JP2019198208A - モータユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】インバータを備えたモータユニットであって、小型化できる構造を有するモータユニットを提供すること。【解決手段】モータユニット10は、モータ軸J1を中心として回転するロータ31と、ロータと隙間を介して径方向に対向するステータ34と、を有するモータ30と、モータを収容するモータ収容部21を有するハウジング20と、ステータと電気的に接続されるインバータ65と、インバータを収容し、モータ収容部の径方向外側に固定されるインバータケース61と、を備える。モータ収容部は、軸方向に延びる円筒状である。インバータケースは、第1部分61aと、軸方向に沿って視て、第1部分に対して屈曲する第2部分61bと、を有する。第1部分と第2部分とは、モータ収容部の外周面に沿って配置される。【選択図】図4
Description
本発明は、モータユニットに関する。
モータとインバータとを備えたモータユニットが知られる。例えば、特許文献1には、電動パワーステアリング装置に搭載されるモータユニットが記載される。
上記のようなモータユニットにおいては、インバータを収容するインバータケースが大型化し、モータユニット全体が大型化する場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みて、インバータを備えたモータユニットであって、小型化できる構造を有するモータユニットを提供することを目的の一つとする。
本発明のモータユニットの一つの態様は、モータ軸を中心として回転するロータと、前記ロータと対向するステータと、を有するモータと、前記モータを収容するモータ収容部を有するハウジングと、前記ステータと電気的に接続されるインバータと、前記インバータを収容し、前記モータ収容部の径方向外側に固定されるインバータケースと、を備える。前記モータ収容部は、軸方向に延びる円筒状である。前記インバータケースは、第1部分と、軸方向に沿って視て、前記第1部分に対して屈曲する第2部分と、を有する。前記第1部分と前記第2部分とは、前記モータ収容部の外周面に沿って配置される。
本発明の一つの態様によれば、インバータを備えたモータユニットを小型化できる。
以下の説明では、図1に示す本実施形態のモータユニット10が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、+Z側を上側とし、−Z側を下側とする鉛直方向である。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であってモータユニット10が搭載される車両の前後方向である。本実施形態において、+X側は、車両の前側であり、−X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向である。本実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、−Y側は、車両の右側である。
なお、前後方向の位置関係は、本実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、−X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、−Y側は、車両の左側である。
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。以下の説明においては、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。なお、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
モータユニット10は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。図1から図4に示すように、モータユニット10は、ハウジング20と、モータ30と、減速装置40と、差動装置50と、インバータユニット60と、電動アクチュエータ70と、オイルクーラ80と、電動オイルポンプ90と、を備える。
ハウジング20は、モータ30、減速装置40、および差動装置50を収容する。図示は省略するが、ハウジング20の内部には、オイルが収容される。図1および図2に示すように、ハウジング20は、モータ収容部21と、ギヤ収容部22と、蓋部23と、を有する。本実施形態においてモータ収容部21とギヤ収容部22と蓋部23とは、互いに別部材であり、軸方向に連結される。
モータ収容部21は、モータ30を収容する部分である。図2および図4に示すように、モータ収容部21は、モータ軸J1を中心として軸方向に延びる円筒状である。ギヤ収容部22は、減速装置40および差動装置50を収容する部分である。図1および図2に示すように、ギヤ収容部22は、モータ収容部21の左側に位置する。ギヤ収容部22は、差動装置収容部22aと、カウンタギヤ収容部22bと、を有する。差動装置収容部22aは、差動装置50を収容する部分である。差動装置収容部22aは、モータ収容部21の左側に繋がる。カウンタギヤ収容部22bは、減速装置40のうち後述するカウンタギヤ42を収容する部分である。カウンタギヤ収容部22bは、差動装置収容部22aの後側に繋がる。カウンタギヤ収容部22bは、モータ収容部21よりも後側に突出する。蓋部23は、モータ収容部21の右側に固定される。
図3および図4に示すように、モータ30は、ロータ31と、ステータ34と、を有する。ロータ31は、モータ軸J1を中心として回転する。ロータ31は、モータシャフト32と、ロータ本体33と、を有する。モータシャフト32は、モータ軸J1に沿って軸方向に延びる。図示は省略するが、モータシャフト32の軸方向に沿って視た外形は、モータ軸J1を中心とする円形状である。モータシャフト32は、図示しないベアリングによって回転可能に支持される。モータシャフト32の左側の端部には、減速装置40が接続される。
図3に示すように、本実施形態においてモータシャフト32は、中空シャフトである。モータシャフト32の内部は、軸方向両側に開口する。モータシャフト32の内部には、ハウジング20の内部に収容されたオイルが供給される。ロータ本体33は、モータシャフト32の外周面に固定される。図示は省略するが、ロータ本体33は、ロータコアと、ロータマグネットと、を有する。
ステータ34は、ロータ31と隙間を介して径方向に対向する。ステータ34は、ロータ31の径方向外側に位置する。ステータ34は、ステータコア35と、図示しないインシュレータと、複数のコイル36と、を有する。複数のコイル36は、図示しないインシュレータを介してステータコア35に装着される。図4に示すように、ステータ34は、モータ収容部21の内部に固定される。
減速装置40は、モータ30の回転速度を減じて、モータ30から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。図3に示すように、減速装置40は、モータ30から出力されるトルクを差動装置50へ伝達する。減速装置40は、ピニオンギヤ41と、カウンタギヤ42と、を有する。ピニオンギヤ41は、モータシャフト32の左側の端部に固定される。ピニオンギヤ41は、差動装置収容部22aに収容される。カウンタギヤ42は、カウンタギヤ収容部22bに収容される。カウンタギヤ42は、ピニオンギヤ41と噛み合うカウンタドリブンギヤ43と、カウンタドリブンギヤ43と同軸に固定されるカウンタドライブギヤ44と、を有する。
カウンタギヤ42は、モータ軸J1と平行なカウンタ軸J2を中心として回転する。カウンタ軸J2は、モータ軸J1の径方向外側に位置する。本実施形態においてカウンタ軸J2は、モータ軸J1よりも後側に位置する。モータ軸J1とカウンタ軸J2との鉛直方向の位置は、ほぼ同じである。
モータ30のモータシャフト32から出力されるトルクは、ピニオンギヤ41およびカウンタギヤ42をこの順に介して差動装置50に伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。本実施形態において減速装置40は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
差動装置50は、モータ30から出力されるトルクを車両の車輪に伝達するための装置である。差動装置50は、ドライブシャフトDSにトルクを伝達する。ドライブシャフトDSは、軸方向に延びる。ドライブシャフトDSは、モータ軸J1を中心とする円柱状であり、中空シャフトであるモータシャフト32の内部を軸方向に貫通する。すなわち、本実施形態において、差動装置50におけるトルクが出力される差動軸は、モータ軸J1と一致する。そのため、モータ軸J1と差動軸とが同軸に配置されない場合に比べて、モータユニット10を径方向に小型化しやすい。ドライブシャフトDSの軸方向両側の端部は、ハウジング20からそれぞれ軸方向に突出する。ドライブシャフトDSの軸方向両側の端部には、それぞれ図示しない車輪が接続される。
差動装置50は、リングギヤ51と、図示しない一対のピニオンギヤと、図示しないピニオンシャフトと、図示しない一対のサイドギヤと、を有する。本実施形態においてリングギヤ51は、モータシャフト32およびピニオンギヤ41の左側に位置する。リングギヤ51は、モータ軸J1を中心として回転する。リングギヤ51は、カウンタドライブギヤ44と噛み合う。これにより、リングギヤ51には、モータ30から出力されるトルクが減速装置40を介して伝えられる。
図4に示すように、インバータユニット60は、ハウジング20の上側に位置する。インバータユニット60は、インバータケース61と、回路基板64と、インバータ65と、コンデンサ66と、を有する。すなわち、モータユニット10は、インバータケース61と、回路基板64と、インバータ65と、コンデンサ66と、を備える。インバータケース61は、回路基板64、インバータ65、およびコンデンサ66を収容する。インバータケース61は、モータ収容部21の径方向外側に固定される。本実施形態においてインバータケース61は、モータ収容部21の上側の部分に固定される。
インバータケース61は、第1部分61aと、第2部分61bと、を有する。第1部分61aは、モータ軸J1の上側に位置する。第1部分61aは、前後方向に対して、鉛直方向に斜めに傾いた方向に延びる。第1部分61aは、前側に向かうに従って下側に位置する向きに傾いて延びる。以下の説明においては、第1部分61aが延びる方向を、延伸方向D1と呼ぶ。
第2部分61bは、第1部分61aの後側に繋がる。第2部分61bは、軸方向に沿って視て、第1部分61aに対して屈曲する。本実施形態において第2部分61bは、第1部分61aの後側の端部から下側斜め後方に屈曲する。以下の説明においては、第2部分61bが屈曲する方向を、屈曲方向D2と呼ぶ。第2部分61bは、モータ軸J1よりも後側にずれた位置に位置する。すなわち、第2部分61bは、鉛直方向および軸方向の両方と直交する前後方向において、モータ軸J1よりも一方側にずれた位置に位置する。
第1部分61aと第2部分61bとは、モータ収容部21の外周面に沿って配置される。そのため、例えば第2部分61bを第1部分61aが延びる延伸方向D1の延長線上に配置する場合に比べて、インバータケース61全体をモータ収容部21に近づけることができる。これにより、円筒状のモータ収容部21の周囲の空間を好適に利用でき、インバータケース61がモータ収容部21よりも大きく突出することを抑制できる。以上により、本実施形態によれば、インバータ65を備えたモータユニット10を小型化できる。
なお、本明細書において「第1部分と第2部分とが、モータ収容部の外周面に沿って配置される」とは、第1部分と第2部分とがモータ収容部の周囲に配置され、軸方向に沿って視て、第1部分に対して第2部分がモータ収容部に近づく側に屈曲し、かつ、第2部分に対して第1部分がモータ収容部に近づく側に屈曲すればよい。上述したように、本実施形態において第2部分61bは、第1部分61aの後側の端部から下側斜め後方に屈曲することで、第1部分61aに対してモータ収容部21に近づく側に屈曲する。本実施形態において第1部分61aは、第2部分61bの上側の端部から前側斜め下方に屈曲することで、第2部分61bに対してモータ収容部21に近づく側に屈曲する。
本実施形態において、軸方向に沿って視て、第1部分61aと第2部分61bとの成す角度のうちモータ収容部21側の角度θは、90°以上、180°未満である。そのため、例えば角度θが鋭角である場合に比べて、インバータケース61全体をよりモータ収容部21に近づけやすく、モータユニット10をより小型化できる。本実施形態において角度θは、鈍角である。
第1部分61aの延伸方向D1の寸法は、第2部分61bの屈曲方向D2の寸法よりも大きい。第1部分61aのモータ収容部21側の面は、第2部分61bのモータ収容部21側の面よりも面積が大きい。本実施形態において第1部分61aのモータ収容部21側の面は、第1部分61aにおける下側斜め後方を向く面である。本実施形態において第2部分61bのモータ収容部21側の面は、第2部分61bにおける前側斜め下方を向く面である。
本実施形態においてインバータケース61は、2つの別部材である第1ケース部材62と第2ケース部材63とが互いに固定されて構成される。第1ケース部材62は、インバータケース61の下側の部分を構成する。第2ケース部材63は、インバータケース61の上側の部分を構成する。第1ケース部材62は上側斜め前方に開口し、第2ケース部材63は下側斜め後方に開口する。各ケース部材の開口は、他方のケース部材によって閉塞される。本実施形態において「上側斜め前方」は、所定方向に相当する。
第1ケース部材62は、モータ収容部21に接触して固定される。第1ケース部材62は、第1本体部62aと、第1フランジ部62bと、を有する。第1本体部62aは、延伸方向D1に沿って延びる底部62dと、底部62dの後側の端部から屈曲方向D2に沿って下側に突出する突出収容部62eと、を有する。突出収容部62eは、略直方体箱状である。図1に示すように、突出収容部62eは、軸方向に延びる。第1フランジ部62bは、第1本体部62aの開口部から第1本体部62aの外側に突出する環状である。
第2ケース部材63は、第1ケース部材62の上側に固定される。第2ケース部材63は、第2本体部63aと、第2フランジ部63bと、を有する。第2本体部63aは、下方斜め後側に開口する扁平の箱状である。図4に示すように、第2本体部63aは、延伸方向D1に沿って延びる。図2に示すように、第2本体部63aは、基部63dと、突出部63eと、を有する。基部63dは、上側から視て、略矩形状である。基部63dは、モータ収容部21の上側に位置する。突出部63eは、基部63dの後側の端部から左側に突出する。突出部63eの左側の端部は、ギヤ収容部22の上側に位置する。突出部63eは、鉛直方向に沿って視て、差動装置収容部22aおよびカウンタギヤ収容部22bの両方と重なる。突出部63eの前側の側面には、前側に突出する2つのコネクタ部67が設けられる。
図4に示すように、第2フランジ部63bは、第2本体部63aの開口部から第2本体部63aの外側に突出する環状である。第2フランジ部63bは、第1フランジ部62bと接触して固定される。本実施形態において第1フランジ部62bと第2フランジ部63bとは、互いに複数のネジによって固定される。これにより、第1ケース部材62と第2ケース部材63とが固定される。
第1フランジ部62bにおける第2フランジ部63b側の端面62cは、第1ケース部材62の開口周縁部である。第2フランジ部63bにおける第1フランジ部62b側の端面63cは、第2ケース部材63の開口周縁部である。第1フランジ部62bの端面62cと第2フランジ部63bの端面63cとは、互いに接触する接触面である。すなわち、第2ケース部材63は、第1ケース部材62の開口周縁部と接触して第1ケース部材62に固定され、第1ケース部材62の開口を塞ぐ。
第1フランジ部62bの端面62cと第2フランジ部63bの端面63cとは、延伸方向D1および軸方向の両方と平行な単一の平面上に位置する。すなわち、第1ケース部材62と第2ケース部材63との接触面である端面62c,63cは、全体が単一の平面上に位置する。そのため、第1ケース部材62と第2ケース部材63とを位置合わせやすく、第1ケース部材62と第2ケース部材63とを固定しやすい。また、第1ケース部材62の端面62cと第2ケース部材63の端面63cとの間にシール部材を配置することで、端面62c,63c同士の間を精度よく封止しやすい。これにより、インバータケース61の内部を精度よく密封しやすく、インバータケース61内に異物が侵入することを抑制できる。第1ケース部材62の端面62cと第2ケース部材63の端面63cとの間には、例えば、ガスケットが配置される。
本実施形態において、上述した第1部分61aは、第1ケース部材62の前側の部分と、第2ケース部材63の前側の部分と、を含む。より詳細には、第1部分61aは、底部62dと、第1フランジ部62bの前側の部分と、第2本体部63aの前側の部分と、第2フランジ部63bの前側の部分と、を含む。
本実施形態において、上述した第2部分61bは、第1ケース部材62の後側の部分と、第2ケース部材63の後側の部分と、を含む。より詳細には、第2部分61bは、突出収容部62eと、第1フランジ部62bの後側の部分と、第2本体部63aの後側の部分と、第2フランジ部63bの後側の部分と、を含む。
本実施形態において回路基板64は、延伸方向D1および軸方向の両方と平行な面に沿って拡がる板状である。回路基板64は、第1部分61aと第2部分61bとに跨って配置される。本実施形態において回路基板64は、第2本体部63aの内部に収容される。
インバータ65は、回路基板64に設けられる。図4では、例えば、インバータ65は、回路基板64の下側の面に設けられる。インバータ65は、第1部分61aに収容される。図示は省略するが、インバータ65は、ステータ34と電気的に接続され、モータ30を制御する。本実施形態においてインバータ65は、例えば、複数のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を有する。そのため、インバータ65におけるスイッチング速度を向上させることができ、インバータ65の性能を向上できる。
図示は省略するが、コンデンサ66は、インバータ65と電気的に接続される。コンデンサ66は、第2部分61bに収容される。より詳細には、コンデンサ66は、突出収容部62eの内部に収容される。ここで、コンデンサ66は、インバータケース61の内部に収容される部品の中でも比較的体積が大きくなりやすい部品である。そのため、コンデンサ66とインバータ65とをまとめて配置する場合、インバータケース61がより大型化しやすい場合があった。これに対して、本実施形態によれば、第1部分61aにはインバータ65が収容され、第2部分61bにはコンデンサ66が収容される。すなわち、インバータ65とコンデンサ66とが、第1部分61aと第2部分61bとにそれぞれ分けて収容される。そのため、第1部分61aと第2部分61bとがそれぞれ大型化することを抑制でき、モータユニット10全体をより小型化しやすい。
また、本実施形態によれば、第2部分61bは、モータ軸J1よりも後側にずれた位置に位置する。そのため、第2部分61bに収容されるコンデンサ66をモータ軸J1よりも後側にずらして配置できる。これにより、例えば第2部分61bおよびコンデンサ66がモータ軸J1の上側に位置する場合に比べて、第2部分61bおよびコンデンサ66をより下側に配置でき、インバータケース61の鉛直方向の寸法を小さくしやすい。したがって、モータユニット10全体を鉛直方向に小型化しやすい。
本実施形態においてインバータケース61は、インバータ65を冷却する冷却媒体が流れる配管部68をさらに有する。冷却媒体は、特に限定されず、例えば、水である。配管部68は、第1部分61aのモータ収容部21側の面に設けられる。そのため、配管部68を流れる冷却媒体によって、第1部分61aに収容されたインバータ65を好適に冷却できる。また、配管部68が第1部分61aとモータ収容部21との間に位置することで、配管部68を流れる冷却媒体によって、モータ収容部21を介してモータ30を冷却することもできる。
また、本実施形態によれば、第1部分61aのモータ収容部21側の面は、第2部分61bのモータ収容部21側の面よりも面積が大きい。そのため、第1部分61aのモータ収容部21側の面に配管部68を設けやすい。これにより、好適に配管部68を設けることができ、配管部68を流れる冷却媒体によってインバータ65を好適に冷却できる。本実施形態において配管部68は、底部62dに設けられる。配管部68には、図示しないラジエータから延びる配管が接続される。配管部68には、ラジエータから冷却媒体が流入される。
電動アクチュエータ70は、図示しないパーキング機構を駆動させるアクチュエータである。図1に示すように、電動アクチュエータ70は、ギヤ収容部22の上側に固定される。より詳細には、電動アクチュエータ70は、カウンタギヤ収容部22bの上側に固定される。電動アクチュエータ70は、突出収容部62eの左側に位置する。図4に示すように、電動アクチュエータ70の一部は、軸方向に沿って視て、第2部分61bと重なる。そのため、第2部分61bの左側の空間を電動アクチュエータ70の配置空間として利用することができる。これにより、電動アクチュエータ70を配置しても、モータユニット10が径方向に大型化することを抑制できる。本実施形態において電動アクチュエータ70の一部は、軸方向に沿って視て、突出収容部62eと重なる。
オイルクーラ80は、ハウジング20の内部に収容されたオイルを冷却する。オイルクーラ80には、配管部68を介して、図示しないラジエータから冷却媒体が流入される。図1に示すように、オイルクーラ80は、モータ収容部21の後側に位置する。オイルクーラ80は、カウンタギヤ収容部22bの右側に位置する。すなわち、オイルクーラ80の少なくとも一部は、軸方向に沿って視て、カウンタギヤ収容部22bと重なる。これにより、オイルクーラ80を設けてもモータユニット10が前後方向に大型化することを抑制できる。図4に示すように、本実施形態においてオイルクーラ80の少なくとも一部は、屈曲方向D2に沿って視て、第2部分61bと重なる。
電動オイルポンプ90は、ハウジング20の内部のオイルをモータ30に供給する。電動オイルポンプ90とオイルクーラ80とは、図示しない油路で繋がる。電動オイルポンプ90によってモータ30に供給されるオイルは、オイルクーラ80を介して、モータ30に供給される。これにより、オイルによってモータ30を好適に冷却できる。図1に示すように、電動オイルポンプ90は、モータ収容部21の後側に位置する。電動オイルポンプ90は、カウンタギヤ収容部22bの右側に位置する。すなわち、電動オイルポンプ90の少なくとも一部は、軸方向に沿って視て、カウンタギヤ収容部22bと重なる。これにより、電動オイルポンプ90を設けてもモータユニット10が前後方向に大型化することを抑制できる。
電動オイルポンプ90は、オイルクーラ80の左側に位置する。図4に示すように、電動オイルポンプ90の一部は、左右方向に沿って視て、電動アクチュエータ70と重なる。本実施形態において電動オイルポンプ90の少なくとも一部は、屈曲方向D2に沿って視て、第2部分61bと重なる。
(変形例)
図5に示すように、本変形例のモータユニット110において、インバータケース161は、第1ケース部材としてのケース本体162と、第2ケース部材としての蓋体163と、を有する。ケース本体162は、上側斜め後方に開口する箱状である。ケース本体162は、モータ収容部21の上側に固定される。ケース本体162は、インバータ65を収容するインバータ収容部162aと、コンデンサ66を収容するコンデンサ収容部162bと、を有する。コンデンサ収容部162bは、インバータ収容部162aに対して屈曲する。インバータ収容部162aとコンデンサ収容部162bとは、モータ収容部21の外周面に沿って配置される。
図5に示すように、本変形例のモータユニット110において、インバータケース161は、第1ケース部材としてのケース本体162と、第2ケース部材としての蓋体163と、を有する。ケース本体162は、上側斜め後方に開口する箱状である。ケース本体162は、モータ収容部21の上側に固定される。ケース本体162は、インバータ65を収容するインバータ収容部162aと、コンデンサ66を収容するコンデンサ収容部162bと、を有する。コンデンサ収容部162bは、インバータ収容部162aに対して屈曲する。インバータ収容部162aとコンデンサ収容部162bとは、モータ収容部21の外周面に沿って配置される。
蓋体163は、ケース本体162の開口周縁部162cと接触してケース本体162に固定され、ケース本体162の開口部を塞ぐ。ケース本体162の開口周縁部162cと蓋体163のうち開口周縁部162cと接触する縁部163cとは、互いに接触する接触面であり、全体が単一の平面上に位置する。そのため、上述したのと同様に、ケース本体162と蓋体163とを固定しやすく、かつ、ケース本体162と蓋体163との間を好適に封止できる。また、1つの蓋体163によって2つの収容部を有するケース本体162の開口を好適に閉塞できるため、モータユニット110の部品点数を低減できる。
本変形例においては、ケース本体162の前側の部分と蓋体163の前側の部分とによって第1部分161aが構成される。ケース本体162の後側の部分と蓋体163の後側の部分とによって第2部分161bが構成される。
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。インバータケースは、モータ収容部の外周面に沿って配置される第1部分および第2部分を有するならば、特に限定されない。第1ケース部材と第2ケース部材との接触面は、全体が単一の平面上に位置しなくてもよい。インバータケースは、3つ以上の部材が連結されて構成されてもよい。例えば、上述した変形例では、蓋体163が、インバータ収容部162aの開口を閉塞する第1蓋部材とコンデンサ収容部162bの開口を閉塞する第2蓋部材との2つの別部材から構成されてもよい。また、上述した変形例では、ケース本体162が、互いに別部材のインバータ収容部とコンデンサ収容部とから構成されてもよい。
第1部分と第2部分とは、モータ収容部の外周面に沿って配置されるならば、特に限定されない。第1部分と第2部分とが成す角度θは、鋭角であってもよい。第1部分と第2部分とにそれぞれ収容される部品は、特に限定されない。第1部分と第2部分との一方に、インバータとコンデンサとの両方が収容されてもよい。第1部分にコンデンサが収容され、第2部分にインバータが収容されてもよい。インバータケースは、モータ収容部の前側または後側に位置してもよいし、モータ収容部の下側に位置してもよい。インバータケースは、軸方向に沿って視て、第1部分または第2部分に対して屈曲する第3部分を有してもよい。インバータは、IGBT以外のトランジスタを有してもよい。コンデンサは設けられなくてもよい。回路基板は設けられなくてもよい。モータ軸J1と差動装置の差動軸とは、同軸でなくてもよい。
上述した実施形態のモータユニットの用途は、特に限定されず、車両以外の機器に搭載されてもよい。また、モータユニットしては、モータとインバータとインバータケースとを備えるモータユニットであればよく、減速装置、差動装置、電動アクチュエータ、オイルクーラ、および電動オイルポンプ等の他の部品については、設けられていなくてもよい。なお、本明細書において説明した上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
10,110…モータユニット、20…ハウジング、21…モータ収容部、30…モータ、31…ロータ、34…ステータ、61,161…インバータケース、61a,161a…第1部分、61b,161b…第2部分、62…第1ケース部材、62c…端面(開口周縁部)、63…第2ケース部材、65…インバータ、66…コンデンサ、68…配管部、162…ケース本体(第1ケース部材)、162c…開口周縁部、163…蓋体(第2ケース部材)、J1…モータ軸、θ…角度
Claims (8)
- モータ軸を中心として回転するロータと、前記ロータと隙間を介して径方向に対向するステータと、を有するモータと、
前記モータを収容するモータ収容部を有するハウジングと、
前記ステータと電気的に接続されるインバータと、
前記インバータを収容し、前記モータ収容部の径方向外側に固定されるインバータケースと、
を備え、
前記モータ収容部は、軸方向に延びる円筒状であり、
前記インバータケースは、
第1部分と、
軸方向に沿って視て、前記第1部分に対して屈曲する第2部分と、
を有し、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記モータ収容部の外周面に沿って配置される、モータユニット。 - 軸方向に沿って視て、前記第1部分と前記第2部分との成す角度のうち前記モータ収容部側の角度は、90°以上、180°未満である、請求項1に記載のモータユニット。
- 前記インバータケースは、
所定方向に開口する第1ケース部材と、
前記第1ケース部材の開口周縁部と接触して前記第1ケース部材に固定され、前記第1ケース部材の開口を塞ぐ第2ケース部材と、
を有し、
前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との接触面は、全体が単一の平面上に位置する、請求項1または2に記載のモータユニット。 - 前記インバータと電気的に接続されるコンデンサをさらに備え、
前記第1部分には、前記インバータが収容され、
前記第2部分には、前記コンデンサが収容される、請求項1から3のいずれか一項に記載のモータユニット。 - 前記第1部分は、前記モータ軸の鉛直方向の上側に位置し、
前記第2部分は、鉛直方向および軸方向の両方と直交する方向において、前記モータ軸よりも一方側にずれた位置に位置する、請求項4に記載のモータユニット。 - 前記インバータケースは、前記インバータを冷却する冷却媒体が流れる配管部を有し、
前記配管部は、前記第1部分の前記モータ収容部側の面に設けられる、請求項4または5に記載のモータユニット。 - 前記第1部分の前記モータ収容部側の面は、前記第2部分の前記モータ収容部側の面よりも面積が大きい、請求項6に記載のモータユニット。
- 前記インバータは、複数のIGBTを有する、請求項4から7のいずれか一項に記載のモータユニット。
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