗降領域101内が無人であれば(ステップS66でYes)、スマートフォン4に自動運転起動指示操作可能信号を送信し、この信号を受信すると、スマートフォン4は入庫起動ボタンとそのタッチ操作指示とを操作画面42に表示する(ステップS67)。なお、ステップS65,S66において、無人確認用のセンサ8の出力信号から無人であることを判定したときの当該センサ8の出力信号が降車領域内が無人であることを示す第1の無人信号となる。
そして、利用者が、操作画面42に表示された入庫起動ボタンをタッチ操作すると(ステップS68でYes)、スマートフォン4は、入庫起動信号(第1の自動運転起動指示信号)を駐車設備制御装置1へ送信する。
駐車設備制御装置1は、入庫起動信号を受信すると、先に発行した認証情報を認証記憶部14に記憶し(ステップS69)、間仕切り手段5を閉じてその開閉ロック機構をロックする(ステップS70)。
続いて、駐車設備制御装置1は、駐車設備側進入阻止手段6Aを開く(ステップS71)。このとき、駐車設備が機械式駐車設備である場合には、例えば入庫車用の空パレットの呼び出し(エレベータ式の機械式駐車設備の場合)等の入庫のための機械動作を開始してもよい。
さらに続いて、駐車設備制御装置1は、自動運転起動信号(第1の自動運転起動信号)を車両制御装置20へ送信する(ステップS72)。このとき、駐車設備制御装置1は、第1実施形態同様、自動運転起動信号とともに自動運転補助情報を車両制御装置20へ送信するようにしてもよい。
車両制御装置20が自動運転起動信号を受信すると(ステップS73)、自動運転車2は、自動運転制御部22の制御による自動運転を開始して駐車設備区画領域102へ進入し(ステップS74)、駐車設備の所定場所(駐車場所または機械式駐車設備の入出庫部)まで走行して駐車(停車)する。
そして、駐車設備制御装置1は、自動運転車2が駐車設備区画領域102へ進入すると、駐車設備側進入阻止手段6Aを閉じる(ステップS75)。ここで、自動運転車2が駐車設備区画領域102へ進入したことの検出は、例えば、乗降領域101から駐車設備区画領域102へ移動する車両を検出するためのセンサ(図示せず)を設けておいて行うようにしてもよい。
利用者は、スマートフォン4に表示された入庫起動ボタンのタッチ操作を行った後、手動ドア9を開いて待合い領域103から退出することができる。
次に、図5に示す自動運転車駐車システムの駐車設備から自動運転車を出庫する際の操作及び動作の一例を説明する。図8は、自動運転車駐車システムの駐車設備から自動運転車を出庫(退出)する際の操作及び動作の一例を示すフローチャートである。
利用者は、手動ドア9を開けて待合い領域103へ入り、スマートフォン4を操作して専用アプリを起動し、その操作画面42に表示される認証ボタンにタッチ操作する(ステップS81)。これにより、スマートフォン4から入庫時(ステップS64)に記憶した認証情報が駐車設備制御装置1へ送信される(ステップS82)。
すると、駐車設備制御装置1では、認証照合部13の機能により、スマートフォン4から受信した認証情報と、認証記憶部14に記憶されている認証情報とを照合し、出庫する車両を特定する(ステップS83)。
続いて、駐車設備制御装置1は、乗降領域101内の無人確認用のセンサ8の出力信号を受信して判定し(ステップS84)、乗降領域101内が無人であれば(ステップS85でYes)、スマートフォン4に自動運転起動指示操作可能信号を送信し、この信号を受信すると、スマートフォン4は出庫起動ボタンとそのタッチ操作指示とを操作画面42に表示する(ステップS86)。なお、ステップS84,S85において、無人確認用のセンサ8の出力信号から無人であることを判定したときの当該センサ8の出力信号が乗車領域内が無人であることを示す第2の無人信号となる。
そして、利用者が、操作画面42に表示された出庫起動ボタンをタッチ操作すると(ステップS87でYes)、スマートフォン4は、出庫起動信号(第2の自動運転起動指示信号)を駐車設備制御装置1へ送信する。
駐車設備制御装置1は、出庫起動信号を受信すると、駐車設備が機械式駐車設備である場合には、例えば出庫車両を搭載したパレットの呼び出し(エレベータ式の機械式駐車設備の場合)等の出庫のための機械動作を開始する(ステップS88)。
続いて、駐車設備制御装置1は、自動運転起動信号(第2の自動運転起動信号)を出庫車両(ステップS83で特定された車両)の車両制御装置20へ送信する(ステップS89)。この自動運転起動信号の送信は、駐車設備が機械式駐車設備である場合には、例えば出庫車両を搭載したパレットの呼び出し等の出庫のための機械動作を終了後に行う。
車両制御装置20が自動運転起動信号を受信すると(ステップS90)、自動運転車2(2b)は、自動運転制御部22の制御による自動運転を開始して、駐車設備の所定場所から乗降領域101への移動を開始する(ステップS91)。
そして、入庫中の車両が無い場合(ステップS92においてNoの場合)には、駐車設備制御装置1は、駐車設備側進入阻止手段6Aを開く(ステップS96)。
一方、入庫中の車両が有る場合(ステップS92においてYesの場合)には、駐車設備側進入阻止手段6Aが閉じられており、自動運転車2は進入阻止手段6Aの手前の待機領域(領域102)で停車して待機する(ステップS93)。そして、駐車設備制御装置1が入庫車両を進入させるために進入阻止手段6Aを開き(ステップS94)、入庫車両が駐車設備区画領域102へ進入後に、自動運転車2は乗降領域101へ進入する(ステップS95)。
そして、駐車設備制御装置1は、自動運転車2が乗降領域101へ移動すると、駐車設備側進入阻止手段6Aを閉じる(ステップS97)。ここで、自動運転車2が乗降領域101へ移動したことの検出は、例えば、駐車設備区画領域102から乗降領域101へ移動する車両を検出するためのセンサ(図示せず)を設けておいて行うようにしてもよいし、乗降領域101を撮影するカメラ7の映像から車両が乗降領域101に到着したことを検出するようにしてもよい。
続いて、駐車設備制御装置1は、間仕切り手段5の開閉ロック機構のロックを解除し(ステップS98)、入退場側進入阻止手段6Bを開く(ステップS99)。
この後、利用者は待合い領域103から乗降領域101へ出て自動運転車2に乗車して退場する(ステップS100)。この際、間仕切り手段5は、待合い領域103側に設けられた人検知センサ(図示せず)が間仕切り手段5に接近する人を検知すると開き、数秒後に自動的に閉じる。人検知センサは、光電センサ等の人を検知できるものであればよい。また、人検知センサに代えて、間仕切り手段5である自動ドアの待合い領域103側に操作ボタンが設けられてその操作ボタンが押し下げられることにより、人を検知するようにしてもよい。
そして、駐車設備制御装置1は、自動運転車2が乗降領域101から退場すると、間仕切り手段5の開閉ロック機構をロックする(ステップS101)。ここで、自動運転車2が乗降領域101から退場したことの検出は、例えば、乗降領域101から退場する車両を検出するためのセンサ(図示せず)を設けておいて行うようにしてもよいし、乗降領域101を撮影するカメラ7の映像から車両が乗降領域101から退場したことを検出するようにしてもよい。
この第2実施形態では、概略、第1実施形態における降車領域101aと乗車領域101bとを共通の乗降領域101とし、それに伴い、2つの間仕切り手段5a、5bを共通の間仕切り手段5とするとともに、2つの進入阻止手段6a,6bを共通の進入阻止手段6とし、さらに、設置端末3に代えてスマートフォン4を用いるように構成されている。よって、第2の実施形態においても、第1実施形態の場合と同様の効果が得られる他、同駐車システムの占有面積を小さくすることが可能になる。
なお、第1実施形態において、操作端末として、設置端末3に代えてスマートフォン4を用いるように構成してもよい。また、第2実施形態において、操作端末として、スマートフォン4に代えて設置端末3を用いるように構成してもよい。この他、第1、第2実施形態における種々の構成要素を組み合わせて他の実施形態として構成することもできる。
なお、第1、第2実施形態において、駐車設備は、エレベータ式に限らず、垂直循環式、平面往復式、水平循環式等、あらゆる方式の機械式駐車設備であってもよいし、このような機械式駐車設備に限らず、平面駐車場や立体駐車場であってもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。