JP7145666B2 - 積層セラミック部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミック部品の製造方法に関するものである。
例えば、特開2002-231573号公報(特許文献1)によれば、典型的な積層セラミック部品である積層セラミックコンデンサの製造方法が開示されている。この製造方法において内部電極位置測定機が用いられる。内部電極位置測定機は、グリーンシート上に内部電極が形成された直後にそれを撮影する。
特開2002-231573号公報
上記公報に記載の、内部電極位置測定機を用いた電極位置測定方法においては、露出された内部電極が撮影される。この電極位置測定方法は、内部電極上にさらにグリーンシートを積層することによって積層シートが形成された後では、内部電極(導電ペーストパターン)が隠れてしまうので、適用することが難しい。よって、この積層シート上に外部電極ペーストパターンが形成される場合において、外部電極ペーストパターンと、積層シート中の導電ペーストパターンとの相対位置を精確に管理するという目的のためには、上記の電極位置測定方法は好適ではない。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その一の目的は、積層シート中の導電ペーストパターンとの相対位置を精確に管理しつつ積層シート上に外部導電ペーストパターンを形成することができる、積層セラミック部品の製造方法を提供することである
本発明の積層セラミック部品の製造方法は、次の工程を有している。第1のグリーンシートと、第1のグリーンシート上に配置された第1の導電ペーストパターンと、第1の導電ペーストパター上に配置された第2のグリーンシートと、を含む積層シートが形成される。積層シートの透過光を得るための光が照射される。積層シートの透過光を測定することによって、第1の導電ペーストパターンの少なくとも一部の配置が検出される。第1の導電ペーストパターの少なくとも一部の配置から定められた基準位置を用いて、積層シート上に外部導電ペーストパターンが形成される。
第1の導電ペーストパターンは電極パターンおよびアライメントマークを含む。第1の導電ペーストパターンの少なくとも一部の配置を検出する工程は、アライメントマークの配置を検出する工程を含む。積層シートは、第2のグリーンシート上に配置され平面視において第1の導電ペーストパターンのアライメントマークの外側にのみ配置された第2の導電ペーストパターンと、第2の導電ペーストパターン上に配置された第3のグリーンシートと、を含む。外部導電ペーストパターンを形成する工程は、積層シートの表面のうち第3のグリーンシートによって第1の導電ペーストパターンから隔てられた部分の上に外部導電ペーストパターンを形成する工程を含む。
本発明の積層セラミック部品の製造方法によれば、第1のグリーンシートと第2のグリーンシートとの間に挟まれた第1の導電ペーストパターンの少なくとも一部の配置が、積層シートを透過する透過光を測定することによって検出される。これにより、積層シート中の第1の導電ペーストパターンとの相対位置を精確に管理しつつ、積層シート上に外部導電ペーストパターンを形成することができる。
本発明の実施の形態1における積層セラミック部品の構成を概略的に示す斜視図である。 図1の上面図である。 図2の線III-IIIに沿う概略断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの構成を概略的に示す斜視図である。 図4の上面図である。 図5の線VI-VIに沿う概略断面図である。 本発明の実施の形態1における各グリーンシートのレイアウトを概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分平面図である。 図8の線IX-IXに沿う部分断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態3における積層セラミック部品の構成を概略的に示す斜視図である。 図22の下面図である。 図23の線XXIV-XXIVに沿う概略断面図である。 本発明の実施の形態3におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態3におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
(積層セラミック部品)
積層セラミック部品は、セラミックからなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層された構造を有する電子部品である。内部電極層の数は任意であるが、以下においては積層セラミック部品が3つの内部電極層を有する場合について説明する。
図1は、本実施の形態1における積層セラミック部品90Fの構成を概略的に示す斜視図である。図2は、図1の上面図である。図3は、図2の線III-IIIに沿う概略断面図である。
積層セラミック部品90Fは、誘電体部10Fと、第1の内部電極層21Fと、第2の内部電極層22Fと、第3の内部電極層23Fと、外部電極層24Fと、側面電極層30Fとを有している。誘電体部10Fは、複数の誘電体層として、第1の誘電体層11F、第2の誘電体層12Fおよび第3の誘電体層13Fを含む。なお図3において、複数の誘電体層の間の境界面が実線で示されているが、これは、内部電極層が配置された面を延長することによって想定される想像面であってよい。
積層セラミック部品90Fは、誘電体層と内部電極層とが積層方向(図3における縦方向、言い換えれば厚み方向)に積層されることによって構成された積層体を含む。複数の誘電体層のうち積層方向における一方端(図3における下端)から他方端(図3における上端)へ、第1の誘電体層11F、第2の誘電体層12F、第3の誘電体層13Fおよび第4の誘電体層14Fが順に配置されている。よって、第1の誘電体層11Fおよび第4の誘電体層14Fのそれぞれが、積層体の下面および上面をなしている。また積層体は、下面および上面をつなぐ互いに反対の側面(図3における左側面および右側面)を有している。
側面電極層30Fは第1の側面電極層30Faおよび第2の側面電極層30Fbを有している。第1の側面電極層30Faおよび第2の側面電極層30Fbのそれぞれは、積層体の左側面上および右側面上に配置されている。積層方向に配列された複数の内部電極層は、積層体の左側面および右側面に交互に達しており、第1の側面電極層30Faおよび第2の側面電極層30Fbに交互に接続されている。具体的には、第1の内部電極層21Fが第1の側面電極層30Faに接続されており、第2の内部電極層22Fが第2の側面電極層30Fbに接続されており、第3の内部電極層23Fが第1の側面電極層30Faに接続されている。よって、ある1つの内部電極層は、第1の側面電極層30Faおよび第2の側面電極層30Fbの一方にのみ接続されている。第1の側面電極層30Faおよび第2の側面電極層30Fbの各々は積層体の上面に達している。
外部電極層24Fは積層体の上面上に、言い換えれば第4の誘電体層14F上に、配置されている。外部電極層24Fは、互いに離れた第1の外部電極層24Faおよび第2の外部電極層24Fbを有している。第1の外部電極層24Faは、積層体の左側面に達しており、第1の側面電極層30Faにつながっている。第2の外部電極層24Fbは、積層体の右側面に達しており、第2の側面電極層30Fbにつながっている。
(積層セラミック部品を製造するためのグリーンチップ)
積層セラミック部品90F(図1~図3)の製造方法は、脱バインダ工程および焼成工程を含む。これらの工程は、各々から複数の積層セラミック部品90Fが形成されることになる積層シート、または、1つの積層セラミック部品90Fとなるグリーンチップに対して行われる。脱バインダ工程において、加熱によりバインダ成分および可塑剤成分が除去される。その後、焼成工程において、セラミック粉末が、加熱により焼結する。積層シートが焼成された場合は、得られた焼成体から、複数の積層セラミック部品90Fに対応する構造を切り出す工程が行われる。また必要に応じて、焼成後に電極構造が追加されてよい。以下においては、焼成されることによって1つの積層セラミック部品90Fとなるグリーンチップの構成について説明する。
図4は、本実施の形態1におけるグリーンチップ90の構成を概略的に示す斜視図である。図5は、図4の上面図である。図6は、図5の線VI-VIに沿う概略断面図である。
グリーンチップ90は、複数のグリーンシート10と、第1の導電ペーストパターン21と、第2の導電ペーストパターン22と、第3の導電ペーストパターン23と、外部導電ペーストパターン24と、側面導電ペースト層30とを有している。グリーンシート10は、後の工程において焼結することになる原料粉末と、有機バインダと、可塑剤とを含み、柔軟性を有している。グリーンシート10は、第1のグリーンシート11、第2のグリーンシート12および第3のグリーンシート13を含む。
グリーンチップ90は、グリーンシートと導電ペーストパターンとが積層方向(図6における縦方向)に積層されることによって構成された積層体を含む。複数のグリーンシートのうち積層方向における一方端(図6における下端)から他方端(図6における上端)へ、第1のグリーンシート11、第2のグリーンシート12、第3のグリーンシート13および第4のグリーンシート14が順に配置されている。よって、第1のグリーンシート11および第4のグリーンシート14のそれぞれが、積層体の下面および上面をなしている。また積層体は、下面および上面をつなぐ互いに反対の側面(図6における左側面および右側面)を有している。
側面導電ペースト層30は第1の側面導電ペースト層30aおよび第2の側面導電ペースト層30bを有している。第1の側面導電ペースト層30aおよび第2の側面導電ペースト層30bのそれぞれは、積層体の左側面上および右側面上に配置されている。積層体の内部において積層方向に配列された複数の導電ペーストパターンは、積層体の左側面および右側面に交互に達しており、第1の側面導電ペースト層30aおよび第2の側面導電ペースト層30bに交互に接続されている。具体的には、第1の導電ペーストパターン21が第1の側面導電ペースト層30aに接続されており、第2の導電ペーストパターン22が第2の側面導電ペースト層30bに接続されており、第3の導電ペーストパターン23が第1の側面導電ペースト層30aに接続されている。よって積層体の内部において、ある1つの導電ペーストパターンは、第1の側面導電ペースト層30aおよび第2の側面導電ペースト層30bの一方にのみ接続されている。第1の側面導電ペースト層30aおよび第2の側面導電ペースト層30bの各々は積層体の上面に達している。
外部導電ペーストパターン24は積層体の上面上に、言い換えれば第4のグリーンシート14上に、配置されている。外部導電ペーストパターン24は、互いに離れた第1の外部導電ペーストパターン24aおよび第2の外部導電ペーストパターン24bを有している。第1の外部導電ペーストパターン24aは、積層体の左側面に達しており、第1の側面導電ペースト層30aにつながっている。第2の外部導電ペーストパターン24bは、積層体の右側面に達しており、第2の側面導電ペースト層30bにつながっている。
(グリーンチップの製造方法)
グリーンチップ90の製造方法は、積層シートからグリーンチップを切り出す工程を含む。積層シートの製造方法は、平面視において積層セラミック部品90Fよりも大きな複数のグリーンシート10を互いに積層する工程を含む。グリーンチップ90が製造される場合、大きなグリーンシート10を用いて形成された大きな積層シートから複数のグリーンチップ90が切り出されることによって、製造効率を高めることができる。また積層シートが焼成される場合は、得られた焼成体から、複数の積層セラミック部品90Fに対応する構造が切り出されることによって、製造効率を高めることができる。
図7は、本実施の形態1におけるグリーンシート10のレイアウトを概略的に示す平面図である。グリーンシート10は平面視において、グリーンチップ90が切り出されることになる複数の素子領域A1と、製造時に平面位置についての精密なアライメントを実施するための複数のアライメント領域A2とを有している。またグリーンシートは、複数のピン穴HLを有していてよい。グリーンシート10のピン穴HLに製造装置のピンが挿入されることによって、グリーンシート10と製造装置との相対位置を規制することができる。なお、グリーンシート10の形成方法は通常の方法であってよく、典型的には、ポリエチレンテレフタレートからなる支持フィルム(図示せず)上でのドクターブレード法が用いられる。支持フィルムが除去されるタイミングは任意であるが、通常、支持フィルムに支持されたグリーンシート10が他の部材(例えば他のグリーンシート10)へ転写された後、かつ支持フィルムがさらなる工程の障害となる前に、支持フィルムが除去される。
図8は、グリーンチップ90の製造方法の第1の工程を概略的に示す部分平面図であり、図9は、図8の線IX-IXに沿う部分断面図である。図10~図16は、グリーンチップ90の製造方法の第2~7の工程を概略的に示す部分断面図である。なお、図15までの工程は、積層シートの製造方法に対応している。
図8および図9を参照して、第2のグリーンシート12上に第1の導電ペーストパターン21が、例えばスクリーン印刷法によって、形成される。第1の導電ペーストパターン21は、電極パターン21Eと、アライメントマーク21Aとを有している。電極パターン21Eの少なくとも一部は、後述のさらなる工程を経て得られるグリーンチップ90(図6)内において残されることになる。言い換えれば、電極パターン21Eの少なくとも一部は素子領域A1に含まれる。アライメントマーク21Aはアライメント領域A2の各々に配置される。アライメントマーク21Aは、グリーンチップ90が切り出される際に除去されることになる。
アライメントマーク21Aは、観察された際に、アライメントマーク21Aの配置によって表される基準位置PSを特定するのに適した形状を有している限り、任意の形状であってよい。図8においては、相対的に短い短辺を有する長方形の間に相対的に長い短辺を有する長方形が、短辺方向において間隔を空けて挟まれた形状が用いられており、真ん中の長方形の重心位置が基準位置PSとされている。この形状に代わって、例えば、合同な3つの長方形が短辺方向に間隔を空けて配列された形状、円形状、または円形の穴を有する形状が用いられてもよい。また、アライメントマークによって表される基準位置は、必ずしもアライメントマークの重心位置でなくてよく、アライメントマークによって特徴づけられる位置であればよい。
図10を参照して、第2のグリーンシート12上の第1の導電ペーストパターン21が第1のグリーンシート11の方へ向けられながら、第1の導電ペーストパターン21が設けられた第2のグリーンシート12と、第1のグリーンシート11とが互いに積層される。
図11を参照して、第3のグリーンシート13上に第2の導電ペーストパターン22が、例えばスクリーン印刷法によって、形成される。第2の導電ペーストパターン22の少なくとも一部は素子領域A1に含まれる。第2の導電ペーストパターン22は、アライメント領域A2の外側にのみ形成されることが好ましい。第3のグリーンシート13上の第2の導電ペーストパターン22が第2のグリーンシート12の方へ向けられながら、第2の導電ペーストパターン22が設けられた第3のグリーンシート13と、第2のグリーンシート12とが互いに積層される。
図12を参照して、第4のグリーンシート14上に第3の導電ペーストパターン23が、例えばスクリーン印刷法によって、形成される。第3の導電ペーストパターン23の少なくとも一部は素子領域A1に含まれる。第3の導電ペーストパターン23は、アライメント領域A2の外側にのみ形成されることが好ましい。第4のグリーンシート14上の第3の導電ペーストパターン23が第3のグリーンシート13の方へ向けられながら、第3の導電ペーストパターン23が設けられた第4のグリーンシート14と、第3のグリーンシート13とが互いに積層される。
図13を参照して、以上の工程によって積層シート80が形成される。積層シート80の構成について、以下に説明する。第1の導電ペーストパターン21は、第1のグリーンシート11上に配置されており、電極パターン21Eおよびアライメントマーク21Aを含む。第2のグリーンシート12は、第1の導電ペーストパターン21上に配置されている。第2の導電ペーストパターン22は、第2のグリーンシート12上に配置されており、好ましくは、平面視においてアライメントマーク21Aの外側にのみ配置されている。第3のグリーンシート13は、第2の導電ペーストパターン22上に配置されている。第3の導電ペーストパターン23は、第3のグリーンシート13上に配置されており、好ましくは、平面視においてアライメントマーク21Aの外側にのみ配置されている。第4のグリーンシート14は、第3の導電ペーストパターン23上に配置されている。
図14を参照して、積層シート80の透過光LSを得るための照明光LLが、光源101から照射される。積層シート80の透過光LSがカメラ102によって測定される。これによって、第1の導電ペーストパターン21の少なくとも一部の配置、具体的にはアライメントマーク21Aの配置、が検出される。好ましくは、図示されているように、照明光LLは積層シート80の第1のグリーンシート11へ照射され、第4のグリーンシート14からの透過光LSが測定される。例えば、照明光LLの出射部が埋め込まれたステージ上に積層シート80が載せられ、照明光LLのうち積層シート80を透過した透過光LSが測定される。
より容易に認識可能な透過光LSを得るためには、照明光LLは、赤色成分(例えば、波長700nm程度の成分)を十分な強度で含むことが好ましい。よって照明光LLは、例えば、赤色光または白色光であることが好ましい。また透過光LSの認識精度は、積層シート80の厚みが15μmより大きく100μmより小さい場合に特に高い。厚みが15μm以下の場合は透過光LSのハレーションが生じやすい。厚みが100μm以上の場合は透過光LSの強度が不足しやすい。
図15を参照して、第1の導電ペーストパターン21の少なくとも一部の配置、具体的にはアライメントマーク21Aの配置、から定められた基準位置PSを用いて、積層シート80上に外部導電ペーストパターン24が、例えばスクリーン印刷法によって、形成される。これにより、平面視における第1の導電ペーストパターン21と外部導電ペーストパターン24との相対位置が高精度で管理される。本実施の形態においては、図示されているように、積層シート80の表面のうち、第2のグリーンシート12、第3のグリーンシート13およびl第4のグリーンシート14によって第1の導電ペーストパターン21から隔てられた部分の上に、外部導電ペーストパターン24が形成される。積層シート80の表面のうちの当該部分は、積層シート80の表面のうち第1のグリーンシート11によって構成される部分に比して、積層方向において第1の導電ペーストパターン21からより遠くに位置している。
次に、積層シート80から、素子領域A1の各々に含まれる部分が切り出される。積層シート80のうち、素子領域A1の各々に含まれる部分以外の部分は、廃棄されてよい。
図16を参照して、前述した切り出しによって、グリーンチップ90Nが形成される。さらに図6を参照して、グリーンチップ90Nの側面に側面導電ペースト層30が形成される。これによりグリーンチップ90が得られる。
なお、グリーンチップ90(図6)が焼成されることによって、積層セラミック部品90F(図3)が得られる。変形例として、前述したように、積層シート80(図15)が焼成され、それによって得られた焼成体から、複数の積層セラミック部品90Fに対応する構造が切り出されてもよい。
(効果)
本実施の形態によれば、図14に示されているように、第1のグリーンシート11と第2のグリーンシート12との間に挟まれた第1の導電ペーストパターン21の少なくとも一部の配置が、積層シート80を透過する透過光LSを測定することによって検出される。これにより、積層シート80中の第1の導電ペーストパターン21との相対位置を精確に管理しつつ、積層シート80上に外部導電ペーストパターン24を形成することができる。
具体的には、第1のグリーンシート11と第2のグリーンシート12との間に挟まれたアライメントマーク21Aの配置が、積層シート80を透過する透過光LSを測定することによって検出される。アライメントマーク21Aは、グリーンチップ90には含まれないことになるものである。よってアライメントマーク21Aとしては、透過光LSを用いてその配置が検出されるために最適化された構成を用いることができる。よって、第1の導電ペーストパターン21の配置をより精確に検出することができる。
好ましくは、平面視において、第1の導電ペーストパターン21に含まれるアライメントマーク21Aの外側にのみ、第2の導電ペーストパターン22が配置されている。これにより、アライメントマーク21Aの配置を検出するための透過光LSの進行が第2の導電ペーストパターン22によって阻害されない。よって、第1の導電ペーストパターン21に含まれるアライメントマーク21Aを確実に検出することができる。
外部導電ペーストパターン24の基準位置PSは、外部導電ペーストパターン24の近くに位置する第2の導電ペーストパターン22または第3の導電ペーストパターン23からではなく、より遠くに配置された第1の導電ペーストパターン21から定められる。第1の導電ペーストパターン21は、より遠く、言い換えればより深く、に位置するため、一般にその配置を検出しにくいところ、本実施の形態によれば、透過光LSを用いることによってそれが十分に可能である。
なお本発明者の検討例によれば、アライメントマーク21A(図14)ではなくピン穴HL(図7)の配置を基準位置として用いた場合におけるパターン重ね合わせ誤差は、標準偏差として7.5μm程度であった。また最終的に得られた積層セラミック部品の静電容量ばらつきは±10pF程度であった。これに対して、アライメントマーク21A(図14)の配置を基準位置として用いた場合におけるパターン重ね合わせ誤差は、標準偏差として5μm未満に抑制された。また最終的に得られた積層セラミック部品の静電容量ばらつきは±5pF程度に抑制された。
<実施の形態2>
本実施の形態2においては、積層シート80(図13:実施の形態1)を形成するための、他の方法について説明する。図17~図21は、本実施の形態2におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す断面図である。
図17を参照して、第1のグリーンシート11上に第1の導電ペーストパターン21が、例えばスクリーン印刷法によって、形成される。第1のグリーンシート11上の第1の導電ペーストパターン21が第2のグリーンシート12の方へ向けられながら、第1の導電ペーストパターン21が設けられた第1のグリーンシート11と、第2のグリーンシート12とが互いに積層される。
図18を参照して、第1のグリーンシート11と第1の導電ペーストパターン21と第2のグリーンシート12との透過光L1を得るための照明光LLが照射される。透過光L1を測定することによって、アライメントマーク21Aの配置が検出される。アライメントマーク21Aの配置から、基準位置PSが定められる。
図19を参照して、前述した工程によって得られた基準位置PSを用いて、第2のグリーンシート12上に第2の導電ペーストパターン22が形成される。第2のグリーンシート12上の第2の導電ペーストパターン22が第3のグリーンシート13の方へ向けられながら、第2の導電ペーストパターン22が設けられた第2のグリーンシート12と、第3のグリーンシート13とが互いに積層される。
図20を参照して、第1のグリーンシート11と第1の導電ペーストパターン21と第2のグリーンシート12と第2の導電ペーストパターン22と第3のグリーンシート13との透過光L2を得るための照明光LLが照射される。透過光L2を測定することによって、アライメントマーク21Aの配置が検出される。アライメントマーク21Aの配置から、基準位置PSが定められる。
図21を参照して、前述した工程によって得られた基準位置PSを用いて、第3のグリーンシート13上に第3の導電ペーストパターン23が形成される。第3のグリーンシート13上の第3の導電ペーストパターン23が第4のグリーンシート14の方へ向けられながら、第3の導電ペーストパターン23が設けられた第3のグリーンシート13と、第4のグリーンシート14とが互いに積層される。これにより積層シート80(図13)が得られる。この積層シート80から、実施の形態1と同様に、グリーンチップ90(図6)が得られ、さらには積層セラミック部品90F(図3)が得られる。
本実施の形態によれば、図19に示されているように、アライメントマーク21Aの配置から定められた基準位置PSを用いて第2のグリーンシート12上に第2の導電ペーストパターン22が形成される。これにより、第2の導電ペーストパターン22を第1の導電ペーストパターン21へ高い精度で重ね合わせることができる。一方で本実施の形態2によっても実施の形態1と同様に、外部導電ペーストパターン24を第1の導電ペーストパターン21へ高い精度で重ね合わせることができる。よって特に本実施の形態2によれば、外部導電ペーストパターン24および第2の導電ペーストパターン22の両方を第1の導電ペーストパターン21へ高い精度で重ね合わせることができる。
<実施の形態3>
(積層セラミック部品)
図22は、本実施の形態3における積層セラミック部品90Fvの構成を概略的に示す斜視図である。図23は、図22の下面図である。図24は、図23の線XXIV-XXIVに沿う概略断面図である。
積層セラミック部品90Fvは、外部電極層24F(図1~図3)に加えて、外部電極層25F(図23および図24)を有している。外部電極層25Fは積層体の下面上に配置されている。外部電極層25Fは、互いに離れた第1の外部電極層25Faおよび第2の外部電極層25Fbを有している。第1の外部電極層25Faは、積層体の左側面に達しており、第1の側面電極層30Fa(図24)につながっている。第2の外部電極層25Fbは、積層体の右側面に達しており、第2の側面電極層30Fb(図24)につながっている。この構造を得るため、本実施の形態3においては、第1の側面電極層30Faおよび第2の側面電極層30Fbの各々は、積層体の上面だけでなく下面にも達している。
なお、上記以外の構成については、積層セラミック部品90F(図1~図3:実施の形態1)の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(積層セラミック部品の製造方法)
積層セラミック部品90Fv(図22~図24)の製造方法について、特に、グリーンチップの焼成工程を含む場合について説明する。なお、上記実施の形態1で説明したように、グリーンチップの焼成工程に代わって積層シートの焼成工程が行われてもよい。
図25および図26は、本実施の形態3におけるグリーンチップの製造方法の工程を概略的に示す部分断面図である。本実施の形態においては、図15(実施の形態1)までの工程が行われた後、図25および図26に示された工程が順に行われる。
図25を参照して、図14(実施の形態1)と類似の検出工程が行われる。具体的には、まず積層シート80の透過光LSを得るための照明光LLが、光源101から照射される。積層シート80の透過光LSがカメラ102によって測定される。これによって、第1の導電ペーストパターン21の少なくとも一部の配置、具体的にはアライメントマーク21Aの配置、が検出される。好ましくは、図示されているように、照明光LLは積層シート80の第4のグリーンシート14へ照射され、第1のグリーンシート11からの透過光LSが測定される。例えば、照明光LLの出射部が埋め込まれたステージ上に積層シート80が載せられ、照明光LLのうち積層シート80を透過した透過光LSが測定される。
図26を参照して、第1の導電ペーストパターン21の少なくとも一部の配置、具体的にはアライメントマーク21Aの配置、から定められた基準位置PSを用いて、積層シート80上に外部導電ペーストパターン25が、例えばスクリーン印刷法によって、形成される。これにより、積層シート80vが形成される。このとき、平面視における第1の導電ペーストパターン21と外部導電ペーストパターン25との相対位置が高精度で管理される。外部導電ペーストパターン25は、第1の外部導電ペーストパターン25aおよび第2の外部導電ペーストパターン25bを有している。
本実施の形態においては、図示されているように、積層シート80vの表面のうち、第1のグリーンシート11によって第1の導電ペーストパターン21から隔てられた部分の上に、外部導電ペーストパターン25が形成される。積層シート80vの表面のうちの当該部分は、積層シート80vの表面のうち第4のグリーンシート14によって構成される部分に比して、積層方向において第1の導電ペーストパターン21からより近くに位置している。
次に、積層シート80vから、素子領域A1の各々に含まれる部分が切り出されることによって、グリーンチップが得られる。積層シート80vのうち、素子領域A1の各々に含まれる部分以外の部分は、廃棄されてよい。
以降、実施の形態1とほぼ同様の工程が行われることによって、積層セラミック電子部品90Fv(図22~図24)が得られる。積層セラミック電子部品90Fvの外部電極層25Fは、積層シート80vの外部導電ペーストパターン25が焼成されることによって形成される。具体的には、第1の外部電極層25Faおよび第2の外部電極層25Fbのそれぞれは、第1の外部導電ペーストパターン25aおよび第2の外部導電ペーストパターン25bが焼成されることによって形成される。
なお、積層セラミック部品90Fvの用途によっては、外部導電ペーストパターン24および外部導電ペーストパターン25の両方ではなく一方のみについて、平面視における第1の導電ペーストパターン21との相対位置を高精度で管理されればよい場合がある。高精度が求められない外部導電ペーストパターンの形成工程においては、上述した透過光LSを用いての検出工程が省略されてもよい。
A1 素子領域
A2 アライメント領域
L1,L2,LS 透過光
HL ピン穴
LL 照明光
PS 基準位置
10 グリーンシート
10F 誘電体部
11 第1のグリーンシート
11F 第1の誘電体層
12 第2のグリーンシート
12F 第2の誘電体層
13 第3のグリーンシート
13F 第3の誘電体層
14 第4のグリーンシート
14F 第4の誘電体層
21 第1の導電ペーストパターン
21A アライメントマーク
21E 電極パターン
21F 第1の内部電極層
22 第2の導電ペーストパターン
22F 第2の内部電極層
23 第3の導電ペーストパターン
23F 第3の内部電極層
24,25 外部導電ペーストパターン
24F,25F 外部電極層
24a,25a 第1の外部導電ペーストパターン
24b,25b 第2の外部導電ペーストパターン
24Fa,25Fa 第1の外部電極層
24Fb,25Fb 第2の外部電極層
30 側面導電ペースト層
30F 側面電極層
30a 第1の側面導電ペースト層
30b 第2の側面導電ペースト層
30Fa 第1の側面電極層
30Fb 第2の側面電極層
80,80v 積層シート
90,90N グリーンチップ
90F,90Fv 積層セラミック部品
101 光源
102 カメラ

Claims (3)

  1. 第1のグリーンシートと、
    前記第1のグリーンシート上に配置され、電極パターンおよびアライメントマークを含む第1の導電ペーストパターンと、
    前記第1の導電ペーストパターン上に配置された第2のグリーンシートと、
    前記第2のグリーンシート上に配置され、平面視において前記第1の導電ペーストパターンの前記アライメントマークの外側にのみ配置された第2の導電ペーストパターンと、
    前記第2の導電ペーストパターン上に配置された第3のグリーンシートと、
    を含む積層シートを形成する工程と、
    前記積層シートの透過光を得るための光を照射する工程と、
    前記積層シートの透過光を測定することによって、前記第1の導電ペーストパターンの前記アライメントマークの配置を検出する工程と、
    前記第1の導電ペーストパターンの前記アライメントマークの配置から定められた基準位置を用いて、前記積層シートの表面のうち前記第3のグリーンシートによって前記第1の導電ペーストパターンから隔てられた部分の上に外部導電ペーストパターンを形成する工程と、
    を備える、積層セラミック部品の製造方法。
  2. 前記積層シートを形成する工程は、
    前記第1のグリーンシートと前記第1の導電ペーストパターンと前記第2のグリーンシートとの透過光を得るための光を照射する工程と、
    前記第1のグリーンシートと前記第1の導電ペーストパターンと前記第2のグリーンシートとの透過光を測定することによって、前記第1の導電ペーストパターンの前記アライメントマークの配置を検出する工程と、
    前記第1の導電ペーストパターンの前記アライメントマークの配置から定められた基準位置を用いて、前記第2のグリーンシート上に前記第2の導電ペーストパターンを形成する工程と、
    を含む、請求項に記載の積層セラミック部品の製造方法。
  3. 前記積層シートの透過光を得るための光は赤色光である、請求項1または2に記載の積層セラミック部品の製造方法。
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