JP7150433B2 - リワーク方法、及び酸性洗浄液 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に含ケイ素材料を含む下層膜を備える基板において、下層膜上に形成されたパターニングされた有機樹脂膜を除去して、リワークを行う方法と、当該リワーク方法において好適に使用可能な酸性洗浄液とに関する。
例えば、半導体製品の製造等の過程において、シリコン等の半導体基板上に種々の目的でパターニングされた有機樹脂膜が形成されている。しかし、有機樹脂膜のパターニングを行う際に、有機樹脂膜の位置や寸法にずれが生じる等、有機樹脂膜のパターニングに失敗する場合がある。
このような場合にそのまま半導体製品等の製造を続けると、不良製品が製造される結果となる。この場合、基板が無駄に消費されるだけでなく、不良製品の製造に要した時間と労力も無駄になる。
そこで、このような場合、不具合のある有機樹脂膜を基板上から剥離して、基板を再生させる、所謂リワークと呼ばれる作業が行われている。
リワーク方法としては、例えば、ケイ素樹脂膜と、フォトレジスト膜とが順次積層された基板に対して、ケイ素樹脂膜を残したままフォトレジスト膜を除去する方法が提案されている(特許文献1を参照)。特許文献1に記載の方法では、溶剤を用いてフォトレジスト膜の除去が行われる。
特開2007-1655838号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるように溶剤を用いてフォトレジスト膜の除去を行う場合、フォトレジスト膜の種類によっては、必ずしも良好にフォトレジスト膜を除去できなかったり、長時間かけなければフォトレジスト膜を良好に除去できなかったりする問題がある。
これに対して、例えば、市販の塩基性の洗浄液を用いることにより、短時間である程度良好にフォトレジスト膜を除去できる場合がある。しかし、この場合、ケイ素樹脂膜のような含ケイ素材料からなる下層膜にダメージが生じやすい場合がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、表面に含ケイ素材料を含む下層膜を備える基板において、下層膜上に形成されたパターニングされた有機樹脂膜を除去して、リワークを行う際に、下層膜へのダメージを抑制しつつ、下層膜上から良好に有機樹脂膜を剥離することができるリワーク方法と、当該リワーク方法に好適に用いることができる酸性洗浄液とを提供することを目的とする。
本発明者らは、表面に含ケイ素材料を含む下層膜を備える基板において、下層膜上に形成されたパターニングされた有機樹脂膜を除去して、リワークを行う際に、ハロゲン化されていてもよいアルキルスルホン酸を含む酸性洗浄液を用いて有機樹脂膜の除去を行うことにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第1の態様は、基板のリワーク方法であって、
基板上への、含ケイ素材料を含む下層膜の形成と、
下層膜上への、パターニングされた有機樹脂膜の形成と、
有機樹脂膜の、酸性洗浄液による下層膜上からの除去と、を含み、
酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい、リワーク方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様にかかる基板のリワーク方法において、下層膜上からの有機樹脂膜の除去に用いられる酸性洗浄液であって、
酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい、酸性洗浄液である。
本発明の第3の態様は、アルキルスルホン酸を含み、
アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい、酸性洗浄液である。
本発明によれば、表面に含ケイ素材料を含む下層膜を備える基板において、下層膜上に形成されたパターニングされた有機樹脂膜を除去して、リワークを行う際に、下層膜へのダメージを抑制しつつ、下層膜上から良好に有機樹脂膜を剥離することができるリワーク方法と、当該リワーク方法に好適に用いることができる酸性洗浄液とを提供することができる。
≪リワーク方法≫
リワーク方法は、表面に含ケイ素材料を含む下層膜を備える基板において、下層膜上に形成されたパターニングされた有機樹脂膜を除去することを含む、方法である。
より具体的には、リワーク方法は、
基板上への、含ケイ素材料を含む下層膜の形成と、
下層膜上への、パターニングされた有機樹脂膜の形成と、
有機樹脂膜の、酸性洗浄液による下層膜上からの除去と、を含む。
上記方法では、酸性洗浄液としてアルキルスルホン酸を含む酸性洗浄液を用いる。かかる酸性洗浄液を用いることにより、下層膜へのダメージを抑制しつつ、下層膜上から良好に有機樹脂膜を剥離することができる。
ここで、リワーク方法とは、パターニングされた有機樹脂膜の除去後に基板を再利用することを前提とする、有機樹脂膜の除去方法に関する。基板の再利用方法として、典型的には、パターニングされた有機樹脂膜の除去後に、下層膜上にパターニングされた有機樹脂膜を再形成する方法が挙げられる。
例えば、パターニングされた有機樹脂膜に、寸法や位置のずれや、その他の種々の欠陥が生じた場合に、有機樹脂膜を除去し、下層膜上にパターニングされた有機樹脂膜を再形成する。そうすることで、基板を無駄にすることなく、欠陥のないパターニングされた有機樹脂膜を形成し、所望する品質水準を満たす製品(典型的には半導体製品)を製造することができる。
<下層膜形成>
基板のリワーク方法において、まず、基板上に、含ケイ素材料を含む下層膜を形成する。
基板の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。基板としては、典型的にはシリコン基板等の半導体基板やアルミニウム基板が挙げられ、シリコン基板が好ましい。
下層膜は含ケイ素材料を含有する。下層膜としての物性が良好である点や、後述する有機樹脂膜の除去において、酸性洗浄液によるダメージをより受けにくい点から、下層膜における含ケイ素材料の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらにより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
典型的には、含ケイ素材料とは、ケイ素原子の含有量が5質量%以上である材料である。含ケイ素材料におけるケイ素原子の含有量は10質量%以上が好ましい。
下層膜の形成方法は特に限定されない。下層膜は、例えば下層膜形成用の塗布液の塗布や、蒸着等の方法によって形成される。塗布法により下層膜を形成する場合、必要に応じて、塗布膜に対して露光やベークを施して下層膜を形成してもよい。
塗布により下層膜を形成する場合、例えば、スピオングラス材料(SOG材料)と称される塗布後にシリカ系の被膜を与える材料を用いることができる。SOG材料の典型例としては、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物、アルコキシ基等の加水分解性基を有するオルガノシラン、当該オルガノシランの加水分解縮合により得られるオリゴマー又はポリマー等が挙げられる。
また、塗布により下層膜を形成する場合、シリカ粒子を含む感光性組成物を用いるのも好ましい。シリカを含む下層膜は、インプリント法(特に光インプリント法)によりパターニングされた有機樹脂膜を形成する場合に、有機樹脂膜形成後のエッチング加工を行いやすい点で好ましい。
かかる感光性組成物としては、シリカ粒子と、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含む組成物が好ましい。以下の、好ましい感光性組成物について説明する。
シリカ粒子は酸化ケイ素(シリカ)からなるシリカ粒子が好ましい。シリカ粒子の平均粒径は5nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上50nm以下がより好ましい。
シリカ粒子は、乾燥された粉末状の酸化ケイ素粒子を用いてもよく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いてもよい。
シリカ粒子は、表面修飾されていてもよく、無修飾でもよい。感光性組成物中での分散性が向上し、均一な下層膜を形成できる観点から、表面修飾されたシリカ粒子が好ましい。
感光性組成物におけるシリカ粒子の含有量は、シリカ粒子、及び光重合性化合物の総量100質量部に対し、20質量部を超え90質量部未満が好ましく、25質量部以上80質量部以下がより好ましい。
光重合性化合物としては、光重合性シルセスキオキサン化合物、光重合性シロキサン化合物、光重合性エポキシ化合物、光重合性メタクリル系化合物、光重合型アルカリ可溶性ノボラック樹脂等が挙げられる。
・光重合性シルセスキオキサン化合物
光重合性シルセスキオキサン化合物として、主鎖骨格がSi-O結合からなる下記式(1)で表される化合物分を用いることが好ましい。
[(RSiO3/2)n] (1)
(式中、Rは有機基を表し、nは自然数を表す。)
Rは、1価の有機基を示す。1価の有機基としては、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基が挙げられる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基m及びn-ドデシル基等の炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が挙げられる。なかでも、炭素原子数1以上12以下のアルキル基が好ましい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、トリル基、スチリル基等の炭素原子数6以上20以下の芳香族炭化水素基が挙げられる。
1価の炭化水素基が有してもよい置換基としては、(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボキシ基、イソシアナト基、アミノ基、ウレイド基等の1価の置換基が挙げられる。また、1価の炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、カルボニル基等に置き換わっていてもよい。
Rで表される1価の有機基は、少なくとも1つの反応性基を含んでいることが好ましい。反応性基とは、化学反応によって他の部位と反応することができる基を意味する。
反応性基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、オキシラニル基、オキセタニル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、チアシクロプロピル基、スルファニル基、イソシアナト基、アミノ基及びウレイド基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基、スルファニル基及びオキシラニル基であることが好ましい。
式(1)で表される化合物の構造としては、カゴ型、ハシゴ型、及びランダム型が挙げられる。
カゴ型のシルセスキオキサン化合物は、完全なカゴ型であってもよいし、カゴの一部が開いているような不完全なカゴ型のシルセスキオキサン化合物であってもよい。
式(1)で表される化合物としては、MAC-SQ LP-35、MAC-SQ TM-100、MAC-SQSI-20、MAC-SQ SI-20、MAC-SQ HDM、(東亜合成(株)製)、コンポラセン(登録商標)SQ107、コンポラセン(登録商標)SQ109、コンポラセン(登録商標)SQ506、コンポラセン(登録商標)SQ502-6(荒川化学工業(株)製)等が挙げられる。
・光重合性シロキサン化合物
光重合性シロキサンとして、分子内にアルコキシシリル基を有するエポキシ基含有化合物が挙げられる。
分子内にアルコキシシリル基を有するエポキシ基含有化合物として、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを挙げることができる。
市販品としては、例えば、コンポセランE102、E102B、E103、E103A、E201、E202、P501(荒川化学工業株式会社製)、ナガセケムテックス株式会社製のSK-401M、SK-602M、ST-B86(新日鉄住金株式会社製)等を挙げることができる。
・光重合性エポキシ化合物
光重合性エポキシ化合物として、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、クリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等、及びこれらの混合物を挙げることができる。
好ましい市販のエポキシ化合物の例としては、ナガセケムテックス社製EX111、EX201、EX411、EX611、EX901、EX212L、DA-111、DA-141、デナコールFCA-635、デナコールFCA-667、日本化薬社製EPPN501H、ジャパンエポキシレジン社製JER152、ダイセル化学社製EHPE3150等が挙げられる。
・光重合性メタクリル系化合物
光重合性メタクリル系化合物としては、例えば、ビスフェノールAをアルキレンオキシド変性し、両末端に(メタ)アクリロイル基を結合させた化合物を用いてもよい。アルキレンオキシド変性にはエチレンオキシド変性、プロピレンオキシド変性、ブチレンオキシド変性、ペンチレンオキシド変性、へキシレンオキシド変性等がある。
このような化合物としては、例えば、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(例えば新中村化学工業(株)製NKエステルBPE-200)、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(例えば新中村化学工業(株)製NKエステルBPE-500)、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等の2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
・光重合型アルカリ可溶性ノボラック樹脂
光重合型アルカリ可溶性ノボラック樹脂とは、例えば、i線ネガ型フォトレジスト組成物等に含まれるアルカリ可溶性ノボラック樹脂である。かかるアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、露光により光酸発生剤が発生させる酸の作用により生じる、架橋剤のエステル部位とノボラック樹脂の水酸基との反応により、架橋・重合する。
アルカリ可溶性ノボラック樹脂の具体例としては、下記に例示するフェノール類と、アルデヒド類とを酸触媒下で反応させて得られるノボラック樹脂が挙げられる。
フェノール類としては、例えばフェノール;m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール等のクレゾール類;2,3-キシレノール、2,5-キシレノール、3,5-キシレノール、3,4-キシレノール等のキシレノール類;m-エチルフェノール、p-エチルフェノール、o-エチルフェノール、2,3,5-トリメチルフェノール、2,3,5-トリエチルフェノール、4-tert-ブチルフェノール、3-tert-ブチルフェノール、2-tert-ブチルフェノール、2-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-5-メチルフェノール等のアルキルフェノール類;p-メトキシフェノール、m-メトキシフェノール、p-エトキシフェノール、m-エトキシフェノール、p-プロポキシフェノール、m-プロポキシフェノール等のアルコキシフェノール類;o-イソプロペニルフェノール、p-イソプロペニルフェノール、2-メチル-4-イソプロペニルフェノール、2-エチル-4-イソプロペニルフェノール等のイソプロペニルフェノール類;フェニルフェノール等のアリールフェノール類;4,4’-ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール等のポリヒドロキシフェノール類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのフェノール類の中では、特にm-クレゾール、p-クレゾール、2,3,5-トリメチルフェノールが好ましい。
市販のアルカリ可溶性ノボラック樹脂としては、TO-547(住友ベークライト株式会社製)が挙げられる。
光重合性化合物としては、上記の中でも光重合性シルセスキオキサン化合物又は光重合性シロキサン化合物が好ましく、光重合性シロキサン化合物がより好ましい。
光重合性化合物の質量平均分子量は、特に限定されず、500以上10000以下が好ましく、より好ましくは1000以上5000以下であり、さらに好ましくは1000以上3000以下である。光重合性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカ粒子を含む下層膜形成用の感光性組成物において、光重合性化合物の含有量は、シリカ粒子及び光重合性化合物の総量100質量部に対し、10質量部以上80質量以下が好ましく、20質量部以上75質量部以下が好ましい。
光重合開始剤は、露光により光重合性化合物の重合を開始、促進させる化合物であれば特に限定されない。
光重合開始剤の具体例としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、エタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾル-3-イル]-1-(o-アセチルオキシム)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-ベンゾイル-4’-メチルジメチルスルフィド、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4-ジメチルアミノ-2-エチルヘキシル安息香酸、4-ジメチルアミノ-2-イソアミル安息香酸、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、o-ベンゾイル安息香酸メチル、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2-クロロチオキサンテン、2,4-ジエチルチオキサンテン、2-メチルチオキサンテン、2-イソプロピルチオキサンテン、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2-メルカプトベンゾイミダール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、α,α-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、9-フェニルアクリジン、1,7-ビス-(9-アクリジニル)ヘプタン、1,5-ビス-(9-アクリジニル)ペンタン、1,3-ビス-(9-アクリジニル)プロパン、p-メトキシトリアジン、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-n-ブトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン;メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、ビス(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;p-メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類;1,1-ビス(t-ブチルパ-オキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;t-ブチルパ-オキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシエステル類;ジn-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物類等が挙げられる。
上記のなかでも、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、ヨードニウム,(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]-ヘキサフルオロフォスフェート、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルと2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルとの混合物、フェニルグリコシレート、ベンゾフェノン等が好ましい。
これらの光重合開始剤は市販のものを用いることができる。市販品としては、例えば、IRGACURE 907、IRGACURE 369、IRGACURE 651(いずれも、BASF社製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子を含む下層膜形成用の感光性組成物中、光重合開始剤の含有量は、シリカ粒子、及び光重合せ化合物の総量100質量部に対し、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましく、5質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。上記の範囲内とすることで、光硬化性が良好となる。
シリカ粒子を含む下層膜形成用の感光性組成物は、必要に応じて有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、ガンマブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び乳酸エチルからなる群より選ばれる単独あるいは混合溶剤が好ましい。プロピレングリコールモノメチルエーテルを含有する溶剤が、塗布均一性の観点で特に好ましい。
有機溶媒の使用量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、シリカ粒子を含む下層膜形成用の感光性組成物の固形分濃度が1質量%以上20質量%以下、好ましくは2質量%以上15質量%以下の範囲内となるように有機溶媒が用いられる。
以上説明した、SOG材料や、シリカを含む塗布液を、基板上に塗布した後、必要に応じて、露光及び/又はベークを施すことにより下層膜を形成できる。基板上への塗布膜の形成は、例えば、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター、スリットコーター等の接触転写型塗布装置や、スピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて行うことができる。
下層膜の膜厚は特に限定されず、基板の使用目的に応じて適宜設定される。下層膜の膜厚は、例えば、5nm以上500nm以下であり、10nm以上300nm以下が好ましい。
<有機樹脂膜形成>
前述の通り、基板の表面に下層膜を形成した後、下層膜上に、パターニングされた有機樹脂膜を形成する。
パターニングされた有機樹脂膜を形成する方法としては特に限定されない。典型的な方法としては、感光性組成物であるフォトレジスト材料を用いてフォトリソグラフィー法によりパターニングされた有機樹脂膜を形成する方法や、インプリント法によりパターニングされた有機樹脂膜を形成する方法が挙げられる。
有機樹脂膜は、有機樹脂成分のみからなってもよく、有機樹脂成分以外の成分を含んでいてもよい。有機樹脂膜における有機樹脂成分の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
有機樹脂成分は、当業者に有機樹脂として認識される樹脂であれば特に限定されない。有機樹脂成分は、炭素原子と、水素原子と、任意に、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選択される1種以上の原子とから構成されるのが好ましい。
有機樹脂成分には、光重合性化合物や熱硬化性化合物が高分子量化した高分子化合物も含まれる。
パターニングされた有機樹脂膜を、感光性組成物を用いてフォトリソグラフィー法により形成する場合、有機樹脂成分や、有機樹脂成分の前駆体である光重合性化合物や熱硬化性化合物を含み、且つ下層膜に該当しない膜を形成し得る周知の感光性組成物を特に制限なく用いることができる。
感光性組成物としては、ネガ型感光性組成物、及びポジ型感光性組成物のいずれも用いることができる。
フォトリソグラフィー法により、パターニングされた有機樹脂膜を形成する場合、典型的には、
下層膜上へ感光性組成物を塗布することにより塗布膜の形成と、
形成された塗布膜に対する、位置選択的な露光と、
露光された塗布膜の現像液による現像と、
を含む方法によりパターニングされた有機樹脂膜が形成される。
感光性組成物の塗布は、例えば、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター、スリットコーター等の接触転写型塗布装置や、スピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて行うことができる。
位置選択的な露光は、典型的には、マスクを介して行われる。露光に用いる光線の種類や、露光量は、感光性組成物の組成や、塗布膜の膜厚等に応じて適宜選択される。
現像は、感光性組成物の組成に応じた種々の現像液を用いて行われる。現像液としては、有機溶媒や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系の現像液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
インプリント法によりパターニングされた有機樹脂膜を形成する場合、インプリント法としては、熱インプリント法や、光インプリント法を用いることができる。
インプリント法としては、スループットが高いことから、光インプリント法が好ましい。
熱インプリント法では、樹脂層を加熱により軟化させておき、次いで、モールドを押し付けて樹脂層を変形させ、その後、樹脂層を冷却して固化させて、パターニングされた有機樹脂膜を形成する。
光インプリント法では、光(例えば紫外線又は電子線)で硬化する感光性組成物からなる感光性層にモールドを押し付けて変形させ、次いで、光を照射して変形した感光性層を硬化させ、その後、モールドを剥離することにより、パターニングされた有機樹脂膜を形成する。
光インプリント法において、モールドの剥離前又は剥離後に、パターニングされた有機樹脂膜をベークしてもよい。
光インプリント法において感光性層を形成する方法は特に限定されない。ロールコーター、リバースコーター、バーコーター、スリットコーター等の接触転写型塗布装置や、スピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて感光性組成物を塗布してもよく、インクジェット法等の印刷法により感光性層を形成してもよい。
好適な光インプリント用の感光性組成物としては、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する感光性組成物が挙げられる。以下、光インプリント法に用いられる感光性組成物の好適な例について説明する。
光重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物、又はカチオン重合性化合物が挙げられる。ラジカル重合性化合物としては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1つ以上有する化合物が好ましい。カチオン重合性化合物としては、ビニルエーテル基、エポキシ基又はオキセタニル基を1つ以上有する化合物が好ましい。
具体的には、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-(2-フェニルフェニル)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性p-クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2-ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4-ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性フェノキシ(メタ)アクリレート、PO変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、tert-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記単官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、アロニックスM101、M102、M110、M111、M113、M117、M5700、TO-1317、M120、M150、M156(以上、東亞合成製)、MEDOL10、MIBDOL10、CHDOL10、MMDOL30、MEDOL30、MIBDOL30、CHDOL30、LA、IBXA、2-MTA、HPA、ビスコート#150、#155、#158、#190、#192、#193、#220、#2000、#2100、#2150(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレートBO-A、EC-A、DMP-A、THF-A、HOP-A、HOA-MPE、HOA-MPL、PO-A、P-200A、NP-4EA、NP-8EA、エポキシエステルM-600A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD TC110S、R-564、R-128H(以上、日本化薬製)、NKエステルAMP-10G、AMP-20G(以上、新中村化学工業製)、FA-511A、512A、513A(以上、日立化成製)、PHE、CEA、PHE-2、PHE-4、BR-31、BR-31M、BR-32(以上、第一工業製薬製)、VP(BASF製)、ACMO、DMAA、DMAPAA(以上、興人製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
アクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、EO変性2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン、PO変性2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン、EO,PO変性2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記多官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学製)、ビスコート#195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#360、#700、GPT、3PA(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレート4EG-A、9EG-A、NP-A、DCP-A、BP-4EA、BP-4PA、TMP-A、PE-3A、PE-4A、DPE-6A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD PET-30、TMPTA、R-604、DPHA、DPCA-20、-30、-60、-120、HX-620、D-310、D-330(以上、日本化薬製)、アロニックスM208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400(以上、東亞合成製)、リポキシVR-77、VR-60、VR-90(以上、昭和高分子製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
以上列挙したラジカル重合性化合物は、1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上述した化合物群において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。EOは、エチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物とは、エチレンオキサイド基のブロック構造を有する化合物をいう。また、POは、プロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物とは、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有する化合物をいう。
光重合開始剤は、光照射により上述の光重合性化合物を重合する活性種を発生する化合物であれば特に限定されない。光重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤、光照射により酸を発生するカチオン重合開始剤が好ましく、より好ましくはラジカル重合開始剤である。光重合開始剤は、重合性化合物の重合性基の種類に応じて適宜決定される。つまり、光重合開始剤は、使用する光源の波長に対して活性を有するものが配合され、反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合等)に応じて適切な活性種を発生させるものを用いる必要がある。また、光重合開始剤は複数種を併用してもよい。
光重合性化合物がラジカル重合性化合物である場合、光重合開始剤としては、例えば、下層膜形成用の塗布液について説明した光重合開始剤と同様の光重合開始剤を用いることができる。
光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する光インプリント用の感光性組成物は、塗布性や、インクジェット法による印刷性等の調整のために、必要に応じて有機溶媒を含んでいてもよい。
有機溶媒としては、下層膜形成用の塗布液について説明した有機溶媒と同様である。有機溶媒の使用量は、感光性層の形成方法を勘案したうえで感光性組成物の粘度が適切な粘度であるように適宜決定される。
光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する光インプリント用の感光性組成物は、上記の成分の他に、界面活性剤、増感剤、酸化防止剤、モールド離型剤等を含有していてもよい。
以上説明した光インプリント用の感光性組成物の他に、特開2010-000612号公報、特開2014-077110号公報、特許第5475173号公報、特許第5499546号公報、特許代5499596号公報、特許第5669913号公報、及び特許第5846974号公報に記載の硬化性組成物も、光インプリント法による有機樹脂膜の形成に好適に用いることができる。
上記の方法等により形成されるパターニングされた有機樹脂膜において、パターン形状は特に限定されない。典型的なパターン形状としては、ラインアンドスペースパターン、格子状パターン、ドットパターン、及びホールパターン等が挙げられる。
有機樹脂膜の膜厚は特に限定されない。有機樹脂膜の膜厚は、典型的には、5nm以上500nm以下であり、10nm以上300nm以下が好ましい。
<有機樹脂膜除去>
下層膜上にパターニングされた有機樹脂膜を形成した後、有機樹脂膜の、酸性洗浄液による下層膜上からの除去を行う。除去対象の有機樹脂膜について特に限定されない。典型的には、位置ずれや寸法ずれ等の不良が生じた有機樹脂膜の他、クラックやクレイズ等の種々の欠陥を含む有機樹脂膜が、好適な除去対象である。
酸性洗浄液としては、アルキルスルホン酸を含む酸性洗浄液を用いる。アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。以下、本出願の明細書において、「アルキルスルホン酸」は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルスルホン酸を意味する。
ハロゲン原子としては特に限定されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、及び塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
アルキルスルホン酸が有するアルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。アルキルスルホン酸の炭素原子数は、特に限定されない。アルキルスルホン酸の炭素原子数は、有機樹脂膜を良好に除去しやすいことから、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1以上4以下が特に好ましい。
アルキルスルホン酸の好適な具体例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、及びノナフルオロブタンスルホン酸が挙げられる。
有機樹脂膜を特に良好に除去しやすいことから、酸性洗浄液は、メタンスルホン酸、及び/又はトリフルオロメタンスルホン酸を含むのがより好ましい。
酸性洗浄液中のアルキルスルホン酸の含有量は、有機樹脂膜を良好に除去できる限り特に限定されない。酸性洗浄液中のアルキルスルホン酸の含有量は、典型的には、50質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらにより好ましく、100質量%が最も好ましい。
酸性洗浄液は、アルキルスルホン酸とともに、脂肪族カルボン酸を含んでいてもよい。脂肪族カルボン酸は、アルキルスルホン酸と比較して一般的に安価である。アルキルスルホン酸と、脂肪族カルボン酸とを併用する場合、酸性洗浄液中のアルキルスルホ酸の含有量が若干少なくとも、酸性洗浄液を用いて有機樹脂膜を良好に除去しやすい。
アルキルスルホン酸と併用可能な脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及び乳酸等が挙げられる。
酸性洗浄液中の脂肪族カルボン酸の含有量としては、例えば、1質量%以上であり、5質量%以上、10質量%以上、又は20質量%以上であってよい。
酸性洗浄液中の脂肪族カルボン酸の含有量の上限は、有機樹脂膜を良好に除去できる限り特に限定されない。酸性洗浄液中の脂肪族カルボン酸の含有量の上限は例えば50質量以下であり、20質量%以下であってよい。
酸性洗浄液中のアルキルスルホン酸と脂肪族カルボン酸との総量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらにより好ましく、100質量%が最も好ましい。
酸性洗浄液は、アルキルスルホン酸とともに有機溶媒を含んでいてもよい。酸性洗浄液が含んでいてもよい有機溶媒は、下層膜形成用の塗布液が含んでいてもよい有機溶媒と同様である。
酸性洗浄液は、有機樹脂膜の除去を阻害したり、下層膜にダメージを与えたりしない成分であれば、上記の成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、防食剤、及び界面活性剤等が挙げられる。
以上説明した酸性洗浄液と、下層膜上の有機樹脂膜とを接触させることにより、下層膜上の有機樹脂膜を除去する。
酸性洗浄液と、有機樹脂膜とを接触させる方法は特に限定されない。好ましい方法としては以下の1)~4)の方法が挙げられる。以下の方法の中では、操作が簡単であり、有機樹脂膜全体に酸性洗浄液を接触させやすい点から、1)の浸漬法が好ましい。
1)有機樹脂膜を備える基板を、酸性洗浄液中に浸漬する方法
2)有機樹脂膜に、酸性洗浄液を盛る方法
3)有機樹脂膜に、酸性洗浄液を噴霧する方法
4)有機樹脂膜の表面に、酸性洗浄液を流す方法
有機樹脂膜と接触させる酸性洗浄液の温度は、下層膜へのダメージを抑制しつつ、有機樹脂膜を良好に除去できる限り特に限定されない。
典型的には、酸性洗浄液の温度は40℃以上170℃以下が好ましく、50℃以上160℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。
かかる範囲内の温度の酸性洗浄液を有機樹脂膜と接触させることにより、下層膜へのダメージを抑制しながら、容易且つ良好に有機樹脂膜の除去を行うことができる。
有機樹脂膜と、酸性洗浄液とを接触させる時間は、有機樹脂膜を良好に除去できる限り特に限定されない。酸性洗浄液の温度にもよるが、典型的には、接触時間は10秒以上1時間以内が好ましく、30秒以上30分以内がより好ましく、1分以上10分以内が特に好ましい。
所望する時間、有機系樹脂膜と、酸性洗浄液とを接触させた後、必要に応じて、基板を、水や有機溶媒で洗浄する。洗浄後の基板を乾燥させることにより、有機樹脂膜が除去された一方で、ダメージのない下層膜を備える基板が得られる。
以上説明したリワーク処理により得られた、パターニングされた有機樹脂膜が除去され、且つ、含ケイ素材料を含む下層膜を備える基板は、種々の用途において、下層膜付き基板として好ましく再利用される。特に好ましく、以上説明したリワーク処理に得られた下層膜付き基板上に、パターニングされた有機樹脂膜が再形成される。
〔調製例1〕
調製例1において、下層膜形成用の塗布液を調整した。
シリカ粒子(YA010C-SM1、(アドマックス社製))80質量部と、光重合性化合物(メタクリレート変性シルセスキオキサン、MAC-SQ LP-35、(東亞合成株式会社製))20質量部と、光重合開始剤(2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、Irgacure 907(BASF社製)2質量部と、光重合開始剤(2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、Irgacure 369)0.4質量部とを、固形分濃度が3.5%であるように、プロピレングリコールモノメチル-テル中に均一に溶解・分散させて塗布液を得た。
〔調製例2〕
イソボルニルアクリレート(ライトアクリレートIB-XA(共栄社化学株式会社製))80質量部と、光重合性化合物(メタクリレート変性シルセスキオキサン、MAC-SQ LP-35、(東亞合成株式会社製))20質量部と、光重合開始剤(2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、Irgacure 907(BASF社製)10質量部と、光重合開始剤(2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、Irgacure 369)2質量部を混合してインプリント用の感光性組成物を得た。
〔実施例1〕
シリコン基板上に、調製例1で得た塗布液をスピンコートした後、100℃で1分間加熱して、塗布膜中の溶剤を除去した。次いで、塗布膜を180℃で3分加熱して硬化させて、膜厚100nmの下層膜を形成した。
次いで、下層膜上に、インクジェットヘッド(KM-512(コニカミノルタ株式会社製))を用いて感光性層を形成した。具体的には、ノズルあたり14pLの液滴量で、パターンの中間距離(ピッチ)が300μmの正方配列となるように吐出タイミングを制御して、調製例2で得た感光性組成物を吐出することにより、下層膜上の全面に感光性組成物を塗布して感光性層を形成した。
ナノインプリント転写装置(ST200(東芝機械株式会社製))を用いて、50nmラインアンドスペースパターンの鋳型モールドを、真空下、2MPaの押圧力で4秒間感光性層に押し付けて、感光性層を変形させた。変形した感光性層に対して、波長365nmのUV光を、露光量300mJ/cmで露光して、感光性層を硬化させた後、鋳型モールドを剥離させて、ラインアンドスペースパターンにパターニングされた有機樹脂膜を形成した。
得られた、パターニングされた有機樹脂膜と、下層膜とを備える基板を、トリフルオロメタンスルホン酸のみから酸性洗浄液に、表1に記載の処理条件で浸漬し、パターニングされた有機樹脂膜の除去を行った。浸漬後、超純水で基板を洗浄した後、窒素ガスを吹き付けて基板を乾燥させて、下層膜を備える基板を得た。
得られた基板を、走査型電子顕微鏡(S-4700(株式会社日立製作所製))により観察して、パターニングされた有機樹脂膜の除去性と、下層膜のダメージとを、以下の基準に従い評価した。これらの評価結果を、表1に記す。
<除去性評価>
A:パターニングされた有機樹脂膜が、完全に除去された。
B:パターニングされた有機樹脂膜がわずかに残存した。
C:パターニングされた有機樹脂膜の大部分が残存した。
<下層膜ダメージ評価>
○:ダメージ無し
×:ダメージ有り
〔実施例2~4、及び比較例1~4〕
実施例2~4、及び比較例1~3では、酸性洗浄液を、表1に記載の酸性洗浄液又は塩基性洗浄液に変更することの他は、実施例1と同様にして、パターニングされた有機樹脂膜と、下層膜とを備える基板に対する、有機樹脂膜の除去試験を行った。
なお、比較例1~3で用いた洗浄液は、いずれも市販の洗浄液である。
比較例4では、実施例1と同様にして得られたパターニングされた有機樹脂膜と、下層膜とを備える基板に対して、Oプラズマアッシングによる有機樹脂膜の除去試験を行った。
実施例2~4、及び比較例1~4で得られた基板を、走査型電子顕微鏡(S-4700(株式会社日立製作所製))により観察して、パターニングされた有機樹脂膜の剥離性と、下層膜のダメージとを、前述の基準に従い評価した。これらの評価結果を、表1に記す。
なお、比較例1~3では、洗浄液の沸点を考慮し、表1に記載した温度条件で有機樹脂膜の除去を行った。
Figure 0007150433000001
表1によれば、表面に含ケイ素材料を含む下層膜を備える基板において、下層膜上に形成されたパターニングされた有機樹脂膜を除去して、リワークを行う際に、ハロゲン化されていてもよいアルキルスルホン酸を含む酸性洗浄液を用いて有機樹脂膜の除去を行った、実施例1~4のみにおいて、有機樹脂膜の良好な除去と、下層膜へのダメージへの抑制とが両立されたことが分かる。

Claims (9)

  1. 基板のリワーク方法であって、
    前記基板上への、シリカ粒子を含む下層膜の形成と、
    前記下層膜上への、パターニングされた有機樹脂膜の形成と、
    前記有機樹脂膜の、酸性洗浄液による前記下層膜上からの除去と、を含み、
    前記酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
    前記アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい、リワーク方法。
  2. 前記酸性洗浄液における、前記アルキルスルホン酸の含有量が80質量%以上である、請求項1に記載のリワーク方法。
  3. 前記下層膜が、前記シリカ粒子を50質量%以上含む、請求項1又は2に記載のリワーク方法。
  4. 前記下層膜の形成が、下層膜形成用材料の塗布、又は蒸着により行われる、請求項1~3のいずれか1項に記載のリワーク方法。
  5. 前記有機樹脂膜の形成が、インプリント法、又はフォトレジスト材料を用いるフォトリソグラフィー法により行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載のリワーク方法。
  6. 前記酸性洗浄液が、メタンスルホン酸及び/又はトリフルオロメタンスルホン酸を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のリワーク方法。
  7. 前記有機樹脂膜の除去を、前記基板を前記酸性洗浄液に浸漬させることにより行う、請求項1~6のいずれか1項に記載のリワーク方法。
  8. 50℃以上170℃以下の前記酸性洗浄液と、前記有機樹脂膜とを接触させる、請求項1~7のいずれか1項に記載のリワーク方法。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の基板のリワーク方法において、前記下層膜上からの前記有機樹脂膜の除去に用いられる酸性洗浄液であって、
    前記酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
    前記アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい、酸性洗浄液。
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