JP2003129378A - 消臭繊維構造物及びその製造方法 - Google Patents

消臭繊維構造物及びその製造方法

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JP2003129378A
JP2003129378A JP2001327498A JP2001327498A JP2003129378A JP 2003129378 A JP2003129378 A JP 2003129378A JP 2001327498 A JP2001327498 A JP 2001327498A JP 2001327498 A JP2001327498 A JP 2001327498A JP 2003129378 A JP2003129378 A JP 2003129378A
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Yoshie Inagaki
由江 稲垣
Toshiji Tamaoki
利治 玉置
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、複合臭に対して、効率的に消臭効
果を有し、消臭効果を大幅に向上させた消臭繊維を提供
することを目的とする。 【解決手段】 天然物及び/又は天然物由来物質である
消臭剤、及び吸湿剤を繊維構造物に含ませ、天然物等を
吸湿剤によって湿潤状態にすることにより、天然物等の
消臭効果を大幅に向上させる。消臭剤に抗菌効果を有す
るもの、例えば竹の表皮の粉砕物を使用して、消臭効果
とともに抗菌効果をも有する繊維構造物を提供すること
もできる。吸湿剤のモノマーに、アクリル酸若しくはメ
タクリル酸、又はそれらの誘導体からなり、90モル%
以上がアルカリ金属塩で中和されたものを使用する。吸
湿剤にポリオキシエチレン系ポリエーテルを添加して、
吸湿剤の重合時に架橋剤として作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭繊維構造物及
びその製造方法に関する。特に、衣料用途、カーテン、
カーペット等のインテリア用途、衛生材料用途等に好適
に使用することができ、複合臭を効率的に消臭すること
ができる消臭繊維構造物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】快適生活を目指した生活環境の多様化に
伴い、ニオイに対する人間の関心が非常に高まってい
る。悪臭を繊維構造物で取り除くという目的の下、特開
平2−157040号公報では、繊維形成能を有する熱
可塑性高分子化合物と一定の吸着剤を主成分とする繊維
原料を溶融紡糸して得られる繊維状脱臭剤が開示されて
いる。後加工で消臭加工をするものとして、特開平2−
269875号公報で、脱臭剤をポリウレタン系樹脂組
成物を介して付着させる脱臭布帛が、特開平7−216
751号公報で、水不溶性消臭剤をポリエステル系共重
合樹脂を介して付与し、さらにポリウレタン系樹脂によ
って被覆された消臭性を有するポリエステル系繊維構造
物及びその製造方法等が開示されている。
【0003】実際の生活における悪臭は単一悪臭ガスに
よるものではなく、それらの悪臭ガスが混ざり合った複
合臭である場合が多い。タバコ臭を例に挙げても、アン
モニア、トリメチルアミン等の含窒素系の悪臭の他に、
硫化水素等の硫黄系のニオイ、酢酸等の酸臭、アルデヒ
ド臭等が含まれ、その構成は複雑である。これらの複合
臭を単一の消臭剤で取り除くことは大変困難なことであ
る。これまでにアンモニア、硫化水素等の単一臭を消臭
可能な消臭剤は、たくさん開発されているものの、複合
臭に明確な効果を示す消臭剤は、見出されていなかっ
た。
【0004】従来から、天然物には、多種の成分が含ま
れており、多種のニオイに対して消臭性を示すものが多
いことが知られている。また、天然物の中には、抗菌性
を有するものがあることも知られている。
【0005】しかしながら、これらの天然物及び/又は
天然物由来物質の消臭剤を繊維等へ固着させる場合、固
着させるためのバインダーが消臭剤を過剰に被覆するの
で、機能が上手く発現しない等の問題点がある。
【0006】また、天然物の中には湿潤状態において、
その効力を大幅に発揮できるものが少なくないが、その
特徴を生かした消臭繊維構造物はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複合臭に対
して、効率的に消臭効果を有し、消臭効果を大幅に向上
させた消臭繊維構造物及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然物及び/
又は天然物由来物質である消臭剤、及び吸湿剤を含む繊
維構造物であることを特徴とする消臭繊維構造物であ
る。
【0009】前記吸湿剤は、前記消臭剤を前記繊維構造
物の繊維に固着させるバインダーであることが好まし
い。前記消臭剤は、抗菌効果も有する物質であって、前
記繊維構造物に対して0.5〜20重量%含まれ、前記
消臭剤は、竹の表皮の粉砕物であることが好ましい。前
記吸湿剤は、アクリル酸若しくはメタクリル酸、又はそ
れらの誘導体である吸湿性モノマーからなるポリマーで
あり、前記吸湿性モノマーは、90モル%以上がアルカ
リ金属塩であることが好ましい。前記吸湿剤と前記消臭
剤の重量割合が、前記吸湿剤/前記消臭剤で80/20
〜95/5であることが好ましい。
【0010】前記繊維構造物には、A〔(R1O)lR2
kで示されるポリオキシエチレン系ポリエーテルが含ま
れることが好ましい。A〔(R1O)lR2〕kの、Aは、
1〜6の活性水素を有する分子量300以下の有機化合
物の残基である。R1はエチレン基を主体とする。但
し、ポリオキシエチレン系ポリエーテルが水溶性である
範囲内で、一部がプロピレン基やブチレン基であっても
よい。R2は、アクリロイル基又はメタクリロイル基で
ある。但し、一部は水素原子、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、又はブチル基等の低級アルキル基であっても
よい。kは、Aの元になる有機化合物が有する活性水素
原子数に対応する1〜6の整数である。lは、正の整数
である。
【0011】前記繊維は、ポリエステル繊維であること
が好ましい。
【0012】また本発明は、消臭剤、吸湿剤のモノマ
ー、及びA〔(R1O)lR2〕kで示されるポリオキシエ
チレン系ポリエーテルを含んだ加工液を繊維に付着させ
た後、スチームで熱処理をして、消臭剤を吸湿剤で繊維
に固着させることからなる消臭繊維構造物の製造方法で
ある。A〔(R1O)lR2〕kの、Aは、1〜6の活性水
素を有する分子量300以下の有機化合物の残基であ
る。R1はエチレン基を主体とする。但し、ポリオキシ
エチレン系ポリエーテルが水溶性である範囲内で、一部
がプロピレン基やブチレン基であってもよい。R2は、
アクリロイル基又はメタクリロイル基である。但し、一
部は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、又は
ブチル基等の低級アルキル基であってもよい。kは、A
の元になる有機化合物が有する活性水素原子数に対応す
る1〜6の整数である。lは、正の整数である。
【0013】ラジカル重合可能な官能基を有しないスル
ホン酸基を有する化合物、及び/又は前記吸湿剤モノマ
ーの重合開始剤が、前記加工液に含まれることが好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に使用される消臭剤は、消
臭効果を有する、天然物及び/又は天然物由来物質であ
って、例えば、竹の表皮、スギ、ヒバ等の植物の一部を
粉砕し、微粉化したもの、キトサン等に代表される多糖
類、又はヒノキオイル、ドクダミエキス、オレンジの精
油等に代表される植物抽出成分等が好ましい。これらの
消臭剤は、一種単独でも、複数の種類のものを併用して
もよい。
【0015】本発明に使用される消臭剤には、消臭効果
の他に、抗菌効果も有する天然物及び/又は天然物由来
物質を使用することが好ましい。消臭効果及び抗菌効果
を有する天然物及び/又は天然物由来物質を使用するこ
とによって、消臭効果と抗菌効果を有する繊維構造物と
することができる。例えば、竹の表皮を粉砕、微粉化し
たものは、消臭性、抗菌性ともに優れるため、本発明に
使用される消臭剤として好ましい。
【0016】また、消臭効果を有する天然物及び/又は
天然物由来物質と抗菌効果を有する天然物及び/又は天
然物由来物質を併用することによっても、消臭効果及び
抗菌効果を有する繊維構造物とすることができる。例え
ば、抗菌効果を有するわさびの粉砕品を消臭剤と併用す
る。
【0017】本発明では、消臭剤として、天然物及び/
又は天然物由来物質を利用するので、化学物質を利用す
るより、一般的に有害性が低い。
【0018】本発明に係る消臭剤の量は、繊維構造物に
対して0.5〜20重量%が好ましく、より好ましく
は、1〜10重量%、さらにより好ましくは、2〜7重
量%である。
【0019】天然物及び/又は天然物由来物質は、湿潤
状態で、消臭効果等の効力が大幅に向上する。従って、
本発明の天然物及び/又は天然物由来物質を繊維構造物
の繊維に固着させるためのバインダーに、湿潤性を高め
るもの、つまり吸湿性のある吸湿剤を用いることによっ
て、固着される天然物及び/又は天然物由来物質を湿潤
状態にするので、天然物及び/又は天然物由来物質が有
する消臭効果及び/又は抗菌効果を大幅に向上させるこ
とが可能である。
【0020】本発明で使用する吸湿剤は、特に限定され
ないが、ポリマーであって、構成する吸湿性モノマー
は、アクリル酸若しくはメタクリル酸、又はそれらの誘
導体で、かつ、該吸湿性モノマーの90モル%以上が、
アルカリ金属塩にて中和されていることが好ましい。
【0021】本発明に使用する吸湿剤は、本発明に使用
する消臭剤に対する重量割合で、吸湿剤/消臭剤が80
/20〜95/5が好ましい。より好ましくは、吸湿剤
/消臭剤が85/15〜90/10である。
【0022】本発明の繊維構造物には、化学式3で表さ
れるポリオキシエチレン系ポリエーテルが含まれている
ことが好ましい。化学式3で表されるポリオキシエチレ
ン系ポリエーテルは、吸湿剤の吸湿性モノマーの重合時
に架橋剤として作用し、吸湿性モノマーを重合して得ら
れるポリマー若しくはポリマー皮膜に、洗濯耐久性や耐
水性を付与する。
【0023】
【化3】A〔(R1O)lR2〕k 化学式3中、Aは1〜6の活性水素を有する分子量30
0以下の有機化合物の残基であり、例えば、メタノー
ル、プロパノール、ブタノール、フェノール、エチレン
グリコール、ビスフェノールA、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリ
トール、ソルビトール等のヒドロキシル基含有化合物の
残基、又はエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン等の1級及び2級アミン類の
残基等である。なかでもヒドロキシル基含有化合物の残
基が好ましい。
【0024】R1はエチレン基を主体とし、化学式1の
ポリオキシエチレン系ポリエーテルが水溶性である範囲
内で、一部がプロピレン基やブチレン基であってもよ
い。R 2は、アクリロイル基又はメタクリロイル基であ
り、一部は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、又はブチル基等の低級アルキル基であってもよい。
kは、Aの元になる有機化合物が有する活性水素原子数
に対応する1〜6の整数である。lは、正の整数であ
り、分子間又は分子内で同一数であっても異なった数で
あってもよい。lの値が余りに大きくなり過ぎると水溶
液とした時の粘度が高くなって、均一な加工が困難にな
る場合もあるので、k×l値が80以下であるものが好
ましい。
【0025】本発明で使用されるポリオキシエチレン系
ポリエーテルの好ましい具体例としては、ポリエチレン
グリコール(平均分子量;400)ジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコール(平均分子量;600)
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(平
均分子量;1000)ジ(メタ)アクリレート、メトキ
シポリエチレングリコール(平均分子量;1320)モ
ノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド30モル付加物のジ(メタ)アクリレート、グ
リセリンエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリ
レート、グリセリンエチレンオキサイド付加物のトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレ
ンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メ
タ)アクリレート、ソルビトールエチレンオキサイド付
加物のジ(メタ)アクリレート、ソルビトールエチレン
オキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ソルビ
トールエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アク
リレート、ソルビトールエチレンオキサイド付加物のペ
ンタ(メタ)アクリレート及びソルビトールエチレンオ
キサイド付加物のヘキサ(メタ)アクリレート等があ
る。特に好ましくは、ポリエチレングリコール(PE
G)400アクリレート、ポリエチレングリコール(P
EG)400ジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ル(平均分子量;1000)ジ(メタ)アクリレートで
ある。
【0026】ポリオキシエチレン系ポリエーテルは、繊
維に消臭剤や吸湿剤を固着させるための加工液中で、吸
湿剤に対して、1/2〜1/8程度の重量割合が好まし
い。より好ましくは、3/8〜1/4程度の重量割合が
好ましい。
【0027】本発明では、吸湿剤及びポリオキシエチレ
ン系ポリエーテルが、消臭剤を繊維に固着させるバイン
ダーの役割を果たす。具体的には、吸湿性モノマーが重
合でポリマー又はポリマー皮膜を形成し、これらのポリ
マーが消臭剤を繊維に固着させる。ポリオキシエチレン
系ポリエーテルは、それらポリマーの重合時に架橋剤と
して作用し、かつポリマー等に洗濯耐久性や耐水性を付
与する。
【0028】本発明の吸湿剤及びポリオキシエチレン系
ポリエーテルは、曇点が60℃以上であることが適して
いる。前述したポリオキシエチレン系ポリエーテルの好
ましい具体例のなかでも、曇点が60℃以上となるよう
な組成範囲が広いという理由から、ポリエチレングリコ
ール(平均分子量;1000)ジ(メタ)アクリレート
を最も好ましい態様として挙げることができる。また、
ポリオキシエチレン系ポリエーテルは1種のみを単独で
使用してもよく、又は、2種以上を併用してもよい。
【0029】また、本発明における吸湿剤には、曇点の
コントロール剤として機能し、ラジカル重合可能な官能
基を有しないスルホン酸基を有する化合物が、加工液中
に含まれていることが好ましい。かかるスルホン酸基を
有する化合物としては、アルキルベンゼンスルホン酸金
属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、メラミン
スルホン酸金属塩、ジアルキルスルホコハク酸金属塩、
アルキルスルホ酢酸金属塩等を例示することができる。
それらのアルキル基としては、炭素原子数が1〜40の
アルキル基が好ましい。なかでも少量で曇点上昇効果の
大きい、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸金属塩が特に好ましい。スルホン酸基
を有する化合物は、1種のみを単独で使用してもよく、
又は、2種以上を併用してもよい。
【0030】本発明では、必要に応じて重合開始剤が、
吸湿剤と共に、加工液に含まれていることが好ましい。
重合開始剤を含むことで、加工時に充分な吸湿剤の重合
架橋反応が行える。重合開始剤としては、例えば、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化
ベンゾイル等の過酸化物、硫酸第2セリウムアンモニウ
ム、硝酸第2セリウムアンモニウム等のセリウムアンモ
ニウム塩、あるいはα、α’−アゾビスイソブチロニト
リル等がある。
【0031】本発明に係る繊維構造物を構成する繊維
は、特に限定されず、例えば、綿、絹、麻、毛等の天然
繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、ベンベルグ、
アセテート等の半合成繊維及びポリエステル、ナイロ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン等の合成繊
維、並びにこれらの混用繊維が好ましく、中でもポリエ
ステル繊維が特に好ましい。
【0032】本発明でいうポリエステル繊維とは、ジカ
ルボン酸成分として、テレフタル酸を主とし、グリコー
ル成分として、少なくとも1種のグリコール、好ましく
はエチレングリコール、トリメチレングリコール、テト
ラメチレングリコール等から選ばれた少なくとも1種の
アルキレングリコールを主とする、ポリエステルからな
るポリエステル繊維である。ポリエステル繊維は、必要
に応じて第三成分が共重合及び/またはブレンドによっ
て変性されていても良い。また、本発明のポリエステル
繊維には、必要に応じて任意の添加剤、例えば触媒、着
色防止剤、耐熱剤、難燃剤、酸化防止剤、無機微粒子等
が含まれていても構わない。
【0033】本発明で使用されるポリエステル繊維は、
上述したように、必要に応じて、綿、羊毛等の天然繊
維、レーヨン、アセテート等の再生繊維、及びポリエス
テル繊維以外の合成繊維との混紡、交編、交織品等にし
て、使用されても構わない。
【0034】本発明で使用されるポリエステル繊維に
は、アルカリ減量したポリエステル繊維を使用すること
もできる。ポリエステル繊維をアルカリ減量加工するこ
とは、バインダーとポリエステル繊維との接触面積を増
大させて、耐久性を向上できるのでむしろ好ましいこと
である。
【0035】本発明における消臭剤、抗菌剤、及び吸湿
剤等を繊維構造物の繊維に固着させる加工は、繊維が、
原綿、糸、織編物、不織布等のいずれの段階においても
行うことができる。
【0036】本発明の消臭繊維構造物の製造方法は、ま
ず、消臭剤、吸湿性モノマー、ポリオキシエチレン系ポ
リエーテル、必要に応じて重合開始剤、及び必要に応じ
てスルホン酸基を有する化合物を含む加工液を調整す
る。この加工液を、浸漬法、パッドドライ法(パディン
グ処理を含む)、スプレー法、コーティング法、ラミネ
ート法等の方法によって、繊維構造物の繊維に付着させ
る。次に、熱処理工程を経て、モノマーを重合させる。
熱処理工程は、モノマーの重合を阻害しないよう嫌気下
で行う。最も良い熱処理方法はスチーミングである。ス
チーミングとは、湿熱処理のことで、例えば98℃の常
圧スチームにて3分間処理をする。熱処理工程の後、乾
熱処理を行い、繊維に完全に消臭剤、吸湿剤等を固着さ
せて、消臭繊維構造物を製造する。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、%は特に断らない限り重量基準である。
【0038】消臭性の評価は、臭気成分の初期濃度をア
ンモニア200ppm、硫化水素20ppm、ホルムア
ルデヒド30ppmと設定し、試料量2g/L、容器
(テトラバック)の総量3L、測定時間60分で容器中
の臭気成分残存濃度を検知管にて測定し、消臭率を算出
した。
【0039】抗菌性の評価は、繊維製品新機能評価協議
会(JAFET)の定めるところの統一試験法に準じ、
静菌活性値を用いて示す。JIS L1902に基づい
て、黄色ブドウ球菌の、標準布(未加工布)での18時
間後の菌数をB、加工布での18時間後の菌数をCとし
た場合に、logB−logCで表される数値を、静菌
活性値として評価する。静菌活性値が2.2以上であれ
ば、抗菌効果があると評価する。
【0040】[実施例1]通常ポリエステル繊維100
%織物(目付100g/m2)を用い、表1に示す加工
液を含む液でパッディング処理(wet.pick.u
p100%)し、その後、98℃の常圧スチームを用い
て、3分間熱処理し、160℃で1分間、乾熱処理し
た。結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】[比較例1]実施例1と同様の布帛を用
い、加工液に竹パウダーを添加しなかった以外は実施例
1と同様の処理を行い、評価した。結果を表2に示す。
【0043】[比較例2]実施例1と同様の布帛を用
い、実施例1で使用した加工液に代え、アクリル酸エス
テル樹脂テイサンレジンA−3611(帝国化学製)6
重量%、竹パウダー(新紀産業株式会社製)2重量%、
及び水を含む加工液で、パッディング処理(wet.p
ick.up100%)し、120℃で3分間、乾熱処
理し、その後160℃で1分間、乾熱処理した。結果を
表2に示す。
【0044】[比較例3]実施例1と同様の布帛を用
い、消臭加工を行わずに(加工液の処理を行わない。)、
評価した(ブランク試験)。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明は、消臭剤として複合臭に効果を
有する天然物又は天然物由来物質を使用し、消臭剤とと
もに吸湿剤をバインダーとして含ませた消臭繊維構造物
であるので、効率的に消臭効果を有し、複合臭に対して
の消臭効果を大幅に向上させ、また周囲環境に安全な繊
維構造物を提供することができる。
【0047】また、本発明で使用する消臭剤に、抗菌効
果をも有する物質を使用することで、消臭効果に限ら
ず、抗菌効果を有し、また吸湿剤により、その効果を大
幅に向上させた消臭繊維構造物を提供することが可能で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/00 D06M 101:32 15/263 15/72 23/08 A41B 13/02 N // D06M 101:32 Fターム(参考) 3B029 BD22 3B120 AA19 AC05 EB23 EB25 4L031 AA18 AB32 BA31 BA33 CA07 DA13 4L033 AA07 AB05 AC10 AC15 CA01 CA18 CA70

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然物及び/又は天然物由来物質である
    消臭剤、及び吸湿剤を含む繊維構造物であることを特徴
    とする消臭繊維構造物。
  2. 【請求項2】 前記吸湿剤は、前記消臭剤を前記繊維構
    造物の繊維に固着させるバインダーである請求項1に記
    載の消臭繊維構造物。
  3. 【請求項3】 前記消臭剤は、抗菌効果も有する物質で
    ある請求項1又は請求項2に記載の消臭繊維構造物。
  4. 【請求項4】 前記消臭剤は、前記繊維構造物に対して
    0.5〜20重量%含まれている請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の消臭繊維構造物。
  5. 【請求項5】 前記消臭剤は、竹の表皮の粉砕物である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭繊維構造物。
  6. 【請求項6】 前記吸湿剤は、アクリル酸若しくはメタ
    クリル酸、又はそれらの誘導体である吸湿性モノマーか
    らなるポリマーであり、前記吸湿性モノマーは、90モ
    ル%以上がアルカリ金属塩である請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の消臭繊維構造物。
  7. 【請求項7】 前記吸湿剤と前記消臭剤の重量割合が、
    前記吸湿剤/前記消臭剤で80/20〜95/5である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の消臭繊維構造物。
  8. 【請求項8】 化学式1で示されるポリオキシエチレン
    系ポリエーテルが含まれる請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の消臭繊維構造物。 【化1】A〔(R1O)lR2〕k Aは1〜6の活性水素を有する分子量300以下の有機
    化合物の残基である。R1はエチレン基を主体とする。
    但し、ポリオキシエチレン系ポリエーテルが水溶性であ
    る範囲内で、一部がプロピレン基やブチレン基であって
    もよい。R2は、アクリロイル基又はメタクリロイル基
    である。但し、一部は水素原子、メチル基、エチル基、
    プロピル基、又はブチル基等の低級アルキル基であって
    もよい。kは、Aの元になる有機化合物が有する活性水
    素原子数に対応する1〜6の整数である。lは、正の整
    数である。
  9. 【請求項9】 前記繊維は、ポリエステル繊維である請
    求項1〜8のいずれか1項に記載の消臭繊維構造物。
  10. 【請求項10】 消臭剤、吸湿剤のモノマー、及び化学
    式2で示されるポリオキシエチレン系ポリエーテルを含
    んだ加工液を繊維に付着させた後、スチームで熱処理を
    して、消臭剤を吸湿剤で繊維に固着させることからなる
    消臭繊維構造物の製造方法。 【化2】A〔(R1O)lR2〕k Aは1〜6の活性水素を有する分子量300以下の有機
    化合物の残基である。R1はエチレン基を主体とする。
    但し、ポリオキシエチレン系ポリエーテルが水溶性であ
    る範囲内で、一部がプロピレン基やブチレン基であって
    もよい。R2は、アクリロイル基又はメタクリロイル基
    である。但し、一部は水素原子、メチル基、エチル基、
    プロピル基、又はブチル基等の低級アルキル基であって
    もよい。kは、Aの元になる有機化合物が有する活性水
    素原子数に対応する1〜6の整数である。lは、正の整
    数である。
  11. 【請求項11】 ラジカル重合可能な官能基を有しない
    スルホン酸基を有する化合物が、前記加工液に含まれる
    請求項10に記載の消臭繊維構造物の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記吸湿剤モノマーの重合開始剤が、
    前記加工液に含まれる請求項10又は請求項11に記載
    の消臭繊維構造物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005273068A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Teijin Fibers Ltd 機能性繊維構造体およびその製造方法
JP2015526121A (ja) * 2012-06-15 2015-09-10 ザ プロクター アンド ギャンブルカンパニー 活性化アルケンを有する悪臭制御組成物及びその方法
JP2021053554A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 株式会社 竹宝 臭気吸着シートの製造方法及び臭気吸着シート

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