JP7151883B2 - 操舵制御方法及び操舵制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、操向輪の転舵角を目標転舵角に追従させる操舵反力を付与する走行支援制御中における運転者の操舵操作を容易にすることを目的とする。
本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示した要素及びその組合せを用いて具現化され達成される。前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、単なる例示及び説明であり、特許請求の範囲のように本発明を限定するものでないと解するべきである。
(構成)
図1を参照する。車両制御装置1を搭載する車両(以下、「自車両」と表記する)は、ステアリングホイールと操向輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える。車両制御装置1は、操向輪の転舵角と、ステアリングホイールに与える操舵反力を制御する。
例えば、運転支援制御には、車線維持制御や、先行車の走行軌跡に沿って走行する先行車追従制御、障害物回避のための操舵を補助する操舵補助制御などの操舵支援制御が含まれる。
カメラ16と測距装置17は、自車両の周囲に存在する物体(例えば、他車両、歩行者、車線境界線や車線区分線などの白線、道路上又は道路周辺に設けられた信号機、停止線、標識、建物、電柱、縁石、横断歩道等の地物)、自車両に対する物体の相対位置、自車両と物体との間の相対距離等の自車両の周囲環境を検出する。
測距装置17は、例えば、レーザレンジファインダ(LRF:Laser Range-Finder)、レーダユニット、レーザスキャナユニットであってよい。
カメラ16と測距装置17は、検出した周囲環境の情報である周囲環境情報をナビゲーションシステム7、走行コントローラ8及びコントローラ11へ出力する。
車速センサ18は、自車両の車速Vを検出する。操舵角センサ19は、コラムシャフト回転角、すなわち、ステアリングホイールの実操舵角θs(ハンドル角度)を検出する。
内部センサ3は、例えば自車両に発生する加速度を検出する加速度センサや、自車両の角速度を検出するジャイロセンサを備えてもよい。
内部センサ3は、検出した走行状態の情報である走行状態情報をナビゲーションシステム7、走行コントローラ8及びコントローラ11へ出力する。
道路地図データは、車線境界線や車線区分線などの白線の形状(車線形状)や座標情報、道路や白線の高度、道路上又は道路周辺に設けられた信号機、停止線、標識、建物、電柱、縁石、横断歩道等の地物の座標情報を含む。
道路地図データは、さらに道路種別、道路の勾配、車線数、制限速度(法定速度)、道幅、合流地点の有無等に関する情報を含んでもよい。道路種別には、例えば一般道路と高速道路が含んでよい。
地図データベース5は、ナビゲーションシステム7、及び走行コントローラ8から参照される。
ナビゲーションシステム7、走行コントローラ8及びコントローラ11は、地図データベース5に代えて又は加えて外部の情報処理装置から、通信装置6によって道路地図データを取得してもよい。
例えば自動運転制御では、走行コントローラ8は、ナビゲーションシステム7から出力された経路情報と、外部センサ2で検出された自車両周囲の物体や車線境界線などの周囲環境と、地図データベース5の道路地図データと、内部センサ3が検出した自車両の走行状態に基づいて、走行している車線上における自車両が走行すべき目標走行軌道を設定する。
また、例えば運転支援制御では、走行コントローラ8は、測位装置4による測位結果と、外部センサ2が検出した周囲環境と、地図データベース5の道路地図データと、内部センサ3が検出した自車両の走行状態に基づいて、走行している車線上における自車両が走行すべき目標走行軌道を設定する。
アクセル開度アクチュエータ9は、自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータ10は、自車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
コントローラ11は、プロセッサ20と記憶装置21等の周辺部品とを含む。プロセッサ20は、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
コントローラ11は、走行コントローラ8と一体の電子制御ユニットであってもよく、別個の電子制御ユニットであってもよい。
なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ11を実現してもよい。例えば、コントローラ11はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
コントローラ11は、指令操舵トルクTrを反力アクチュエータ12に発生させる制御信号を第1駆動回路13へ出力し、反力アクチュエータ12を駆動することにより、算出した操舵反力トルクをステアリングホイールへ付与する。
コントローラ11は、算出した指令転舵角を第2駆動回路15に出力し、操向輪の実際の転舵角が指令転舵角となるように転舵アクチュエータ14を駆動する。
転舵部32は、ピニオンシャフト32aと、ステアリングギア32bと、ラックギア32cと、ステアリングラック32dと、転舵アクチュエータ14と、第2駆動回路15と、転舵角センサ35を備える。
転舵制御部36及び反力制御部37の機能は、例えばコントローラ11の記憶装置21に格納されたコンピュータプログラムを、プロセッサ20が実行することによって実現されてよい。
反力アクチュエータ12と、第1駆動回路13と、コントローラ11は、操舵制御装置を形成する。
コラムシャフト31bは、ステアリングホイール31aと一体に回転する。
反力アクチュエータ12は、例えば電動モータであってよい。反力アクチュエータ12は、コラムシャフト31bと同軸上に配置された出力軸を有する。
反力アクチュエータ12は、第1駆動回路13から出力される指令電流に応じて、ステアリングホイール31aに付与する回転トルクをコラムシャフト31bに出力する。回転トルクを付与することによって、ステアリングホイール31aに操舵反力トルクを発生させる。
操舵角センサ19は、コラムシャフト31bの回転角、すなわち、ステアリングホイール31aの実操舵角θsを検出する。
転舵アクチュエータ14は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであってよい。転舵アクチュエータ14の出力軸は、減速機を介してラックギア32cと接続される。
転舵アクチュエータ14は、第2駆動回路15から出力される指令電流に応じて、左右前輪34FL、34FRを転舵するための転舵トルクをステアリングラック32dに出力する。
第2駆動回路15は、転舵角センサ35により検出される実際の転舵角と転舵制御部36からの制御信号が示す指令転舵角とを一致させる角度フィードバックにより、転舵アクチュエータ14への指令電流を制御する。
反力制御部37は、第1操舵反力トルクTr1と第2操舵反力トルクTr2とを算出し、第1操舵反力トルクTr1と第2操舵反力トルクTr2とを合計して指令操舵トルクTr=Tr1+Tr2を算出する。
例えば反力制御部37は、図3Aに示す特性を持つ第1操舵反力トルクTr1を算出する。反力制御部37は、例えば実操舵角θsと車速Vとに基づく操舵反力を第1操舵反力トルクTr1として算出してよい。
これにより、運転者はタイヤ横力に応じた操舵反力を感じることができるので、ステアバイワイヤ式の転舵機構の操舵感覚が向上する。
この結果、第1操舵反力トルクTr1は、目標操舵角θtがステアリングホイール31aの中立位置となるように働く。具体的には例えば、中立位置から右方向への操舵角を正の操舵角として、実操舵角θsが15°であり目標操舵角θtが30°であった場合、実操舵角θsの15°から目標操舵角θtの30°を減算して実操舵角θsをオフセットすると、オフセット後の実操舵角θsは-15°(左方向への操舵角15°)となり、ステアリングホイールには操舵角が-15°の位置から中立位置(操舵角0°の位置)に戻ろうとする操舵反力トルクが付与されて、実操舵角θsと目標操舵角θtとの偏差に応じた操舵反力トルクが付与されることになる。従って、本実施形態においては実操舵角θsを目標操舵角θtでオフセット(減算)した値に応じた操舵反力トルクを付与することによって、実操舵角θsと目標操舵角θtとの偏差(θt‐θs)に応じた操舵反力トルクを付与して、実操舵角θsが目標操舵角θtに追従するように制御している。
したがって、第1操舵反力トルクTr1の大きさは、運転者による操舵操作を阻害しない程度の大きさ(運転者が容易に操舵操作可能な程度の大きさ)に設定する。
そこで反力制御部37は、自動操舵制御中には、実操舵角θsの追従応答性を向上させる第2操舵反力トルクTr2を第1操舵反力トルクTr1に加算して、指令操舵トルクTr=Tr1+Tr2を算出する。
図3Dを参照する。指令操舵トルクTrは、実線の第1操舵反力トルクTr1と破線の第2操舵反力トルクTr2の合計となる。
実操舵角θsの追従応答性を向上させるために、反力制御部37は、角度偏差(θt-θs)の過渡成分を含んだ第2操舵反力トルクTr2を算出してもよい。過渡成分は、例えば、角度偏差(θt-θs)の速度成分(一回微分値)である。
そこで、反力制御部37は自動操舵制御中において、運転者によるステアリングホイール31aの操舵操作が検出されている時には、操舵操作が検出されていない時に比べて、指令操舵トルクTr(すなわち角度偏差に応じた操舵反力)を低減する。これにより自動操舵制御中において、実操舵角θsの目標操舵角θtへの十分な追従応答性を得ると共に運転者による操舵操作が容易になる。
しかし、第1操舵反力トルクTr1を低減すると、手動運転時の操舵反力とは異なる操舵反力になるため、運転者に違和感を与えるおそれがある。
また、目標操舵角θtによるオフセット量を低減する(すなわち実操舵角θsと目標操舵角θtとの偏差を小さくする)ことにより目標操舵角θtの方へ実操舵角θsを向かわせる操舵反力トルクを低減することが考えられるが、自車両の目標走行軌道に沿った走行が困難となる。
さらに、操舵操作が検出されている時でも、操舵操作が検出されていない時の第1操舵反力トルクTr1を保持する。
第1操舵反力トルク算出部40は、実操舵角θsと、目標操舵角θtと、車速Vと、走行コントローラ8が生成した第1制御ゲインG1とに基づいて、第1操舵反力トルクTr1を算出する。
加算器60は、第1操舵反力トルクTr1と第2操舵反力トルクTr2を加算して指令操舵トルクTrを算出し、第1駆動回路13へ出力する。
走行コントローラ8は、自動操舵制御がオン又はオフのいずれかであるか、運転者による操舵操作が検出されているか否か、自動操舵制御の信頼性に応じて、第1制御ゲインG1の大きさを決定する。
一方で、時刻t13において運転者又は走行コントローラ8が自動操舵制御をオフにすると、走行コントローラ8は、時刻t13から時刻t14に亘って第1制御ゲインG1を「1」から「0」まで漸減する。
走行コントローラ8は、例えば外部センサ2によって検出される自車両の周囲環境、内部センサ3によって検出される自車両の走行状態、外部センサ2及び内部センサ3の健全性、走行シーン、天候、時刻等に基づいて、自動操舵制御の信頼性を算出する。
図6Cを参照する。例えば時刻t31において運転者が自動操舵制御をオンにしても、自動操舵制御の信頼性が所定の許容値よりも低い場合、走行コントローラ8は、自動操舵制御を中止し、時刻t32において第1制御ゲインG1を減少させ、時刻t33において最小値「0」に戻してもよい。
走行コントローラ8は、例えば、反力アクチュエータ12の出力トルクに基づいて運転者による操舵トルクを算出し、運転者による操舵操作を検出する。すなわち、反力アクチュエータ12の出力トルクに対するステアリングホイールの操舵角の変化に基づいて運転者による操舵操作を検出することが可能である。なお、運転者による操舵操作の検出はこれに限らず、例えば運転者によってステアリングホイールに入力される操舵トルクを直接検出するトルクセンサを設けて、トルクセンサの検出値によって運転者による操舵操作を検出することも可能であり、運転者による操舵操作の検出は適宜公知の手法が適用可能である。
走行コントローラ8は、時刻t41から時刻t42に亘って第1制御ゲインG1を「1」から「α」まで漸減する。
ゲイン設定部41は、第1制御ゲインG1に基づいて第2制御ゲインG2を設定する。第2制御ゲインG2は、目標操舵角θtによる実操舵角θsのオフセット量を制御するゲインであり、乗算器42によって目標操舵角θtに乗算される。
減算器44は、第2制御ゲインG2を乗算した目標操舵角θt(G2×θt)によって実操舵角θsをオフセットする。
ステアバイワイヤ反力算出部45は、オフセットされた実操舵角θsと車速Vとに基づく操舵反力を、第1操舵反力トルクTr1として算出する。
第1制御ゲインG1及び第2制御ゲインG2の両方が「0」である状態から第1制御ゲインG1が増加すると、ゲイン設定部41は、第2制御ゲインG2を第1制御ゲインG1と同じ値に設定し、第1制御ゲインG1とともに第2制御ゲインG2を増加させる。
自動操舵フラグFLGの値「1」は、第1制御ゲインG1が「1」に至った後に未だに第1制御ゲインG1が「0」に至ってないことを示す。
反対に自動操舵フラグFLGの値「0」は、第1制御ゲインG1が「0」に至った後に未だに第1制御ゲインG1が「1」に至ってないことを示す。
図8A及び図8Bの例では、時刻t52において第1制御ゲインG1及び第2制御ゲインG2が「1」になり、自動操舵フラグFLGの値が「0」から「1」へ変わる。
図8A及び図8Bの例では、時刻t53において走行コントローラ8が、運転者による操舵操作を検出して第1制御ゲインG1を「1」より小さな「α」に低減する。
このため自動操舵中に運転者による操舵操作が検出されている時に、実操舵角θsのオフセット量は、運転者による操舵操作が検出されていない時の値(目標操舵角θt)に保持される。
図8A及び図8Bの例では、時刻t54において運転者又は走行コントローラ8が自動操舵制御をオフにすると、第1制御ゲインG1が減少して時刻t55において「0」に至る。
すると、自動操舵フラグFLGの値が「1」から「0」へ変わって第2制御ゲインG2が減少を開始し、時刻t56において「0」に至って第1制御ゲインG1と等しくなる。これにより実操舵角θsのオフセット量は、自動操舵制御がオンからオフへ遷移する場合に「0」まで低減される。
例えば、図9A及び図9Bに示すように時刻t61にて運転者が自動操舵制御をオンにしても自動操舵制御の信頼性が低いために第1制御ゲインG1が「1」に至らないと、第2制御ゲインG2は、走行コントローラ8が設定した第1制御ゲインG1に応じて設定される。
運転者又は走行コントローラ8が自動操舵制御をオフにして、時刻t71において第1制御ゲインG1が「0」に至ると、自動操舵フラグFLGの値が「1」から「0」へ変わり第2制御ゲインG2が減少を開始する。時刻t71から時刻t72までの期間では、第2制御ゲインG2が第1制御ゲインG1よりも大きいため、第2制御ゲインG2が減少を続ける。
その後に自動操舵制御がオンになり第1制御ゲインG1が増加を開始し、時刻t72において第2制御ゲインG2が第1制御ゲインG1と等しくなると、その後は、第1制御ゲインG1が「1」に至るまで、第2制御ゲインG2と第1制御ゲインG1が等しくなる。
目標操舵角θtは、レートリミッタ51によって変化速度が制限された後に減算器52に入力される。減算器52は、目標操舵角θtと実操舵角θsとの角度偏差(θt-θs)を算出する。偏差角リミッタ53は、角度偏差(θt-θs)の上下限値を制限する。
サーボ制御部54は、角度偏差(θt-θs)の過渡成分を含んだ回転トルクTr2*を算出してもよい。これにより実操舵角θsの追従応答性を向上できる。例えば、サーボ制御部54は、PDサーボ制御(比例微分サーボ制御)により回転トルクTr2*を算出してもよい。すなわち、回転トルクTr2*は、角度偏差(θt-θs)の比例成分と微分成分を含んでもよい。
このため、自動操舵制御がオンからオフへ遷移する場合に第1制御ゲインG1が「0」まで低下すると、第2操舵反力トルクTr2は第1制御ゲインG1に応じて「0」まで低減される。
また、運転者による操舵操作が検出されている時に第1制御ゲインG1が「α」まで低下すると、第2操舵反力トルクTr2は第1制御ゲインG1に応じて操舵操作が検出されていない時よりも低減される。
次に、図12を参照して実施形態の操舵制御方法の一例を説明する。
ステップS1において操舵角センサ19は、ステアリングホイール31aの実操舵角θsを検出する。
ステップS2において走行コントローラ8は、目標走行軌道に沿って自車両を走行させるための目標操舵角θtを算出する。
ステップS4において走行コントローラ8は、第1制御ゲインG1を算出する。
上述の通り、運転者による操舵操作が検出されている時の第1制御ゲインG1は、操舵操作が検出されていない時の値「1」よりも小さな値「α」に設定される。また、自動操舵制御がオンからオフへ遷移する場合には第1制御ゲインG1は「1」から「0」へ減少する。
上述の通り、運転者による操舵操作が検出されている時の第2制御ゲインG2は、操舵操作が検出されていない時の値「1」に保持される。また、自動操舵制御がオンからオフへ遷移する場合には第2制御ゲインG2は「1」から「0」へ減少する。
ステップS7においてステアバイワイヤ反力算出部45は、オフセットされた実操舵角θsと車速Vとに基づいて第1操舵反力トルクTr1を算出する。
ステップS10においてコントローラ11は、自車両のイグニッションスイッチ(IGN)がオフになったか否かを判定する。イグニッションスイッチがオフになっていない場合(ステップS10:N)に処理はステップS1に戻る。イグニッションスイッチがオフになった場合(ステップS10:Y)に処理は終了する。
ステップS20においてゲイン設定部41は、第1制御ゲインG1が「0」であるか否かを判定する。第1制御ゲインG1が「0」である場合(ステップS20:Y)に処理はステップS21へ進む。第1制御ゲインG1が「0」でない場合(ステップS20:N)に処理はステップS25へ進む。
ステップS23においてゲイン設定部41は、第2制御ゲインG2を低減させる。その後に第2制御ゲインG2算出ルーチンを終了する。
ステップS24においてゲイン設定部41は、自動操舵フラグFLGの値を「0」に設定する。その後に処理はステップS23に進み、第2制御ゲインG2を前回値「1」から低減した値に設定する。その後に第2制御ゲインG2算出ルーチンを終了する。
一方で、ステップS26において自動操舵フラグFLGの値が「0」でない場合(ステップS26:N)には、第2制御ゲインG2を前回値「1」から変更することなく第2制御ゲインG2算出ルーチンを終了する。
ステップS31においてゲイン設定部41は、第2制御ゲインG2が第1制御ゲインG1よりも大きいか否かを判定する。第2制御ゲインG2が第1制御ゲインG1よりも大きい場合(ステップS31:Y)に処理はステップS23へ進む。第2制御ゲインG2が第1制御ゲインG1よりも大きくない場合(ステップS31:N)に処理はステップS32へ進む。
ステップS32においてゲイン設定部41は、第2制御ゲインG2を第1制御ゲインG1と同じ値「1」に設定する。その後に第2制御ゲインG2算出ルーチンを終了する。
(1)自車両は、ステアリングホイール31aと操向輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える。操舵角センサ19は、ステアリングホイールの実操舵角θsを検出する。走行コントローラ8は、操向輪の目標転舵角に基づいて前記ステアリングホイールの目標操舵角を算出する。反力制御部47、第1駆動回路13及び反力アクチュエータ12は、実操舵角θsと目標操舵角θtとの間の角度偏差(θt-θs)に応じてステアリングホイールに操舵反力を付与する。走行コントローラ8は、運転者によるステアリングホイール31aの操舵操作を検出する。反力制御部47は、運転者による操舵操作が検出されている時に、運転者による操舵操作が検出されていない時に比べて、角度偏差に応じた操舵反力を低減する。
これにより、角度偏差(θt-θs)の過渡成分を含んだ第2操舵反力Tr2を加えることにより、自動操舵制御における実操舵角θsの追従応答性を向上するとともに、運転者による操舵操作が検出されている場合には第2操舵反力Tr2を低減することにより運転者の操舵操作を容易にできる。
これにより、第2操舵反力Tr2の急変による操舵フィーリングの低下を回避できる。
これにより運転者による操舵操作が検出されている時に、ステアリングホイール31aの中立位置(操舵反力トルクが0となる位置)を目標操舵角θtにする操舵反力を維持しつつ運転者の操舵操作を容易にできる。
これにより、運転者はタイヤ横力に応じた操舵反力を感じることができるので、ステアバイワイヤ式の転舵機構の操舵感覚が向上するとともに、自動操舵制御において目標操舵角θtに対する実操舵角θsの追従応答性を向上できる。
Claims (5)
- ステアリングホイールと操向輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える車両の操舵制御方法であって、
前記ステアリングホイールの実操舵角を検出し、
前記操向輪の目標転舵角に基づいて前記ステアリングホイールの目標操舵角を算出し、
前記ステアリングホイールに操舵反力を付与し、
運転者による前記ステアリングホイールの操舵操作を検出し、
前記操舵反力を、前記実操舵角と前記目標操舵角との間の角度偏差に応じた第1操舵反力と、前記角度偏差の過渡成分を含んだ第2操舵反力とを加算して生成し、
前記運転者による操舵操作が検出されている時に、前記運転者による操舵操作が検出されていない時に比べて前記第2操舵反力のみを低減する、
ことを特徴とする操舵制御方法。 - 前記運転者による操舵操作が検出されていない状態から前記運転者による操舵操作が検出されている状態に変化した場合に、前記運転者による操舵操作が検出された時点からの経過時間に応じて前記第2操舵反力を漸減する、ことを特徴とする請求項1に記載の操舵制御方法。
- 前記目標操舵角により前記実操舵角をオフセットし、オフセットされた前記実操舵角の値に応じて前記第1操舵反力を算出し、
自動操舵制御中に前記運転者による操舵操作が検出されている時に、前記第2操舵反力を低減するとともに前記オフセット量を前記運転者による操舵操作が検出されていない時の値に保持する、
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の操舵制御方法。 - 前記オフセットされた実操舵角と前記車両の車速とに基づくタイヤ横力に応じた操舵反力を前記第1操舵反力として算出し、
前記角度偏差の比例微分制御により前記第2操舵反力を算出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の操舵制御方法。 - ステアリングホイールと操向輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える車両の操舵制御装置であって、
前記ステアリングホイールに操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
前記反力アクチュエータを駆動する駆動回路と、
前記ステアリングホイールの実操舵角を検出し、前記操向輪の目標転舵角に基づいて目標操舵角を算出し、前記実操舵角と前記目標操舵角とに応じた操舵反力を前記反力アクチュエータに発生させる制御信号を前記駆動回路へ出力するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記操舵反力を、前記実操舵角と前記目標操舵角との間の角度偏差に応じた第1操舵反力と、前記角度偏差の過渡成分を含んだ第2操舵反力とを加算して生成し、
前記運転者による操舵操作が検出されている時に、前記運転者による操舵操作が検出されていない時に比べて前記第2操舵反力のみを低減する、
ことを特徴とする操舵制御装置。
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