JP7146628B2 - 燃焼飛灰の処理方法 - Google Patents

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Description

燃焼飛灰から、バナジウムを抽出分離する際に、固液分離および水洗浄工程での分離性を飛躍的に改善する処理方法に関する。
近年レドックスフローバッテリーの電解液用途などにより安価なバナジウムが求められている。特に、安価なバナジウム源として、石油コークスの燃焼によって発生する燃焼飛灰が注目されている。
このような燃焼飛灰からバナジウム成分の回収は、燃焼飛灰と水酸化ナトリウムを含む水溶液と混合することでバナジウム成分を抽出する方法が知られている。
しかしながら、燃焼飛灰からバナジウムを抽出する、スラリーを濾過分離する際に、濾過時間が長くなり設備の増大を招くという問題点があった。特に、石油コークス由来の燃焼飛灰は、石油コークスの種類、燃焼条件、集塵機能力等により微細な灰の含有量が変化するため濾過時間の変動が大きく、さらに、バナジウムの回収率向上のため水洗浄を行った場合に、濾過速度が急激に低下することがあり、大きな課題となっていた。
以上の観点から燃焼飛灰の濾過性改善は非常に重要な課題となっている。
なお、飛灰の洗浄方法として、下記に示すように従来からいくつか提案されている。
特許文献1には、放射性物質を含む灰を洗浄水に分散させたのち、高分子凝集剤を添加して、飛灰を沈殿分離して、放射線物質を除去する洗浄方法が開示されている。
特許文献2には、都市ごみ等の塩素の高い焼却灰に洗浄水を加えたスラリーに高分子凝集剤を添加し沈殿分離させる、燃焼灰の脱塩処理方法が開示されている。
特許文献3は、集塵機灰を水懸濁液に、pH 2.8~5の範囲でノニオン性高分子凝集剤を添加し、灰を分離させる、集塵機灰懸濁液の濾過性改善方法が開示され、さらに、懸濁液に濾過促進効果を有する重油灰を混合することが開示されている。
特許文献4は、フライアッシュを水洗浄した後、フライアッシュと水との混合物に、高分子凝集剤を添加濾過し、分離液を排ガスで中和することが示されている。
特許第6319622号公報 特許第5761544号公報 特開平8-112585号公報 特許第2865958号公報
しかし、特許文献1では、放射性飛灰との記載はあるが具体的な灰の元となる燃料の記載はなく、高分子凝集剤の添加量も不明であり、水洗浄工程への効果についても記載がない。
特許文献2では、塩素含有量の高い都市ごみ由来の灰には効果があるが、その他の灰での効果の記載がなく、本発明者がPCコークス由来の燃焼飛灰で確認したところ効果が見られなかった。また、水洗浄工程への効果については記載がない。
特許文献3では、pH2.8~5の範囲で最も凝集性が上がると記載があるが、高粘度重油灰は、強酸性であるため水酸化マグネシウム等のアルカリで範囲内に制御するためのpHコントロールシステムが必要となりコストアップの要因となる。また、水洗浄工程への効果については記載がない。その他、酸性下でバナジウムを抽出した場合、バナジウム以外の鉄、ニッケル等の金属も抽出されるため、バナジウム析出の際、純度低下を引き起こす。
特許文献4では、フライアッシュとの記述はあるが、具体的な燃料の記載はなく、高分子凝集剤の添加量も不明であり、水洗浄工程への効果についても記載がない。
以上の様にいずれも、母液の濾過性の向上に対しては検討されているが、水洗浄工程における燃焼飛灰の濾過速度の改善に対しては報告例がなく、改善が望まれている
このような課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討した結果、石油系燃料等の燃焼飛灰からアルカリ性水溶液にてバナジウムを抽出した母液スラリーに、pH9~14の範囲で、アニオン系有機高分子からなる凝集剤をスラリーに対し10~25質量ppm添加することで、母液スラリーの分離速度が向上するとともに、水洗浄工程の分離速度も著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は以下の通りである。
[1]燃焼飛灰をアルカリ性水溶液に分散させpH9~14に調整して母液スラリーとし、
アニオン系凝集剤を前記母液スラリー中に、前記母液スラリーに対し10~25質量ppm添加したのち、
固液分離を行い、次いで得られたケーキを水洗浄することを特徴とする燃焼飛灰の処理方法。
[2]前記アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液である、[1]の燃焼飛灰の処理方法。
[3]燃焼飛灰が石油コークス由来の燃焼飛灰である[1]または[2]の燃焼飛灰の処理方法。
[4]アニオン系凝集剤がポリアクリルアミド系またはポリアクリル酸ナトリウム系である[1]~[3]の燃焼飛灰の処理方法。
[5]母液スラリーの固形分濃度が10~40質量%である[1]~[4]の燃焼飛灰の処理方法。
[6]燃焼飛灰の平均粒子径が、10~100μmの範囲にある[1]~[5]の燃焼飛灰の処理方法。
[7]燃焼飛灰と水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの質量比が、1:0.03以上、1:0.51以下である、[2]~[6]の燃焼飛灰の処理方法。
[8]前記分離が濾過である、[1]~[7]の燃焼飛灰の処理方法。
本発明によれば、燃焼飛灰を、アルカリ条件下でバナジウムなどを抽出する際に、pHを酸性にすることなく、そのままスラリーの分離性および洗浄性を改善でき、しかも、石油コークスの種類のよらず汎用的に分離性の向上が達成可能であり設備費の削減に繋がる。また、分離・洗浄時間が短縮できるので、バナジウム等の回収効率も向上する。
本発明にかかる燃焼飛灰の処理方法の一例の概略フロー図を示す。 凝集剤濃度による濾過時および水洗時の濾過速度のプロット図を示す。
以下、本発明の実施するための形態について説明する。
本発明は、燃焼飛灰、好ましくは石油系燃焼飛灰を使用する。複数の燃焼飛灰を、使用しても良い。
燃焼飛灰とは、燃料を燃焼させた後に残る煤塵である。前記燃焼飛灰には、燃焼灰も含まれる。燃料としては、重油や石油コークス、石炭コークスを挙げることができる。この燃料は、火力発電所などにおいて燃焼され、発電など種々の目的のために使用される。燃料の燃焼に用いられる装置としては、たとえばボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉、高炉等が挙げられる。
火力発電所などでは、排ガスから煤塵を除去するのに、電気集塵機やバグフィルターが使用される。その時に回収される煤塵が「燃焼飛灰」となる。
石油系燃焼飛灰は、重油や石油コークス等の石油系燃料を燃やした時に発生する排ガスから回収した灰であり、さらに、石油系燃焼飛灰を更に燃やし金属酸化物や硫黄分になった燃焼飛灰なども本発明で使用される石油系燃焼飛灰に含まれる。また、ボイラー燃焼炉の底部から排出される燃え残り物であるクリンカも、燃焼飛灰に含まれる。
燃焼飛灰中には、バナジウム成分が、酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウム、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウムなどとして存在している。石油系燃焼飛灰中に含まれるバナジウム成分量は、使用される燃料によって変動はあるものの、通常、バナジウム金属換算で0.5~2.5質量%の範囲で含まれている。本発明の一実施態様においては、燃焼飛灰中からバナジウムを回収するものであるが、モリブデンまたはアルミニウム、ケイ素を回収することができる。
燃焼飛灰の平均粒子径は特に限定されないが、固液分離には、平均粒子径が影響するため、通常10~100μmであり、好ましくは20~70μmの範囲にあるものが好ましい。また粒度分布は変動係数(CV)が0.2~0.4の範囲にあるものが好ましい。なお、塊状や粗粒の燃焼飛灰は必要に応じて、分級したり、粉砕したりしてもよい。
図1に本発明のかかる精製方法の一例を示すフロー図を示す。
本発明は、燃焼飛灰にアルカリ性水溶液を混合して、固形分濃度が10~40質量%、好ましくは20~30質量%の母液スラリーを調製する。母液スラリーの液相中に、燃焼飛灰中のバナジウム成分が抽出される。
母液スラリー調製は、前記固形分濃度になるように、アルカリ性水溶液を加えてもよいが、予め燃焼飛灰とアルカリ性水溶液とを高固形分量となる量で混合または混練して固体湿粉状の濃縮混合物を得た後、さらに前記の固形分濃度となるように水を添加して調整してもよい。
また、十分にバナジウム成分を抽出するためには、たとえばアルカリ金属水酸化物を使用した場合、下記反応式で当量以上のアルカリ成分が含まれることが必要である。
25+2MOH→2MVO3+H2
(ここで、Mはアルカリ金属である)
上記の反応式の場合には、生成するバナジン酸塩はメタバナジン酸塩であるが、本願発明におけるバナジン酸塩は、次のようなバナジン酸イオンを生成するような塩を含む。すなわち、このようなバナジン酸イオンとしては、VO4 3-、V27 4-、V39 3-、V412 4-、V514 3-、V1028 6-、V1232 4-、V1334 3-、V1842 12-、[VO3n n-(nが1のときは、VO3 -)、[V38n n-(nが2のときは、V616 2-)を挙げることができる(なお、nは自然数を示す)。
バナジン酸塩として、使用されるアルカリ成分によるが、メタバナジン酸ナトリウム等のバナジン酸ナトリウムの他に、硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩由来によるバナジン酸アンモニウムが少量含まれる場合もある。
アルカリ性水溶液としては、上記反応を生じ、しかもpHを9~14に調整できる限り特に制限はない。たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物の水溶液の他に、これらアルキル金属の炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア、テトラアルキルアンモニウム水酸化物なども使用できる。
このうち、アルカリ金属水酸化物を含む水溶液が好ましく、さらに、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液が好ましい。
アルカリ性水溶液の添加量としては、燃焼飛灰中のバナジウム成分の当量以上のアルカリ成分が含まれていれば特に制限ないが、本発明では、母液スラリーのpHが9~14となるようにアルカリ性水溶液を添加すればよい。使用されるアルカリ性水溶液の濃度は、ハンドリング可能な濃度であり、母液スラリーを、所定のpHに調整できれば特に制限されない。
水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの添加量としては、燃焼飛灰:水酸化ナトリウムの質量比で、1:0.03以上1:0.51以下が好ましく、1:0.04以上1:0.48以下がより好ましく、更に好ましくは1:0.05以上1:0.24以下である。水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、好ましくは23質量%以上51質量%以下、より好ましくは40質量%以上50質量%以下、更に好ましくは40質量%以上48質量%以下である。
本明細書において、混合とは配合した原料を混ぜ合わせて均質な状態にする操作をいい、必要に応じて加熱し、混ぜ合わせる操作をいう。混練とは混ぜ合わせたものを均質な状態に分配または分散する操作に加え、せん断力を負荷し、必要に応じて加熱し、練り合わせる操作をいう。混合または混練は、通常用いられる手段を用いて行うことができる。
アルカリ性水溶液と燃焼飛灰の混合または混練の方法は特に制限されず、ミキサーやタンブラーを用いて行うことができる。固形物として混練したのち母液スラリーとする場合、混練方法としては特に制限されないが、手もみや乳鉢で混練することも可能であり、また、ニーダーなどのバッチ混練機、コンティニュアスニーダーなどの連続混練機、リボンミキサーなどバッチ式混合機、パグミキサー、レーディゲミキサーなどの連続混合機などの混練機を使用してもよい。
混合・混練時は、加温してもよく、加熱温度は、好ましくは70~380℃であればよく、更に好ましくは70~180℃であればよく、より好ましくは80~160℃であればよく、最も好ましくは90~150℃の範囲にある。
加温時間は、混合物が均一になれば特に制限されないが1~60分程度加熱する。
加熱混合したのち、水を添加して、母液スラリーの固形分濃度を調整してもよい。
調整したpH9~14の母液スラリーに、アニオン系凝集剤を母液スラリーに対して10~25質量ppm、好ましくは17~22質量ppm、より好ましくは15~20質量ppmの量で添加する。母液スラリーには当量以上のアルカリ成分が含まれているため、必ずしもpHを調整する必要はない。
アニオン系凝集剤は、末端にカルボキシ基やスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子であり、たとえば、アクリル系ポリマー、アクリルアミド系ポリマーなど有効pH範囲がアルカリ領域にあるものが使用される。凝集剤の粘度は、25℃下、水に0.1質量%溶解させた時に100~900mPa・sのものが好ましく、より好ましくは200~750mPa・s、更に好ましくは250~700mPa・sの範囲にあるものが好ましい。
アニオン系凝集剤として具体的には、ポリアクリルアミド系 クリファームPA―834、PA―945(それぞれ栗田工業株式会社)、タキフロックA―103、A―104、A―106T(それぞれ多木化学株式会社)、スミフロックFA―50、FA―50H、FA―70(それぞれMTアクアポリマー株式会社)が特に好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム系 タキフロック A―108T(多木化学株式会社)が特に好ましい。
アニオン性凝集剤を添加すると、バナジウムが抽出されて焼却飛灰残渣が凝集するので、母液スラリーから固形分と液相を固液分離する。固液の分離方法としては、濾過、沈降分離、浮遊選鉱などが挙げられるが、本発明では、分離効率を鑑み、濾過で行うことが好ましく、吸引濾過、フィルタープレス、ベルトプレス、遠心分離、遠心脱水、真空ベルトフィルターなどの濾過手段が挙げられる。
濾液中に、バナジン酸塩、例えばメタバナジン酸ナトリウムなどのバナジウム成分が回収される。
また、固液分離後、固形分を水で洗浄する。洗浄は、濾過の場合は、濾過ケーキに洗浄水をかけて、引き続き濾過すればよく、また固形分を洗浄水に分散させて再度、固形分離を行ってもよい。洗浄水と固形分を分離したのち洗浄濾液を回収することで、バナジウム成分の回収量を増加させる。
回収した洗浄濾液は、濾液と混ぜて次工程のバナジウム析出工程に用いても良いし、洗浄濾液を母液スラリー調製用の水に用いても良い。
このような母液スラリーの固液分離性には、母液スラリーのpHとともに、アニオン系凝集剤の濃度が重要となる。
図2は、実施例で評価した凝集剤濃度に対する母液スラリーの濾過速度および固液分離後の固形分であるケーキの洗浄における水洗浄濾過速度との間の関係を示すプロットである。
母液濾過速度は、凝集剤濃度によって、大きな変化はないものの、ケーキの濾過速度は、所定のppm濃度に極大値を示す。このため本発明では、ケーキの固液の分離速度が高くなる濃度範囲にアニオン凝集剤を定義するものである。
凝集剤量が前記範囲を超えて多くしても、凝集性が高く固液分離性が改善しないと同時に、固液分離機で均一にケーキが付着せず、固液分離効率の低下を招くことがある。たとえば、遠心分離機で濾過する際にケーキの偏りおよびケーキの偏りに伴う振動が生じ、振動は遠心分離機の軸心を曲げる可能性もあり、装置の故障にもつながる。また、フィルタープレスでは、洗浄水のショートカットを招くこともある。
回収した液相をpH2.0~4.0に調整して、バナジウム成分を酸化バナジウムとして析出させれば固形分として回収するこことができる。
さらにこの回収酸化バナジウムに炭酸ナトリウムや塩素酸ナトリウムを加え、液性を弱酸性に調整して酸化バナジウムを溶解し、液中の未溶解物を濾別した後に、この濾液にアンモニアないしアンモニア塩を加え、この濾液を75~85℃程度に加熱してバナジン酸アンモニウムを再び沈殿させることにより、不純物の少ないバナジウム化合物を回収することができる。
固液分離後、燃焼飛灰中のバナジウム成分が除去された固体分(残灰)中のバナジウム濃度を測定し、バナジウム抽出率を算出すると、本発明によれば、抽出率90質量%以上の高い水準を達成することができる。
以下、実施例により、本実施の形態に係る発明を更に具体的に説明するが、本実施の形態に係る発明は、以下の実施例にのみ制限されるものではない。
尚、本実施例で用いた分析装置、分析方法は下記の通り。
平均粒子径:株式会社堀場製作所製 Partica mini LA-350にて測定し、体積基準の累積粒径分布でのメジアン径(D50)を平均粒子径とした。
pH:横河電機株式会社製 pH71-11JAA
固形分濃度:母液スラリー10gを桐山ロート(桐山製作所製)でB濾紙にて濾過、その後、水20gでケーキを洗浄し、ケーキを乾燥機(ヤマト科学株式会社製 FP410)で110℃にて2時間乾燥し質量を測定し求めた。
固形分濃度(%)=(ケーキ乾燥後の質量)÷(濾過前の母液スラリー質量)×100
バナジウム濃度: バナジウムの定量は以下の方法で行った。
酸分解:サンプル0.1g+リン酸(純正化学株式会社製、特級)6mL+塩酸(純正化学株式会社製、特級)4mL+フッ酸(純正化学株式会社製、特級46%~48%)2.5mL+硝酸(関東化学株式会社製、電子工業用硝酸1.42EL)2mLをマイクロウエーブ分解容器(株式会社アクタック製、MWS3+)に入れる。
マイクロウエーブ加熱分解を以下の条件にした。
5分間で190℃まで上昇させ、5分間190℃維持。
2分間で210℃まで上昇させ、5分間210℃維持。
2分間で230℃まで上昇させ、25分間230℃維持。
1分間で100℃まで下げ終了。
上記一連の分解操作を2回繰り返す。
酸分解液を250mLのメスフラスコに全量移し、超純水(メルク社製、Direct-Q UV)にて250mLまでメスアップし、メスアップしたものから10mL取り、さらに100mLにメスアップしたものを分析サンプルとした。JIS K0116-2014に則り、ICP-AES(株式会社島津製作所製、ICPS-8100)により分析サンプルを測定し、バナジウムを定量した。
カーボン濃度:燃焼灰を乾燥機(ヤマト科学株式会社製 FP410)で110℃にて2時間乾燥したものを、TG[セイコーインスツルメンツ株式会社製EXSTAR600]にて測定。
サンプル約10mgを、空気100ml/minで空気雰囲気下、50℃→600℃を20℃/minで昇温、600℃→800℃を10℃/minで昇温、800℃→1000℃を20℃/minで昇温し、減少質量分をカーボン量として求めた。
実施例および比較例で用いた燃焼飛灰およびアニオン性凝集剤は以下の通りである。
Figure 0007146628000001
燃焼飛灰は石油コークス由来のものを使用した。
アニオン性凝集剤:ポリアクリルアミド系、クリファームPA-834、栗田工業(株)製
平均濾過速度の測定
平均濾過速度を測定するために、以下の実施例1~5および比較例1~9を行った。
(実施例1~5、比較例1~9)
表2に示す燃焼飛灰45kgに48質量%水酸化ナトリウム水溶液6kgをレーディゲミキサー(マツボー株式会社製 FKM-130D)にて95℃で10分加熱混合しアルカリ性の燃焼飛灰湿粉50kgを準備した。
試験は、前記燃焼飛灰湿粉50gと水150gを混ぜ5分撹拌し、平均濾過速度試験用の母液スラリーを調製した。平均濾過速度試験用の母液スラリーのpHは13であり、母液スラリーを基準とした固形分濃度は、24質量%であった。
別途、クリファームPA-834を0.1質量%水溶液に調製しておいた。
平均濾過速度試験用の母液スラリーにクリファームPA-834を、母液スラリー中の含有量が表2に記載の量となるように添加し、5分間、室温で撹拌棒によって撹拌した。
撹拌後、φ95mmの桐山ロート(桐山製作所製) (濾紙目開き4μm)で吸入びん中の圧力62kPa(絶対圧)で濾過し、濾液が120mlとなった時点で、減圧を解除して濾過を止めた。この時は、ケーキ表面に母液スラリーが残っている状態で、ケーキが露出する直前であった。
<母液の平均濾過速度の測定>
濾過した母液を再度桐山ロートに戻し、吸入びん中の圧力62kPa(絶対圧)で濾過を開始し、濾液が120mlとなった時点で、減圧を解除して濾過を止めた。この時も、ケーキ表面に戻した母液が残っている状態で、ケーキが露出する直前であった。
濾過を行っている際の、濾過時間と濾液量を測定し、平均濾過速度を算出した。
<リンズ液の平均濾過速度の測定>
同じくリンズ用の水を100g、前記母液の平均濾過速度測定後のケーキに注ぎ吸入びん中の圧力62kPa(絶対圧)で濾過を開始し、リンズ液の濾液が、100mlとなった時点で、減圧を解除して濾過を止めた。この時も、ケーキ表面に、リンズ液が残っており、ケーキが露出する直前であった。リンズ液を濾過している際の、濾過時間と濾液量を測定し、平均濾過速度を算出した。
なお、本試験でケーキが露出したまま濾過すると、ケーキにひび割れが生じて正しい平均濾過速度を評価できないことがある。
結果を表2に示す。また、燃焼飛灰AおよびBを5:1(質量比)で混合した混合飛灰について、凝集剤濃度と平均濾過速度との関係を図2に示す。
Figure 0007146628000002
比率が記載されていなものは、単体使用。
ベンチスケールでの濾過性の評価
(実施例6、比較例10、11)
上記実施例1~5および比較例1~9から得られた結果よりベンチスケールの遠心分離機にて濾過性の評価を実施した。
燃焼飛灰AおよびBを質量比5:1で混合した混合灰45kgと48質量%水酸化ナトリウム水溶液6kgとをレーディゲミキサーにて95℃で10分混合を行いアルカリ性の燃焼飛灰湿粉を50kg取得した。
この燃焼飛灰湿粉11.5kgを水31kgに加え柄杓(新輝合成株式会社製 TONBO水ひしゃく)で撹拌した、この時のpHは13であり、母液スラリーの固形分濃度は24質量%であった。
撹拌後、別途0.1質量%水溶液に調製しておいたクリファームPA―834を母液スラリー中の凝集剤濃度が表3に示す濃度になる様に添加し、さらに5分間柄杓で撹拌した。この時のpHは13であった。次に、母液スラリーを1450rpm(5880m/s2)の遠心分離機に5分で供給、供給開始から10分間遠心分離機の排水口から出てくる濾液の質量を秤で測定し、平均濾液速度を測定した。その後、約18kgの水を2分で加え、供給開始から7分間同様に測定し、水洗浄における平均濾過速度を測定した。
濾過後、装置を停止させケーキを取出し、含水率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007146628000003

Claims (7)

  1. 石油コークス由来の燃焼飛灰をアルカリ性水溶液に分散させpH9~14に調整して母液スラリーとし、
    アニオン系凝集剤を前記母液スラリー中に、前記母液スラリーに対して10~25質量ppm添加したのち、
    固液分離を行い、次いで得られたケーキを水洗浄することを特徴とする燃焼飛灰の処理方法。
  2. 前記アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液である、
    請求項1に記載の燃焼飛灰の処理方法。
  3. アニオン系凝集剤がポリアクリルアミド系またはポリアクリル酸ナトリウム系であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼飛灰の処理方法。
  4. 母液スラリーの固形分濃度が10~40質量%であることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の燃焼飛灰の処理方法。
  5. 燃焼飛灰の平均粒子径が、10~100μmの範囲にあることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の燃焼飛灰の処理方法。
  6. 燃焼飛灰と水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの質量比が、1:0.03以上、1:0.51以下である、請求項2~のいずれか1項に記載の燃焼飛灰の処理方法。
  7. 前記固液分離が濾過である、請求項1~のいずれか1項に記載の燃焼飛灰の処理方法。




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