JP2021060676A - システムおよびプログラム等 - Google Patents

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圭三 高橋
Keizo Takahashi
圭三 高橋
要 岩佐
Kaname Iwasa
要 岩佐
茂 小池
Shigeru Koike
茂 小池
和範 阿部
Kazunori Abe
和範 阿部
服部 哲也
Tetsuya Hattori
哲也 服部
山口 聡
Satoshi Yamaguchi
山口  聡
浅野 隆
Takashi Asano
浅野  隆
広敬 林
Hirotaka Hayashi
広敬 林
勇規 依藤
Yuuki Yorifuji
勇規 依藤
彰 須野原
Akira Sunohara
彰 須野原
孝平 庄司
Kohei Shoji
孝平 庄司
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Yuki Shimizu
勇喜 清水
孝弘 日比野
Takahiro Hibino
孝弘 日比野
上村 浩司
Koji Kamimura
浩司 上村
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Abstract

【課題】従来よりも優れたシステム、プログラムおよび記憶媒体等を提供する。【解決手段】移動体の挙動を観測する観測手段と、該観測手段により観測された第1の移動体と第2の移動体との位置関係の時間的な変化に基づいて、該第1の移動体と第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う処理実行機能を有する制御手段とを備えるシステムに関し、「第1の移動体と第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理」は、例えば、現時点から第1の移動体と第2の移動体との衝突までの時間を推定する処理、第2の移動体に危険運転の可能性があるか否かを判断する処理等である。【選択図】図1

Description

例えば、システム、プログラムおよび記憶媒体等に関する。
例えば、車両においては、運転者が交通事故に巻き込まれてしまった場合に運転状況の事後分析に便利なドライブレコーダを搭載するようになっている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来のドライブレコーダは、自責の交通事故の事後対応手段として有効であるものの、事故発生の前段階で運転者本人または別の運転者が絡む危険運転状況の把握は困難であり、事件事故の誘発原因になる危険運転状況における適応性に欠ける等、様々な問題があった。
特開2012−3408号公報
ところで、車両同士の衝突は重大な交通事故に繋がるおそれがあり、その未然防止が望まれる。例えば、近年社会問題になっている煽り運転などの危険運転は、衝突事故を引き起こす要因の一つであり、その未然防止が社会的に望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、従来よりも優れたシステム、プログラムおよび記憶媒体等を提供することを目的とする。例えば、本発明は、煽り運転その他の危険運転の可能性の有無を判断することを目的の一つとする。
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「〜できる」と記載した箇所を「〜が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
本発明の目的は、例えば、以下の(1)〜(23)の形態により達成することができる。
(1)移動体の挙動を観測する観測手段と、前記観測手段により観測された第1の移動体と第2の移動体との位置関係の時間的な変化に基づいて、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う処理実行機能を有する制御手段と、を備えるシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体と第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理に基づいて、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。その結果、例えば、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
(2)前記処理実行機能は、前記第1の移動体および前記第2の移動体の相対速度の変化と、前記第1の移動体および前記第2の移動体の相対加速度の変化との少なくとも一方に基づいて、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体と第2の移動体との相互間の接近状況が分かり、第1の移動体と第2の移動体との衝突の可能性をより正確に求めることが可能となる。
(3)前記観測手段は、前記第1の移動体の後方または前方の前記第2の移動体を観測対象とし、前記処理実行機能は、前記相対速度の変化と前記相対加速度の変化との少なくとも一方に基づいて、現時点から前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突までの時間を推定する推定機能と、推定された時間が所定の時間内である場合、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があると判断する判断機能と、を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体と第2の移動体との衝突の可能性があることがシステムにより客観的に判断され、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
(4)前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があることが判断されると、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体の搭乗者に対して、第1の移動体と第2の移動体との衝突の可能性を知らせることができ、事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
(5)前記観測手段は、前記第1の移動体の後方を撮像可能な撮像装置を備えるとともに、前記第1の移動体の後方の前記第2の移動体を観測対象とし、前記制御手段は、前記撮像装置により撮像された撮像画像を記録する記録機能をさらに有しており、前記記録機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があることが判断されると、前記撮像画像の記録を開始する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体と第2の移動体とが仮に衝突してしまった場合であっても、事故発生時の撮像画像が記録されており、事後対応に利用することが可能となる。
(6)前記観測手段は、前記第1の移動体の後方の前記第2の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があるとの判断結果が複数回得られると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第2の移動体に危険運転の可能性があることをより的確に判断することができ、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
(7)前記観測手段は、前記第1の移動体の前方の前記第2の移動体を観測対象とし、前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第1の移動体の加速が検出されると、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体の搭乗者に対して、第2の移動体との衝突の可能性を知らせることができ、事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
(8)前記観測手段は、前記第1の移動体の前方の前記第2の移動体を観測対象とし、前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体の減速が検出されると、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体の搭乗者に対して、第2の移動体との衝突の可能性を知らせることができ、事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
(9)前記観測手段は、前記第1の移動体の前方の前記第2の移動体を観測対象とし、前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との間を走行していた第3の移動体が前記第1の移動体の走行車線から離脱した直後において、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内であり且つ前記相対速度または前記相対加速度が正である場合、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体の搭乗者に対して、第2の移動体との衝突の可能性を知らせることができ、事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
(10)前記観測手段は、前記第1の移動体の後方の前記第2の移動体を観測対象とし、前記処理実行機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との位置関係の時間的な変化に基づいて、前記第2の移動体に危険運転の可能性があるか否かを判断する判断機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第2の移動体に危険運転の可能性があるか否かがシステムにより客観的に判断され、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
(11)前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、後方の移動体による危険運転の可能性をより正確に判断することができ、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
(12)前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが複数回検出されると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、後方の移動体による危険運転の可能性を更に正確に判断することができ、危険運転であるとの判断が過剰になされてしまうことに起因する第1の移動体の搭乗者のストレスを軽減することが可能となる。
(13)前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されたとしても、前記第1の移動体の前方の一定範囲内に他の移動体が存在するときには、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断せず、前記第1の移動体の前方の一定範囲内に他の移動体が存在しないときに、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、後方の移動体による危険運転の可能性を更に正確に判断することができ、危険運転であるとの判断が過剰になされてしまうことに起因する第1の移動体の搭乗者のストレスを軽減することが可能となる。
(14)前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されたとしても、前記第1の移動体の速度が所定速度よりも遅いときには、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断せず、前記第1の移動体の速度が前記所定速度よりも速いときに、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、後方の移動体による危険運転の可能性を更に正確に判断することができ、危険運転であるとの判断が過剰になされてしまうことに起因する第1の移動体の搭乗者のストレスを軽減することが可能となる。
(15)前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されたとしても、前記第2の移動体が方向指示器を点滅させて左右方向に移動したときには、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断せず、前記第2の移動体が方向指示器を点滅させずに左右方向に移動したときに、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、後方の移動体による危険運転の可能性を更に正確に判断することができ、危険運転であるとの判断が過剰になされてしまうことに起因する第1の移動体の搭乗者のストレスを軽減することが可能となる。
(16)前記観測手段は、前記第1の移動体の前方または後方を撮像した撮像画像を記録可能な撮像装置を有しており、前記制御手段は、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断された場合において、前記第2の移動体の搭乗者が降車したことが検出されると、所定の処理を行う機能をさらに有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体の搭乗者が降車して第1の移動体の搭乗者と第2の移動体の搭乗者との間でトラブルが発生することをあらかじめ抑止することが可能となる。
(17)前記観測手段は、前記第1の移動体の前方または後方を撮像した撮像画像を記録可能な撮像装置を有しており、前記制御手段は、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断された場合において、前記第1の移動体の搭乗者が降車しようとしていると判断されると、前記撮像装置の撮像範囲内の位置への立ち入りを要求するメッセージを前記搭乗者に向けて報知する報知機能をさらに有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の移動体の搭乗者が降車した後、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体の搭乗者との間でトラブルが発生したとしても、トラブル発生時の撮像画像を記録しておくことができ、事後対応に利用することが可能となる。
(18)前記判断機能は、前記第2の移動体の前側部分が沈み込む姿勢が複数回検出されると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、危険運転をより的確に判断することができ、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
(19)前記観測手段は、前記第1の移動体の後方を撮像した撮像画像内の観測対象領域において検知された光に基づいて、前記第2の移動体を観測対象として特定し、前記判断機能は、前記観測対象領域を区分した複数の区分領域のうち、検知された光に関する測定値が所定値を超えた区分領域の時間的変化に基づいて、前記第2の移動体に危険運転の可能性があるか否かを判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、夜間であっても危険運転をより的確に判断することが可能となる。
(20)前記システムは、前記観測対象領域に関する設定操作をユーザから受け付ける操作受付手段、をさらに備えるシステムとするとよい。
このようにすれば、ユーザの視覚的な判断に基づいて観測対象領域が設定されるので、撮像画像内の観測対象領域をより正確に調整することが可能となる。
(21)前記制御手段は、外部装置と通信可能な通信機能をさらに有しており、前記通信機能は、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断されると、前記第2の移動体に関する情報を前記外部装置に送信する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、危険運転の可能性がある移動体に関する情報を幅広く利用することができ、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
(22)前記処理実行機能は、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)の機能を利用して前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、ADASの機能を利用して危険運転の可能性を判断することができる。
(23)上記(1)〜(22)の形態にかかるシステムにおける機能をコンピュータにより実行可能なプログラムとするとよい。
このようにすれば、コンピュータに該プログラムをインストールして、(1)〜(22)の形態にかかる各機能を発揮させることにより、安全運転の遂行を実現することができる。
本発明の目的は、例えば、以下の各形態により達成されてもよい。また、以下の各形態が、上記(1)〜(22)の各形態に適宜組み合わされてもよい。
(A)移動体の挙動を観測しうる観測手段と、前記観測手段による観測結果が特定条件を満たすことを契機として、前記移動体に危険運転の可能性があると判断する判断機能を有する制御手段と、を備えるシステムとするとよい。
このようにすれば、移動体に危険運転の可能性があることがシステムにより客観的に判断され、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。その結果、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
(B)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であって、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、所定の時間内における前記他の移動体の速度変化が所定のパターンであることを契機として、前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、他の移動体に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることをより的確に判断することができ、当該移動体の運転手は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
(C)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であって、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体と前記他の移動体との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したことを契機として、前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体に追従してくる他の移動体があるときに、このような他の移動体からの危険を未然に防止することが可能となる。
(D)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、所定時間にわたって観測された前記他の移動体にかかわるデータの時間の経過に応じた変化が所定のパターンであることを契機として、前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、他の移動体に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることをより精度よく客観的に判断することができ、当該移動体の運転手は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
(E)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体に対する前記他の移動体の移動パターンが所定のパターンであるときに、前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体に対する他の移動体の移動パターンを客観的に判断することができ、当該移動体の運転手は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
(F)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体が走行する道路状況および当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とし、
前記判断機能は、前記特定条件として、前記道路状況により当該移動体を追い越すことができず、当該移動体と前記他の移動体との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したときに、前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体を追い越すことができないにもかかわらず当該移動体を追従する他の移動体があるとき、当該移動体の運転手は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
(G)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体と前記他の移動体との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したとしても、当該移動体が停止状態から加速して所定速度以上となった場合には前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断せず、当該移動体が所定速度以上で一定時間以上走行している場合に、前記後方の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体を追従する後方の移動体があるとき、後方の移動体の危険運転の可能性の有無、特に煽り運転の危険性の有無を、より精度高く判断することが可能となる。例えば、渋滞のときなどで追い越し車線のない状況で追従する後方の移動体が危険運転の可能性があると誤判断する頻度を抑制できる。
(H)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であって、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の前方の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体と前記前方の移動体との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したことを契機として、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体が前方の移動体に追従して走行しているときに当該移動体が危険運転状態にあると判断すること、特に煽り運転の危険性があると判断することができ、当該移動体による危険運転状況を把握して安全運転の遂行に寄与することができる。
(I)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の前方の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、所定時間にわたって観測された前記前方の移動体にかかわるデータの時間の経過に応じた変化が所定のパターンであることを契機として、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることをより精度よく客観的に判断することができ、当該移動体の運転手は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
(J)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であって、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の前方の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体と前記前方の移動体との距離変化が所定のパターンであることを契機として、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、前方の移動体との相対的な距離変化から当該移動体に危険運転の可能性があると判断すること、特に煽り運転の危険性があると判断することができ、事故やトラブルの未然防止を図ることが可能となる。その結果、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
(K)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の前方の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体に対する前記前方の移動体の移動パターンが所定のパターンであるときに、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体に対する前方の移動体の移動パターンを通じて前方の移動体に対する当該移動体の移動パターンを判断することができ、当該移動体の運転手は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
(L)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の前方の移動体を観測対象とし、前記システムは、前記観測手段が取り付けられた当該移動体の運転履歴を記録する履歴記録機能をさらに備え、前記判断機能は、前記履歴記録機能に記録された運転履歴を参照し、前記特定条件として、前記前方の移動体と当該移動体との関係が所定のパターンであるときに、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体の過去の運転履歴から判断される当該移動体の運転者の運転特性に応じて、当該移動体の現在の運転状況に危険運転の可能性があるか否かを行うこと、特に煽り運転の危険性があると判断することができ、事故やトラブルの未然防止を図ることが可能となる。その結果、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
(M)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体が移動する道路状況を観測対象とし、前記判断機能は、道路上の所定の指標に対する当該移動体の挙動の変化が所定のパターンであるときに、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有することを特徴とするシステムとするとよい。
このようにすれば、道路上の所定の指標(例えば道路上の白線等)に対する当該移動体の挙動の変化(例えば、対向車線へのオーバー距離、左右の振れ等)が所定のパターンであるときに、当該移動体に危険運転の可能性があると判断することができ、特に煽り運転の危険性があると判断することができる。
(N)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の後方または側方の他の移動体および該他の移動体の運転者を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、前記他の移動体の挙動の変化および該他の移動体の運転者の観測結果の両方が所定のパターンであるときに、前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、他の移動体の運転者の観測結果を特定条件に加味することにより、より厳密に危険運転状況を把握でき安全運転の遂行を実現することができる。
(O)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の運転者を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体の運転者の外観が所定のパターンであるときに、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体の運転者の外観を観測対象とすることにより、当該移動体に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることを把握でき、安全運転の遂行を実現することができる。
(P)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の運転者を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件として、当該移動体の運転者の身体的変化が所定のパターンであるときに、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体の運転者の身体的変化に応じて当該移動体に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることを把握でき、安全運転の遂行を実現することができる。「当該移動体の運転者の身体的変化」は、例えば、脈拍の変化、心拍数の変化、血圧の変化等とするとよい。
(Q)所定の情報を出力可能な情報出力装置を移動体に取り付け可能であって、前記情報出力装置は、取り付けられた当該移動体の外に向けて所定の情報を出力可能であり、前記制御手段は、当該移動体とは別の他の移動体に危険運転の可能性があると判断されたときに、前記所定の情報としての警報を、前記情報出力装置から出力する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、危険運転の可能性がある他の移動体の搭乗者に対して危険運転の可能性があることを認知させ、危険運転の抑止力を発揮させることができ、特に煽り運転の抑止力を発揮させることができる。
(R)所定の情報を出力可能な情報出力装置を移動体に取り付け可能であって、前記情報出力装置は、取り付けられた当該移動体の搭乗者に向けて所定の情報を出力可能であり、前記制御手段は、当該移動体とは別の他の移動体に危険運転の可能性があると判断されたときに、前記他の移動体に危険運転の可能性があることを、前記情報出力装置から出力する報知機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、他の移動体に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることを、当該移動体の搭乗者に認知させることができ、未然に事故防止を図ることが可能となる。
(S)前記制御手段は、外部と通信可能な通信機能をさらに有しており、前記通信機能は、前記観測手段が取り付けられた当該移動体とは別の他の移動体に危険運転の可能性があると判断されると、該他の移動体に危険運転の可能性があることを示す情報を外部に送信する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、事故やトラブルの未然防止を図ることが可能となる。その結果、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
(T)所定の情報を出力可能な情報出力装置を移動体に取り付け可能であって、前記情報出力装置は、取り付けられた当該移動体の搭乗者に向けて所定の情報を出力可能であり、前記システムは、当該移動体にかかわる固有情報を設定可能な設定操作部をさらに備えるとともに、前記制御手段は、前記所定の情報を前記情報出力装置から出力する情報出力機能を有し、前記情報出力機能は、前記所定の情報として、前記設定操作部で設定された当該移動体にかかわる固有情報に応じた、安全運転にかかわる情報を出力する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、安全運転にかかわる情報として、当該移動体にかかわる固有情報に応じた情報を出力することができるので、安全運転の遂行に役立つ適切な情報を提供することが可能となる。
(U)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であるとともに、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体とは別の他の移動体を観測対象とし、前記システムは、当該移動体にかかわる固有情報を設定可能な設定操作部をさらに備えるとともに、前記制御手段は、前記設定操作部で設定された当該移動体にかかわる固有情報に応じて前記特定条件を変更する変更機能を有するシステムとするとよい。
(V)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であり、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体とは別の他の移動体を観測対象とし、前記制御手段は、前記観測手段による観測結果から前記他の移動体にかかわる情報を取得する取得機能、および該取得された前記他の移動体にかかわる情報に応じて前記特定条件を変更する変更機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、撮像された他の移動体にかかわる情報に応じて、特定条件たる危険運転の可能性を判断する判断基準を変更することにより、危険運転の可能性の有無、特に煽り運転の可能性の有無を、より精度高く判断することが可能となる。
(W)前記制御手段は、前記観測手段による観測結果を記録する記録機能をさらに有しており、前記記録機能は、前記観測手段が取り付けられた当該移動体とは別の他の移動体に危険運転の可能性があると判断されると、前記観測手段による前記他の移動体の観測結果を記録する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、煽り運転等の危険運転の可能性のある他の移動体の観測結果を証拠資料として記録することができ、例えば事故やトラブル等が発生したときの事後処理を円滑に進めることが可能となる。
(X)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であって、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とするとともに、前記判断機能は、前記特定条件を満たすことを契機として、前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有し、前記システムは、当該移動体の運転履歴を記録する履歴記録機能をさらに備え、前記制御手段は、前記履歴記録機能に記録された運転履歴を参照し、該運転履歴に応じて前記特定条件を変更する変更機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体の運転者の運転履歴に応じて、他の移動体に煽り運転等の危険運転の可能性があるか否かの判断基準を変更することで、他の移動体に煽り運転等の危険運転の可能性があるか否かを、より精度高く判断することが可能となる。
(Y)少なくとも前記観測手段を移動体に取り付け可能であって、前記観測手段は、取り付けられた当該移動体の前方の移動体を観測対象とするとともに、前記判断機能は、前記特定条件を満たすことを契機として、当該移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有し、前記システムは、当該移動体の運転履歴を記録する履歴記録機能をさらに備え、前記制御手段は、前記履歴記録機能に記録された運転履歴を参照し、該運転履歴に応じて前記特定条件を変更する変更機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、当該移動体の運転者の運転履歴に応じて、特定条件たる危険運転の判断基準を変更することができ、当該移動体に危険運転の可能性があるか否か、特に煽り運転の危険性があるか否かを、より精度高く判断することが可能となる。
(Z)前記観測手段は、該観測手段が取り付けられた当該移動体の前方を撮像可能な第1の撮像装置と、当該移動体の後方を撮像可能な第2の撮像装置とを備え、当該移動体の前方の移動体、当該移動体の後方または側方の他の移動体を観測対象とし、前記判断機能は、前記特定条件を満たすことを契機として、少なくとも前記他の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有し、前記制御手段は、前記第1の撮像装置に対する所定の契機に応じて前記第1の撮像装置で撮像された画像を記録する機能、および前記第1の撮像装置に対する前記所定の契機があったとしても、当該所定の契機が特定の契機であったときには、前記第1の撮像装置ではなく前記第2の撮像装置により撮像された画像を記録する機能を有するシステムとするとよい。
このようにすれば、第1の撮像装置に対する所定の契機があったとしても、この所定の契機が特定の契機であるときは第2の撮像装置により撮像された画像の記録に切り替えることができ、より安全運転の遂行を実現することができる。
(a)上記(A)〜(Z)の形態にかかるシステムにおける機能をコンピュータにより実行可能なプログラムとするとよい。
このようにすれば、コンピュータに該プログラムをインストールして、(A)〜(Z)の形態にかかる各機能を発揮させることにより、安全運転の遂行を実現することができる。
また、上記(1)〜(22)および(A)〜(Z)の各形態にかかるプログラムを記憶した記憶媒体とするとよい。
本発明によれば、従来よりも優れたシステム、プログラムおよび記憶媒体等を提供することが可能となる。
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「〜できる」「〜可能である」などと記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「〜できる」「〜可能である」などといった記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
(A)カメラを備えるシステムを斜め後方から見た斜視図の一例である。(B)車両の前方をカメラで撮影できるように搭載された状態のシステム、フロントガラス、ダッシュボード等の一例を示す図である。(C)車両の後方を撮影できるように搭載された状態のリアカメラ、リアガラス等の一例を示す図である。 システムのブロック図の一例である。 リアカメラで撮影された画像例であって、後方の車両に煽られている態様を示す図である。 システムのコントローラが実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 システムのコントローラが実行する監視処理を説明するためのフローチャートである。 システムのコントローラが実行する設定処理を説明するためのフローチャートである。 第10の実施例においてシステムのコントローラが実行する監視処理を説明するためのフローチャートである。 自車両および後方車両の間の相対速度と相対加速度と衝突時間との関係性(車間距離が5mの場合)を示す図である。 自車両および後方車両の間の相対速度と相対加速度と衝突時間との関係性(車間距離が10mの場合)を示す図である。 自車両および後方車両の間の相対速度と相対加速度と衝突時間との関係性(車間距離が20mの場合)を示す図である。 自車両および後方車両の間の相対速度と相対加速度と衝突時間との関係性(車間距離が30mの場合)を示す図である。 自車両および後方車両の間の相対速度と相対加速度と衝突時間との関係性(車間距離が40mの場合)を示す図である。 自車両および後方車両の間の相対速度と相対加速度と衝突時間との関係性(車間距離が50mの場合)を示す図である。 自車両および後方車両の間の相対速度と相対加速度と衝突時間との関係性(車間距離が100mの場合)を示す図である。 自車両のブレーキ周期と後方車両のブレーキ周期とを表した図である。 自車両と後方車両との衝突までの時間に関して表した図である。 自車両と後方車両との衝突までの時間に関して表した図である。 第11の実施例の変形例2に係る一態様例の状況を表す概要図である。 第12の実施例に係る一態様例の状況を表す概要図である。
[システムの構成]
図1および図2を参照して、システムの構成の一例について説明する。「システム」は、移動することのない固定物に取り付けるものであってもよいが、システムの一部または全部を移動体に取り付けるものとするとよい。また、「システム」の一部を固定物または移動体に取り付ける場合、特に例えばカメラ等、移動体の挙動を観測する観測手段を固定物または移動体に取り付けることができるようにするとよく、危険運転の可能性を判断する判断機能などを有する後述の処理実行機能を備える制御手段については、観測手段を取り付けた固定物や移動体から離れた場所に備えるようにしてもよい。また、「システム」は、交通事故の瞬間などの画像を記録する、いわゆるドライブレコーダの機能を備えるとよい。なお、「移動することのない固定物」としては、例えば、路上や道路脇に設置された支柱あるいは信号機等が挙げられる。
また、システムの一部または全部が取り付けられる移動体は、自動車や電動移動車等の車両のみならず、車両以外の物体に搭載されるシステムであってもよい。車両以外の物体の例では、例えば、船舶や飛行機などに搭載されるシステムであってもよいが、特に車両に搭載されるシステムとするとよい。車両は、4輪自動車に限らず、例えばバイク等の2輪車や4輪以上の大型輸送車等とするとよく、特に車室内から車室外を観測できる4輪自動車とするとよい。車両としては、例えば、運送用の車両(例えば、トラックやフォークリフト等)、営業用の車両(例えば、タクシーやバス等)および一般の車両等の車両全般のみならず、さらなる多用途に展開してもよい。本実施の形態では、システムを、車両に搭載可能なドライブレコーダとした場合について説明する。
また、「観測手段」は、他の移動体の挙動を観測できるものであればよいが、特に、他の移動体との距離を測定するもの、あるいは、他の移動体を撮像するものの少なくともいずれか一方とするとよい。他の移動体との距離を測定するものとしては、例えば赤外線レーザーまたはミリ波等の電磁波等を照射して他の移動体からの反射により他の移動体との距離を測定するものとするとよい。特に、距離を測定できるCMOSセンサを用いるとよい。特にTime of Flight方式距離センサを用いるとよい。特に2次元のドットマトリックスで距離画像を得られるセンサを用いるとよい。特にTime of Flight方式距離画像センサを用いるとよい。特に裏面照射型Time of Flight方式距離画像センサを用いるとよい。距離画像中で距離が変動する領域について、危険運転や煽り運転の判定など、衝突の可能性に応じた処理に用いると特によい。距離画像中で距離が変動する領域について、所定距離以内に車が、所定時間以上存在する状態であることを「煽り運転されている途中」であると判定するとよい。特に、所定速度以上であるにも関わらず、距離画像中で距離が変動する領域について、所定距離以内に車が、所定時間以上存在する状態であることを「煽り運転されている途中」であると判定するとよい。
なお、一定程度(例えば、15m程度)よりも遠い距離を走行している他の移動体との距離の測定には、赤外線レーザー等を用いるとよい。赤外線レーザー等を用いれば、車間距離等を高精度に(例えば、比較的小さい誤差で)測定することができる。なお、他の移動体との距離が一定程度よりも遠いか否かに応じて、カメラと赤外線レーザー等とが切り替えられるようにするとよい。
また、「観測手段」は、先ずは対象物を特定しない状況下で観測し、その観測結果から対象物を特定するとよい。処理実行機能では、このようにして観測結果から特定した対象物との衝突の可能性に応じた処理が行われるとよく、例えば、判断機能ではこのように観測結果から特定した対象物を危険運転の可能性があるか否かの判断に用いるとよい。
また、観測手段を移動体に取り付ける場合、観測手段を取り付けた当該移動体が停止しているか否かを検出し、停止しているにもかかわらず、当該移動体に対して他の移動体による例えば異常接近が検知される等の特定条件を満たすと、警報を出力する機能を備えるとよい。また、当該移動体が停止していないときに、当該移動体に対して他の移動体による例えば異常接近が検知される等の特定条件を満たした場合には、警報の出力を抑制する構成(例えば出力しない構成、出力の頻度を低くする構成、および出力の大きさ(例えば警報のレベル)を低くする構成の少なくともいずれか)とするとよい。
また、「観測手段」がカメラであるときは、例えば、前方のカメラとは別のカメラを後方に備えて、前方のカメラおよび後方のカメラの2カメラで他の移動体等を撮影するものとするとよく、判断機能は、後方のカメラが撮影した画像中にある車両等の移動体とみなせる領域の大きさ(例えば、幅、高さ、および面積の少なくともいずれか)が接近と判断できる大きさになったときに後方の移動体に危険運転の可能性があると判断するとよい。
前方のカメラおよび後方のカメラの2カメラで他の移動体等を撮影する場合、前方のカメラと後方のカメラとは略同一の画素数とするとよい。また前方のカメラと後方のカメラとは略同一の感度特性を持つカメラとするとよい。望ましくは、両者は同一型番の撮像素子を用いるとよい。危険運転の可能性や衝突の可能性があると判断したことをトリガとして記録した映像を上書き禁止とする機能を備えるとよい。エンジンオフ時には、危険運転の可能性の判定を行わないようにするとよい。エンジンオフ時には、煽り運転か否かの検出・判定処理を行わないようにするとよい。ただし、これは必須ではなく、エンジンオフ時にも、危険運転の可能性の判定を行ってもよく、また、煽り運転か否かの検出および判定処理を行ってもよい。
また、判断機能は、前方のカメラが撮影した画像中にある車両等の移動体とみなせる領域の大きさ(例えば、幅、高さ、および面積の少なくともいずれか)が接近と判断できる大きさとなったときに、危険運転の可能性があると判断するとよい。この場合の危険運転は、前方の移動体に危険運転の可能性がある場合もあるし、自車両に危険運転の可能性がある場合もある。例えば、前方のカメラが撮影した画像中にある車両等の移動体とみなせる領域が拡大する速さ(例えば、所定の大きさから接近と判断できる大きさとなるまでの時間)が、所定の速さよりも早いときは前方の移動体が急ブレーキを掛けたと判断し(前方の車両に危険運転の可能性があると判断し)、所定の速さよりも遅いときは自車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の可能性があると判断するとよい。
「観測手段」としてのカメラは、視野角360度のカメラであるとよく、全天球カメラと半球カメラとのいずれであってもよい。360度カメラであれば、1台のカメラだけで、車両の周囲全方向を撮像できるとともに車内の様子も撮像することができる。
図1(A)は、カメラを備えるシステム(例えばドライブレコーダ)を斜め後方から見た斜視図の一例である。図1(A)に示すように、システム100の筐体の1つの側面に、SDカード挿入口114が設けられている。筐体の背面に、ディスプレイ113、および複数の操作部材(図1(A)に示される例では、複数の操作ボタン112,115)が設けられている。筐体の上面にジョイントレール111が設けられている。図1(A)には現れていないが、筐体の前面に撮像手段であるカメラのレンズが設けられている。図1(A)に現れていない方の側面にDCジャックが設けられており、底面にスピーカおよびHD出力端子が設けられている。
レンズを有するカメラ(撮像手段の一例)は、例えば車両の前方の画像を撮像する。DCジャックは、電源ケーブルを介してDC電源に接続するためのジャックである。SDカード挿入口114はSDカードを挿入するための挿入口である。スピーカは、音声等の音を出力する。HD出力端子は、ケーブルを介して他の情報機器に接続するための端子である。ジョイントレール111は、システム100を車両に搭載するためのジョイント部材を取り付けるためのものである。ディスプレイ113は種々の画像を表示する。操作ボタン112,115は、ユーザが操作することによってシステム100に種々の指令を入力するためのものである。
なお、この明細書において、ユーザとは、例えばシステムが搭載された車両等の運転者でもよいし、運転者とは異なる者、例えば同乗者であってもよい。
図1(B)は、車両の前方をカメラで撮影できるように搭載された状態のシステム100、フロントガラス122、およびダッシュボード126等の一例を示す図である。図1(B)に示される例では、フロントカメラを備えるシステム100は、車両のフロントガラス122の車内側の上部であって左右方向中央付近のルームミラー121に隣接する助手席側の位置に配置されている。システム100は、両面テープ等の取り付け部材によりフロントガラス122に貼りつけて固定されている。なお、フロントカメラの取付位置は、上記の位置が望ましいが、これに限らず、車両の前方を撮影可能な位置であれば、いずれの位置であってもよい。例えば、フロントカメラの取付位置は、天井、ダッシュボード126上またはサンバイザのいずれかの位置であってもよい。例えば、フロントカメラの取付位置は、フロントバンパー上のいずれかの位置であってもよく、前側のナンバープレートの枠部分等であってもよい。フロントカメラは、ユーザによって任意の位置に取り付けられる。
また、システム100のDCジャックが電源ケーブル120を介してシガーソケット123に接続されている。車両等のアクセサリ電源がONにされると、例えばシガーソケット123からシステム100に電力が供給される。したがって、車両等のエンジンが切れているとき、シガーソケット123からはシステム100に電力が供給されない。ただし、これは必須ではなく、種々の仕組みにより、車両等のエンジンが切れているときであっても、システム100に電力が供給されるようにしてもよい。例えば、車両等のエンジンが切れているときであっても、カメラによる撮影が行われるようにしてもよい。
図1(C)は、車両の後方を撮影できるように搭載された状態のリアカメラ241、リアガラス222等の一例を示す図である。図1(C)に示される例では、リアカメラ241は、車両のリアガラス222の室内側の上部であって左右方向中央付近に、取り付け部材によりリアガラス222に貼り付けて固定されている。図1(C)に示されるリアカメラ241はディスプレイ機能も備えているが、これは必須ではなく、リアカメラ241で撮影した画像を前方で見ることができるように、リアカメラ241で撮影した画像を表示するディスプレイをダッシュボード126に設けるようにするとよい。また、リアカメラ241の取付位置は上記の位置が望ましいが、これに限らず、車両の後方を撮影可能な位置であれば、いずれの位置であってもよい。例えば、リアカメラ241の取付位置は、車外の後方側のいずれかの位置(例えば、天井、リアガラス222の車外側の上部や下部、リアバンパー上のいずれかの位置、後ろ側のナンバープレートの枠部分、車両の後ろ側の端部など)であってもよく、車内のいずれかの位置(例えば、ルームミラー付近、フロントガラス122の上部の左右方向中央付近など)であってもよい。リアカメラ241は、ユーザによって任意の位置に取り付けられる。
システム100は、前方のカメラと後方のカメラとを別に備える2カメラで撮影し、各種機能を前方のカメラ側のみに備え、前方のカメラに後方のカメラが接続される構成とするとよい。また、システム100は、各種設定も前方のカメラの側で行う機能を備え、前方のカメラおよび後方のカメラは、前方のカメラの側で行われた設定に従って動作するようにするとよい。ただし、これは必須ではなく、各種機能や各種設定を行うことができるシステムを前方および後方にそれぞれ搭載するようにしてもよい。
なお、図1(A)に示されるように、システム100の一部の部材が、この部材の用途に応じて、フロントガラス122とは異なる位置に設けられていてもよい。例えば、操作部材の一つである操作ボタン124を、図1(B)に示されるようにダッシュボード126に設けるようにしてもよいし、例えばカメラで撮影した画像データを外部に送信し、外部で画像データを記録するようにしてもよい。
図2は、システム100のブロック図の一例である。システム100は、コントローラ130(制御手段の一例である)、フロントカメラ141およびリアカメラ241(撮像装置の一例である)、GPS受信機140、SDカードリーダライタ142(記録手段の一例である)、加速度センサ(図示せず)、スピーカ146、ディスプレイ113、各種設定等を行う操作ボタンとしての機能を有する各種設定操作部112,115,124(図1(B)参照)、通信回路149および他の車両から見えるように文字等を表示する電光掲示板150を備えている。なお、SDカードリーダライタ142は、読み書き機能を備えるものである。
スピーカ146およびディスプレイ113は、ユーザに種々の情報を知らせるための通知手段として機能する。スピーカ146は、コントローラ130の制御に基づいて、警報や種々の情報を音で出力する。ディスプレイ113は、コントローラ130の制御に基づいて、種々の情報を画像表示で出力する。各種設定操作部112,115,124は、ユーザがシステム100(より具体的にはコントローラ130)に対して種々の指令を与える入力手段として機能する。
フロントカメラ141は、自車両の前方の画角内(視野内)の動画および自車両の車内の動画の両方を撮影可能な撮像装置として機能する。フロントカメラ141で撮像された動画は、画像データとしてコントローラ130に取り込まれる。フロントカメラ141は、少なくとも車両前方を撮像できるものである。なお、フロントカメラ141は、例えば前方を撮影するカメラと自車両の車内を撮影するカメラとを別々に設けてそれぞれを撮影するとよく、例えば視野角360度のカメラを採用して前方の撮影と自車両の車内の撮影との両方を撮影できるようにすると尚よい。
リアカメラ241は、自車両の後方、例えば後部座席に着座する搭乗者が後ろを向いたときの後方の画角内(視野内)の動画を撮像可能な撮像装置として機能する。リアカメラ241で撮像された動画は、画像データとしてコントローラ130に取り込まれる。リアカメラ241は、少なくとも車両後方を撮像できるものであるが、後方に加えて側方も撮像できると尚よい。なお、リアカメラ241の数は1台であってもよいし、2台以上であってもよい。
また、システムは、判断機能により他の移動体に危険運転の可能性があると判断されると、警報及び記録(以下「警報・記録」)を行う機能を有するとよい。多くの場合、後方車が、運転が遅い事にイライラしているだけだと思われるので、警報としては、車線を譲るなどの対応ができる報知を行うとよい。警報は、単に「煽り運転の可能性があります」だけでもよい。
前方については前方のカメラで警報・記録を行い、後方については後方のカメラで警報・記録を行うとよい。警報・記録については警報・記録を行うか行わないかを設定する機能を有するとよく、特に警報と記録とを別々に設定する機能を有すると尚よい。さらには、前方のカメラ側のみに記録機能を備え、前方のカメラに後方のカメラが接続される構成とするとよい。この場合、設定は前方のカメラの側で行う機能を備え、前方のカメラおよび後方のカメラは設定に従って動作するようにするとよい。
また、システムは、自車両が停止していることを検知する機能と、他車両が自車両に接近したことを検知する機能とを備え、自車両が停止しているときに他車両が自車両に接近したときに警報する機能を備えるとよく、自車両が停止していないときに接近が検知されたときは警報を抑制する機能(例えば警報しない機能、出力の頻度を低くする構成、および出力の大きさ(例えば警報のレベル)を低くする構成の少なくともいずれか)を備えるとよい。
GPS受信機140は、コントローラ130の指示に基づいて現在時刻における自車の位置情報を検出する。位置情報は、GPS衛星からの信号に基づいて求められた時刻、自車の速度、経度、緯度、高度等を検出する。コントローラ130は、これらの位置情報の履歴を記録する処理を行う。
SDカードリーダライタ142は、SDカードを保持する媒体収容部として機能する。SDカードは、着脱可能な記憶媒体として機能する。ユーザは、SDカード挿入口114(図1(A)参照)を通して、SDカードリーダライタ142にSDカードを装着することができる。SDカードリーダライタ142は、コントローラ130からの制御に基づいて、SDカードリーダライタ142に保持されているSDカードのデータを読み取り、またはSDカードにデータを記憶させる。SDカードリーダライタ142は、フロントカメラ141で撮像したデータを記録する領域と、リアカメラ241で撮像したデータを他方の記録する領域とを別々にするとよく、1枚のSDカードに別々の記録領域を有してもよいが、SDカードを2枚以上装着できるようにし、フロントカメラ141で撮像したデータを第1のSDカードに記録し、リアカメラ241で撮像したデータを第2のSDカードに記録するようにするとよい。
加速度センサ(不図示)は、3軸(x軸、y軸、z軸)のそれぞれの方向の加速度および傾きを検出する3軸タイプのセンサが用いられる。加速度センサによる計測値は、常時、コントローラ130に取り込まれる。コントローラ130は、例えば10ms(ミリ秒)ごとに3軸の加速度情報を取得する。
コントローラ130は、CPU131、ROM132およびRAM133等のメモリ、タイマ134、その他の周辺回路等を有する。コントローラ130のROM132内に各種プログラムが記憶されている。コントローラ130はこれらのプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。各種プログラムには、オペレーティングシステム(OS)、GPS情報処理プログラム、映像処理プログラム(例えば図4〜図6に示されるフローチャート等)、通信処理プログラム等が含まれる。
コントローラ130はGPS情報処理プログラムを実行することにより、GPS受信機140で受信されたGPS情報を、SDカードリーダライタ142に保持されたSDカードに保存することができる。コントローラ130は映像処理プログラムを実行することにより、カメラ141が撮像した映像を時刻と関連付けてSDカードが有する記録領域に記録することができる。コントローラ130は、SDカードリーダライタ142に保持されたSDカードにアクセスする機能を持ち、SDカードリーダライタ142に保持されたSDカードに、カメラ141で撮像された映像を記録する機能を持つ制御手段として機能する。
コントローラ130は、例えば、観測手段により観測された第1の移動体と第2の移動体との位置関係の時間的な変化に基づいて、第1の移動体と第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う処理実行機能を有する。処理実行機能は、例えば、第1の移動体と第2の移動体との位置関係の時間的な変化に基づいて、第2の移動体に危険運転、特に煽り運転の可能性があるか否か等を判断する判断機能などを有する。また、コントローラ130は、スピーカ146やディスプレイ113を制御することによって種々の情報を出力可能な報知機能など、様々な機能を有する。
ディスプレイ113は、コントローラ130がアクセスするSDカードの担う役割をユーザに知らせる通知手段として機能する。また、ディスプレイ113には、フロントカメラ141で撮像された画像(動画または静止画)と、リアカメラ241で撮像された画像(動画または静止画)とを表示することができ、フロントカメラ141で撮像された画像とリアカメラ241で撮像された画像とを切り替えて表示してもよいが、ディスプレイ113の表示領域を2つの領域に分けて、一の領域にはフロントカメラ141で撮像された画像を表示し、リアカメラ241で撮像された画像を他の領域に表示するようにしてもよい。また、ディスプレイ113は上述したとおりダッシュボード126に設けるようにしてもよいし、フロントカメラ141で撮像された画像およびリアカメラ241で撮像された画像のうち、リアカメラ241で撮像された画像だけを表示可能なディスプレイのみをダッシュボード126に設けてもよい。
通信回路149は、外部機器(外部装置とも称される)、例えばサーバ(例えば、警察等の公共機関のサーバ、誰もが閲覧できるインターネット上のサイト運営会社等のサーバ等)、パソコン、スマートフォン、タブレット端末等と無線通信を行うための通信手段として機能する。コントローラ130は、通信処理プログラムを実行することにより、通信回路149を介して、外部機器に映像等の画像データを送信する機能を有する。通信回路149として、例えばWiFi規格、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の規格、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信回路を用いるとよい。近距離無線通信の規格は、例えば構内で稼働する作業車両(例えばフォークリフト等)と外部機器との通信に適用することができる。移動通信システムの規格は、例えば、より広範囲の領域内で移動する車両と外部機器との通信に適用することができる。
コントローラ130は、フロントカメラ141やリアカメラ241から入力された画像データに基づいてSDカードリーダライタ142に保持されたSDカードに画像の記録を行うことにより、上述した映像処理プログラムを実行する。より詳しくは、SDカードは少なくとも2つの記録領域に分けられており、第1の記録領域には、車両等から給電を受けている限り常時記録される画像データ(以下「常時記録画像データ」と称する)が圧縮して記録される。また、第2の記録領域には、車両等から給電を受けているときに特定の条件が成立(例えば、イベントが発生)したことを契機として記録される画像データ(以下「イベント記録画像データ」と称する)が記録される。なお、コントローラ130は、常時記録画像データを記録する常時記録処理と、イベント記録画像データを記録するイベント記録処理とをマルチタスク処理として実行する。
なお、例えば常時記録画像データやイベント記録画像データの画像は、静止画像が連続する画像であってもよいが、動画像とするとよい。静止画像の場合、複数の静止画像を同時に確認することが可能であるため、効率よく確認作業を行うことが可能である。また、動画像は、例えば、一定時間間隔で撮影された一連の画像を、短い間隔で連続表示することによって得られる動きのある映像であってもよいし、完全に連続した映像であってもよい。
また、静止画像および動画像には、車両のデータ(例えば車検証番号、車台番号、所有者の氏名等)を付しておくとよい。また、操作ボタン124は単一のボタンとし、操作ボタン124以外のボタンを設けないようにするとよい。ユーザが操作可能な操作ボタンとして単一の操作ボタン124が設けられることで、交通事故等の緊急時に迷うことなく操作ボタン124を操作することができる。
電光掲示板150は、他の車両に種々の情報を知らせるための警報手段として機能する。電光掲示板150は、コントローラ130の制御に基づいて、警報や種々の情報を映像で出力する。例えば、録画中であることや撮影したこと等のメッセージ表示、電光掲示板150の点滅、電光掲示板150でのRECランプの点滅やLED点滅等とするとよい。
また、他の車両への警報は、電光掲示板150を用いなくとも、例えば、急ブレーキ時にハザードが点滅して後方に知らせるのと同様に、危険運転特に煽り運転の可能性があると判断したら、例えばリアカメラ241自体にLED等の光源を設け、このLED等の光源を点滅させて、後方の車両の運転者に録画中であることを知らせるようにするとよい。
また、例えば後方の車両に危険運転、特に煽り運転の可能性があるときだけでなく、例えば自車両の周囲の所定範囲内(例えば10m以下)に他の車両が存在する時等に、例えばリアカメラ241自体に設けたLED等の光源等を点滅させ、他の車両が所定範囲を超えたらLED等の光源を消すようにするとよい。また、自車両の周囲の所定範囲に、他の車両のみならず、煽り運転等した運転者が運転席側へ近づいてきたことを検出したときに、例えばリアカメラ241自体に設けたLED等の光源等を点滅させるようにするとよい。特に運転者が車内にいることが検出されている状態で煽り運転等した運転者が運転席側へ近づいてきたことを検出したときに、例えばリアカメラ241自体に設けたLED等の光源等を点滅させるようにするとよい。また、隣接車両との距離によりLEDの点滅周期を変えるようにするとよい。例えば、隣接車両との距離が一定程度よりも遠いときは相対的に遅い点滅とし、隣接車両との距離が一定程度よりも近いときは相対的に早い点滅とするとよい。また、煽られている距離感が個人で異なるため、上記の所定範囲を各種設定操作部112,115,124で設定できるようにするとよい。
また、例えばリアカメラ241自体に設けたLED等の光源等を点滅させるとき、赤色だとブレーキランプと間違える可能性があるため、赤色以外の色とするとよい。また、リアカメラ241に設けるLEDはリアカメラ241のレンズ側に設けるとよい。
図3は、リアカメラ241で撮影された画像例であって、後方の車両に煽られている態様を示す図である。このような煽り行為は、重大な事故やトラブルを引き起こす原因となる。
ところで、近年では、フロントカメラとリアカメラとの前後2カメラモデルのドライブレコーダを自車両に取り付けるユーザが多いものの、以前は、主に自責の交通事故の事後対応手段として、フロントカメラのみのドライブレコーダを自車両に取り付けるユーザが多かった。そのため、近年社会問題となっている煽り運転を警戒して、既設のフロントカメラのみのドライブレコーダとは別にリアカメラのみのドライブレコーダを新たに自車両に取り付けるユーザが増加している。
ただし、リアカメラのみのドライブレコーダは、既設のドライブレコーダとは別物であり、連続録画(常時記録ともいう。)しかできずイベント録画できないものもある。
連続録画の場合、録画データの総容量がSDカードの保存可能容量を超える(例えば言い換えれば、満タンになる)と上書き保存となるため、例えば、上書き保存される直前に「煽り運転された」と感じたとしても、その録画データが上書きされて消去されてしまう。この場合、煽り運転の証拠をデータとして残せないおそれがある。
このような事情から、例えばリアカメラのみのドライブレコーダが取り付けられる場合であってもイベント録画(例えば、リアカメライベント録画)できる仕組みが望まれる。
本願では、後述するように、後方車両による煽り運転を自動検出した際にリアカメラのイベント録画を開始させる。なお、その他の手法としては、例えば、リアカメラのイベント録画の開始を指示するためのイベント録画ボタンを備えるリモコン(例えばIRリモコン)等を運転席の近傍に配置しておき、自車両の搭乗者が必要に応じて(例えば、煽り運転されたと感じた際に)イベント録画ボタンを押下してリアカメラのイベント録画を開始させることも考えられる。
次に、システムが備えるコントローラ130の制御処理について説明する。なお、図1および図2に示されるシステムの構成については、第1の実施例、第2の実施例および第3の実施例で共通するため、以下では、コントローラ130により実行される制御処理についてのみ説明する。
なお、第1の実施例は、後方の車両を観測対象とし、後方の車両に危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性があるか否かを判断する場合の例である。第2の実施例は、前方の車両を観測対象とし、前方の車両または自車両に危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性があるか否かを判断する場合の例である。第3の実施例は、他の車両の運転者または自車両の運転者を観測対象とし、これら運転者の身体的変化に基づいて、他の車両または自車両に危険運転の可能性があるか否かを判断する場合の例である。
[第1の実施例]
先ず、図4および図5を参照して、コントローラ130が実行する制御処理の第1の実施例について説明する。第1の実施例は、上述したとおり、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、後方の車両に危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性があるか否かを判断する場合の例である。
図4は、システム100のコントローラ130が実行する制御処理を説明するためのフローチャートであり、第1の実施例のみならず、第2の実施例および第3の実施例等でも行われる処理である。
図4に示すように、コントローラ130は、先ず、システム100の現在のモードが監視モードであるか否かを判断する(ステップS10)。システム100の現在のモードが監視モードであれば(ステップS10におけるYES)、コントローラ130は監視処理(ステップS20)を行う。一方、現在のモードが監視モードでなく例えば設定モードあれば、コントローラ130は設定処理(ステップS30)を行う。なお、設定処理(ステップS30)については後述する。
図5は、システム100のコントローラ130が実行する監視処理を説明するためのフローチャートであり、第1の実施例のみならず、第2の実施例および第3の実施例でも行われる処理である。ここでは、危険運転監視処理について、以下に説明する。
図5に示すように、コントローラ130は、例えば自車両と後方の車両との位置関係の時間的な変化に基づいて、特定条件を満たすか否かを判断する(ステップS201)。特定条件を満たすと、例えば自車両の後方を走行する車両に危険運転、特に煽り運転の危険性があると判断する。
「特定条件」は、様々な例を挙げることができ、例えば運転等の危険運転が発生している状況に関するもの等とするとよく、特に煽り運転等が発生している状況に関するものか否かを判定するとよい。煽り運転等が発生している状況に関するものとしては、例えば、観測手段を取り付けた自車両に対して後方の移動体が異常接近する行為、後方の移動体が急加速したり若しくは急に減速したり、または急加速と急な減速とを繰り返す行為、自車両と後方の移動体との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続する行為、自車両に対して後方の移動体がジグザグ運転する行為、自車両が前方の移動体に対して異常接近する行為、自車両が前方の移動体に対して急加速したり若しくは急に減速したり、または急加速と急な減速とを繰り返す行為、前方の移動体と自車両との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続する行為、前方の移動体に対して自車両がジグザグ運転する行為、自車両の前方に急な割込みを行う行為等とするとよい。
以下では、「煽り運転等が発生している状況に関するもの」として、自車両に対して後方の車両が異常接近したことを例示する。
自車両に対して後方の車両が異常接近したか否かについては、例えば、リアカメラ241で後方の車両を撮影し、後方のリアカメラ241が撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさが異常接近と判断できる大きさになったときに後方の移動体に危険運転の可能性があると判断するとよい。なお、撮影画像中から「車両」とみなせる領域は、例えば、物体認識処理などの画像解析処理によって認識されればよい。
「異常接近と判断できる大きさ」は、後方のリアカメラ241が撮影した画像をディスプレイ113に表示したときに、ディスプレイ113の表示領域のうち、車両とみなせる領域を占める割合が所定の割合を超えたこと等とするとよい。
また、自車両に対して後方の車両が異常接近したか否かを判断する際、リアカメラ241が撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさとして、例えば、幅、高さ、および面積の少なくともいずれかとするとよいが、特に面積にすると精度を高めることができる。
また、例えば、後方の車両が自車両の後方12m以内に近付いたときに異常接近と判断されるように設定したり、後方の車両が自車両の10m以内に近付いたときに異常接近と判断されるように設定したり、その条件を例えばユーザが任意に設定できるようにするとよい。例えば、システム100が、異常接近の判断用の閾値(例えば、「10m」や「12m」)に関する設定操作をユーザから受け付ける操作受付手段を備えるようにするとよく、例えば、各種設定操作部112,115,124が該操作受付手段として機能するようにするとよい。
なお、リアカメラ241が撮影した画像を用いて異常接近を判断する場合、昼は相対的に異常接近を判断しやすく、夜は相対的に異常接近を判断し難い。そこで、危険運転の一例である煽り運転であると判断するための特定条件を、昼用の煽り判定と夜用の煽り判定との2つを設けるようにするとよい。この場合、例えば、照度センサもしくは薄明時刻で昼と夜とを判定させるようにするとよい。例えば、昼であれば後方のリアカメラ241が撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさが段階的に大きくなっていくと近接していると判断し、夜であれば例えばヘッドライトの光をとらえた面積が段階的に大きくなっていくと近接していると判断するとよい。
ここで、夜間の煽り判定(夜間における後方車両の急接近の検知方法の一例)について、以下に詳述する。
夜間の場合、先ず、コントローラ130は、リアカメラ241による撮像画像内の観測対象領域において検知された光(例えば、ヘッドライドから照射された光)に基づいて、後方車両を観測対象として特定する。
そして、コントローラ130は、観測対象領域を区分した複数の区分領域(例えば、観測対象エリアをメッシュ状に切り分けた複数の区分エリア)のうち、検知された光(例えば、輝度)に関する測定値(例えば、YUV値(例えば0〜FFFF))が所定値を超えた区分領域の時間的変化(区分領域の個数の時間的変化)に基づいて、後方車両に危険運転の可能性があるか否かを判断する。光に関する測定値は、ここでは、その値が大きいほど明るいことを示し、その値が小さいほど暗い値を示す。区分領域の時間的変化は、例えば区分領域の個数の時間的な変化とするとよいが、区分領域の集合により形成されるパターンの形状の時間的な変化等でもよい。なお、ここでは、画面全体の画面サイズは320dot×240dotを想定しており、この場合、各区分領域のサイズは、例えば16dot×16dotとするとよい。また、当該所定値としては、例えば、眩しい、不快であると感じる値(例えば、F000h)が用いられるとよく、例えばシステム100の設計段階又は製造段階であらかじめ決められていてもよいし、ユーザにより設定可能な値であってもよい。
このようにすれば、夜間であっても、危険運転、特に煽り運転をより的確に判断することが可能となる。
例えば、或るタイミングでは光に関する測定値が所定値を超えた区分領域が10個であったのに対して、その後(例えば10秒後)該区分領域が50個に増加した(詳細には、急増した、例えば単位時間に所定の個数以上増加した)場合、コントローラ130は、後方車両が異常接近したと判断し、後方車両に危険運転、特に煽り運転の可能性があると判断する。なお、所定値を超えた区分領域が50個以上である状態が所定のフレーム数以上継続した場合に、後方車両に危険運転、特に煽り運転の可能性があると判断されてもよい。所定のフレーム数は、例えば、設定されたフレームレート(例えば30fps)の1/3のフレーム数(例えば10フレーム)とするとよい。
観測対象領域は、リアカメラ241による撮像画像内の全領域であってもよいが、リアカメラ241による撮像画像内の全領域のうち、自車両の走行車線上の領域(例えば、撮像画像中央付近の略三角形状のエリア)とするとよい。このようにすれば、隣接車線を走行する車両のヘッドライトの光や道路脇の街灯などの光を観測対象から除外することができ、後方車両を観測対象としてより確実に特定することが可能となる。
また、ユーザが観測対象領域を任意に設定できるようにするとよい。詳細には、リアカメラ241で撮影した画像を表示するディスプレイ(観測対象領域に関する設定操作をユーザから受け付ける操作受付手段の一例)において、ユーザが自身の手指等で所望の位置をタッチして観測対象領域を指定できるようにするとよい。
このようにすれば、ユーザの視覚的な判断に基づいて観測対象領域が設定されるので、撮像画像内の観測対象領域をより正確に調整することが可能となる。詳細には、リアカメラ241が、例えば、自車両の左右方向中央からズレて取り付けられている場合や、斜めに取り付けられている場合には、デフォルトの観測対象領域も左右方向中央からズレたり斜めに傾いたりしてしまう。このような場合であっても、ユーザ自身の視覚的な判断に基づいて観測対象領域が設定される(キャリブレーションされる、ともいう)ときには、撮像画像内の観測対象領域をより正確に調整することが可能となる。この設定は、例えば車両の走行を行っていないとき、例えば運転の開始前に行われる。
このように、特定条件を満たした場合(ステップS201におけるYES)、コントローラ130は、ステップS202に移る。
ステップS202において、コントローラ130は、イベント記録処理を行う。このイベント記録処理は、例えば、リアカメラ241で撮像したデータを記録する機能を持つ第2のSDカードの第1の記録領域に記録される常時記録画像データを読み出して、自車両に対して後方の車両が異常接近したと判断された時点前後それぞれ所定時間(例えば前後20秒ずつ)の画像データを切り出して、イベント記録画像データとして、当該第2のSDカードの第2の記録領域に記録する処理等である。
コントローラ130は、イベント記録処理(ステップS202)を行った後、危険運転等に関する警報を出力する警報処理(ステップS203)を行う。この警報処理は、自車両の搭乗者、特に運転者に対して後方の車両が異常接近していることを知らせる処理や、後方の車両の搭乗者、特に運転者に対して警告を行う処理等とするとよく、特にこれらの両方の処理を行うと尚よい。
自車両の搭乗者に対して後方の車両が異常接近していることを知らせる処理は、例えば、自車両のスピーカ146から「後方の車両が異常接近しています」や「後方の車両が煽り運転をしている可能性があります」等の音声を出力する処理等とするとよい。
また、後方の車両の搭乗者に対して警告を行う処理は、例えば、電光掲示板150に「録画しました」等の情報を表示したり、電光掲示板150を特定の態様で発光制御したり(例えば点滅させたり、特定の色で発光させたり)等するとよい。
コントローラ130は、警報処理(ステップS203)を行った後、情報送信処理(ステップS204)を行う。この情報送信処理では、イベント記録処理(ステップS202)において記録された画像データや、撮像画像に対する画像解析により取得した後方車両に関する情報(例えば、後方車両の車種、自動車登録番号(所謂、ナンバー))、位置情報等を、通信回路を介して、例えば、警察等の公共機関のサーバや、誰もが閲覧できるインターネット上のサイト運営会社等のサーバ等に送信するとよい。
このようにすれば、危険運転の可能性がある車両に関する情報を幅広く利用することができる。例えば、この情報を警察等が利用して、煽り運転を行った車両の搭乗者を早期に検挙することができる。また、この情報をインターネット上のサイト運営会社等のサーバ等で共有しておき、例えばダイナミックマップ等と連携して、過去に危険運転を行ったことがある車両の接近を閲覧ユーザ等にリアルタイムで通知する仕組み等に利用することなども可能となる。このように、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
ところで、特定条件の例は様々な例を挙げることができることについては上述したとおりである。上記では、自車両に対して後方の車両が異常接近したことを特定条件とする例について説明したが、以下の変形例では、特定条件の他の例について説明する。
(第1の実施例の変形例1)
第1の実施例の変形例1は、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、所定の時間内における後方の車両の速度変化が所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例1の特定条件を満たすと、後方の車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、後方の車両に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることをより的確に判断することができ、自車両の運転者は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
なお、「所定の時間内における後方の車両の速度変化が所定のパターン」は、例えば、単位時間内における後方の車両の速度変化が、急加速や急減速と判断できるパターン、または急加速と急減速との繰り返し等と判断できるパターン等とするとよい。また、「後方の車両の速度変化が所定のパターン」として、例えば単位時間内における後方の車両の急加速と急減速との繰り返し数が例えば3回を超えたとき等に、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転を行っている可能性があると判断するとよい。
また、後方のリアカメラ241が撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさが、例えば、所定の大きさから異常接近と判断できる大きさに至るまでに要した時間が所定の時間よりも短いときに、後方の車両が急加速したと判断するとよく、異常接近と判断できる大きさから所定の大きさに至るまでに要した時間が所定の時間よりも短いときに、後方の車両が急に減速したと判断するとよい。
「所定の大きさ」は、自車両と後方車両との車間距離が異常接近と判断されない大きさ(例えば適切な車間距離が保たれていると判断される大きさ)とするとよく、「異常接近と判断できる大きさ」は、自車両と後方車両との車間距離が異常接近と判断できる大きさ(例えば適切な車間距離が保たれていないと判断される大きさ)とするとよい。
なお、「適切な車間距離」は、例えば時速30km/h〜60km/hの場合は「走行速度−15」m(メートル)とするとよく、例えば60km/hを超える場合は走行速度と同じ値の距離(m)とするとよい。例えば、時速50km/hで走行している場合は35mを適切な車間距離とするとよく、時速100km/hで走行している場合は100mを適切な車間距離とするとよい。
また、後方のリアカメラ241が撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさが、例えば、異常接近と判断できる大きさと異常接近と判断できない大きさとを単位時間において所定回数以上(例えば1分間に3回以上等)繰り返されたときに、後方の車両が急加速と急な減速とを繰り返していると判断するとよい。
また、例えば、後方の車両の異常接近が一度検出されてから3分以内に再度異常接近が検出され、更にその後3分以内に再度異常接近が検出されると、後方の車両が急加速と急減速とを繰り返していると判断するとよい。このように、異常接近が検出されてから所定の時間内に再度異常接近が検出される動作が複数回検出されると、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転を行っている可能性があると判断するとよい。なお、この場合、例えば異常接近が検出されてから3分以内に再度の異常接近が検出されなかったときには、異常接近のカウント値がリセットされるとよい。なお、ここでは3分としたが、3分以外の時間とすることも可能である。
(第1の実施例の変形例2)
第1の実施例の変形例2は、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、自車両と後方の車両との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上(例えば1分以上)継続したことを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例2の特定条件を満たすと、後方の車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両に追従してくる後方の移動体があるときに、このような後方の車両からの危険を未然に防止することが可能となる。特に、自車両が概ね定速走行している状況から加速した際に、その加速に追従する形で(例えば時間的にほぼ遅れなく)加速してくる後方車両があり、かつ、自車両とその後方車両との距離が所定値以下(例えば適切な車間距離以下)を保つ場合に、煽り運転の可能性があると判定するとよい。ただし、自車両が停車状態から加速した場合にその加速に追従する形で(例えば時間的にほぼ遅れなく)加速してくる後方車両があっても煽り運転と判定しないようにすると尚よい。
自車両と後方の車両との距離は、リアカメラ241で撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさがディスプレイ113の表示領域を占める割合に基づいて判定したり、赤外線レーザー等を後方の車両に向けて照射し、照射された赤外線レーザー等が後方の車両(例えば、後方車両のリフレクタ等)からの反射により戻ってきて受光部に入射するまでの時間に基づいて判定するとよい。
自車両と後方の車両との距離を、リアカメラ241で撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさがディスプレイ113の表示領域を占める割合に基づいて判定する場合、ディスプレイ113の表示領域のうちリアカメラ241で撮影した後方の車両と判断される領域が一定割合以上であると、後方の車両が自車両に接近しているとして、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
なお、一定領域のうちリアカメラ241で撮影した後方の車両と判断される領域が一定以上であるとの判定は、ディスプレイの表示領域等一定面積のうち後方の車両のボディ全体が占める領域面積が一定以上、ディスプレイの表示領域の高さのうち後方の車両が占める高さが一定以上、ディスプレイの表示領域の幅のうち後方の車両が占める幅が一定以上、および、ディスプレイの表示領域の幅のうち後方の車両のヘッドライト間距離が占める幅が一定以上など、複数の判定基準のうち一つまたは複数以上を採用して判定するとよい。
また、自車両と後方の車両との距離を、赤外線レーザー等を後方の車両に向けて照射し、後方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に基づいて判定する場合、例えば、赤外線レーザー等を後方の車両に向けて照射し、後方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間が所定時間以内であると、後方の車両が自車両に接近しているとして、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
また、自車両が例えば駐車等により停止していると判断されるときは、他の移動体に危険運転の可能性があると判断しないようにするとよく、特に煽り運転の危険性があると判断しないようにするとよい。例えば自車両の移動速度を確認して停止しているか否かを判定するようにしてもよい。また、駐車中の接近は除外するように判定してもよい。例えば現在位置が予め記憶された駐車場の位置に該当する場合には除外するようにしてもよい。
なお、コントローラ130は、自車両の速度を検知する機能を備えるとよい。この場合、自車両と後方の車両との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したことに加えて、自車両がさらに所定速度以上であるときに、後方の車両に危険運転の可能性があると判断する機能を有するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
例えば、自車両および後方の車両の両方とも停止している場合や、自車両および後方の車両とも流れに沿って円滑に移動している場合等には、後方の車両に危険運転の可能性があると判断しないようにするとよく、特に煽り運転の危険性があると判断しないようにするとよい。このようにすれば、後方の車両に危険運転の可能性があるか否か、特に煽り運転の危険性があるか否かをより高い精度で客観的に判断することが可能となる。
また、上記の「一定範囲内」は、自車両の速度に応じて異ならせるようにするとよい。例えば、自車両の速度が40km/hの場合は、自車両の後方または側方の例えば22mの範囲内に10秒以上にわたって他の車両(後方の車両や側方の車両)が存在するとき、自車両の速度が100km/hの場合は後方または側方の例えば55mの範囲内に10秒以上にわたって他の車両が存在するとき等に、自車両に対して、他の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。また、特に自車両の速度が遅くなるほど範囲を狭くするとよい。
このように、自車両の速度によって煽り運転とみなす車間距離を調整する処理を行うとよい。例えば、40km/hの場合は22m以下、100km/hの場合は55m以下の車間に10秒間、保持し続けたら煽り運転とみなすとすれば誤検知も減る。
(第1の実施例の変形例3)
第1の実施例の変形例3は、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、所定時間にわたって観測された後方の車両にかかわるデータの時間の経過に応じた変化が所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例3の特定条件を満たすと、後方の車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、後方の車両に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることをより精度よく客観的に判断することができ、自車両の運転者は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
「後方の車両にかかわるデータ」は、例えば、後方の車両のボディサイズ(例えば幅や高さ等)、後方の車両に備えられた複数の光源(例えばヘッドライト等)間の距離、後方の車両に備えられた光源(例えばヘッドライト等)の光量、後方の車両の速度、自車両と後方の車両との距離、等とするとよい。
「後方の車両にかかわるデータの時間の経過に応じた変化」は、例えば、時間の経過に応じた後方の車両のボディサイズ(例えば幅や高さ)の変化、時間の経過に応じた後方の車両のヘッドライト間距離の変化、時間の経過に応じた後方の車両のヘッドライトの光量等の変化、時間の経過に応じた後方の車両の速度変化、時間の経過に応じた自車両と後方の車両との距離の変化、等とするとよい。これらの変化が所定のパターンであるときに、コントローラ130の判断機能は、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
また、「後方の車両にかかわるデータの時間の経過に応じた変化が所定のパターン」は、例えば、時間の経過に応じて一定以上変化があった後方の車両にかかわるデータの組合せが所定のパターンであったり、時間の経過に応じて一定以上変化があった特定のデータが所定のパターンであったとき等に、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
「時間の経過に応じて一定以上変化があった後方の車両にかかわるデータの組合せが所定のパターン」は、例えば、ボディサイズおよびヘッドライト間距離といった少なくとも二つ以上のデータについて一定以上変化があったとき等の所定のパターンとするとよい。
「時間の経過に応じて一定以上変化があった特定のデータが所定のパターン」は、例えば、ボディサイズの変化、ヘッドライト間距離の変化または光量の変化が一定以上である等の所定のパターンとするとよい。ボディサイズやヘッドライト間距離の変化が一定以上である等の所定のパターンであるときは後方の車両が自車両に急接近していると判断でき、一定以上の光量の変化が一定回数以上である等の所定のパターンであるときは後方の車両が自車両に対してパッシングや右ウィンカーの点滅を行っていると判断できる。例えば、リアカメラ241の撮影画像を利用して後続車が発する光量の点滅変化を読み取り、パッシングを検知することができる。また、リアカメラ241の撮影画像を利用して後続車の右ウィンカー連続点灯(点滅)を検知することができる。なお、右ウィンカー検知からトリガ判定までに待ち時間を設けることにより車線変更時の過剰検知を避けることができ、道路情報を併用することにより右折車線が無いのに後方の車両から右ウィンカーを出されているときに煽られていると判断することができる。
コントローラ130の判断機能は、特に、光量の変化が一定以上である場合、例えば、トンネル進入時等や夜間になってヘッドライトを点灯した場合等には危険運転であると判断しないように、単なる点灯や消灯は検知せず、単位時間内における光量変化の回数が所定回数(閾値)を超えると危険運転であると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。「光量変化」は、例えば点灯から消灯への変化または消灯から点灯への変化等とするとよい。また、光量変化の回数が例えば1回であるときは危険運転であると判断せず(例えば、点滅検知に限定することによりトンネル等の暗渠進入時には検知せず)、光量変化の回数が例えば複数回であるときは危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
自車両と後方の車両との距離は、第1の実施例の変形例2と同様に、リアカメラ241で撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさがディスプレイ113の表示領域を占める割合に基づいて判定したり、赤外線レーザー等を後方の車両に向けて照射し、後方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に基づいて判定するとよい。
(第1の実施例の変形例4)
第1の実施例の変形例4は、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、自車両に対する後方の車両の移動パターンが所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例4の特定条件を満たすと、後方の車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両に対する後方の車両の移動パターンを客観的に判断することができるとともに、後方車両による危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性をより正確に判断することができる。その結果、自車両の運転者は、事故やトラブルの回避に、より努めるようになり、事故やトラブルの防止を図ることができる。
「自車両に対する後方の車両の移動パターンが所定のパターン」は、例えば、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する左右への移動回数(所謂ジグザグ運転の繰り返し回数)、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する左右への移動量、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する前後への移動回数、および、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する前後への移動量等のうち、一つまたは二つ以上が所定のパターン等とするとよい。「所定のパターン」は、例えば、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する左右への移動回数が所定回数以上であること、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する左右への移動量が所定範囲以上であること、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する前後への移動回数が所定回数以上であること、および、後方の車両の単位時間あたりの自車両に対する前後への移動量が所定範囲以上であること等のうち、一つまたは二つ以上の組合せとするとよい。特に、「自車両に対する後方の車両の移動パターンが所定のパターン」として、例えば、急に接近してくる走行パターンと、接近後に左右に振ってくる走行パターンとを認識できた場合に、煽り運転等の危険運転であると判断するとよい。そして、煽り運転等の危険運転であると判断すると、ディスプレイ113に映像出力させたり、告知、警報や記録を開始したりするとよい。
以下では、「所定のパターン」が、自車両と後方車両との距離が一定範囲内である場合において、後方車両が自車両の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動する走行パターンである場合について、詳述する。
このような走行パターンの検出については、例えば、リアカメラ241で後方車両を撮影し、後方車両が自車両の走行車線と隣接車線との間の車線境界線から一定程度(例えば、後方車両の幅の3分の1程度)以上離脱したか否かに基づいて判断するとよい。あるいは、リアカメラ241の撮影画像内において後方車両とみなされる領域の移動量に基づいて上記の走行パターンの検出が行われてもよい。また、「観測手段」として視野角360度カメラが用いられる場合は、視野角360度カメラによる撮影画像(全天球画像などとも称される)をそのまま利用して、該撮影画像内において後方車両とみなされる領域の幅の変化量に基づいて、後方車両による左右方向への移動が検出されるようにするとよい。
そして、このような走行パターンの検出の有無等の、リアカメラ241により観測された自車両と後方車両との位置関係の時間的な変化に基づいて、後方車両に危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性があるか否かが判断される。
また、自車両と後方の車両との距離は、第1の実施例の変形例2と同様に、リアカメラ241で撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさがディスプレイ113の表示領域を占める割合に基づいて判定したり、赤外線レーザー等を後方の車両に向けて照射し、後方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に基づいて判定するとよい。
また、自車両と後方車両との距離が一定範囲内である場合において、上記の走行パターンが1回でも検出されると、後方車両に危険運転の可能性があると判断されるとよい。例えば、後方車両が自車両から一定範囲内にまで急接近してきた場合は、後方車両による左右方向への移動が1回でも検出されると、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
また、自車両と後方車両との距離が一定範囲内である場合において、後方車両が、自車両の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動し、その後、自車両の走行車線に再び戻ってきたことが検出されると(例えば、自車両の真後ろ近くに後方車両があることを検知した後、後方車両が車線変更したことを検知し、更にその後に再度真後ろ近くに後方車両が検知されると)、後方車両に危険運転の可能性があると判断されるようにするとよい。以上より自車両と後方車両との距離が一定範囲内である場合において、後方車両が、自車両の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に往復移動したことが検出されると、後方の車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。逆に、自車両と後方車両との距離が一定範囲内である場合であっても、後方車両が、自車両の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動しただけであるときには、後方車両は単に自車両を追い越そうとしていると判断するとよい。
このようにすれば、後方車両による危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性を更に正確に判断することができ、事故やトラブルの防止を図ることができる。
また、自車両と後方車両との相対速度の変化や相対加速度の変化をも加味して、後方車両に危険運転の可能性があるか否かを判断するとよい。
ここで、上記では、自車両から一定範囲内の後方車両による左右方向への移動が1回でも検出されると、後方車両に危険運転の可能性があると判断されている。
ただし、後方車両が煽り運転を意図せず偶発的に(例えば、ハンドル操作を誤ったり、道路の異状や道路上の落下物等を避けようとして)左右方向への移動を1回行った可能性もある。このような場合に、後方車両に危険運転の可能性があると判断されると、謂わば、危険運転であるとの判断が過剰になされると、その都度上記の警報処理(ステップS203)が行われることとなり、自車両の搭乗者がストレスを感じてしまうおそれがある。
このようなストレスを軽減するために、例えば、自車両と後方車両との距離が一定範囲内である場合において、後方車両が自車両の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが複数回(例えば3回)検出されると、後方車両に危険運転の可能性があると判断されるようにするとよい。
このようにすれば、後方車両による危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性を更に正確に判断することができ、危険運転であるとの判断が過剰になされてしまうことに起因する自車両の搭乗者のストレスを軽減することが可能となる。
特に、後方車両による左右方向への移動が所定時間(例えば3分)以内に複数回検出されると、後方車両に危険運転の可能性があると判断されるようにするとよい。
また、後方車両に煽り運転の可能性があると判定された回数が少ない場合、後方車両の挙動が、後方からの追い上げ、蛇行運転、幅寄せ、急な割り込みなどのいずれであるかを正確に判断することは難しい。一方で、後方車両に煽り運転の可能性があると判定された回数が多い程、実際に後方車両が煽り運転を行っている可能性が高いと考えられる。
この点を考慮して、後方車両に煽り運転の可能性があるとの判定結果が得られた回数(煽り検知回数とも称される)に応じた処理が実行されるとよい。例えば、煽り検知回数が所定回数(例えば、5回)よりも少ない場合は、後方車両に煽り運転の可能性があることを知らせる報知処理(例えば、「他車両の挙動に注意してください」など、多少の警戒を運転者に促すメッセージの報知処理)が実行され、煽り検知回数が所定回数を上回ると、煽り運転の可能性が高いことを示すメッセージ等の報知処理が実行されたり、イベント録画が行われたりするとよい。
煽り検知回数と比較される上記所定回数は調整できるようにするとよい。ここで所定値Nとした場合、10回、9回、・・・、2回、1回のいずれかをユーザが選択可能とする。この所定値Nに基づいて、煽り運転を検知する場合に、Nが大きいほど鈍感、少ないほど敏感となる。このように調整可能にするメリットとして、通常走行との誤認判定を少なくすることができること(例えば、渋滞や低速走行など)煽られていると感じる度合いは人さまざまであるが、煽り運転の検知結果とユーザの感覚とを整合させやすくなる。
また、例えば、自車両の前方の一定範囲内に別の車両が存在するとき、自車両の速度が所定速度よりも遅いとき、あるいは、後方車両が方向指示器を点滅させて往復移動したとき等は、上記のような後方車両による左右方向への移動は偶発的なものであり、後方車両に危険運転、特に煽り運転の意思はないとも考えられる。このような場合に後方車両に危険運転の可能性があると判断されて警報処理(ステップS203)が行われると、自車両の搭乗者がストレスを感じてしまうおそれがある。
そこで、自車両から一定範囲内の後方車両による左右方向への移動が検出されたとしても、自車両の前方の一定範囲内に別の車両が存在するときには、後方車両に危険運転の可能性があると判断されず、自車両の前方の一定範囲内に別の車両が存在しないときに、後方車両に危険運転の可能性があると判断されるようにするとよい。
また、自車両から一定範囲内の後方車両による左右方向への移動が検出されたとしても、例えば渋滞などに起因して自車両の速度が所定速度(例えば、30km/h)よりも遅いときには、後方車両に危険運転の可能性があると判断されず、自車両の速度が所定速度よりも速いときに、後方車両に危険運転の可能性があると判断されるようにするとよい。
また、自車両から一定範囲内の後方車両による左右方向への移動が検出されたとしても、後方車両が方向指示器を点滅させて左右方向に移動したときには、後方車両に危険運転の可能性があると判断されず、後方車両が方向指示器を点滅させずに左右方向に移動したときに、後方車両に危険運転の可能性があると判断されるようにするとよい。
これらのようにすれば、後方車両による危険運転の可能性を更に正確に判断することができ、危険運転であるとの判断が過剰になされてしまうことに起因する自車両の搭乗者のストレスを軽減することが可能となる。
なお、リアカメラ241が撮影した画像を用いて後方の車両の移動パターンを判断する場合、昼は相対的に異常接近を判断しやすく、夜は相対的に異常接近を判断し難い。そこで、危険運転例えば煽り運転であるとするための特定条件を、昼用の煽り判定と夜用の煽り判定との2つを設けるようにするとよい。この場合、照度センサもしくは薄明時刻で昼と夜とを判定させるようにするとよい。例えば、昼であれば、特定された画像範囲内から画像の変化を読み取り(YUVのY値の変化、マイコンの機能の一部のMotionDetect使用するなど)、夜であれば、特定した範囲内から画像の変化(ヘッドライトのY値の変化)を読み取るようにするとよい。
(第1の実施例の変形例5)
第1の実施例の変形例5は、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、道路状況により自車両を追い越すことができず、自車両と後方の車両との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したことを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例5の特定条件を満たすと、後方の車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両を追い越すことができないにもかかわらず自車両を追従する後方の車両があるとき、自車両の運転者は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
さらにこの場合、コントローラ130は、自車両と後方の車両との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したとしても、自車両が停止状態から加速して所定速度以上となった場合には後方の車両に危険運転の可能性があると判断せず、自車両が所定速度以上で一定時間以上走行している場合に、後方の車両に危険運転の可能性があると判断する機能を有すると尚よい。
このようにすれば、自車両を追従する後方の車両があるとき、後方の車両の危険運転の可能性の有無、特に煽り運転の危険性の有無を、より精度高く判断することが可能となる。例えば、渋滞のときなどで追い越し車線のない状況で追従する後方の車両が危険運転の可能性があると誤判断する頻度を抑制できる。
煽り運転であるかの判定処理では、さらに追加の補助的処理を行うとよい。例えば、煽り運転は、追い越しができない状況であって、自車両の前に車両がおらず、または自車両の前の車両との車間距離が広く空いている状況で、自車両に後続する車がある場合に発生している状況である可能性が高いものと判定するよう制御するとよい。逆に自車両の前に車がある場合には、後続車両が自車両を追い越せない状況であったとしても、後続車が煽り運転であると判定しないように制御するとよい。
なお、自車両と後方の車両との距離は、第1の実施例の変形例2と同様に、リアカメラ241で撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさがディスプレイ113の表示領域を占める割合に基づいて判定したり、赤外線レーザー等を後方の車両に向けて照射し、後方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に基づいて判定するとよい。
(第1の実施例の変形例6)
第1の実施例の変形例6は、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、後方車両の前側部分、例えばフロントバンパー部分が沈み込む姿勢が複数回検出されたことを特定条件とするものである。この変形例6は、例えば後方車両が急ブレーキを掛けたことによって発生するノーズダイブが複数回検出されたことを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例6の特定条件を満たすと、後方の車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、後方車両による危険運転をより的確に判断することができ、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
後方車両の前側部分が沈み込む姿勢は、例えば、リアカメラ241で撮影した画像中にある車両とみなせる領域の上下方向への移動に基づいて判定されるとよい。
以上、危険運転の判断に関する特定条件として様々な例が挙げられたが、これらの特定条件等のいずれを採用するかをユーザが設定できるようにするとよい。
[第2の実施例]
第2の実施例は、上述したように、前方の車両を観測対象としてフロントカメラ141による撮像の対象とし、自車両に危険運転の可能性、特に煽り運転の可能性があるか否かを判断する場合の例である。この第2の実施例、前方の車両を基準として、自車両が煽り運転を行っているか否かを判断するようにしたものである。この第2の実施例は、第1の実施例と同様に、図4のステップS10の監視処理(詳細には、危険運転監視処理)における例である。この第2の実施例の危険運転監視処理では、第1の実施例と同様に、図5のステップS201〜ステップS204の処理を行う。ただし、この第2の実施例は、観測対象およびステップS201の特定条件が第1の実施例と異なる。以下に第2の実施例の観測対象および特定条件について説明する。
この第2の実施例は、自車両と前方の車両との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したことを特定条件とするものである。コントローラ130は、この特定条件を満たすと、自車両に危険運転の可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
イベント記録処理(ステップS202)は、例えば、フロントカメラ141で撮像したデータを記録する機能を持つ第1のSDカードの第1の記録領域に記録される常時記録画像データを読み出して、前方の車両に対して自車両が異常接近したと判断された時点前後それぞれ所定時間(例えば前後20秒ずつ)の画像データを切り出して、イベント記録画像データとして、第1のSDカードの第2の記録領域に記録する処理等である。
警報処理は、自車両が煽り運転に相当する挙動をしていることをお知らせする処理等とするとよい。例えば、単に「煽り運転の可能性があります」と報知するようにしてもよい。
あるいは、自車両に煽り運転の可能性がある場合、(イ)主観的にあおる意志がある場合と、(ロ)主観的にあおる意志がない場合とがあると考えられる。また、あおる意志がない場合であっても、(ロ−1)過失があり客観的外形的にはあおっている状態と、(ロ−2)あおる意志も過失もないが客観的外形的にはあおっている状態である場合、とがあると考えられる。そこで、(ロ−2)の場合とそれ以外((イ)、(ロ−1))の場合とを、運転操作の検出または感情認識等の少なくともいずれかにより判断して、異なる警報をするとよい。(イ)のケースでは、例えば「煽り運転をしたら人生終わりですよ」のような犯罪であることの警告を行うとよく、(ロ−1)のケースでは、例えば「煽り運転をしています。車間距離をとってください」と煽り運転を注意する警報とするとよく、(ロ−2)のケースでは、例えば「煽り運転ととられかねない状態です。車間距離をとってください」と煽り運転の可能性があることを示す注意喚起の警報とするとよい。
自車両と前方の車両との距離は、例えば、赤外線レーザー等を前方の車両に向けて照射し、前方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に応じて判定したり、フロントカメラ141で前方の車両を撮影し、ディスプレイ113の表示領域を前方の車両が占める割合に応じて判定するとよい。
自車両と前方の車両との距離を、赤外線レーザー等を前方の車両に向けて照射し、前方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に応じて判定する場合、赤外線レーザー等を照射してから反射で戻ってくるまでの時間が所定時間以下であると、前方の車両に対して自車両が接近しているとして、自車両に危険運転の可能性があると判定するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
フロントカメラ141で前方の車両を撮影し、自車両と前方の車両との距離を、ディスプレイ113の表示領域を前方の車両が占める割合に応じて判定する場合、ディスプレイ113の表示領域のうちフロントカメラ141で撮影した前方の車両と判断される領域が一定割合以上であると、前方の車両に対して自車両が接近しているとして、自車両に危険運転の可能性があると判定するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。なお、ディスプレイ113の表示領域のうちフロントカメラ141で撮影した前方の車両と判断される領域が一定以上であるとの判定は、表示領域(撮像領域)の面積のうち前方の車両のボディ全体が占める領域面積が一定以上、表示領域の高さのうち前方の車両が占める高さが一定以上、表示領域の幅のうち前方の車両が占める幅が一定以上、および、表示領域の幅のうち前方の車両のブレーキランプ間距離が占める幅が一定以上など、複数の判定基準のうち一つまたは複数以上を採用して判定するとよい。
なお、コントローラ130の判断機能は、自車両と前方の車両との距離が一定範囲内である状態が所定時間以上継続したことに加えて、自車両がさらに所定速度以上であるときに、自車両に危険運転の可能性があると判断する機能を有するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断する機能を有すると尚よい。例えば、自車両および前方の車両の両方とも停止している場合や、自車両および前方の車両とも流れに沿って円滑に移動している場合等には、コントローラ130が自車両に危険運転の可能性があると判断しない機能を備えるとよい。そのため、自車両に危険運転の可能性があるか否か、特に煽り運転の危険性があるか否かをより高い精度で客観的に判断することが可能となる。
また、「一定範囲内」は、自車両の速度に応じて異ならせるようにするとよい。例えば、自車両の速度が40km/hの場合は前方例えば22mの範囲内に10秒以上にわたって前方の車両が存在するとき、自車両の速度が100km/hの場合は前方例えば55mの範囲内に10秒以上にわたって前方の移動体が存在するとき等に、前方の車両体に対して自車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
(第2の実施例の変形例1)
第2の実施例の変形例1は、前方の車両を観測対象とし、所定時間にわたって観測された前方の車両にかかわるデータの時間の経過に応じた変化が所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例1の特定条件を満たすと、前方の車両に対して自車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることをより精度よく客観的に判断することができ、自車両の運転者は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
「前方の車両にかかわるデータ」は、例えば、前方の車両のボディサイズ(例えば幅や高さ等)、前方の車両に備えられた複数の光源(例えばブレーキランプ等)間の距離、自車両と前方の車両との距離、等とするとよい。
「前方の車両にかかわるデータの時間の経過に応じた変化」は、例えば、時間の経過に応じた前方の車両のボディサイズ(例えば幅や高さ)の変化、時間の経過に応じた前方の車両のブレーキランプ間距離の変化、時間の経過に応じた当該車両と前方の車両との距離の変化、等とするとよい。これらの変化が所定のパターンであるときに、コントローラ130の判断機能は、前方の車両に対して自車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転の危険性があると判断するとよい。
また、コントローラ130の判断機能は、「前方の車両にかかわるデータの時間の経過に応じた変化が所定のパターン」として、例えば、時間の経過に応じて一定以上変化があった前方の車両にかかわるデータの組合せが所定のパターンであったり、時間の経過の応じて一定以上変化があった特定のデータが所定のパターンであったとき等に、前方の車両に対して自車両に危険運転の可能性があると判断するとよく、特に煽り運転を行っている危険性があると判断するとよい。
「時間の経過に応じて一定以上変化があった前方の車両にかかわるデータの組合せが所定のパターン」は、例えば、ボディサイズおよびブレーキランプ間距離といった少なくとも二つ以上のデータについて一定以上変化があったとき等の所定のパターンとするとよい。
「時間の経過に応じて一定以上変化があった特定のデータが所定のパターン」は、例えば、ボディサイズの変化やブレーキランプ間距離の変化が一定以上である等の所定のパターンとするとよい。ボディサイズやブレーキランプ間距離の変化が一定以上である等の所定のパターンであるときは自車両が前方の移動体に急接近していると判断できる。
なお、自車両と前方の車両との距離は、上記の第2実施例と同様に、例えば、赤外線レーザー等を前方の車両に向けて照射し、前方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に応じて判定したり、フロントカメラ141で前方の車両を撮影し、ディスプレイ113の表示領域を前方の車両が占める割合に応じて判定するとよい。
(第2の実施例の変形例2)
第2の実施例の変形例2は、前方の車両を観測対象とし、自車両と前方の車両との距離の変化が所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例2の特定条件を満たすと、前方の車両に対して自車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、前方の車両との相対的な距離変化から自車両に危険運転の可能性があると判断すること、特に煽り運転の危険性があると判断することができ、事故やトラブルの未然防止を図ることが可能となる。その結果、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
なお、自車両と前方の車両との距離は、上記の第2実施例と同様に、例えば、赤外線レーザー等を前方の車両に向けて照射し、前方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に応じて判定したり、フロントカメラ141で前方の車両を撮影し、ディスプレイ113の表示領域を前方の車両が占める割合に応じて判定するとよい。
(第2の実施例の変形例3)
第2の実施例の変形例3は、前方の車両を観測対象とし、自車両に対する前方の車両の走行パターンが所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例3の特定条件を満たすと、前方の車両に対して自車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両に対する前方の車両の走行パターンを通じて前方の車両に対する自車両の走行パターンを判断することができ、自車両の運転者は、事故やトラブルの回避に、より努めることが可能となる。
「前方の車両に対する自車両の走行パターンが所定のパターン」としては、例えば、自車両の単位時間あたりの前方の車両に対する左右への移動回数、自車両の単位時間あたりの前方の車両に対する左右への移動量、自車両の単位時間あたりの前方の車両に対する前後への移動回数、および、自車両の単位時間あたりの前方の車両に対する前後への移動量のうち、一つまたは二つ以上が所定のパターン等とするとよい。「所定のパターン」は、例えば、自車両の単位時間あたりの前方の車両に対する左右への移動回数が所定回数以上であること、自車両の単位時間あたりの前方の移動体に対する左右への移動量が所定範囲以上であること、自車両の単位時間あたりの前方の車両に対する前後への移動回数が所定回数以上であること、および、自車両の単位時間あたりの前方の車両に対する前後への移動量が所定範囲以上であることのうち、一つまたは二つ以上の組合せとするとよい。
(第2の実施例の変形例4)
第2の実施例の変形例4は、前方の車両を観測対象とし、システム100が自車両の運転履歴を記録する履歴記録機能をさらに備えるようにし、コントローラ130の判断機能は、履歴記録機能に記録された運転履歴を参照し、前方の車両と自車両との関係が所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例4の特定条件を満たすと、前方の車両に対して自車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両の過去の運転履歴から判断される自車両の運転者の運転特性に応じて、自車両の現在の運転状況に危険運転の可能性があるか否かを行うこと、特に煽り運転の危険性があると判断することができ、事故やトラブルの未然防止を図ることが可能となる。その結果、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することが可能となる。
「自車両の運転履歴」は、例えば、前方の車両と自車両との平均車間距離等とするとよい。このような過去の運転履歴を参照し、前方の車両と自車両との車間距離等が所定のパターンであるとき、自車両に危険運転の可能性があると判断することができ、特に煽り運転の危険性があると判断することができる。「所定のパターンであるとき」は、例えば、前方の車両と自車両との車間距離が、過去の履歴の平均車間距離と比較して一定以上にかけ離れている場合等とするとよい。
(第2の実施例の変形例5)
第2の実施例の変形例5は、自車両が走行する道路の道路状況を観測対象とし、自車両に対する前方の車両の走行パターンが所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例5の特定条件を満たすと、前方の車両に対して自車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両が走行する道路の道路状況に対する自車両の挙動の変化(例えば、対向車線へのオーバー距離、左右の振れ等)が所定のパターンであるときに、自車両に危険運転の可能性があると判断することができ、特に煽り運転の危険性があると判断することができる。
「道路状況」は、自車両が走行したとしても道路上に続いて存在するもの等とするとよく、例えば道路上の所定の指標とするとよい。「道路上の所定の指標」は、例えば白線等の道路上の区画線等のように、動くものではなく静的なものであって、車両が移動したとしても道路上に続いて存在するもの等とするとよい。
[第3の実施例]
第3の実施例は、上述したように、後方または側方の他の車両とこの他の車両の運転者とを観測対象として例えばリアカメラ241による撮像の対象とし、他の車両の挙動の変化および他の車両の運転者の観測結果(例えば外観)に基づいて、他の車両に危険運転の可能性があるか否かを判断する場合の例である。この第3の実施例、他の車両の挙動のみならず、この他の車両の運転者の撮影画像に感情分析を適用して、運転者の緊張・怒り・恐れ・焦りを読み取った情報を特定条件に加味したものである。感情分析は、運転者の緊張・怒り・恐れ・焦りの少なくともいずれか一つを読み取る構成とするとよい。この第3の実施例は、第1の実施例および第2の実施例と同様に、図4のステップS10の危険運転監視処理における例である。この第3の実施例の危険運転監視処理では、第1の実施例および第2の実施例と同様に、図5のステップS201〜ステップS204の処理を行う。ただし、この第3の実施例は、観測対象およびステップS201の特定条件が第1の実施例および第2の実施例と異なる。以下に第3の実施例の観測対象および特定条件について説明する。
このようにすれば、他の車両のみならず、他の車両の運転者の外観を観測対象として加味することにより、より厳密に危険運転状況を把握でき安全運転の遂行を実現することができる。
この場合、他の車両の観測と他の車両の運転者との両方を共通のリアカメラ241で観測してもよいし、例えば2つ以上のリアカメラ241を用意し、一のリアカメラで他の車両を観測し、他のリアカメラで他の車両の運転者を観測してもよい。
他の車両の観測と他の車両の運転者とを別々に観測する場合、必ずしも、2つ以上のリアカメラを用意することは必須ではなく、例えば、他の車両の観測を赤外線レーザー等を用いて行い、他の車両の運転者の観測を例えばカメラ等を用いて行うとよい。
「他の車両」は、自車両の後方を走行する車両とするとよく、自車両の側方を走行する車両としてもよい。他の車両が自車両の側方を走行する車両である場合、後方を撮影できるリアカメラに代えて、例えば270度以上を撮影できるカメラとするとよく、特に360度撮影できるカメラとするとよい。
「他の車両の運転者の外観」は、例えば、自車両に取り付けられた例えばリアカメラ241により後方の車両の運転者を撮影し、撮影した後方の車両の運転者の顔を認識する機能により、顔認識画像が所定のパターンであるか否かを判断するとよい。例えば、撮像した後方の車両の運転者の顔認識画像が怒りの表情パターンやオーバーアクションの怒り動作パターン等であると、後方の車両に危険運転の可能性がある度合いが高いと判断するとよく、特に煽り運転の危険性がある度合いが高いと判断するとよい。特に後方の撮影画像を利用して後続車が過度に接近した場合に、感情分析を行うとよい。あるいは、次の2種が同時に検知されたら「煽られている」と判定するとよい。
・後方の撮影画像を利用して、後続車が過度に接近したことを読み取る。
・運転者の撮影画像に感情分析を適用して、運転者の緊張・怒り・恐れ・焦りを読み取る。
(第3の実施例の変形例1)
第3の実施例の変形例1は、自車両の運転者を観測対象として例えばフロントカメラ141による撮像の対象とし、自車両の運転者の外観が所定のパターンであることを特定条件とするものである。この第3の実施例の変形例1は、自車両の運転者が例えば怒った表情であるときは、自車両の運転者が煽り運転等の危険運転を行っている可能性が高い。そこで、コントローラ130は、この変形例1の特定条件を満たすと、自車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両の運転者の外観を観測対象とすることにより、自車両に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることを把握でき、安全運転の遂行を実現することができる。
また、コントローラ130の判断機能は、自車両の運転者の外観の他に、自車両の挙動の変化を観測対象として加味するとよい。「自車両の挙動の変化」は、例えば、自車両の速度変化、前方の車両との距離の変化等とするとよい。
また、「自車両の運転者の外観」として、例えば自車両の車内(特に運転者)を撮影するカメラにより自車両の運転者を撮影するようにするとよい。また、撮影した自車両の運転者の顔を認識した顔認識画像を解析する機能により、顔認識画像が所定のパターンであるか否かを判断するとよい。例えば、撮像した自車両の運転者の顔認識画像が怒りの表情パターンやオーバーアクションの怒り動作パターン等であると、自車両に危険運転の可能性がある度合いが高いと判断するとよく、特に煽り運転の危険性がある度合いが高いと判断するとよい。
(第3の実施例の変形例2)
第3の実施例の変形例2は、自車両の運転者を観測対象として例えばフロントカメラ141による撮像の対象とし、自車両の運転者の身体的変化が所定のパターンであることを特定条件とするものである。コントローラ130は、この変形例2の特定条件を満たすと、自車両が煽り運転を行っている可能性があると判断し、イベント記録処理(ステップS202)、警報処理(ステップS203)、情報送信処理(ステップS204)等の各処理を行う。
このようにすれば、自車両の運転者の身体的変化に応じて自車両に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることを把握でき、安全運転の遂行を実現することができる。「自車両の運転者の身体的変化」は、例えば、脈拍の変化、心拍数の変化、血圧の変化等とするとよい。
自車両のハンドルに例えば脈拍計測センサを設けて、運転者がハンドルを握ることによって脈拍を測定できるようにして脈拍の変化を検知できるようにするとよい。同様に、自車両のハンドルに例えば心拍数計測センサを設けて、運転者がハンドルを握ることによって心拍数を測定できるようにして心拍数の変化を検知できるようにするとよい。さらに、運転者の身体の一部としての例えば腕を圧迫して血圧測定できるようにするとよい。
[第4の実施例]
第4の実施例は、上述した第1の実施例または第3の実施例およびこれらの変形例により、自車両に対して他の車両に危険運転の可能性があると判断されたときに、警報を出力する機能を備えるものである。
このようにすれば、危険運転の可能性がある他の車両の搭乗者に対して危険運転の可能性があることを認知させ、危険運転の抑止力を発揮させることができ、特に煽り運転の抑止力を発揮させることができる。
「情報出力装置」は、直接的または間接的に所定の情報を出力できるものであって、例えば、間接的報知に好適な光学的報知器または振動報知器、直接的報知に好適な音声報知器、メッセージ表示器、映像報知器または機械的可動報知器等とするとよく、これらのうちいずれか1つまたは2つ以上で構成するとよい。
「警報」は、例えば、録画中であることや撮影したこと等のメッセージ表示を電光掲示板150で行うとよく、例えばハザードランプの点滅や、RECランプを設けて点滅させたり、LEDを点滅等とするとよい。
特に、LEDを用いる場合、スモークリアウィンドウを備えた車両のときは、このスモークリアウィンドウを介して外部から点灯または点滅が視認可能に自車両の後部にLEDを設け、このLEDを点灯または点滅させて危険運転、特に煽り運転を警報するとよい。この場合、例えば、危険運転状態にある後続車に向けて、LEDの点滅をスモークリアウィンドウ越しに後続車に知らしめることができ、安全運転の遂行に寄与することができる。スモークリアウィンドウ以外のスモークウィンドウ(例えば側面のスモークウィンドウなど)を介しても視認できる位置に設置すると特によい。夜間走行時での視認性が高いものを用いるとよい。LEDの代わりに各種のランプなど電子制御可能な発光手段を用いてもよい。
また、危険運転をしている旨の信号を他の車両の運転者等が所持する通信端末等に無線送信するとよく、この場合、後方車両の端末でこの無線信号を受信した場合には前の車が危険運転と検知している旨を報知するとよい。このようにすることで、前の車両(の機器)が自車両を危険運転の車両として認識していることがわかる。この場合、後方車両の運転者を撮影し、当該運転者の感情認識により、怒りの感情である可能性があるときには、後方車両の運転者が怒っている可能性がある旨を報知するとよい。また、第1の実施例の変形例2と組み合わせてもよい。
また、危険運転をしている車の方で、自車両が危険運転に相当する挙動をしていることを検知し、そのことをお知らせするようにするとよい。通常は危険運転をされていることをお知らせすると思われるが、自車両が危険運転に相当する車両であることを報知することも大事と考えられる。
また、リアカメラ241に例えば赤色等の可視光LEDを備えておき、危険運転を検出したときに警報的にLEDを点滅させ、危険運転している後方の車両の運転者に「後方撮影中であり、危険運転の瞬間を撮影した」という事を認識させるとよい。また、可視光LEDの他、小型のLEDメッセージボード等をリアカメラ241に備えておき、後続車へ直接文字で警告(例えば「後方撮影中/ Now on Recording」のような画像)を表示するとよい。
(第4の実施例の変形例1)
第4の実施例の変形例1は、自車両の搭乗者に向けて所定の情報を出力可能な情報出力装置を備えるものであり、上述した第1の実施例または第3の実施例およびこれらの変形例により、自車両とは別の他の車両に危険運転の可能性があると判断されたときに、警報を出力する機能を有するものである。
このようにすれば、他の車両に危険運転の可能性があること、特に煽り運転の危険性があることを自車両の搭乗者に認知させることができ、未然に事故防止を図ることが可能となる。
「情報出力装置」は、直接的または間接的に所定の情報を出力できるものであって、例えば、間接的報知に好適な光学的報知器または振動報知器、直接的報知に好適な音声報知器、メッセージ表示器、映像報知器または機械的可動報知器等とするとよく、これらのうちいずれか1つまたは2つ以上で構成するとよい。
「警報」は、例えば、録画中であることや撮影したこと等のメッセージ表示、後方発光装置の点滅、後方発光装置でのRECランプの点滅やLED点滅等とするとよい。
特に、LEDを用いる場合、スモークリアウィンドウを備えた車両のときは、該スモークリアウィンドウを介して外部から点灯または点滅が視認可能に車両後部にLEDを設け、該LEDを点灯または点滅させて危険運転、特に煽り運転を警報するとよい。この場合、例えば、危険運転状態にある後続車に向けて、LEDの点滅をスモークリアウィンドウ越しに後続車に知らしめることができ、安全運転の遂行に寄与することができる。スモークリアウィンドウ以外のスモークウィンドウ(例えば側面のスモークウィンドウなど)を介しても視認できる位置に設置すると特によい。夜間走行時での視認性が高いものを用いるとよい。LEDの代わりに各種のランプなど電子制御可能な発光手段を用いてもよい。
また、さらに、例えばサーモカメラ等のように生体を検知できる機能を有する観測手段を取り付けて、危険運転、特に煽り運転の可能性があると判断された他の車両から搭乗者が降車したこと、特に、該搭乗者が降車して自車両に近づいてきたことを検出できるようにするとよい。そして、コントローラ130は、このような場合に、自車両の搭乗者の降車を抑止するための所定の処理を行うようにするとよい。
このようにすれば、自車両の搭乗者が降車して自車両の搭乗者と後方車両の搭乗者との間でトラブルが発生することをあらかじめ抑止することができる。
「自車両の搭乗者の降車を抑止するための所定の処理」は、例えば、次のような報知を行う処理とするとよい。例えば、自車両後方で煽り運転をしていると検知した車が自車両前方へ回り込み、停車したことが検知され、自車両も停車したことが検知された場合、「煽り運転をしたドライバーが降りてくる可能性があります。ドアをロックしてウィンドウを閉じてください。」のような報知を行うとよい。その後、煽り運転をした車両のドライバーが降りてきたことが検知された場合、報知機能は、例えば「危険運転をしたドライバーが近づいてきます。ドアロックをしてウィンドウを閉じてください」や、「ドアロックは解除せず、ウィンドウは開けないで下さい。この場所は、東名高速道路上りnキロポストです。万一の場合は110番してください」等の報知を行うとよい。また、このような報知に加えて、あるいは、このような報知に代えて、「自車両の搭乗者の降車を抑止するための所定の処理」は、例えば、自車両のドアを自動的にロックする処理や、自車両のウィンドウの開操作を無効化する処理とするとよい。
また、エンジンオフのときはフロントカメラ141およびリアカメラ241での撮影が行われない場合は、「撮影を継続するためにエンジンを切らないでください」のような報知を行うとよい。
また、例えば、GPS受信機140により自車両の位置を検出し、例えば、「東名高速道路上りnキロポストです。万一の場合は110番して下さい」等といった報知を自車両の搭乗者に向けて行うとよい。
また、後方車両に危険運転の可能性があると判断された場合において、自車両の搭乗者が降車しようとしていると判断される(例えば、自車両の運転者が降りようとしている状態が検出される)と、フロントカメラ141またはリアカメラ241の撮像範囲内の位置への立ち入りを要求するメッセージを自車両の搭乗者に向けて報知するようにするとよい。
「自車両の搭乗者が降車しようとしている」との判断は、例えば、後方車両に危険運転の可能性があるとの判断がなされた後に、降車するために要する操作が検出されたか否かに基づいて行われるようにするとよい。「降車するために要する操作」は、例えば、ドアロックの解除操作、パーキングブレーキを掛ける操作、エンジンオフ操作(ACC−OFF検知)、ドアを開ける操作などである。
また、「撮像範囲内の位置への立ち入りを要求するメッセージ」は、例えば、「降車する場合は、ドライブレコーダの撮影範囲内に入ってください」や「ドライブレコーダの撮影範囲内に自分と相手が入るようにしてください」のようなメッセージとするとよい。
(第4の実施例の変形例2)
第4の実施例の変形例2は、上述した第1の実施例または第3の実施例およびこれらの変形例により、自車両とは別の車両に危険運転の可能性があると判断されると、他の車両に危険運転の可能性があることを示す情報を外部に送信する機能を有するものである。
このようにすれば、事故やトラブルの未然防止を図ることが可能となる。その結果、道路の保全や交通秩序の保全に貢献することができる。
「外部」は、例えば、自車両および他の車両の搭乗者とは無関係の第三者や、他の車両の搭乗者等といった当事者とするとよい。第三者の場合であれば、警察等の特定の外部機関や、第三者の誰もが閲覧できるインターネット上のサイトとするとよく、当事者であれば、他の車両の搭乗者が所有する通信端末や、他の車両が搭載するシステム等とするとよい。
[第5の実施例]
第5の実施例は、各種設定操作部112,115,124を用いた設定処理(ステップS30)において自車両にかかわる固有情報を設定し、設定された自車両にかかわる固有情報に応じて、安全運転にかかわる情報を出力するようにしたものである。なお、設定処理(ステップS30)については後述する。
このようにすれば、安全運転にかかわる情報として、自車両にかかわる固有情報に応じた情報を出力することができるので、安全運転の遂行に役立つ適切な情報を提供することが可能となる。
「自車両にかかわる固有情報」は例えば車種情報等とするとよく、車種情報は、例えば、車両の銘柄情報、車両の色彩情報、車両のサイズ情報等とするとよい。例えば、コンパクトカー、軽自動車等の小型車は煽り運転等の対象になり易く、黒色の車両、ワンボックスカー、トラック等の大型車または外国製車両(外車)等は、煽り運転等の危険運転を行いやすい傾向にあるとも言われている。例えば、煽り運転をされやすい側か、煽り運転をしてしまいやすい側か、を、お知らせするとよい。設定機能により例えば「軽自動車」が設定された場合は「煽り運転されたら道を譲りましょう」のアナウンスを出力したり、設定機能によりワンボックスカーやトラック等が設定された場合は「煽り運転をしないように注意しましょう」と、運転開始時などに意識付けのメッセージを出力するとよい。このように、煽り運転等の危険運転がされていると判定するレベルを、車種情報によって変更するとよく、車が小さい車種であればあるほどより煽り運転の判定をセンシティブにするとよい。
また、「自車両にかかわる固有情報」には、自車両の運転状況を含めてもよい。例えば、自車両の運転状態または車両状態に基づき安全運転の度合いを判定し、安全運転している度合いが高い人ほど、煽り運転をされる可能性が高い方向で、報知の頻度や内容を制御するとよい。安全運転としては、特に十分な車間距離を保って運転していること、法定速度を守って運転していること、ウィンカーを早めに出していること等を用いるとよい。
(第5の実施例の変形例)
第5の実施例の変形例は、自車両とは別の車両を観測対象として例えばリアカメラ241による撮像の対象とし、各種設定操作部112,115,124で設定された自車両にかかわる固有情報に応じて、第1の実施例または第3の実施例およびこれらの変形例における特定条件を変更するようにしたものである。
このようにすれば、自車両にかかわる固有情報に応じて、特定条件たる危険運転の可能性を判断する判断基準を変更することにより、危険運転、特に煽り運転の可能性の有無を、より精度高く判断することが可能となる。
「自車両にかかわる固有情報」は例えば上述したとおりであり、設定された自車両が軽自動車であったり、自車両のサイズが所定以下(例えばファミリータイプの普通乗用車のサイズ以下)であったりするとき、例えば煽り運転の対象となりやすい場合には、第1の実施例または第3の実施例およびこれらの変形例における特定条件を緩和して、例えば後方の車両が自車両に対して煽り運転を行っている可能性があると判断されやすくするとよい。また、設定された自車両が外車であったり、自車両の色彩が黒であったり、自車両のサイズが所定以上(例えば高級乗用車やワンボックスタイプの乗用車のサイズ以上)の大きさであったりするとき、例えば煽り運転の対象となり難い場合には、第1の実施例または第3の実施例およびこれらの変形例における特定条件を厳しくして、例えば後方の車両が自車両に対して煽り運転を行っている可能性があると判断され難くするとよい。
[第6の実施例]
第6の実施例は、自車両とは別の他の車両を観測することで他の車両にかかる情報を取得し、この取得した情報に応じて特定条件を変更するようにしたものである。この第6の実施例、他の車両にかかわる情報に応じて、危険運転の判断基準を変えるようにしたものである。
このようにすれば、撮影された他の車両にかかわる情報に応じて、特定条件たる危険運転の可能性を判断する判断基準を変更することにより、危険運転の可能性の有無、特に煽り運転の可能性の有無を、より精度高く判断することが可能となる。
「観測手段」は、例えば、他の車両に煽り運転等の危険運転の可能性があるか否かの判断に用いられる観測結果のみならず、他の車両の車種情報の取得に用いられる観測結果の両方がえられるもの等とするとよく、特に、他の車両を撮影できるカメラとするとよい。この場合、他の車両を撮影するときの画像は、静止画像であってもよいが動画像とするとよく、例えば、特定条件を満たすか否かを判断できる情報の他、他の車両の色彩情報、他の車両のサイズ情報等を把握できる画像等とするとよい。
「他の車両にかかわる情報」は例えば車種情報等とするとよく、車種情報は、例えば、車両の銘柄情報、車両の色彩情報、車両のサイズ情報等とするとよい。例えば、軽自動車等の小型車は煽り運転等の危険運転を行う可能性が低く、黒色の車両、ワンボックスカー、トラック等の大型車または外国製車両(外車)等は煽り運転等の危険運転を行いやすい傾向にあるとも言われている。そこで、例えば、他の車両が「軽自動車」であるとの情報が取得された場合等は特定条件を緩和して、他の車両に煽り運転等の危険運転の可能性があると判断され難くし、他の車両がワンボックスカーやトラック等であるとの情報が取得された場合等は特定条件を厳しくして、他の車両に煽り運転等の危険運転の可能性があると判断されやすくするとよい。
この第6の実施例では、他の車両の車体の色を取得し、白の場合にはあおられやすい度合いをアップさせ、黒の場合にはあおられやすい度合いをダウンして、煽り運転を判定するとよい。さらに車体のサイズを取得し、サイズが小さければ小さいほどあおられやすい度合いをアップさせて、煽り運転を判定するとよい。映像中の車体を認識し、認識した車体の状態や状態の変化に基づき煽り運転を判定するとよい。このとき、車体の認識とともに車種の認識を行い、当該車種に応じて処理を切り替えるようにするとよい。
[第7の実施例]
第7の実施例は、後方または側方の車両を観測対象として例えばリアカメラ241による撮像の対象としており、自車両の運転履歴を例えばRAM133に記録し、この運転記録に応じて、後方または側方の車両についての危険運転の判断基準を変更するようにしたものである。
このようにすれば、自車両の運転者の運転履歴に応じて、後方または側方の車両に煽り運転等の危険運転の可能性があるか否かの判断基準を変更することで、他の車両に煽り運転等の危険運転の可能性があるか否かを、より精度高く判断することが可能となる。
例えば、安全運転している度合いが高い運転者ほど煽られたりする等の可能性が高いことから、コントローラ130は、過去の運転履歴をRAM133に記録する。そして、コントローラ130は、これらの運転履歴を参照し、安全運転の度合いに応じて特定条件を変更するようにするとよい。例えば、過去の運転履歴から安全運転の度合いが高いと判断できれば、特定条件を緩和して、後方または側方の車両に危険運転の可能性があると判断されやすくするとよく、特に煽り運転の可能性があると判断されやすくするとよい。また、過去の運転履歴から安全運転の度合いが低いと判断できれば、特定条件を厳しくして、後方または側方の車両に危険運転の可能性があると判断され難くするとよく、特に煽り運転の可能性があると判断され難くするとよい。なお、「過去の運転履歴」は、例えば、前方の車両との平均車間距離、自車両の平均速度、自車両が停止している状態から略定速状態となるまでの平均加速度等、法定速度との差異、ウィンカーを出すタイミング(例えば、方向指示器を出してから車線変更や右折・左折するまでの時間)等とするとよい。
(第7の実施例の変形例)
第7の実施例の変形例は、前方の車両を観測対象として例えばフロントカメラ141による撮像の対象としており、自車両の運転履歴を例えばRAM133に記録し、この運転記録に応じて、自車両についての危険運転の判断基準を変更するようにしたものである。この第7の実施例の変形例、前方の車両を基準として自車両が煽り運転等を行っていないかどうかを判断するにあたり、自車両の過去の運転履歴を参照して、特定条件を変更するようにしたものである。
このようにすれば、自車両の運転者の運転履歴に応じて、特定条件たる危険運転の判断基準を変更することができ、自車両に危険運転の可能性があるか否か、特に煽り運転の危険性があるか否かを、より精度高く判断することが可能となる。
例えば、安全運転している度合いが高い運転者ほど煽り運転等の危険運転を行う可能性が低いことから、過去の運転履歴を参照し、安全運転の度合いに応じて特定条件を変更するようにするとよい。例えば、過去の運転履歴から安全運転の度合いが高いと判断できれば、特定条件を厳しくして、自車両に煽り運転等の危険運転の可能性があると判断され難くするとよい。また、過去の運転履歴から安全運転の度合いが低いと判断できれば、特定条件を緩和して、自車両に煽り運転等の危険運転の可能性があると判断されやすくするとよい。過去の運転履歴は、例えば、平均速度、平均加速度、車間距離、法定速度との差異、方向指示器を出すタイミング(例えば、方向指示器を出してから車線変更や右折・左折するまでの時間)等とするとよい。
[第8の実施例]
第8の実施例は、前方を撮影可能なフロントカメラ141と、後方を撮影可能なリアカメラ241とを備えて、2カメラで前方の車両および後方の車両の両方を観測対象とするものである。そして、フロントカメラ141に対して所定の契機があったとき(例えば、衝突検知等、所定値を超える加速度検知等があったとき)はフロントカメラ141により撮影された画像を記録する。また、フロントカメラ141に対して所定の契機があったとしても、この契機が特定の契機であったとき(例えば、操作ボタンが押された場合等)には、フロントカメラ141により撮影された画像を記録するのではなく、リアカメラ241により撮影された画像を記録するようにしている。
このようにすれば、フロントカメラ141に対する所定の契機があったとしても、この所定の契機が特定の契機であるときはリアカメラ241により撮影された画像の記録に切り替えることができ、より安全運転の遂行を実現することができる。
「フロントカメラ141に対して所定の契機があったとき」は、例えば、衝突検知等、所定値を超える加速度検知等があった時や、自車両の運転者が操作できる操作ボタン等とするとよい。
「特定の契機」は、例えば、後方または側方の車両に例えば煽り運転等の危険運転の可能性があると判断される状況下で例えば操作ボタンが操作されたとき等とするとよい。
また、警報を出力する機能および観測結果を記録する機能を有する場合には、警報の出力と観測結果の記録とを別々に行うことができるようにするとよい。また、警報の出力および観測結果の記録を行うか否かを設定する機能を有するとよく、これらの設定をフロントカメラ141とリアカメラ241とで別々に行うことができると尚良い。さらには、フロントカメラ141側のみに記録機能を備え、フロントカメラ141にリアカメラ241が接続される構成とするとよい。この場合、フロントカメラ141側で設定を行う機能を備え、フロントカメラ141およびリアカメラ241は設定に従って動作するようにするとよい。
また、観測結果の記録は、前方の車両が発進したことを検知したにもかかわらず所定時間内(例えば1分以内)に自車両が発進していないことを検知したことを契機として行うとよい。なお、前方の車両が発進したことの検知は、例えば、前方の車両と自車両との車間距離が一定範囲以上となったこと等とするとよい。前方の車両と自車両との距離は、上述した通り、例えば、赤外線レーザー等や撮像装置等により判定することができる。
[第9の実施例]
第9の実施例は、ステップS30の設定処理についての例である。この設定処理では、各種設定操作112での操作に基づいて各種設定値が変更される。
図6は、システム100のコントローラ130が実行する設定処理を説明するためのフローチャートである。
図6に示すように、コントローラ130は、各種設定値が入力されたか否かを判断する(ステップS301)。各種設定値が入力されると設定値仮変更処理を行い(ステップS302)、各種設定値が入力されていなければステップS303に移る。設定値仮変更処理は、例えばディスプレイ113に表示される設定値の表示については変更するものの、RAM133に記憶される設定値については変更していない状態等とするとよい。
ステップS303において、コントローラ130は確定操作されたか否かを判断する。確定操作が行われていれば(ステップS303におけるYES)、設定値変更処理(ステップS304)を行い、設定処理を終了する。一方、確定操作が一定時間以上行われなければ(ステップS303におけるNO)、ステップS301に戻る。
ステップS30の設定処理で設定できるものは、例えば、自車両にかかわる固有情報や特定条件等とするとよい。例えば、上記の実施例において、特定条件等に関して「所定回数」、「所定時間」、および「一定範囲」等の少なくともいずれかをこのステップS30の設定処理で予め設定できるようにするとよい。
また、フロントカメラ141およびリアカメラ241のそれぞれについて、警報・記録はそれぞれ行うか行わないかを設定する機能を有するとよく、特に警報と記録は別々に設定する機能を有すると尚よい。さらには、フロントカメラ141側のみに記録機能を備え、フロントカメラ141にリアカメラ241が接続される構成とするとよい。この場合、設定をフロントカメラ141の側で行う機能を備え、フロントカメラ141およびリアカメラ241は設定に従って動作するようにするとよい。
また、RAM133は、フロントカメラで撮影された画像とリアカメラで撮影された画像とを別のフォルダに記録する機能を備えるとよく、フロントカメラ141で撮影された接近記録とリアカメラで撮影された接近記録とを、別の種類のビューアで可能に記録するとよく、また、別の種類のビューアで表示するかどうかを設定する機能を備えるとよい。
また、自車両の周囲の所定範囲に他の車両や他の車両の運転者が存在する時等に、例えばリアカメラ241自体に設けたLED等の光源等を点滅させる場合、煽られていると感じる距離感等は個人で異なるため、所定範囲を設定する機能を備えるとよい。
[第10の実施例]
第10の実施例は、後方の車両を観測対象としてリアカメラ241による撮像の対象とし、自車両と後方車両との衝突の可能性があるか否かを判断する場合の例である。
ところで、例えば自車両も後方の車両も速度100km/hで走行し且つ両者が5mの車間距離(この車間距離は、煽られていると感じることのある車間距離である)で走行している場合、両者間の相対速度は0km/hであり、この時点では、両者が衝突する可能性はない。しかし、実際には、この状況が数分(例えば3分)程度も続くと、自車両の運転者は「後方車両に煽られている」と感じるとともに、この状況から自車両が少しでもブレーキを掛けると、その瞬間に両者間の相対速度が急激に上昇して、衝突の危険性が高まる。
このような事情等をふまえて、この第10の実施例では、リアカメラ241により観測された自車両と後方車両との位置関係の時間的な変化に基づいて、自車両と後方車両との衝突の可能性があるか否かが判定される。
図7は、第10の実施例においてシステム100のコントローラ130が実行するステップS20の監視処理(ここでは、衝突監視処理)を説明するためのフローチャートである。
先ず、コントローラ130は、リアカメラ241により観測された自車両と後方車両との位置関係の時間的な変化に基づいて、現時点から自車両と後方車両との衝突までの時間を推定する(ステップS401)。詳細には、コントローラ130は、自車両および後方車両の2車両間の相対速度の変化と該2車両間の相対加速度の変化と該2車両間の距離との3つの要素に基づいて、現時点から自車両と後方車両との衝突までの時間を推定する。
より詳細には、自車両と後方車両との距離が、例えばサンプリング周波数に基づく所定の時間間隔ΔT(例えば、0.1秒あるいは0.2秒間隔)で計測されると、この時間間隔ΔTと車間距離の変化とに基づいて、自車両と後方車両との間の相対速度および相対加速度が算出される。このような計算に基づいて、現時点から衝突までの時間T1が推定される。このようにすれば、GPS受信機140等を用いて自車速度を算出することなく、衝突時間T1を求めることが可能となる。なお、自車両と後方の車両との距離は、第1の実施例の変形例2と同様に、リアカメラ241で撮影した画像中にある車両とみなせる領域の大きさがディスプレイ113の表示領域を占める割合に基づいて判定したり、赤外線レーザー等を後方の車両に向けて照射し、後方の車両からの反射により戻ってくるまでの時間に基づいて判定するとよい。
図8〜図14は、2車両間の相対速度および相対加速度と衝突時間との関係性を車間距離ごとに示した図である。例えば、図10に示されるように、車間距離が20m、相対速度が8km/h、相対加速度が0.3km/h/sである場合、現時点から衝突までの時間T1は、3秒と推定される。
なお、車間距離および相対速度は、自車速度と自車両のブレーキ制動距離と自車両の運転者の反応速度(例えば、自車両の空走距離)によって理論上計算できるため、これらの要素を用いて衝突時間T1を推定することも考えられる。
しかし、実際には、自車両も後方車両も走行中であり、双方の車両がいずれのタイミングでブレーキを掛けるかは分からない。特に、自車両と後方車両とが一般道路を走行している場合、自車両の運転者は、前方車両のブレーキランプや更にその先の車両、信号等を気にしてブレーキペダルに足を掛けているため、上記の空走距離は必ずしも正確とは限らない。また、制動距離についても、タイヤが滑るほどの急ブレーキを掛ける状況はほとんど無いと考えられる。
このような点を考慮して、上記の例示とは別に、図15〜図17のようにして、2車両の任意の時間における速度および加速度から車両間距離および衝突までの時間をモニタリングすることによって衝突時間T1が推定されるようにするとよい。なお、任意の時間に関するサンプリング周波数は、「1秒/最小画像処理時間」とするよく、例えば10Hzとする(すなわち、1秒間に10回サンプリングする)とよい。サンプリング周波数が10Hzであれば、0.1秒ごとに自車両と後方車両との位置関係を把握できる。
詳細には、自車両と後方車両との相対速度が正(速度が自車両≧後方車両)であり且つ自車両と後方車両との相対加速度も正(マイナス加速度が自車両≦後方車両)である場合は、自車両と後方車両との車間距離が短いときであっても、両者は衝突することはないが、これ以外の以下のような場合は、両者の衝突が生じ得る。
・自車両と後方車両との相対速度が正(速度が自車両≧後方車両)、且つ自車両と後方車両との相対加速度が負(マイナス加速度が自車両>後方車両)
・自車両と後方車両との相対速度が負(速度が自車両<後方車両)、且つ自車両と後方車両との相対加速度が正(マイナス加速度が自車両≦後方車両)
・自車両と後方車両との相対速度が負(速度が自車両<後方車両)、且つ自車両と後方車両との相対加速度が負(マイナス加速度が自車両≧後方車両)
例えば、2車両間の相対速度が正であっても相対加速度が負である場合は、自車両と後方車両とが衝突する虞がある。例えば、自車両の速度が20km/h、後方車両の速度が15km/hで、両者の相対速度が正であることを想定する。またここでは、図15に示されるように、自車両がブレーキを掛ける周期が、後方車両がブレーキを掛ける周期よりも大きいこと、すなわち、両者の相対加速度が負であることを想定する。なお、図15では、自車両と後方車両とのそれぞれについて、振幅を加速、減速の最大値とするとともに周波数をブレーキ頻度(ブレーキのタイミング)として、最大加速度を正弦波(sin波)で表現している。
このような場合、図16および図17から分かるように、約6秒までは車間距離が開いていき、その後車間距離が狭まり、そして、約11秒後に車間距離がゼロとなる。すなわち、衝突までの時間T1は約11秒と推定される。このようにして衝突までの時間T1が推定されてもよい。
そして、コントローラ130は、衝突までの推定時間T1が所定の時間(例えば、1.5秒)内であるか否かを判断する(ステップS402)。
衝突までの推定時間T1が所定の時間内であると判断されると、コントローラ130は、自車両と後方車両との衝突の可能性があると判断し、処理をステップS403へと進める。なお、これに限定されず、仮に自車両が例えば0.3gでブレーキペダルを踏んだ場合に1秒以内に自車両と後方車両とが衝突するか否か、を判断基準としてもよい。
そして、ステップS403において、コントローラ130はイベント記録処理を開始する。このイベント記録処理は、例えば、リアカメラ241により撮像された撮像画像等を記録する機能を持つ第2のSDカードの第1の記録領域に記録される常時記録画像データを読み出して、自車両と後方車両との衝突可能性があると判断された時点前後それぞれ所定時間(例えば前後20秒ずつ)の画像データを切り出して、イベント記録画像データとして、第2のSDカードの第2の記録領域に記録する処理等である。
このようにすれば、自車両と後方車両とが仮に衝突してしまった場合であっても、事故発生時の撮像画像が記録されており、事後対応に利用することが可能となる。
コントローラ130は、イベント記録処理(ステップS403)を行った後、自車両と後方車両との衝突に関する警報を出力する警報処理(ステップS404)を行う。この警報処理(ステップS404)は、自車両の搭乗者に対して後方車両との衝突の可能性を知らせる処理や、後方の車両の搭乗者に対して警告を行う処理等とするとよく、特にこれらの両方の処理を行うと尚よい。
自車両の搭乗者に対して後方の車両との衝突の可能性を知らせる警報処理は、例えば、自車両のスピーカ146から「後方の車両と衝突する可能性があります」等の音声を出力する処理や、単に警報音を出力する処理等とするとよい。このときの警報音は、例えば、煽り運転に関する警報音(図5のステップS203)とは異なる音とするとよい。
このようにすれば、自車両の搭乗者に対して自車両と後方車両との衝突の可能性を知らせることができ、警報を聞いた搭乗者、特に運転者は、車線変更を行うなどの衝突回避策を講ずることができる。したがって、自車両の搭乗者に対して、事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
また、後方車両の搭乗者に対する警報処理は、例えば、電光掲示板150に「衝突の危険性あり」等の情報を表示したり、電光掲示板150を特定の態様で発光制御したり(例えば点滅させたり)等するとよい。
一方で、ステップS401にて推定された推定時間T1が所定の時間内でない、すなわち、推定時間T1が所定の時間よりも長い場合、コントローラ130は、自車両と後方車両との衝突の可能性はないと判断する。この場合、イベント記録処理(ステップS403)、警報処理(ステップS404)等の処理は行われない。
以上のようにすれば、自車両と後方車両との衝突の可能性があることがシステム100により客観的に判断され、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
(第10の実施例の変形例1)
第10の実施例において、さらに、自車両と後方車両との衝突の可能性があるとの判断結果が複数回(例えば、3回)得られると、後方車両に危険運転、特に煽り運転の可能性があると判断されるようにするとよい。特に、自車両と後方車両との衝突の可能性があるとの判断結果が所定時間(例えば、3分)以内に複数回得られると、後方車両に危険運転、特に煽り運転の可能性があると判断されるようにすると尚よい。
このようにすれば、自車両に衝突しそうなほどの後方車両の接近が偶発的なものではなく意図的なものであること、すなわち、後方車両に危険運転、特に煽り運転の可能性があることをより的確に判断することができ、事故やトラブルの防止を図ることが可能となる。
例えば、自車両と後方車両との衝突までの推定時間T1が所定の時間よりも短い(または、衝突までの距離が所定の距離よりも短い)ことを第1条件とし、その第1条件を満たした上で、10Hzのサンプリング周波数(1秒間に10回サンプリングされたデータ)のうちの5回以上に亘って、自車両と後方車両との衝突の可能性があるとの判定がなされると、後方車両に煽り運転の可能性があると判断されるようにするとよい。
(第10の実施例の変形例2)
上記第10の実施例およびその変形例1では、自車両と後方車両との衝突の可能性を判断するにあたって、自車両と後方車両との間の相対速度の変化と相対加速度の変化との両方が用いられているが、これに限定されず、相対速度の変化のみを用いてもよく、相対加速度のみを用いてもよい。また、相対速度および相対加速度の両方を用いずに、別の手段で衝突可能性が判断されるようにしてもよい。
(第10の実施例の変形例3)
上記第10の実施例およびその変形例1,2では、自車両と「後方車両」との衝突の可能性が判断されているが、これに限定されず、前方車両との衝突防止を図るために、自車両と「前方車両」との衝突の可能性が判断されてもよい。例えば、後方車両の運転者の運転ではなく、自車両の運転者の運転が主体(原因)となって衝突の可能性(危険性)があるか否かが判断されてもよい。この場合においても、第10の実施例およびその変形例と同様の処理が実行されるとよい。
[第11の実施例]
第11の実施例は、前方の車両を観測対象として例えばフロントカメラ141による撮像の対象としており、自車両と前方車両との距離が一定範囲内である場合において自車両の加速(詳細には、前方への加速)が検出されると、自車両の搭乗者に向けて警報を出力するようにしたものである。
このようにすれば、自車両の搭乗者に対して、前方車両との衝突の可能性を知らせることができ、自車両の搭乗者、特に運転者は、ブレーキを掛けるなどの衝突回避策を講ずることができる。したがって、自車両の搭乗者、特に運転者に対して、例えばアクセルの踏み間違えなどによる事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
自車両の加速は、自車両のアクセル開度を取得することによって検出されてもよく、自車両と前方車両との相対加速度の変化に基づき検出されてもよい。ただし、前者の場合、アクセル開度を検知するセンサとの接続を要するなど、複雑な構成となり得るため、後者を採用すると尚よい。
また、自車両の搭乗者に向けた警報処理は、例えば、警報音を出力する処理等とするとよい。なお、この警報音は、第10の実施例の警報処理(ステップS404)での警報音よりも大きな音量で出力されたり、あるいは、第10の実施例の警報処理での警報音とは異なる音で出力されるようにするとよい。
また、自車両の加速の検知直前において、自車両は、移動していてもよく、停車していてもよい。
(第11の実施例の変形例1)
第11の実施例の変形例1は、自車両と前方車両との距離が一定範囲内である場合において、前方車両の減速が検出されると、自車両の搭乗者に向けて警報を出力するようにしたものである。
このようにすれば、自車両の搭乗者、特に運転者は、クラクションを鳴らすなどの衝突回避策を講ずることができ、自車両の搭乗者に対して、事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
なお、前方車両の減速は、例えば、前方車両のブレーキランプの点灯、ウィンカーの点滅等に基づき検出されるようにするとよい。
(第11の実施例の変形例2)
第11の実施例の変形例2は、例えば図18に示されるように、自車両と前方車両A2との間を走行していた車両A1が自車両の走行車線から離脱した直後において、自車両と前方車両A2との距離が一定範囲内であり且つ相対速度または相対加速度が正である場合に、自車両の搭乗者に向けて警報を出力するようにしたものである。図18は、この変形例2に係る一態様例の状況を表す概要図である。
例えば、図18(A)に示されるように、自車両A0の前方を車両A1が走行し、更にその前方を車両A2が走行している状況を想定する。この際、自車両A0から2台前方の車両A2は見え難く、自車両A0の運転者が車両A2の存在に気付かずに走行していることがある。
このような場合において、例えば、図18(B)のように、自車両A0と前方車両A2との間を走行していた車両A1が自車両A0の走行車線から急に車線変更して離脱すると、自車両A0の運転者は、その直後に前方車両A2の存在に突然気付くこととなる。例えば、黄色信号によって前方車両A2が停車しようとしているのに対して、前方車両A1がそのまま進行しようと考えて前方車両A2を追い抜いた状況が想定される。この際に、自車両A0と前方車両A2との距離が一定範囲内であり且つ相対速度または相対加速度が正である場合、自車両A0の運転者が前方車両A2の存在に気付くのが遅れれば、自車両A0が前方車両A2に衝突してしまう虞がある。
このような事情を考慮して、前方車両A1が自車両A0の走行車線から離脱した直後において、自車両A0と前方車両A2との距離が一定範囲内であり且つ相対速度または相対加速度が正である場合に、自車両A0の搭乗者に向けて警報が出力されるようにするとよい。特に、前方車両A1が自車両A0の走行車線から離脱しかけた際に、その前方車両A2がフロントカメラ141によって認識された時点で警報が出力されるようにするとよい。
このようにすれば、自車両A0の搭乗者に対して、前方車両A1との衝突の可能性を知らせることができ、自車両A0の搭乗者、特に運転者は、ブレーキを掛けるなどの衝突回避策を講ずることができる。したがって、自車両の搭乗者に対して、事故やトラブルの発生を回避するようより努めさせることが可能となる。
[第12の実施例]
第12の実施例は、自車両が右折する際に対向右折車両が右折待ちをしている場合において、対向直進車両が検知されると、自車両の右側部分に取り付けられたカメラによる撮像画像を表示するものである。端的に言えば、本実施例は、運転者の運転支援をするものである。図19は、第12の実施例に係る一態様例の状況を表す概要図である。
例えば、図19に示されるように、左側通行の場合、自車両A0の右折に際して自車両A0の前方において対向右折車両B1が右折待ちをしているときには、自車両A0の運転者にとって、対向直進車両B2の存否は判断し難い。特に、自車両A0が左ハンドル車である場合には、この問題は顕著である。そして、対向直進車両B2の存否が判断し難い状態で自車両A0が右折すると、自車両A0の運転者が対向直進車両B2の発見が遅れ、自車両A0と対向直進車両B2とが衝突する虞がある。
このような衝突事故の発生を防止するために、自車両A0の右側部分、例えば、自車両A0の右側のミラー等に取り付けたカメラによる撮像画像が、ダッシュボード126等に設けられたディスプレイに表示されるようにするとよい。
このようにすれば、自車両の搭乗者、特に運転者が、対向直進車両の存否をより正確に把握することができ、衝突事故の発生を抑制することが可能となる。
なお、自車両の右側部分に取り付けられたカメラによる撮像画像は、常にディスプレイに表示されていることを要さず、例えば、減速が検出され、且つ、自車両の右ウィンカーを点滅させる操作が検出されたときにだけディスプレイに表示されるようにするとよい。
また、撮像画像は、右ウィンカーの点滅が終了したことや、自車両の速度が所定の速度(例えば、15km/h)以上になったことに応じて非表示化されるようにするとよい。
また、撮像画像のディスプレイ表示は必須ではなく、例えば、対向直進車両が存在する旨を警報等で自車両の搭乗者に報知するようにしてもよい。撮像画像の表示と警報との両方が行われるようにしてもよい。
なお、上記の例は左側通行の場合であるが、右側通行の場合は、自車両の左側部分にカメラ等が取り付けられるようにするとよい。
[第13の実施例]
この第13の実施例では、ADAS(先進運転システム)の機能を利用して衝突の可能性に応じた処理を行う。まず、判断機能がADASの機能を利用して危険運転の可能性を判断する場合を説明する。ADASは、車両に搭載され、事故などの可能性を事前に検知し回避するシステムである。ADASは、車両に搭載されたカメラで車両の周囲の物(例えば、人や設備その他の物体)を認識し、車両が物に衝突する可能性がある場合にはその旨を報知する機能を有する。ADASは、さらに車両が物に衝突する可能性がある場合には動的に車両の制動を行い、衝突を回避する機能を有するとよい。ADASでは、例えばカメラを2台使用して、車両の周囲の者までの距離を計算する。
この第13の実施例において、システム100がADASの機能を有してもよいし、ADASの機能を有する機器から危険運転の検知に必要な情報を取得してもよい。システム100は、ADASの機能により自車両の後方に他車両が存在することを検知し、その後に自車両の前方に当該他車両が存在することを検知した場合に、危険運転の可能性があると判断するとよい。このようにすれば、ADASの機能を利用して危険運転の可能性を判断することができる。他車両が危険運転をしている場合は、自車両と他車両との距離が接近している可能性がある。そこで、システム100は、自車両の後方に他車両が存在することを検知する場合には、自車両から後方の第1距離以内に当該他車両が存在することを検知するとよい。システム100は、自車両の前方の他車両が存在することを検知する場合には、自車両から前方の第2距離以内に当該他車が存在することを検知するとよい。このようにすれば、危険運転の可能性の判断をより正確に行える可能性がある。
システム100は、ADASの機能により自車両の後方に他車両が存在することを検知し、その後に自車両の側方(例えば、自車両の進行方向に対して左または右)に当該他車両が存在することを検知し、その後に自車両の前方に当該他車両が存在することを検知した場合に、危険運転の可能性があると判断するとよい。自車両の側方に当該他車両が存在することを検知する場合は、自車から側方の方向の第3距離以内に当該他車両が存在することを検知するとよい。このようにすれば、危険運転の可能性の判断をより正確に行える可能性がある。第1距離、第2距離、および第3距離は、例えばそれぞれあらかじめ決められた距離とするとよい。第1距離、第2距離、および第3距離は、互いに同一の距離でもよいし、少なくとも一部の距離が他の距離と異なっていてもよい。例えば、第3の距離は、第1の距離および第2の距離よりも短くてもよい。
システム100は、自車両の後方に他車両の存在を検知する場合には、第1の時間継続して当該他車両が存在することを検知してもよい。システム100は、自車両の前方に他車両が存在することを検知する場合には、第2の時間継続して当該他車両が自車両の前方に存在することを検知してもよい。システム100は、自車両の側方に他車両が存在することを検知する場合には、第3の時間継続して当該他車両が存在することを検知してもよい。このようにすれば、危険運転の可能性の判断をより正確に行える可能性がある。第1の時間、第2の時間、および第3の時間は、互いに同一の時間でもよいし、少なくとも一部の時間が他の時間と異なっていてもよい。例えば、第3の時間は、第1の時間および第2の時間よりも短くてもよい。
システム100は、自車両の後方に他車両の存在を検知した場合には、その旨をユーザに報知する制御である第1の報知制御を行ってもよい。システム100は、自車両の前方に当該他車両に存在することを検知した場合には、その旨をユーザに報知する制御である第2の報知制御を行ってもよい。システム100は、この第1の報知制御および第2の報知制御を行った後、危険運転の可能性があることをユーザに報知する制御である第3の報知制御を行うとよい。システム100は、自車両の側方に当該他車両が存在することを検知した場合には、その旨をユーザに報知する制御である第4の報知制御を行ってもよい。ユーザへの報知は、画像の表示、音声の出力、発光等の人間が知覚可能な方法により行われるとよい。このようにすれば、ユーザは危険運転の可能性がどの程度であるかを事前に把握しやすい。
ADASが物との衝突の可能性があることを報知する条件と、システム100が危険運転の可能性があることを報知する条件とは、少なくとも一部が異なっているとよいが、同一の条件とすれば構成が単純化できる可能性がある。
上述した各実施例および変形例の危険運転の可能性の判断その他の衝突の可能性に応じた処理においても、ADASの機能が利用されてもよい。
[第14の実施例]
システム100は、車両の室内から後方を撮影する位置にカメラを設置し、車両のガラス越しに見える車両の外を撮影し、その撮影した画像中の後方車両のヘッドライトの面積が拡大していく状況の後、ヘッドライトが前記車両のガラス越しに映らなくなった場合、後方車両の超接近状態と検知するようにするとよい。システム100は、超接近に状況に基づいて危険運転の可能性があることを判断する。自車両に後方車両が接近しすぎると、リアガラスの下端より下側の車体部分に、後方車両のライトの位置が入り込み、カメラの画像に映らなくなることを発明者は発見した。逆にいえば、超接近時に、このような画像中の位置となるようにカメラを設置する設置手段や設置位置調整手段(初期設定手段)が設けられると、単純な処理で、後方車両の超接近を検知することができる。なお、側方視覚への車両の接近を同様の方法で検出するようにしてもよい。
[他の例]
また、上述した各実施例およびこれらの変形例の他に、例えば煽り運転等の危険行為を抑制するために、以下のように行ってもよい。例えば、車線変更の際に変更先の車線の後方の車両に注意する旨の報知を自車両の車内に向けて行うようにするとよい。車線変更先の車線や車線変更の際に経由する車線の後方に他の車両があるにもかかわらず、割り込む形となって車線変更した場合、他の車両の運転者は割り込みと感じ、煽り運転をする可能性が高まるからである。望ましくは、車線変更先の車線や車線変更の際に経由する車線(隣接する車線)の後方にある他の車両との距離を測定し、割り込みと感じやすい車間距離内にある場合に警告を行うとよい。特に割り込みと感じやすい車間距離内にある場合であって、ウィンカーがその車線の方向に出されたことを検知したとき、警告を行うとよい。このような状況にあるにもかかわらず、その車線方向へ車線変更をしてしまったことを検知したときには、自動的にハザードランプを点滅させる制御を行うか、サンキューサインを出す制御を行うとよい。
また、例えば、前方の車両と自車両との車間距離が一定以下であるにもかかわらず他の車両が自車両の前方に割り込む形となって車線変更した場合、判断機能は、割り込んできた他の車両に煽り運転等の危険運転の可能性があると判断し、警報・記録するとよい。なお、他の車両が自車両の前方に割り込んできたかどうかは、赤外線レーザー等により検知するとよく、フロントカメラ141が撮影した画像をディスプレイ113に表示したときに、ディスプレイ113の表示領域のうち、車両とみなせる領域を占める割合が所定の割合を超えたこと等とすると尚よい。
また、前方の車両と自車両との車間距離が一定以上であるか前方に車両がなかったとしても、自車両との車間距離が一定以下となる形で自車両の前方に他の車両が車線変更した場合にも、判断機能は、他の車両に煽り運転等の危険運転の可能性があると判断し、警報・記録するとよい。さらにこの場合、単位時間あたりの自車両のブレーキ回数が所定回数以上(例えば30秒で3回以上)であると煽り運転と判断し、単位時間あたりの自車両のブレーキ回数が所定回数未満であるときは煽り運転ではないと判断するようにするとよい。
また、所定速度(例えば、時速60km/h)以上で走行中に自車両への接近物が車両と判断できる場合、例えば赤外線レーザー等からの距離信号が設定距離以下、もしくは、以下の組合せの場合、自車両への接近物が煽り運転等の危険運転の可能性が高いと判断し、自車両の運転者に冷静になるよう注意を促し、フロントカメラ141またはリアカメラ241で撮影した画像、GPS受信機140による位置検出結果(例えば座標情報)を、例えば警察等の公共機関や第三者の誰もが閲覧できるインターネット上のサイト等、あらかじめ設定した対象に送信する機能を有するとよい。
・一定距離
・一定距離より近づく(幅よせ)
・減速
・パッシング
また、本明細書では、2カメラを採用したが、例えば全方位を撮影可能な1台のカメラを採用してもよい。また、リア専用システム(例えばリア専用のドライブレコーダ)で、シガーソケット部分にイベント記録用のボタンを設定もしくは、無線型のボタンでwifi/BLE通信によりイベント記録するようにするとよい。この場合も煽り運転対策等として有効である。また、上記のボタン操作により後方へRECランプを点滅させて、例えばドライブレコーダで記録中であると分かるよう警報すると、煽り運転の抑止に繋がると考えられる。
また、高速道路上であって、前方に車両がない状態であり、かつ、車両が停車した際には、高速道路での停車は禁止である旨の報知を自車両の車内に向けて行うとよい。
また、上記の各実施例およびこれらの変形例にかかるシステムにおける機能をコンピュータにより実行可能なプログラムとするとよい。
このようにすれば、コンピュータに該プログラムをインストールして、上記の各実施例およびこれらの変形例の各形態にかかる各機能を発揮させることにより、安全運転の遂行を実現することができる。
「コンピュータ」は、PCに限らず、マイクロコンピュータ制御により実行可能な電子機器、例えば、モバイル機器、携帯電話機、ドライブレコーダ、カーナビ用の電子機器や再生用電子機器、さらに各種通信端末に本発明を適用することができる。
また、上記の各実施例およびこれらの変形例にかかるシステムにおける機能をコンピュータにより実行可能なプログラムを記憶した記憶媒体とするとよい。
このようにすれば、コンピュータに該記憶媒体からプログラムをインストールして、上記の各実施例およびこれらの変形例の形態の各形態にかかる作用効果を発揮させることにより、安全運転の遂行を実現することができる。
[その他の拡張例等]
上述の各実施例および各変形例は例示であり、各実施例および各変形例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、また、各実施例および各変形例に記載の各構成要素は、任意に組み合わせるとよい。例えば、コントローラ130は、各実施例および各変形例のうちのいずれか一の処理と他の処理とを並行して(例えばマルチタスク等で)実行するようにしてもよい。
また、課題を解決する手段に記載の発明や各構成要素を、各実施例および各変形例の各構成要素の組み合わせにさらに適用してもよい。複数の実施例および複数の変形例の同様の構成による同様の作用効果については実施例および変形例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
100 ドライブレコーダ
112,115,124 操作ボタン
130 コントローラ
141 フロントカメラ
146 スピーカ
149 通信回路
241 リアカメラ

Claims (23)

  1. 移動体の挙動を観測する観測手段と、
    前記観測手段により観測された第1の移動体と第2の移動体との位置関係の時間的な変化に基づいて、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う処理実行機能を有する制御手段と、
    を備えることを特徴とするシステム。
  2. 前記処理実行機能は、前記第1の移動体および前記第2の移動体の相対速度の変化と、前記第1の移動体および前記第2の移動体の相対加速度の変化との少なくとも一方に基づいて、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う機能を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記観測手段は、前記第1の移動体の後方または前方の前記第2の移動体を観測対象とし、
    前記処理実行機能は、
    前記相対速度の変化と前記相対加速度の変化との少なくとも一方に基づいて、現時点から前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突までの時間を推定する推定機能と、
    推定された時間が所定の時間内である場合、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があると判断する判断機能と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシステム。
  4. 前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、
    前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があることが判断されると、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
  5. 前記観測手段は、前記第1の移動体の後方を撮像可能な撮像装置を備えるとともに、前記第1の移動体の後方の前記第2の移動体を観測対象とし、
    前記制御手段は、前記撮像装置により撮像された撮像画像を記録する記録機能をさらに有しており、
    前記記録機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があることが判断されると、前記撮像画像の記録を開始する機能を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
  6. 前記観測手段は、前記第1の移動体の後方の前記第2の移動体を観測対象とし、
    前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性があるとの判断結果が複数回得られると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
  7. 前記観測手段は、前記第1の移動体の前方の前記第2の移動体を観測対象とし、
    前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、
    前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第1の移動体の加速が検出されると、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシステム。
  8. 前記観測手段は、前記第1の移動体の前方の前記第2の移動体を観測対象とし、
    前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、
    前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体の減速が検出されると、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシステム。
  9. 前記観測手段は、前記第1の移動体の前方の前記第2の移動体を観測対象とし、
    前記制御手段は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突に関する警報を出力可能な報知機能をさらに有しており、
    前記報知機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との間を走行していた第3の移動体が前記第1の移動体の走行車線から離脱した直後において、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内であり且つ前記相対速度または前記相対加速度が正である場合、前記第1の移動体の搭乗者に向けて前記警報を出力する機能を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  10. 前記観測手段は、前記第1の移動体の後方の前記第2の移動体を観測対象とし、
    前記処理実行機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との位置関係の時間的な変化に基づいて、前記第2の移動体に危険運転の可能性があるか否かを判断する判断機能を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシステム。
  11. 前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  12. 前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが複数回検出されると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  13. 前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されたとしても、前記第1の移動体の前方の一定範囲内に他の移動体が存在するときには、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断せず、前記第1の移動体の前方の一定範囲内に他の移動体が存在しないときに、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  14. 前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されたとしても、前記第1の移動体の速度が所定速度よりも遅いときには、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断せず、前記第1の移動体の速度が前記所定速度よりも速いときに、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  15. 前記判断機能は、前記第1の移動体と前記第2の移動体との距離が一定範囲内である場合において、前記第2の移動体が前記第1の移動体の走行車線とその隣接車線との間で左右方向に移動したことが検出されたとしても、前記第2の移動体が方向指示器を点滅させて左右方向に移動したときには、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断せず、前記第2の移動体が方向指示器を点滅させずに左右方向に移動したときに、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  16. 前記観測手段は、前記第1の移動体の前方または後方を撮像した撮像画像を記録可能な撮像装置を有しており、
    前記制御手段は、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断された場合において、前記第2の移動体の搭乗者が降車したことが検出されると、所定の処理を行う機能をさらに有する
    ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  17. 前記観測手段は、前記第1の移動体の前方または後方を撮像した撮像画像を記録可能な撮像装置を有しており、
    前記制御手段は、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断された場合において、前記第1の移動体の搭乗者が降車しようとしていると判断されると、前記撮像装置の撮像範囲内の位置への立ち入りを要求するメッセージを前記搭乗者に向けて報知する報知機能をさらに有する
    ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  18. 前記判断機能は、前記第2の移動体の前側部分が沈み込む姿勢が複数回検出されると、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  19. 前記観測手段は、前記第1の移動体の後方を撮像した撮像画像内の観測対象領域において検知された光に基づいて、前記第2の移動体を観測対象として特定し、
    前記判断機能は、前記観測対象領域を区分した複数の区分領域のうち、検知された光に関する測定値が所定値を超えた区分領域の時間的変化に基づいて、前記第2の移動体に危険運転の可能性があるか否かを判断する機能を有する
    ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  20. 前記システムは、前記観測対象領域に関する設定操作をユーザから受け付ける操作受付手段、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
  21. 前記制御手段は、外部装置と通信可能な通信機能をさらに有しており、
    前記通信機能は、前記第2の移動体に危険運転の可能性があると判断されると、前記第2の移動体に関する情報を前記外部装置に送信する機能を有する
    ことを特徴とする請求項10〜請求項20のいずれか1項に記載のシステム。
  22. 前記処理実行機能は、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)の機能を利用して前記第1の移動体と前記第2の移動体との衝突の可能性に応じた処理を行う機能を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項21のいずれか1項に記載のシステム。
  23. コンピュータに、請求項1〜請求項22のいずれか1項に記載のシステムとしての機能を実現させることを特徴とするプログラム。
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