JP7151980B2 - 機器およびプログラム - Google Patents

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本発明は、例えば、機器およびプログラム等に関する。
近年、運転者の利便性を高める様々な車載用の機器が販売されている。そのような機器として、例えば、ドライブレコーダ、カーナビ、レーダ探知機等がある。そのような機器は、車両に取り付け可能であり、映像を記録したり、目的地を案内したり、レーダの位置を知らせる機能を有する。
2016-57822号公報
ところで、従来より、運転者が高齢者の場合に生じる事故が問題となっている。そのような事故は、高齢運転者が被害者となるような場合もあるが、高齢運転者が加害者となるような場合も多くあり、特に高齢運転者が加害者となってしまった場合は、残された家族に大きな負担が強いられることになりやすいため、高齢運転者の家族は、強い不安を持ち続けることになる。
これに対して、高齢者は運転免許を返納するようにしまえばよいという考えもあるが、高齢者の住まう環境や家族との関係を考慮すると、すべての高齢者に対して運転しなければよいと一括りにして議論することはできない。例えば、田舎に老夫婦のみで暮らす場合や、農作業などの自分の仕事を持っている高齢者などは、車が無いと生活できない場合もある。
しかし、高齢運転者は、通常の運転者よりも事故を引き起こす可能性が高いことは否定できず、高齢運転者の事故に関して、例えば、高齢運転者が犯しやすいエラーの4大特徴として、(1)いるはずがないとの思いこみ、(2)集中力の低下、(3)他に注意を奪われた、(4)見にくかったといった情報も発信されている(「高齢者の四輪運転中の事故~その推移と特徴~」、イタルダ・インフォメーション、[online]、財産法人 交通事故総合分析センター、2007年6月、No.68、p.2-12、[平成29年1月24日検索]、インターネット〈URL:http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info68.pdf〉〉を参照)。
このように高齢運転者の事故については従来からの問題であるにも関わらず、この問題の解決策はほとんど考えられてこなかった。特に、高齢運転者が被害者になることを抑止することは、通常の運転者も含む運転者全体の事故を防止しようという対策で足りる場合があるが、高齢運転者が事故の加害者になることに焦点を絞った対策は考えられてこなかった。
したがって、本発明の目的は、例えば、高齢運転者が車両を運転することによる危険の発生を抑制して、高齢運転者が事故の加害者または被害者になる可能性を低減させ、家族が高齢運転者に安心して運転してもらえる機器等を提供することにある。
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されており、この課題を解決するための構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。
(1)例えば、高齢運転者が運転する車両に取り付け可能な機器であって、前記高齢運転者の運転する当該車両に関する車両情報を取得し、当該車両情報から、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定し、当該判定に基づいて警告を報知手段に報知させることを特徴とするとよい。
このようにすれば、車両を運転する高齢運転者が加害者になりうる状況において、当該高齢運転者に警告が報知されることにより、高齢運転者が加害者になる可能性が低減され、高齢運転者の家族がより安心して、高齢運転者に運転をしてもらうことができる。また、車を運転することが外出の理由となり、高齢運転者が家に引きこもってしまうようなことを抑制し、健康の増進につながっていくことも考えられる。
車両に取り付け可能な機器は、自動車等の車両に取り付けて用いることができるものとするとよく、例えば、取付部を備え、当該取付部は自動車のダッシュボード上やフロントガラス上部等に取り付ける構造とするとよい。
「高齢運転者」は、例えば、施設に入るような年齢でなく、また介護が必要になる前の老人であって、トイレも一人で行くことができ、ご飯も家で食べることができるような老人を想定するとよい。また、例えば、40代や50代の息子と同居していて昼間畑仕事をするような老人とするとよい。
そのような老人は、例えば、軽トラックを運転して畑に行くことができるが、遠出する時は息子夫婦に同行するので、自分の家の周りだけが車両による単独での行動範囲となるような老人で、片田舎でバスも通っておらず、単独での行動範囲において移動に車が必要なところで暮らしていることが想定され、高齢運転者とならざるをえない。または、家族と同居しておらず、日常生活に車が欠かせない老人は、通院や日用品の買い出しでも車が欠かせないため、高齢運転者とならざるをえない。
「車両に関する車両情報」は、例えば、車両自体が取得する情報とするとよく、または、車両に取り付けられた本機器が取得する情報とするとよい。例えば、車両自体に備えるセンサ等によって取得する情報としてもよいし、本機に備えるセンサ等によって取得する情報としてもよい。
例えば、車両内部から見た外部の画像情報または車両内部の画像情報、車両または当該車両に取り付けられた機器に設けられた検知装置により検知される検知情報、GPSにより取得するGPS情報等とするとよい。画像情報は、例えば、カメラのような撮影装置から取得するとよい。また、検知装置は、例えば、速度センサや加速度センサのようなセンサとするとよい。
「車両情報から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定」することは、例えば、取得された車両情報と所定の条件情報との適合によって判定するとよい。所定の条件情報は、例えば、本発明に係る機器を動作させるプログラムに組み込まれ、または機器に設けられた記憶手段に記憶されるとよい。所定の条件情報は、例えば、事故の加害者になった過去の事案における車両によって取得すると考えられ車両情報とするとよい。例えば、車両シミュレータによって事故を記録して、記録された車両情報に基づいて所定の条件情報を決定するとよい。そして、その条件情報を車両情報と比較することによって、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定するとよい。
また、「車両情報から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定」することは、例えば、本発明に係る機器の制御手段が、プログラムに組み込まれた所定の条件情報または記憶手段に記憶された所定の条件情報と、取得した車両情報とを比較して、当該車両情報が当該条件情報に適合するか否かを判定する処理とするとよい。
また、「高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況」は、画像情報、GPS情報、速度情報等の単独の情報と所定の条件情報との適合を判定するとよいが、複数の情報と所定の条件情報との適合を判定するとさらによい。複数の情報との適合を判定することにより、単独の情報との適合を判定する場合に比較して、「高齢運転者が事故の加害者になりうる状況」を適格に判定することができる。所定の条件情報は、画像情報、GPS情報、速度情報等の複数の条件情報とするとよい。
複数の情報と所定の条件情報との適合を判定する場合は、例えば、後述する(8)の構成のように、信号機情報と速度情報とが所定の条件情報に適合するか否かによって判定するとよい。この場合に「所定の条件」情報は、例えば、信号機情報が黄色信号または赤信号の状態で、かつ速度情報が一定の速度以上の状態を示す情報とするとよい。また、後述する(9)の「ふらつき」は、加速度情報、速度情報、GPS情報、画像情報等の複数の情報が、所定の条件情報に適合するか否かによって判定されるとよい。
そして、例えば、記憶手段に記憶される「所定の条件」情報の一部は、初期設定として固定された条件とするとよいが、他の一部は、後述する(2)における個別設定のように、個別に設定可能とするとよい。所定の条件のうち、条件の設定が容易なものは、個別設定を可能とするとよい。
「判定に基づいて警告を報知すること」は、例えば、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況が、所定の条件に適合すると判定された場合に警告を報知するように処理するとよい。したがって、当該車両のおかれた状況が所定の条件に適合するか否かを判定し、適合すると判定した場合は警告を報知するように処理し、適合しないと判定した場合は警告を報知しないように処理するとよい。
しかし、その一方で、高齢運転者が事故の加害者になりうる条件に適合すると判定されても他の条件が加味された場合に警告を報知しないように処理するとよい。車両の運転では、車両のおかれた状況が同時に複数の条件に適合する場合があり、場合によっては、警告を報知しない方が安全に運転できることもありうる。
また、例えば、複数の条件に適合すると判定された場合に、警告を報知するとよく、例えば、所定の速度以上で所定の値以上に車両が左または右に寄ったことに基づいて、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況と判定し、警告を報知するとよい。
また、例えば、条件に適合すると判定された場合であっても、他の条件に適合しないと判定された場合には、警告を報知しないようにするとよい。例えば、後述する(11)のように、車両が所定値以上に右に寄ったことから高齢運転者が事故の加害者になりうる状況と判定されても、対向車が来ないことを条件に警告を報知しないように処理するとよい。
「警告を報知する」ことは、例えば、一般運転者に比較して弱めの警告とするとよく、注意を喚起する程度、アドバイスを与える程度の警告とするとよく、強いビープ音等にしないとよい。高齢運転者は、年齢が上がれば上がるほど短気になるため、びっくりさせない、いらいらさせないような警告を報知するとよい。例えば、警告を報知する機能は、一般運転者向けの警告と、一般運転者向けの警告より弱い、高齢運転者向けの警告とを切り替えるようにするとよい。
本発明に係る機器は、例えば、前記した制御を高齢運転者用の制御モードとし、高齢運転者以外の一般運転者用の制御モードを有するとよく、両モードを切り替え可能とするとさらによい。
一般運転者用のモードでは、例えば、高齢運転者以外の一般運転者が運転する車両に取り付け可能な機器であって、一般運転者の運転する当該車両に関する車両情報を取得し、当該車両情報から、一般運転者が前記車両を運転することによって事故の被害者になりうる状況か否かを判定し、当該判定に基づいて警告を報知手段に報知させるとよい。例えば、警告を報知する機能は、前述したように一般運転者向けの警告と、高齢運転者向けの警告とを切り替えるようにしてもよいが、一般運転者用のモードと高齢運転者用のモードを切り替えることにより、モードの切り替えに応じて切り替わるようにするとさらによい。
(2)例えば、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる前記状況を当該高齢運転者の家族が設定する機能を有する。
このようにすれば、高齢運転者各々の家族が、当該高齢運転者に最適と考える設定を個別に行うことができ、設定が適切にされれば、その高齢運転者に最適と考えられる状況で警告が報知されるため、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況が初期設定されている場合に比較して、高齢運転者の不安を軽減し、また家族がより安心して高齢運転者に運転してもらえる。
「前記状況を前記高齢運転者の家族が設定する機能」は、例えば、取得された情報との適合を判定される所定の条件の一部を家族が設定する機能とするとよい。例えば、後述する(3)における「位置情報」に関する条件を設定したり、(8)における「信号機情報」に関する条件および「速度情報」に関する条件を設定したりするとよい。設定された条件は、例えば、設定データとして本機器の記憶手段に記憶するとよい。
例えば、(3)における「位置情報」に関する条件は、特定の位置または特定の範囲に車両が到達することを条件として設定するとよく、また例えば、(8)における「信号機情報」に関する条件は、信号機の灯火の色が所定の色と認識されることを条件として設定するとよく、「速度情報」に関する条件は、車両の速度が一定の閾値を超えていることを条件として設定するとよい。
また、本機器は、例えば、表示装置を備えるとよく、「設定する機能」は、例えば、設定される項目が表示装置に、表示され、項目を適宜選択することによって設定する機能とするとよい。例えば、(12)のような気候情報に関する状況を設定する項目を含む複数の項目が表示装置に表示され、(12)を選択した場合には、温度、天気、湿度等の項目が表示され、温度を選択した場合には、警告を報知する温度を1度刻みで選択するような表示をするとよい。選択は、表示装置に設けられた入力ボタンやタッチパネルのような設定部により行われるとよい。または、「設定する機能」は、(5)の外部設定機器により設定されるとよい。
また、例えば、「高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況」として考えられる場所、時間、事象等の項目と、各項目の選択肢を予め用意しておき、高齢運転者の家族が選択肢を選ぶこととするとよい。また、そのような設定は、日々変化する高齢運転者の状態や運転状況を考慮して何度も繰り返し行われるとよい。
例えば、「高齢運転者の家族が設定する機能」は、高齢運転者の家族よりも高齢運転者の方が設定することが困難となる構成を備えるとよく、より望ましくは、高齢運転者の家族のみが設定するようにするとよい。例えば、高齢運転者の家族を識別する情報を入力する機能を備えるとよい。
さらに、本機器は、例えば、「高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況」を、その家族のみが設定する機能を有するとよく、高齢運転者が設定できない機能を有するとよい。例えば、本機器がパスワードを要求する機能を有し、設定の前には、パスワードが要求され、パスワードを知っている家族のみがパスワードを入力することにより設定できる機能を有するとよく、パスワードを知らない高齢運転者は設定することができない機能を有するとよい。
(3)例えば、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる前記状況を、前記高齢運転者に特有の危険が予測される位置情報に関して前記高齢運転者の家族が設定する機能を有するとよい。
このようにすれば、高齢運転者が加害者になりそうな位置で網羅的に警告が報知されるため、家族はより安心して高齢運転者に運転をしてもらうことができる。なお、高齢運転者は運転範囲が限られるため、危険が予測される位置は限定的である。したがって、個々の高齢運転者に応じた特有の位置を家族が網羅して設定できる。
「高齢運転者に特有の危険」は、例えば、一般的な高齢運転者に共通する危険であるとよく、一般の高齢運転者の運転癖や、運転習慣に着目した危険とするとよい。例えば、中央線に寄っては戻るという動きを繰り返すような一般的な高齢運転者が有する運転癖から生じる危険とするとよい。
一般的な高齢運転者は、普通に、真っすぐ運転できず、ずっと右、中央線に寄っていっては戻る、中央線に寄っていっては戻るといった動きで、左側はガードレールがあるため怖いが、中央線ってまたいでも対向車が来なければ車は当たらないという意識が働いて、基本的に内側に入ってくるような運転をしがちである。また、たまに大型トラックが来るとびっくりして左に切って左に当たったりすることがある。したがって、そのような運転をしてしまいそうな特定の場所は「危険が予測される位置」とするとよい。
「高齢運転者に特有の危険」は、他方で、特定の高齢運転者が有する危険であるとよく、当該高齢運転者の家族が設定するとよい。例えば、当該特定の高齢運転者が日常的に通うコンビニや定期的に行くホームセンターで、かつ人や車の出入りが多い場所は危険が予測される位置と想定され、「高齢運転者に特有の危険が予測される位置情報」として家族が設定するとよい。
また、例えば、以前に事故があった事例がある場所は「危険が予測される位置」として家族が設定するとよく、例えば、その事故がアクセルとブレーキの踏み間違えのようなときは、「高齢運転者に特有の危険が予測される位置情報」に関する事例として設定するとよい。
(4)例えば、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる前記状況を、前記位置情報に関連し、前記高齢運転者に特有の危険が予測される事象情報に関して前記高齢運転者の家族が設定する機能を有するとよい。
このようにすれば、高齢運転者の家族が限定的な位置情報とその位置に対応した事象情報に基づいて、高齢運転者に特有の加害者になりうる状況を網羅して設定することができる。これにより、高齢運転者が加害者になりそうな位置と事象とで網羅的に警告が報知されるため、家族はより安心して高齢運転者に運転をしてもらうことができる。なお、高齢運転者は運転範囲が限られるため、その運転範囲で危険が予測される事象も限定的であり、特に、位置情報を家族が設定する機能を有するとよい。
「前記位置情報に関連し、前記高齢運転者に特有の危険が予測される事象情報」は、例えば、位置に関連した事象の時間、内容、天候に関する情報とするとよい。具体的には、例えば、高齢運転者の運転範囲に小学生の通学路がある場合に、通学路という位置情報に関連し、所定の時間帯に小学生が通学するという事象に関する情報とするとよい。
通学路のような悲惨な車両事故の起こりうる場所は日本中に無数に存在するが、高齢運転者の運転範囲に限れば、位置情報と事象情報とを設定可能な程度に絞られるため、家族が高齢運転者のためにわざわざ設定しても大きな負担とならず、高齢運転者のために家族が設定をし、家族はより安心して高齢運転者に運転をしてもらうことができる。
(5)例えば、(4)における機器に前記状況を設定するための外部設定機器であって、表示部を備え、地図情報と、当該地図上の前記位置情報と、前記位置情報に関連する前記事象情報と、前記警告の内容に関する警告情報とを前記表示部に表示させ、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる前記状況を前記高齢運転者の家族が設定する機能を有するとよい。
このようにすれば、地図情報、位置情報、事象情報、警告情報等の情報を外部設定機器の表示手段に表示させて、高齢運転者が加害者になりうると考えられる状況を外部設定機器によって設定できる。地図情報等の情報は大きく表示された方が設定を容易にできるため、本発明のような車両に取り付け可能の機器とは別の外部設定機器の表示装置に表示できれば、各設定が容易になる。
外部設定機器は、例えば、パソコン、タブレット、スマートフォン等とするとよい。または、外部設定機器への接続は、例えば、有線または無線を介して行うとよく、または、SDカードのような記憶媒体を介して行うとよい。
外部設定機器の「設定する機能」は、例えば、本機器の記憶手段に記憶された所定の条件を、本機器の設定部によらず、本機器に代わって、各設定を外部設定機器によって設定する機能とするとよい。例えば、本機器は、外部設定機器に有線または無線により接続され、外部設定機器により状況を判定する条件を設定する機能を有するとよい。
外部設定機器は、外部機器の表示部を見ながら、当該条件を選択可能とし、状況の適合を判定するための条件として設定データを作成する。その後、本機器の記憶手段に当該条件として設定データを記憶するとよい。本機器がそのような外部設定機器に接続可能であれば、例えば、本発明に係る機器には、外部設定機器への接続部だけを設け、ボタンのような設定部を設けないようにするとよい。このようにすれば、本機器の構造を簡易にできる。
「地図情報」は、例えば、電子化された地図とし、表示部の表示画面の一部に表示するとよい。また、「地図上の位置情報」は、表示された地図において、例えば、所定の位置に配置されるピンとして地図上に表示するとよい。
「警告情報」は、例えば、後述する(13)における機器の表示画面等に表示され、または警告音出力手段により発生される警告であって、どの報知手段がどのような方法で警告を報知するかを示す情報とするとよい。具体的には、「警告情報」は、例えば、表示画面に単一色の背景と、大きな文字により警告が報知されることを示す情報や、ビープ音や、録音された家族の音声により報知がされることを示す情報とするとよい。
(6)例えば、さらに、前記位置情報を登録するための位置情報登録部を備え、前記高齢運転者が運転する車両を前記高齢運転者に代わって当該高齢運転者の家族が運転する際に、前記位置情報登録部が操作されて、前記位置情報を登録する機能を有するとよい。
このようにすれば、高齢運転者の家族が、高齢運転者に代わって運転しながら、高齢運転者が運転する場合を想定して危険な位置のみを登録し、運転終了後に登録された位置に関する他の情報を登録することができる。
当該他の情報は、当該位置が視界の悪い位置であるとか、当該位置に信号機があるとか、当該位置が小学生の通学路である等の情報とするとよい。そのようにすれば、実際の運転に基づいた位置情報の登録が容易になる。したがって、状況を設定する作業が容易になり、危険な位置を確実に登録でき、高齢運転者が事故となる可能性を低減することができる。
また、(5)の外部設定機器は、高齢運転者の家族が、当該高齢運転者と一緒に設定できる構成とするとよく、例えば、位置情報登録部により、高齢運転者の家族が位置情報を運転しながら登録し、位置情報の登録後に、当該高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況の設定を当該高齢運転者と一緒に行うことができ、家族と高齢運転者とのコミュニケーションの向上も期待できる。
「位置情報登録部」は、例えば、機器に設けられたボタンやタッチパネルのような押圧手段とするとよい。そのようにすれば、運転中であっても押圧手段が容易に押圧できるため、その場で位置情報を適宜登録できる。
さらに、「位置情報登録部」は、例えば、無線または有線で接続されたリモコンのような外部登録手段に設けられるとよい。そのようにすれば、リモコンを運転者の手の届く範囲に配置でき、運転者は機器に手を伸ばす必要がなく、運転中に姿勢を変更することなく位置情報の登録ができる。
(7)例えば、前記高齢運転者が事故の加害者になりうる状況になった後に警告の報知を開始し、事故の加害者になりえない状況になった後に報知を終了するとよい。
このようにすれば、加害者になりえない状況となった後に報知を終了することにより、高齢運転者が自分の運転の正確さを認識でき、加害者になりえない状況でも報知を続けてしまう場合に比較して、適切な運転を心がけてもらえるようになる。
「事故の加害者になりえない状況」は、例えば、加害者になる可能性が全くない状況とするとよい。「加害者になる可能性が全くない状況」は、例えば、車両の移動速度が0km/hになった場合(車両が停止した場合)とするとよい。または、「事故の加害者になりえない状況」は、例えば、通常は加害者になる可能性がない状況とするとよい。
通常は加害者になる可能性がない状況で報知が終了すれば、通常は報知が不要と考えられる場面で報知が終了し、加害者になる可能性が全くない状況でのみ報知が終了する場合に比較して、高齢運転者が自分の運転の正確さをより適格に認識できる。
「事故の加害者になりうる状況」は、例えば、固定された条件とするとよい。一般的に、例えば、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況は、高齢運転者以外の通常運転者が事故の加害者になりうる状況よりも広く、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況は、高齢運転者以外の通常運転者が事故の加害者になりうる状況を包含する。したがって、「高齢運転者が事故の加害者になりうる状況」は、一般の運転者が事故の加害者が事故の加害者となりうる状況より広い範囲で初期設定するとよい。
また、「事故の加害者になりえない状況」は、例えば、固定された条件とするとよい。一般的に、例えば、高齢運転者が事故の加害者になりえない状況は、高齢運転者以外の通常運転者が事故の加害者になりえない状況よりも狭く、高齢運転者が事故の加害者になりえない状況は、高齢運転者以外の通常運転者が事故の加害者になりえない状況に包含される。したがって、例えば、「事故の加害者になりえない状況」は、一般の運転者が事故の加害者が事故の加害者となりうる状況より狭い範囲で初期設定するとよい。
また、例えば、「高齢運転者が事故の加害者になりうる状況」および「高齢運転者が事故の加害者になりえない状況」の少なくともいずれか一方を初期設定とし、または(2)のように当該高齢運転者の家族が設定するようにするとよい。
特に、例えば、「高齢運転者が事故の加害者になりうる状況」および「高齢運転者が事故の加害者になりえない状況」の両方を当該高齢運転者の家族が設定するようにするとよい。このようにすれば、家族が設定をすることで、その高齢運転者が自身の特性に合った適切な運転をするように促すことができる。
また、例えば、「高齢運転者が事故の加害者になりえない状況」は設定せずに、「高齢運転者が事故の加害者になりうる状況」だけを家族が設定するようにするとよい。そのようにすれば、報知を終了する状況は初期設定に任せ、報知を開始する状況だけを家族が設定することで、設定を容易にしながら、高齢運転者に特有の状況で警告を確実に報知することができる。
(8)例えば、前記車両の前方の信号機の灯火の色に関する信号機情報と、前記車両の速度に関する速度情報とを取得し、当該信号機情報と速度情報とから、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定する。
このようにすれば、信号機情報と速度情報との関係から、高齢運転者が加害者となる状況として判定することで、高齢運転者に頻発する事故の可能性を低減することができる。なお、高齢運転者は、加齢による集中度の低下や運転中に他に注意を奪われやすいことから運転を誤りやすく、事故の加害者となりやすい。そのため、これらを原因に信号機を見落としたり、気づくのが遅れたりする場合が多くある。
例えば、車両の前方の信号機の灯火の色が赤色または黄色であり、かつ車両の速度が減少しない場合に、報知手段が警告を報知するようにするとよい。そのようにすれば、停止すべき交差点に進入してしまい他の車両に衝突されるという、高齢運転者の非が大きい事故が起こる可能性を低減することができる。
また、例えば、信号機の灯火の色が赤色から青色に変わっても車両の移動速度が変化しない場合に車両のスタートを促す警告を報知するようにするとよい。そのようにすれば、信号機の灯火の色が青色になったことに遅れて気づいたときに、慌てて車両をスタートさせようとして運転を誤ることを抑制することができる。
特に、高齢運転者は、年齢が上がるほど短気になる傾向が強く、クラクションを鳴らされたりした場合に、いらいらしてしまうことがある。そうすると、その場での事故は生じなくても、いらいらした不安定な精神状態での運転により、別の場で事故を起こす可能性がある。したがって、青信号でスタートを報知するようにすれば、他の車両からのクラクションを鳴らされるようなことがなくなり、高齢運転者をいらいらさせることを抑制できる。
「信号機情報」の取得は、例えば、車両の前方を撮影するカメラのような撮影手段によって取得するとよい。信号機情報は、撮影手段が撮影する画像を画像処理すると、信号機のLEDが無数に点滅して処理されることをキーに信号機の認識と色の把握を行うことにより取得できる。
「速度情報」は、GPSやOBDから取得できる速度や加速度センサによる加速度を基に取得でき、車両の速度または加速度の情報とするとよい。
また、このときに(7)の構成をさらに備えるとよく、例えば、前記信号機情報と前記速度情報とに基づいて、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況になったときから警告の報知を開始し、事故の加害者になりえない状況になると報知を終了するとよい。
このようにすれば、信号機情報と速度情報とに基づいて高齢運転者が事故の加害者になりえない状況で報知を終了することにより、例えば、信号機情報が赤信号で、速度情報が所定の移動速度以上の場合に報知を開始し、信号機までの距離との関係で速度情報の移動速度が所定の移動速度以下になった場合に報知を終了することにより、高齢運転者は、自分が赤信号に適切に対応したことが認識できる。
仮に、移動速度が所定値以下になってもしばらく報知が継続すると、高齢運転者は、自分が減速したことが間違っていたかのように感じやすく、報知することでかえって不安を煽ることになりかねないため、警告の報知を適切に終了する効果は大きい。
(9)例えば、前記車両情報から、前記高齢運転者が運転する車両のふらつきを判定し、当該判定に基づき、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定する機能を有するとよい。
高齢運転者の運転は、一般的に、左右にふらついてしまいやすいという特徴があるため、このようにすれば、ふらつきに基づいて、高齢運転者が加害者となる状況で警告が報知されるため、高齢運転者の特徴であるふらつき運転により、高齢運転者に頻発する事故の可能性を低減することができる。
「ふらつき」は、例えば、走行中の車両が左右に不安定に移動する、いわゆるふらついた状態の他に、後述する(10)のように進行方向が右の一方に大きく変化した状態、または左の一方に大きく変化した状態とするとよく、車両情報から判定するとよい。「ふらつき」の判定に用いる車両情報は、例えば、加速度センサによって左右の加速度の変化によって取得するとよい。また、GPSによって取得される位置情報の変化によって取得するとよい。また、カメラのような撮影手段によって撮影される画像から取得するとよい。
「ふらつき」は、例えば、中央線に寄っては戻るという動きを繰り返すような高齢運転者に特有の運転癖から生じる状況とするとよく、または、高齢運転者に特有の視野が狭いことによる状況とするとよい。また、ふらつきと曲がりの区別はしないようするとよく、例えば、ふらつきとされる所定の条件に車両情報が適合すると一律にふらつきと判定するとよい。
また、「ふらつきの判定」は、左右のふらつきの他に、例えば、急発進、急ブレーキのような車両の前後の速度や加速度の変化によるふらつきを判定するとよく、急発進や急ブレーキについての警告を報知するとよい。
(10)例えば、前記車両情報から、前記車両が右に所定値以上寄ったことを判定し、当該判定に基づき、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定するとよい。
このようにすれば、車両が右側に寄ってしまい、対向車が来た場合に正面衝突のような重大な事故が起こる可能性を低減することができる。
例えば、高齢運転者は、中央線に寄って戻るといった動きをすることが多くある。これは、左側はガードレールがあるため、左側を警戒するが、右側は中央線をまたいでも対向車が来なければ危険はないという意識が働いた高齢運転者に特有の運転癖である。しかし、車両が右側に寄ってしまうと、対向車が来た場合には、正面衝突等の重大な事故を引き起こすことになる。
したがって、ふらつき情報において右方向への変化が大きい場合に警告を報知することにより、高齢運転者特有の重大な事故が起こることを低減することができる。また、例えば、左に大きく変化した状態のときに、警告を報知するとよい。そのようにすれば、進行方向に歩行者や自転車がいる可能性があることを高齢運転者に知らせることができる。
「前記車両が右に所定値以上寄ったこと」の判定は、例えば、車両が中央線を跨いだことや、中央線との距離が縮まったことに基づいて判定するとよい。
(11)さらに、対向車の有無を判定し、前記車両が右に所定値以上寄ったことの判定から、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定した場合であっても、対向車が無いと判定した場合は、警告を報知しない。
高齢運転者による運転の特徴で、右側に寄ってしまった場合であっても、対向車が来ない場合は、重大な事故を引き起こす可能性は小さい。したがって、頻繁に右に寄ってしまう場合に報知を都度行うと高齢運転者に不快感を抱かせてしまう。したがって、対向車が来ない場合に、警告を報知しないことで、報知が度重なることが無くなり、運転者に不快感を抱かせることを低減することができる。
対向車情報は、例えば、カメラのような撮影手段によって撮影される画像に、正面方向から見た車両の映像が含まれるか否かに基づいて取得することができる。
(12)例えば、前記車両情報に加え、気候情報を取得し、前記車両情報とともに、前記気候情報に基づいて、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定するとよい。
このようにすれば、車両の位置に関連する気候情報に基づいて警告を報知し、高齢運転が気候を要因とした危険を低減させることができる。一般に高齢運転者は、気候による体の不調を来たしやすいため、一般運転者に比較して、運転中の気候によって高齢運転者に特有の危険が発生しやすい。
したがって、車両情報と気候一般運転者に対して気候に基づいて警告を報知する場合は、一般運転者が危険と想定される条件より厳しく、はやい段階で警告を報知するとよい。なお、本願出願時には、車両情報とともに気候情報を用いる構成を記載しているが、車両情報に代えて気候情報を用いる構成を分割等により権利化する意志を有する。
「気候情報」は、例えば、気温、湿度、晴雨、風速など、大気または大気中の物理的状態に関する情報とするとよく、例えば、制御手段は、温度センサ、湿度センサ、風速センサのような各種センサから直接取得することに加え、ワイパーが動作したことを、OBDコネクタを介して取得し、降雨の情報を間接的に取得するとよい。
前記車両情報は、例えば、車両の位置情報とするとよい。このようにすれば、高齢運転者の家族が限定的な位置情報とその位置に対応した気候情報に基づいて高齢運転者に特有の加害者になりうる状況を網羅して設定することができる。これにより、高齢運転者が加害者になりそうな位置と気候により網羅的に警告が報知されるため、家族はより安心して高齢運転者に運転をしてもらうことができる。なお、高齢運転者は運転範囲が限られるため、その運転範囲から位置情報が限定的となる。
気候情報と、位置情報とに基づいて、警告を報知させることは、例えば、熱中症等の危険が予測される程度に気温が高い場合に、スタート位置の位置情報から所定距離移動した後に、水分補給を促すような警告を報知するようにするとよい。これにより、高齢運転者が熱中症により運転操作を誤って加害者になってしまうような事故が起こる可能性を低減することができる。
また、「気候情報に基づいて警告を報知させる」ことは、例えば、夏場高温になったときや、車内温度が急激に上昇するような夏場に、何らかの警告、例えば、水分補給を促すお知らせとするとよい。高齢者は気候の変化に我慢強い人が多いため、気候情報に基づいて警告が報知されることで、高齢運転者に気候の変化を認識させ、高齢運転者に特有の危険を抑止することができる。
警告の報知は、強く行動を制限するようなものではなく、例えば、アドバイスのように、水を飲んだ方がよいとか、窓を開けた方がよいとか、注意を喚起する程度で、行動を後押しするようなものとするとよい。さらに、報知する警告は、「あまり長期間運転すると集中力が低下してしまいますよ」といったお知らせや、降雨のときに、「前方が見づらくなっていますよ」といったお知らせするようにするとよい。
(13)例えば、前記報知手段は、全面が単一色の背景を表示可能な表示画面を備え、前記表示画面は、前記背景の色を変化させることにより警告を報知するとよい。
このようにすれば、高齢運転者が最も認識しやすい視覚情報である色の変化が、特に変化を認識しやすい表示画面全体の背景において、単一色の変化として警告が報知される。これにより、高齢運転者に確実に警告を認識させることができるため、高齢運転者の運転による事故が起こる確率が低減し、その家族が安心して高齢運転者に運転してもらうことができる。
「色の変化」は、表示画面が通常はカメラ画像のような画像を表示している状況からから赤一色に変化するようにするとよい。これによ、赤以外の色への変化と比較して、通常状態とは異なる状態であることを高齢運転者が理解しやすく、高齢運転者の運転による事故が起こる確率を低減させることができる。また、「色の変化」は、同一色の背景が点滅するような変化や異なる色の背景が順次入れ替わるような変化とするとよい。
例えば、白内障などの様々視力に関する病気を抱えて運転をしている高齢運転者であっても、表示背景の色の変化は、文字による警告に比較して直感的に最も認識しやすく、例えば、色によって危険が報知されることを記憶しておくことで、事故の加害者となる可能性が低減される。
(14)例えば、前記報知手段は音により警告を報知する警告音出力手段を備え、前記表示画面は、前記表示背景に加え、文字により警告を表示し、前記高齢運転者の特性に合わせて、前記表示背景の色と、前記文字および前記音の少なくともいずれか一方との組み合わせにより前記報知手段により警告を報知するとよい。
このようにすれば、表示背景の色に加え、文字、音の少なくともいずれか一方との組み合わせにより警告を報知することで、高齢運転者が警告を認識しやすくなる。特に、高齢運転者は身体的問題を有することがあり、そのような場合は1つの方法では警告を認識することが難しい場合であっても高齢運転者に警告を認識してもらえるようになる。
表示画面は、例えば、背景と文字以外の要素を有しない構成とするとよく、例えば、アイコンや地図が表示されずに文字と背景の色だけで警告を報知する機能とするとよい。また、例えば、赤の色味を高齢運転者が認識しやすい色味に設定できるようにするとよい。
例えば、視力に問題を有する高齢運転者は、文字を認識することは困難な場合があるが、表示背景の色や音による警告が合わせて行われれば、警告を適格に認識させることができる。また、聴力に問題を有する高齢運転者は、表示背景の色や文字による警告が合わせて行われれば、警告を適格に認識させることができる。また、運転中は文字の認識が困難であっても、停止状態であれば文字を認識することができる。
(15)例えば、前記表示背景の色、前記文字、前記音の少なくともいずれか1つを、前記高齢運転者の家族が前記高齢運転者の特性に合わせて設定する機能を有するとよい。
このようにすれば高齢運転者のことを最もよく知る家族が、高齢運転者の特性に合わせて、表示の設定を行うことができ、最も認識されやすい警告の報知をすることができる。これにより、高齢運転者は家族の愛情の下に車両を運転することができ、事故を防止しようとする意識も高まる。
設定方法は、例えば、初期設定で表示背景の色と文字の色の組み合わせを初期設定により複数種類用意しておき、文字による警告の文章の内容だけ変更するようにするとよい。そのようにすれば、高齢運転者の特性に合わせて、見やすい色の組み合わせで、注意喚起したい内容を個別設定できる。
色の組み合わせは例えば補色の関係とするとよいが、高齢運転者の個性に応じて選択されるとさらによい。また、例えば、「おじいちゃん気をつけて」などのような家族の声を録音し、状況に応じて報知するように設定するとよい。家族の声であれば、高齢運転者が注意喚起を素直に受け入れることができる。
ところで、例えば、前記車両が運転された距離または頻度に基づいて高齢運転者に運転する動機を与えうる報奨情報を表示手段に表示させるようにするとよい。特に、次の(16)のように、例えば、運転された頻度は、車両が運転された日数をカウントすることにより測るとよい。
(16)例えば、前記車両が継続して運転された日数をカウントし、所定日数をカウントした場合に、前記高齢運転者に運転する動機を与えうる報奨情報を表示手段に表示させるとよい。
高齢運転者が車両を継続して運転した日数に応じて、報奨情報が表示されることにより、高齢運転者に運転する動機を与え、毎日でも運転をしようという気を起こさせることができる。これにより、高齢運転者が運転を嫌いになって引きこもってしまうようなことにならず、高齢運転者の家族が安心して高齢運転者に運転してもらえる環境を提供することができる。
「日数をカウント」することは、単純な運転の距離や回数、頻度ではなく、例えば、一日のうち一回でも運転された日をカウントするとよい。また、「所定日数をカウントされた場合」は、例えば、1ヶ月といった所定期間に毎日運転されたことをカウントするようにするとよい。具体的には、例えば、10日間無事に運転できれば、タマゴが孵化して動物がでてくるような映像を機器の表示装置に表示するようにするとよい。
さらに、例えば、次の10日間で無事に運転できれば、タマゴから孵化する動物が増えていくようにするとよい。そのようにすれば、動物を収集したいという欲求も相まって、高齢者に毎日運転をしようという気を起こさせることができる。運転された日のカウントは、例えば、車両のエンジンをかけられたことを基準にカウントするとよい。または、車両が所定距離移動したことを基準にカウントするとよい。
「報奨情報」は、動物の映像の他に、例えば、高齢運転者の家族の写真画像とするとよい。高齢運転者は、家族に対して深い愛情を持っているので、そのようにすれば、報奨情報による運転をしようという動機付けを強くすることができる。例えば、運転を継続する日数に応じて、報奨情報を随時表示するとよく、継続した日数に応じて、報奨情報を変化させるとさらによい。報奨情報を変化させる場合は、例えば、報奨の価値が大きくなるように変化させるとよい。報奨情報を表示する場合の運転を継続する日数は2日以上出ればよいが、数日とするとよく、特に5日とするとよい。また、当該日数は、5日以上でもよいが、長すぎると運転を継続することを途中で止めてしまう可能性があるため、2日~5日前後とするとさらによい。
また、例えば、車両が運転された頻度について、減点処理を行わずに、報奨情報を表示するとよい。そのようにすれば、減点によって高齢運転者が運転することを敬遠するようなことにならず、報奨情報による運転をしようという動機付けを阻害することがない。例えば、運転中に急発進、急ブレーキ等が加速度センサからの情報で取得された場合や、通常運転が予定されている所定距離に運転距離が及ばない場合であっても、高齢運転者が事故を起こさず運転した日をカウントするようにすればよい。特に、前記した(16)のように、車両が運転される頻度を日数としてカウントする場合には、次の(17)のようにするとよい。
(17)例えば、前記カウントは加算のみするとよい。
日数のカウントが減算されることがあると高齢運転者が日々、運転を続ける動機を減らすことになりかねないが、日数のカウントが加算されるのみなので、高齢運転者は、単純に、車両を運転することだけを考えればよく、運転を日々続けさせることができる。これにより、高齢運転者の家族が安心して高齢運転者に運転してもらえる環境を提供することができる。
また、前記車両が運転された回数または頻度を算出し、算出された値が所定値以上の場合に、前記高齢運転者に運転する動機を与えうる報奨情報を表示手段に表示させ、算出の際には、減算しないこととするとよい。
このようにすれば、良い情報だけを知らせ、悪い情報を知らせにないようにすることで、運転者の運転しようをする動機を高めることができる。
(18)(1)~(17)のいずれかに記載の機器の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムとして構成するとよい。
上述した構成は例示であり、一部を拡張したり、一部を限定してもよい。また、構成に矛盾の無い範囲で構成が組み合わされてもよい。例えば、上述した(1)から(17)までの発明は、任意に組み合わせることができる。また、例えば(1)の全部または一部の構成を備えずに他の(2)から(17)までの少なくともいずれか1つの構成を備えたものとしてもよい。但し特に、(1)の構成の全部または一部を備えて、(2)から(17)までの少なくともいずれか1つの構成と組み合わせを備えるとよい。また(1)から(17)までの少なくとも1つから任意の構成要素を抽出し、組み合わせてもよい。本願出願人はこれらのような構成についても特許権を取得する意思を有する。
本発明によれば、例えば、高齢運転者が車両を運転することによる危険の発生を抑制して、高齢運転者が事故の加害者または被害者になる可能性を低減させ、家族が高齢運転者に安心して運転してもらえる機器等を提供することができる。本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。
本発明の好適な一実施形態である機器を備える安全システムの構成を示すブロック図である。 機器のメインユニットの車両への取付状態を示す図である。 図1に示す表示装置の外観の正面を示す図である。 表示装置の表示画面が変化する状態を示す図である。 機器を取り付けられた車両が車線の右方向に寄った場合の運転状態を示す図である。 機器を取り付けられた車両がふらついた場合の運転状態を示す図である。 機器に接続する外部設定機器の表示画面を示す図である。 表示装置の表示画面の表示例を示す図である。 表示装置の表示画面に報奨情報を表示する例を示す図である。
図1~図9は、本発明の好適な一実施の形態として、機器であるドライブレコーダを含む安全システムの構成を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る機器を含む安全システムは、制御手段10を備えたメインユニット(以下、「本体」とも称する)1と、メインユニット1の制御手段10に接続されるフロントビューカメラ11、GPSユニット12、OBDコネクタ13、加速度センサ14、増設カメラ15、温湿度センサ16、リモコン17、表示装置18、タッチパネル19、入力ボタン20、内蔵マイク21、スピーカ22、近距離無線通信装置23、メモリカードスロット24および記憶手段25(図示しない)を備える。
制御手段10、加速度センサ14、温湿度センサ16、内蔵マイク21、スピーカ22、近距離無線通信装置23、メモリカードスロット24、記憶手段25は、メインユニット1に設けられる。また、フロントビューカメラ11、GPSユニット12、OBDコネクタ13、増設カメラ15、リモコン17、表示装置18は、メインユニット1とは別に車両内に設けられる。
メインユニット1の制御手段10はマイコンを備え、本実施形態における処理は、当該マイコンに記憶されたプログラムをマイコンに備えるコンピュータが実行することにより実現する。
メインユニット1は、図2に示すように、例えば、運転席の左前方の位置のセンターコンソールやインパネのアンダーカバーなどに両面テープを用いて底面を貼り付けて固定する。
メインユニット1は、メインユニット1とは別に設けられた表示装置18に対して映像信号と音声信号とを出力する端子であるAV出力端子と、外部マイクから音声信号を入力する端子であるマイク端子と、SDカードスロット(図1のメモリカードスロット24に対応)とを備える。
これらの各端子には、それぞれ対応する各コネクタが接続され、各コネクタに接続されたコード(ケーブル)を介して対応する各装置に接続される。すなわち、制御手段10は、AV出力端子に接続されたAV出力コネクタを介して表示装置18と接続される。また、メインユニット1には、開口部が設けられ、開口部内に制御手段10に接続された内蔵マイク21を有する。また、メインユニット1には、その内部に、制御手段10に接続されたスピーカ22が設けられている。
表示装置18は、図3に示すように、従来よく知られる液晶モニタであり、例えば、車両中においてダッシュボード上に取り付け具を介して着脱可能に取り付けられる。表示装置18は、カーナビやカーテレビなどNTSC信号を入力して表示する。タッチパネル19は、表示装置18のディスプレイに設けられ、タッチ部にタッチして操作することができる。また、表示装置18のディスプレイの両側には、複数の入力ボタン20が設けられている。
表示装置18では一般にディスプレイ部に表示されるディスプレイが階層化されており、階層化されたディスプレイでは、まず上位の階層にGUI(Graphical User Interface)入力画面として表示されるメニューボタンをタッチすることによって、それよりも下位の階層の新たなメニュー画面を表示させ、目的とする所定の処理モードを実行する画面にたどりつくまで次々とメニューボタンをタッチしていくものである。
例えば、目的地を設定する場合に住所入力をすることで目的地を決定したい場合には初期画面→位置情報設定画面→住所入力画面というように初期画面からまずメニューボタンをタッチして位置情報設定画面を表示させ、更にメニューボタンをタッチして住所入力画面を表示させるという操作が行われる。
また、メインユニット1は、車両に設けられたOBDコネクタ13に接続するOBD接続端子と、GPSユニット12に接続するGPSユニット接続端子と、増設カメラ15に接続する増設カメラ接続端子と、フロントビューカメラ11に接続するフロントビューカメラ接続端子とを備え、それぞれ制御手段10へ接続されている。
フロントビューカメラ11は、車両前方を撮影し、走行画像を取得するためのカメラであり、撮影した映像の映像信号としてNTSC信号を出力する。フロントビューカメラ11は、車両前方を撮影する方向としてレンズが車両の進行方向を向くように車室内のフロントガラスに両面テープで固定する。固定位置は、車室内のフロントガラスの上部からフロントガラス全体の高さ20%以内の位置とする。フロントビューカメラ11の電源は、制御手段10から供給される。
GPSユニット12は、ダッシュボードの前方位置に設置され、GPS信号を受信し、その受信したGPS信号から現在位置を求め、その求めた現在位置の位置情報(経度,緯度)等をNMEA形式のデータで制御手段10へ送る。
また、制御手段10は、OBD接続端子に接続されたOBDコネクタ13を介して車両の車速信号線、ウィンカー信号線、ブレーキ信号線、車両のアース線、車両のACC系電源等へと接続されている。これにより、制御手段10は、OBDコネクタ13を介して、車両から車速情報、ウィンカー情報、ブレーキ情報、エンジンの回転出力情報等を取得する。
加速度センサ14は、X軸、Y軸、Z軸の3次元に関する加速度から車両の挙動を検出するもので、X軸は横方向にかかる加速度、Y軸は進行方向にかかる加速度、Z軸は上下方向にかかる加速度を検出する。これにより、急加速・急減速、急ハンドル、段差の乗り上げや窪みへの落ち込みといった車両の所定の挙動をそれぞれ検出する。加速度センサ14は、メインユニット1の内部に設けられ、制御手段10と接続されている。
増設カメラ15は、任意の位置に取り付けて車両周辺映像を撮影することのできるカメラであり、撮影した映像の映像信号としてNTSC信号を出力する。例えば、室内方向(フロントガラスから車両後方方向)を撮影する方向として向けて、車室内のフロントガラスに両面テープで固定する。これにより、運転者の挙動を撮影することができる。増設カメラ15の電源は、制御手段10から供給される。
温湿度センサ16は、従来よく知られる温湿度計であり、車内の気温および湿度を測定する。温湿度センサ16は、メインユニット1の内部に設けられ、制御手段10と接続されている。
リモコン17は、位置情報登録部として機能する位置情報登録ボタンを備え、センターコンソールやインパネのアンダーカバーなどドライバーが操作しやすい位置に、両面テープを用いて裏面を貼り付けて固定する。リモコン17の位置情報登録ボタンは、後述するように、運転中に記憶したい場所において押されることで、その場所の位置情報が登録される。
近距離無線通信装置23は、いわゆるブルートゥース(登録商標)通信を行うものであり、スマートフォン、タブレット、ノートPCといった外部設定機器として機能する外部装置と制御手段10とを通信可能に近距離無線により接続する。
[信号機に関する警告の報知]
信号機情報と速度情報とに基づいて高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定し、当該判定に基づいて警告を報知手段に報知させる場合について説明する。
安全システムでは、フロントビューカメラ11が車両前方を撮影し、制御手段10が撮影された画像情報からLED信号機を認識し、信号機の灯火の色の情報を信号機情報として取得する。また、メインユニット1の制御手段10がOBDコネクタ13から車速情報を取得し、加速度センサ14から前後方向の加速度情報を取得する。ここで、車速情報と加速度情報は車両の速度に関する速度情報に含まれる。
これら信号機情報および速度情報から、制御手段10は、高齢運転者が車両を運転することによって加害者となりうる状況か否かを判定する。具体的には、信号機情報が、信号機の灯火の色が赤色または黄色であるという条件に適合し、速度情報が、車両が、例えば10km/hといった所定の速度以上であり、かつ車両が減速していないという条件に適合した場合、高齢運転者が赤信号に気づいていない可能性があるため、赤信号での交差点への進入等により高齢運転者が加害者となりうる状況と判定される。
そして、高齢運転者が加害者となりうる状況と判定された場合に、表示部は、図4(A)に示すように、車両前方を撮影した走行画面から、図4(B)および(C)に示すように、警告を報知する報知画面に切り替わる。報知画面では、「信号に気を付けて」という文字41が白色で表示され、背景42は赤のみの背景色(図4(B)では灰色で表示する)と黒のみの背景色(図4(C)を参照)で交互に点滅する。また、スピーカ22からは、「信号に注意して」というメッセージが柔らかい印象を与える音声で警告として報知される。
このようにすれば、LED信号機の電源に起因した点滅を本体側が判断した結果をキーに、赤信号の認識と車両のスピード、例えば移動速度と、スピードの変化、例えば加減速とを認識して、加速がずっと減らなければ、赤信号だからすぐ止まったほうがいいよという気づきを前もって知らせることができる。
また、制御手段10は、画像情報から信号機情報の根拠となった信号機までの距離を認識し、当該距離と速度情報とに応じて、警告の報知を終了する。具体的は、当該信号機に対応した停止位置で停止できると想定される速度以下に車両が減速したことを条件とし、実際の車両速度が条件に適合した場合に、事故の加害者になりえない状況になったと判定して報知を終了する。
[ふらつき等に関する警告の報知]
車両情報から高齢運転者が運転する車両が車線において右に所定値以上寄ったことを判定し、当該判定から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定し、当該判定に基づいて警告を報知手段に報知させる場合について説明する。
図5に示すように、高齢運転者の運転する車両Cが車線の右に寄っていくと、車両では、加速度センサ14が左右方向への加速度を検知し、制御手段10が検知された加速度情報を取得する。また、制御手段10は、フロントビューカメラ11から車両前方の画像情報を取得し、車両Cと道路の中央線Lとの距離を認識する。これにより、制御手段10は、加速度情報と画像情報から、車両が右に所定値以上寄ったことを判定し、当該判定に基づいて警告を報知させる。
具体的には、加速度情報から車両Cが右に一定の値以上寄ったことと、車両Cと中央線Lとの間隔が一定の値以下となったこととを所定の条件として、車両Cの挙動が条件に適合した場合に、制御手段10は、高齢運転者が加害者となりうる状況と判定する。
車両Cが右に寄ったことおよび車両Cと中央線Lとの間隔についての一定の値は、制御装置の判定プログラムに予め定められている。本実施形態において、車両Cの右端と中央線Lとの間隔の一定の値は、10cmに設定されているが、当該一定の値は、0又は負の数に設定されてもよい。しかし、高齢運転者が中央線に寄ったことをより安全に判定するために、一定の値は、5cm~50cmの範囲に設定するとよい。制御手段10は、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者となりうる状況と判定されると、表示装置18のディスプレイが点滅を開始して、警告を報知する。
高齢運転者は、車線の中央から右に行っては戻って、右に行っては戻って、対向車が来たら、危険を感じて左に戻るという運転を行う傾向にある。そのような高齢運転者特有のふらつきを、右に寄った段階でお知らせすることにより、一般的な高齢運転者が加害者となりうる状況を判定することができる。
次に、車両情報から、高齢運転者が運転する車両のふらつきを判定し、当該判定に基づき、高齢運転者が車両を運転することによって、事故の加害者となりうる状況か否かを判定し、当該判定に基づいて警告を報知手段に報知させる場合について説明する。
図6に示すように、高齢運転者の運転する車両Cがふらつくと、車両Cでは、加速度センサ14が左右方向への加速度を検知し、制御手段10が検知された加速度情報を取得する。また、制御手段10は、フロントビューカメラ11から車両前方の画像情報を取得し、車両Cと道路の中央線Lとの距離を認識する。これにより、制御手段10は、加速度情報と画像情報から、車両Cが右に所定値以上寄ったこと、および車両が左に所定位置以上寄ったことを認識する。
制御手段10は、車両Cが右に所定値以上寄ったこと、および車両が左に所定位置以上寄ったことが繰り返された場合に、車両Cがふらついていることを判定し、当該判定に基づいて警告を報知させる。
具体的には、フロントビューカメラ11から取得した画像情報に基づいて、車両Cが、図6に示す中央線L、車道外側線M、および中央線Lと車道外側線Mとの中間となる仮想中間線Nとの位置関係を認識する。そして、加速度情報と画像情報とから、車両Cが右に一定の値以上寄って、車両Cの中央と仮想中間線Nとの距離が右方向に一定の値以上となったこと、その後、車両Cが左に一定の値以上寄って、車両Cの中央と仮想中間線Nとの距離が左方向に一定の値以上となったことを認識する。そして、左右に移動して、車両Cの中央と仮想中間線Nとの距離が繰り返し左右に一定の値以上となったことが所定の時間内に繰り返されたことを所定の条件として、制御手段10は、高齢運転者が加害者となりうる状況と判定する。
車両Cが右に寄った場合の一定の値は、制御手段10を動作させる判定プログラムに予め定められている。本実施形態において、車両Cが右に寄った場合の一定の値は、車両Cの中央と仮想中間線Nとの距離として50cmに設定する。また、車両Cが左に寄った場合の一定の値は、車両Cの中央と仮想中間線Nとの距離として50cmに設定する。ふらつきを判定する所定の時間は、30秒に設定する。これらの値は適宜変更できる。制御手段10は、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者となりうる状況と判定されると、表示装置18のディスプレイが点滅を開始して、警告を報知する。
高齢運転者は、車線の中央から右に行っては戻って、右に行っては戻ってという運転を行う傾向にある。そのような高齢運転者特有のふらつきをお知らせすることにより、一般的な高齢運転者が加害者となりうる状況を判定することができる。
このような右への寄り過ぎや、ふらつきの判断は、所定の条件、すなわち所定値が制御手段10を動作させる判定プログラムに組み込まれており、制御手段10は、設定等をしなくとも自動的に判断を行い、当該判断に基づいて高齢運転者が加害者となりうる状況を判定して警告を報知する。
[位置情報に基づく警告の報知]
高齢運転者が事故の加害者となりうる状況として位置情報と、当該位置に関連する事象情報が登録される。その後、登録された位置に高齢運転者が運転する車両が到達した場合に、警告を報知する。
位置情報の登録は、外部設定機器によって、図7に示すようなビュアー71から行われる。外部設定機器により登録された各種の情報は、外部設定機器に挿入されたメモリカードに設定データとして記憶される。設定データを記憶したメモリカードは、メインユニット1のメモリカードスロット24に挿入される。そして、制御手段10は、メモリカードから設定データをメインユニット1の記憶手段25に移行する。これにより、メインユニット1の記憶手段25は設定データを記憶する。
制御手段10は、設定データの位置情報に該当する位置に車両が到達すると、関連する事象情報を表示手段に表示するとともに、警告音出力手段であるスピーカ22により音声報知する。
外部設定機器のPCは、図7に示すようなビュアー71をディスプレイに表示する。当該ビュアー71は、地図情報72、イベント情報73、地図情報72の特定の位置でフロントビューカメラ11が撮影した画像情報74が表示されている。地図情報72、事象情報73、画像情報74は、それぞれ、紐づけられており、例えば、地図上には事象情報72aが登録された位置72aが表示されている。また、画像情報73は、地図上のカーソルが指す位置での画像情報が表示されている。
位置情報の登録は、例えば、地図上のカーソルを移動させ、事象情報を登録したい位置でクリックする。その位置でメニューにしたがって、事象情報を登録する。カーソルを地図上の任意の位置でクリックすることで、当該位置における事象情報を登録することができる。事象情報は、事象の時間、報知の対象期間、事象の発生する方向、表示部への表示内容、表示部の背景の色等を登録できる。各項目は、選択肢により設定できるように構成されている。
このようにすれば、例えば、朝7時から9時までの月曜日から金曜日、対象車、小学生の通学等を条件として登録しておいて、高齢運転者が、登録された条件に適合した運転をした場合に警告を報知することが可能になり、通学中の小学生に対して事故を起こし、加害者となる可能性を低減できる。
[気候に関する警告の報知]
車両情報に加え、気象情報を取得し、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かの判定は、車両情報とともに、気象情報に基づいて行われる場合について説明する。
制御手段10は、温湿度センサ16から、車両内の温度情報および湿度情報を気象情報として取得する。また、制御手段10は、走行距離情報を車両情報としてOBDコネクタ13から取得する。これにより、制御手段10は、車両情報と気象情報とから、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者となりうる状況か否かを判定する。そして、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者となりうる状況と判定されると、制御手段10は、他の装置に警告を報知される。
具体的には、車両内の温度が一定の値以上になったことと、走行距離が一定の距離以上となったことを条件として、温度情報と走行距離情報が条件に適合した場合に、制御手段10は、高齢運転者が事故の加害者となりうる状況と判定する。一定の温度や、走行距離は、初期設定されていているが、高齢運転者の家族が当該高齢運転者の特性に合わせて設定機器により設定する。
制御手段10は、この場合に、図8(A)に示すように、「気温が高いから水を飲んだ方がいいよ」という文字81が表示装置18のディスプレイに表示される。また、同様の警告がスピーカ22から音声により報知される。
また、制御手段10は、OBDコネクタ13から、ワイパーが動作したことを降雨についての気象情報として取得する。また、制御手段10は、走行距離情報を車両情報としてOBDコネクタ13から取得する。これにより、制御手段10は、車両情報と気象情報とから、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者となりうる状況か否かを判定する。そして、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者となりうる状況と判定されると、制御手段10は、他の装置に警告を報知される。
具体的には、ワイパーが動作したとことと、その状態で走行距離が一定の距離以上となったことを条件として、条件に適合した場合に、制御手段10は、雨天により高齢運転者が事故の加害者となりうる状況と判定する。一定の温度や、走行距離は、初期設定されていているが、高齢運転者の家族が当該高齢運転者の特性に合わせて設定機器により設定する。
制御手段10は、この場合に、図8(B)に示すように、「雨が降ってきたから滑りやすいよ」という文字82が表示装置18のディスプレイに表示される。また、同様の警告がスピーカ22から音声により報知される。
[高齢運転者に適応したディスプレイの変更]
ディスプレイは、単一色の背景の色を変化させることにより警告を報知する例について説明する。
制御手段10は、記憶手段25に記憶された複数の警告情報から、高齢運転者が事故の加害者となりうる状況に応じて決定される警告情報によって警告を報知する。警告情報は、例えば、図4(B)および(C)に示すように、「信号に気を付けて」という文字が白色で表示され、背景は赤のみの背景色と黒のみの背景色で交互に点滅するようなパターンを一組の警告情報とする。したがって、制御手段10は、高齢運転者が事故の加害者となりうる状況に応じて一組または複数組の警告情報を決定し、警告を報知する。
警告情報は、高齢運転者の家族が設定するとよく、設定ボタン、タッチパネル19により、対象とする高齢運転者に適合した表示となるように高齢運転者の家族が入力できる。例えば、高齢運転者の家族が、当該高齢運転者の性格や趣向に合わせて、表示する文字の内容や色、表示背景の色を設定する。
高齢運転者の家族が設定する方法は、例えば、タッチパネル19により「警告表示設定」を選択すると、「文字内容」、「文字色」、「背景色」、「点滅」等の項目について、設定ができるようにディスプレイに案内される。「文字内容」の項目では、タッチパネル19に表示されたキーボードにより「信号に気を付けて」のような文字を入力できる。「文字色」、「背景色」の項目では、赤色、青色、黄色、緑色、白色、黒色等の色を選択できる。「点滅」の項目では、点滅の有無や点滅の間隔等を選択できる。各項目を選択式で登録し、1つの警告パターンを設定する。
[高齢運転者に安全運転を継続させる]
車両が運転された日数をカウントし、所定の日数をカウントした場合に、高齢運転者に運転する動機を与える報奨情報を表示手段に表示させる場合について説明する。
制御手段10は、車両のエンジンが始動したことを認識し、車両が運転された日数をカウントする。具体的には、OBDコネクタ13を介してエンジンの回転数出力を取得し、エンジンが始動したことを認識する。そして、エンジンが始動した日時を記憶手段25に記憶する。また、記憶手段25に記憶された日時から所定の日数をカウントする。
制御手段10は、所定の日数をカウントした場合に、報奨情報を表示手段に表示する。具体的には、記憶手段25は、複数の報奨情報を記憶しており、制御手段10は、複数の報奨情報からカウントした日数に応じた報奨情報を選択し、表示手段に表示させる。
図9に示すように、報奨情報は、高齢運転者がエンジンを始動させた最初の日は、1日がカウントされて卵の画像が表示される(図9(A))。次いで、5日継続して日数がカウントされると、卵にヒビが入った画像が表示される(図9(B))。次いで、10日継続して日数がカウントされると、卵が割れて、ヒヨコが顔を出した画像が表示される(図9(C))。次いで、15日継続して日数がカウントされると、卵が孵化してヒヨコが現れた画像が表示される(図9(D))。そして、20日継続して日数がカウントされると、高齢運転者の家族の写真がメッセージとともに表示される(図9(E))。このように、報奨情報は、カウントされた日数に応じて、動物が卵から孵化して成長していくような画像情報とするとよい。
このようにすれば、高齢運転者は、画像が変化することを楽しみにして運転の続けようという動機が高まる。高齢運転者の家族が事故の加害者になることを心配しすぎると、高齢運転者が家の中に閉じこもってしまうことを抑制できる。
[変形例]
本実施の形態において、信号機情報と速度情報とに基づいて高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定し、当該判定結果に基づいて警告を報知手段に報知させる場合について説明したが、さらに、状況の判定には、位置情報を加味するとよい。
例えば、車線がカーブしていて直前まで信号が認識できないような場所の場合、制御手段10は、信号を認識できる位置を登録し、当該位置に車両が到達してから信号機情報を取得するようにするとよい。具体的には、登録された位置に車両が到達すると、制御手段10は、フロントビューカメラ11で撮影された画像情報中にターゲットとなる信号機を認識した瞬間から、信号機の灯火の色が赤なのか、青なのかを判断をして、灯火の色が赤であるにもかかわらず、加速度センサ14や車速が一向に変化しない場合に、警告を報知するようにするとよい。
信号機情報に関して警告を報知する他の例として、信号機の灯火の色が赤から青に変化した場合、スタートインフォメーションをお知らせするようにしてもよい。そのようにすれば、高齢運転者が信号待ちで、ぼーっとして横見ていたときに、後続車両からクラクションを鳴らされて、びっくりして飛び出すこともなくなる。また、青信号を教えてくれれば、進めばよいことがわかり、びっくりもせず、いらいらしないでもすむため、心拍が高くならず、安定した気持ちで運転を継続できる。
高齢運転者は、一般的に、年齢が上がれば上がるほど短気になっていく傾向にあるので、心拍が高くなるのを防ぐことにより安全運転を維持できる効果は大きい。青色に変わったときのお知らせは、報知画面のイメージでは「行けるよー」というイメージで青色の背景色とするとよい。なお、「スタートインフォメーション」とは、停車時に前方の車両が進行したことを知らせる機能であって、ストップアンドゴーとも称される。したがって、前の車両が発進したことを検知して、運転者に報知する機能を有するとよい。
報知のタイミングは、一般の運転者に警告を報知する普通の場合と比較して、早めに警告を報知するとよい。報知のタイミングは高齢運転者の家族が設定するとよく、高齢運転者に一回走行させて、良いと思われるタイミングで設定を行い、タイミングが当該高齢運転者に合っていない場合は、再度走行させて、再度設定するといったように、何回も設定をチャレンジするとよい。
増設カメラ15は、高齢運転者を中心に車両の内部の画像情報を取得する。制御手段10は、増設カメラ15から高齢運転者の映った画像情報を取得し、高齢運転者の運転状態を認識する。これ基づき、制御手段10は、フロントビューカメラ11および増設カメラ15の画像から総合的に判断をして、警告を報知するようにするとよい。例えば、フロントビューカメラ11の画像情報から高齢運転者が車両が中央線に寄ったことを認識し、このとき、増設カメラ15の画像情報から前を見ていたのか、よそ見をしていたのかといった運転状況を認識する。これらの画像情報に基づいて、前を見ているのに寄ってしまったときには「右に寄ってるよ」というような音声で警告を報知し、よそ見をしているときには、「前を見て」というような音声で警告を報知するといったように状況に合わせて警告を報知することができる。
信号機に関する警告の報知についての本実施の形態において、高齢運転者が加害者となりうる状況と判定された場合に警告が報知される例を示したが、警告の報知を開始する位置またはタイミングは、例えば、高齢運転者の家族が個別設定するとよい。そのようにすれば、高齢運転者の家族が、家族だからこそ知り得る高齢運転者の性格や趣向に合わせてタイミングを設定することができる。
また、警告を報知する位置またはタイミングは、例えば、制御手段10が信号機の灯火の色が赤だと、信号機の200~500メートル手前から認識した場合に警告の報知を開始し、加速度センサ14で減速したことが判定されれば、高齢運転者は信号機を認識していると判断できるため、警告を止めるようにするとよい。
ここで、本当に車速が0km/hになるまで継続して警告を報知していると、既にブレーキを踏んで停止動作を行っている高齢運転者の気分を害することになりかねず、その場合には高齢運転者が不安定な気持ちとなり、事故の加害者になるおそれが増してしまう。高齢運転者の家族による個別設定では、例えば、200~500メートル手前の数値をチューンして設定するように警告を終了する条件の車速を設定できるようにするとよい。
また、例えば、本実施の形態において、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況としていくつかの状況を例示したが、他にも、コンビニの駐車場等の特定の位置で発生する、アクセルの踏み間違い等が想定される。例えば、車両がコンビニ等の登録された特定の位置で停車していた状態で、エンジンを始動すると、「安全に出発」といった表示が報知され、高齢運転者がアクセルを踏み始めて車両が加速度を受けたら、制御手段10は、車両がゆっくり動き出したと判定し、後はコンビニに突っ込んでしまうようなことがないので、「安全に出発」といった表示を終了するようにするとよい。
本実施の形態において、ふらつき等に関する警告の報知では、ふらつきを判定する場合に、車両Cが右に寄った場合の一定の値、車両Cが左に寄った場合の一定の値、ふらつきを判定する所定の時間は適宜変更できる。例えば、車両Cが左または右に寄ったことを判定する基準となる一定の値は、中央線Lと車道外側線Mとの距離から求めるとよい。例えば、中央線Lと車道外側線Mとの距離250cmの場合に、5分の1の値の50cmを車両Cが右に寄った場合の一定の値として設定するとよい。また、中央線Lとの距離が一定の値以下となった場合に右に寄ったと判定し、その右に寄った状態から加速度情報のみに基づいて、左に寄った後、再び右に寄ったことからふらつきと判定してもよい。
高齢運転者は、右側の中央線に寄っては戻る、中央線に寄っては戻るという運転になってしまい、普通にまっすぐ運転をできない場合がある。これは、「左側はガードレールがあるため怖いが、中央線は跨いでしまっても反対側が来なければ直接の事故にはならない」という意識が働くためと考えられる。そのような意識が働いて、一般的な高齢運転者は、基本的に、道路の内側に入っていき、たまに大型トラックが来ると驚いて左にハンドルを切ってしまい、左のガードレールに当たり、事故の加害者となることがある。そのような状況を想定し、車両が右側に動いて大きく変化したときには「中央線またいでない?」といったお知らせをしたり、左側に寄ると歩行者がいる可能性があるから、そちらの部分を注意喚起するとよい。そのようなふらつきの原因として、高齢運転者の視野が狭いことが考えられる。
また、図5を用いて、車両Cが右に寄った場合に警告を報知する例を説明したが、以下のような場合も警告を報知するようにするとよい。
まず、車両Cが右に寄った状態が一定時間以上継続した場合(状況1)に、警告を報知する。ここで、車両Cが右に寄った状態は、車両Cの右端と中央線Lとの距離が一定の値以下となった状態とする。例えば、一定の値は、例えば50cmとし、一定時間は、例えば30秒とするとよい。
次いで、反対車線から対向車が来て、これを回避しようと車両Cが左に寄った場合(状況2)に、警告を報知する。この場合、対向車が来たことは、フロントビューカメラ11の画像情報に基づいて判定する。また、左に寄ったことは、車両Cの右端と中央線Lとの距離が、例えば150cm以上となった場合とするとよい。
次いで、対向車が消失し、車両Cが再び右に寄った場合(ステップ3)に、警告を報知する。対向車が消失したことは、フロントビューカメラ11の画像情報から判定する。また、再び右に寄ったことは、車両Cの右端と中央線Lとの距離が、例えば50cm以下となった場合とするとよい。
さらに、状況1~状況3が何度か繰り返された場合(状況4)に、警告を報知する。また、状況1、状況2、状況3および状況4の個別の状況において警告を報知するとよい。例えば、状況1では警告を報知せず、状況2で警告を報知し、また、状況1、状況2では警告を報知せず、状況3でのみ警告し、また、状況2と状況3とでは警告を報知せず、状況1と状況4とで警告を報知するように設定するとよい。車両Cが右または左に寄ったことは、中央線Lとの関係によらず、他の方法により判定するとよい。
本実施の形態において、ふらつきを判定し、警告を報知する例を説明したが、例えば、加速度センサ14の加速度情報のみでふらつきを判定しようとする場合に、ふらつきではなく、カーブが連続する車道に沿って走行した場合に、ふらつきに類似した運転がなされることがある。その場合、ふらつきか否かを判定するようにしてもよいが、あえてふらつきかカーブかを判定せず、カーブが繰り返された場合であっても、ふらつきと一律に判定するようにするとよい。
または、例えば、交差点の付近では、禁制区域として、一律に警告を報知しないようにするとよい。そのようにすれば、交差点の付近をふらつき判定から排除することで、無断警告を報知することが少なくなり、高齢運転者が運転に集中することができる。高齢運転者の家族がそのような設定をすれば、家族の優しさで高齢運転者を守ることになる。同様に、急カーブでは、警告を報知しないようにするとよい。
本実施の形態において、加速度センサ14が検知した左右方向の加速度情報を基にふらつきを判定したが、前後の加速度情報の変化から急発進、急ブレーキを判定し、警告を報知するようにするとよい。そのようにすれば、アクセルの踏みすぎ、ブレーキの踏み間違えなどを判定し、警告を報知できる。
また、本実施形態において、制御手段10は、フロントビューカメラ11からの車両前方の画像情報および加速度センサ14からの左右の加速度情報に基づいて、車両のふらつきを認識する例を示した。しかし、制御手段10は、例えば、フロントビューカメラ11からの車両前方の画像情報からのみから、車両のふらつきを認識するとよい。すなわち、制御手段10は、単一の情報から車両のふらつきを認識するとよい。
また、制御手段10は、例えばGPS情報、ハンドル操舵角の情報等からふらつきを認識するとさらによく、また、これら複数の情報から総合的に車両のふらつきを判定することによりふらつきの認定を正確にすることができる。
本実施の形態において、位置情報に関して警告を報知する例を示したが、位置情報の設定は、以前ほかの人が事故を起こした場所、よく事故が起きる場所、地元の人のみが知っている事故を起こしそうな場所等を入力し、地元住民がみんな注意しているところは事前に登録して、お知らせを行うとよい。そのような位置情報は、インターネット通信を介して情報を共有するようにしてもよいが、完全に個別、個々に設定するとよい。あくまでこの本体単体での情報で留めて、特定の高齢運転者だけの情報で登録するとよい。
したがって、インターネット上に特設サイトを作って、その地域の情報も入れられるようにするようなことはせず、設定は、高齢運転者の息子さんたちのような家族が個別に行うようにするとよい。また、車両のディーラが、高齢運転者に車を買ってもらったときに、家族と同様な立場で、その辺の地域の人が通常は気をつけている位置を登録するようにするとよい。
登録できる位置情報の数は10程度に限定するとよい。高齢運転者は、例えば、1回の運転の時間は15分とか20分ぐらいである場合が多く、1時間も運転することはあまり想定されない。日常的でないが時折運転して行く必要が生じるのは、病院、ホームセンター、床屋などであるが、それでも行く場所が決まっており、自宅からの距離が5~10km程度である場合が多い。したがって、高齢運転者は、多くの場合、行動範囲が限られており、安全装置に登録できる位置情報を限定することができる。
したがって、本発明に係る安全装置では、設定できる数(場所)が限定され、繰り返し、繰り返し、場所と時間とが一致する場合に警告が報知される。一般的な運転者に対して、場所と時間を設定しようとすると膨大な登録作業が必要になるが、それに比較して高齢運転者は、行動範囲と行動時間が限定的であるため、必要となる設定作業は多くならない。
PCやスマートフォンのような外部設定機により個別設定を可能とすれば、機器のメインユニット1や表示装置18からの設定が不要となる。したがって、メインユニット1や表示装置18に設定用のボタンを設けない構成とすることもできる。例えば、表示装置18に設定用のボタンを設けなければ、画面を広くする等の設計自由度を高めることができる。
警告を報知することは、緊急性の高い注意に限らず、自宅近くの地点を登録し、「あと少しだよ」、「もう少しだから気を張ってね」と、事前のお知らせであってもよい。事象情報は登録せず、位置情報のみに基づいて警告を報知してもよい。
位置情報の登録は、高齢運転者と当該高齢運転者の家族が共同して行うとよい。例えば、高齢運転者本人が、大丈夫だといっても、共同で実際の走行情報を確認しながら、特定の地点で危険な運転が行われていれば、高齢運転者とその家族が共通の認識を持てる。高齢運転者は、家族に行く先や運転技能等の全部の情報を提供することになるが、信頼関係を強化することができる。
本実施の形態において、位置情報は、外部設定機器によって登録される例を示した。しかし、位置情報は、外部設定機器によらず、運転しながら位置情報登録手段により登録されるとよい。具体的には、位置情報登録手段に相当するリモコン17のボタンを押すことにより位置情報が登録されるとよい。例えば、運転をしながら、リモコン17のボタンを押すと位置情報が登録され、運転を終了した後に、この情報を外部設定機器に取りだし、登録された位置情報に事象情報等を設定するとよい。そのようにすれば、高齢運転者が事故の加害者となりうる位置を運転しながら登録し、登録された地点に情報を付加することで、精度の高い登録パターンを作成できる。
高齢運転者の家族が、高齢運転者に代わって運転しながら、リモコン17により位置情報を登録し、高齢運転者と一緒になって登録した位置情報に情報を付加したり修正したりして、その後、高齢運転者が実際に運転するようにするとよい。さらに、高齢運転者の実際の運転状況をみながら、高齢運転者の家族が一緒になって情報を再設定するようにするとよい。
繰り返し設定作業を行うことにより、高齢運転者とその家族のコミュニケーションが密になる。これに合わせて、登録された位置に対して、警告の報知方法を一緒に登録できるようにするとさらによい。位置情報を運転しながら登録するときに、高齢運転者が運転を行い、その家族がリモコン17から位置情報を登録するようにするとよい。
本実施の形態において、走行距離情報と温度情報から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者となりうる状況か否かを判定する例を説明したが、例えば、GPS情報の時刻情報から、その温度状況が一定の期間以上継続していることを所定の条件として、条件に適合した場合は、制御手段10は、高齢運転者が加害者となりうる状況と判定する機能を有するとよい。
このようにすれば、車内温度が急激に上昇するような夏場に、水分補充しないといけない、あまり長期間運転するとぼーっとしてしまうなどのお知らせを流して何らかの警告をすることができる。高齢運転者は精神的に我慢強い場合が多く、例えば、家の中ですら熱中症になるまで我慢する場合もある。したがって、気候に関する情報をお知らせすることは有益である。
気象情報に基づいて、警告を報知する場合は、温湿度センサ16やGPSユニット12による日づけ、時刻から、朝方とか昼間、熱中症になりやすいところ判定する。
気象情報に基づいて、警告を報知する場合は、エンジン始動後に所定の時間が経過してから、気温の変化を検知して警告が報知されるとよい。例えば、夏場の畑仕事から帰ってくるときのみに出かけるときよりも気温が一定以上上昇していた場合に、警告を報知してもよい。また、例えば、午前中に外出し、昼に自宅に戻る際に気温の差が大きいときに警告を報知するようにするとよい。
なお、制御装置は、気象情報に基づいて警告を報知する状況であっても、車両情報等の他の情報に基づいて緊急性の高い事象が起きて警告を報知する必要がある場合は、気象情報に基く警告の報知は行わないようにするとよい。
位置情報の設定では、例えば、高齢運転者が自宅から定常的に通う畑や病院などの距離を設定しておくとよい。そうすると、一定の距離を超えた場合は、道に迷うなどの非日常的な状況と考えられる。非日常的な状況においては、気温などには気が回らないことが多く、改めて、気温が高い場合に警告を報知する意味合いは大きい。
本実施の形態において、ディスプレイに表示される警告情報は高齢運転者の家族が設定する例を示した。そのような設定の前提として、色と文字の内容は、初期設定として決定されたデフォルトの警告パターンが1つまたは複数あるとよい。その上で、家族が設定することによって、警告パターンが追加されるとよい。
例えば、高齢運転者の性格や趣向によっては、文字内容が「気をつけて」ではなく、「気をつけろ」という強い口調のほうが適した場合もある。ディスプレイに表示される警告情報は、例えば、年賀状作成ソフトのように、所定のパーツをディスプレイ上の任意の位置に配置できるようにするとよい。右上に年賀、新年って書いて、左側にあけましておめでとうとか、写真どうやって配置しようというやり方と同様のやり方で設定できるようにするとよい。そのような設定は、多くの人が年に一度は経験するため、比較的容易に画面を構成できる。その上で、実際高齢運転者に車両を運転してもらい、試しながら設定を変更するとよい。背景の色を強調させること、点滅や点灯させることなどを変更し、その人が気づきやすいようなものを見つけるようにするとよい。
また、文字による警告の報知は、停止しているときに効果が高い。例えばコンビニで駐車場止めてエンジンかけた瞬間に、「アクセル操作に注意してね」という文字が出れば、アクセルの踏み間違いを防止できる。また、繰り返し警告を報知することにより、毎回気をつける習慣になる可能性もある。
表示装置18による警告の報知は、初期設定により複数の登録パターンが記憶手段に記憶されている。そのように、高齢運転者が認識しやすい登録パターンを初期設定により登録しておくとよい。さらに高齢運転者の家族が、ユーザーとして、初期設定の登録パターンを書き換えて使えるようにするとよい。その登録パターンに基づいて文字だけを変更するとか、文字の色と背景の色との組み合わせだけを変更するようにするとよい。色の組み合わせとして、例えば補色の関係がある。
表示装置18による警告に加えて音声により警告を報知するとよい。例えば、制御手段10は、内蔵マイク21を介して音声情報を取得し、記憶手段25に記憶する。家族が音声情報を状況に対応した警告情報として登録する。これにより、高齢運転者が運転する車両が、対応した状況におかれると、当該音声情報により警告の報知がされる。高齢運転者は、運転中には文字を読むことが困難であるため、音声による警告の報知は有効である。
音声による報知は、例えば息子さん、娘さん、お孫さんの聞き慣れた声で行うとよい。本実施の形態において、音声は内蔵マイク21により記憶手段に記憶するようにしたが、外部設定機器により音声データを取得し、SDカードを介してメインユニット1の記憶手段に記憶するようにしてもよい。また、音声以外に、ビープ音等のびっくりするような音であってもよいが、優しい声や音で促すように警告を報知する方が、高齢運転者が安全運転をする動機付けとなりやすい。
音声は、高齢運転者に合わせて設定できるようにしたが、こうあるべきだという音を吹き込んでおいてもいい。または、ひ孫の「危ないよー」という音声をスマホのアプリで取得して、それをメインユニット1の記憶手段に記憶させてもよい。音声情報は、対象とする高齢運転者に合った、当該高齢運転者が最も気を付ける、例えば奥さんの声により、横に乗っているような報知方法で報知し、一人で運転していないという安心感を与えるようにしてもよい。
すなわち、各々の高齢運転者の心に響くものであるとよい。全然知らない声や、単純な音、身近な人の声、いとおしいと思ってる孫やひ孫の声などのどれがよいかを、設定を変更して発見するようにするとよい。自分の声を発するのが恥ずかしいという場合や、文章のほうがいい場合もありうる。
音声による警告の報知は、1回でもよく、複数回繰り返してもよい。繰り返し報知が行われることで高齢運転者がいらいらして不快になるようであれば、1回だけ報知するとよい。初期設定としては、1回だけ報知するようにしておき、個別設定で複数回繰り返すように設定するようにするとよい。繰り返しの回数や、報知の期間(例えば、秒数)を設定する機能を備えるとよい。おじいちゃん用、おばあちゃん用、穏やかなタイプのおじいちゃん用、穏やかな人、気の短い人といった登録パターンがあるとよい。ただし、そのような登録パターンは、特定の高齢運転者(例えば、おじいちゃん)のみが運転することを想定し、そのおじいちゃんに向けて、個別設定するとさらによい。
文字内容は、高齢運転者の孫が作った文章やメッセージとするとよく、例えば、「おじいちゃん気をつけてね」というようなものや、運転して帰宅したときに「おかえり」というようなものであるとよい。仮に、運転中には読まれないようなものであっても、孫が設定してくれたという事実により、高齢運転者が安全に配慮しようとする動機付けとなる。万人受けする報知方法ではなく、個別設定することにより、当該高齢運転者の心に響く報知を行うことができる。
例えば、文字の太さや、文字のイメージを、もっと崩したほうがいいのか、もっと柔らかい、硬いほうがいいのか、などを個別設定するとよい。色も同じ赤であっても、ちょっと明るい方が見やすい高齢運転者もいれば、本当にワインレッドみたいに暗い赤のほうが見やすい高齢運転者もいる。そういったものをパソコンのような外部設定機器で確認しながら、「これ見やすい?どう?」という会話を行いながらカスタマイズできる。
例えば体の病気、目の病気で、ある一定の色が見づらいという人には、従来は固定の色しか使えなかったビュアーや表示部しかなかったのを、グラデーションを変えてみたりっていうことができるようなPCビュアーとして提供するとよい。
本実施の形態において、安全運転が20日継続するまで1つの卵が成長するような報奨情報を付与する場合を説明したが、20日経過した後は、次の卵が準備されて、別の動物が孵化するようにするとよい。そのようにすれば、高齢運転者は、動物の数を増やしていき、収集する喜びを与えられ、安全に運転を継続する動機が高まる。
このような場合に、日数に対して、距離の目標を設定することや、加速度センサ14の加速度情報から急発進、急停止があった際に減点することもできる。しかし、この場合は、日々運転できていることに対するご褒美として報奨情報を高齢運転者に向けて表示することを特徴とする。そのようにすれば、強引な目標設定や減点などにより運転がいやにならないようにして外出を促し、引きこもりなどによる病気の発症が抑制される
また、本実施の形態において、5日おきに変化する例を説明したが、毎日変化した報奨画像を表示するようにするとよい。また、記憶手段は、複数のキャラクタ画像を記憶手段に記憶し、獲得ポイント数の各段階に応じて成長していく一連のキャラクタ画像となっているとよい。具体的には、複数段階のキャラクタ画像を、例えば、幼虫が複数回の脱皮を経て成虫となるようなイメージで作成しておけば、利用者は、取得しようとしているクーポンをペットに見立て、そのペットを育てていくようなイメージで運転を継続することができる。
また、10日間継続したら卵を1個もらって、もう10日間やったらそれが孵化して、画面上で自分のポイントカードが充足されていくようなシステムとするとよい。そうすれば、収集癖を刺激し、高齢運転者が継続して安全運転を行う動機付けとなる。
報奨情報は、高齢運転者が喜ぶと考えられる画像を画面上で提供する。報奨情報として、高齢運転者が興味を持つものとするとよく、例えば、犬の映像、画像、イラスト、猫の画像、動物シリーズ、世界の魚シリーズ、鉄道、孫の写真、昔の自分の写真、恐竜、山、港、世界遺産等であるとよい。特に、高齢運転者の収集癖を喚起するようなものであるとよい。このような報奨情報を得るために、高齢運転者は毎日車両を運転するようになり、その状態が維持される。
また、報奨画像は、家族が設定できるようにするとよい。例えば、高齢運転者の孫の成長を記憶した複数の写真を準備し、カウントされた日数が増加するほど、成長した当該孫の写真が表示されるようにするとよい。家族が報奨画像を設定することにより、高齢運転者の趣向に合わせた画像を表示させることができるため、高齢運転者が安全に運転を継続しようとする動機を、報奨画像が初期設定されている場合に比較して、さらに高めることができる。
報奨画像を設定する場合に、外部設定機器は、高齢運転者の家族のみが知っているパスワードを要求するようにしてもよい。報奨画像は、高齢運転者へのちょっとしたサプライズとして、高齢運転者には秘密にしておき、高齢運転者は操作しても閲覧できないようにするとよい。そのようにすれば、高齢運転者は、どのような報奨画像を登録されるか、知ることができず、報奨画像を見るために、安全に運転を継続しようとする動機を高めることができる。
高齢運転者が車両を毎日運転することにより、毎日エンジンが動作することによりバッテリーがあがってしまうということがなくなり、オイルも回るので故障の低減にもつながる。そのようにすれば、高齢運転者の引きこもり防止と、車両の故障低減とがガソリン代だけで実現でき、不要なお金がかからない。
安全システムは、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況を当該高齢運転者の家族が設定し、また、高齢運転者の家族が、当該高齢運転者の特性に合わせて警告を報知するための警告情報を設定する。
高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況に関して、状況を判定する基準となる条件が制御手段10のプログラムに組み込まれていてもよく、初期設定として記憶手段25に記憶されていてもよく、または、高齢運転者の家族により設定されてもよい。
安全システムは、初期設定に関しては、デフォルト設定として少なくとも登録されている。デフォルト設定がないと、なんらかの設定を個別に行わなくてはならず、速やかに使用したい人にとっては不便となる場合がある。初期設定の条件で高齢運転者が危険に対応できれば、そのまま初期設定を利用し、高齢運転者が危険に対応できなければ、個別に設定して条件を追加できる。
初期設定では、一般的な30代40代の人も対してよりも警告を早く報知する。例えば、警告を報知する条件が距離の場合は、通常よりも1.5倍、2倍の距離を条件とする。個別設定は、高齢運転者の性格や趣向に合わせて、500メートル、600メートル手前から、「危ないよ、危ないよ」と繰り返し報知した方が気をつけるのか、1回報知すればわかるのかを見極めて行うとよい。
例えば、安全システムの1つのターゲットである65歳から80歳で、65歳に近ければ1回の報知でわかるだろうし、80歳に近ければ何回も報知しなければわからない高齢運転者もいる。まず、一度高齢運転者が車両を運転すれば、初期設定の報知とともに走行内容が録画されてくる。その録画された走行内容を家族が確認して、例えば、報知に全く気づいていなければ、もう2回ぐらい報知しておくというように、報知の回数を増やしてみたり、音を大きくしてみたり、色を変えてみたりとお知らせする内容の個別設定を行うとよい。
以上のような機器によれば、図2に例示したように高齢運転者が運転する車両に取り付け可能であって、機器の制御手段10は、高齢運転者の運転する当該車両に関する車両情報、信号機情報、気候情報等を取得し、当該情報から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定し、当該判定に基づいて警告を、車両に取り付けられた表示装置18や、スピーカ22等の報知手段に報知させる機能を備える。したがって、車両を運転する高齢運転者が加害者になりうる状況において、当該高齢運転者に警告が報知されることにより、高齢運転者が加害者になる可能性が低減され、高齢運転者の家族がより安心して、高齢運転者に運転をしてもらうことができる。
車両に取り付け可能な機器は、メインユニット1として、高齢運転者の運転する車両に当該高齢運転者またはその家族が取り付けて用いることができるものとするとよく、例えば、取付部を備え、当該取付部は自動車のダッシュボード上やフロントガラス上部等に取り付ける構造とするとよい。
「車両に関する車両情報」は、例えば、車両自体が取得する情報とするとよく、または、車両に取り付けられた本機器が取得する情報とするとよい。例えば、車両情報として、車両内部から見た外部の画像情報または車両内部の画像情報、車両または当該車両に取り付けられた機器に設けられた検知装置により検知される検知情報、GPSユニット12により取得するGPS情報等とするとよい。画像情報は、例えば、フロントビューカメラ11のような撮影装置から取得するとよい。また、検知装置は、例えば、加速度センサ14のようなセンサとするとよい。
「車両情報から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定」することは、例えば、取得された車両情報と所定の条件との適合によって判定するとよい。所定の条件は、例えば、本発明に係る機器の制御手段10を動作させるプログラムに組み込まれ、またはメインユニット1に設けられた記憶手段25に記憶されるとよい。
したがって、「車両情報から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定」することは、例えば、本発明に係る機器の制御手段10が、プログラムに組み込まれた所定条件、または記憶手段25に記憶された所定の条件と、取得した車両情報とを比較して、当該情報が当該条件に適合するか否かを判定する処理とするとよい。
また、「高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況」は、フロントビューカメラ11または増設カメラ15により撮影された画像情報、GPSユニット12から取得されたGPS情報、OBDコネクタ13から取得された速度情報等の単独の情報と所定の条件との適合を判定するとよいが、複数の情報と所定の条件との適合を判定されとさらによい。複数の情報との適合を判定することにより、単独の情報との適合を判定する場合に比較して、「高齢運転者が事故の加害者になりうる状況」を適格に判定することができる。
「判定に基づいて警告を報知すること」は、例えば、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況が所定の条件に適合すると判定された場合に表示装置18の表示画面の点滅により警告を報知するように処理するとよい。したがって、当該車両のおかれた状況が所定の条件に適合するか否かを判定し、適合すると判定した場合は警告を報知するように処理し、適合しないと判定した場合は警告を報知しないように処理するとよい。
「警告を報知する」ことは、例えば、一般運転者に比較して弱めの警告とするとよく、注意を喚起する程度、アドバイスを与える程度の警告とするとよく、スピーカ22によって警告を報知する場合は、強いビープ音等にしないとよい。高齢運転者は、年齢が上がれば上がるほど短気になるため、びっくりさせない、いらいらさせないような警告を報知するとよい。
さらに、本発明に係る機器は、例えば、前記した制御を高齢運転者用の制御モードとし、高齢運転者以外の一般運転者用の制御モードを有するとよく、表示装置18のタッチパネル19や入力ボタン20によって両モードを切り替え可能とするとさらによい。
一般運転者用のモードでは、例えば、高齢運転者以外の一般運転者が運転する車両に取り付け可能な機器であって、一般運転者の運転する当該車両に関する車両情報を取得し、当該車両情報から、一般運転者が前記車両を運転することによって事故の被害者になりうる状況か否かを判定し、当該判定に基づいて警告を報知手段に報知させるとよい。
また、本実施形態に示すように、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況を当該高齢運転者の家族が設定する機能を有するとよい。
このようにすれば、高齢運転者各々の家族が、当該高齢運転者に最適と考える設定を個別に行えば、その高齢運転者に最適と考えられる状況で警告が報知されるため、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況が初期設定されている場合に比較して、高齢運転者の不安を軽減し、また家族がより安心して高齢運転者に運転してもらえる。
「状況を高齢運転者の家族が設定する機能」は、例えば、取得された情報との適合を判定される所定の条件の一部を家族が設定する機能とするとよい。例えば、外部設定機器または表示装置18のタッチパネル19や入力ボタン20から車両の位置に関する条件を設定したり、信号機の灯火に関する色に関する条件および速度に関する条件を設定したりするとよい。外部設定機器により設定された条件は、設定データとしてメモリカードを媒介にして本機器の記憶手段に記憶するとよい。特に、「位置情報」に関する条件は、車両のおかれる位置または所定の範囲を設定するとよく、また例えば、速度に関する条件は、閾値を設定するとよい。
また、本機器は、例えば、図2に示すように、表示装置18を備えるとよく、「設定する機能」は、例えば、本機器の表示装置18に設定される項目が表示され、タッチパネル19により項目を適宜選択することによって設定する機能とするとよい。例えば、信号機情報に関する状況を設定する項目、気候情報に関する状況を設定する項目が表示装置18に表示され、気候情報に関する項目を選択した場合には、温度、天気、湿度等の項目が表示され、温度を選択した場合には、警告を報知する温度を入力ボタン20により1度刻みで選択するような表示をするとよい。選択は、設定部により行われるとよい。
さらに、本機器は、例えば、「高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況」を、その家族のみが設定する機能を有するとよく、高齢運転者が設定できない機能を有するとよい。例えば、本機器がパスワードを要求する機能を有し、設定の前には、パスワードが要求され、パスワードを知っている家族のみがタッチパネル19によりパスワードを入力することにより設定できる機能を有するとよく、パスワードを知らない高齢運転者は設定ができない機能を有するとよい。
また、例えば、高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況を、当該高齢運転者に特有の危険が予測される位置情報に関して前記高齢運転者の家族が外部設定機器や表示装置18のタッチパネル19や入力ボタン20により設定する機能を有するとよい。
このようにすれば、高齢運転者が加害者になりそうな位置で網羅的に警告が報知されるため、家族はより安心して高齢運転者に運転をしてもらうことができる。なお、高齢運転者は運転範囲が限られるため、危険が予測される位置は限定的である。したがって、個々の高齢運転者に応じた特有の位置を家族が網羅して設定できる。
「高齢運転者に特有の危険」は、例えば、一般的な高齢運転者に共通する危険であるとよく、一般の高齢運転者の運転癖や、運転習慣に着目した危険とするとよい。例えば、図6に示すように、中央線に寄っては戻るという動きを繰り返すような一般的な高齢運転者が有する運転癖をフロントビューカメラ11が取得した画像情報と、加速度センサ14が検知する左右方向の加速度情報に基づいて判定するとよい。
一般的な高齢運転者は、普通に真っすぐ運転できず、ずっと右、中央線に寄っていっては戻る、中央線に寄っていっては戻るといった動きで、左側はガードレールがあるため怖いが、中央線ってまたいでも反対側が来なければ車は当たらないという意識が働いて、基本的に内側に入ってくるような運転をしがちである。また、たまに大型トラックが来るとびっくりして左に切って左に当たったりすることがある。したがって、そのような運転をしてしまいそうな特定の場所は「危険が予測される位置」とするとよい。
「高齢運転者に特有の危険」は、他方で、特定の高齢運転者が有する危険であるとよく、当該高齢運転者の家族が設定するとよい。例えば、当該特定の高齢運転者が日常的に通うコンビニや定期的に行くホームセンターで、かつ人や車の出入りが多い場所は危険が予測される位置と想定され、「高齢運転者に特有の危険が予測される位置情報」として家族が外部設定装置により、高齢運転者と一緒になって設定するとよい。
また、例えば、以前に事故があった事例がある場所は「危険が予測される位置」として家族が設定するとよく、例えば、その事故がアクセルとブレーキの踏み間違えのようなときは、「高齢運転者に特有の危険が予測される位置情報」に関する事象情報として設定するとよい。
また、例えば、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる前記状況を、前記位置情報に関連し、前記高齢運転者に特有の危険が予測される事象情報に関して前記高齢運転者の家族が設定する機能を有するとよい。
このようにすれば、高齢運転者の家族が限定的な位置情報とその位置に対応した事象情報に基づいて高齢運転者に特有の加害者になりうる状況を網羅して設定することができる。これにより、高齢運転者が加害者になりそうな位置と事象とで網羅的に警告が報知されるため、家族はより安心して高齢運転者に運転をしてもらうことができる。なお、高齢運転者は運転範囲が限られるため、その運転範囲で危険が予測される事象も限定的であり、特に、図7に示すビュアーに全て表示できる程度の数の位置情報を家族が設定する機能を有するとよい。
「位置情報に関連し、高齢運転者に特有の危険が予測される事象情報」は、例えば、位置に関連した事象の時間、内容、天候に関する情報とするとよい。具体的には、例えば、高齢運転者の運転範囲に小学生の通学路がある場合に、通学路という位置情報に関連し、所定の時間帯に小学生が通学するという事象に関する情報として高齢運転者の家族が記憶手段25に記憶するとよい。
また例えば、機器に状況を設定するための外部設定機器は、パソコンやスマートフォンのように、ディスプレイのような表示部を備え、地図情報と、当該地図上の位置情報と、位置情報に関連する事象情報と、警告の内容に関する警告情報とを表示装置18に表示させ、高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況を前記高齢運転者の家族が設定する機能を有するとよい。
このようにすれば、地図情報、位置情報、事象情報、警告情報等の情報を外部設定機器の表示部に表示させて、高齢運転者が加害者になりうると考えられる状況を外部設定機器のユーザインターフェースによって設定できる。地図情報等の情報は大きく表示された方が設定を容易にできるため、図7に示すように、本発明のような車両に取り付け可能の機器とは別の外部設定機器の表示部に表示できれば、各設定が容易になる。
外部設定機器は、例えば、パソコン、タブレット、スマートフォン等とするとよい。または、外部設定機器への接続は、例えば、有線または近距離無線通信装置23のような無線を介して行うとよく、または、SDカードのような記憶媒体を介して行うとよい。
外部設定機器の「設定する機能」は、例えば、本機器の記憶手段に記憶された状況を判定する条件を、本機器の設定部によらず、本機器に代わって、各設定を外部設定機器によって設定する機能とするとよい。例えば、本機器は、入力ボタン20のような設定部を設けずに、外部設定機器に有線または、近距離無線通信装置23を介した無線により接続され、外部設定機器により状況を判定する条件を設定する機能とする。
「地図情報」は、例えば、図7に示すように、電子化された地図とし、表示部の画面の一部に表示するとよい。また、「地図上の位置情報」は、表示された地図において、例えば、所定の位置に配置されるピンとして地図上に表示するとよい。
「警告情報」は、例えば、表示装置18の表示画面等に表示され、または警告音出力手段により発生される警告であって、どの報知手段がどのような方法で警告を報知するかを示す情報とするとよい。具体的には、例えば、表示画面に単一色の背景と、大きな文字により警告が報知されることを示す情報や、ビープ音や、内蔵マイク21により録音された家族の音声により報知がされることを示す情報とするとよい。
また例えば、機器のリモコン17は、位置情報を登録するための位置情報登録部を備え、高齢運転者が運転する車両を高齢運転者に代わって当該高齢運転者の家族が運転する際に、位置情報登録部が押されて、位置情報を登録する機能を有するとよい。このようにすれば、高齢運転者の家族が、高齢運転者に代わって運転しながら、高齢運転者が運転する場合を想定して危険な位置のみを登録し、運転終了後に登録された位置に関する他の情報を登録することができる。
当該他の情報は、当該位置が視界の悪い位置であるとか、当該位置に信号機があるとか、当該位置が小学生の通学路である等の情報とするとよい。このようにすれば、実際の運転に基づいた位置情報の登録が容易になる。したがって、状況を設定する作業が容易になり、危険な位置を確実に登録でき、高齢運転者が事故となる可能性を低減することができる。
外部設定機器は、高齢運転者の家族が、当該高齢運転者と一緒に、図7に示すビュアーを見ながら設定できる構成とするとよく、例えば、位置情報登録部により、高齢運転者の家族が位置情報を運転しながら登録し、位置情報の登録後に、当該高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況の設定を当該高齢運転者と一緒に行うことができ、家族と高齢運転者とのコミュニケーションの向上も期待できる。
「位置情報登録部」は、例えば、機器に設けられたボタンやタッチパネル19のような押圧手段とするとよい。そのようにすれば、運転中であっても押圧手段が容易に押圧できるため、その場で位置情報を適宜登録できる。
さらに、「位置情報登録部」は、例えば、無線または有線で接続されたリモコン17のような外部登録手段のボタンとするとよい。そのようにすれば、リモコン17を運転者の手の届く範囲に配置でき、運転者は機器に手を伸ばす必要がなく、運転中に姿勢を変更することなく位置情報の登録ができる。
また例えば、図5に示すように。高齢運転者が事故の加害者になりうる状況になった後に警告の報知を開始し、事故の加害者になりえない状況になった後に報知を終了するようにするとよい。
特に、例えば、「高齢運転者が事故の加害者になりうる状況」および「高齢運転者が事故の加害者になりえない状況」を当該高齢運転者の家族が図7に示すような外部設定機器等により設定するようにするとよい。このようにすれば、家族が設定をすることで、その高齢運転者が自身の特性に合った適切な運転をするように促すことができる。
また、例えば、制御手段10は、車両の前方の信号機の灯火の色に関する信号機情報と、車両の速度に関する速度情報とを取得し、当該信号機情報と速度情報とから、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定するとよい。
このようにすれば、制御手段10が、信号機情報と速度情報との関係から、高齢運転者が加害者となる状況として判定することで、高齢運転者に頻発する事故の可能性を低減することができる。なお、高齢運転者は、加齢による集中度の低下や運転中に他に注意を奪われやすいことから運転を誤りやすく、事故の加害者となりやすい。そのため、これらを原因に信号機を見落としたり、気づくのが遅れたりする場合が多くある。
例えば、フロントビューカメラ11によって取得される車両の前方の信号機の灯火の色が、赤色または黄色であり、かつ加速度センサ14により検知される加速度情報おいて車両の速度が減少しない場合に、表示装置18やスピーカ22等の報知手段が警告を報知するようにするとよい。そのようにすれば、停止すべき交差点に進入してしまい他の車両に衝突されるという、高齢運転者の非が大きい事故が起こる可能性を低減することができる。
「信号機情報」の取得は、例えば、車両の前方を撮影するフロントビューカメラ11のような撮影手段によって取得するとよい。信号機情報は、撮影手段が撮影する画像を画像処理すると、信号機のLEDが無数に点滅して処理されることをキーに信号機の認識と色の把握を行うことにより取得できる。「速度情報」は、GPSユニット12やOBDコネクタ13から取得できる速度や加速度センサ14により検知される加速度を基に取得でき、車両の速度または加速度の情報とするとよい。また、このときに、例えば、信号機情報と速度情報とに基づいて、高齢運転者が事故の加害者になりうる状況になったときから警告の報知を開始し、事故の加害者になりえない状況になると報知を終了するとよい。
また例えば、加速度情報、画像情報等の車両情報から、高齢運転者が運転する車両のふらつきを判定し、当該判定に基づき、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定するとよい。
「ふらつき」は、例えば、走行中の車両が左右に不安定に移動する、いわゆるふらついた状態の他に、進行方向が右の一方に大きく変化した状態、または左の一方に大きく変化した状態を車両情報から制御手段10が判定するとよく、「ふらつき」の判定に用いる車両情報は、例えば、加速度センサ14によって左右の加速度の変化、GPSユニット12によって取得される位置情報の変化、フロントビューカメラ11のような撮影手段によって撮影される画像の変化を取得するとよい。
また、「ふらつきの判定」は、例えば、加速度センサ14により検知される加速度情報によって、左右のふらつきの他に、例えば、急発進、急ブレーキのような車両の前後の速度や加速度の変化によるふらつきを判定するとよく、急発進や急ブレーキについての警告を報知するとよい。
また例えば、車両情報から、車両が右に所定値以上寄ったことを判定し、当該判定から、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定するとよい。このようにすれば、図5に示すように、車両が右側に寄ってしまい、対向車が来た場合に正面衝突のような重大な事故が起こる可能性を低減することができる。例えば、高齢運転者は、中央線に寄って戻るといった動きをすることが多くある。これは、左側はガードレールがあるため、左側を警戒するが、右側は中央線をまたいでも対向車が来なければ危険はないという意識が働いた、高齢運転者に特有の運転癖である。しかし、車両が右側に寄ってしまうと、対向車が来た場合には、正面衝突等の重大な事故を引き起こすことになる。したがって、ふらつき情報において加速度センサ14が右方向への変化が大きいことを検知して警告を報知することにより、高齢運転者特有の重大な事故が起こることを低減することができる。また、例えば、加速度センサ14が左への変化が大きいことを検知したときに警告を報知するとよい。そのようにすれば、進行方向に歩行者や自転車がいる可能性があることを高齢運転者に知らせることができる。
「前記車両が右に所定値以上寄ったこと」の判定は、例えば、フロントビューカメラ11が取得する画像情報に基づいて、車両が中央線を跨いだことや、中央線との距離が縮まったことに基づいて判定するとよい。
また例えば、フロントビューカメラ11の画像情報から対向車の有無を判定し、車両が右に所定値以上寄ったことの判定から、前記高齢運転者が前記車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かを判定した場合であっても、対向車が無いと判定した場合は、警告を報知しないように処理するとよい。
高齢運転者による運転の特徴で、右側に寄ってしまった場合であっても、対向車が来ない場合は、重大な事故を引き起こす可能性は小さい。したがって、頻繁に右に寄ってしまう場合に報知を都度行うと高齢運転者に不快感を抱かせてしまう。したがって、対向車が来ない場合には、制御手段10は警告を報知しないことで、報知が度重なることが無くなり、運転者に不快感を抱かせることを低減することができる。
また例えば、車両情報に加え、温湿度センサ16により検知される気候情報を取得し、高齢運転者が車両を運転することによって事故の加害者になりうる状況か否かの判定は、車両情報とともに、気候情報に基づいて行われるとよい。
したがって、車両情報と気候一般運転者に対して気候に基づいて警告を報知する場合は、一般運転者が危険と想定される条件より厳しく、はやい段階で警告を報知するとよい。「気候情報」は、例えば、気温、湿度、晴雨、風速など、大気または大気中の物理的状態に関する情報とするとよく、例えば、制御手段10は、温湿度センサ16、湿度センサ、風速センサのような各種センサから直接取得することに加え、ワイパーが動作したことを降雨の情報として、OBDコネクタ13を介して取得し、降雨の情報を間接的に取得するとよい。
前記車両情報は、例えば、車両の位置情報とするとよい。このようにすれば、高齢運転者の家族が限定的な位置情報とその位置に対応した気候情報に基づいて高齢運転者に特有の加害者になりうる状況を網羅して外部設定機器等により設定することができる。これにより、高齢運転者が加害者になりそうな位置と気候により網羅的に警告が報知されるため、家族はより安心して高齢運転者に運転をしてもらうことができる。なお、高齢運転者は運転範囲が限られるため、その運転範囲から位置情報が限定的となる。
温湿度センサ16等により検知される気候情報と、GPSユニット12等により取得される位置情報とに基づいて、警告を報知させることは、例えば、熱中症等の危険が予測される程度に気温が高い場合に、スタート位置の位置情報から所定距離移動した後に、水分補給を促すような警告を表示手段やスピーカ22により報知するようにするとよい。これにより、高齢運転者が熱中症により運転操作を誤って加害者になってしまうような事故が起こる可能性を低減することができる。
表示装置18やスピーカ22による警告の報知は、強く行動を制限するようなものではなく、例えば、アドバイスのように、図8に示すような「気温が高いから水を飲んだ方がよいよ」とか、窓を開けた方がよいとか、注意を喚起する程度の言葉で、行動を後押しするようなものとするとよい。さらに、報知する警告は、「あまり長期間運転すると集中力が低下してしまいますよ」といった言葉のお知らせや、降雨のときに、図8に示すような「雨が降ってきたから滑りやすいよ」といった言葉でお知らせするようにするとよい。
また例えば、報知手段は、図3に示すように、全面が単一色の背景を表示可能な表示画面を備え、前記表示画面は、前記背景の色を変化させることにより警告を報知するとよい。
このようにすれば、高齢運転者が最も認識しやすい視覚情報である色の変化が、特に変化を認識しやすい表示画面全体の背景において、単一色の変化として警告が報知される。これにより、高齢運転者に確実に警告を認識させることができるため、高齢運転者の運転による事故が起こる確率が低減し、その家族が安心して高齢運転者に運転してもらうことができる。
「色の変化」は、表示画面が通常はフロントビューカメラ11が撮影したリアルタイムの画像情報を表示している状況からから赤一色に変化するようにするとよい。これにより、赤以外の色への変化と比較して、通常状態とは異なる状態であることを高齢運転者が理解しやすく、高齢運転者の運転による事故が起こる確率を低減させることができる。また、「色の変化」は、同一色の背景が点滅するような変化や異なる色の背景が順次入れ替わるような変化とするとよい。
例えば、白内障などの様々視力に関する病気を抱えて運転をしている高齢運転者であっても、表示背景の色の変化は、文字による警告に比較して直感的に最も認識しやすく、例えば、色によって危険が報知されることを記憶しておくことで、事故の加害者となる可能性が低減される。
また例えば、報知手段は、音により警告を報知するスピーカ22のような警告音出力手段を備え、表示装置18の表示画面は、表示背景に加え、文字により警告を表示可能であり、高齢運転者の特性に合わせて、前表示背景の色と、文字および前記音の少なくともいずれか一方との組み合わせにより報知手段により警告を報知するとよい。
このようにすれば、表示背景の色に加え、文字、音の少なくともいずれか一方との組み合わせにより警告を報知することで、高齢運転者が警告を認識しやすくなる。特に、高齢運転者は身体的問題を有することがあり、そのような場合は1つの方法では警告を認識することが難しい場合であっても高齢運転者に警告を認識してもらえるようになる。
表示装置18の表示画面は、例えば、背景と文字以外の要素を有しない構成とするとよく、例えば、アイコンや地図が表示されずに文字と背景の色だけで警告を報知する機能とするとよい。また、例えば、赤の色味を高齢運転者が認識しやすい色味に設定できるようにするとよい。
また例えば、表示装置18の表示画面に表示される表示背景の色、文字、スピーカ22から発せられる音の少なくともいずれか1つを、高齢運転者の家族が高齢運転者の特性に合わせて設定する機能を有するとよい。
このようにすれば高齢運転者のことを最もよく知る家族が、高齢運転者の特性に合わせて、警告情報の設定を行うことができ、最も認識されやすい警告の報知をすることができる。これにより、高齢運転者は家族の愛情の下に車両を運転することができ、事故を防止しようとする意識も高まる。
設定方法は、例えば、初期設定で表示背景の色と文字の色の組み合わせを初期設定により複数種類用意しておき、文字による警告の文章の内容だけ表示装置18のタッチパネル19により変更するようにするとよい。そのようにすれば、高齢運転者の特性に合わせて、見やすい色の組み合わせで、注意喚起したい内容を個別設定できる。
また、本発明に係る機器は、車を運転することが外出の理由となり、高齢運転者が家に引きこもってしまうようなことを抑制し、健康の増進につながっていくことも考えられる。このような高齢運転者が事故の加害者とならないように配慮した車載用の機器は、例えば、OBDコネクタ13からエンジンの始動の有無に基づいて車両が運転された頻度をカウントし、高齢運転者に運転する動機を与えうる報奨情報を表示装置18に表示させるようにするとよい。例えば、車両が運転された日数をカウントし、所定の日数をカウントした場合に、高齢運転者に運転する動機を与えうる報奨情報を表示手段に表示させるとよい。
高齢運転者がエンジンを始動させて車両を運転した日数に応じて、報奨情報が表示されることにより、高齢運転者に運転する動機を与え、毎日でも運転をしようという気を起こさせることができる。これにより、高齢運転者が運転を嫌いになって引きこもってしまうようなことにならず、高齢運転者の家族が安心して高齢運転者に運転してもらえる環境を提供することができる。
「報奨情報」は、動物の映像の他に、例えば、図9(E)に示すような高齢運転者の家族の写真画像とするとよい。高齢運転者は、家族に対して深い愛情を持っているので、そのようにすれば、報奨情報による運転をしようという動機付けを強くすることができる。
また、例えば、制御手段10は車両が運転された頻度について、減点処理を行わずに、報奨情報を表示するとよい。そのようにすれば、減点によって高齢運転者が運転することを敬遠するようなことにならず、報奨情報による運転をしようという動機付けを阻害することがない。例えば、運転中に急発進、急ブレーキ等が加速度センサ14からの情報で取得された場合や、通常運転が予定されている所定距離に運転距離が及ばない場合であっても、高齢運転者が事故を起こさず運転した日をカウントするようにすればよい。例えば、前記カウントは加算のみするとよい。日数のカウントが減算されることがあると高齢運転者が日々、運転を続ける動機を減らすことになりかねないが、日数のカウントが加算されるのみなので、高齢運転者は、単純に、車両を運転することだけを考えればよく、運転を日々続けさせることができる。これにより、高齢運転者の家族が安心して高齢運転者に運転してもらえる環境を提供することができる。
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在のところは特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また、意匠出願への変更出願により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意部分を破線部分とした部分意匠を権利化する意思を有する。
1…メインユニット、10…制御手段、11…フロントビューカメラ、12…GPSユニット、13…OBDコネクタ、14…加速度センサ、15…増設カメラ、16…温湿度センサ、17…リモコン、18…表示装置、19…タッチパネル、20…入力ボタン、21…内蔵マイク、22…スピーカ、23…近距離無線通信装置、24…メモリカードスロット、25…記憶手段

Claims (2)

  1. 車両の運転者に対して警報を出力するための制御を行う制御手段を備えた機器であって、
    前記制御手段は、フロントビューカメラによって撮像された車両前方の画像情報に基づき前記車両が走行中に走行中の道路の中心を基準に右に寄った状態が所定の時間以上継続した場合に警告を出力するための制御を行う機能を備え、
    前記制御手段は、前記画像情報に基づいて対向車が来たと判定してから前記走行中の道路の中心を基準に右に寄った状態から該車両が走行中の道路の中心を基準に左に寄った状態に変化したと判定した場合に警告を出力するための制御を行う機能を備えたこと特徴とする機器。
  2. 請求項1記載の機器の機能を制御手段に実行させるためのプログラム。
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