JP2023033041A - 抗アレルギー用組成物 - Google Patents

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彰太 三角
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健 升谷
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Abstract

【課題】強い抗アレルギー作用を有する天然物を見出し、それを有効成分とする抗アレルギー用組成物を提供する。【解決手段】コンブ目レッソニア科の海藻の乾燥物から選ばれる1種又は2種以上を含有する抗アレルギー用組成物。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、海藻を利用した機能性型飲食用組成物又は医薬用組成物、化粧用組成物に関する。
アトピー性皮膚炎や喘息、蕁麻疹、花粉症などのアレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患の発症は、健康面だけでなく生活の質(クオリティ・オブ・ライフ;QOL)の面からも重大な問題の一つである。これらの疾病は、マスト細胞(肥満細胞)又は好塩基球などの好塩基性細胞の細胞内顆粒中に貯蔵されているヒスタミンやプロテアーゼ、ロイコトリエンやプロスタグランジン、血小板活性化因子(PAF)などの脂質メディエーター、インターフェロンなどのサイトカインなど、種々の化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出され脱顆粒が起こる。その結果、産生された化学伝達物質が血管内皮細胞、平滑筋、および分泌腺に作用することによって皮膚、粘膜、呼吸器、消化器症状、時にはアナフィラキシーに至るアレルギー症状を引き起こす(非特許文献1)。このような反応は「I型アレルギー」に分類されており、このI型アレルギーの発症を抑えるためには、マスト細胞や好塩基球からの脱顆粒を抑制することが重要である。
従来から、こうしたI型のアレルギー性疾患に対する食品由来の成分又は食品素材を使用した予防方法に関する研究が精力的になされており、これまでに、食品由来のカテキン等のポリフェノール化合物が抗アレルギー作用を示すことが報告されている(非特許文献2)。さらに、副作用の無い安全な抗アレルギー用組成物の研究がなされており、天然の抗アレルギー用組成物としては、そばの表層粉(特許文献1)、大豆の乳酸菌醗酵物(特許文献2)、キクイモ葉抽出物(特許文献3)、β-ラクトグロブリン又はβ-ラクトグロブリンとノビレチン(非特許文献4)などが挙げられる。
特開2019-201609号公報 特開2021-78495号公報 特許第6678899号公報 特開2015-36369号公報
Finkelman,F.D.,Anaphylaxis:lessons from mouse models.J.Allergy Clin.Immunol.,120,506-515(2007) 山本(前田)万理,緑茶の抗アレルギー作用とがん転移阻害効果,日本食品科学工学会誌,49,631-638(2002).
本発明は、抗アレルギー作用を有する新たな天然物を見出すことを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、コンブ目レッソニア科の海藻又はその抽出物が強い抗アレルギー作用を有することを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、次の構成を主構成とする。
1.コンブ目レッソニア科の海藻の乾燥物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする抗アレルギー用組成物。
2.コンブ目レッソニア科の海藻の抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする抗アレルギー用組成物。
3.コンブ目レッソニア科の海藻がツルアラメである1.又は2.記載の抗アレルギー用組成物。
4.海藻がフロロタンニン酸を高含有する時期に採取された海藻であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の抗アレルギー用組成物。
5.季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)又は通年性のアレルギー性鼻炎による鼻や目の不快感軽減用である1.~4.のいずれかに記載の抗アレルギー用組成物。
6.1.~5.のいずれかに記載の抗アレルギー用組成物を含有するカプセル剤又は錠剤又は散剤。
7.1.~6.のいずれかに記載の抗アレルギー用組成物を含有する医薬用組成物。
8.1.~5.の何れかに記載の抗アレルギー用組成物を含有する化粧用組成物。
9.1.~5.の何れかに記載の抗アレルギー用組成物を含有する抗アレルギー用コンブ目レッソニア科の海藻粉末食品。
コンブ目レッソニア科の海藻であるクロメ、カジメ、ツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメの乾燥物又はその溶媒抽出物が抗アレルギー作用を示すことは、本発明が新規に提起する作用機序である。
コンブ目レッソニア科の海藻であるクロメ、カジメ、ツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメ由来の抗アレルギー用組成物を含む飲食用組成物又は医薬用組成物は新規な機能性食品である。コンブ目レッソニア科の海藻であるクロメ、カジメ、ツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメ由来の抗アレルギー用組成物を含む化粧用組成物は、新規な機能性化粧品である。
また、天然由来であるコンブ目レッソニア科の海藻であるクロメ、カジメ、ツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメは、従来から食経験もあることから、安全性の高い抗アレルギー作用を有する飲食用組成物又は医薬用組成物、化粧用組成物を提供することができる。
本発明のコンブ目レッソニア科の海藻であるクロメ、カジメ、ツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメの乾燥物又はその抽出物を有効成分とする抗アレルギー用組成物は、強い抗アレルギー作用を有することから、季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)や通年性のアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アレルギー性胃腸炎などの種々のI型アレルギー性疾患の予防又は改善に、大きく寄与し得る。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のコンブ目レッソニア科の海藻であるクロメ、カジメ、ツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメの乾燥物又はその抽出物の抗アレルギー作用は、花粉などによる目や鼻の不快感を有するものの耳鼻咽喉科の受診や薬物治療を行っていない20歳以上65歳以下の男女60名を対象としたヒト介入試験(プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間試験)において、症状が重めの方の目や鼻の症状を改善することが確認されたことから、本発明は新規な海藻由来の抗アレルギー用組成物である。
コンブ目レッソニア科の海藻であるカジメの乾燥物又はその抽出物、ツルアラメの乾燥物又はその抽出物、アラメの乾燥物又はその抽出物、サガラメの乾燥物又はその抽出物、アントクメの乾燥物又はその抽出物、クロメの乾燥物又はその抽出物を有効成分とする抗アレルギー用組成物は、強い抗アレルギー作用を有することから、季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)や通年性のアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アレルギー性胃腸炎などの種々のI型アレルギー性疾患の予防又は改善に、大きく寄与し得る。
このような作用機序が期待できるカジメの乾燥物又はその抽出物、ツルアラメの乾燥物又はその抽出物、アラメの乾燥物又はその抽出物、サガラメの乾燥物又はその抽出物、アントクメの乾燥物又はその抽出物、クロメの乾燥物又はその抽出物を有効成分とする抗アレルギー用組成物を含む飲食用組成物又は医薬用組成物、化粧用組成物は、新たな機能性食品又は医薬品、化粧品を提供するものである。
本実施形態の抗アレルギー用組成物は、カジメの乾燥物又はその抽出物、ツルアラメの乾燥物又はその抽出物、アラメの乾燥物又はその抽出物、サガラメの乾燥物又はその抽出物、アントクメの乾燥物又はその抽出物、クロメの乾燥物又はその抽出物を有効成分として含有する。
ここで、本実施形態において「乾燥物」とは、上記海藻を天日で、あるいは熱風を利用して人工乾燥したもののことで、それらを粉砕機などで粉砕した粉末も含む。また「抽出物」には、上記海藻を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物の何れもが含まれる。
[カジメ抽出物、ツルアラメ抽出物、アラメ抽出物、サガラメ抽出物、アントクメ抽出物、クロメ抽出物の製造]
本実施形態において、カジメ抽出物、ツルアラメ抽出物、アラメ抽出物、サガラメ抽出物、アントクメ抽出物、クロメ抽出物を製造するために使用する抽出原料は、カジメ(学名:Ecklonia cava)、ツルアラメ(学名:Ecklonia stolonifera)、アラメ(学名:Eisenia bicyclis)、サガラメ(学名:Eisenia arborea)、アントクメ(学名:Eckloniopsis radicosa)、クロメ(学名:Ecklonia kurome)である。
カジメ(Ecklonia cava;搗布)は、コンブ目レッソニア科の褐藻である。本州太平洋岸中部、瀬戸内海、本州日本海岸南部、九州に分布しており、低潮線から潮下帯の水深20mに生息している。大きさは、高さ1~3mである。
胞子体は、幼体は短い茎と楕円形の葉部からなり、生長すると茎が伸び、葉部の中央は厚くなって両側から十数本もの側葉が伸びる。側葉は、さらに枝分かれすることもある。葉部はしわがなく滑らかで、手触りは硬い。色は褐色から濃褐色。海中林と呼ばれる群生を作り生息している。
ツルアラメ(Ecklonia stolonifera;蔓荒布)は、コンブ目レッソニア科の褐藻である。北海道南部、本州日本海岸から九州北岸に分布しており、低潮線付近から潮下帯のやや深場に生息している。大きさは、高さ25~150cm。
体は茎と膜質の葉部からなり、葉部は笹の葉形や長楕円形で、短めの側葉を出す。また、葉部は全体にしわがある。基部から匍匐枝を伸ばし、その先から新たに葉部が出てくることが特徴で、名前の「蔓」は匍匐枝に由来する。
アラメ(Eisenia bicyclis;荒布、滑海藻)は、コンブ目レッソニア科の褐藻である。本州太平洋岸北から中部、四国東部から瀬戸内海、九州、本州日本海岸南部に分布しており、低潮線付近から潮下帯に生息している。大きさは、高さ1~3mである。
体は茎と葉部からなる。幼体は短い茎に笹の葉形の葉部をつけ、2年目からは茎の上部が2叉に枝分かれして、それぞれの枝に多数の側葉をつける。側葉はさらに枝分かれすることが多い。群生して海中林を形成し、カジメより浅い場所に生え、また分布はより北に偏る。色は褐色や暗褐色。葉部にはしわがあり手触りは硬い。
サガラメ(Eisenia arborea;相良布)は、コンブ目レッソニア科の褐藻である。アラメによく似た海藻で、静岡県の御前崎から紀伊半島、徳島県などに分布する。アラメは側葉が枝分かれすることが多いのに対し、サガラメは側葉がほとんど枝分かれしない。
アントクメ(Eckloniopsis radicosa;安徳布)は、コンブ目レッソニア科の褐藻である。本州太平洋岸中部から南部、四国、九州、本州日本海岸南部に分布し、潮下帯に生息している。大きさは、長さ0.3~2m、幅20~35cm。
体は膜質で、短い茎に笹の葉形や長卵形などの葉部がつく。中肋はなく、表面に凹凸のしわや白色斑がある。色は褐色や緑褐色。日本産コンブ目海藻で最も南まで分布している。伊豆で「しわめ、とんとんめ(包丁で叩きとろとろにするため)」、高知で「あんどく」と呼ばれる。
クロメ(Ecklonia kurome;黒布)は、コンブ目レッソニア科の褐藻である。本州太平洋岸中~南部、四国、九州、瀬戸内海、本州日本海岸に分布し、潮下帯で生息している。大きさは、高さ1~2m。
体は茎と膜質の葉部からなり、葉部から数本の側葉が伸びる。カジメによく似ているが少し小さく、葉部全体に凹凸のしわがあること、葉部の中央は厚くならないことなどで見分けられる。ただし、形態には異変が多い。地方によっては、汁の具や佃煮にして食される。
本明細書中で「カジメ」や「ツルアラメ」、「アラメ」、「サガラメ」、「アントクメ」、「クロメ」とは、カジメ又はツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメ、クロメの体全体をいい、葉片、葉状部、中肋、茎状部、仮根を含む。
カジメの乾燥体又は抽出物、ツルアラメの乾燥体及び抽出物、アラメの乾燥体及び抽出物、サガラメの乾燥体及び抽出物、アントクメの乾燥体及び抽出物、クロメの乾燥体及び抽出物のそれぞれに含有される抗アレルギー作用を有する物質はeckolや6,6’-bieckol、8,8’-bieckolなどのフロロタンニン類であるが、海藻の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、上記海藻からこの作用を有する抽出物を得ることができる。
例えば、上記海藻を乾燥した後、そのまま又は粉砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行っても良いし、通常使用される乾燥機を用いて行っても良い。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用しても良い。脱脂等の前処理を行うことにより、上記海藻の極性溶媒による抽出処理を効率良く行うことができる。
このような処理を経て粉末化された乾燥物又は抽出物のメジアン径は、レーザー回折・散乱法を利用した粒度分布測定装置を用いて測定することができる。例えば、マスターサイザー3000(Malvern Panalytical 社製)を用いて粒度分布を測定する場合、測定条件は、分散媒:イソプロパノール、試料屈折率:1.70、分散媒屈折率:1.390、として、測定する際にはレーザー散乱強度が10%~15%になるように試料濃度を調整することが好ましい。
本発明の海藻粉末のメジアン径は、上記に例示される粒度分布測定装置を用いて測定した累積体積分布曲線における50%粒子径(d50)とすることができる。
上述の方法で測定される海藻粉末のメジアン径は、100μm以下となるように処理することが好ましく、95μm以下となるように処理することがより好ましく、90μm以下となるように処理することがさらに好ましい。また、メジアン径と同様の方法で測定される海藻の粉末の90%粒子径(d90)は、200μm以下となるように処理することが好ましく、150μm以下となるように処理することがより好ましく、100μm以下となるように処理することがさらに好ましい。
本発明の海藻粉末は、その粉末のメジアン径及び90%粒子径が上記の上限値以下である小さい粒子であっても、優れた抗アレルギー作用が発揮される。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海洋深層水などのほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調製することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1~90容量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合物を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1~40容量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10~90容量部を混合することが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の抽出溶媒に抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後に濾過をして抽出残渣を除去することにより、抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
なお、上述のようにして得られた抽出液はそのままでも抗アレルギー用組成物の有効成分として使用することが可能であるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
また、上記海藻からの抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲での脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、サプリメント等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも事実上支障はない。
「抗アレルギー用組成物」
以上のようにして得られる各海藻由来成分は、優れた抗アレルギー作用を有している。表2~表4に示すように、本発明のツルアラメの乾燥物に花粉症症状の改善効果が認められたことから、カジメ抽出物又はツルアラメ抽出物、アラメ抽出物、サガラメ抽出物、アントクメ抽出物、クロメ抽出物の抗アレルギー作用を利用して、抗アレルギー用組成物の有効成分として用いることができる。
このような抗アレルギー用組成物は、飲食用組成物、医薬用組成物、化粧用組成物等に配合され得る。
カジメの乾燥物又はその抽出物、ツルアラメの乾燥物又はその抽出物、アラメの乾燥物又はその抽出物、サガラメの乾燥物又はその抽出物、アントクメの乾燥物又はその抽出物、クロメの乾燥物又はその抽出物を含む抗アレルギー用組成物は、飲食用組成物及び医薬組成物、化粧用組成物の素材として用いられ得る。カジメの乾燥物又はその抽出物、ツルアラメの乾燥物又はその抽出物、アラメの乾燥物又はその抽出物、サガラメの乾燥物又はその抽出物、アントクメの乾燥物又はその抽出物、クロメの乾燥物又はその抽出物を含む抗アレルギー用組成物は、飲食用組成物(例えば、経口用サプリメントのような健康食品)及び医薬用組成物(例えば、経口用の錠剤、カプセル剤)、化粧用組成物(例えば、塗布用ローション、クリーム剤)に含有することができる。これらの飲食用組成物及び医薬用組成物、化粧用組成物は、特に、例えば、季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)や通年性のアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アレルギー性胃腸炎などの種々のI型アレルギー性疾患の予防又は改善のために用いられ得る。
飲食用組成物は、カジメの乾燥物又はその抽出物、ツルアラメの乾燥物又はその抽出物、アラメの乾燥物又はその抽出物、サガラメの乾燥物又はその抽出物、アントクメの乾燥物又はその抽出物、クロメの乾燥物又はその抽出物を含む抗アレルギー用組成物の他、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、マルチトール、ソルビトール、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、アミノ酸類、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料、保存料などをさらに適宜含有し得る。このような飲食品は、用途に応じて、粉末、顆粒、カプセル、錠、シロップ、懸濁液などの形態に成形され得、飴などにも加工され得る。飲食用組成物(例えば、経口用サプリメント)の製造は、当業者が通常用いる方法によって行われ得る。飲食品への抗アレルギー用組成物の配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。飲食品は、飲食用組成物全量に対して抗アレルギー用組成物を、0.1~100質量%、より好ましくは10~80質量%(抽出物基準)で含有し得る。
抗アレルギー用組成物又は飲食用組成物は、そのまま摂取することができ、水などの溶媒に溶かす又は懸濁させるなどしても摂取することができる。抗アレルギー用組成物は、食事の前後、又は食間に経口摂取することができる。抗アレルギー用組成物又は飲食用組成物を飲食品に添加して、飲食することもできる。
抗アレルギー用組成物又は飲食用組成物が添加された食品としては、例えば、在宅用抗アレルギー食、流動食、病者用食品(抗アレルギー食調製用組み合わせ食品など)、特定保健用食品、アレルギー症状軽減用食品、又は炭水化物を主成分とする飲食品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
具体的な食品形態としては、例えば、米飯製品、麦製品、野菜製品、乳製品、清涼飲料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
抗アレルギー用組成物又は飲食用組成物の飲食品への添加又は加工は、当業者が通常用いる方法によって行われ得、配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。人間以外の動物、例えば、家畜又はペット用(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サル等)の飼料への添加も可能である。
本実施形態の抗アレルギー用組成物は、優れた抗アレルギー作用を有するとともに安全性にも優れているため、例えば、医薬用組成物として配合するのに好適である。本発明の抗アレルギー用組成物は錠剤などの形態にして、これを医薬用組成物として利用することができる。
また、本発明の医薬用組成物は、本発明の抗アレルギー用剤以外の添加物又は薬学的に許容可能な担体を含んでも良い。このような添加物又は薬学的に許容可能な担体としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、緩衝材、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、懸濁化剤、乳化剤、溶剤、増粘剤、粘液溶解剤、湿潤剤、防腐剤などが挙げられる。
本発明の医薬用組成物の形態は特に制限されるものではないが、経口剤又は非経口剤の何れであってもよい。経口剤としては顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、チンキ剤、ゼリー剤などが挙げられる。非経口剤としては注射剤、点滴剤、軟膏剤、点鼻剤、坐剤などが挙げられる。
本発明の医薬用組成物の投与量は、特に限定されるものではないが、例えば、本発明の医薬用組成物を経口投与する場合、成人1日当たりのクロメの抽出物の摂取量が0.5~100mg/kg体重、好ましくは1~50mg/kg体重の範囲となるような投与量とすることができる。また、本発明の医薬用組成物を非経口的に投与する場合が0.05mg/kg体重~50mg/kg体重、好ましくは0.5mg/kg体重~50mg/kg体重となるような含有量とすることができる。
カジメの乾燥物又はその抽出物、ツルアラメの乾燥物又はその抽出物、アラメの乾燥物又はその抽出物、サガラメの乾燥物又はその抽出物、アントクメの乾燥物又はその抽出物、クロメの乾燥物又はその抽出物を含む抗アレルギー用組成物は、優れた抗アレルギー作用を有するとともに、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているため、例えば、外用化粧料として配合するのに好適である。本発明の抗アレルギー用組成物は軟膏剤、クリーム剤、ジェル、ローション、乳液、パック、湿布剤、浴用剤、点眼剤、点鼻剤などの形態にして、これを皮膚外用剤として利用することができる。
本発明の抗アレルギー用組成物は、皮膚用化粧品、シャンプー、リンス、コンディショナー等の毛髪用化粧品に配合することができ、その場合、外用化粧料に通常使用される基材や添加物と共に使用することができる。更に、本発明の外用剤の有する機能をより増強したり補填したりする目的で、様々な助剤を添加することも可能である。例えば、基材としては、グリセロール、エタノール、パラベン、ブチレングリコールなどが挙げられる。
添加物としては、賦形剤(シリコン系ポリマー)、香料、色素、保存料(パラベン等)、増粘剤(シリコン系ポリマー、アクリル系ポリマー、カルボキシビニル系ポリマー等)、キレート剤(EDTA等)、甘味料(スクラロース等)、清涼剤(メントール等)、防腐防黴剤(フェノキシエタノール等)等が挙げられる。
助剤としては、例えば、他の薬効成分や他の油剤(リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸及びその誘導体や亜麻仁油、ヤシ油、ホホバ油、オリーブ油、スクワラン、スクワレン、馬油、コメヌカ油、ヒマシ油等の動植物より抽出された油及びその誘導体等)、保湿剤(コラーゲン又はその分解物、カロットエキスなどが含まれるコラーゲン類似ペプチド、大豆ペプチド、アミノ酸、ヒアルロン酸などのムコ多糖類、コンドロイチンなどのアミノ酸、トレハロース等の糖類、海藻類、界面活性剤(レシチンや脂肪酸エステル、アミノ酸誘導体等)、紫外線吸収剤(酸化亜鉛や酸化チタン等)、吸収促進剤等が挙げられる。
本発明の抗アレルギー用組成物を使用するにあたりその配合量は、他の成分との組み合わせや当該組成物の形態に応じて適宜定めることができる。通常、全配合量中、乾燥重量換算で好ましくは0.00001重量%以上、より好ましくは0.001重量%以上である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
ヒト介入試験
(試験体制)
本試験は、「ヘルシンキ宣言(2013年10月最終改正)」の精神に則り、実施にあたっては「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(文部科学省、厚生労働省告示、平成26年12月22日(平成29年2月28日最終改正))」を遵守した。
また、試験実施計画書は、株式会社ヘルスケアシステムズ研究倫理審査委員会の審査、承認を受け、大学病院医療情報ネットワークセンター(UMIN-CTR)が設置している公開データベースに登録し、適切に公開をした後に実施した(UMIN-ID:UMIN000043543)。
なお、被験者には試験内容を文書にて十分に説明したうえで、インフォームドコンセントを書面にて取得した。
(試験食品)
被験食品は、株式会社トリトンフーヅ(熊本県宇土市)にて販売されている隠岐・西ノ島町産褐藻ツルアラメ乾燥粉末(製品名:隠岐・西ノ島産ツルアラメ Nom’z、株式会社ノア隠岐)を1錠あたりに340mgを含むハードカプセル形状の食品である。対照食品は、マルトデキストリン(製品名:TK-16、松谷化学工業株式会社)を1錠あたりに250mgを含む、同じくハードカプセル形状の食品である。どちらの試験食品も、カプセルの中身が外観からはわからないようにした。
各試験食品の、1日摂取量あたりの熱量および栄養成分値を表1に示す。
Figure 2023033041000001
(被験者)
本試験では、被験者募集を株式会社ヘルスケアシステムズがWEBにて行い、下記の選択基準をすべて満たし、かつ除外基準に抵触しない健常成人60名を被験者として選択した。
1)選択基準
・本試験の目的、内容について十分な説明を受け、同意能力があり、十分に理解した上で自由意思により志願し、文書で参加に同意した者
・同意取得時の年齢が20歳以上65歳未満の日本人健常者
・花粉などによる鼻や目の不快感を有するものの、耳鼻咽喉科の受診や薬物治療を行っていない者
2)除外基準
・慢性疾患を有し、薬物治療を受けている者。重篤な疾患既往歴(糖尿病、肝臓病、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、内分泌疾患など)がある者
・試験食品(ツルアラメ)およびえび・かにに、アレルギーを有する者
・試験食品(ツルアラメ)を、普段から摂取している者
・海藻や海藻を含む食品・サプリメントなどを、日常的に摂取している者
・耳鼻咽喉科を受診している、または受診を予定している者
・急性鼻炎、副鼻腔炎、肥大性鼻炎の診断をされている者
・気管支喘息の診断をされている者
・高度の貧血がある者。アルコール依存症、またはその他の精神障害を有する者
・喫煙習慣のある者
・鼻や目の不快感に影響する可能性のある医薬品、特定保健用食品・機能性表示食品、健康食品などを常用している者
・試験期間中、生活習慣を変更する可能性のある者(夜間勤務、長期間の旅行など)
・試験期間中、保健機能食品やサプリメントなどの食品類を、新たに摂取する予定のある者
・試験開始前1ヶ月間に、他の試験に参加した者。あるいは、本試験同意後に他の試験に参加する予定のある者
・試験統括医師および研究責任者の判断により、不適格と判断した者
・授乳中および妊娠している者。試験期間中に妊娠の予定または希望がある者
さらに、試験中止基準を設け、試験期間中に該当する試験参加者が発生した場合は、当該試験参加者に対する試験を中止した。
(試験デザイン)
本試験は、二重盲検法を採用した。割付責任者は、同意取得時の年齢、性別、QOL調査票の鼻・目症状総合スコアをもとに、I群またはII群にそれぞれ30名ずつを割り付けた。割り付けによって試験群間に医学的背景の差が生じぬように、本試験はランダム化比較試験にて実施した。
試験スケジュールは、試験食品摂取前期間、試験食品摂取期間(4週間)、試験食品摂取後期間とした。本試験では、被験食品摂取群および対照食品摂取群の2群に分け、被験食品摂取群では1錠あたり340mg(総ポリフェノール 37.4mg)の隠岐・西ノ島町産褐藻ツルアラメ乾燥粉末を含むハードカプセルを、対照食品摂取群では1錠あたり250mgのマルトデキストリンを含むハードカプセルを、4週間毎日、1日に1錠を、時間を指定せず自由に摂取させたが、以下については遵守するよう被験者に指導した。
・検査日3日前より、暴飲・暴食を禁止とする
・検査前日は過度な運動を禁止とし、21時までに食事を済ませ十分な睡眠をとることとする。また、刺激性の強い香辛料等を含む食品(カレー、唐辛子、タバスコなど)やアルコール摂取は、検査前日から検査当日の検査終了まで禁止とする
・検査当日は、試験統括医師が指定する食事(朝食または昼食)を抜くこととする。ただし、水・カロリーのないお茶飲料のみ摂取可とする
・検査当日は試験終了まで、運動および発汗の可能性がある身体活動を禁止とする
・検査当日、急性疾患で熱・下痢・嘔吐などが生じた場合は、試験を中止する
・試験期間中は、睡眠不足や暴飲・暴食など、不規則な生活を避ける
・試験期間中は、食事、運動、睡眠に関して、本試験対象品以外のものについて本試験開始前と同様な量・質を維持するようにする
・医薬品(外用剤を含む)、医薬部外品および漢方薬の使用は、原則として禁止とする。ただし、頭痛薬など頓用は除く。また、使用する場合や使用した場合は、相談窓口に連絡を入れ、使用した商品名およびメーカー名・使用理由を日誌に記録する
・新たに、保健機能食品を含む健康食品を摂取または使用することを禁止とする。試験参加前より健康維持を目的とした健康食品などを常用している場合は、用法・用量を変更せず継続して使用することとする。使用する場合や使用した場合は、相談窓口に連絡を入れ、使用した商品名およびメーカー名・使用理由を日誌に記録する
・試験期間中は、他のヒト臨床試験への参加を禁止とする
・その他、試験統括医師の指示に従う
・その他、試験結果に影響を及ぼすと考えられる事項を禁止とする
(評価項目)
被験者には、試験食品摂取開始前から試験食品摂取終了後までの全試験期間中、鼻症状および目症状の程度について0~4点(症状なし~非常に重い)の5段階で評価させた。また、目や鼻の症状によって起こる日常生活の支障の程度についても、0~4点(なし(いいえ)~とてもひどい)の5段階で評価させ、日本アレルギー性結膜疾患標準QOL調査票(JACQLQ)ver.1に毎日記録させた。各項目はスコア化し集計した。また、試験食品摂取開始前と摂取終了後に統括医師による問診、試験食品摂取期間中、くしゃみ(1日の発作回数)、鼻汁(1日の鼻かみ回数)など鼻・目の自覚症状や日常生活の支障度、試験期間中の毎日の試験食品の摂取状況や体調などについて、自己記載式の生活日誌に毎日記入させた。さらに、アレルギー検査として、血液中のCRP、非特異的IgE、特異的IgE(ハンノキ(属)、シラカンバ(属)、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギ)の6項目および唾液中の分泌型IgA(s-IgA)濃度を、安全性検査として、血液中の総蛋白、アルブミン、中性脂肪、総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ‐GTP、CPK、総ビリルビン、尿酸、尿素窒素、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、リン、マグネシウム、LDH、甲状腺刺激ホルモン(以下、TSH)、遊離トリヨードサイロニン(以下、FT3)、遊離サイロキシン(以下、FT4)を、試験食品摂取前と摂取後に測定した。なお、唾液重量から得られた唾液分泌速度と唾液中の分泌型IgA抗体(以下、s-IgA)濃度から、s-IgA分泌速度を算出した。
本試験では、試験食品摂取前に、被験者の背景調査も行った。また、検査日前日の運動や食事、当日の体調・食事などを把握する目的で検査時アンケートを記入させた。さらに、被験者の身長や体重、BMI、除脂肪体重を把握する目的で理学的検査を、試験食品摂取前および摂取後の2回測定した。
(試験結果)
以下に、試験結果を示す。
(1)全被験者での解析
試験食品の摂取前後の目や鼻の症状のスコアを比較したところ、両群で有意な差は認められなかった(表2)。
Figure 2023033041000002
Figure 2023033041000003
(2)症状が軽い被験者を除いたサブグループ解析
被験者のうち、試験食品摂取前の時点で症状が重めの方を選択して比較するために、2つの方法で解析を行った。
(i)設問Iの合計6点以上の被験者
QOL調査票の設問I(目や鼻の症状)の合計点が5点以下の被験者を除いて解析を行った。解析対象者は、被験食品摂取群25名対照食品摂取群22名であった。解析の結果、鼻の症状の「くしゃみ」の項目のスコアが、被験食品の摂取前と比べて摂取後に有意に低値であった(表3)。
Figure 2023033041000004
(ii)設問Iで2点以上を選択している被験者
QOL調査票の設問I(目や鼻の症状)で、0(症状なし)、1(軽い)のみを選択している被験者を除いて解析を行った。解析対象者は、被験食品摂取群28名、対照食品摂取群21名であった。解析の結果、目の症状の「目やに」の項目のスコアが、被験食品の摂取前と比べて摂取後に有意に低値であった(表4)。
Figure 2023033041000005
以上のことから、ツルアラメ乾燥粉末の継続的な摂取は、特に症状が重めの被験者において、花粉などによる鼻や目の不快感の症状を軽減することが確認された。
(海藻抽出物の調製)
コンブ目レッソニア科の海藻であるクロメ、カジメ、ツルアラメ、アラメ、サガラメ、アントクメを、それぞれ3gずつコーヒーミルで粉砕し、50mL容プラスチックチューブに採集した。次いで、プラスチックチューブに30mLのメタノールを加え、15分、3回、超音波抽出を行った。プラスチックチューブを15,000r.p.mで5分間遠心分離を行った後、上清を減圧で濃縮することにより、各種海藻抽出物を調製した。
(錠剤の製造)
実施例2で得たクロメ抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成の錠剤を製造した。
クロメ抽出物配合錠剤
(組成) (配合:重量%)
クロメ抽出物 24
乳糖 63
コーンスターチ 12
グアーガム 1
(ジュースの製造)
実施例2で得たツルアラメ抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成のジュースを製造した。
ツルアラメ抽出物含有ジュース
(組成) (配合:重量%)
冷凍濃縮温州みかん果汁 5.0
果糖ブドウ糖液糖 11.0
クエン酸 0.2
L-アスコルビン酸 0.02
香料 0.2
色素 0.1
ツルアラメ抽出物 0.2
水 83.28
(フェイスクリームの製造)
実施例2で得たツルアラメ抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成のフェイスクリームを製造した。
ツルアラメ抽出物含有フェイスクリーム
(組成) (配合:重量%)
イソステアリン酸イソプロピル 8.0
ホホバ油 6.0
セタノール 8.0
ステアリルアルコール 2.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1.5
プロピレングリコール 6.0
ソルビトール 1.0
パラベン 0.4
ツルアラメ抽出物 0.5
ビタミンE 0.5
香料 0.1
精製水 66.0
発明の効果
本発明のコンブ目レッソニア科の海藻の乾燥物又は抽出物を有効成分とする抗アレルギー用組成物は、強い抗アレルギー作用を有することから、季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)や通年性のアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アレルギー性胃腸炎などの種々のI型アレルギー性疾患の予防又は改善に、大きく寄与し得る。

Claims (9)

  1. コンブ目レッソニア科の海藻の乾燥物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする抗アレルギー用組成物。
  2. コンブ目レッソニア科の海藻の抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする抗アレルギー用組成物。
  3. コンブ目レッソニア科の海藻がツルアラメである請求項1又は2記載の抗アレルギー用組成物。
  4. 海藻がフロロタンニン酸を高含有する時期に採取された海藻であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の抗アレルギー用組成物。
  5. 季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)又は通年性のアレルギー性鼻炎による鼻や目の不快感軽減用である請求項1~4のいずれかに記載の抗アレルギー用組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の抗アレルギー用組成物を含有するカプセル剤又は錠剤又は散剤。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の抗アレルギー用組成物を含有する医薬用組成物。
  8. 請求項1~5の何れか1項に記載の抗アレルギー用組成物を含有する化粧用組成物。
  9. 請求項1~5の何れか1項に記載の抗アレルギー用組成物を含有する抗アレルギー用コンブ目レッソニア科の海藻粉末食品。
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JP2010534720A (ja) * 2007-07-31 2010-11-11 ライブケム インク ジベンゾ−p−ダイオキシン誘導体を有効成分として含有した皮膚保護及び改善剤
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