JP7141605B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物、タイヤトレッド、及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物、タイヤトレッド、及びタイヤに関する。
近年、省エネルギー、省資源の社会的要請の下、自動車の燃料消費量を節約するため、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。このような要求に対し、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法としては、カーボンブラックの使用量を低減させたり、低級カーボンブラックを使用する等により、ヒステリシスロスを低下させたゴム組成物、すなわち発熱性の低いゴム組成物を、タイヤ部材、特にタイヤトレッドゴムに用いる方法が知られている。
例えば、耐カット性、補強性、および低発熱性を向上させるために、ゴム成分にカーボンブラックおよびシリカを配合したゴム組成物であり、ゴム成分が天然ゴムを30~90重量%およびスズ原子および窒素原子のうち少なくとも一種を含んでなる官能基を末端に有する変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを10~70重量%含んでなり、前記カーボンブラックおよびシリカの配合量が前記ゴム成分100重量部に対して40~65重量部であり、かつシリカの配合量は前記ゴム成分100重量部に対して5~30重量部であるゴム組成物が開示されている(特許文献1参照)。
特開2002-146101号公報
しかしながら、補強性の低いカーボンブラックを使用したり、カーボンブラックの配合量を少なくすることによって、低転がり抵抗を低減することが可能となることがある。しかしながら、これらの手法ではタイヤトレッドの強度が低下する等、明らかに耐摩耗性が低下してしまった。
一方、補強性の高い微粒径のカーボンブラックを使用すると、タイヤトレッドの耐摩耗性の向上することができるが、微粒径にすることによって、ゴム成分中へのカーボンブラックの分散が悪くなり、加硫したゴム組成物の発熱が高くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑み、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れたタイヤトレッドが得られるタイヤトレッド用ゴム組成物、並びに、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れたタイヤトレッド及びタイヤを提供することを課題とする。
<1> 天然ゴム(A1)及びシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)を含むゴム成分(A)と、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド比表面積が100~150m/gのカーボンブラック(B)と、
ゴム成分(A)100質量部に対して10質量部未満のセチルトリメチルアンモニウムブロミド比表面積が200m/g以上のシリカ(C)と、
を含み、
カーボンブラック(B)とシリカ(C)との合計量中のシリカ(C)の比率が0.1~10質量%であり、
天然ゴム(A1)とポリブタジエンゴム(A2)とが、質量比で、天然ゴム(A1):ポリブタジエンゴム(A2)=30:70~70:30であるタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<2> ポリブタジエンゴム(A2)の分子量分布が2.7以下である<1>に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<3> シリカ(C)の含有量が、ゴム成分(A)100質量部に対して5質量部以下である<1>又は<2>に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<4> 更に、アリール基を有し、該アリール基上に1つの極性基を有するヒドラジド化合物(D1)、下記式(I)で表される化合物(D2-1)及び下記式(II)で表される化合物(D2-2)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物(D)を含む<1>~<3>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
Figure 0007141605000001
式(I)中、Aは、少なくとも2つの極性基を有するアリール基であり、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。
式(II)中、Aは、少なくとも2つの極性基を有する炭素数6~15のアリール基であり、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R13は、炭素数1~30の2価の飽和若しくは不飽和脂肪族基、炭素数5~10のシクロアルキレン基又は炭素数5~10のアリーレン基である。
<5> <1>~<4>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いたタイヤトレッドである。
<6> <5>に記載のタイヤトレッドを用いたタイヤである。
本発明によれば、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れたタイヤトレッドが得られるタイヤトレッド用ゴム組成物、並びに、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れたタイヤトレッド及びタイヤを提供することができる。
<ゴム組成物>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分(A)と、カーボンブラック(B)と、シリカ(C)を含む。
ゴム成分(A)は、天然ゴム(A1)及びシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)を含み、天然ゴム(A1)とポリブタジエンゴム(A2)とが、質量比で、天然ゴム(A1):ポリブタジエンゴム(A2)=30:70~70:30である。
カーボンブラック(B)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド比表面積が100~150m/gである。
シリカ(C)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド比表面積が200m/g以上であり、タイヤトレッド用ゴム組成物中の含有量が、ゴム成分(A)100質量部に対して10質量部未満であり、カーボンブラック(B)とシリカ(C)との合計量中のシリカ(C)の比率が0.1~10質量%である。
なお、以下、セチルトリメチルアンモニウムブロミド比表面積を、「CTAB比表面積」又は、単に「CTAB」と称することがある。
また、「タイヤトレッド用ゴム組成物」を単に「ゴム組成物」と称することがある。
加硫ゴムの発熱は、一般に、加硫ゴムに含まれるカーボンブラック、シリカ等の充填剤が、ゴム中で擦れ合うことにより生じ、従って、既述のように、シリカが凝集し易い環境では、低発熱性が悪化する傾向にある。
本発明では、ゴム成分(A)中に、CTABの異なるカーボンブラック(B)及びシリカ(C)が上記の量比で含まれることで、加硫ゴムの低発熱性を向上することができると考えられる。更に、ゴム成分(A)が、天然ゴム(A1)及びシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)を含むことで、ゴム成分(A)の強度を高めることができる。そのために、ゴム組成物中のシリカ(C)の含有量が、ゴム成分100質量部に対し10質量部未満となる少量であっても、ゴム組成物の耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性を上げることができ、また、シリカ(C)が少量であるゆえに、発熱性が更に抑制されると考えられる。
よって、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物から得られるタイヤトレッド及びタイヤは、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れると考えられる。
以下、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物、タイヤトレッド及びタイヤの詳細について説明する。
〔ゴム成分(A)〕
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)を含有する
ゴム成分(A)は、天然ゴム(A1)及びシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)を含む。
ゴム成分(A)が天然ゴム(A1)又はシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)のいずれか一方を含まないと、ゴム組成物の強度が得られず、タイヤトレッドとしての強度を得ることができない。
さらに、天然ゴム(A1)とポリブタジエンゴム(A2)とは、質量比で、天然ゴム(A1):ポリブタジエンゴム(A2)=30:70~70:30である。換言すると、天然ゴム(A1)とポリブタジエンゴム(A2)との合計量(a)中のポリブタジエンゴム(A2)の比率〔ポリブタジエンゴム(A2)比率と称することがある〕が30~70質量%である。
ポリブタジエンゴム(A2)比率が30質量%未満では、充填剤が50質量部を超えるような高充填配合ゴムにおいて、転がり抵抗と耐摩耗性を両立することができず、70質量%を超えると耐テアー性と耐摩耗性を両立することができない。
かかる観点から、ポリブタジエンゴム(A2)比率は、35~65質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましい。すなわち、天然ゴム(A1):ポリブタジエンゴム(A2)は、質量比で、35:65~65:35であることが好ましく、40:60~60:40であることがより好ましい。
ポリブタジエンゴム(A2)のシス1,4-結合量が90%未満であると、ゴム組成物の強度が不十分となり、タイヤトレッド及びタイヤの耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性を向上させることができない。タイヤトレッド及びタイヤの耐久性を向上させる観点から、ポリブタジエンゴム(A2)のシス1,4-結合量は、95%以上が好ましく、96%以上がより好ましい。
また、ポリブタジエンゴム(A2)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が2.7以下であることが好ましい。分子量分布が2.7以下となるほどに、ポリブタジエンゴム中にシス1,4-結合量が90%のポリブタジエンゴム(A2)が多く存在することで、伸張結晶性が高くなり、ゴム組成物の強度が高まるため、タイヤトレッド及びタイヤの耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性をより向上させることができる。ポリブタジエンゴム(A2)の分子量分布は2.3以下であることがより好ましく、2.0以下であることが更に好ましい。
平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質として求めることができる。
ポリブタジエンゴム(A2)の製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができるが、シス1,4-結合量をより高くし、また、分子量分布を2.7以下にし易くする観点から、ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体からなる触媒の存在下で1,3-ブタジエンを重合させてポリブタジエンゴム(A2)を得ることが好ましい。
ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体としては、下記一般式(1)で表される3価のガドリニウム化合物が挙げられる。
GdX ・・・ (1)
式中、Gdはガドリニウムを表し;Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基又は置換フルオレニル基である。Xはアニオンである。nは1又は2の整数である。mは1又は2の整数である。
式(1)において、nが2の場合、2つのRは同一でも異なってもよく、また、mが2の場合、2つのXは同一でも異なってもよい。
より詳細には、特開2005-036063号公報を参考に製造することができる。
また、ポリブタジエンゴム(A2)は、市販の製品を用いてもよい。
ゴム成分(A)は、本発明の効果を損なわない限度において、天然ゴム(A1)及びシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)以外のゴム〔他のゴム(A3)と称する〕を含んでいてもよい。
他のゴム(A3)としては、シス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)以外の合成共役ジエン系ゴムが挙げられ、具体的には、シス1,4-結合量が90%に満たないポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム(BIR)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム(SIR)、スチレン-ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム(SBIR)等が挙げられる。
上記合成共役ジエン系ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。ゴム成分(A)中の他のゴム(A3)の含有量は、5質量%未満であることが好ましく、3質量%未満であることがより好ましく、0質量%であることが更に好ましい。すなわち、ゴム成分(A)は、天然ゴム(A1)及びシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)からなることが好ましい。
〔カーボンブラック(B)〕
本発明のゴム組成物は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)比表面積が100~150m/gのカーボンブラック(B)を含む。
カーボンブラックのCTAB比表面積が100m/g未満であるとタイヤトレッド及びタイヤの耐久性に優れず、150m/gを超えるとタイヤトレッド及びタイヤの転がり抵抗を低減することができない。タイヤトレッド及びタイヤの耐久性をより向上する観点からカーボンブラックのCTAB比表面積は110m/g以上であることが好ましい。また、タイヤトレッド及びタイヤの転がり抵抗をより低減する観点からカーボンブラックのCTABは140m/g以下であることが好ましい。
カーボンブラックのCTAB比表面積は、JIS K 6217-3:2001(比表面積の求め方-CTAB 吸着法)に準拠した方法で測定することができる。
カーボンブラックの種類は、CTAB比表面積が上記範囲となるものであれば特に制限されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は70m/g以上が好ましい。カーボンブラックのNSAが70m/g以上であることで、タイヤトレッド及びタイヤの耐久性をより向上することができる。また、カーボンブラックのNSAは150m/g以下が好ましい。150m/g以下であることでゴム組成物中のカーボンブラックの分散性に優れる。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217-2:2001(比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法)のA法によって求められる。
ジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)は70ml/100g以上が好ましい。カーボンブラックのDBP吸油量が70ml/100g以上であることで、タイヤトレッド及びタイヤの耐久性をより向上することができる。また、ゴム組成物の加工性の観点から、カーボンブラックのDBP吸油量は140ml/100g以下が好ましい。
なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K 6217-4:2001(オイル吸収量の求め方)によって求められる。
カーボンブラック(B)のゴム組成物中の含有量は、シリカ(C)のゴム組成物中の含有量が、ゴム成分(A)100質量部に対して10質量部未満、かつ、カーボンブラック(B)とシリカ(C)との合計量中のシリカ(C)の比率が0.1~10質量%となる範囲であれば、特に制限されない。
具体的には、カーボンブラック(B)のゴム組成物中の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、10~130質量部であることが好ましく、20~100質量部であることがより好ましく、30~80質量部であることが更に好ましい。
〔シリカ(C)〕
本発明のゴム組成物は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)比表面積が200m/g以上のシリカ(C)を含む。
シリカ(C)のCTAB比表面積が200m/g未満であると、タイヤトレッド及びタイヤの転がり抵抗を低減することができない。シリカ(C)のCTAB比表面積の上限は特に制限されないが、現時点において、300m/gを超える製品は入手することができない。
シリカ(C)のCTAB比表面積は、タイヤトレッド及びタイヤの転がり抵抗をより低減する観点から、210m/g以上であることが好ましい。
シリカ(C)のCTAB比表面積は、ASTM-D3765-80の方法に準拠した方法で測定することができる。
シリカ(C)としては、CTAB比表面積が200m/g以上となるものであれば特に制限はなく、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等が挙げられる。
CTAB比表面積が200m/g以上となるシリカは、市販品でもよく、例えば、ローディア社のZeosil 200MP(商品名)、Evonik社製、9500GR(商品名)として、入手することができる。
ゴム組成物中のシリカ(C)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して10質量部未満である。
ゴム組成物中のシリカ(C)の含有量が、ゴム成分(A)100質量部に対して10質量部以上であると、ゴム組成物の加硫ゴムの発熱性を抑制することができず、タイヤトレッド及びタイヤの転がり抵抗を低減することができない。タイヤトレッド及びタイヤの転がり抵抗をより低減する観点から、ゴム組成物中のシリカ(C)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して8質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましく、5質量部以下が好ましい。
タイヤトレッド及びタイヤの耐久性を向上する観点からは、ゴム組成物中のシリカ(C)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることが更に好ましい。
更に、ゴム組成物中のシリカ(C)の含有量は、カーボンブラック(B)とシリカ(C)との合計量中のシリカ(C)の比率(シリカ比率と称することがある)が0.1~10質量%である。既述のように、本発明では、ゴム成分(A)中に、サイズの異なるカーボンブラック(B)及びシリカ(C)が上記の量比で含まれることで、加硫ゴムの低発熱性を向上することができると考えられる。
シリカ比率が0.1質量%未満であると、ゴム組成物の補強が不十分となり、タイヤトレッド及びタイヤの耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性を向上することができない。シリカ比率が10質量%を超えると、加硫ゴムの発熱性を抑えることができず、タイヤトレッド及びタイヤの転がり抵抗を低減することができない。
シリカ比率は、タイヤトレッド及びタイヤの耐久性をより向上させつつ、転がり抵抗をより低減する観点から、0.5~9.5質量%であることが好ましく、1.0~9.5質量%であることがより好ましく、1.5~9.5質量%であることが更に好ましい。
なお、本発明のゴム組成物は、充填剤として、カーボンブラック(B)及びシリカ(C)以外の充填剤を含んでいてもよく、かかる充填剤としては、例えば、アルミナ、チタニア等の金属酸化物が挙げられる。
[シランカップリング剤]
本発明のゴム組成物は、シリカ(C)の分散性を向上させるために、更に、シランカップリング剤を用いてもよい。
本発明のゴム組成物中のシランカップリング剤の含有量は、シリカ(C)の含有量に対して5~15質量%以下であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量がシリカ(C)の含有量に対して15質量%以下であることで、ゴム成分(A)の補強性及びシリカ(C)の分散性を改良する効果が得られ、経済性も損ないにくい。また、シランカップリング剤の含有量が、シリカ(C)の含有量に対して5質量%以上であることで、ゴム組成物中のシリカ(C)の分散性を高めることができる。
なお、シランカップリング剤としては、特に制限されず、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールトリスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が好適に挙げられる。
〔化合物(D)〕
本発明のゴム組成物は、更に、アリール基を有し、該アリール基上に1つの極性基を有するヒドラジド化合物(D1)、式(I)で表される化合物(D2-1)及び式(II)で表される化合物(D2-2)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物(D)を含むことが好ましい。
本発明のゴム組成物が化合物(D)を含むことで、高い効率でゴム成分(A)とカーボンブラック(B)とのカップリング効果が得られ、ゴム組成物におけるカーボンブラック(B)の分散性を高めることができる。カーボンブラック(B)の分散性が高められたゴム組成物から得られたタイヤトレッド及びタイヤは、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れる。
ヒドラジド化合物(D1)は、アリール基を有し、該アリール基上に1つの極性基を有する。ヒドラジド化合物(D1)は、ゴム組成物におけるカーボンブラック(B)の分散性をより高める観点から、A-CO-NH-NRR’で表されるカルボン酸ヒドラジド化合物であることが好ましい。
ここで、Aは1つの極性基を有するアリール基を表し、R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基(-CO-R;Rはアルキル基又はアリール基)、アミド基(-CONH)、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基である。さらに、該置換基は、酸素、硫黄、および窒素原子のうち一種以上を含んでいてもよい。この場合、これらの原子を含む基に、又はこれらの原子もしくはこれらの原子を含む置換基により置換された基が含まれる。
ヒドラジド化合物(D1)において、A及びアシル基が有するアリール基、並びにR及びR’で表されるアリール基は、炭素数が6~20であることが好ましく、6~14であることがより好ましく、6~10であることが更に好ましい。アリール基は、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられる。中でも、充填剤との親和性をより向上し、得られる加硫ゴムの低発熱性に優れ、芳香環の数を減らすことができ、コスト的にも有利であり、実用性の点でも優れることから、アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
ヒドラジド化合物(D1)において、R及びR’で表されるアルキル基並びにアシル基が有するアルキル基は、炭素数が1~6であることが好ましく、直鎖状であっても分岐状であってもよい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
アリール基が有する極性基の種類は特に限定されず、例えば、アミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、アミド基(-CONH)、ヒドラゾ基(-NH-NH-R;Rはアルキル基又はアリール基)、アゾ基(-N=N-R;Rはアルキル基又はアリール基)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アシル基(-CO-R;Rはアルキル基又はアリール基)、エポキシ基、オキシカルボニル基(-CO-O-R;Rはアルキル基又はアリール基)、アルコキシシリル基、アルキルアミノ基、ニトロ基等が挙げられる。
ヒドラゾ基、アゾ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、アルコキシシリル基、及びアルキルアミノ基が有するアルキル基は、炭素数1~6の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
ヒドラゾ基、アゾ基、カルボニル基、及びオキシカルボニル基が有するアリール基は、炭素数が6~10であることが好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
以上の中でも、充填剤との親和性をより向上し、加硫ゴムの低発熱性をより向上することができることから、極性基は、ヒドロキシ基、アミノ基又はニトロ基であることが好ましく、ヒドロキシ基であることがより好ましい。
化合物(D1)は、具体的には、例えば、下記式(a)で表される化合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0007141605000002
化合物(D2-1)は、カルボン酸ヒドラジド化合物であり、下記式(I)で表される。
Figure 0007141605000003
式(I)中、Aは、少なくとも2つの極性基を有するアリール基であり、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基(-CONH)、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。
化合物(D2-1)は、Aで表されるアリール基が、カーボンブラック(B)等の充填剤と高い親和性を有し、且つ、ヒドラジド骨格を有する部分がゴム成分(A)と高い親和性を有するため、ゴム組成物中に配合されることで、ゴム成分(A)とカーボンブラック(B)等の充填剤との化学的相互作用を大きく向上させることができる。それによって、充填剤同士の擦れ合いに起因したヒステリシスを低減できる結果、従来に比べて極めて優れた低発熱性を得ることができ、転がり抵抗を低減することができる。加えて、カーボンブラック(B)等の充填剤の分散性向上によって、よりすぐれた補強性についても実現することができる。
また、ゴム成分(A)とカーボンブラック(B)等の充填剤との化学的相互作用が大きく向上する結果、加硫ゴムの低発熱性を維持しつつ、スコーチ性が高まるため(スコーチ時間が長くなるため)、加工性についても向上することができる。
以下、式(I)について説明する。
式(I)のAは、アリール基である。該アリール基は、任意の位置に少なくとも2つの極性基を有し、該極性基は同じであっても、異なっていてもよく、極性基の位置は、アリール基の芳香環中のどこであってもよい。アリール基が2つ以上の極性基を有することで、カーボンブラック等の充填剤と高い親和性を得ることができる。
アリール基は、炭素数が6~20であることが好ましく、6~14であることがより好ましく、6~10であることが更に好ましい。アリール基は、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられる。中でも、充填剤との親和性をより向上し、得られる加硫ゴムの低発熱性に優れ、芳香環の数を減らすことができ、コスト的にも有利であり、実用性の点でも優れることから、アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
で表されるアリール基が有する極性基は、化合物(D1)が有するアリール基が有する極性基と同じものが挙げられる。
中でも、充填剤との親和性をより向上し、加硫ゴムの低発熱性をより向上することができることから、極性基は、少なくとも1つがヒドロキシ基、アミノ基又はニトロ基であることが好ましく、ヒドロキシ基であることがより好ましく、少なくとも2つがヒドロキシ基であることが特に好ましい。アリール基が有する極性基は2つであることが好ましい。
式(I)のR11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基(-CO-R;Rはアルキル基又はアリール基)、アミド基(-CONH)、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。
11及びR12で表されるアルキル基及びアシル基が有するアルキル基は、炭素数が1~6であることが好ましく、直鎖状であっても分岐状であってもよい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
シクロアルキル基は、炭素数が5~10であることが好ましく、具体的には、例えば、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロデカニル等が挙げられる。
11及びR12で表されるアリール基及びアシル基が有するアリール基は、炭素数が6~10であることが好ましく、具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
以上の中でも、ゴム成分(A)との親和性が高く、加工性により優れ、加硫ゴムの低発熱性に優れる点から、R11及びR12は、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R11及びR12がいずれも水素原子であることがより好ましい。
ここで、上述した式(I)で表される化合物(D2-1)の例としては、例えば、下記式(I-1)~(I-6)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007141605000004
式(I)で表される化合物(D2-1)の分子量については、200以下であることが好ましく、180以下であることがより好ましい。ジエン系ゴムの各分子との親和性が高くなり、より優れた低発熱性を得ることができ、耐摩耗性についても高めることができるからである。
また、式(I)で表される化合物(D2-1)の融点については、80℃以上、250℃未満であることが好ましく、80~200℃であることがより好ましい。化合物(D2-1)の融点を低くすることで、ジエン系の各分子との親和性が高くなり、より優れた低発熱性を得ることができ、耐摩耗性についても高めることができるからである。
次に、化合物(D2-2)について説明する。化合物(D2-2)は、下記式(II)で表される。
Figure 0007141605000005
式(II)中、Aは、少なくとも2つの極性基を有する炭素数6~15のアリール基であり、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R13は、炭素数1~30の2価の飽和若しくは不飽和脂肪族基、炭素数5~10のシクロアルキレン基又は炭素数5~10のアリーレン基である。
以下、式(II)について説明する。
式(II)で表される化合物(D2-2)は、Aで表される少なくとも2つの極性基を有する炭素数6~15のアリール基がカーボンブラック(B)等の充填剤と高い親和性を有し、且つ、ヒドラゾン骨格を有する部分がゴム成分と高い親和性を有するため、ゴム組成物中に配合されることで、ゴム成分(A)とカーボンブラック(B)等の充填剤との化学的相互作用を大きく向上させることができる。それによって、充填剤同士の擦れ合いに起因したヒステリシスを低減できる結果、従来に比べて極めて優れた低発熱性を得ることができる。加えて、充填剤の分散性向上によって、よりすぐれた補強性についても実現できる。
また、ゴム成分(A)と充填剤との化学的相互作用が大きく向上する結果、加硫ゴムの低発熱性を維持しつつ、スコーチ性が高まるため(スコーチ時間が長くなるため)、加工性についても向上することができる。
ここで、式(II)で表される化合物(D2-2)中のAで表されるアリール基が有する極性基の数は、2つ以上である。芳香環中に2つ以上の極性基を有することで、カーボンブラック(B)等の充填剤と高い親和性を得ることができるためであり、2つ未満の場合には、充填剤との親和性が十分に得られず、加硫ゴムの低発熱性を低下させるおそれがある。アリール基が有する極性基は2つであることが好ましい。
で表されるアリール基が有する極性基は、式(I)のAで表されるアリール基が有する極性基と同じものが挙げられる。
中でも、充填剤との親和性をより向上し、加硫ゴムの低発熱性をより向上することができることから、極性基は、ヒドロキシ基又はアミノ基を含むことが好ましく、ヒドロキシ基を含むことがより好ましい。
で表されるアリール基は、炭素数6~15のアリール基である。アリール基は、フェニル基のように芳香環1つからなる単環であってもよいし、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のように、2つ又は3つ以上の芳香環が縮合した縮合環であってもよい。炭素数は6~10であることが好ましく、フェニル基及びナフチル基が好ましい。
13で表される炭素数1~30の2価の飽和若しくは不飽和脂肪族基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。R13が炭素数1~30の2価の飽和若しくは不飽和脂肪族基で表されるとき、化合物(D2-2)は、下記式(III)で表されることが好ましい。
Figure 0007141605000006
式(III)中、Aは、式(II)のAと同義であり、好ましい態様も同様である。R14及びR15は、各々独立に、水素原子、又は飽和若しくは不飽和脂肪族基を表し、R14の炭素数とR15の炭素数との合計が0~29である。
14及びR15で表される飽和若しくは不飽和脂肪族基は、各々独立に、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。また、当該脂肪族基は、各々独立に炭素数が1~12(ただし、炭素数の合計数は29以下である)であることが好ましく、炭素数が1~8であることがより好ましく、炭素数が1~5であることが更に好ましい。
13で表される炭素数5~10のシクロアルキレン基は、具体的には、シクロヘプチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロオクチレン基、シクロデカニレン基等が挙げられる。
13で表される炭素数5~10のアリーレン基は、例えば、シクロペンタジエニル基等が挙げられる。
以上の中でも、R13は炭素数1~30の2価の飽和若しくは不飽和脂肪族基であることが好ましい。
式(II)で表される化合物(D2-2)の例としては、例えば、下記式(II-1)~(II-9)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007141605000007
また、式(II)で表される化合物(D2-2)の分子量については、200以下であることが好ましく、180以下であることがより好ましい。ジエン系ゴムの各分子との親和性が高くなり、より優れた低発熱性を得ることができ、耐摩耗性についても高めることができるからである。
ここで、化合物(D)の含有量については、特に限定はされないが、タイヤトレッド及びタイヤの耐久性をより向上し、転がり抵抗をより低減する観点から、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、0.05~30質量部であることが好ましく、0.05~20質量部であることがより好ましく、0.05~10質量部であることがさらに好ましく、0.05~5質量部であることが特に好ましい。ゴム組成物中の化合物(D)の含有量が前記ゴム成分(A)100質量部に対して0.05質量部以上の場合、十分なカーボンブラック(B)の分散効果が得られるため、さらに優れた耐久性及び転がり抵抗の低減を実現できる。一方、ゴム組成物中の化合物(D)の含有量が前記ゴム成分(A)100質量部に対して30質量部以下の場合、強度等の他の物性が低下しにくい。
(各種成分)
本発明のゴム組成物には、既述のゴム成分(A)、カーボンブラック(B)、シリカ(C)、及び必要に応じて含まれる化合物(D)以外に、例えば、加硫剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される各種成分を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら各種成分としては、市販品を好適に使用することができる。また、上記ゴム組成物は、ゴム成分(A)と、カーボンブラック(B)と、シリカ(C)と、適宜選択した各種成分とを配合して、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、インテンシブミキサーなどの密閉型混練り装置、ロールなどの非密閉型混練り装置等を用いて混練り後、熱入れ、押出等することにより調製することができる。
<タイヤトレッド、タイヤ>
本発明の本発明のタイヤトレッド及びタイヤは、タイヤトレッド用ゴム組成物を加硫した加硫ゴムであり、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れる。
本発明のゴム組成物を成形加工した後、加硫を行うことで、タイヤトレッドを製造することができる。本発明のタイヤトレッドは、特にトレッド接地部として好適に用いられる。
また、本発明のゴム組成物をトレッドに用いて通常のタイヤの製造方法によってタイヤが製造される。すなわち、前記のように各種成分を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でタイヤトレッドに加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製>
表1及び2に示す成分及び配合処方にて、ゴム組成物を常法に従って調製した。
〔表1中の各成分の詳細〕
表1中のゴム成分、カーボンブラック、シリカ、及び化合物(D)を除く各成分の詳細は次のとおりである。
シランカップリング剤:信越化学工業株式会社製、ABC-856
硫黄:鶴見化学社株式会製、商品名「粉末硫黄」
加硫促進剤:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ-G」
ステアリン酸:新日本理化株式会社製、商品名「ステアリン酸50S」
亜鉛華:ハクスイテック株式会社製、商品名「3号亜鉛華」
老化防止剤:N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック 6C」
〔表2中の各成分の詳細〕
1.ゴム成分
天然ゴム:RSS#1
BR1:下記製造方法により製造したポリブタジエンゴム(シス1,4-結合量:97.2%、分子量分布:1.9)
BR2:ポリブタジエンゴム、宇部興産株式会社製、商品名「UBEPOL BR150L」(シス1,4-結合量:98%、分子量分布:2.5)
BR3:ポリブタジエンゴム、JSR株式会社製、商品名「BR01」(シス1,4-結合量:95%、分子量分布:4.2)
(BR1の製造方法)
十分に乾燥させたステンレス製の2L反応器に、1,3-ブタジエン100g(1.85mol)(共役ジエン単量体)を含むヘキサン溶液550gを加えた。
一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム(Gd[N(SiMe)((A)成分)15.0μmol、2-フェニルインデン((B)成分)30.0μmol、水素化ジイソブチルアルミニウム((C)成分)0.60mmol、トリイソブチルアルミニウム((C)成分)6.0molを加え、これらをヘキサン10mLに溶解させた。そして、このガラス製容器に、MMAO(東ソー・ファインケム株式会社製、製品名:MMAO-3A)((D)成分))を、MMAO中のアルミニウムのトリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム中のガドリニウムに対するモルにおける割合を400として、加えて、重合触媒組成物とした。
その後、重合触媒組成物をグローブボックスから取り出し、ガドリニウム10.0μmolが含まれる量の重合触媒組成物を、1,3-ブタジエンを含む2L反応器に加えた。この反応系を50℃で80分間維持し、1,3-ブタジエンの重合反応を行った。その後、2,2’-メチレン-ビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)(大内新興化学工業社製、製品名:ノクラック NS-5)のイソプロパノール溶液(5質量%)5mLを、反応系に加えることによって、重合反応を停止させた。更に、反応器に大量のメタノールを加えることによって、反応生成物を沈殿・分離し、更に60℃で真空乾燥させて、重合体BR1を得た(収量:94g)。
また、得られたBR1のミクロ構造を測定した結果、シス1,4-結合量は97.2%、分子量分布は1.9であった。
(シス-1,4結合含有量の測定)
BR1のH-NMRスペクトル(1,2-ビニル結合の結合含有量)及び13C-NMRスペクトル(シス-1,4結合とトランス-1,4結合の含有量比)の積分比等により、BR1由来の単位全体におけるシス-1,4結合含有量(%)を求めた。
(分子量分布(Mw/Mn)の測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー株式会社製HLC-8220GPC/HT、カラム:東ソー株式会社製GMHHR-H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、BR1のポリスチレン換算の分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は40℃である。
2.カーボンブラック
カーボンブラック1:旭カーボン株式会社製、商品名「旭#70」(CTAB:83m/g)
カーボンブラック2:旭カーボン株式会社製、商品名「旭#78」(CTAB:122m/g)
3.シリカ
シリカ1:日本シリカ工業株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(CTAB:150m/g)
シリカ2:Evonik社製、商品名「9500GR」(CTAB:220m/g)
4.化合物(D)
化合物(D)1:大塚化学株式会社製、2,6-ジヒドロキシベンゾヒドラジド〔式(I-4)で表される化合物〕
化合物(D)2:東京化成工業株式会社製、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸ヒドラジド〔式(a)で表される化合物〕
<タイヤの製造と評価>
得られたゴム組成物をトレッドゴムに適用し、サイズ:11R22.5の重荷重用タイヤを常法に従って試作し、タイヤの転がり抵抗、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性を評価した。結果を表2に示す。また、これら4つの評価の総合評価を表2に示す。
(1)耐摩耗性
供試タイヤを車輌に装着し、4万km走行した時点での溝の減量を測定し、比較例1のタイヤの減量値の逆数を100として指数表示した。この値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
耐摩耗性指数=[(比較例1のタイヤの減量値)/(供試タイヤの減量値)]×100
(2)転がり抵抗
JIS D 4234:2009に基づき測定した。得られた転がり抵抗値から、次式により指数表示した。この値が小さいほど、転がり抵抗が小さく、低減することができることを示す。
転がり抵抗指数=[(供試タイヤの供試タイヤの転がり抵抗値)/(比較例1のタイヤの転がり抵抗値)]×100
(3)耐カット性
振り子式衝撃カット試験機にて、標準空気圧(車輌メーカー指定空気圧)を充填した供試タイヤの所定のトレッド表面に、任意の高さから凹面鋼鉄製の刃を打ちつけて傷を付け、その傷の深さを測定することにより評価した。得られた値の逆数を取り、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐カット性に優れることを示す。
耐カット性指数=[(比較例1のタイヤの傷の深さ)/(供試タイヤの傷の深さ)]×100
(4)耐テアー性
供試タイヤをトラックのドライブ軸に装着して10万km走行した後のテアーの総長さを測定し、比較例1のテアー総長さの逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、傷の数が少なく、耐テアー性優れることを示す。
耐テアー性指数=[(比較例1のタイヤのテアー総長さ)/(供試タイヤのテアー総長さ)]×100
(5)総合評価
耐摩耗性指数、転がり抵抗指数、耐カット性指数、及び耐テアー性指数から、総合評価指数を算出した。
総合評価指数は、比較例1に対する各評価の向上度の合計として計算することができ、具体的には、下記式により算出される。
総合評価指数=(耐摩耗性指数-100)+(100-転がり抵抗指数)+(耐カット性指数-100)+(耐テアー性指数-100)
例えば、実施例1の総合評価指数は、(113-100)+(100-100)+(103-100)+(110-100)=13+0+3+10=26と計算される。
Figure 0007141605000008
Figure 0007141605000009
表2から明らかなように、CTAB比表面積が100~150m/gのカーボンブラック(B)を含んでいない比較例1~3のゴム組成物、及び当該カーボンブラックを含んでいても、CTAB比表面積が200m/g以上のシリカ(C)との合計量中のシリカ(C)の比率が0.1~10質量%ではない比較例4のゴム組成物から得られたタイヤは、耐摩耗性及び耐テアー性に優れず、総合的なバランスも優れなかった。
一方、実施例のゴム組成物から得られたタイヤは、耐摩耗性及び耐テアー性等の耐久性に優れ、耐久性と転がり抵抗低減の総合的なバランスに優れた。
本発明のゴム組成物を用いたタイヤは、乗用車用、軽乗用車用、軽トラック用及び重荷重用等の各種タイヤのトレッド部材等に用いることができる。特に、本発明のゴム組成物を用いたタイヤトレッド及びタイヤは、耐摩耗性、耐カット性、耐テアー性等の耐久性、及び、転がり抵抗低減のバランスに優れることができるため、軽トラック用及び重荷重用{トラック・バス用、オフザロードタイヤ用(鉱山用車両用、建設車両用、小型トラック用等)}等に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 天然ゴム(A1)及びシス1,4-結合量が90%以上であるポリブタジエンゴム(A2)を含むゴム成分(A)と、
    ゴム成分(A)100質量部に対して、20質量部以上100質量部以下の、セチルトリメチルアンモニウムブロミド比表面積が100~150m/gのカーボンブラック(B)と、
    ゴム成分(A)100質量部に対して、1質量部以上10質量部未満の、セチルトリメチルアンモニウムブロミド比表面積が200m/g以上のシリカ(C)と、
    を含み、
    カーボンブラック(B)とシリカ(C)との合計量中のシリカ(C)の比率が0.1~10質量%であり、
    天然ゴム(A1)とポリブタジエンゴム(A2)とが、質量比で、天然ゴム(A1):ポリブタジエンゴム(A2)=30:70~70:30であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. ポリブタジエンゴム(A2)の分子量分布が2.7以下である請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. シリカ(C)の含有量が、ゴム成分(A)100質量部に対して5質量部以下である請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 更に、アリール基を有し、該アリール基上に1つの極性基を有するヒドラジド化合物(D1)、下記式(I)で表される化合物(D2-1)及び下記式(II)又は(III)で表される化合物(D2-2)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物(D)を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
    Figure 0007141605000010



    Figure 0007141605000011

    〔式(I)中、Aは、少なくとも2つの極性基を有するアリール基であり、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。
    式(II)中、Aは、少なくとも2つの極性基を有する炭素数6~15のアリール基であり、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R13 は、シクロへプチリデン、シクロヘキシリデン、シクロオクチリデン、シクロデカニリデン、シクロペンタジエニリデンである。
    式(III)中、Aは、式(II)のAと同義である。R14及びR15は、各々独立に、水素原子、又は飽和若しくは不飽和脂肪族基を表し、R14の炭素数とR15の炭素数との合計が0~29である。〕
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いたタイヤトレッド。
  6. 請求項5に記載のタイヤトレッドを用いたタイヤ。
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