JP7150494B2 - 疲労感改善剤 - Google Patents

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Description

IPOD FERM BP-11530
本発明は、疲労感改善剤に関する。
疲労は、過度の活動、ストレス、疾患等の種々の要因によって生じるものであり、現代人の多くが日常的に感じているといわれている。疲労は、活動効率の低下を引き起こし、また疾患の誘発要因にもなり得る。また、疲労の恒常的な持続は、これらの問題をより一層悪化させることになる。このため、疲労の改善、特により早期の改善が重要である。
ユーグレナは、ミドリムシ属(=ユーグレナ属)に属する微細藻類であり、食品材料として利用されている。また、ユーグレナ抽出物を皮膚に適用することも行われている(特許文献1)。
特開第2008-526954号公報
本発明は、疲労感改善剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、ユーグレナが、疲労感改善作用を有することを見出した。この知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明が完成した。
すなわち、本発明は、下記の態様を包含する:
項1. ユーグレナ及び/又はパラミロンを含有する、疲労感改善剤.
項2. 前記ユーグレナがユーグレナ・グラシリスである、項1に記載の疲労感改善剤.
項3. 前記ユーグレナがユーグレナ・グラシリスEOD-1株(受託番号FERM BP-11530)である、項1又は2に記載の疲労感改善剤.
項4. 前記パラミロンがユーグレナ・グラシリス由来のパラミロンである、項1に記載の疲労感改善剤.
項5. 前記パラミロンがユーグレナ・グラシリスEOD-1株(受託番号FERM BP-11530)由来のパラミロンである、項1又は4に記載の疲労感改善剤.
項6. ねむけ感改善、不安定感改善、不快感改善、だるさ感改善、目のぼやけ感改善、肩こり及び/又は腰痛改善、並びに満足感向上からなる群より選択される少なくとも1種のために用いられる、項1~5のいずれかに記載の疲労感改善剤.
項7. 食品組成物である、項1~6のいずれかに記載の疲労感改善剤.
項8. 栄養補助食品である、項1~7のいずれかに記載の疲労感改善剤.
項9. 食品添加剤である、項1~6のいずれかに記載の疲労感改善剤.
本発明によれば、疲労感改善剤を提供することができる。これにより、疲労感の各種症状の改善、例えばねむけ感改善、不安定感改善、不快感改善、だるさ感改善、目のぼやけ感改善、肩こり及び/又は腰痛改善、満足感向上等を図ることができる。
試験例1の試験デザイン及び試験フローを示す。図中、対照食はコーンスターチを含有するカプセル錠であり、試験食はユーグレナ乾燥粉末を含有するカプセル錠である。 自覚症しらべによる疲労感の評価用アンケート用紙を引用して示す。 自覚症しらべによる疲労感の各評価項目別のスコアを示す。0Wは対照食及び試験食の摂取前であり、2Wは対照食摂取後であり、4Wは試験食摂取後である(以下の図においても同様である)。 自覚症しらべによる疲労感の総スコアを示す。 PVT検査における平均反応時間を示す。横軸中、試験回数1回目は試験開始から0~5分間の測定結果を示し、試験回数2回目は試験開始から5~10分間の測定結果を示し、試験回数3回目は試験開始から10~15分間の測定結果を示し、試験回数4回目は試験開始から15~20分間の測定結果を示し、試験回数5回目は試験開始から20~25分間の測定結果を示す。 PVT検査における、反応時間500ms以上となった回数の平均値を示す。横軸中、試験回数1回目は試験開始から0~5分間の測定結果を示し、試験回数2回目は試験開始から5~10分間の測定結果を示し、試験回数3回目は試験開始から10~15分間の測定結果を示し、試験回数4回目は試験開始から15~20分間の測定結果を示し、試験回数5回目は試験開始から20~25分間の測定結果を示す。 被験者全体についての、気分プロフィール検査(POMS2)による疲労感スコア(疲労-無気力(FI)のスコア:縦軸)を示す。横軸中、「摂取前」は試験食摂取開始前に測定した結果を示し、「摂取後」は試験食摂取終了後に測定した結果を示す。各プロット上のバーは標準誤差を示す。***はp<0.001であることを示す。 運動群についての、気分プロフィール検査(POMS2)による疲労感スコア(疲労-無気力(FI)のスコア:縦軸)を示す。横軸については図7と同様である。各プロット上のバーは標準誤差を示す。**はp<0.01であることを示す。 一般群についての、気分プロフィール検査(POMS2)による疲労感スコア(疲労-無気力(FI)のスコア:縦軸)を示す。横軸については図7と同様である。各プロット上のバーは標準誤差を示す。*はp<0.05であることを示す。 疲労感について、VAS法によるアンケート結果を示す。縦軸は自己評価スコアについての、摂取前を1とした時の値を示す。横軸中、「摂取前」は試験食または対照食摂取開始前に測定した結果を示し、「摂取後」は試験食または対照食摂取終了後に測定した結果を示す。各プロット上のバーは標準誤差を示す。*はp<0.05であることを示し、**はp<0.01であることを示す。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本発明は、その一態様において、ユーグレナ及び/又はパラミロンを含有する、疲労感改善剤(本明細書において、「本発明の剤」と示すこともある。)に関する。以下に、これについて説明する。
1.ユーグレナ
ユーグレナは、ミドリムシ属(=ユーグレナ属)に属する微細藻類であり、その限りにおいて特に制限されない。ユーグレナとして、具体的には、例えばEuglena gracilis(ユーグレナ・グラシリス)、Euglena longaEuglena caudataEuglena oxyurisEuglena tripterisEuglena proximaEuglena viridisEuglena sociabilisEuglena ehrenbergiiEuglena desesEuglena pisciformisEuglena spirogyraEuglena acusEuglena geniculataEuglena intermediaEuglena mutabilisEuglena sanguineaEuglena stellataEuglena terricolaEuglena klebsiEuglena rubraEuglena cyclopicolaなどが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより確実に発揮できるという観点から、好ましくはユーグレナ・グラシリスが挙げられ、より好ましくはユーグレナ・グラシリスEOD-1株[2013年6月28日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター{NITE-IPOD(郵便番号292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)}にブダペスト条約の規定下で、受託番号FERM BP-11530として国際寄託済み]が挙げられる。
ユーグレナの形態は、ユーグレナの細胞体又はその成分の大半を含むものである限り、特に制限されない。ユーグレナの形態としては、例えばユーグレナの乾燥粉末形態、ユーグレナの懸濁液、ユーグレナエキス等が挙げられ、中でも、好ましくはユーグレナの乾燥粉末形態が挙げられる。
ユーグレナの乾燥状態におけるパラミロン含有率は、例えば50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
ユーグレナは、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
2.パラミロン
パラミロンは、ユーグレナ由来のβ-1,3-グルカンであり、その限りにおいて特に制限されない。
パラミロンが由来するユーグレナについてはは、上記「1.パラミロン」における説明と同様である。
パラミロンの質量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1×104~5×106、好ましくは2×104~1×106、より好ましくは5×104~1×106、さらに好ましくは1×105~5×105である。
なお、質量平均分子量は、SEC-MALS分析により、以下の条件で測定 することができる:
SEC装置:LC-10AVP system(Shimadzu Co.、日本)、
使用カラム:KD-806M(shodex.、日本)、
MALS検出器:DAWN HELEOSII(wyatt Technologies.、U.S.A.)、
溶離液:1%LiCl/DMI、
流速:0.5 mL/分。
パラミロンは、ユーグレナの細胞内において、通常、β-1,3-グルカン鎖が形成する3重螺旋構造体が一定の規則性の基に高度に集積してなるパラミロン粒子として存在している。本発明の効果をより確実に発揮できるという観点から、パラミロンとして、パラミロン粒子を好ましく用いることができる。
パラミロン粒子の形状は、特に制限されないが、通常は、偏平な回転楕円体状である。
パラミロン粒子の粒子径分布は、特に制限されないが、例えば0.5~15μm、好ましくは1~6μmである。また、パラミロン粒子の平均粒子径も特に制限されないが、例えば1~10、好ましくは2~4μmである。
パラミロンの形態は、パラミロンを含むものである限り、特に制限されない。ユーグレナの形態としては、例えばパラミロンの乾燥粉末形態、パラミロンの懸濁液等が挙げられ、中でも、好ましくはパラミロンの乾燥粉末形態が挙げられる。
パラミロンは、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
3.ユーグレナ及びパラミロンの製造方法
ユーグレナは、液体に含まれたユーグレナを培養する工程(培養工程)を含む方法により、大量に調製することが可能である。培養工程は、例えば公知の方法(例えば、特許第5883532号公報に記載の方法)に従って行うことができる。該培養工程では、典型的には、水と、ユーグレナと、ユーグレナが利用できる栄養素とを含む液体(培養液)を撹拌しつつ好気条件でユーグレナ属微細藻類を培養する。
栄養素としては、糖類(グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)などの単糖類、又は、スクロース(ショ糖)、マルトース(麦芽糖)などの二糖類)、ミネラル類(例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、モリブデン、銅、リン、窒素、硫黄、又は、ホウ素など)、ビタミンB類(例えばビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、又はピリドキサミン)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、葉酸、ビオチンなど)などが挙げられる。培養液中の栄養素の濃度は、ユーグレナの生存、増殖等が可能な濃度である限り特に制限されない。
培養工程の光条件は特に制限されず、培養工程は明条件と暗条件のいずれで行われてもよい。従属栄養培養にて培養する際には暗条件で培養される。明条件としては、藻類を増殖させるための通常の光強度を採用することができる。暗条件としては、例えば10μmol/m2/s未満、好ましくは光が全く当たらない完全な暗所条件が挙げられる。
培養工程における培養温度は、ユーグレナが増殖できる温度であれば、特に限定されない。該培養温度(培養液の温度)としては、例えば、20℃~35℃が採用される。
培養工程における液体のpHは、ユーグレナが増殖できるpHであれば、特に限定されない。ユーグレナが増殖できるpHとしては、例えば3.0~5.5が採用される。
培養工程の後に、液体の遠心分離や重力分離などによってユーグレナを濃縮することが好ましい。得られたユーグレナは、所望の形態に応じて、追加の処理(例えば、液体への懸濁、水中又は油中への分散、エキス抽出、乾燥粉末化等)に供することができる。
パラミロン粒子は、公知の方法(例えば特許第5883532号公報に記載の方法)に従って又は準じて、ミドリムシから分離、単離、又は精製することによって製造することができる。パラミロン粒子は、例えばミドリムシの細胞膜を破壊することによって得られる細胞内容成分を回収することによって、容易に得ることができる。また、必要に応じて、パラミロン粒子を精製してもよい。パラミロン粒子の精製については各種知られており(例えば、特許第5883532号公報)、それらの方法に従って行うことができる。精製工程としては、例えば、界面活性剤処理工程、洗浄工程などが挙げられる。得られたユーグレナは、所望の形態に応じて、追加の処理(例えば、液体への懸濁、水中又は油中への分散、乾燥粉末化等)に供することができる。
4.用途
ユーグレナは、疲労感改善作用を有することから、疲労感改善剤の有効成分として利用することができる。ユーグレナは、疲労感の中でも、特に、何らかの運動によって生じる疲労ではなく、日常的に感じる疲労感の改善に有用である。
また、ユーグレナは、疲労感の各種症状の改善、例えば、以下に列挙する用途:
(A)ねむけ感改善
(B)不安定感改善
(C)不快感改善
(D)だるさ感改善
(E)目のぼやけ感改善
(F)肩こり及び/又は腰痛改善
(G)満足感向上
に利用することができる。
ユーグレナは、好ましくは、その疲労感改善作用に基づいて、上記用途(A)~(G)の内の複数(2~7つ、より好ましくは3~7つ、さらに好ましくは4~7つ、よりさらに好ましくは5~7つ、よりさらに好ましくは6~7つ、特に好ましくは7つ全て)の用途を含む包括的な用途に利用することができる。
さらには、以下に列挙する用途、目的、対象:
(a)イライラ・不快感を減らします
(b)だるさ・疲労感を減らします
(c)事務作業の後の疲労感を軽減します
(d)日常生活における、疲労感を軽減します
(e)事務作業後の目のぼやけ感の低減に
(f)日常生活における、目のぼやけ感の低減
(g)目の疲労感改善/緩和
(h)上記(e)~(g)からなる群より選択される少なくとも1つによる肩こり・腰痛
(i)疲れ目の症状に
(j)だるさ、頭が重いなどの不快感に
(k)目が乾く方
(l)目が痛い方
(m)目が疲れやすい方
(n)目がしょぼつく方
(o)ものがぼやける方
に利用することができる。
なお、「改善」とは、症状又は状態の好転又は緩和、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、症状又は状態の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
本発明の適用対象は、例えば、日常的に高強度の運動を行っている者、日常的には運動を行っていない者等、特に制限されない。該対象は、好ましくは、日常的に高強度の運動を行っている者である。「日常的に高強度の運動を行っている」の程度については、例えば、好ましくは8METs×1回/週以上、より好ましくは8METs×3回/週以上である。
MET(metabolic equivalent)は運動強度の単位であり、快適な温度の条件で測定した活動時のエネルギー消費量を座位安静時の代謝量(3.5mL/kg/分)で除した値である。
本発明の剤は、各種分野において、例えば食品添加剤、食品組成物(健康食品、健康増進剤、栄養補助食品(サプリメントなど)を包含する)、医薬、化粧品、飼料などとして用いることができる。
本発明の剤は、通常は経口摂取されるが、これに限定されるものではない。
本発明の剤の形態は、特に限定されず、用途に応じて、各用途において通常使用される形態をとることができる。
本発明の剤の形態としては、用途が食品添加剤、医薬、健康増進剤、栄養補助食品(サプリメントなど)などである場合は、例えば錠剤(口腔内側崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゼリー剤などが挙げられる。
本発明の剤の形態としては、用途が食品組成物の場合は、液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、茶、スープ、豆乳などの飲料、サラダ油、ドレッシング、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、ケーキミックス、乳製品(例えば、粉末状、液状、ゲル状、固形状等)、パン、菓子(例えば、クッキー等)などが挙げられる。
本発明の剤は、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、食品添加剤、食品組成物、医薬、健康増進剤、栄養補助食品(サプリメントなど)、化粧品、飼料などに配合され得る成分である限り特に限定されるものではないが、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、着色料、香料、キレート剤などが挙げられる。
本発明の剤におけるユーグレナの含有量は、用途、使用態様、適用対象の状態などに左右されるものであり、限定はされないが、例えば0.0001~100質量%、好ましくは0.001~50質量%とすることができる。
本発明の剤の適用(例えば、投与、摂取、接種など)量は、薬効を発現する有効量であれば特に限定されず、通常は、ユーグレナの乾燥重量として、一般に一日あたり0.1~10000 mg/kg体重である。上記適用量は1日1回以上(例えば1~3回)に分けて適用するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減することもできる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
製造例1
ユーグレナ・グラシリスEOD-1株(独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE-IPOD)の乾燥粉末(神鋼環境ソリューション製、パラミロン含有率70%以上)
を下記配合でカプセル錠としたものを試験食とし、対照食としてコーンスターチを配合したカプセル錠を製造した。
Figure 0007150494000001
試験例1
試験概要は以下のとおりである。また、試験デザイン及び試験フローを図1に示す。図1中、対照食及び試験食は製造例1で製造したカプセル錠である。
・試験期間 : 対照食2週間、試験食2週間
・試験食の摂取量 : ユーグレナ乾燥粉末換算で 500mg/day
・対照食の摂取量 : 試験食と同量
・被験者 : 男性3名( Age 39.7歳、BMI 22)
<被験者の選択>
同意を取得した被験者候補に、スクリーニング検査として便通、疲労等に関するアンケートを行った。スクリーニング検査の結果から、下記選択基準を満たし、便通不良と疲労の自覚があり、且つ下記のいずれの除外基準にも抵触しない適格な者(3名)を選択した。
選択基準
(1) 年齢が20歳以上60歳未満の男性の方
(2) 週の排便回数が週に5日以下の方
(3) 疲労やストレスを感じておられる方
(4) 健康な方で、現在何等かの疾患で治療をしていない方
(5) 非喫煙者の方
除外基準
(1) 現在、何等かの慢性疾患を患い薬物治療を受けている方
(2) 食品にアレルギー症状を示す恐れのある方
(3) 便秘薬、整腸薬および排便訴求のサプリメント類を日常的に摂取している方(難消化性デキストリン、オリゴ糖、食物繊維リッチなど)
(4) 重篤な疾患の既往歴・現病歴のある方
(5) 高度の貧血のある方
(6) 過去4週間以内に、健康食品を変更した方、あるいは新たに使い始めた方
(7) 過去4週間以内に、屋外での長時間の作業、運動、海水浴、レジャーなど、日常生活を超えて紫外線を浴びた方、あるいは試験期間中にその予定がある方
(8) 夜勤および昼夜交代制のお仕事の方
(9) 同意取得時に、病気の治療や予防等のために病院やクリニックに通って処置(ホルモン補充療法、薬物療法、運動療法、その他)を受けている方、あるいは治療が必要と判断される方
(10) 糖代謝、脂質代謝、肝機能、腎機能、心臓、循環器、呼吸器、内分泌系、神経系の重篤な疾患あるいは精神疾患の既往歴をお持ちの方
(11) アルコールおよび薬物依存の既往歴をお持ちの方
(12) 化粧品および食品に対してアレルギーの発症の恐れがある方
(13) 同意取得日前4週間以内に、他のヒト試験に参加している方、あるいはこの試験の実施予定期間中に他のヒト試験に参加する予定がある方
<試験内容>
選択した被験者について、摂取開始前(以下、0w)検査として、ベースラインの測定を行った。まず、被検者にコップ1杯の水を摂取させた後に環境試験室にて20分間以上安静待機させることにより、被検者を馴化した。馴化後、被検者にうがいをさせてから、検査(PVT検査、及びアンケート)を行った。検査終了後、対照食を被験者へ手渡し、摂取方法を説明し、規定日から摂取を開始させた。
対照食の摂取期間は2週間とし、摂取開始から摂取2週後(2wと略)の検査日に試験実施機関に来場させ、0w検査と同様に検査を実施した。検査終了後、試験食を被験者へ手渡し、規定日から摂取を開始させた。
試験食の摂取期間は2週間とし、摂取開始から摂取2週間後(4wと略)の検査日に試験実施機関に来場させ、0w及び2w検査と同様に検査を実施した。
また、被験者には摂取期間を通して試験食の摂取状況や体調の変化などを日誌に記録させ、各検査日に記入済みの日誌を回収した。なお、毎回の検査は、おおむね同じ時間帯に行った。
<検査項目>
(1) PVT(Psychomoter Vigilance Task, 精神負荷タスク)検査 表示器の点灯に対する反応時間を経時的に測定し、疲れによる履行能力の変化を評価した。試験には米国A.M.I社製の精神動態覚醒水準課題テストプログラムを用いた。画面上に繰り返し表示される課題に対する被験者の反応時間(点灯に対する反応時間)を測定した。1回5分間の課題を行い、これを連続して5回行った(合計25分間)。
(2) アンケート
(2-1) 疲労感の評価。日本産業衛生学会産業疲労研究会が公開している「自覚症調べ」を用いた。本アンケートのアンケート用紙の内容を図2において引用する。該アンケートの質問事項と、各評価項目との対応関係を表2に示す。
Figure 0007150494000002
<試験結果>
(a) 自覚症しらべ疲労感の評価結果
自覚症しらべによる疲労感の各評価項目別のスコアを図3に示し、総スコアを図4に示す。
図3及び4に示されるように、ユーグレナ摂取により、自覚的疲労感を示す諸項目(ねむけ、不安定、不快感、だるさ感、ぼやけ、合計)が低減された。このことから、ユーグレナが疲労低減作用を有することが示唆された。
(b) 集中力の評価結果
PVT検査における、5分ごとの平均反応時間と反応時間500ms以上となった回数の3人の平均値を、図5及び6に示す。
図5及び6に示されるように、ユーグレナ摂取により、集中力が向上し、さらにその持続時間がより長くなった。これらの結果は、疲労感が改善したことによる結果であると考えられた。
試験例2
試験概要は以下のとおりである。
・試験食接取期間 : 12週間
・試験食の摂取量 : ユーグレナ乾燥粉末換算で 500mg/day
・被験者 : 男性29名
なお、被験者の内、22名は、日常的に高強度の運動(運動強度:8METs×3回/週)を行っている運動群であり、7名は、日常的には運動を行っていない一般群(運動強度:3METs×1回/週)である。
<試験内容>
被検者に対して、気分プロフィール検査(POMS2日本語版(金子書房))を行い、疲労感スコア(疲労-無気力(FI)のスコア)を測定した。該測定の翌日から、被検者に試験食の摂取を開始させ、約12週間摂取させた。摂取終了後、摂取前と同様に疲労感スコア(疲労-無気力(FI)のスコア)を測定した。得られた結果について、IBM SPSS Statistics 25を使用して統計解析した。検定は、ウィルコクソンの符号順位和検定(Wilcoxon signed-rank test)で実施した。結果を図7~9に示す。
図7~9に示されるように、ユーグレナ摂取により、疲労感スコア(疲労-無気力(FI)のスコア)が低減された。このことから、ユーグレナが疲労低減作用を有することが示唆された。また、この作用は、ユーグレナが含むパラミロンに起因すると推察された。
試験例3
試験概要は以下のとおりである。
・接取期間 : 対照食4週間→ウォッシュアウト2週間→試験食4週間、又は試験食4週間→ウォッシュアウト2週間→対照食4週間
・試験食の摂取量 : ユーグレナ乾燥粉末換算で 500mg/day
・対照食の摂取量 : 試験食と同量
・被験者 : 男性13名、女性2名(Age 37.7歳)
<試験内容>
被験者を2群(群1、群2)に分けた。被検者に対して、疲労感について、VAS法によるアンケートを行った。VASの自己評価スコアは、100 mm の線分とし、左端(0)が疲れを全く感じない最良の状態、逆に右端(100)が何もできないほど疲れきった最悪の状態と教示し、今の状態のレベルがどこに位置するか、その線分上に印を記入させた。
該アンケートの翌日から、群1の被検者には試験食の摂取を開始させ、群2の被検者には対照食の摂取を開始させた。摂取開始から4週間後、疲労感について上記と同様にしてアンケートを行った。
2週間のウォッシュアウト期間後、疲労感について上記と同様にしてアンケートを行い、群1の被検者には対照食の摂取を開始させ、群2の被検者には試験食の摂取を開始させた。摂取開始から4週間後、疲労感について上記と同様にしてアンケートを行った。
得られた結果について、IBM SPSS Statistics 25を使用して統計解析した。摂取前後の比較は、ウィルコクソンの符号順位和検定(Wilcoxon signed-rank test)で実施した。試験食摂取後と対照食摂取後との比較は、マン・ホイットニーのU検定(Mann-Whitney's U Test)で実施した。結果を図10に示す。結果は、摂取前を1とした時の変化率で示した。
図10に示されるように、ユーグレナ摂取により、疲労感が低減された。このことから、ユーグレナが疲労低減作用を有することが示唆された。また、この作用は、ユーグレナが含むパラミロンに起因すると推察された。

Claims (9)

  1. ユーグレナ及び/又はパラミロンを含有する、疲労感改善剤(但し、起床時の疲労感や眠気の軽減剤及び日中の眠気の改善剤を除く)
  2. 前記ユーグレナがユーグレナ・グラシリスである、請求項1に記載の疲労感改善剤。
  3. 前記ユーグレナがユーグレナ・グラシリスEOD-1株(受託番号FERM BP-11530)である、請求項1又は2に記載の疲労感改善剤。
  4. 前記パラミロンがユーグレナ・グラシリス由来のパラミロンである、請求項1に記載の疲労感改善剤。
  5. 前記パラミロンがユーグレナ・グラシリスEOD-1株(受託番号FERM BP-11530)由来のパラミロンである、請求項1又は4に記載の疲労感改善剤。
  6. ねむけ感改善、不安定感改善、不快感改善、だるさ感改善、目のぼやけ感改善、肩こり及び/又は腰痛改善、満足感向上、並びに集中力の向上からなる群より選択される少なくとも1種のために用いられる、請求項1~5のいずれかに記載の疲労感改善剤。
  7. 食品組成物である、請求項1~6のいずれかに記載の疲労感改善剤。
  8. 栄養補助食品である、請求項1~7のいずれかに記載の疲労感改善剤。
  9. 食品添加剤である、請求項1~6のいずれかに記載の疲労感改善剤。
JP2018119280A 2017-12-08 2018-06-22 疲労感改善剤 Active JP7150494B2 (ja)

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