JP7141339B2 - 研磨用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨用組成物に関する。本出願は、2017年2月8日に出願された日本国特許出願2017-21539号および2017年3月30日に出願された日本国特許出願2017-68256号に基づく優先権を主張しており、それらの出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
半導体製品の構成要素等として用いられるシリコンウェーハの表面は、一般に、ラッピング工程とポリシング工程とを経て高品位の鏡面に仕上げられる。上記ポリシング工程は、典型的には、予備ポリシング工程とファイナルポリシング工程とを含む。研磨用組成物に関する技術文献として、例えば特許文献1~5が挙げられる。
日本国特許出願公開2007-53298号公報 日本国特許出願公開2016-124943号公報 国際公開第2011/135949号 国際公開第2012/005289号 日本国特許出願公開2014-216464号公報
近年、シリコンウェーハ等の半導体製品その他の製品のポリシングに用いられる研磨用組成物について、コスト削減等の観点から砥粒の使用量を減らしたいという要望がある。しかし、砥粒の使用量を減らすと、研磨レートが大幅に低下するという欠点がある。この点について、特許文献1には、シリコンウェーハの研磨に使用される研磨用組成物にエチレンジアミン等の化合物を含有させることで、シリコンウェーハの研磨速度を改善することが記載されている。しかし、エチレンジアミン等の化合物を含有させると、研磨速度は改善し得るものの、シリコンウェーハの外周部であるエッジ近傍が中央部に比べて過剰に研磨されることで、研磨後に外周部の厚さが不所望に減少する事象(エッジロールオフ)が生じる虞がある。このような事象は、一般的な塩基性化合物を含有する研磨用組成物で研磨する際にも認められる。一般的な塩基性化合物としては、例えば水酸化カリウムが挙げられる。特許文献2には、研磨用組成物に水溶性高分子を添加することにより、シリコンウェーハの周縁部に水溶性高分子が吸着し、エッジロールオフを抑制できることが記載されている。しかし、吸着した水溶性高分子がシリコンウェーハを保護する事により、研磨レートが低減してしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的として、砥粒の含有量を低く抑えつつ、高い研磨レートとエッジロールオフ量の低減とを両立することができる研磨用組成物を提供することを目的とする。
また一方で、シリコンウェーハの面積を最大限に活用するために、エッジ近傍と中央部とで厚み差が少ない平坦性のよい研磨後表面を実現し得る研磨用組成物が求められている。
本発明は、上記の事情にも鑑みてなされたものであり、第2の目的として、エッジ近傍と中央部とで厚み差が少ない平坦性のよい研磨後表面を実現し得る研磨用組成物を提供することを目的とする。
本明細書によると、研磨用組成物が提供される。この研磨用組成物は、砥粒と、水と、以下の条件:(1)分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数3以上の炭化水素基を有し、かつ、エーテル結合を有していない;および、(2)1級アミノ基と、2級アミノ基および3級アミノ基の少なくとも一方のアミノ基とを有し、かつ、エーテル結合を有していない;の少なくとも一方を満たすエーテル結合非含有アミン化合物とを含み、前記砥粒の含有量が2重量%以下である。かかる構成によると、低濃度の砥粒を含む研磨用組成物において、高い研磨レートとエッジロールオフ量の低減とがより高いレベルで両立され得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記エーテル結合非含有アミン化合物の含有量が1重量%未満である。このようなエーテル結合非含有アミン化合物の含有量の範囲内であると、研磨レートとエッジロールオフ量を低減する性能との両立がより高いレベルで実現され得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記砥粒の含有量が1重量%未満である。このような低濃度の砥粒を含む研磨用組成物において、研磨レート向上効果とエッジロールオフ量低減効果とがより低コストで好適に実現される。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記砥粒はシリカ粒子である。砥粒としてシリカ粒子を用いることにより、前記エーテル結合非含有アミン化合物による研磨レート向上効果とエッジロールオフ量低減効果とがより好適に発揮される。
あるいは、ここに開示される研磨用組成物の他の好ましい一態様では、この研磨用組成物は、砥粒と水とロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとを含む。このようにロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとを組み合わせて用いることにより、エッジ近傍と中央部とで厚み差が少ない平坦性のよい研磨後表面を実現することができる。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記ロールアップアミン化合物Aとして、以下の条件:
(1)分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数3以上の炭化水素基を有し、かつ、エーテル結合を有していない;および、
(2)1級アミノ基と、2級アミノ基および3級アミノ基の少なくとも一方のアミノ基とを有し、かつ、エーテル結合を有していない;
の少なくとも一方を満たすエーテル結合非含有アミン化合物を含む。かかるエーテル結合非含有アミン化合物は、エッジの平坦化に効果的に寄与し得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記ロールオフ化合物Bとして、以下の化合物:
(B1)アンモニア、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物および金属水酸化物からなる群から選択された少なくとも1種の塩基性化合物;
(B2)2級アミノ基および3級アミノ基の少なくとも一方のアミノ基を有し、かつ、1級アミノ基を有していないアミン化合物;
(B3)分子内にエーテル結合を含むアミン化合物;および
(B4)分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数1または2の炭化水素基を有するアミン化合物;
からなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含む。かかるロールオフ化合物Bは、エッジの平坦化に効果的に寄与し得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記ロールアップアミン化合物Aおよびロールオフ化合物Bのモル濃度の比(ロールアップアミン化合物A:ロールオフ化合物B)が1:500~200:1の範囲である。このようなロールアップアミン化合物Aおよびロールオフ化合物Bのモル濃度の比の範囲内であると、エッジの平坦化効果がより好適に発揮され得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記砥粒はシリカ粒子である。砥粒としてシリカ粒子を用いることにより、エッジの平坦化効果がより好適に発揮され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、シリコンの研磨、例えばラッピングを経たシリコンのポリシングに好ましく適用することができる。特に好ましい適用対象として、シリコンの予備ポリシングが例示される。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<エーテル結合非含有アミン化合物>
この明細書により提供される第一の態様(aspect)に係る研磨用組成物は、以下の条件:
(1)分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数3以上の炭化水素基を有し、かつ、エーテル結合を有していない;および、
(2)1級アミノ基と、2級アミノ基および3級アミノ基の少なくとも一方のアミノ基とを有し、かつ、エーテル結合を有していない;
の少なくとも一方を満たすエーテル結合非含有アミン化合物を含んでいる。このことにより、低濃度の砥粒を含む研磨用組成物において、高い研磨レートを保ちつつ、研磨後の端面においてエッジロールオフ量を効果的に低減することができる。このような効果が得られる理由としては、特に限定的に解釈されるものではないが、例えば以下のように考えられる。すなわち、上記エーテル結合非含有アミン化合物は、研磨用組成物中において強い塩基性を示すアミノ基を複数有するため、研磨対象物表面の化学的研磨が促進され、該表面が効率的に削られる。また、分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数3以上の炭化水素基を有し(もしくは1級アミノ基と、2級アミノ基および3級アミノ基の少なくとも一方のアミノ基とを有し)、かつエーテル結合を有しないことにより、立体障害の少ない1級アミノ基が研磨対象物への高い吸着能を発揮し得る。そのため、研磨時に該アミン化合物が研磨対象物の外周部に適度に吸着して該外周部の保護が図られることで、中央部に比べて外周部が過剰に削られにくい。このことがエッジロールオフ量の低減に寄与するものと考えられる。
ここに開示される第一の態様に係るエーテル結合非含有アミン化合物としては、前記構造を有する各種の材料を、単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることができる。例えば、上記エーテル結合非含有アミン化合物は、前記構造を有する脂肪族ポリアミン化合物、複素環式ポリアミン化合物、芳香族ポリアミン化合物のいずれであってもよい。これらのポリアミン化合物において、主鎖を構成する炭素原子に結合した水素原子の1または2以上が、それぞれ独立して、水素原子以外の置換基(例えば、水酸基、ハロゲン基(例えば、F,Cl,Br)等)で置換されたアミン化合物を用いてもよい。エーテル結合非含有アミン化合物におけるアミノ基の数(すなわち1級アミノ基、2級アミノ基および3級アミノ基の総数)は、例えば2~10であり、好ましくは2~8、より好ましくは2~6、さらに好ましくは2~5(例えば2~4)であり得る。前記(1)の条件を満たすアミン化合物の場合、該化合物における1級アミノ基の数は1分子中に2つ以上であれば特に限定されないが、典型的には2~10であり、好ましくは2~8、より好ましくは2~6、さらに好ましくは2~4(例えば2または3)である。また、分子内の2つの1級アミノ基間における炭化水素基の炭素原子数は3つ以上であれば特に限定されないが、典型的には3~15、好ましくは3~12、より好ましくは4~10、さらに好ましくは4~8である。また、前記(2)の条件を満たすアミン化合物の場合、該化合物における1級アミノ基の数は1分子中に1つ以上であれば特に限定されないが、典型的には1~8であり、好ましくは1~6、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3(例えば1または2)である。また、2級アミノ基および3級アミノ基の総数は1分子中に1つ以上であれば特に限定されないが、例えば1~8であり、好ましくは1~6、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3(例えば1または2)である。
ここに開示される技術において特に好ましい例として、下記一般式(a)で表されるエーテル結合非含有アミン化合物(以下、「アミン化合物a」とも表記する。)が挙げられる。
-N(R)-(CH-NH (a)
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびアミノアルキル基からなる群から選択される。R、Rは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1~15の整数である。-(CH-は分岐鎖を有してもよい。ただし、R、Rの両方が水素原子の場合、nは3~15の整数である。)
上記アミン化合物aにおいて、アミノ基を構成する窒素原子上の置換基R,Rは、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアミノアルキル基であり得る。アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびアミノアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびアミノアルキル基における炭素原子の総数は1~15(好ましくは1~12、より好ましくは1~10、さらに好ましくは2~6)であり得る。R,Rは同じであってもよく異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R、Rがアルキル基の場合、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、中でもエチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、特にエチル基が好ましい。なお、ここでいうブチル基とは、その各種構造異性体(n‐ブチル基、イソブチル基、sec‐ブチル基およびtert‐ブチル基)を包含する概念である。他のアルキル基、ヒドロキシアルキル基およびアミノアルキル基についても同様である。ヒドロキシアルキル基としては、アルキル基の水素原子の1または2以上が水酸基で置換された構造の基であり得る。R、Rがヒドロキシアルキル基の場合、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等が挙げられ、特にヒドロキシエチル基であることが好ましい。アミノアルキル基としては、アルキル基の水素原子の1または2以上がアミノ基で置換された構造の基であり得る。R、Rがアミノアルキル基の場合、例えば、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、メチルアミノエチル基、ジメチルアミノエチル基、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エチル基等が挙げられ、特に2‐(2‐アミノエチルアミノ)エチル基であることが好ましい。また、上記アミン化合物aにおいて、nは(CH)の繰り返し数を表す。nは1~15の整数であり、好ましくは1~10、より好ましくは1~8、さらに好ましくは1~6(例えば1~4、典型的には2または3)である。ただし、R、Rの両方が水素原子の場合、nは3~15の整数であり、好ましくは3~10、より好ましくは4~8、さらに好ましくは6~8である。
上記アミン化合物aの一好適例としては、R,Rの両方が水素原子であるものが挙げられる。例えば、R,Rの両方が水素原子であり、かつ、(CH)の繰り返し数nが3~10であるアミン化合物a1が好ましい。そのようなアミン化合物a1の具体例として、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン;等が挙げられる。なかでも、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが好ましく、特にはヘキサメチレンジアミンが好ましい。
上記アミン化合物aの他の好適例としては、R,Rが互いに異なるものが挙げられる。例えば、R,Rのうち一方が水素原子であり、他方が炭素原子数1~4(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアルキル基であり、かつ、(CH)の繰り返し数nが2~6であるアミン化合物a2が好ましい。そのようなアミン化合物a2の具体例として、N‐メチルエチレンジアミン、N‐エチルエチレンジアミン、N‐プロピルエチレンジアミン、N‐メチルトリメチレンジアミン、N‐エチルトリメチレンジアミン、N‐メチルテトラメチレンジアミン、N‐エチルテトラメチレンジアミン、N‐メチルペンタメチレンジアミン、N‐エチルペンタメチレンジアミン、N‐メチルヘキサメチレンジアミン、N‐エチルヘキサメチレンジアミン;等が挙げられる。なかでも、N‐メチルエチレンジアミン、N‐エチルエチレンジアミン、N‐プロピルエチレンジアミン、N‐メチルトリメチレンジアミンが好ましく、特にはN‐エチルエチレンジアミンが好ましい。
上記アミン化合物aの他の例としては、R,Rの両方が炭素原子数1~4(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアルキル基であり、かつ、(CH)の繰り返し数nが2~6であるアミン化合物a3が挙げられる。そのようなアミン化合物a3の具体例として、N,N‐ジメチルエチレンジアミン、N,N‐ジエチルエチレンジアミン、N,N‐エチルメチルエチレンジアミン、N,N‐ジプロピルエチレンジアミン、N,N‐ジメチルトリメチレンジアミン、N,N‐ジエチルトリメチレンジアミン、N,N‐ジメチルテトラメチレンジアミン、N,N‐ジエチルテトラメチレンジアミン;等が例示される。
上記アミン化合物aの他の好適例としては、R,Rのうち一方が水素原子またはアルキル基であり、他方が炭素原子数1~4(好ましくは1~3、典型的には1または2)のヒドロキシアルキル基であり、かつ、(CH)の繰り返し数nが2~6であるアミン化合物a4が挙げられる。そのようなアミン化合物a4の具体例として、2‐(アミノメチルアミノ)エタノール、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノール、2‐[アミノメチル(メチル)アミノ]エタノール、2‐(アミノメチルアミノ)プロパノール、2‐(2‐アミノエチルアミノ)プロパノール、2‐[アミノメチル(メチル)アミノ]プロパノール、2‐(アミノメチルアミノ)ブタノール、2‐(2‐アミノエチルアミノ)ブタノール、2‐[アミノメチル(メチル)アミノ]ブタノール;等が例示される。なかでも、2‐(アミノメチルアミノ)エタノール、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノール、2‐[アミノメチル(メチル)アミノ]エタノールが好ましく、特には2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノールが好ましい。
上記アミン化合物aの他の好適例としては、R,Rのうち一方が水素原子もしくはアルキル基であり、他方が炭素原子数1~6(好ましくは1~4)のアミノアルキル基であり、かつ、(CH)の繰り返し数nが2~6であるアミン化合物a5が挙げられる。そのようなアミン化合物a5の具体例として、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミン、ヘプタエチレンオクタミン、ノナエチレンデカミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリス(3-アミノプロピル)アミン;等が例示される。なかでも、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミン、ヘプタエチレンオクタミンが好ましく、特にはトリエチレンテトラミンが好ましい。
上記アミン化合物aの他の好適例としては、R、Rが互いに結合して環状構造を形成しており、かつ、(CH)の繰り返し数nが2~6であるアミン化合物a6が挙げられる。そのようなアミン化合物a6の具体例として、N‐アミノメチルピペラジン、N‐(2‐アミノエチル)ピペラジン、N‐(2‐アミノ‐1‐メチルエチル)ピペラジン、N‐アミノプロピルピペラジン、N‐アミノブチルピペラジン、N‐アミノヘキシルピペラジン、N‐アミノオクチルピペラジン、N‐(4‐アミノ‐2,2‐ジメチルブチル)ピペラジン、1,4-ビス(2-アミノエチル)ピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、N‐(2‐アミノエチル)ピペラジン;等が例示される。なかでも、N‐(2‐アミノエチル)ピペラジンが好ましい。
研磨用組成物におけるエーテル結合非含有アミン化合物の含有量は、通常は0.01重量%以上とすることが適当である。研磨レートの観点から、上記含有量は0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上(例えば0.15重量%以上)がより好ましい。また、上記エーテル結合非含有アミン化合物の含有量は、研磨レートとエッジロールオフ低減とを高度に両立する観点から、通常は1重量%未満とすることが適当であり、0.9重量%以下とすることが好ましく、0.8重量%以下(例えば0.7重量%以下、あるいは0.6重量%以下)とすることがより好ましい。
この明細書により提供される第二の態様(aspect)に係る研磨用組成物は、ロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとを含む。ここでロールアップアミン化合物Aとは、研磨用組成物に添加されることによって、研磨物のエッジ近傍が中央部に比べて厚くなるエッジロールアップを生じさせる作用を示す化合物をいう。また、ロールオフ化合物Bとは、研磨用組成物に添加されることによって、研磨物のエッジ近傍が中央部に比べて薄くなるエッジロールオフを生じさせる作用を示す化合物をいう。ここに開示される技術では、このような相反作用を有するロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとを組み合わせて用いることにより、研磨後において研磨物のエッジ近傍と中央部とで厚み差が少ない平坦性のよい研磨後表面を実現することができる。
ロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとを併用することによる効果をより良く発揮させる観点から、ロールアップアミン化合物Aおよびロールオフ化合物Bのモル濃度の比(ロールアップアミン化合物A:ロールオフ化合物B)は、1:500~200:1の範囲であることが好ましい。ロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとを特定のモル濃度比となるように組み合わせて用いることにより、エッジの平坦化効果がより好適に発揮され得る。ここに開示される技術は、ロールアップアミン化合物Aおよびロールオフ化合物Bのモル濃度の比が1:100~100:1、好ましくは1:50~50:1、より好ましくは1:30~30:1、さらに好ましくは1:20~20:1である態様で好ましく実施され得る。
<ロールアップアミン化合物A>
ロールアップアミン化合物Aは、前述したように、研磨用組成物に添加されることによってエッジロールアップを生じさせる作用を示す化合物である。本願におけるロールアップアミン化合物Aは、該化合物Aを水に溶かしてpH11.0に調整したシリカ砥粒濃度0.5質量%の研磨用組成物を用いて下記条件でシリコンウェーハを研磨する標準研磨試験後において、シリコンウェーハの外周端から中心に向かって2.0mm~4.0mm位置の比較的平坦な領域を基準点とし、外周端から0.5mm位置におけるシリコンウェーハ形状変位量と上記基準点との差として算出されるロールオフ量Xが、プラスの値(すなわちX>0)を示すものである。上記ロールオフ量Xは、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは50nm以上である。ロールオフ量Xは、例えば70nm以上、典型的には100nm以上であってもよく、さらには150nm以上でもよい。また、ロールオフ量Xは、ロールオフ化合物Bとの配合比調節容易性等の観点から、例えば500nm以下、典型的には400nm以下であってもよく、さらには300nm以下でもよい。
[標準研磨試験条件]
研磨装置:日本エンギス社製卓上研磨機、型式「EJ-380IN」
研磨パッド :ニッタハース社製、商品名「MH S-15A」
研磨圧力:16.8kPa
定盤回転数:50回転/分
ヘッド回転数:40回転/分
研磨取り代:8μm
研磨液の供給レート:100mL/分(掛け流し使用)
研磨液の温度:25℃
ロールアップアミン化合物Aとしては、研磨用組成物に添加されることによって上記エッジロールアップを生じさせ得るアミン化合物であれば特に限定されない。例えば、ロールアップアミン化合物Aは、少なくとも1つ以上の1級アミノ基を有するアミン化合物であることが好ましい。ロールアップアミン化合物Aにおける1級アミノ基の数は、例えば1~10であり、好ましくは1~8、より好ましくは1~6、さらに好ましくは1~4である。
例えば、ロールアップアミン化合物Aは、以下の条件:
(1)分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数3以上の炭化水素基を有し、かつ、エーテル結合を有していない;および、
(2)1級アミノ基と、2級アミノ基および3級アミノ基の少なくとも一方とを有し、かつ、エーテル結合を有していない;
の少なくとも一方を満たすエーテル結合非含有アミン化合物であり得る。上記エーテル結合非含有アミン化合物は、分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数3以上の炭化水素基を有し(もしくは1級アミノ基と、2級アミノ基および3級アミノ基の少なくとも一方とを有し)、かつエーテル結合を有しないことにより疎水性が高く、加えて立体障害の少ない1級アミノ基が研磨対象物への高い吸着能を発揮し得る。そのため、研磨時に該アミン化合物が研磨対象物の外周部に適度に吸着して該外周部の保護が図られることで、中央部に比べて外周部が過剰に削られにくい。このことがエッジ近傍のロールアップに寄与するものと考えられる。
ここに開示される第二の態様に係るエーテル結合非含有アミン化合物としては、第一の態様に係るエーテル結合非含有アミン化合物と同様のものが用いられ得るので、詳細な説明は省略する。
<ロールオフ化合物B>
ロールオフ化合物Bは、前述したように、研磨用組成物に添加されることによってエッジロールオフを生じさせる作用を示す化合物である。本願におけるロールオフ化合物Bは、該化合物Bを水に溶かしてpH11.0に調整したシリカ砥粒濃度0.5質量%の研磨用組成物を用いて前記標準研磨条件でシリコンウェーハを研磨する標準研磨試験後において、シリコンウェーハの外周端から中心に向かって2.0mm~4.0mm位置の比較的平坦な領域を基準点とし、外周端から0.5mm位置におけるシリコンウェーハ形状変位量と上記基準点との差として算出されるロールオフ量Xが、マイナスの値(すなわちX<0)を示すものである。上記ロールオフ量Xは、好ましくは-10nm以下、より好ましくは-50nm以下、さらに好ましくは-100nm以下である。また、ロールオフ量Xは、ロールアップアミン化合物Aとの配合比調節容易性等の観点から、例えば-1000nm以上、典型的には-300nm以上であってもよく、さらには-200nm以上、また-150nm以上、特に-120nm以上がよい。
(塩基性化合物B1)
ロールオフ化合物Bとしては、研磨用組成物に添加されることによって上記エッジロールオフを生じさせ得る化合物であれば特に限定されない。
例えば、ロールオフ化合物Bは、アンモニア、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物および金属水酸化物からなる群から選択された少なくとも1種の塩基性化合物B1であり得る。ここでいう塩基性化合物とは、水に溶解した際に水酸化物イオンを生じる塩基性化合物を指し、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有し得る。このような塩基性化合物B1は、有機塩基性化合物であってもよく、無機塩基性化合物であってもよい。塩基性化合物B1は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機塩基性化合物の例としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウムが挙げられる。例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の第四級アンモニウムヒドロキシドを好ましく使用し得る。なかでも水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
有機塩基性化合物の他の例としては、第4級ホスホニウムの水酸化物が挙げられる。例えば、水酸化テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化テトラブチルホスホニウムを好ましく使用し得る。
無機塩基性化合物の例としては、アンモニア;アンモニア、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。上記水酸化物の具体例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
好ましい塩基性化合物B1として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムが挙げられる。なかでも好ましいものとして、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラエチルアンモニウムが例示される。より好ましいものとして水酸化カリウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
(アミン化合物B2)
ここに開示されるロールオフ化合物Bの他の好適例として、2級アミノ基および/または3級アミノ基を有し、かつ、1級アミノ基を有していないアミン化合物B2が挙げられる。アミン化合物B2は、少なくとも1つの3級アミノ基を有するアミン化合物であることが好ましい。アミン化合物B2における2級アミノ基および3級アミノ基の総数は、例えば1~12であり、好ましくは1~10、より好ましくは1~8、さらに好ましくは1~4である。
ここに開示される技術において特に好ましいアミン化合物B2の例として、下記一般式(b2)で表されるアミン化合物b2が挙げられる。
-NR-R (b2)
(式中、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~15のアルキル基および1級アミノ基を有していないアミノアルキル基から選択される。ただし、R、R、Rのうち少なくとも2つは、水素原子以外の基である。R、R、Rは、C-C間もしくはC-N間に二重結合を有していてもよい。また、R、Rは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
上記アミン化合物b2において、アミノ基を構成する窒素原子上の置換基R、R、Rは、水素原子、アルキル基および1級アミノ基を有していないアミノアルキル基であり得る。アルキル基およびアミノアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基およびアミノアルキル基における炭素原子の総数は1~15(好ましくは1~12、より好ましくは1~10、さらに好ましくは2~6)であり得る。R、R、Rは同じであってもよく異なっていてもよい。R、R、Rがアルキル基の場合、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、特にエチル基が好ましい。上記アルキル基は、C-C間に二重結合を有していてもよい。R、R、Rがアミノアルキル基の場合、例えば、メチルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルアミノエチル基、ジメチルアミノエチル基、エチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基等が挙げられる。上記アミノアルキル基は、C-N間もしくはC-C間に二重結合を有していてもよい。
上記アミン化合物b2の一好適例としては、R、R、Rの全部がアルキル基であるものが挙げられる。例えば、R、R、Rの全部が炭素原子数1~8(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアルキル基であるものが好ましい。そのようなアミン化合物b2の具体例として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプシルアミン、トリオクチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、N,N‐ジメチルエチルアミン、N,N‐ジエチルメチルアミン、N,N‐ジメチルブチルアミン、N,N‐ジエチルブチルアミン、N,N‐ジメチルペンチルアミン、N,N‐ジエチルペンチルアミン、N,N‐ジメチルヘキシルアミン、N,N‐ジエチルヘキシルアミン、N,N‐ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N‐ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン;等が例示される。なかでも、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンが好ましく、特にはトリエチルアミンが好ましい。
上記アミン化合物b2の他の例としては、R、Rが炭素原子数1~8(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアルキル基であり、かつ、Rが水素原子であるものが挙げられる。そのようなアミン化合物b2の具体例として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプシルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N‐エチルメチルアミン、N‐メチルプロピルアミン、N‐エチルプロピルアミン、N‐ブチルメチルアミン、N‐ブチルエチルアミン、N‐メチルペンチルアミン、N‐エチルペンチルアミン、N‐ヘキシルメチルアミン、N‐エチルヘキシルアミン;等が例示される。
上記アミン化合物b2の他の例としては、Rが炭素原子数1~8(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアルキル基であり、Rが水素原子または炭素原子数1~8(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアルキル基であり、かつ、Rが炭素原子数1~6(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアミノアルキル基であるものが挙げられる。そのようなアミン化合物b2の具体例として、N,N’‐ジメチルエチレンジアミン、トリメチルエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N’‐ジエチルエチレンジアミン、トリエチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、N‐エチル‐N’‐メチルエチレンジアミン、N,N‐ジメチル‐N’‐エチルエチレンジアミン、N,N‐ジエチル‐N’‐メチルエチレンジアミン、N,N‐ジエチル‐N’N’‐ジメチルエチレンジアミン、N,N’‐ジメチルトリメチレンジアミン、トリメチルトリメチレンジアミン、テトラメチルトリメチレンジアミン、N,N’‐ジエチルトリメチレンジアミン、トリエチルトリメチレンジアミン、テトラエチルトリメチレンジアミン、N‐エチル‐N’‐メチルトリメチレンジアミン;等が例示される。
上記アミン化合物b2の他の例としては、R、Rが炭素原子数1~6(好ましくは1~3、典型的には1または2)のアルキル基またはアミノアルキル基であり、かつ、R、Rが互いに結合して環状構造を形成している含窒素複素環化合物が挙げられる。そのようなアミン化合物b2の具体例として、イミダゾール、1‐メチルイミダゾール、4‐メチルイミダゾール、1,2‐ジメチルイミダゾール、2,4‐ジメチルイミダゾール、1‐エチルイミダゾール、4‐エチルイミダゾール、1,2‐ジエチルイミダゾール、2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、1‐プロピルイミダゾール、4‐プロピルイミダゾール、1‐ブチルイミダゾール、4‐ブチルイミダゾール、ピラゾール、イミダゾリン、ピペラジン、1‐メチルピペラジン、2‐メチルピペラジン、1‐エチルピペラジン、2‐エチルピペラジン、1‐エチル‐4‐メチルピペラジン、1‐(2‐ジメチルアミノエチル)ピペラジン、1‐(2‐ジメチルアミノエチル)‐4‐メチルピペラジン、1‐プロピルピペラジン、2‐プロピルピペラジン、1‐ブチルピペラジン、4‐ブチルピペラジン;等が例示される。なかでも、イミダゾール、1‐メチルイミダゾール、4‐メチルイミダゾール、1‐エチルイミダゾール、4‐エチルイミダゾールが好ましく、特にはイミダゾールが好ましい。
(アミン化合物B3)
ここに開示されるロールオフ化合物Bの他の好適例として、分子内にエーテル結合を含むアミン化合物B3が挙げられる。アミン化合物B3におけるアミノ基の級数は特に限定されないが、少なくとも1つの1級アミノ基を有するものであることが好ましい。アミン化合物B3におけるアミノ基の総数は、例えば1~12、典型的には1~10であり得る。アミン化合物B3におけるアミノ基の総数は、例えば1~8であってもよく、典型的には1~4であってもよい。アミン化合物B3におけるエーテル結合の数は、例えば1~10であり、典型的には1~8である。アミン化合物B3におけるエーテル結合の数は、例えば1~6であってもよく、典型的には1~4であってもよい。
ここに開示される技術において特に好ましいアミン化合物B3の例として、下記一般式(b3)で表されるアミン化合物b3が挙げられる。
-N(R)-(CH-O-R (b3)
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、エーテル結合を有するアルキル基、アミノアルキル基からなる群から選択される。R、Rは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1~15の整数である。(CHは分岐鎖を有していてもよい。Rはアルキル基、エーテル結合を有するアルキル基、アミノアルキル基、エーテル結合を有するアミノアルキル基、アミノ基からなる群から選択される。
上記アミン化合物b3において、アミノ基を構成する窒素原子上の置換基R、Rは、水素原子、アルキル基、エーテル結合を有するアルキル基またはアミノアルキル基であり得る。アルキル基、エーテル結合を有するアルキル基およびアミノアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基、エーテル結合を有するアルキル基およびアミノアルキル基における炭素原子の総数は1~15(好ましくは1~12、より好ましくは1~10、さらに好ましくは2~6)であり得る。R、Rは同じであってもよく異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R、Rがアルキル基の場合、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。エーテル結合を有するアルキル基は、少なくとも1つのエーテル結合を有するアルキル基をいう。R、Rがエーテル結合を有するアルキル基の場合、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、2‐メトキシエトキシメチル基等が挙げられる。R、Rがアミノアルキル基の場合、例えば、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、メチルアミノエチル基、ジメチルアミノエチル基、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エチル基等が挙げられる。また、上記アミン化合物b3において、nは(CH)の繰り返し数を表す。nは1~15の整数であり、好ましくは1~10、より好ましくは1~8、さらに好ましくは1~6(例えば1~4、典型的には2または3)である。(CHは分岐鎖を有してもよい。Rは、アルキル基、エーテル結合を有するアルキル基、アミノアルキル基、エーテル結合を有するアミノアルキル基、またはアミノ基であり得る。アルキル基、エーテル結合を有するアルキル基、アミノアルキル基およびエーテル結合を有するアミノアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基、エーテル結合を有するアルキル基、アミノアルキル基およびエーテル結合を有するアミノアルキル基における炭素原子の総数は1~10(好ましくは1~6、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3)であり得る。エーテル結合を有するアミノアルキル基は、少なくとも1つのエーテル結合を有するアミノアルキル基をいう。Rがエーテル結合を有するアミノアルキル基の場合、例えば、2‐アミノエトキシエチル基、2‐アミノプロポキシエチル基、3‐アミノエトキシプロピル基、3‐アミノプロポキシプロピル基等が挙げられる。
上記アミン化合物b3の一好適例としては、R、Rの両方が水素原子であるものが挙げられる。例えば、R、Rの両方が水素原子であり、(CH)の繰り返し数nが1~6(好ましくは1~4、典型的には1~3)であり、かつ、Rがアミノアルキル基またはエーテル結合を有するアミノアルキル基であるものが好ましい。そのようなアミン化合物b3の具体例として、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2‐アミノエチル)エーテル、ビス(3‐アミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(2‐アミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3‐アミノプロピル)エーテル、1,3‐プロパンジオールビス(2‐アミノエチル)エーテル、1,3‐プロパンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテル、1,4‐ブタンジオールビス(2‐アミノエチル)エーテル、1,4‐ブタンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテル、1,5‐ペンタンジオールビス(2‐アミノエチル)エーテル、1,5‐ペンタンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3‐アミノプロピル)エーテル、1,11‐ジアミノ‐3,6,9‐トリオキサウンデカン;等が例示される。なかでも、1,4‐ブタンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテルが好ましい。
上記アミン化合物b3の他の例として、例えば、R、Rの両方が炭素原子数1~4のアルキル基であり、(CH)の繰り返し数nが1~6(好ましくは1~4、典型的には1~3)であり、かつ、Rがアミノアルキル基またはエーテル結合を有するアミノアルキル基であるものが好ましい。そのようなアミン化合物b3の具体例として、ビス(ジメチルアミノメチル)エーテル、ビス(2‐ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(3‐ジメチルアミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(2‐ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3‐ジメチルアミノプロピル)エーテル、1,3‐プロパンジオールビス(2‐ジメチルアミノエチル)エーテル、1,3‐プロパンジオールビス(3‐ジメチルアミノプロピル)エーテル、1,4‐ブタンジオールビス(2‐ジメチルアミノエチル)エーテル、1,4‐ブタンジオールビス(3‐ジメチルアミノプロピル)エーテル、ビス(ジエチルアミノメチル)エーテル、ビス(2‐ジエチルアミノエチル)エーテル;等が例示される。
上記アミン化合物b3の他の例として、R、Rの両方が水素原子であり、(CH)の繰り返し数nが1~6(好ましくは1~4、典型的には1~3)であり、かつ、Rが炭素原子数1~6(好ましくは1~4、典型的には1~3)のアルキル基であるものが挙げられる。そのようなアミン化合物b3の具体例として、2‐メトキシエチルアミン、2‐エトキシエチルアミン、2‐プロポキシエチルアミン、2‐ブトキシエチルアミン、2‐ペンチルオキシエチルアミン、3‐メトキシプロピルアミン、3‐エトキシプロピルアミン、3‐プロポキシプロピルアミン、3‐ブトキシプロピルアミン、3‐ペンチルオキシプロピルアミン;等が例示される。
上記アミン化合物b3の他の例としては、R、Rが互いに異なるものが挙げられる。例えば、R、Rのうち一方が水素原子であり、他方が炭素原子数1~4のアルキル基であり、かつ、Rがアミノアルキル基またはエーテル結合を有するアミノアルキル基であるものが好ましい。そのようなアミン化合物b3の具体例として、ビス(メチルアミノメチル)エーテル、ビス(2‐メチルアミノエチル)エーテル、ビス(3‐メチルアミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(2‐メチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3‐メチルアミノプロピル)エーテル、1,3‐プロパンジオールビス(2‐メチルアミノエチル)エーテル、1,3‐プロパンジオールビス(3‐メチルアミノプロピル)エーテル、1,4‐ブタンジオールビス(2‐メチルアミノエチル)エーテル、1,4‐ブタンジオールビス(3‐メチルアミノプロピル)エーテル、ビス(エチルアミノメチル)エーテル、ビス(2‐エチルアミノエチル)エーテル;等が例示される。
上記アミン化合物b3の他の例としては、R、Rのうち一方が水素原子であり、他方が炭素原子数1~4のアルキル基であり、(CH)の繰り返し数nが1~6(好ましくは1~4、典型的には1~3)であり、かつ、Rが炭素原子数1~6(好ましくは1~4、典型的には1~3)のアルキル基であるものが挙げられる。そのようなアミン化合物b3の具体例として、N‐メチル‐2‐メトキシエチルアミン、N‐メチル‐2‐エトキシエチルアミン、N‐メチル‐2‐プロポキシエチルアミン、N‐メチル‐2‐ブトキシエチルアミン、N‐メチル‐2‐ペンチルオキシエチルアミン、N‐メチル‐2‐へキシロキシエチルアミン、N‐メチル‐2‐ヘプチルオキシエチルアミン、N‐メチル‐2‐オクチルオキシエチルアミン、N‐メチル‐3‐エトキシプロピルアミン、N‐メチル‐3‐プロポキシプロピルアミン、N‐メチル‐3‐ブトキシプロピルアミン、N‐メチル‐3‐ペンチルオキシプロピルアミン、N‐メチル‐3‐ヘキシルオキシプロピルアミン、N‐メチル‐3‐へプチルオキシプロピルアミン;等が例示される。
(アミン化合物B4)
ここに開示されるロールオフ化合物Bの他の好適例として、分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数1または2の炭化水素基を有するアミン化合物B4が挙げられる。そのようなアミン化合物B4の具体例として、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1‐メチルエチレンジアミン、1‐エチルエチレンジアミン、1‐プロピルエチレンジアミン、1,1-ジメチルエチレンジアミン、1,1-ジエチルエチレンジアミン、1,2‐ジメチルエチレンジアミン、1‐エチル‐1‐メチルエチレンジアミン、1‐エチル‐2‐メチルエチレンジアミン;等が例示される。なかでも、エチレンジアミンが好ましい。
ロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとのモル濃度の好適な比は、ロールアップアミン化合物Aの種類、ロールオフ化合物Bの種類、それらの組合せ等によって異なり得る。以下に挙げる濃度比は例示であって、これらの濃度比に限定されるものではない。ロールアップアミン化合物Aとしてアミン化合物a2を用いる場合、アミン化合物a2とロールオフ化合物Bとのモル濃度の比(アミン化合物a2:ロールオフ化合物B)は、1:10~100:1であることが好ましい。上記モル濃度比は、より好ましくは1:5~50:1、さらに好ましくは1:1~10:1である。ロールアップアミン化合物Aとしてアミン化合物a4を用いる場合、アミン化合物a4とロールオフ化合物Bとのモル濃度の比(アミン化合物a4:ロールオフ化合物B)は、1:10~200:1であることが好ましい。上記モル濃度値は、より好ましくは1:5~100:1、さらに好ましくは1:1~50:1である。ロールアップアミン化合物Aとしてアミン化合物a5を用いる場合、アミン化合物a5とロールオフ化合物Bとのモル濃度の比(アミン化合物a5:ロールオフ化合物B)は、1:500~5:1であることが好ましい。上記モル濃度比は、より好ましくは1:50~2:1、さらに好ましくは1:25~1:2である。ロールアップアミン化合物Aとしてアミン化合物a6を用いる場合、アミン化合物a6とロールオフ化合物Bとのモル濃度の比(アミン化合物a6:ロールオフ化合物B)は、1:10~100:1であることが好ましい。上記モル濃度比は、より好ましくは1:5~50:1、さらに好ましくは1:2~25:1である。
<水>
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上記エーテル結合非含有アミン化合物のほかに水を含む。水としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。使用する水は、研磨用組成物に含有される他の成分の働きが阻害されることを極力回避するため、例えば遷移金属イオンの合計含有量が100ppb以下であることが好ましい。例えば、イオン交換樹脂による不純物イオンの除去、フィルタによる異物の除去、蒸留等の操作によって水の純度を高めることができる。
ここに開示される研磨用組成物は、必要に応じて、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)をさらに含有してもよい。通常は、研磨用組成物に含まれる溶媒の90体積%以上が水であることが好ましく、95体積%以上(典型的には99~100体積%)が水であることがより好ましい。
<砥粒>
ここに開示される研磨用組成物は、エーテル結合非含有アミン化合物および水のほかに砥粒を含有する。ここに開示される技術において、砥粒の材質や性状は特に制限されず、研磨用組成物の使用目的や使用態様等に応じて適宜選択することができる。砥粒の例としては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子が挙げられる。無機粒子の具体例としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩等が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子(ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。)、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。このような砥粒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記砥粒としては、無機粒子が好ましく、なかでも金属または半金属の酸化物からなる粒子が好ましい。ここに開示される技術において使用し得る砥粒の好適例としてシリカ粒子が挙げられる。例えば、ここに開示される技術をシリコンウェーハの研磨に使用され得る研磨用組成物に適用する場合、砥粒としてシリカ粒子を用いることが特に好ましい。その理由は、研磨対象物がシリコンウェーハである場合、研磨対象物と同じ元素と酸素原子とからなるシリカ粒子を砥粒として使用すれば研磨後にシリコンとは異なる金属または半金属の残留物が発生せず、シリコンウェーハ表面の汚染や研磨対象物内部にシリコンとは異なる金属または半金属が拡散することによるシリコンウェーハとしての電気特性の劣化などの虞がなくなるからである。さらに、シリコンとシリカの硬度が近いため、シリコンウェーハ表面に過度なダメージを与えることなく研磨加工を行うことができる。かかる観点から好ましい研磨用組成物の一形態として、砥粒としてシリカ粒子のみを含有する研磨用組成物が例示される。また、シリカは高純度のものが得られやすいという性質を有する。このことも砥粒としてシリカ粒子が好ましい理由として挙げられる。シリカ粒子の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降シリカ等が挙げられる。研磨対象物表面にスクラッチを生じにくく、よりヘイズの低い表面を実現し得るという観点から、好ましいシリカ粒子としてコロイダルシリカおよびフュームドシリカが挙げられる。なかでもコロイダルシリカが好ましい。例えば、シリコンウェーハのポリシング(予備ポリシングおよびファイナルポリシングの少なくとも一方、好ましくは予備ポリシング)に用いられる研磨用組成物の砥粒として、コロイダルシリカを好ましく採用し得る。
シリカ粒子を構成するシリカの真比重は、1.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.7以上である。シリカの真比重の増大によって、シリコンウェーハを研磨する際に、研磨レート(単位時間当たりに研磨対象物の表面を除去する量)が向上し得る。研磨対象物の表面(研磨対象面)に生じるスクラッチを低減する観点からは、真比重が2.2以下のシリカ粒子が好ましい。シリカの真比重としては、置換液としてエタノールを用いた液体置換法による測定値を採用し得る。
ここに開示される技術において、研磨用組成物中に含まれる砥粒は、一次粒子の形態であってもよく、複数の一次粒子が会合した二次粒子の形態であってもよい。また、一次粒子の形態の砥粒と二次粒子の形態の砥粒とが混在していてもよい。好ましい一態様では、少なくとも一部の砥粒が二次粒子の形態で研磨用組成物中に含まれている。
砥粒の平均一次粒子径DP1は特に制限されないが、研磨速度等の観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、特に好ましくは20nm以上である。より高い研磨効果を得る観点から、平均一次粒子径DP1は、25nm以上が好ましく、30nm以上がさらに好ましい。平均一次粒子径DP1が40nm以上の砥粒を用いてもよい。また、保存安定性(例えば分散安定性)の観点から、砥粒の平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは70nm以下、例えば60nm以下である。
なお、ここに開示される技術において、砥粒の平均一次粒子径DP1は、例えば、BET法により測定される比表面積(BET値)から、DP1(nm)=6000/(真密度(g/cm)×BET値(m/g))の式により算出され得る。例えばシリカ粒子の場合、DP1(nm)=2727/BET値(nm)の式により算出することができる。比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の表面積測定装置、商品名「Flow Sorb II 2300」を用いて行うことができる。
砥粒の平均二次粒子径DP2は特に限定されないが、研磨速度等の観点から、好ましくは15nm以上、より好ましくは25nm以上である。より高い研磨効果を得る観点から、平均二次粒子径DP2は、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。また、保存安定性(例えば分散安定性)の観点から、砥粒の平均二次粒子径DP2は、200nm以下が適当であり、好ましくは150nm以下、より好ましくは100nm以下である。砥粒の平均二次粒子径DP2は、例えば、日機装株式会社製の型式「UPA-UT151」を用いた動的光散乱法により測定することができる。
砥粒の平均二次粒子径DP2は、一般に砥粒の平均一次粒子径DP1と同等以上(DP2/DP1≧1)であり、典型的にはDP1よりも大きい(DP2/DP1>1)。特に限定するものではないが、研磨効果および研磨後の表面平滑性の観点から、砥粒のDP2/DP1は、通常は1.05~3の範囲にあることが適当であり、1.1~2.5の範囲が好ましく、1.2~2.3(例えば1.3を超えて2.2以下)の範囲がより好ましい。
砥粒の形状(外形)は、球形であってもよく、非球形であってもよい。非球形をなす砥粒の具体例としては、ピーナッツ形状(すなわち、落花生の殻の形状)、繭型形状、金平糖形状、ラグビーボール形状等が挙げられる。
特に限定するものではないが、砥粒の一次粒子の長径/短径比の平均値(平均アスペクト比)は、好ましくは1.05以上、さらに好ましくは1.1以上である。砥粒の平均アスペクト比の増大によって、より高い研磨レートが実現され得る。また、砥粒の平均アスペクト比は、スクラッチ低減等の観点から、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。
上記砥粒の形状(外形)や平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡観察により把握することができる。平均アスペクト比を把握する具体的な手順としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、独立した粒子の形状を認識できる所定個数(例えば200個)の砥粒粒子について、各々の粒子画像に外接する最小の長方形を描く。そして、各粒子画像に対して描かれた長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を長径/短径比(アスペクト比)として算出する。上記所定個数の粒子のアスペクト比を算術平均することにより、平均アスペクト比を求めることができる。
研磨用組成物における砥粒の含有量は、典型的には0.01重量%以上であり、0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましく、0.15重量%以上であることがさらに好ましい。砥粒の含有量の増大によって、より高い研磨レートが実現され得る。また、研磨用組成物の分散安定性、コスト削減等の観点から、通常は、上記含有量は、2重量%以下が適当であり、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは1重量%未満、特に好ましくは0.5重量%以下である。
<その他の成分>
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、水溶性高分子、界面活性剤、緩衝剤、キレート剤、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(典型的には、シリコンウェーハのポリシング工程に用いられる研磨用組成物)に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
キレート剤の例としては、研磨用組成物中に含まれ得る金属不純物と錯イオンを形成してこれを捕捉することにより、金属不純物による研磨対象物の汚染を抑制する働きをする。キレート剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
キレート剤の例としては、アミノカルボン酸系キレート剤および有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。アミノカルボン酸系キレート剤の例には、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸およびトリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウムが含まれる。有機ホスホン酸系キレート剤の例には、2-アミノエチルホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2-ジカルボン酸、1-ホスホノブタン-2,3,4-トリカルボン酸およびα-メチルホスホノコハク酸が含まれる。これらのうち有機ホスホン酸系キレート剤がより好ましく、なかでも好ましいものとしてアミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が挙げられる。
水溶性高分子の例としては、セルロース誘導体、デンプン誘導体、オキシアルキレン単位を含むポリマー、窒素原子を含有するポリマー、ビニルアルコール系ポリマー等が挙げられる。具体例としては、ヒドロキシエチルセルロース、プルラン、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合体やブロック共重合体、ポリビニルアルコール、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロイルモルホリン、ポリアクリルアミド等が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。ここに開示される研磨用組成物は、上記水溶性高分子を実質的に含有しない組成であってもよい。
有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸等が挙げられる。有機酸塩の例としては、有機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩等が挙げられる。無機酸の例としては、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸等が挙げられる。無機酸塩の例としては、無機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩が挙げられる。有機酸およびその塩、ならびに無機酸およびその塩は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
防腐剤および防カビ剤の例としては、イソチアゾリン系化合物、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物は、酸化剤を実質的に含まないことが好ましい。研磨用組成物中に酸化剤が含まれていると、当該組成物が研磨対象物(例えばシリコンウェーハ)に供給されることで該研磨対象物の表面が酸化されて酸化膜が生じ、これにより所要研磨時間が長くなってしまうためである。ここでいう酸化剤の具体例としては、過酸化水素(H)、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等が挙げられる。なお、研磨用組成物が酸化剤を実質的に含まないとは、少なくとも意図的には酸化剤を含有させないことをいう。したがって、原料や製法等に由来して微量(例えば、研磨用組成物中における酸化剤のモル濃度が0.0005モル/L以下、好ましくは0.0001モル以下、より好ましくは0.00001モル/L以下、特に好ましくは0.000001モル/L以下)の酸化剤が不可避的に含まれている研磨用組成物は、ここでいう酸化剤を実質的に含有しない研磨用組成物の概念に包含され得る。
研磨用組成物のpHは、8.0以上(例えば8.5以上)であることが好ましく、より好ましくは9.0以上、さらに好ましくは9.5以上(例えば10.0以上)である。研磨用組成物のpHが高くなると、研磨レートが向上する傾向にある。研磨用組成物のpHの上限値は特に制限されないが、12.0以下(例えば11.8以下)であることが好ましく、11.5以下であることがより好ましい。このことによって、研磨対象物をより良く研磨することができる。上記pHは、シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。
<研磨用組成物の調製>
ここに開示される研磨用組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、翼式攪拌機、超音波分散機、ホモミキサー等の周知の混合装置を用いて、研磨用組成物に含まれる各成分を混合するとよい。これらの成分を混合する態様は特に限定されず、例えば全成分を一度に混合してもよく、適宜設定した順序で混合してもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、水系溶媒以外の成分)のうち一部の成分を含むA液と、残りの成分を含むB液とが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。
<研磨液>
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態でエポキシガラス樹脂製の加工キャリアに保持された研磨対象物に供給されて、その研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、該研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液(研磨液の原液)との双方が包含される。ここに開示される研磨用組成物を含む研磨液の他の例として、該組成物のpHを調整してなる研磨液が挙げられる。
ここに開示される研磨液におけるロールアップアミン化合物Aのモル濃度は特に制限されないが、典型的には0.00005モル/L以上であり、0.0001モル/L以上であることが好ましく、0.00015モル/L以上であることがより好ましく、0.0002モル/L以上であることがさらに好ましい。また、通常は、上記モル濃度は、1モル/L以下が適当であり、好ましくは0.5モル/L以下、より好ましくは0.3モル/L以下、さらに好ましくは0.1モル/L以下、例えば0.05モル/L以下である。
ここに開示される研磨液におけるロールオフ化合物Bのモル濃度は特に制限されないが、典型的には0.00005モル/L以上であり、0.0001モル/L以上であることが好ましく、0.001モル/L以上であることがより好ましく、0.002モル/L以上であることがさらに好ましい。また、通常は、上記モル濃度は、1モル/L以下が適当であり、好ましくは0.5モル/L以下、より好ましくは0.3モル/L以下、さらに好ましくは0.1モル/L以下、例えば0.05モル/L以下である。
ここに開示される研磨液における砥粒の含有量は特に制限されないが、典型的には0.01重量%以上であり、0.03重量%以上であることが好ましく、0.05重量%以上であることがより好ましく、0.1重量%以上であることがさらに好ましい。砥粒の含有量の増大によって、より高い研磨レートが実現され得る。また、研磨用組成物の分散安定性等の観点から、通常は、上記含有量は、15重量%以下が適当であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下、例えば1.2重量%以下である。
研磨液のpHは、8.0以上(例えば8.5以上)であることが好ましく、より好ましくは9.0以上、さらに好ましくは9.5以上、特に好ましくは10.0以上(例えば10.5以上)である。研磨液のpHが高くなると、研磨レートが向上する傾向にある。研磨液のpHの上限値は特に制限されないが、12.0以下(例えば11.8以下)であることが好ましく、11.5以下であることがより好ましい。このことによって、研磨対象物をより良く研磨することができる。上記pHは、シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨液に好ましく適用され得る。
<濃縮液>
ここに開示される研磨用組成物は、研磨対象物に供給される前には濃縮された形態(すなわち、研磨液の濃縮液の形態)であってもよい。このように濃縮された形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば、体積換算で2倍~60倍程度とすることができる。
このように濃縮液の形態にある研磨用組成物は、所望のタイミングで希釈して研磨液を調製し、その研磨液を研磨対象物に供給する態様で使用することができる。上記希釈は、典型的には、上記濃縮液に前述の水系溶媒を加えて混合することにより行うことができる。また、上記水系溶媒が混合溶媒である場合、該水系溶媒の構成成分のうち一部の成分のみを加えて希釈してもよく、それらの構成成分を上記水系溶媒とは異なる量比で含む混合溶媒を加えて希釈してもよい。また、後述するように多剤型の研磨用組成物においては、それらのうち一部の剤を希釈した後に他の剤と混合して研磨液を調製してもよく、複数の剤を混合した後にその混合物を希釈して研磨液を調製してもよい。
上記濃縮液における砥粒の含有量は、例えば50重量%以下とすることができる。研磨用組成物の安定性(例えば、砥粒の分散安定性)や濾過性等の観点から、通常、上記含有量は、好ましくは45重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下である。好ましい一態様において、砥粒の含有量を30重量%以下としてもよく、20重量%以下(例えば15重量%以下)としてもよい。また、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から、砥粒の含有量は、例えば1.0重量%以上とすることができ、好ましくは3.0重量%以上、より好ましくは5.0重量%以上、さらに好ましくは7.0重量%以上である。
<用途>
ここに開示される研磨用組成物は、種々の材質および形状を有する研磨対象物の研磨に適用され得る。研磨対象物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン、ステンレス鋼、ゲルマニウム等の金属もしくは半金属、またはこれらの合金;石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ガラス状カーボン等のガラス状物質;アルミナ、シリカ、サファイア、窒化ケイ素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料;炭化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム等の化合物半導体基板材料;ポリイミド樹脂等の樹脂材料;等であり得る。これらのうち複数の材質により構成された研磨対象物であってもよい。なかでも、シリコンからなる表面を備えた研磨対象物の研磨に好適である。ここに開示される技術は、例えば、砥粒としてシリカ粒子を含む研磨用組成物(典型的には、砥粒としてシリカ粒子のみを含む研磨用組成物)であって、研磨対象物がシリコンである研磨用組成物に対して特に好ましく適用され得る。
研磨対象物の形状は特に制限されない。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、板状や多面体状等の、平面を有する研磨対象物、もしくは研磨対象物の端部の研磨(例えばウェーハエッジの研磨)に好ましく適用され得る。
<研磨方法>
ここに開示される研磨用組成物は、シリコン(例えば、単結晶または多結晶のシリコンウェーハ)を研磨するための研磨用組成物として好ましく使用され得る。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(スラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に、濃度調整(例えば希釈)等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。あるいは、上記研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。また、多剤型の研磨用組成物の場合、上記研磨液を用意することには、それらの剤を混合すること、該混合の前に1または複数の剤を希釈すること、該混合の後にその混合物を希釈すること、等が含まれ得る。
次いで、その研磨液を研磨対象物に供給し、常法により研磨する。例えば、研磨対象物の1次研磨工程(典型的には両面研磨工程)を行う場合には、ラッピング工程を経た研磨対象物を一般的な研磨装置にセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記研磨対象物の表面(研磨対象面)に研磨液を供給する。典型的には、上記研磨液を連続的に供給しつつ、研磨対象物の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させる。その後、必要に応じてさらなる2次研磨工程(典型的には片面研磨工程)を経て、最終的にファイナルポリシングを行って研磨対象物の研磨が完了する。
なお、ここに開示される研磨用組成物を用いる研磨工程において使用される研磨パッドは特に限定されない。例えば、不織布タイプ、スウェードタイプ、ポリウレタンタイプ、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもの等のいずれを用いてもよい。
この明細書によると、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む研磨物製造方法が提供される。ここに開示される研磨物製造方法は、上記研磨用組成物を用いる研磨工程を経た研磨対象物にファイナルポリシングを施す工程をさらに含んでもよい。ここでファイナルポリシングとは、目的物の製造プロセスにおける最後のポリシング工程(すなわち、その工程の後にはさらなるポリシングを行わない工程)を指す。上記ファイナルポリシング工程は、ここに開示される研磨用組成物を用いて行ってもよく、他の研磨用組成物を用いて行ってもよい。
好ましい一態様において、上記研磨用組成物を用いる研磨工程は、ファイナルポリシングよりも上流のポリシング工程である。なかでも、ラッピング工程を終えた予備ポリシングに好ましく適用することができる。例えば、ラッピング工程を経た両面研磨工程(典型的には1次研磨工程)や、該両面研磨工程を経た基板に対して行われる最初の片面研磨工程(典型的には最初の2次研磨工程)において好ましく使用され得る。上記両面研磨工程および最初の片面研磨工程では、ファイナルポリシングに比べて要求される研磨レートが大きい。そのため、ここに開示される研磨用組成物は、両面研磨工程および最初の片面研磨工程の少なくとも一方(好ましくは両方)において研磨対象物の研磨に用いられる研磨用組成物として好適である。
なお、上記研磨用組成物は、いったん研磨に使用したら使い捨てにする態様(いわゆる「掛け流し」)で使用されてもよいし、循環して繰り返し使用されてもよい。研磨用組成物を循環使用する方法の一例として、研磨装置から排出される使用済みの研磨用組成物をタンク内に回収し、回収した研磨用組成物を再度研磨装置に供給する方法が挙げられる。研磨用組成物を循環使用する場合には、掛け流しで使用する場合に比べて、廃液として処理される使用済みの研磨用組成物の量が減ることにより環境負荷を低減できる。また、研磨用組成物の使用量が減ることによりコストを抑えることができる。ここに開示される研磨用組成物を循環使用する場合、その使用中の研磨用組成物に、任意のタイミングで新たな成分、使用により減少した成分または増加させることが望ましい成分を添加してもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
≪試験A≫
<研磨用組成物の調製>
(実施例1A)
砥粒とエーテル結合非含有アミン化合物と脱イオン水とを混合して研磨用組成物を調製した。砥粒としてはシリカ粒子(平均一次粒径50nm)を使用した。エーテル結合非含有アミン化合物としてはトリエチレンテトラミン(以下「TETA」と表記する。)を使用した。研磨用組成物における砥粒の含有量は0.5%、TETAの含有量は研磨用組成物のpHが11.2となる量(1%未満)とした。
(実施例2A)
TETAに代えて、N‐エチルエチレンジアミン(以下「NEDA」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるNEDAの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量(1%未満)とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例3A)
TETAに代えて、N‐(2‐アミノエチル)ピペラジン(以下「AEP」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるAEPの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量(1%未満)とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例4A)
TETAに代えて、1,6‐ジアミノヘキサン(以下「DAH」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるDAHの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量(1%未満)とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例5A)
TETAに代えて、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノール(以下「AEAE」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるAEAEの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量(1%未満)とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例1A)
TETAに代えて、水酸化カリウム(以下「KOH」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるKOHの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例2A)
TETAに代えて、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(以下「TEAH」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるTEAHの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例3A)
TETAに代えて、トリエチルアミン(以下「TEA」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるTEAの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例4A)
TETAに代えて、3‐エトキシプロピルアミン(以下「EPA」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるEPAの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例5A)
TETAに代えて、エチレンジアミン(以下「en」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるenの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例6A)
TETAに代えて、1,4‐ブタンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテル(以下「BBAE」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるBBAEの含有量は、研磨用組成物のpHが11.2となる量とした。その他の点は実施例1Aと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
<シリコンの研磨レートの評価>
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液として使用して、シリコンウェーハに対して研磨試験を行い、シリコンの研磨レートおよびエッジロールオフ量を評価した。試験片としては、6cm×6cmのシリコンウェーハ(伝導型:P型、結晶方位:<100>)を使用した。この試験片を以下の条件で研磨した。そして、以下の計算式(a)、(b)に従って研磨レートを算出した。結果を表1の該当欄に示す。
(a)研磨取り代[cm]=研磨前後のシリコンウェーハの重量の差[g]/シリコンの密度[g/cm](=2.33g/cm)/研磨対象面積[cm](=36cm
(b)研磨レート[nm/分]=研磨取り代[μm]×10/研磨時間[分]
[研磨条件]
研磨装置:日本エンギス社製卓上研磨機、型式「EJ-380IN」
研磨パッド :ニッタハース社製、商品名「MH S-15A」
研磨圧力:16.8kPa
定盤回転数:50回転/分
ヘッド回転数:40回転/分
研磨取り代:8μm
研磨液の供給レート:100mL/分(掛け流し使用)
研磨液の温度:25℃
<エッジロールオフ量評価>
研磨後のシリコンウェーハの外周部におけるエッジロールオフ量を評価した。エッジロールオフ量の評価は、Zygo社(米国)製の「NewView 5032」を用いてシリコンウェーハ表面の形状変位量を測定することにより行った。具体的には、シリコンウェーハの外周端から中心に向かって2.0mm~4.0mm位置の比較的平坦な領域を基準領域とし、該領域における形状変位量に対して近似する直線(基準直線)を最小二乗法を用いて引く。次に、上記基準直線上の点を基準点とし、外周端位置におけるシリコンウェーハ形状変位量と上記基準点との差を測定し、これをシリコンウェーハのロールオフ値とした。なお、シリコンウェーハの外周端がダレた形状であればロールオフ値はマイナスとなり、一方、跳ね上がった形状であればロールオフ値はプラスとなる。得られた結果を表1の「ロールオフ値(nm)」の欄に示す。

Figure 0007141339000001
表1に示すように、前記(1)、(2)の何れかの条件を満たすエーテル結合非含有アミン化合物を用いた実施例1A~5Aの研磨用組成物によると、比較例1A~4A、6Aに比べて、シリコンの研磨レートを格段に向上させることができた。また、実施例1A~5Aの研磨用組成物は、比較例1A~6Aに比べて、シリコンウェーハの端面ダレが抑制され、エッジロールオフ量低減効果に優れるものとなった。この結果から、上記エーテル結合非含有アミン化合物を用いることにより、砥粒の含有量を低く抑えつつ、高い研磨レートとエッジロールオフ量の低減とを高いレベルで両立し得ることが確認できた。
≪試験B≫
<ロールオフ量Xおよびロールオフ量X評価>
ロールアップアミン化合物Aのロールオフ量Xおよびロールオフ化合物Bのロールオフ量Xを以下のとおり評価した。まず表2および表3に記載の化合物をそれぞれ水に溶かしてpH11.0に調整した。その後、シリカ砥粒濃度0.5質量%となるように研磨用組成物を調製した。該研磨用組成物を用いて下記の標準研磨試験条件でシリコンウェーハを研磨した。シリコンウェーハの外周端から中心に向かって2.0mm~4.0mm位置の比較的平坦な領域を基準点とし、外周端から0.5mm位置におけるシリコンウェーハ形状変位量と上記基準点との差をロールオフ量Xおよびロールオフ量Xとして算出した。その結果を表2および表3に示す。なお、表2中の「NEDA」はN‐エチルエチレンジアミンであり、「AEAE」は2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノールであり、「TETA」はトリエチレンテトラミンであり、「AEP」はN‐(2‐アミノエチル)ピペラジンであり、「DETA」はジエチレントリアミンである。表3中の「KOH」は水酸化カリウムであり、「TMAH」は水酸化テトラメチルアンモニウムであり、「en」はエチレンジアミンであり、「TEA」はトリエチルアミンであり、「DEA」はジエチルアミンであり、「m-DACy」は1,2-ジアミノシクロヘキサンであり、「EPA」は3-エトキシプロピルアミンであり、「AMB」は2-アミノ-1-メトキシブタンであり、「BBAE」は1,4‐ブタンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテルである。
[標準研磨試験条件]
研磨装置:日本エンギス社製卓上研磨機、型式「EJ-380IN」
研磨パッド :ニッタハース社製、商品名「MH S-15A」
研磨圧力:16.8kPa
定盤回転数:50回転/分
ヘッド回転数:40回転/分
研磨取り代:8μm
研磨液の供給レート:100mL/分(掛け流し使用)
研磨液の温度:25℃
Figure 0007141339000002
Figure 0007141339000003
<研磨用組成物の調製>
(実施例1B)
砥粒とロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bと脱イオン水とを混合して研磨用組成物を調製した。砥粒としてはシリカ粒子(平均一次粒径50nm)を使用した。ロールアップアミン化合物AとしてはN‐エチルエチレンジアミン(以下「NEDA」と表記する。)を使用した。ロールオフ化合物Bとしては水酸化カリウム(以下「KOH」と表記する。)を使用した。研磨用組成物における砥粒の含有量は0.5%、NEDAのモル濃度は0.01モル/L、KOHのモル濃度は0.002モル/Lとした。研磨用組成物のpHは11.0に調整した。
(実施例2B)
NEDAに代えて、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノール(以下「AEAE」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるAEAEのモル濃度は0.02モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例3B)
NEDAに代えて、トリエチレンテトラミン(以下「TETA」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるTETAのモル濃度は0.0003モル/L、KOHのモル濃度は0.004モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例4B)
NEDAに代えて、N‐(2‐アミノエチル)ピペラジン(以下「AEP」と表記する。)を使用した。KOHに代えて、水酸化テトラメチルアンモニウム(以下「TMAH」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるAEPのモル濃度は0.0021モル/L、TMAHのモル濃度は0.006モル/Lとした。研磨用組成物における砥粒の含有量は1.1%とした。その他の成分として炭酸カリウム(KCO)0.035%と、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)水和物0.0025%とを添加した。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例5B)
NEDAに代えて、AEAEを使用した。KOHに代えて、TMAHを使用した。研磨用組成物におけるAEAEのモル濃度は0.0026モル/L、TMAHのモル濃度は0.006モル/Lとした。研磨用組成物における砥粒の含有量は1.1%とした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例6B)
NEDAに代えて、TETAを使用した。KOHに代えて、エチレンジアミン(以下「en」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるTETAのモル濃度は0.0013モル/L、enのモル濃度は0.013モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(実施例7B)
NEDAに代えて、TETAを使用した。KOHに代えて、トリエチルアミン(以下「TEA」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるTETAのモル濃度は0.003モル/L、TEAのモル濃度は0.003モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例1B)
NEDAは用いなかった。研磨用組成物におけるKOHのモル濃度は0.004モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(参考例2B)
KOHは用いなかった。研磨用組成物におけるNEDAのモル濃度は0.018モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(参考例3B)
KOHは用いなかった、NEDAに代えて、AEAEを使用した。研磨用組成物におけるAEAEのモル濃度は0.035モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(参考例4B)
KOHは用いなかった、NEDAに代えて、TETAを使用した。研磨用組成物におけるTETAのモル濃度は0.025モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例5B)
NEDAは用いなかった。KOHに加えて、TMAHを使用した。研磨用組成物におけるKOHのモル濃度は0.0007モル/L、TMAHのモル濃度は0.006モル/Lとした。研磨用組成物における砥粒の含有量は1.1%とした。その他の成分として炭酸カリウム(KCO)0.035%と、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)水和物0.0025%とを添加した。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例6B)
NEDAは用いなかった。KOHに代えて、TMAHとイミダゾール(以下「imd」と表記する。)を使用した。研磨用組成物におけるTMAHのモル濃度は0.006モル/L、imdのモル濃度は0.004モル/Lとした。研磨用組成物における砥粒の含有量は1.1%とした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
(比較例7B)
NEDAは用いなかった。KOHに代えて、enとTEAとを使用した。研磨用組成物におけるenのモル濃度は0.0084モル/L、TEAのモル濃度は0.0014モル/Lとした。その他の点は実施例1Bと同様にして、本例に係る研磨用組成物を調製した。
各例に係る研磨組成物について、使用したロールアップアミン化合物Aの種類およびモル濃度、ロールオフ化合物Bの種類およびモル濃度を表4に纏めて示す。
<シリコンの研磨レートの評価>
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液として使用して、シリコンウェーハに対して研磨試験を行い、シリコンの研磨レートおよびエッジロールオフ量を評価した。試験片としては、6cm×6cmのシリコンウェーハ(伝導型:P型、結晶方位:<100>)を使用した。この試験片を以下の条件で研磨した。そして、以下の計算式(a)、(b)に従って研磨レートを算出した。結果を表4の該当欄に示す。
(a)研磨取り代[cm]=研磨前後のシリコンウェーハの重量の差[g]/シリコンの密度[g/cm](=2.33g/cm)/研磨対象面積[cm](=36cm
(b)研磨レート[nm/分]=研磨取り代[μm]×103/研磨時間[分]
[研磨条件]
研磨装置:日本エンギス社製卓上研磨機、型式「EJ-380IN」
研磨パッド :ニッタハース社製、商品名「MH S-15A」
研磨圧力:16.8kPa
定盤回転数:50回転/分
ヘッド回転数:50回転/分
研磨取り代:8μm
研磨液の供給レート:100mL/分(掛け流し使用)
研磨液の温度:25℃
<エッジロールオフ量評価>
研磨後のシリコンウェーハの外周部におけるエッジロールオフ量を評価した。エッジロールオフ量の評価は、Zygo社(米国)製の「NewView 5032」を用いてシリコンウェーハ表面の形状変位量を測定することにより行った。具体的には、シリコンウェーハの外周端から中心に向かって2.0mm~4.0mm位置の比較的平坦な領域を基準領域とし、該領域における形状変位量に対して近似する直線(基準直線)を最小二乗法を用いて引く。次に、上記基準直線上の点を基準点とし、外周端から0.5mm位置におけるシリコンウェーハ形状変位量と上記基準点との差を測定し、これをシリコンウェーハのロールオフ量とした。なお、シリコンウェーハの外周端がダレた形状であればロールオフ量はマイナスとなり、一方、跳ね上がった形状であればロールオフ量はプラスとなる。得られた結果を表4の「ロールオフ量(nm)」の欄に示す。
Figure 0007141339000004
表4に示すように、ロールアップアミン化合物Aとロールオフ化合物Bとを組み合わせて用いた実施例1B~7Bの研磨用組成物は、何れもロールオフ量が±70nm以内となり、比較例1B、参考例2B~4B、比較例5B~7Bに比べて研磨後表面の平坦性が良好であった。この結果から、上記ロールアップアミン化合物Aと上記ロールオフ化合物Bとを組み合わせて用いることにより、エッジ近傍と中央部とで厚み差が少ない平坦性のよい研磨後表面を実現し得ることが確認できた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (9)

  1. 砥粒と、水と、下記一般式(a):
    -N(R )-(CH -NH (a)
    (式中、R 、R は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から選択される。R 、R は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1~15の整数である。ただし、R 、R の両方が水素原子の場合、nは3~15の整数である。)で表されるエーテル結合非含有アミン化合物と
    を含み、
    前記砥粒の含有量が2重量%以下である、研磨用組成物。
  2. 前記エーテル結合非含有アミン化合物の含有量が1重量%未満である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記砥粒の含有量が1重量%未満である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記砥粒はシリカ粒子である、請求項1から3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. シリコンの研磨に用いられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 砥粒と水と
    下記一般式(a):
    -N(R )-(CH -NH (a)
    (式中、R 、R は:それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびヒドロキシアルキル基;および、互いに結合して環状構造を形成しているアミノアルキル基;からなる群から選択される。R 、R は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1~15の整数である。ただし、R 、R の両方が水素原子の場合、nは3~15の整数である。)で表されるエーテル結合非含有アミン化合物であるロールアップアミン化合物Aと
    (B1)アンモニア、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物および金属水酸化物からなる群から選択された少なくとも1種の塩基性化合物;
    (B2)下記一般式(b2):
    -NR -R (b2)
    (式中、R 、R 、R は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~15のアルキル基および1級アミノ基を有していないアミノアルキル基から選択される。ただし、R 、R 、R のうち少なくとも2つは、水素原子以外の基である。R 、R 、R は、C-C間もしくはC-N間に二重結合を有していてもよい。また、R 、R は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)で表されるアミン化合物;および
    (B4)分子内の2つの1級アミノ基間に炭素原子数1または2の炭化水素基を有するアミン化合物;
    からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であるロールオフ化合物Bと
    を含み、
    前記砥粒の含有量が2重量%以下である、研磨用組成物。
  7. 前記ロールアップアミン化合物Aおよびロールオフ化合物Bのモル濃度の比(ロールアップアミン化合物A:ロールオフ化合物B)が1:500~200:1の範囲である、請求項6に記載の研磨用組成物。
  8. 前記砥粒はシリカ粒子である、請求項6または7に記載の研磨用組成物。
  9. シリコンの研磨に用いられる、請求項6からのいずれか一項に記載の研磨用組成物。
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