JP7152028B2 - アンモニア及び酢酸吸着シートの製造方法及びアンモニア及び酢酸吸着シート - Google Patents
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Description
特許文献2及び特許文献3は、竹繊維を主体とした繊維を樹脂バインダーで結着する繊維シートを提案している。
特許文献2及び特許文献3では、樹脂に竹繊維を担持させることが開示されているが、剛性の高い繊維シートを得ることを目的としており、竹繊維表面に多数の細孔を持たせることや、吸着表面積を増加させることを開示していない。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のアンモニア及び酢酸吸着シートの製造方法において、前記不織布が、芯材として第1樹脂を用い、前記第1樹脂よりも融点の低い第2樹脂で前記第1樹脂の表面を覆っていることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のアンモニア及び酢酸吸着シートの製造方法において、前記担持工程では、加熱によって前記竹繊維チョップドストランドの前記微粉末を前記不織布に担持させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明のアンモニア及び酢酸吸着シートは、竹繊維表面に平均空孔径が15μm~30μmの多数の細孔を持つ平均粒径20μm~100μmの竹繊維チョップドストランドの微粉末を、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなり平均繊維径が20μm~30μmで前記竹繊維チョップドストランドの前記微粉末の前記平均粒径以下の不織布に担持させたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載のアンモニア及び酢酸吸着シートにおいて、前記不織布が、芯材として第1樹脂を用い、前記第1樹脂よりも融点の低い第2樹脂で前記第1樹脂の表面を覆っていることを特徴とする。
まず、解繊状の竹繊維チョップドストランドを製造する。
竹材には、例えば、孟宗竹、和竹、又は笹竹を用いる。
ステップ1における破砕工程で破砕した小片の竹材を、加圧押出装置により、少なくともその内部圧力が15Kg/cm2以上で加圧混練する(ステップ2)。混練にはスクリューを用いることができる。
竹材の種類によって、硬さが異なるため、竹種により内部圧力を調整することが好ましい。例えば、笹竹では、少なくとも15Kg/cm2以上、孟宗竹では30Kg/cm2~50Kg/cm2とする。
ステップ2における加圧混練工程で加圧混練した竹材は、カッターで20mm~200mmの長さに裁断してミンチ状にして多孔なノズルより大気中に吐出する(ステップ3)。
ステップ3における膨潤拡散工程によって、竹材は、硬組織と柔組織とに解体され、細胞壁を形成するセルロース及びヘミセルロースをリグニンより解離させた解繊状の竹繊維チョップドストランドを得ることができる。
膨潤拡散工程によって得られた解繊状の竹繊維チョップドストランドの大きさの割合は、3mm以下が73%、3mm~5mmが17%、5mm~7mmが5%、7mm以上が5%である。
ステップ4における粉砕工程で粉砕した竹繊維チョップドストランドの微粉末を、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなり平均繊維径が20μm~50μmの不織布に担持させる(ステップ5)。なお、不織布としては、芯材として第1樹脂を用い、第1樹脂よりも融点の低い第2樹脂で第1樹脂の表面を覆っているものが好ましい。
ステップ5における担持工程では、竹繊維チョップドストランドの微粉末を不織布に塗布し、竹繊維チョップドストランドの微粉末を塗布した不織布を加熱する。加熱温度は、不織布の繊維表面を覆う樹脂の溶融温度とする。芯材として第1樹脂を用い、不織布の繊維が、第1樹脂よりも融点の低い第2樹脂で第1樹脂の表面を覆っている場合には、第2樹脂の溶融温度以上で、第1樹脂の溶融温度より低い加熱温度とする。加熱後に冷却することで、不織布の繊維間に竹繊維チョップドストランドの微粉末が担持される。
また、本実施例によれば、竹繊維チョップドストランドの微粉末の細孔構造を維持して担持させることができる。
図2(a)は平均粒径が100μmの竹繊維チョップドストランドの微粉末を不織布に担持させる前の比較例1であり、図2(b)は平均粒径が100μmの竹繊維チョップドストランドの微粉末を不織布に担持した実施例1である。
試験は、サンプリングバッグに試料とともに臭気成分を含むガスを封入し、2時間後にガス採取器を用いて臭気濃度を計測した。
比較例1及び実施例1に用いた試料面積は450cm2であり、臭気成分として、アンモニア、酢酸、及びメチルメルカプタンを用いた。
アンモニアの初発濃度は120ppm、酢酸の初発濃度は30ppm、及びメチルメルカプタンの初発濃度は10ppmであった。
実施例1は、2時間経過後では、アンモニアが22ppm、酢酸濃度が2ppm、メチルメルカプタンが10ppmであった。
従って、比較例1は、図2(a)に示すように、アンモニアが22%、酢酸が48%、メチルメルカプタンが0%の減少率であった。
これに対して、実施例1は、図2(b)に示すように、アンモニアが78%、酢酸が92%、メチルメルカプタンが0%の減少率であった。
従って、不織布に竹繊維チョップドストランドの微粉末を担持させた実施例1では、不織布に担持させない比較例1に比較して、アンモニア及び酢酸に対する持続的な吸着性能を示した。
図3に示す比較例2は、平均粒径が10μmの竹繊維チョップドストランドの微粉末を不織布に担持したものである。
比較例2で用いた不織布は、実施例1で用いた不織布と同一である。
比較例2は、アンモニアが15%、酢酸が45%の減少率であった。
図4(a)に示すように、比較例2では、竹繊維チョップドストランドの微粉末が不織布の繊維表面に凝集し、不織布の繊維全体を被覆し、微粉末の細孔を確認できない。
これに対して、図4(b)に示すように、実施例1では、竹繊維チョップドストランドの微粉末が不織布の繊維の間に担持され、細孔を確認することができる。
S2 加圧混練工程
S3 膨潤拡散工程
S4 粉砕工程
S5 担持工程
Claims (5)
- 孟宗竹、和竹、笹竹等の竹材を所要の小片に破砕する破砕工程と、
前記破砕工程で破砕した前記小片の前記竹材を、加圧押出装置により少なくともその内部圧力が15Kg/cm2以上で加圧混練する加圧混練工程と、
前記加圧混練工程で加圧混練した前記竹材を、カッターで裁断してミンチ状にして多孔なノズルより大気中に吐出する膨潤拡散工程と、
を有し、
前記膨潤拡散工程によって、膨潤拡散して硬組織と柔組織とを解体し、細胞壁を形成するセルロース及びヘミセルロースをリグニンより解離させた解繊状の竹繊維チョップドストランドとし、
前記竹繊維チョップドストランドを、平均粒径が20μm~100μmの微粉末に粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕工程で粉砕して竹繊維表面に平均空孔径が15μm~30μmの多数の細孔を持つ前記竹繊維チョップドストランドの前記平均粒径が20μm~100μmの前記微粉末を、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなり平均繊維径が20μm~30μmで前記竹繊維チョップドストランドの前記微粉末の前記平均粒径以下の不織布に担持させる担持工程と
を有する
ことを特徴とするアンモニア及び酢酸吸着シートの製造方法。 - 前記不織布が、芯材として第1樹脂を用い、前記第1樹脂よりも融点の低い第2樹脂で前記第1樹脂の表面を覆っている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア及び酢酸吸着シートの製造方法。 - 前記担持工程では、加熱によって前記竹繊維チョップドストランドの前記微粉末を前記不織布に担持させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンモニア及び酢酸吸着シートの製造方法。 - 竹繊維表面に平均空孔径が15μm~30μmの多数の細孔を持つ平均粒径20μm~100μmの竹繊維チョップドストランドの微粉末を、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなり平均繊維径が20μm~30μmで前記竹繊維チョップドストランドの前記微粉末の前記平均粒径以下の不織布に担持させた
ことを特徴とするアンモニア及び酢酸吸着シート。 - 前記不織布が、芯材として第1樹脂を用い、前記第1樹脂よりも融点の低い第2樹脂で前記第1樹脂の表面を覆っている
ことを特徴とする請求項4に記載のアンモニア及び酢酸吸着シート。
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