JP2020179319A - 燃焼灰の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼灰から、バナジウムを抽出分離する際に、水洗浄工程での濾過洗浄性を飛躍的に改善する処理方法を提供する。【解決手段】燃焼灰をアルカリ性水溶液と混合して母液スラリーを固液分離し、得られたケーキを洗浄する際に、洗浄液として、電解質を0.02〜1.0mol/Lの範囲で含む電解質水溶液を使用することを特徴とする燃焼灰の処理方法。【選択図】図1

Description

燃焼灰からバナジウムを抽出液により抽出し、ケーキと液相を濾別して固液分離する際に、濾液であるバナジウム水溶液に未燃カーボンの混入を防止する処理方法に関する。
火力発電所や各種工業プラントのボイラー等は重油や石油コークス等の燃料を用いるものが多く、燃焼炉の排ガスからの燃焼灰や燃焼炉底からのクリンカが排出されている。
これらの大部分は埋め立て処分されているが、これらの燃焼灰にはバナジウム等の有価金属が含有されており、環境汚染の防止および再資源化の観点から、その有効利用が求められている。このような燃焼灰からバナジウム成分を回収する方法として従来以下のものが知られている。
例えば特許文献1〜4では燃焼灰に硫酸を加えて酸性スラリーにした後に、カーボンを分離し、アンモニアを加えてバナジウムを析出させ、回収している。
また特許文献5では、燃焼灰に大量の水を加え水性スラリーに転化したのち、水酸化ナトリウムを含む水溶液を添加し、バナジウムを析出させ回収している。
さらに特許文献6では、燃焼灰にアンモニアを供給し、灰中のバナジウムをメタバナジン酸アンモニウムとした後に、バナジウムを回収している。
このとき、問題となるのは、回収したバナジウムの純度であり、特許文献1〜4のように酸を用いてバナジウムを抽出すると、鉄、ニッケルなどの重金属も溶けだしてしまい、晶析工程でバナジウムと共に析出するため、バナジウムの純度を下げる原因となる。
そのため、特許文献5および6のようにアルカリでバナジウムを抽出する方法が一般的である。しかしながら、アルカリで抽出するにしても、燃焼灰中には1μm以下の大きさの未燃カーボン粒子も含まれており、灰とアルカリ液を固液分離する工程で液相に未燃カーボンが混入し、バナジウムの純度が下がるという問題点があった。
また、レドックスフロー電池等の高純度のバナジウムが要求される用途では、未燃カーボンの含有が問題視されている。
実際に特許文献6では未燃カーボンが少ない灰を用いてバナジウムを濃縮して回収する文献であるが、カーボンなどの不純物はメタバナジン酸アンモニウムと共に回収されると記載がある。
また燃焼灰の種類によっては、燃焼灰に付着したバナジウムの回収率を良くしようと、分離工程で燃焼灰を純水で洗浄すると、燃焼灰が再分散し、さらに多くの未燃カーボンが混入する原因となる。
この未燃カーボンの混入対策として、特許文献7ではノニオン性高分子凝集剤を処理している。しかし、この方法は酸性条件下であり、一般的なバナジウム抽出工程では適用されない。
特開昭60−19086号公報 特開昭60−46930号公報 特公平4−61709号公報 特公平5−13718号公報 特表2013−522454号公報 国際公開第2003/072275号 特開平8−112585号公報
そこで、本発明は、石油系及び石炭系燃料等の燃料を燃焼させて生成される燃焼灰から、バナジウムを抽出し濾別などによって固液分離する工程において、固液分離後のケーキ洗浄濾液への未燃カーボンの混入を有効に防止できる処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、石油系燃料等の燃焼灰からアルカリ水溶液にてバナジウムを抽出した母液スラリーを、濾別などによって固液分離して得られたケーキを洗浄する工程において、洗浄液に電解質を添加することで洗浄工程における濾過速度が大きく向上し、バナジウムを含む洗浄濾液に未燃カーボンの混入を防止できることを見出した。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]燃焼灰をアルカリ性水溶液と混合して作製した母液スラリーを固液分離し、得られたケーキを洗浄する際に、洗浄液として、電解質を0.02〜1.0mol/Lの範囲で含む電解質水溶液を使用することを特徴とする燃焼灰の処理方法。
[2]前記電解質が硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、水酸化ナトリウムであることを特徴とする[1]の燃焼灰の処理方法。
[3]前記燃焼灰と前記アルカリ性水溶液中のアルカリ性物質の質量比が、燃焼灰の質量を1としたときにアルカリ性物質が0.04以上、0.48以下である、[1]または[2]の燃焼灰の処理方法。
[4]前記アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液のうち少なくとも一つである、[1]〜[3]の燃焼灰の処理方法。
[5]前記母液スラリーのpHが9〜14である、[1]〜[4]の燃焼灰の処理方法。
[6]前記固液分離が濾過である、[1]〜[5]に記載の燃焼灰の処理方法。
[7]前記燃焼灰が石油コークス由来の燃焼灰であることを特徴とする[1]〜[6]の燃焼灰の処理方法。
[8][1]〜[7]の燃焼灰の処理方法により、回収された母液スラリーの濾液および洗浄液に酸を添加しpHを調整し、酸化バナジウムを製造する方法。
[9][1]〜[7]の燃焼灰の処理方法により、固液分離の固相側に回収された固体回収物を、ボイラーの燃料として用いる方法。
[10][1]〜[7]の燃焼灰の処理方法を用いて得られた母液スラリーの濾液および洗浄液を含む液状組成物。
[11][1]〜[7]の燃焼灰の処理方法を用いて得られた固液分離の固相側の回収物を含む固形組成物。
本発明によれば、石油系燃料、石炭系燃料等を燃焼させて得た燃焼灰を、アルカリ条件下でバナジウムを抽出分離する際に、バナジウムを抽出分離したのちに酸や塩基を用いることなく洗浄液の濾過性を改善でき、かつ、未燃カーボンの混入を有効に防止できる。しかも、石油系燃料、石炭系燃料等の種類によらず汎用的に濾過性の向上が達成可能であり設備の簡易化、小型化、ひいては設備費の削減に繋がる。
電解質濃度による洗浄時の平均濾過速度のプロット図を示す。
以下、本発明の実施するための形態について説明する。
本発明は、燃焼灰、好ましくは石油系燃焼灰を使用する。複数の燃焼灰を、使用しても良い。
燃焼灰とは、燃料を燃焼させた後に残る煤塵である。前記燃焼灰には、燃焼飛灰も含まれる。燃料としては、重油や石油コークス、石炭コークスを挙げることができる。この燃料は、火力発電所などにおいて燃焼され、発電など種々の目的のために使用される。燃料の燃焼に用いられる装置としては、たとえばボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉、高炉等が挙げられる。
火力発電所などでは、排ガスから煤塵を除去するのに、電気集塵機やバグフィルターが使用される。その時に回収される煤塵が「燃焼飛灰」となる。
石油系燃焼灰は、重油や石油コークス等の石油系燃料を燃やした時に発生する排ガスから回収した灰であり、さらに、石油系燃焼灰を更に燃やし金属酸化物や硫黄分になった燃焼灰なども本発明で使用される石油系燃焼灰に含まれる。また、ボイラー燃焼炉の底部から排出される燃え残り物であるクリンカも、燃焼灰に含まれる。これらを総じて、「燃焼灰」と本明細書では呼ぶ。
燃焼灰中には、バナジウム成分が、酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウム、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウムなどとして存在している。石油系燃焼灰中に含まれるバナジウム成分量は、使用される燃料によって変動はあるものの、通常、バナジウム金属換算で0.5〜2.5質量%の範囲で含まれている。
燃焼灰の平均粒子径は特に限定されないが、後述する母液スラリーまたは洗浄液の固液分離には、粒子径が影響するため、通常10〜100μmであり、好ましくは20〜70μmの範囲にあるものが好ましい。また燃焼灰粒子径の体積基準による粒度分布は変動係数(CV)が0.2〜0.4の範囲にあるものが好ましい。なお、塊状や粗粒の燃焼灰は必要に応じて、分級したり、粉砕したりしてもよい。
本発明は、燃焼灰にアルカリ性水溶液を混合して、固形分濃度が10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%の母液スラリーを調製する。母液スラリーの液相中に、燃焼灰中のバナジウム成分が抽出される。
母液スラリーの調製は、前記固形分濃度になるように、アルカリ性水溶液を加えてもよいが、予め燃焼灰を固体として扱える量で、燃焼灰と少量のアルカリ性水溶液とを予備的に混合または混練した後の混合物(燃焼灰湿粉ともいう)に前記の固形分濃度となるように水を添加して調整してもよい。
また、十分にバナジウム成分を抽出するためには、たとえばアルカリ金属水酸化物を使用した場合、下記反応式で五酸化バナジウムに対してモル当量以上のアルカリ金属水酸化物が含まれることが必要である。
25+2MOH→2MVO3+H2
(ここで、Mはアルカリ金属である)
上記の反応式の場合には、生成するバナジン酸塩はメタバナジン酸塩であるが、本発明におけるバナジン酸塩は、次のようなバナジン酸イオンを生成するような電解質を含む。すなわち、このようなバナジン酸イオンとしては、VO4 3-、V27 4-、V39 3-、V412 4-、V514 3-、V1028 6-、V1232 4-、V1334 3-、V1842 12-、[VO3n n-(nが1のときは、VO3 -)、[V38n n-(nが2のときは、V616 2-)を挙げることができる(なお、nは自然数を示す)。
バナジン酸塩として、使用されるアルカリ成分によるが、メタバナジン酸ナトリウム等のバナジン酸ナトリウムの他に、硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩由来によるバナジン酸アンモニウムが少量含まれる場合もある。
アルカリ性水溶液としては、上記反応を生じ、しかも所定pHに調整できる限り特に制限はない。たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物の他に、これらアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア、テトラアルキルアンモニウム水酸化物などのアルカリ性物質を含む水溶液を使用できる。本明細書におけるアルカリ性物質とは、水溶液にアルカリ性を付与しうる水以外の化合物のことを指す。
このうち、アルカリ金属水酸化物水溶液が好ましく、さらに、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液が好ましい。
アルカリ性水溶液のアルカリ性物質の濃度は、燃焼灰中のバナジウム成分の当量以上のアルカリ成分が含まれていれば特に制限ないが、本発明では、母液スラリーのpHが9〜14とすることが好ましい。使用されるアルカリ性物質の濃度は、ハンドリング可能な濃度であり、母液スラリーを、所定のpHに調整できれば特に制限されない。
燃焼灰とアルカリ性水溶液中のアルカリ性物質の質量比は、燃焼灰の質量を1としたときにアルカリが0.04以上0.48以下であることが好ましく、より好ましくは0.045以上0.40以下であり、更に好ましくは0.05以上0.20以下である。
母液スラリーは、アルカリ性水溶液と燃焼灰とを混合または混練することで製造することができる。
混合または混練の方法としては特に制限されないが、手もみや乳鉢で混練することも可能であり、また、ニーダーなどのバッチ混練機、コンティニュアスニーダーなどの連続混練機、タンブラーミキサー、リボンミキサーなどバッチ式混合機、パグミキサー、レーディゲミキサーなどの連続混合機などの混練機を使用してもよい。
混合・混練時は、加温してもよく、加熱温度は、好ましくは70〜380℃であればよく、更に好ましくは70〜180℃であればよく、より好ましくは80〜160℃であればよい。
加温時間は、混合物が均一になれば特に制限されないが1〜60分程度加熱する。
加熱混合したのち、水を添加して、母液スラリーの固形分濃度を調整してもよい。
母液スラリーから固形分と液相を固液分離する方法としては、濾過、沈降分離、浮遊選鉱などが挙げられるが、本発明では、分離効率を鑑み、濾過で行うことが好ましく、吸引濾過、フィルタープレス、ベルトプレス、遠心式固液分離、真空ベルトフィルターなどの濾過手段が挙げられる。
母液スラリーから分離された液相である母液濾液中に、バナジン酸塩、例えばメタバナジン酸ナトリウムなどのバナジウム成分が回収される。
固液分離された固相側のケーキ中の母液分を十分に分離した後、ケーキを洗浄液で洗浄し、精製ケーキとする。洗浄は、濾過の場合は、ケーキに洗浄液をかけて、引き続き濾過すればよく、また固形分を洗浄液に再分散させて再度、固液分離を行ってもよい。
精製ケーキは必要に応じて、引き続き濾過して、含有水分を絞り切ってもよく、さらに、圧搾や押圧などの処理によって、ケーキ中に含まれる母液や洗浄液を絞り出してもよい。こうして得られる固体回収物は、必要に応じて水分を除去すれば、未燃カーボンを多く含むため、ボイラーの燃料として用いることも可能である。
洗浄液濾液を回収することで、バナジウム成分の回収量を増加することができる。回収した洗浄液濾液は、母液スラリーから分離された母液濾液と混ぜて、回収液としてバナジウム析出工程に用いても良いし、母液スラリー調製に用いても良い。洗浄操作は、常温で行ってもよく、加温しても良い。そのときの温度は、20〜40℃が好ましい。
本発明では、洗浄液に、電解質濃度が0.02〜1.0mol/L、好ましくは0.04〜0.8mol/L、より好ましくは0.06〜0.7mol/Lの範囲で含む電解質水溶液を使用する。
このような洗浄液を使用することで、洗浄工程の濾過速度が大きく向上し、洗浄濾過液中への未燃カーボンの混入を防止できる。
本発明によれば、燃焼灰の処理方法を用いて、固液分離の母液スラリーの濾液および洗浄液を含む液状組成物が提供される。液状組成物には、バナジウム成分が含まれるが、適宜、水やアルカリ性物質などが添加されていてもよい。また、本発明によれば、燃焼灰の処理方法を用いて、固液分離の固相側の回収物を含む固形組成物が提供される。固形組成物には未燃カーボンの他に、水分や少量のバナジウム成分が含まれていてもよい。
図1は、実施例および比較例で評価した電解質濃度に対する洗浄液の平均濾過速度の関係を示すプロットである。
洗浄液に電解質を所定量含むことで、未燃カーボンがケーキ中から分離して液相へ移動することを抑制できる。
電解質濃度が前記範囲を超えて多くしても、未燃カーボンの凝集性が上がらず飽和傾向であるため、平均濾過速度の更なる向上は見られず、電解質の消費量が増えコスト増を招くとともに、ケーキ中に残存する電解質の量も増加するとなる。電解質濃度が低いと、未燃カーボンの凝集性が低く濾過性が改善せず、未燃カーボンがケーキ中から母液中に移動することがある。
電解質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの塩基もしくは灰への残存を考え中性電解質の硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム等の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等を用いることができる。このうち好ましいものは、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、水酸化ナトリウムである。
洗浄液量は特に制限されず、ケーキ中の母液が洗浄液で置換されるレベルにあればよい。
固液分離から回収された洗浄濾液はpH2.0〜4.0に調整して、バナジウム成分を酸化バナジウムとして析出させて、固形分として回収すれば、酸化バナジウムを製造することができる。
さらにこの回収酸化バナジウムに炭酸ナトリウムや塩化ナトリウムを加え、液性を弱酸性に調整して酸化バナジウムを溶解し、液中の未溶解物を濾別した後に、この濾液にアンモニアないしアンモニア塩を加え、75〜85℃程度に加熱してバナジン酸アンモニウムを再び沈殿させることにより、不純物の少ないバナジウム化合物を回収することができる。
さらに本発明の方法で得られたバナジウムは一般的な燃焼灰からバナジウムを精製する方法よりも高純度であるため、レドックスフロー電池の電解質の原料に用いることができる。
以下、実施例により、本実施の形態に係る発明を更に具体的に説明するが、本実施の形態に係る発明は、以下の実施例にのみ制限されるものではない。
尚、本実施例で用いた分析装置、分析方法は下記の通り。
pH:pH計(横河電機株式会社製、pH71−11JAA)を用い、温度20℃にて測定した。
固形分濃度:母液スラリー10gをφ95mm桐山ロート(有限会社桐山製作所製)で濾紙目開き1μmにて、吸入びん中の減圧62kPa(絶対圧)で吸引濾過、その後、水20gでケーキを洗浄し、ケーキを乾燥機(ヤマト科学株式会社製 FP410)で110℃にて2時間乾燥し重量を測定し求めた。
固形分濃度(%)=乾燥後ケーキ質量(g)÷母液スラリー質量(g)×100
火力発電所から発生した石油コークス由来の燃焼灰45kgに48質量%水酸化ナトリウム水溶液6kg(関東化学株式会社製)を95℃で10分加熱混合しアルカリ性の燃焼灰50kgを準備しアルカリ性の燃焼灰湿粉とした。なお、アルカリ性の燃焼灰湿粉を準備するにあたり、水分が蒸発し1kg減少している。
(実施例1〜3、比較例1〜5)
<ケーキの作製>
試験は、予め調製したアルカリ性の燃焼灰湿粉20gと水60gを混ぜ撹拌し、母液スラリーとした。母液スラリーのpHは14であり、母液スラリー濃度は、24質量%であった。
母液スラリーを撹拌後、φ95mmの桐山ロート(桐山製作所製)(濾紙目開き4μm)で、吸入びん中の圧力62kPa(絶対圧)で濾過した。母液濾液が50mlとなった時点で、減圧を解除して濾過を止めた。この時は、ケーキ表面に液体が残っている状態で、ケーキが露出する直前であった。
ケーキの洗浄液として水もしくは表1にある通りの濃度に調製した各種電解質水溶液150mLを桐山ロートに注ぎ62kPa(絶対圧)で濾過を開始した。ケーキが露出する直前で減圧を解除し、濾過開始からケーキが露出する直前までの濾過時間と濾液量を測定し、濾過速度を算出した。また濾過して得られた洗浄濾液の状態を目視により観察した。
結果を表1に示す。また、電解質水溶液の種類・濃度と洗浄濾過での平均濾過速度との関係を図1に示す。
Figure 2020179319
Eは、指数表記であり、右の数字は10の乗数を示す。例えばE-02は10-2である。
Na2SO4:硫酸ナトリウム、富士フイルム和光純薬製、一級
(NH4)2SO4:硫酸アンモニウム、富士フイルム和光純薬製、特級
NaOH:水酸化ナトリウム、富士フイルム和光純薬製、特級
実施例1〜3では、洗浄濾液が無色透明であった。電解質が含まれない、あるいは電解質濃度が0.02mol/L未満の比較例1〜5では、洗浄濾液が黒く濁り未燃カーボンの混入が発生している。また比較例1〜5では、洗浄液の平均濾過速度も2.0ml/min以下と、実施例1〜3に比べて遅い。

Claims (11)

  1. 燃焼灰をアルカリ性水溶液と混合して作製した母液スラリーを固液分離し、得られたケーキを洗浄する際に、洗浄液として、電解質を0.02〜1.0mol/Lの範囲で含む電解質水溶液を使用することを特徴とする燃焼灰の処理方法。
  2. 前記電解質が硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の燃焼灰の処理方法。
  3. 前記燃焼灰と前記アルカリ性水溶液中のアルカリ性物質の質量比が、燃焼灰の質量を1としたときにアルカリ性物質が0.04以上、0.48以下である、請求項1または請求項2に記載の燃焼灰の処理方法。
  4. 前記アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液のうち少なくとも一つである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼灰の処理方法。
  5. 前記母液スラリーのpHが9〜14である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃焼灰の処理方法。
  6. 前記固液分離が濾過である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃焼灰の処理方法。
  7. 前記燃焼灰が石油コークス由来の燃焼灰であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項のいずれかに記載の燃焼灰の処理方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃焼灰の処理方法により、回収された母液スラリーの濾液および洗浄液に酸を添加しpHを調整し、酸化バナジウムを製造する方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃焼灰の処理方法により、固液分離の固相側に回収された固体回収物を、ボイラーの燃料として用いる方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃焼灰の処理方法を用いて得られた母液スラリーの濾液および洗浄液を含む液状組成物。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃焼灰の処理方法を用いて得られた、固液分離の固相側の回収物を含む固形組成物。
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