JP4873379B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
セラミックグリーンシートを積層して積層セラミック電子部品を製造する積層セラミック電子部品の製造方法が従来より知られている。例えば、特開2002−270459号公報(特許公報1)には、このような積層セラミック電子部品の製造方法が記載されている。積層セラミック電子部品の製造方法では、セラミックグリーンシート上に内部電極用導体層を形成し、当該内部電極用導体層の上下両側に、上下に容燃ペーストからなる分断ラインを形成すると共に、各導体層の中央及び左右両側に容燃ペーストからなる分断ラインを形成する。そして、このように製造されたセラミックグリーンシートを積層し、当該セラミックグリーンシートを積層してなる積層グリーンシートを加熱して、分断ラインの少なくとも一部を除去する。そして、適当な分割装置を用いて積層グリーンシートを個々のチップに分断する。チップには外部電極を形成し、外部電極と内部電極用導体層とは電極的に接続される。
特開2002−270459号公報
しかし、上記公報記載の積層セラミック電子部品の製造方法では、分断ラインの一部が除去されているものの、内部電極用導体層やセラミックグリーンシートは積層グリーンシートにおいて個々のチップを構成する個々の内部電極用導体層、個々のセラミックグリーンシートの分断されておらず繋がっており、上述のように適当な分断装置を用いて分断して個々のチップにする必要がある。このように、適当な分断装置を用いて個々のチップとすると、繋がっている内部電極用導体層を所望の位置で切断することができず、ちぎれて欠落したり、分断され内部電極用導体層の形状が不安定となり個々のチップ内部へ埋もれた状態となってしまったりすることがある。
このため、個々のチップに分断した後には、内部電極用導体層を個々のチップに設けられる外部電極と電気的に接続するために、内部電極用導体層をチップ外部へと確実に露出させる必要があり、このために、個々のチップの端面を研磨して内部電極用導体層をチップ外部へと露出させる工程を行う必要がある。
そこで本発明は、シート積層体を切断せずに積層セラミック電子部品を製造することができ、個々のチップを研磨せずに確実に内部電極をチップの外部へ安定して露出させ、当該露出した部分の形状を安定させることができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、可燃性材料からなり複数の貫通孔が形成された枠層を基材上に該貫通孔の貫通方向が該基材の上面に対して交差する方向となるように設けて、該枠層の該基材の上面に対向する基材対向面において開口する該貫通孔の一端側開口を該基材の上面により閉塞する工程と、該複数の貫通孔の他端側開口から該複数の貫通孔内にセラミックスラリーを注入し該複数の貫通孔内の全空間をセラミックスラリーで埋めるセラミックスラリー供給工程と、該複数の貫通孔内の該セラミックスラリーを乾燥させて半硬化状態としたセラミックグリーンシートを形成するセラミックグリーンシート形成工程と、該複数の貫通孔の他端側開口において該セラミックグリーンシート上に内部電極を形成する内部電極形成工程とを有し、該枠層と該セラミックグリーンシートと該内部電極とを有するシート体を製造するシート体製造工程と、該シート体製造工程を複数回行うことにより製造された複数の該シート体を、該枠層の該基材対向面に略垂直の方向へ各該シート体の該貫通孔が互いに一致する位置関係となるように且つ該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されるように該シート体を積層すると共に、該シート体から該基材を除去してシート積層体を製造する積層工程と、該シート積層体を焼成することにより該枠層を燃焼させるとともに該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されたシート積層体を硬化させる焼成工程とを有し、該内部電極形成工程では、該貫通孔の他端側開口と該枠層の反該基材対向面とを跨ぐようにして、且つ一の該貫通孔と該一の貫通孔に隣接する他の該貫通孔との間の該反基材対向面上の所定の位置に至るまで該一の貫通孔から該他の貫通孔へ向かって延出して該内部電極を形成する電極延出形成工程を行う積層セラミック電子部品の製造方法を提供している。
可燃性材料からなり複数の貫通孔が形成された枠層を基材上に貫通孔の貫通方向が基材の上面に対して交差する方向となるように設けて、枠層の基材の上面に対向する基材対向面において開口する貫通孔の一端側開口を基材の上面により閉塞する工程と、複数の貫通孔の他端側開口から複数の貫通孔内にセラミックスラリーを注入し複数の貫通孔内の全空間をセラミックスラリーで埋めるセラミックスラリー供給工程と、シート積層体を焼成することにより枠層を燃焼させるとともにセラミックグリーンシートと内部電極とが交互に積層されたシート積層体を硬化させる焼成工程とを有するため、枠層を燃焼させることにより枠層が焼失し、複数のチップ状の焼成品とすることができる。このようにシート積層体を切断せずに済むため、切断に伴うシート積層体の変形を生じさせずに済み、チップ状に形成された焼成品を変形の生じていない形状の整った形状精度の高いものとすることができる。また、シート積層体を切断する工程を省くことができ、製造工程を簡単にすることができる。
更に、焼成工程により複数のチップ状の焼成品とすることができるため、焼成品同士が互いに再付着してしまうことがなく、互いに付着する不具合を防止するための対策を採らずに済み、製造工程を更に簡単にすることができる。
また、内部電極形成工程では、枠層の反基材対向面と貫通孔の他端側開口とを跨ぐようにして内部電極を形成するため、反基材対向面に沿った方向において内部電極が貫通孔の他端側開口から突出した状態となり、焼成時に内部電極が焼成品の内部へ入り込んでしまうことを防止できる。このため、個々のチップの端面を研磨して内部電極をチップ外部へと露出させる工程等を行わずに、焼成品に対して設けられる外部電極と確実に電気的に接続することができる。また、焼成時に枠層が焼失する際に、反基材対向面に沿った方向において貫通孔の他端側開口から突出した内部電極の部分が変形し、当該突出した内部電極の部分が焼成品の外面に引っ掛かり、焼成時に内部電極が焼成品の内部へ入り込んでしまうことをより確実に防止することができる。
また、内部電極形成工程では、一の貫通孔と一の貫通孔に隣接する他の貫通孔との間の反基材対向面上の所定の位置に至るまで一の貫通孔から他の貫通孔へ向かって延出して内部電極を形成する電極延出形成工程を行うため、一の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極と、他の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極とが繋がった状態となることを防止できる。このため、分断装置等を用いて分断して個々のチップにする必要がなく、繋がっている内部電極が当該分断によってちぎれて欠落したり、内部電極の形状が不安定となり個々のチップ内部へ埋もれた状態となってしまったりすることを防止することができる。
また、本発明は、複数の小片セラミックグリーンシートを基材の上面上で互いに離間させた位置関係で形成する小片セラミックグリーンシート形成工程と、該基材の上面上で該小片セラミックグリーンシート間に可燃性材料からなるスラリーを充填し硬化させることにより、複数の貫通孔が形成され該小片セラミックグリーンシートが該複数の貫通孔内の全空間に充填された状態の可燃性材料からなる枠層を該基材上に該貫通孔の貫通方向が該基材の上面に対して交差する方向となるように設けて、該枠層の該基材の上面に対向する基材対向面において開口する該複数の貫通孔の一端側開口が該基材の上面により閉塞された状態とする工程と、該複数の貫通孔の他端側開口において該セラミックグリーンシート上に内部電極を形成する内部電極形成工程とを有し、該枠層と該セラミックグリーンシートと該内部電極とを有するシート体を製造するシート体製造工程と、該シート体製造工程を複数回行うことにより製造された複数の該シート体を、該枠層の該基材対向面に略垂直の方向へ各該シート体の該貫通孔が互いに一致する位置関係となるように且つ該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されるように該シート体を積層すると共に、該シート体から該基材を除去してシート積層体を製造する積層工程と、該シート積層体を焼成することにより該枠層を燃焼させるとともに該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されたシート積層体を硬化させる焼成工程とを有し、該内部電極形成工程では、該貫通孔の他端側開口と該枠層の反該基材対向面とを跨ぐようにして、且つ一の該貫通孔と該一の貫通孔に隣接する他の該貫通孔との間の該反基材対向面上の所定の位置に至るまで該一の貫通孔から該他の貫通孔へ向かって延出して該内部電極を形成する電極延出形成工程を行う積層セラミック電子部品の製造方法を提供している。
複数の小片セラミックグリーンシートを基材の上面上で互いに離間させた位置関係で形成する小片セラミックグリーンシート形成工程と、基材の上面上で小片セラミックグリーンシート間に可燃性材料からなるスラリーを充填し硬化させることにより、複数の貫通孔が形成され小片セラミックグリーンシートが複数の貫通孔内の全空間に充填された状態の可燃性材料からなる枠層を基材上に貫通孔の貫通方向が基材の上面に対して交差する方向となるように設けて、枠層の基材の上面に対向する基材対向面において開口する複数の貫通孔の一端側開口が基材の上面により閉塞された状態とする工程と、シート積層体を焼成することにより枠層を燃焼させるとともにセラミックグリーンシートと内部電極とが交互に積層されたシート積層体を硬化させる焼成工程とを有するため、枠層を燃焼させることにより枠層が焼失し、複数のチップ状の焼成品とすることができる。このようにシート積層体を切断せずに済むため、切断に伴うシート積層体の変形を生じさせずに済み、チップ状に形成された焼成品を変形の生じていない形状の整った形状精度の高いものとすることができる。また、シート積層体を切断する工程を省くことができ、製造工程を簡単にすることができる。
更に、焼成工程により複数のチップ状の焼成品とすることができるため、焼成品同士が互いに再付着してしまうことがなく、互いに付着する不具合を防止するための対策を採らずに済み、製造工程を更に簡単にすることができる。
また、内部電極形成工程では、枠層の反基材対向面と貫通孔の他端側開口とを跨ぐようにして内部電極を形成するため、反基材対向面に沿った方向において内部電極が貫通孔の他端側開口から突出した状態となり、焼成時に内部電極が焼成品の内部へ入り込んでしまうことを防止できる。このため、個々のチップの端面を研磨して内部電極をチップ外部へと露出させる工程等を行わずに、焼成品に対して設けられる外部電極と確実に電気的に接続することができる。また、焼成時に枠層が焼失する際に、反基材対向面に沿った方向において貫通孔の他端側開口から突出した内部電極の部分が変形し、当該突出した内部電極の部分が焼成品の外面に引っ掛かり、焼成時に内部電極が焼成品の内部へ入り込んでしまうことをより確実に防止することができる。
また、内部電極形成工程では、一の貫通孔と一の貫通孔に隣接する他の貫通孔との間の反基材対向面上の所定の位置に至るまで一の貫通孔から他の貫通孔へ向かって延出して内部電極を形成する電極延出形成工程を行うため、一の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極と、他の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極とが繋がった状態となることを防止できる。このため、分断装置等を用いて分断して個々のチップにする必要がなく、繋がっている内部電極が当該分断によってちぎれて欠落したり、内部電極の形状が不安定となり個々のチップ内部へ埋もれた状態となってしまったりすることを防止することができる。
ここで、該電極延出形成工程では、該積層工程により製造される該シート積層体中で該内部電極の延出端縁が該シート体の積層方向において互いに重ならないように該所定の位置を決定することが好ましい。
電極延出形成工程では、積層工程により製造されるシート積層体中で内部電極の延出端縁がシート体の積層方向において互いに重ならないように所定の位置を決定するため、焼成工程において枠層を燃焼させる際に、燃焼した枠層が焼失してゆく経路を広く確保することができ、枠層の燃焼を容易とすることができる。また焼成工程後に、一の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極と、他の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極とが互いに付着し合って繋がった状態となることを防止でき、内部電極同士が互いに付着する不具合を防止するための対策を採らずに済み、製造工程を更に簡単にすることができる。
また、該電極延出形成工程では、該所定の位置を該一の貫通孔と該他の貫通孔との間の中央位置よりも該一の貫通孔寄りの位置とすることが好ましい。
電極延出形成工程では、所定の位置を一の貫通孔と他の貫通孔との間の中央位置よりも一の貫通孔寄りの位置とするため、燃焼した枠層が焼失してゆく経路を確実により広く確保することができる。また焼成工程後に、一の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極と、他の貫通孔の他端側開口に形成された内部電極とが繋がった状態となることをより確実に防止することができる。
以上により、本発明は、シート積層体を切断せずに積層セラミック電子部品を製造することができ、個々のチップを研磨せずに確実に内部電極をチップの外部へ安定して露出させ、当該露出した部分の形状を安定させることができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法について説明する。まず、積層セラミック電子部品の製造方法によって製造された積層セラミック電子部品について図1及び図2に基づき説明する。積層セラミック電子部品1は、より具体的には積層セラミックコンデンサであり、セラミックグリーンシートが積層されて構成された小型のチップ型をなし、外形が略直方体形状をなしている。積層セラミック電子部品1は、その外郭は積層され焼成されたセラミックグリーンシート(以下「セラミック焼結体11」と呼ぶ)により構成されており、その内部に、当該セラミック焼結体11を介して底面1A及び上面1Bに平行に内部電極12〜15が計4枚設けられている。
4枚の内部電極12〜15のうちの図2の下から1枚目12と3枚目14とは、セラミック焼結体11の図2の左側の側壁1Cから突出して当該左側の側壁1Cに設けられた外部電極16に電気的に接続されている。4枚の内部電極12〜15のうちの図2の下から2枚目13と4枚目15とは、セラミック焼結体11の図2の右側の側壁1Dから突出して当該右側の側壁1Dに設けられた外部電極17に電気的に接続されている。積層セラミック電子部品1の寸法は、小さいものでは、例えば縦が0.4mm、横が0.2mm、高さが0.2mm程度、大きいものでは、例えば縦が5.7mm、横が5.0mm、高さが2.5mm程度である。
次に、積層セラミック電子部品の製造方法について図3及び図9に基づき説明する。積層セラミック電子部品の製造方法では、先ずシート体製造工程を行う。シート体製造工程では、先ず透光性を有するPETシート101を用意し、PETシート101の上面101Aに枠層102を設ける。PETシート101は基材に相当する。枠層102は、後述の焼成工程において焼失する可燃性の非透光性の感光性樹脂により構成されており、露光処理及び現像処理による一括処理で複数枚製造されたものが用いられている。
枠層102は、図3に示されるように、積層セラミック電子部品1の外形と略同一の略直方体形状を有する貫通孔102aが9つ形成されており、図3(b)に示されるように、貫通孔102aはPETシート101の上面101Aに垂直の方向に枠層102を貫通している。貫通孔102aの下端側開口たる一端側開口102bはPETシート101により閉塞されており、PETシート101の上面101Aに対向する枠層102の面は基材対向面102Aをなす。基材対向面102Aに対する反対側の面、即ち、図3(b)に示される枠層102の上面は、反基材対向面102Bをなす。基材対向面102Aと反基材対向面102Bとを結ぶ方向における枠層102の厚さは、0.5μm〜20μm程度である。
次に、セラミックスラリー供給工程を行う。セラミックスラリー供給工程では、図4に示されるように、枠層102の反基材対向面102B全体にわたってセラミックスラリー103´を塗布する。このことにより、貫通孔102aの上端側開口たる他端側開口102cから貫通孔102a内にセラミックスラリー103´が注入され、貫通孔102a内の全空間がセラミックスラリー103´で埋められる。また、枠層102の反基材対向面102B上にもセラミックスラリー103´が設けられる。塗布されるセラミックスラリー103´は光硬化性を有する材料により構成されている。
次に、セラミックスラリー103´を乾燥させてセラミックグリーンシート103とするセラミックグリーンシート形成工程を行う。次にPETシート101を通してセラミックグリーンシート103に対して露光する露光工程を行う。貫通孔102a内のセラミックグリーンシート103に対しては、透光性のPETシート101を通して露光が行われて光硬化するが、枠層102の反基材対向面102B上のセラミックグリーンシート103に対しては、枠層102は非透光性を有するため露光が行われない。このため、枠層102の反基材対向面102B上のセラミックグリーンシート103は光硬化しない。また、貫通孔102aの他端側開口102cから図4(b)の上方へ突出しているセラミックグリーンシート103の部分については、露光による光が届かず、光硬化しない。
次に除去工程を行う。除去工程では、枠層102にセラミックグリーンシート103が塗布されたPETシート101を現像液に浸漬させ、光硬化していないセラミックグリーンシート103を除去する。このことにより、図5(b)に示されるように、枠層102の反基材対向面102Bと半硬化した貫通孔102a内のセラミックグリーンシート103の図5(b)の上面103Aとが面一となり平坦化される。
次に内部電極形成工程を行う。内部電極形成工程ではスクリーン印刷によりセラミックグリーンシート103上に内部電極12を形成する。積層セラミック電子部品1の内部電極12〜15は同一であるため、ここでは内部電極12の形成についてのみ説明することとする。内部電極12は、貫通孔102aの他端側開口102cにおいて半硬化状態となっているセラミックグリーンシート103上と枠層102の反基材対向面102B上とに跨るようにして、換言すれば、図6(a)に示される右側の3つの貫通孔102aの他端側開口102c(図6(b))の左端縁、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102cの左端縁から、これらの貫通孔102aに隣接する真ん中の3つの貫通孔102a、左側の3つの貫通孔102aの右端縁へ向かって反基材対向面102Bに沿って反基材対向面102B上の所定の位置に至るまでそれぞれはみ出すようにして延出して設けられる。
所定の位置は、後述の該積層工程により製造されるシート積層体140中で該内部電極12〜15の延出端縁12A〜15A(図8)がシート体110の積層方向、即ち、図8(b)の上下方向において互いに重ならないように決定されており、具体的には、図6(a)の右側の3つの貫通孔102aから真ん中の3つの貫通孔102aへと延出している内部電極12の場合には、図6(a)の右側の3つの貫通孔102aと真ん中の3つの貫通孔102aとの間の中央位置よりも右側の3つの貫通孔102a寄りの位置とされている。図6(a)の真ん中の3つの貫通孔102aから左側の3つの貫通孔102aへと延出している内部電極12の場合には、図6(a)の真ん中の3つの貫通孔102aと左側の3つの貫通孔102aとの間の中央位置よりも右真ん中の3つの貫通孔102a寄りの位置とされている。
より具体的には、図6(a)の右側の3つの貫通孔102aと真ん中の3つの貫通孔102aとの間、図6(a)の真ん中の3つの貫通孔102aと左側の3つの貫通孔102aとの間の枠層102の反基材対向面102Bの幅はそれぞれ100μm程度であり、右側の3つの貫通孔102a、真ん中の3つの貫通孔102aから延出する内部電極12の延出端縁12Aは当該幅の中央位置よりもそれぞれ右側の3つの貫通孔102a寄りの位置、真ん中の3つの貫通孔102a寄りの位置に所定の位置が決定されている。図6(a)に示される貫通孔102aの縦は500μm程度であり、横は1mm程度である。
このようにして内部電極12が設けられるため、反基材対向面102Bに沿った方向において内部電極12が貫通孔102aの他端側開口102cから突出した状態となっており、焼成時に内部電極12が焼成品150(図9)の内部へ入り込んでしまうことを防止でき、後述のように焼成品150に対して設けられる外部電極16と確実に電気的に接続することができる。また、焼成時に枠層102が焼失する際に、反基材対向面102Bに沿った方向において貫通孔102aの他端側開口102cから突出した内部電極12の部分が変形し、当該突出した内部電極12の部分が焼成品150の側壁1C、1Dに引っ掛かり、焼成時に内部電極12が焼成品150の内部へ入り込んでしまうことをより確実に防止することができる。
また、図6(a)に示される右側の3つの貫通孔102a、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102cの左端縁から、これらの貫通孔102aに隣接する真ん中の3つの貫通孔102a、左側の3つの貫通孔102aの右端縁へ向かって反基材対向面102Bに沿って反基材対向面102B上の所定の位置に至るまではみ出すようにして延出して設けられているため、右側の3つの貫通孔102aの他端側開口102c、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12と、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102c、左側の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12とがそれぞれ繋がった状態となることを防止できる。このため、分断装置等を用いて分断して個々のチップにする必要がなく、繋がっている内部電極が当該分断によってちぎれて欠落したり、内部電極の形状が不安定となり個々のチップ内部へ埋もれた状態となってしまったりすることを防止することができる。
また、所定の位置は、後述の該積層工程により製造されるシート積層体140中で該内部電極12〜15の延出端縁12A〜15Aが該シート体110の積層方向において互いに重ならないように決定されているため、焼成工程において枠層102を燃焼させる際に、燃焼した枠層102が焼失してゆく経路を広く確保することができ、枠層102の燃焼を容易とすることができる。
また焼成工程後に、右側の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12と、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12とが互いに付着し合って繋がった状態となることを防止でき、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12と、左側の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12とが互いに付着し合って繋がった状態となることを防止でき、内部電極12同士が互いに付着する不具合を防止するための対策を採らずに済み、製造工程を更に簡単にすることができる。
更に、所定の位置は、図6(a)の右側の3つの貫通孔102aから真ん中の3つの貫通孔102aへと延出している内部電極12の場合には、図6(a)の右側の3つの貫通孔102aと真ん中の3つの貫通孔102aとの間の中央位置よりも右側の3つの貫通孔102a寄りの位置とされ、図6(a)の真ん中の3つの貫通孔102aから左側の3つの貫通孔102aへと延出している内部電極12の場合には、図6(a)の真ん中の3つの貫通孔102aと左側の3つの貫通孔102aとの間の中央位置よりも右真ん中の3つの貫通孔102a寄りの位置とされているため、燃焼した枠層102が焼失してゆく経路を確実により広く確保することができる。また焼成工程後に、右側の3つの貫通孔102aの他端側開口102c、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12と、真ん中の3つの貫通孔102aの他端側開口102c、左側の3つの貫通孔102aの他端側開口102cに形成された内部電極12とが繋がった状態となることをより確実に防止することができる。
以上がシート体製造工程である。以上のシート体製造工程複数回行うことで複数枚のシート体110を製造する。また、上述のシート体製造工程のうちの内部電極形成工程のみを有していない工程を複数回行うことにより、内部電極12を有していないシート体120(図7(b)等)を複数製造する。基材対向面102Aと反基材対向面102Bとを結ぶ方向におけるシート体110の厚さのうちの内部電極12を除いた部分、即ち、後述の焼成工程によりセラミック焼結体11となるセラミックグリーンシート103の部分の厚さは、0.5μm〜20μm程度である。
次に積層工程を行う。積層工程ではまず、前述の内部電極12〜15を有していないシート体120−1(図7(b))を図6(b)に相当する上下逆さまにし、所定の温度以上、例えば150℃以上で粘着性が低下する粘着シート131に、基材対向面102Aに垂直の方向において貫通孔102aの位置が互いに一致する位置関係となるようにして押圧することにより貼付ける。そして、PETシート101を剥がす。次に、内部電極12〜15を有していないシート体120−2(図7(b))を図6(b)に相当する上下逆さまにし、基材対向面102Aに垂直の方向において貫通孔102aの位置が互いに一致する位置関係となるようにしてシート体120−1に貼付け、PETシート101を剥がす。
次に、内部電極12を有するシート体110−1(図7(b))を図6(b)の上下逆さまにし、基材対向面102Aに垂直の方向において貫通孔102aの位置が互いに一致する位置関係となるようにして内部電極12〜15を有していないシート体120−2に貼付け、PETシート101を剥がす。次に、内部電極13を有するシート体110−2(図7(b))を図6(b)の上下逆さまにし且つ図6(a)の左右方向を逆転させ、基材対向面102Aに垂直の方向において貫通孔102aの位置が互いに一致する位置関係となるようにして内部電極12を有するシート体110−1に貼付け、PETシート101を剥がす。次に、内部電極14を有するシート体110−3(図7(b))を図6(b)の上下逆さまにし、基材対向面102Aに垂直の方向において貫通孔102aの位置が互いに一致する位置関係となるようにして内部電極13を有するシート体110−2に貼付け、PETシート101を剥がす。次に、内部電極15を有するシート体110−4(図7(b))を図6(b)の上下逆さまにし且つ図6(a)の左右方向を逆転させ、基材対向面102Aに垂直の方向において貫通孔102aの位置が互いに一致する位置関係となるようにして内部電極14を有するシート体110−3に貼付け、PETシート101を剥がす。
次に、内部電極12〜15を有していないシート体120−3(図7(b))を図6(b)の上下逆さまにし、基材対向面102Aに垂直の方向において貫通孔102aの位置が互いに一致する位置関係となるようにして内部電極15を有するシート体110−4に貼付け、図6(b)に示されるようにPETシート101を剥がす。以上の積層工程を経て、図7(b)に示されるように、内部電極12〜15が図の左右方向に互い違いにずれた位置関係のシート積層体140を製造する。
次に、シート積層体140を150℃以上に加熱し、図8に示されるように粘着シート131を剥離し、シート積層体140の積層方向に所定の圧力をかけてプレスする。次に、脱バインダ処理工程を行う。脱バインダ処理では、シート積層体140を略300℃に加熱してセラミックグリーンシート103中のバインダを徐々に除去する。
脱バインダ処理工程を行うため、上述のようにセラミックグリーンシート103中のバインダ(樹脂分)を徐々に除去することができ、セラミックグリーンシート103を均一に縮小させることができる。このため、焼成時にセラミックグリーンシート103中の樹脂分が急激に抜けて焼成品150にクラックが入ったりすることを防止することができる。また枠層102の一部は、脱バインダ処理工程において後述の焼成工程と同様に燃焼して焼失する。
次に焼成工程を行う。焼成工程では、シート積層体140を略1000℃で焼成することによりセラミックグリーンシート103を硬化させ焼成して、図9に示されるように焼成品150とする。焼成を行っているときに枠層102は燃焼して焼失する。このことで、1つのシート積層体140から9つの焼成品150が得られる。
次に外部電極形成工程を行う。外部電極形成工程では、焼成品150の図9に示される右側壁1D及び左側壁1Cに半田膜等からなる外部電極16、17(図1等)設け、焼成品150の右側壁1D、左側壁1Cから突出する内部電極12〜15に外部電極16、17を電気的に接続する。以上の工程を経て積層セラミック電子部品1が製造される。
貫通孔102aが形成され可燃性材料からなる枠層102をPETシート101上に貫通孔102aの貫通方向がPETシート101の上面101Aに対して交差する方向となるように設けて、枠層102のPETシート101の上面101Aに対向する基材対向面102Aにおいて開口する貫通孔102aの一端側開口102bをPETシート101の上面101Aにより閉塞する工程と、貫通孔102aの他端側開口102cから貫通孔102a内にセラミックスラリー103´を注入し貫通孔102a内の全空間をセラミックスラリー103´で埋めるセラミックスラリー供給工程と、セラミックスラリー103´を乾燥させてセラミックグリーンシート103とするセラミックグリーンシート形成工程と、シート積層体140を焼成することにより枠層102を燃焼させるとともにセラミックグリーンシート103を硬化させる焼成工程とを有するため、枠層102を燃焼させることにより枠層102が焼失し、複数のチップ状の焼成品150とすることができる。このようにシート積層体140を切断せずに済むため、切断に伴うシート積層体140の変形を生じさせずに済み、チップ状に形成された焼成品150を変形の生じていない形状の整った形状精度の高いものとすることができる。また、シート積層体140を切断する工程を省くことができ、製造工程を簡単にすることができる。
更に、焼成工程により複数のチップ状の焼成品150とすることができるため、焼成品150同士が互いに再付着してしまうことがなく、焼成品150同士が互いに付着する不具合を防止するための対策を採らずに済み、製造工程を更に簡単にすることができる。
また、セラミックグリーンシート103は感光性を有する材料からなるため、露光により枠層102の反基材対向側におけるセラミックグリーンシート103の平坦化を容易に行うことができる。また、露光する光の強さを調整することで、基材対向面102Aと反基材対向面102Bとを結ぶ方向においてセラミックグリーンシート103が光硬化している部分と光硬化していない部分との境界位置を容易に調整することができる。
また、枠層102を感光性樹脂により形成したため、露光を行うことにより枠層102を一括処理で容易に形成することができる。また、露光、現像処理を利用することにより複数枚の枠層102を形成するため、枠層102の貫通孔102aをそれぞれミクロンオーダーで寸法精度よく形成することができる。
また、従来のようにダイサー等の切断刃によってシート積層体140を切断する場合には、積層セラミック電子部品1が小さくなればなるほど不要な切断しろとして廃棄する部分が相対的に大きくなってしまうが、上述のように枠層102を用いる場合には、このようなことを防止することができる。
次に、第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法について図10乃至図12に基づき説明する。第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法は、PETシート101の上面101Aにセラミックグリーンシート103からなる小片セラミックグリーンシート103´´を設けた後に枠層102を設ける点において第1の実施の形態とは異なっており、これらの点以外については第1の実施の形態と同様である。従って、第1の実施の形態と同一の部材等については同一の符号を付して説明し、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
積層セラミック電子部品の製造方法では、先ずシート体製造工程の小片セラミックグリーンシート形成工程を行う。小片セラミックグリーンシート形成工程では、先ず透光性を有するPETシート101を用意し、PETシート101の上面101Aにセラミックスラリー103´を図10に示されるように、長方形状に塗布する。塗布されるセラミックスラリー103´は光硬化性を有する材料により構成されている。次に、セラミックスラリー103´を乾燥させてセラミックグリーンシート103とする。
次に、セラミックグリーンシート103に対して露光を行う。より具体的には、セラミックグリーンシート103の図10(b)の上面であって、後述の貫通孔102aが形成される位置以外の位置に図示せぬ非透光性を有するマスクをかけて、図10(b)の上方から当該マスクを通して露光する。図示せぬマスクがかけられていない部分に相当するセラミックグリーンシート103の部分に対しては、露光が行われて光硬化が進むが、図示せぬマスクがかけられた部分に相当するセラミックグリーンシート103の部分に対しては、図示せぬマスクは非透光性を有するため露光が行われない。このため、図示せぬマスクがかけられた部分に相当するセラミックグリーンシート103の部分は光硬化しない。
次に、セラミックグリーンシート103が設けられたPETシート101を現像液に浸漬させ、光硬化していないセラミックグリーンシート103の部分を除去する。このことにより、図11(a)に示されるように、長方形状の小片セラミックグリーンシート103´´が3行3列でPETシート101上に形成される。以上が小片セラミックグリーンシート形成工程である。
次に、PETシート101上面の101A上で、図12に示されるように、小片セラミックグリーンシート103´´間及び9つの小片セラミックグリーンシート103´´全体を覆うように光硬化性を有する可燃性材料からなるスラリーを充填、供給し、乾燥させることにより硬化させる。次に、PETシート101の下面101B側たる図12(b)の下方から露光を行う。小片セラミックグリーンシート103´´及び可燃性材料からなるスラリーが硬化されたもの(以下「可燃性スラリー硬化物102´」とする)は光透過性を有しており、可燃性スラリー硬化物102´の一部であって、図12(b)に示される小片セラミックグリーンシート103´´の上面位置に相当する位置の部分までは光硬化が進むが、図12(b)の下から上へ向かって、小片セラミックグリーンシート103´´及び可燃性スラリー硬化物の中において光は弱まるため、図12(b)に示される小片セラミックグリーンシート103´´の上面位置よりも図12(b)の上方の可燃性スラリー硬化物102´の部分は光硬化しないように露光が行われる。
次に、小片セラミックグリーンシート103´´及び可燃性スラリー硬化物102´が形成されたPETシート101を現像液に浸漬させ、光硬化していない可燃性スラリー硬化物102´の部分を除去する。このことにより、図5に示されるように、9つの貫通孔102aが形成され小片セラミックグリーンシート103´´(セラミックグリーンシート103)が9つの貫通孔102a内の全空間に充填された状態の可燃性材料からなる枠層102を、PETシート101上に貫通孔102aの貫通方向がPETシート101の上面101Aに対して垂直となるように設けて、基材対向面102Aにおいて開口する該複数の貫通孔102aの一端側開口102bがPETシート101の上面101Aにより閉塞された状態とする。次に内部電極形成工程を行うこと、及びそれ以降の工程を行うことについては、第1の実施の形態と同様である。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、枠層102は非透光性を有する材料により構成されたが、透光性を有する材料により枠層を構成してもよい。この場合には、露光する光の強さを調整し直すことで、枠層102の反基材対向面102B上のセラミックグリーンシート103が光硬化しないようにすればよい。
また、除去工程では、図5(b)に示されるように、枠層102の反基材対向面102Bと半硬化した貫通孔102a内のセラミックグリーンシート103の図5(b)の上面103Aとを面一としたが、面一としなくてもよい。例えば、枠層102の反基材対向面102B上にはセラミックグリーンシート103がなく、且つセラミックグリーンシート103が貫通孔102aの他端側開口102cから図5(b)の上方へ突出している状態であってもよく、貫通孔102aの他端側開口102cから突出している当該セラミックグリーンシート103の突出端面が平坦化されていればよい。
また、セラミックグリーンシートを、感光することにより現像液への溶解性を有する感光性材料により構成してもよい。この場合には、第1の実施の形態によるセラミックグリーンシート形成工程に代えて、セラミックスラリー全体を乾燥させてセラミックグリーンシートを形成するセラミックグリーンシート形成工程を行い、当該セラミックグリーンシート形成工程の後であって内部電極形成工程の前に、枠層102に関して基材たるPETシート101と反対の側からセラミックグリーンシートに対して露光して、貫通孔102aの他端側開口102cにおいて貫通孔102aから突出しているセラミックグリーンシートの部分と反基材対向面102B上に設けられたセラミックグリーンシートの部分とに現像液への溶解性を付与し、この溶解性が付与されたセラミックグリーンシートの部分を現像液等により除去すればよい。このようにすれば、基材たるPETシート101を、非透光性を有する材料で構成することができる。
このような構成により、露光する光の強さを調整することで、基材対向面102Aと反基材対向面102Bとを結ぶ方向においてセラミックグリーンシートに現像液への溶解性が付与されている部分と付与されていない部分との境界位置を容易に調整することができる。
このため、除去工程において反基材対向面102B側におけるセラミックグリーンシートの表面を容易に平坦化することができる。また、反基材対向面102Bと貫通孔102a内の他端側開口102c内のセラミックグリーンシートの表面とを容易に面一とすることができる。このような平坦化や面一とすることを、枠層102が透光性を有していない場合であっても容易に行うことができる。
また、枠層102は露光処理及び現像処理による一括処理で複数枚製造されて設けられたが、このような方法以外の方法で製造されてもよい。例えば、樹脂等をパターン印刷して枠層102を形成して設けてもよいし、樹脂シートに対してパンチング加工やレーザ加工を行って空洞部を形成して設けてもよい。従って、枠層102は感光性樹脂により構成されたが感光性樹脂に限定されない。
セラミックスラリー供給工程では、枠層102の反基材対向面102B全体にわたってセラミックスラリー103´を塗布することにより、貫通孔102aの他端側開口102cから貫通孔102a内にセラミックスラリー103´が注入され、貫通孔102a内の全空間がセラミックスラリー103´で埋められたが、この方法に限定されない。例えば、非感光性のセラミックスラリーを用いて枠層102の反基材対向面102B全体にわたって塗布した後に、枠層102の反基板対向面をブレード等によりならしてもよいし、また、貫通孔102a毎にセラミックスラリーを注入するようにしてもよい。
また、積層セラミック電子部品1は積層セラミックコンデンサであったが、コンデンサに限定されない。また、シート体110、120の枚数は本実施の形態の枚数に限定されない。
また、積層工程では粘着シート131に枠層102の反基材対向面102B側を貼付けたが、この粘着シート131に代えて他のシートを用いてもよいし、また、他の手段、例えば、通気性のよいシートを通して空気を吸引することにより枠層102の反基材対向面102Bを吸着し、積層工程が終了した時点で吸着を終了させるような手段を用いてもよい。また、シート積層体140を150℃以上に加熱し、粘着シート131を剥離したが、脱バインダ処理工程以降の工程において製品となる積層セラミック電子部品1の品質、特性に悪影響を与えないものであれば、剥離せずに焼成工程において枠層102と共に燃焼させてもよい。
また、第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法では、セラミックグリーンシート103の図10(b)の上面であって、貫通孔102aが形成される位置以外の位置に図示せぬ非透光性を有するマスクをかけて、図10(b)の上方から当該マスクを通して露光したが、これに限定されず、例えば、PETシート101の下面101Bであって貫通孔102aが形成される位置以外の位置に図示せぬ非透光性を有するマスクをかけて、図10(b)の下方から当該マスクを通して露光してもよい。
また、第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法では、PETシート101の下面101B側たる図12(b)の下方から可燃性スラリー硬化物102´に対して露光を行ったが、これに限定されず、例えば可燃性スラリー硬化物を、感光することにより現像液への溶解性を有する感光性材料により構成し、PETシート101の上面101A側たる図12(a)の上方から可燃性スラリー硬化物に対して露光を行ってもよい。
このようにすることで、可燃性スラリー硬化物の、図12(b)に示される小片セラミックグリーンシート103´´の上面位置に相当する位置までは現像液への溶解性を有するようにして、図12(b)に示される小片セラミックグリーンシート103´´の上面位置よりも図12(b)の下方の可燃性スラリー硬化物の部分は現像液への溶解性を有していないようにすることができる。そして、小片セラミックグリーンシート103´´及び可燃性スラリー硬化物が形成されたPETシート101を現像液に浸漬させることにより、現像液への溶解性を有する可燃性スラリー硬化物の部分を除去して、枠層102を形成することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、外形形状の寸法精度が要求される積層セラミック電子部品の分野において有用である。
本発明の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法により製造された積層セラミック電子部品を示す平面図。 本発明の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法により製造された積層セラミック電子部品を示す側方断面図。 本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法においてPETシート上に枠層を設けた様子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法のセラミックスラリー供給工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法のセラミックグリーンシート形成工程及び除去工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法の内部電極形成工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法の積層工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法においてシート積層体を加熱し、粘着シートを剥離し、プレスする工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法の脱バインダ処理工程及び焼成工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法の小片セラミックグリーンシート形成工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法の小片セラミックグリーンシート形成工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。 本発明の第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法において可燃性スラリー硬化物を形成した様子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側方断面図。
符号の説明
1 積層セラミック電子部品
12〜15 内部電極
101 PETシート
102 枠層
103 セラミックグリーンシート
103´ セラミックスラリー
102a 貫通孔
102b 一端側開口
102c 他端側開口
102A 基材対向面
102B 反基材対向面
110 シート体
140 シート積層体

Claims (4)

  1. 可燃性材料からなり複数の貫通孔が形成された枠層を基材上に該貫通孔の貫通方向が該基材の上面に対して交差する方向となるように設けて、該枠層の該基材の上面に対向する基材対向面において開口する該貫通孔の一端側開口を該基材の上面により閉塞する工程と、該複数の貫通孔の他端側開口から該複数の貫通孔内にセラミックスラリーを注入し該複数の貫通孔内の全空間をセラミックスラリーで埋めるセラミックスラリー供給工程と、該複数の貫通孔内の該セラミックスラリーを乾燥させて半硬化状態としたセラミックグリーンシートを形成するセラミックグリーンシート形成工程と、該複数の貫通孔の他端側開口において該セラミックグリーンシート上に内部電極を形成する内部電極形成工程とを有し、該枠層と該セラミックグリーンシートと該内部電極とを有するシート体を製造するシート体製造工程と、
    該シート体製造工程を複数回行うことにより製造された複数の該シート体を、該枠層の該基材対向面に略垂直の方向へ各該シート体の該貫通孔が互いに一致する位置関係となるように且つ該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されるように該シート体を積層すると共に、該シート体から該基材を除去してシート積層体を製造する積層工程と、
    該シート積層体を焼成することにより該枠層を燃焼させるとともに該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されたシート積層体を硬化させる焼成工程とを有し、
    該内部電極形成工程では、該貫通孔の他端側開口と該枠層の反該基材対向面とを跨ぐようにして、且つ一の該貫通孔と該一の貫通孔に隣接する他の該貫通孔との間の該反基材対向面上の所定の位置に至るまで該一の貫通孔から該他の貫通孔へ向かって延出して該内部電極を形成する電極延出形成工程を行うことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 複数の小片セラミックグリーンシートを基材の上面上で互いに離間させた位置関係で形成する小片セラミックグリーンシート形成工程と、該基材の上面上で該小片セラミックグリーンシート間に可燃性材料からなるスラリーを充填し硬化させることにより、複数の貫通孔が形成され該小片セラミックグリーンシートが該複数の貫通孔内の全空間に充填された状態の可燃性材料からなる枠層を該基材上に該貫通孔の貫通方向が該基材の上面に対して交差する方向となるように設けて、該枠層の該基材の上面に対向する基材対向面において開口する該複数の貫通孔の一端側開口が該基材の上面により閉塞された状態とする工程と、該複数の貫通孔の他端側開口において該セラミックグリーンシート上に内部電極を形成する内部電極形成工程とを有し、該枠層と該セラミックグリーンシートと該内部電極とを有するシート体を製造するシート体製造工程と、
    該シート体製造工程を複数回行うことにより製造された複数の該シート体を、該枠層の該基材対向面に略垂直の方向へ各該シート体の該貫通孔が互いに一致する位置関係となるように且つ該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されるように該シート体を積層すると共に、該シート体から該基材を除去してシート積層体を製造する積層工程と、
    該シート積層体を焼成することにより該枠層を燃焼させるとともに該セラミックグリーンシートと該内部電極とが交互に積層されたシート積層体を硬化させる焼成工程とを有し、
    該内部電極形成工程では、該貫通孔の他端側開口と該枠層の反該基材対向面とを跨ぐようにして、且つ一の該貫通孔と該一の貫通孔に隣接する他の該貫通孔との間の該反基材対向面上の所定の位置に至るまで該一の貫通孔から該他の貫通孔へ向かって延出して該内部電極を形成する電極延出形成工程を行うことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 該電極延出形成工程では、該積層工程により製造される該シート積層体中で該内部電極の延出端縁が該シート体の積層方向において互いに重ならないように該所定の位置を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 該電極延出形成工程では、該所定の位置を該一の貫通孔と該他の貫通孔との間の中央位置よりも該一の貫通孔寄りの位置とすることを特徴とする請求項3記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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