JP7148483B2 - 油路構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に設けられた電動機の冷却を行うための油路構造に関する。
近年では、発電用の第一電動機(MG1)と駆動用の第二電動機(MG2)との二つの電動機を備え、エンジンにより第一電動機を駆動させて発電し、その電力の供給を受けて第二電動機が駆動して走行するハイブリッド車(シリーズ式ハイブリッド車)が提供されている。このようなハイブリッド車の電動機を冷却するものとして、下記特許文献1には電動機を冷却する冷却装置が開示されている。
特開2017-61226号公報
ところで、第一電動機(MG1)は特に発熱量が多いため、積極的に冷却したいとの要望が高い。そのため、トランスアクスルにはオイルクーラやオイルクーラにより冷却されたオイルを搬送するための油路が設けられている。
ここで、オイルクーラは、トランスアクスルハウジングなど電動機を収容するケース体の外側に設けられている場合が多い。そのため、ケース体の底部(オイル貯留部)などに溜まったオイルをオイルポンプなどにより搬送してオイルクーラに到達させるための油路をケース体の外側に設ける必要がある。
このような場合、一般的にはオイルクーラとケース体の肉に貫通孔を形成して設けられる油路(内部油路)とを接続するためにパイプ部材を用いることが考えられる。しかしながら、オイルクーラに接続するパイプ部材を設ける場合、部品点数が増え、結果としてコストの増加の要因となることが懸念される。
そこで本発明は、コスト増加を抑制して、オイルクーラと油路とを接続し、さらにケース体の小型化を実現することができる油路構造の提供を目的とした。
ここで本発明の発明者らは、上述の課題を解決するための構造について検討したところ、オイルクーラを油路と兼ね備えたものとすれば、ケース体の外側に配されるパイプなどの部材を削減することができるとの知見に至った。
上述の知見に基づき提供される本発明の油路構造は、電動機が収容されるケース体と、前記電動機を冷却するオイルの流路となる油路と、前記ケース体の側部に配置されるオイルクーラと、を有し、前記油路の少なくとも一部は、前記電動機の下方から上方に延び、上方に延びる前記油路の一部を、前記オイルクーラが兼ねていることを特徴とするものである。
本発明の油路構造によれば、上方に延びる油路の一部をケース側部に配置されたオイルクーラが兼ねる構造とされている。これにより、本発明の油路構造は、上方に延びる油路を一部省略することができる。その結果、本発明の油路構造は、ケース体をコンパクトにすることができる。
本発明の油路構造は、前記オイルクーラが、前記電動機の最外側部かつ円周方向側方を上下方向にまたぐ位置に配置されているものであるとよい。
上述の構成によれば、電動機の最外側部においてオイルクーラが油路を兼ねる構造とすることができる。別の言い方をすれば、上述の構成では、電動機が最も外側に張り出す部分(最外側部)をまたぐようにオイルクーラが配置されている。これにより、本発明の油路構造は、ケース内の油路の少なくとも一部を省略し、さらにオイルクーラを電動機に近づけることができる。その結果、本発明の油路構造は、ケース体をよりコンパクトにすることができる。
ここで、トランスアクスルの上部には、PCU(パワーコントロールユニット)が配置されている場合がある。そのため、トランスアクスルの上部にオイルクーラを配置することが難しい場合がある。また、トランスアクスルの下方側(オイルポンプよりも下方側)にオイルクーラを配置させようとすると、オイルポンプからオイルクーラに向けて下方に向かう油路を設ける必要が生じることとなる。そのため、圧送されたオイルをケース体の上方側に圧送する過程で、油路を上下させることとなり、効率が悪くなる。
このような問題に対応するため、本発明の油路構造は、オイルポンプが前記電動機の軸心と同等または軸心よりも下方に位置するものであり、前記オイルクーラが前記電動機の円周方向側方かつ前記電動機の最外側部を上下方向にまたぐ位置に配置されていることが望ましい。
上述の構成によれば、油路を効率よく設けつつ、オイルクーラを電動機に近づけることができる。
本発明の油路構造は、前記オイルクーラが、四角形状をなし、前記オイルクーラの対角となる位置に、オイルの入口と出口とが配置されているものであるとよい。
上述の構成によれば、オイルの入口と出口との距離を離すことができ、その分だけケース内の油路を省略することができる。また、本発明の油路構造によれば、四角形状のオイルクーラで必要最低限のクーラ性能(断面積)を確保しつつ、入口と出口との距離を最大限離間させることができる。
本発明の油路構造は、電動機を冷却するための油路構造であって、前記電動機を収容するケース体と、前記電動機を冷却するオイルの流路となる油路と、オイルを冷却するオイルクーラと、を有し、前記オイルクーラが、前記ケース体の外側に設けられており、前記ケース体が車両に積載された状態における上下方向において、前記オイルが上方に搬送される経路上に設けられていることを特徴とするものである。
本発明の油路構造によれば、オイルクーラを下方から上方にオイルを搬送する油路と兼ね備えたものとすることができ、ケース体の外側に配されるパイプなどの部材(外部油路を構成する部材)を削減して、コスト増加を抑制することができる。
ここで、オイルクーラをケース体の外側に設けつつ、ケース体の肉に上下方向に延びる油路を形成しようとすると、油路を形成するためにケース体の肉厚を大きく取らざるを得ない。そうすると、結果としてトランスアクスルの外形が大きくなってしまう。また、これに伴って、オイルクーラとケース体との距離が大きくなってしまう(図10参照)。
より詳細に説明すると、図10(a)に示すとおり、ケース体(トランスアクスルハウジング40)の電動機を収容する部分は、電動機(第一電動機20)の外形(周面)に合わせて湾曲するように肉が形成されている。その一方、ケース体(トランスアクスルハウジング40)に貫通孔を形成しようとすると、一般的には切削などにより直線状の貫通孔を形成することとなる。そのため、電動機(第一電動機20)の周面に対向する位置にあるケース体(トランスアクスルハウジング40)に縦に貫通する油路(縦内部油路100a’)を形成しようとすると、電動機の周面を避けるように、かつ貫通孔を上下方向に設けるに足りる肉厚を確保する必要がある。また、ケース体(トランスアクスルハウジング40)が肉厚となると、電動機(第一電動機20)とオイルクーラとの距離が大きくなり、トランスアクスルが大きくならざるを得ない。
上述の問題を解決するため提供される本発明の油路構造は 前記油路には、前記電動機の軸線方向に延びるように形成された少なくとも二つの前記油路が含まれるものであり、これらの二つの前記油路のうち一方を油路Aとし、他方を油路Bとした場合に、前記油路A及び前記油路Bが、前記ケース体の貫通孔として形成され、前記オイルクーラと前記電動機との間に配置されており、前記電動機の仮想接線の近傍に設けられているものであるとよい。
上述の構成によれば、ケース体における電動機を収容する部分の形状を活用しつつ、効率良くケース体に油路を形成することができる。より詳細に説明すると、上述の構成によれば、ケース体において、電動機とオイルクーラとが近い位置に、電動機の軸線方向に延びるように二つの油路をケース体に形成することができる。そのため、電動機の周面に対向する位置において、上下に貫通する内部油路を省略する、あるいは少なくすることができる。その結果、本発明の油路構造は、油路を形成するための位置や肉厚を確保するためにケース体を無駄に大きくする必要がなく、ケース体の小型化に貢献することができる。
ここで、トランスアクスルのオイルクーラの多くは、略円形のものが用いられている。オイルクーラは、オイルと水との間で熱交換を行う熱交換器である。そのため、オイルクーラの性能は、熱交換を行う面積に依存しており、外観(側面視における面積)が大きいほど熱交換を行う面積が大きくなり、冷却性能が高くなる。その一方、トランスアクスルでは、電動機の発熱量やトランスアクスルの大きさなどにより、要求される冷却性能が異なる。また、小型車などの場合では、さほど高い冷却性能を要しない場合も多い。
その一方、オイルをケース体の外側において、オイルを上方に搬送する流路として兼ね備えて設ける場合、オイルクーラの入口と出口との離間距離をある程度確保したい場合がある。そのような場合に、略円形のオイルクーラを用いると仮定すると、必要な冷却性能に対して過剰な冷却性能(オーバースペック)となり、結果としてコスト増加に繋がる可能性がある。
上述の課題に対応するため、本発明の油路構造は、前記オイルクーラが、略矩形の外観とされたものであり、前記オイルクーラに設けられたオイルの入口と出口とが、前記オイルクーラの対角となる位置に設けられているものであるとよい。
本発明の油路構造によれば、オイルクーラを小型のものを採用して、オイルクーラにオイルを流入させる入口から冷却後のオイルの出口までの離間距離を確保することができる。これにより、本発明の油路構造は、オイルクーラのオーバースペックを回避してコストを抑制しつつ、オイルを上方に向けて搬送しようとする距離を確保することができる。
また、本発明の油路構造は、前記油路には、前記電動機の軸線方向に延びるように形成された少なくとも二つの前記油路が含まれるものであり、これらの二つの前記油路のうち一方を油路Aとし、他方を油路Bとした場合に、前記油路A及び前記油路Bが、前記ケース体の貫通孔として形成され、前記オイルクーラと前記電動機との間に配置されており、前記油路Aと前記油路Bとの離間距離が、前記オイルクーラの前記入口と前記出口との離間距離に応じて設定されているものであるとよい。
上述の構成によれば、電動機の周面に対向する位置において、上下に貫通する内部油路を省略する、あるいは少なくすることができる。その結果、本発明の油路構造は、油路を形成するための位置や肉厚を確保するためにケース体を無駄に大きくする必要がなく、ケース体の小型化に貢献することができる。
本発明によれば、コスト増加を抑制して、オイルクーラと油路とを接続し、さらにケース体の小型化を実現することができる油路構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る油路構造を備えるトランスアクスルを示す模式図である。 図1のトランスアクスルのギア室を示す側面図である。 図1のトランスアクスルを前方側の側面図である。 図1のトランスアクスルの左側面図である。 図1のトランスアクスルのギア室側の構成を示す分解斜視図である。 図1のトランスアクスルの区画プレート周辺のオイルの流れを示す概念図である。 図1の油路構造におけるオイル流れの全体を示す斜視図である。 図1の油路構造を示す側面視における概念図である。 図1の油路構造の上流側油路及び下流側油路を示す平面図である。 図1の油路構造の油路を示す模式図である。(a)は第一電動機の周面と対向するように縦内部油路を形成したと仮定した場合の参考図、(b)は本実施形態の油路構造における周面側油路の位置を説明するための模式図である。 (a)は図1のトランスアクスルのギア室側を示す側面図、(b)はオイルポンプボデーの側面図、(c)はオイルポンプボデーの斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る油路構造10について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の説明では、油路構造10の詳細に先立って、油路構造10を備えるトランスアクスル1の全体構成について説明する。油路構造10は、トランスアクスル1における第一電動機20(MG1)や第二電動機30(MG2)を冷却するための構造である。
なお、本発明の油路構造は、シリーズ式ハイブリッド車のトランスアクスルに設けられるものに限定されず、車両のモータ(電動機)を冷却するものとして、パラレル式ハイブリッド車、AT車、電気自動車などに好適に採用することができる。また、本発明の油路構造は、トランスアクスルに設けられるものに限定されず、電動機を冷却するものとして採用することができる。
トランスアクスル1は、図1に示す車両Vに設けられている。車両Vには、エンジン(図示を省略)及び図示を省略したバッテリが設けられている。車両Vは、エンジンを動力源として後述する第一電動機20を駆動させ、第一電動機20の駆動により後述する第二電動機30を駆動させて走行可能とされているとともに、エンジンを停止させてバッテリを動力源として駆動させて第二電動機30を駆動させて走行(EV走行)することができる、いわゆるシリーズ式ハイブリッド車とされている。
なお、以下の説明では、トランスアクスル1を車両Vに搭載した状態における上下方向を、単に「上下方向H」と記載して説明する。また、上下方向Hにおいて、上方を単に「上方Up」と、下方を単に「下方Lw」と記載して説明する。
また、以下の説明では、トランスアクスル1を車両Vに搭載した状態において、車両Vの前後方向を、単に「前後方向X」と記載して説明する。また、前後方向Xにおいて、前方を単に「前方Fr」と、後方を単に「後方Rr」と記載して説明する。
さらに、以下の説明では、トランスアクスル1を車両Vに搭載した状態において、車両Vの幅方向を、単に「幅方向W」と記載して説明する。
図1に示すとおり、トランスアクスル1は、トランスアクスルハウジング40、第一電動機20(電動機)、第二電動機30(電動機)、デファレンシャル機構32を備えている。
また、トランスアクスル1には、オイルポンプ60、区画プレート61(区画部)、オイルポンプボデー62、リリーフ弁63(圧力調整装置)、ストレーナ64、オイルクーラ70、電食カバー80、絶縁プレート84、温度センサ86、及び冷却パイプ90が設けられている。
第一電動機20(MG1)は、モータジェネレータからなる。第一電動機20には、インバータなどを内蔵する発電機コントローラが接続されている。なお、図示を省略するが、発電機コントローラは、トランスアクスル1の上部に搭載されている。第一電動機20から出力される交流電力は、発電機コントローラにより直流電力に変換されて、その直流電力が電池に供給されることにより、電池が充電される。第一電動機20は、エンジン(図示を省略)の駆動により回転動力が伝達されて駆動する。
第二電動機30(MG2)は、モータジェネレータからなる。第二電動機30には、インバータなどを内蔵するモータコントローラが接続されている。なお、図示を省略するが、発電機コントローラは、トランスアクスル1の上部に搭載されている。モータコントローラには、電池が接続されている。電池から出力される直流電力がモータコントローラに供給され、その直流電力がモータコントローラにより交流電力に変換されて、交流電力が第二電動機30に供給されることにより、第二電動機30が駆動される。
なお、以下の説明では、第一電動機20(MG1)及び第二電動機30(MG2)を総称して、単に「電動機18」と記載して説明する場合がある。
第一電動機20及び第二電動機30は、それぞれステータ、及びロータ軸を有するロータを備えている。
デファレンシャル機構32は、左右の駆動輪を駆動する左右一対のドライブシャフト(図示を省略)の間の差動を許容するとともに、これら左右一対のドライブシャフトに回転動力を伝達するように構成されている。図1に示すとおり、デファレンシャル機構32には、デフリングギア32a、デファレンシャルギア32bを含む複数のギアにより構成されている。
第二電動機30の動力は、複数のギアを介して、デファレンシャル機構32のデフリングギア32aに伝達され、デファレンシャル機構32から駆動輪2に伝達される。これにより、駆動輪2が回転し、車両Vが走行する。
トランスアクスルハウジング40(ケース体)は、第一電動機20や第二電動機30等を収容するための収容体である。図1に示すとおり、トランスアクスルハウジング40(ケース体)は、三つの構成部材によりひとつの収容体をなしている。より具体的に説明すると、トランスアクスルハウジング40は、第一構成体40a、第二構成体40b、及び第三構成体40cにより構成されている。
図1に示すとおり、第一構成体40aは、トランスアクスルハウジング40において幅方向Wの中間部分を形成している。図1に示すとおり、第一構成体40aには、区画壁43が形成されており、区画壁43によりモータ室41となる空間と、ギア室42となる空間とが仕切られている。また、第二構成体40bは、第一構成体40aのモータ室41側に取り付けられている。さらに、第三構成体40cは、ギア室42側に取り付けられている。
以下の説明では、第一構成体40a、第二構成体40b、及び第三構成体40cを総称して、トランスアクスルハウジング40と記載して説明する場合がある。
上述のとおり、トランスアクスルハウジング40の内部空間は、区画壁43によりモータ室41とギア室42とに仕切られている。図1に示すとおり、モータ室41には、第一電動機20及び第二電動機30が収容されている。ギア室42には、デファレンシャル機構32が収容されている。
また、トランスアクスルハウジング40の内部にはオイルが収容されており、後述するオイルポンプ60によりオイルが圧送され、第一電動機20や第二電動機30が冷却されている。
なお、本実施形態の油路構造10におけるトランスアクスルハウジング40は、上述のとおり、三つの構成部材により構成されるものとした例を示したが、本発明の油路構造におけるケース体は本実施形態に限定されず、二つ、あるいは四つ以上の構成体により形成されるものであってもよい。
トランスアクスルハウジング40には、複数の貫通孔や凹部が形成されている。トランスアクスルハウジング40に形成された貫通孔や凹部の少なくとも一部は、後述する油路100のうち、内部油路100aを構成している(図9参照)。なお、油路100の詳細については後で詳述する。
図2は、トランスアクスル1のギア室42を示す側面図である。図2に示すとおり、トランスアクスルハウジング40のギア室42側の底部には、オイル貯留部50が設けられている。オイル貯留部50は、後述する油路100を循環するオイルが溜められる部分である。オイル貯留部50には、ストレーナ64が配置されている。図8及び図7に示すとおり、ストレーナ64を介してオイル貯留部50からオイルポンプ60に汲み上げられ、圧送されたオイルは油路100を経由して各電動機18の冷却に用いられる。また、電動機18の冷却等に用いられたオイルは、モータ室41からギア室42に連通する貫通孔などを介して、再びオイル貯留部50に戻る。
図5に示すとおり、トランスアクスルハウジング40には、複数の凹部45が設けられている。図5に示すとおり、トランスアクスルハウジング40(第一構成体40a)には、ストレーナ64から吸い上げられたオイルを案内する第一凹部45a、オイルポンプ60が収容されるポンプ収容室52を構成する第二凹部45b、後述するリリーフ弁63の作動によりオイルを放出させるための放出室54を構成する第三凹部45cが設けられている。
第一凹部45aは、オイルポンプボデー62により閉塞されて、案内室51を形成する。また、第二凹部45bや第三凹部45cは、区画プレート61により閉塞されて、油路構造10におけるオイルの通路となる空間(ポンプ収容室52や放出室54など)を形成する。なお、案内室51、ポンプ収容室52、及び放出室54については、後で詳述する。
また、トランスアクスルハウジング40には、第一通路54aと、第二通路54cと、放出口54bとが設けられている。第一通路54aは、オイル貯留部50に連通している。また、第二通路54cは、一定の容積を備える放出室54を形成している。放出口54b(連通孔)は、第二通路54cに設けられており、モータ室41と連通している。
オイルポンプ60は、オイル貯留部50のオイルを圧送するためのものである。図5に示すとおり、オイルポンプ60は、トランスアクスルハウジング40の区画壁43に形成されたポンプ収容室52に収容されている。オイルポンプ60は、ポンプギア60aがエンジン(図示を省略)の回転駆動に伴って回転し、オイルを圧送する。また、上述のとおり、第一電動機20は、エンジンの駆動により回転動力が伝達されて駆動するものとされており、オイルポンプ60はエンジンの駆動により、第一電動機20と連動して作動する。
オイルポンプボデー62は、トランスアクスルハウジング40の区画壁43(ギア室42側)に対して、ボルトなどの部材により取り付けられている。より具体的に説明すると、オイルポンプボデー62は、トランスアクスルハウジング40(第一構成体40a)の区画壁43に形成された第一凹部45aや第二凹部45b、第三凹部45cを閉塞するようにトランスアクスルハウジング40に取り付けられている。なお、オイルポンプボデー62とトランスアクスルハウジング40との間には、区画プレート61が介在している。
オイルポンプボデー62には、ストレーナ64が接続されている。さらに、図11(b)及び(c)に示すとおり、オイルポンプボデー62には、第四凹部62aが形成されている。第四凹部62aは、オイルポンプボデー62の区画壁43と対向する面に形成された「略くの字状」の窪みであり、区画プレート61が取り付けられた状態において圧力調整室53を形成するとともに、オイルの流路となる油路100として構成される。
区画プレート61は、トランスアクスルハウジング40(第一構成体40a)とオイルポンプボデー62との間に介在するように配置されている。言い方を換えれば、区画プレート61は、トランスアクスルハウジング40に形成された複数の凹部45(第一凹部45a等)と、オイルポンプボデー62に形成された凹部(第四凹部62a)との間を区画するように配置されている。
区画プレート61には、複数の孔が形成されている。具体的に説明すると、区画プレート61には、第一孔61a、第二孔61b、第三孔61c、及び第四孔61dが形成されている。なお、以下の説明では、区画プレート61及びオイルポンプボデー62がトランスアクスルハウジング40に取り付けられた状態を、単に「組付状態」と記載して説明する場合がある。
第一孔61aは、上下方向Hに延びるように形成されており、組付状態において、ストレーナ64から汲み上げられたオイルをポンプ収容室52に案内する案内室51を構成する。
第二孔61bは、略扇面状の形状とされており、組付状態において、ポンプ収容室52から圧力調整室53に向けたオイルの連通路となっている。
第三孔61cは、略円形の孔とされている。第三孔61cは、組付状態において、圧力調整室53から後述する内部油路100aに向けたオイルの連通路となっている。
第四孔61dは、略円形の孔とされている。第四孔61dは、組付状態において、圧力調整室53から放出室54に向けたオイルの連通路(放出孔55)となっている。第四孔61dは、後述するリリーフ弁63により閉塞された状態となっている。また、第四孔61d(放出孔55)は、油路100の圧力に応じてリリーフ弁63が作動すると、閉塞状態から開放状態となり、オイル流路が開放される。
リリーフ弁63は、第四孔61d(放出孔55)を閉塞及び開放可能とするために設けられている。図5に示すとおり、リリーフ弁63は、キャップ部63aと付勢部材63bとを備えている。リリーフ弁63は、キャップ部63aが付勢部材63bにより第四孔61dに向けて付勢された状態で放出室54に配置されている。
オイルクーラ70は、オイルと水との間で熱交換を行う熱交換器である(水冷式クーラ)。図3に示すとおり、オイルクーラ70は、前方Fr側から側面視した状態において、略四角の外観を備えている。図3に示すとおり、オイルクーラ70には、オイルの入口となるオイル入口70aと、オイルの出口となるオイル出口70bとが設けられている。また、オイルクーラ70には、オイルを冷却するための水の出入口70c,70dが設けられている。
図3に示すとおり、オイルクーラ70のオイル入口70aとオイル出口70bとは、オイルクーラ70の対角となる位置に設けられている。また、オイル入口70a及びオイル出口70bは、トランスアクスル1が車両Vに搭載された状態において、上下方向Hに沿うように配置されている。
冷却パイプ90は、オイルを噴出させて電動機18を冷却するためのパイプ部材である。冷却パイプ90は、トランスアクスルハウジング40内のモータ室41に設けられている。図8に示すとおり、冷却パイプ90は、第一電動機20の上方Upと、第二電動機30の上方Upとの、それぞれに設けられている。冷却パイプ90には、オイル噴出口93が設けられており、冷却パイプ90に供給されたオイルは、オイル噴出口93から各電動機18に向けてシャワー状に噴出されて各電動機18を冷却する。
なお、以下の説明では、第一電動機20の冷却を行う冷却パイプ90を第一冷却パイプ91と記載して説明し、第二電動機30の冷却を行う冷却パイプ90を第二冷却パイプ92と記載して説明する。
<油路構造の油路について>
続いて、油路構造10における油路100について説明する。図7は、油路100の全体の構成を示す概念図である。油路100は、各電動機18を冷却するオイルの流路として設けられている。
本実施形態の油路構造10の油路100には、内部油路100a及び外部油路100bが含まれている。内部油路100aは、トランスアクスルハウジング40に形成された貫通孔、あるいはトランスアクスルハウジング40に凹部を形成して当該凹部を別部材により閉塞されて、オイルの流路をなしているものである。また、外部油路100bは、トランスアクスルハウジング40とは異なる部材(例えば、パイプ部材など)によりオイルの流路をなしているものである。
図8に示すとおり、油路構造10では、オイル貯留部50のオイルがストレーナ64を介してオイルポンプ60により上方Upに汲み上げられる。図7及び図8に示すとおり、オイルポンプ60により汲み上げられたオイルは、オイルポンプボデー62に形成された圧力調整室53を経由して第一電動機20の外側を迂回するように形成された内部油路100aに案内され、オイルクーラ70に到達する。
図7に示すとおり、オイルクーラ70は、下方Lw側の油路100と上方Up側の油路100とを連結するように設けられている。別の観点から説明すると、油路100は、オイルクーラ70を介して下方Lw側の油路100と上方Up側の油路100とが連結されており、オイルクーラ70が上方Upに向けてオイルを搬送する流路をなしている。
なお、以下の説明では、オイルクーラ70の上流側となる油路100(下方Lw側の油路100)を単に「下方側油路101」と記載し、オイルクーラ70の下流側となる油路100(上方Up側の油路100)を単に「上方側油路102」と記載して説明する場合がある。
図7に示すとおり、オイルクーラ70から流出したオイルは、電動機18の軸線方向Gの両側に分岐して分配され、さらに枝分かれするように分配される。具体的には、オイルクーラ70から流出したオイルは、第一電動機20の上方Up側に向かう第一供給路111と、第二電動機30の上方Up側に向かう第二供給路112と、第一電動機20のロータ軸24に向かう第三供給路113との、三つの経路に分配される。
このように、油路構造10では、オイルポンプ60によりオイルをオイルクーラ70に向けて圧送し、オイルクーラ70から流出したオイル(冷却されたオイル)が複数箇所に向けて分配される。
第一供給路111は、第一冷却パイプ91と接続されており、第一電動機20を冷却するためのオイルの供給路となっている。また、第二供給路112は、第二冷却パイプ92と接続されており、第二電動機30を冷却するためのオイルの供給路となっている。
図4に示すとおり、第三供給路113は、トランスアクスルハウジング40の側方(モータ室41側の側方)において、上方Upから下方Lwへと傾斜するような経路となっており、第一電動機20の取付部46においてロータ軸24の軸線方向Gに沿うような曲がり角を有する経路を形成している。
このように、本実施形態の油路構造10では、ひとつのオイルクーラ70により冷却されたオイルを、各電動機18を上方Upから冷却する経路と、第一電動機20を内側から冷却する経路とに分配している。
続いて、トランスアクスル1に設けられた油路構造10の詳細について説明する。油路構造10は、油路100、オイルポンプ60、オイルクーラ70、オイルポンプボデー62、区画プレート61、ノズル部82、絶縁プレート84、ロータ軸24、及び温度センサ86などにより構成されている。
<1.オイルクーラの配置と内部油路の位置との関係について>
本実施形態の油路構造10では、オイルクーラ70をトランスアクスルハウジング40の外側に設けつつ、オイルクーラ70に接続するための外部油路100bを構成するためのパイプ材など、部品点数が増加することを抑制している。また、油路構造10では、オイルクーラ70にオイルを案内するための内部油路100aやオイルクーラ70から各供給路に分配するための内部油路100aの位置を調整することで、トランスアクスルハウジング40の肉厚が増大することを抑制し、トランスアクスル1の小型化を実現している。以下、詳細に説明する。
上述のとおり、油路構造10では、オイルクーラ70が、トランスアクスルハウジング40の外側に設けられている。また、図7に示すとおり、油路構造10では、上方Upに延びる油路100の一部を、オイルクーラ70が兼ねている。別の言い方をすれば、油路構造10では、オイルクーラ70が、トランスアクスルハウジング40が車両Vに積載された状態における上下方向Hにおいて、オイルが上方Upに搬送される経路上に設けられている。
油路構造10によれば、オイルクーラ70を下方Lwから上方Upにオイルを搬送する油路100と兼ね備えたものとすることができ、トランスアクスルハウジング40の外側に配されるパイプなどの部材(外部油路100bを構成する部材)を削減することができる。また、油路構造10によれば、トランスアクスルハウジング40をコンパクトにすることができる。
油路構造10では、オイルクーラ70が、第一電動機20の最外側部かつ円周方向側方を上下方向Hにまたぐ位置に配置されている(図8参照)。別の言い方をすれば、油路構造10では、第一電動機20が最も外側に張り出す部分(最外側部)をまたぐようにオイルクーラ70が配置されている。これにより、油路構造10は、油路100の少なくとも一部を省略し、さらにオイルクーラ70を第一電動機20に近づけることができる。その結果、油路構造10は、トランスアクスルハウジング40をよりコンパクトにすることができる。
ここで、トランスアクスル1の上部には、PCU(パワーコントロールユニット)が配置されている。そのため、トランスアクスル1の上部にオイルクーラ70を配置することが難しい。また、トランスアクスル1の下方Lw側(オイルポンプ60よりも下方Lw側)にオイルクーラ70を配置させようとすると、オイルポンプ60からオイルクーラ70に向けて下方Lwに向かう油路100を設ける必要が生じることとなる。そのため、圧送されたオイルをトランスアクスルハウジング40の上方Up側に圧送する過程で、油路100を上下させることとなり、効率が悪くなる。
これに対して、油路構造10では、オイルポンプ60が第一電動機20の軸心と同等または軸心よりも下方Lwに位置しており、オイルクーラ70が第一電動機20の円周方向側方かつ第一電動機20の最外側部を上下方向にまたぐ位置に配置されている。
これにより、油路構造10は、油路100を効率よく設けつつ、オイルクーラ70を第一電動機20に近づけることができる。
ここで、図10(a)に示すとおり、オイルクーラ70をトランスアクスルハウジング40の外側に設けつつ、上下方向Hに延びる縦内部油路100a’を仮に形成しようとすると、縦内部油路100a’を形成するためにトランスアクスルハウジング40の肉厚D1を大きく取らざるを得ない。そうすると、結果としてトランスアクスル1の外形が大きくなってしまう。また、これに伴って、オイルクーラ70とトランスアクスルハウジング40との距離D2が大きくなってしまう。
より詳細に説明すると、トランスアクスルハウジング40の電動機18を収容する部分は、第一電動機20の外形(周面)に合わせて湾曲するように肉が形成されている。その一方、トランスアクスルハウジング40に貫通孔を形成しようとすると、一般的には切削などにより直線状の貫通孔を形成することとなる。そのため、第一電動機20の周面に対向する位置にあるトランスアクスルハウジング40に縦内部油路100a’を形成しようとすると、第一電動機20の周面を避けるように、かつ貫通孔を上下方向Hに設けるに足りる肉厚D1を確保する必要がある。
また、トランスアクスルハウジング40が肉厚となると、第一電動機20とオイルクーラ70との距離D2が大きくなり、トランスアクスル1が大きくならざるを得ない。
これに対して、図10(b)に示すとおり、本実施形態の油路構造10では、第一電動機20の周面に対向するように二つの内部油路100aが形成されている。具体的には、油路構造10では、下方側油路101のうち第一電動機20の周面と対向する位置に設けられ軸線方向Gに延びるように形成された内部油路100aである周面側油路120(油路A)が設けられている。また、油路構造10では、上方側油路102のうち第一電動機20の周面と対向する位置に設けられ軸線方向Gに延びるように形成された内部油路100aである周面側油路121(油路B)が設けられている。
また、周面側油路120(油路A)と周面側油路121(油路B)とは、オイルクーラ70と第一電動機20の間に配置されており、第一電動機20の仮想接線Kの近傍に設けられている。
さらに、油路構造10では、周面側油路120と周面側油路121との離間距離が、オイルクーラ70のオイル入口70aとオイル出口70bとの離間距離L1と概ね一致するものとされている。そのため、油路構造10では、オイルクーラ70に接続するための油路100の位置を最適化して、トランスアクスルハウジング40が肉厚となることを回避している。
より詳細に説明すると、本実施形態の油路構造10では、トランスアクスルハウジング40の第一電動機20の周面に対向する位置において、上下に貫通する内部油路100a(縦内部油路100a’)を省略する、あるいは少なくすることができる。その結果、油路構造10は、油路100を形成するための位置や肉厚を確保するためにトランスアクスルハウジング40を無駄に大きくする必要がなく、トランスアクスルハウジング40の小型化に貢献することができる。
このように、油路構造10によれば、トランスアクスルハウジング40における第一電動機20を収容する部分の形状を活用しつつ、効率良く油路100を形成することができる。これにより、油路構造10は、内部油路100aを形成するために過度に肉厚を確保するなど無駄な形状を減少させ、トランスアクスル1の小型化に貢献することができる。
また、上述のとおり、油路構造10では、オイルクーラ70が、四角形状をなしている。すなわち、油路構造10では、オイルクーラ70が、略四角の外観を有するものとされている。また、油路構造10では、オイルクーラ70に設けられたオイル入口70aとオイル出口70bとが、オイルクーラ70の対角となる位置に設けられている(図3、図7参照)。
さらに具体的に説明すると、オイルクーラ70のオイル入口70aとオイル出口70bとは、上下方向Hにおける角部近傍であり、対角となる位置に設けられている。
油路構造10によれば、オイル入口70aとオイル出口70bとの距離を離すことができ、その分だけトランスアクスルハウジング40内の油路100を省略することができる。また、油路構造10によれば、四角形状のオイルクーラ70で必要最低限のクーラ性能(断面積)を確保しつつ、オイル入口70aとオイル出口70bとの距離を最大限離間させることができる。
より詳細に説明すると、トランスアクスルのオイルクーラの多くは、略円形のものが用いられているが、本実施形態の油路構造10のオイルクーラ70は、略四角のものが用いられている。
ところで、オイルクーラ70は、上述のとおり、オイルと水との間で熱交換を行う熱交換器である。そのため、オイルクーラ70の性能は、熱交換を行う面積に依存しており、外観(側面視における面積)が大きいほど熱交換を行う面積が大きくなり、冷却性能が高くなる。その一方、トランスアクスル1では、電動機18の発熱量やトランスアクスル1の大きさなどにより、要求される冷却性能が異なる。また、小型車などの場合では、さほど高い冷却性能を要しない場合も多い。
その一方、本実施形態の油路構造10のように、オイルをトランスアクスルハウジング40の外側において、オイルを上方Upに搬送する流路として兼ね備えて設ける場合、オイルクーラ70のオイル入口70aとオイル出口70bとの離間距離L1をある程度確保したい場合がある。そのような場合に、略円形のオイルクーラを用いると仮定すると、必要な冷却性能に対して過剰な冷却性能(オーバースペック)となり、結果としてコスト増加に繋がる可能性がある。
これに対して、本実施形態の油路構造10によれば、オイルクーラ70を小型のものを採用して、オイルクーラ70にオイルを流入させるオイル入口70aから冷却後のオイルを流出させるオイル出口70bまでの離間距離L1を確保することができる。これにより、油路構造10は、オイルクーラのオーバースペックを回避してコストを抑制しつつ、オイルを上方Upに向けて搬送しようとする距離を確保することができる。
<2.油路の圧力調整機能とモータ(ステータ)の冷却について>
続いて、本実施形態の油路構造10における油路100の圧力調整機能、及び圧力を調整する際のオイルの流入先について説明する。
油路構造10は、油路100の途中に設けられたリリーフ弁63を有している。また、図13(a)に示すとおり、リリーフ弁63の下流側において、第一通路54aと第二通路54c(放出室54)とが分岐している。第一通路54aは、オイル貯留部50に連通している。また、第二通路54c(放出室54)には、モータ室41に連通する放出口54b(連通孔)が設けられている。
油路構造10によれば、リリーフされたオイルの一部をモータ室41へ流入させ、第一電動機20を冷却することができる。その結果、油路構造10は、特に第一電動機20が高負荷状態のときにリリーフされたオイルを利用して、効率的に第一電動機20を冷却することができる。
また、油路構造10では、放出口54b(連通孔)が、第一電動機20の下方部とラップする位置に配置されている。
上述の構成により、油路構造10は、従来では冷却に不利となる第一電動機20の下方部を冷却することができる。具体的に説明すると、従来の油路構造では、電動機が高負荷状態となる場合、電動機は上方からオイルが注ぐことにより積極的に冷却されているが、電動機の下方側が上方側と比べて冷却が不利となる。これに対して、油路構造10では、放出口54b(連通孔)から第一電動機20の下方部へオイルを供給して、冷却に不利となる第一電動機20の下方側を冷却することができる。
また、油路構造10では、放出口54b(連通孔)が、リリーフ弁63よりも下方Lwに位置しており、第二通路54cは、油溜まり形状とされている(図11(a)参照)。別の言い方をすれば、油路構造10の第二通路54cは、オイルを溜めることができる一定の容積を備える放出室54を構成している。
そのため、油路構造10では、リリーフ弁63が閉じられた場合でも、しばらくの間、油溜まり形状とされた第二通路54c(放出室54)にオイルを滞留させることができる。これにより、油路構造10は、オイルを順次モータ室41へ供給することができ、第一電動機20の冷却に有利となる。より具体的に説明すると、第一電動機20の回転数が下がったとしても第一電動機20の温度はすぐに下がらないところ、油路構造10によれば、第一電動機20の下方に徐々にオイルを供給して冷却することができるため、第一電動機20の冷却に有利となる。
上述のとおり、油路構造10は、油路100の圧力に応じて油路100の一部を開放させるリリーフ弁63を有している。また、油路構造10では、油路100の圧力が過大(一定以上)となると、リリーフ弁63が作動して、油路100からオイル貯留部50へとオイルを流出させる第一通路54aと、油路100からトランスアクスルハウジング40の電動機18(第一電動機20)が収容されるモータ室41側へとオイルを流入させる第二通路54cとにオイルが流入する。
また、油路構造10は、リリーフ弁63の作動によりオイルが流入する放出室54(第三凹部45c)と、放出室54と油路100とを区画するように設けられた区画プレート61(区画部)とを備えている。区画プレート61(区画部)には、放出室54と油路100とを連通させる放出孔55(第四孔61d)が形成されている。油路構造10では、リリーフ弁63が、放出孔55を閉塞しており、油路100の圧力が一定以上となると、放出室54側に後退して放出孔55を開放する。
より具体的に説明すると、図5に示すとおり、油路構造10では、トランスアクスルハウジング40のギア室42側に形成された複数の凹部45と、区画プレート61と、オイルポンプボデー62に形成された第四凹部62aとにより、オイルが通過する(オイルの流路となる)空間が形成されている。
さらに詳細に説明すると、トランスアクスルハウジング40に形成された第一凹部45aは、オイルポンプボデー62により閉塞されて、ストレーナ64を通過したオイルが流入する空間(案内室51)が形成されている。また、第二凹部45bには、オイルポンプ60を構成するポンプギア60aが収容されており、ポンプ収容室52を形成している。さらに、オイルポンプボデー62の第四凹部62aは、区画プレート61により閉塞されて、オイルポンプ60から搬送されたオイルが流入する圧力調整室53を形成している。さらに、図11(a)に示すとおり、トランスアクスルハウジング40に形成された第三凹部45cは、区画プレート61により閉塞されて、油路100の圧力が過大となった場合にオイルを放出する第一通路54a及び放出室54(第二通路54c)を形成している。第一通路54a及び第二通路54cは、分岐するような油路100を形成しており、放出孔55から流入したオイルは分岐するように放出される。
このように、油路構造10では、オイルポンプ60と接続された油路100が、区画プレート61を介して区画されている(図6参照)。別の言い方をすれば、本実施形態の油路構造10では、トランスアクスルハウジング40側(区画壁43)に形成された空間と、オイルポンプボデー62側に形成された空間とが、区画プレート61を介在して隣接しており、オイルが区画プレート61の表裏を構成する面の一方から他方に向かうように搬送される。
図6(a)に示すとおり、油路100の圧力が通常である場合には、放出孔55はリリーフ弁63により閉塞された状態となっている。そのため、オイルは、案内室51から第二孔61bを通過して圧力調整室53に到達して、放出孔55を通過せずに第三孔61cを通過して内部油路100aへと流入する。
その一方、図6(b)に示すとおり、油路100の圧力が高くなると(一定以上となると)、放出孔55(第四孔61d)を介してリリーフ弁63が付勢部材63bの付勢力に反して後退するように押され、キャップ部63aが放出孔55から離れて放出孔55が開放される。そうすると、放出孔55を介して圧力調整室53から第一通路54a及び放出室54(第二通路54c)に向けてオイルが流入する。
図6(b)に示すとおり、第一通路54aに流入したオイルは、オイル貯留部50に戻るように流下する。また、第二通路54c(放出室54)に流入したオイルは、放出口54bを介してモータ室41側に流入する。図11(a)に示すとおり、第二通路54c(放出室54)は、下方Lwに向けて湾曲するような略「くの字」の形状をなしており、内部に一定量のオイルを貯留することができる。別の言い方をすれば、第二通路54c(放出室54)は、油溜まり形状とされている。そのため、リリーフ弁63が放出孔55を閉塞した後にも、第二通路54cに所定の時間に亘りオイルが溜まった状態となり、第二通路54cから徐々にオイルがモータ室41に供給される。そのため、油路構造10は、第一電動機20の回転数が下がった後も徐々にオイルをモータ室41に供給して、第一電動機20を効率的に冷却することができる。
ここで、放出口54bは、第一電動機20のステータ21(図6では図示を省略)と対向するように形成されている。言い方を換えれば、本実施形態の油路構造10では、放出口54bは、ステータ21とラップする位置に設けられている。そのため、放出口54bから流出したオイルは、モータ室41に配置された第一電動機20のステータ21を冷却する。
ここで、シリーズ式ハイブリッド車では、坂道の走行時など、第一電動機20の負荷が大きくなる場合がある。このような場合、第一電動機20と同期して作動するオイルポンプ60の回転数が大きくなる。また、オイルポンプ60の吐出量が増大して油路100に搬送されるオイル量が多くなる結果、油路100の圧力が高くなることがある。このような場合、油路100の圧力が過大となり、部品などの不具合発生の要因となることを回避するため、リリーフ弁63が作動して(放出孔55を開放して)油路100からオイル貯留部50にオイルを放出させる。これにより、油路構造10では、油路100の圧力が過大をなることを抑制している。
このように、リリーフ弁を設けて油路からオイル貯留部にオイルを戻す構造とすることにより、油路100の圧力を一定以上となることを抑制することができる。しかしながら、オイルをオイル貯留部50に戻すだけの構造では、発熱量が大きくなっている第一電動機20をより積極的に冷却することができない。より具体的に説明すると、オイルポンプの回転数が一定以上となったとしても、過剰なオイルがオイル貯留部に戻されるため、第一電動機20等の電動機18を冷却するために搬送されるオイルは、一定以上の量が搬送されない。さらに説明すると、油路100にオイルが搬送される量は一定以上とならないのに対して、第一電動機20の発熱量は増加して、特に下方側(ステータ側)の冷却が不利となる可能性がある。
これに対して、本実施形態の油路構造10では、リリーフさせるオイルを、オイル貯留部50に向かう経路(第一通路54a)に加え、モータ室41側に向かう経路(第二通路54c)を設けている。これにより、本実施形態の油路構造10は、圧力を調整するためにオイル貯留部50に戻すオイルの一部が、第一電動機20を冷却するためのものとして積極的に活用される。
このように、油路構造10によれば、必要なタイミング(エンジンの回転数とともに第一電動機20の回転数が上昇して、第一電動機20の冷却が特に必要となるタイミング)において、リリーフするオイルを効率的に活用して第一電動機20の冷却を行うことができる。
このように、油路構造10によれば、油路100の圧力を調整する構造(オイルをオイル貯留部50に戻す構造)や放出されるオイルを、第一電動機20の冷却に活用することができる。その結果、さほど複雑な機構を設けずにコストを抑えつつ、効率良く第一電動機20を冷却することができる。
以上、本発明の実施形態に係る油路構造10について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、各機能や構成については適宜変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、冷却させたオイルを三箇所に分配する構成とした例を示したが、本発明の油路構造はこれに限定されず、一箇所又は二箇所、あるいは四箇所以上にオイルを分配して搬送するものとしてもよい。
また、上述の実施形態に係る油路構造10では、ノズル部82を電食カバー80に設けたものとした例を示したが、本発明の油路構造はこれに限定されず、ノズル部を電食カバーとは別部材として設けてもよい。
本発明の油路構造は、電動機を冷却するためのものとして、好適に採用することができる。
1 トランスアクスル
10 油路構造
20 第一電動機(電動機)
24 ロータ軸
40 トランスアクスルハウジング(ケース体)
70 オイルクーラ
100 油路

Claims (2)

  1. 電動機が収容されるケース体と、
    前記電動機を冷却するオイルの流路となる油路と、
    前記ケース体の側部に配置されるオイルクーラと、を有し、
    前記油路の少なくとも一部は、前記電動機の下方から上方に延び、
    上方に延びる前記油路の一部を、前記オイルクーラが兼ねており、
    前記オイルクーラが、前記電動機の最外側部かつ円周方向側方を上下方向にまたぐ位置に配置されており、
    前記オイルクーラが、オイルの入口となるオイル入口と、オイルの出口となるオイル出口とを有し、前記オイル入口を前記電動機の軸心位置よりも下方側に位置するように設け、前記オイル出口を前記電動機の軸心位置よりも上方側に位置するように設けたものであることを特徴とする油路構造。
  2. 前記オイルクーラが、四角形状をなし、
    前記オイルクーラの上下方向に対角となる位置に、前記オイル入口と前記オイル出口とが配置されており、
    前記オイル入口が、前記オイルクーラにおける上方の角部に位置し、
    前記オイル出口が、前記オイルクーラにおける下方の角部に位置していることを特徴とする請求項1に記載の油路構造。
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