JP7141076B2 - 高周波焼入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状ワークの内面を高周波焼入する際に使用される内面焼入用冷却ジャケットに関するものである。また、本発明は、筒状ワークの内面を高周波焼入する高周波焼入装置の加熱コイルと冷却ジャケットの配置構造に関するものである。
一般に、鉄鋼材料からなるワークを高周波焼入する場合、まず、ワークに近接対向した加熱コイルに高周波電力を供給してワークを焼入温度に達するまで高周波誘導加熱し、引き続き冷却ジャケットからワークに向けて冷却液を噴射供給し、ワークを急冷する。
どの様な形状のワークであってもこの手順は変わらず、高周波焼入では、誘導加熱による加熱工程の後、冷却工程が実施される。
具体的には、ワークが筒状を呈しており、ワークの筒の内面を高周波焼入する場合には、ワークの内部に加熱コイルや冷却ジャケットが配置され、ワークの内面が誘導加熱された後冷却液が噴射供給され、加熱された内面が冷却される。
特許文献1には、筒状ワークの内面を高周波焼入することができる装置が開示されている。特許文献1に開示されている従来の装置では、冷却ジャケットと螺旋形状の加熱コイルが上下に配置されており、下方の加熱コイルが先に筒状ワークの内部に配置され、誘導加熱(加熱工程)が行われる。誘導加熱が完了すると、加熱コイルが下方に移動して筒状ワークの内部から退避し、さらに上方の冷却ジャケットが筒状ワークの内部に配置され、冷却ジャケットが冷却液を噴射して筒状ワークの内面の冷却(冷却工程)が行われる。
すなわち、特許文献1の装置は、加熱コイルと冷却ジャケットが、筒状ワークに対して上下に相対移動し、筒状ワークの内面の誘導加熱と冷却が順に実施される様に構成されている。
特開2007-294165号公報
特許文献1に開示されている様な従来の装置では、加熱工程が終了すると、筒状ワークの内部から加熱コイルが退避すると共に、筒状ワークの内部に冷却ジャケットが配置されて冷却工程が開始される。そのため、加熱コイルと冷却ジャケットを移動させる必要があり、加熱工程が終了してから、冷却工程が開始されるまでに時間差が生じてしまう。この時間差は、ワークの内面の高周波焼入の品質に悪影響を及ぼす恐れがある。
この時間差を解消し、加熱工程の後に冷却工程を速やかに開始するためには、筒状ワークの内部に加熱コイルと冷却ジャケットを同時に配置し、加熱コイルへの高周波電力の供給を遮断する(加熱工程終了)と同時に、冷却ジャケットからの冷却液の噴射(冷却工程)を開始することができる様にすることが考えられる。
ところが、特許文献1に開示されている様に、筒状ワークの内面を高周波誘導加熱するための従来の加熱コイルは螺旋形状を呈しており、螺旋の内部には加熱コイルの戻りのリードが設けられている。そのため、加熱コイルの螺旋の内部に冷却ジャケットを配置する空間を確保することができない。
特に筒状ワークの内径が小径であると、加熱コイルの螺旋の内部に冷却ジャケットを配置することができず、筒状ワークの内部に加熱コイルと冷却ジャケットを同時に配置するのは極めて困難である。
そこで本発明は、筒状ワークの内面を良好に高周波焼入することができる筒状ワークの内面焼入用冷却ジャケットを提供することを目的としている。また、本発明は、筒状ワークの内面を良好に高周波焼入することができる高周波焼入装置の加熱コイルと冷却ジャケットの配置構造を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために開発された本発明の一つの態様は、高周波電流が通電される加熱コイルと冷却液を噴射する冷却ジャケットとを、筒状ワークの内部に配置する高周波焼入装置であって、前記加熱コイルは、一続きの導体で構成されていて前記筒状ワークの上側に配置された開口から内部に入る方向に延びる対向部と、前記上側に配置された開口側へ戻る方向に延びる対向部とが同数設けられたものであり、前記各対向部は筒状ワークの内面に近接するものであって、各対向部同士は離間しており、前記各対向部は、前記各対向部が配置された領域よりも内側の領域には空間が存在し、前記冷却ジャケットは、前記各対向部よりも筒状ワークの内面から離間しており、前記各対向部の間から筒状ワークの内面に冷却液を噴射可能であり、前記冷却ジャケットから噴射された冷却液が、筒状ワークの内部から流出するのを阻害し、前記筒状ワークの上側に配置された遮蔽部材を有し、前記上側に配置された遮蔽部材は、前記上側に配置された開口と隙間を有するように離れて配置されている高周波焼入装置である。
好ましい態様は、前記上側に配置された遮蔽部材の面積は、前記上側に配置された開口の面積より大きい高周波焼入装置である。
さらに好ましい態様は、前記筒状ワークは、前記筒状ワークの下側に開口と、前記冷却ジャケットから噴射された冷却液が、筒状ワークの内部から流出するのを阻害し、前記筒状ワークの下側に配置された遮蔽部材とをさらに有し、前記下側に配置された遮蔽部材は、前記下側に配置された開口と隙間を有するように離れて配置されている高周波焼入装置である。
さらに好ましい態様は、前記下側に配置された遮蔽部材の面積は、前記下側に配置された開口の面積より小さい高周波焼入装置である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の一つの態様は、高周波電流が通電される加熱コイルと共に筒状ワークの内部に配置され、前記筒状ワークの内面の高周波焼入に使用される筒状ワークの内面焼入用冷却ジャケットであって、前記加熱コイルは、一続きの導体で構成されていて前記筒状ワークの開口から内部に入る対向部と、前記開口側へ戻る対向部とが同数設けられたものであり、前記各対向部は筒状ワークの内面に近接するものであって、各対向部同士は離間しており、前記冷却ジャケットは、前記各対向部よりも筒状ワークの内面から離間していることを特徴とする筒状ワークの内面焼入用冷却ジャケットである。
請求項1に記載の発明では、高周波電流が通電される加熱コイルが、一続きの導体で構成されていて筒状ワークの開口から内部に入る対向部と、開口側へ戻る対向部とが同数設けられたものであり、各対向部は筒状ワークの内面(内周面)に近接するものであって、各対向部同士は離間している。
すなわち、加熱コイルの各対向部は、筒状ワークの内面に近接しており、加熱コイルに高周波電流が通電されると、筒状ワークの内面に高周波誘導電流を励起させることができる。また、加熱コイルの各対向部が筒状ワークの内面に近接しているため、筒状ワークの内部における、各対向部が配置された領域よりも内側の領域には空間が存在する。そのため、筒状ワークの内部であって、加熱コイルの各対向部が配置された領域よりも内側の領域の空間に冷却ジャケットを配置することができる。
また、冷却ジャケットは、加熱コイルの各対向部よりも筒状ワークの内面から離間しており、各対向部の間から筒状ワークの内面に冷却液を噴射可能である。すなわち、冷却ジャケットから噴射された冷却液は、各対向部の間を通過して筒状ワークの内面に達する。
そのため、加熱コイルの各対向部に高周波電流を通電して筒状ワークの内面を高周波誘導加熱した後、時間差なく速やかに冷却ジャケットから冷却液を噴射し、筒状ワークの昇温した内面を急冷することができる。換言すると、高周波誘導加熱時に冷却ジャケットが筒状ワークの内部に予め配置されているので、高周波誘導加熱した後に時間差なく速やかに筒状ワークの加熱部位の冷却を開始することができる。よって、本発明によると、筒状ワークの内面の高周波焼入を良好に実施することができる。
さらに、筒状ワークの内径が小径である場合においても、筒状ワークの内部における、加熱コイルが配置された領域よりも内側の領域の空間に冷却ジャケットを配置することができるので、高周波誘導加熱の終了と冷却液の噴射開始とを時間差なく行うことができ、筒状ワークの内面を良好に高周波焼入することができる。
ここで、加熱コイルにおける、筒状ワークの開口から内部に入る対向部と、前記開口側へ戻る対向部は同数であり、各々最低1つずつあればよいが、加熱効率を考慮すると、各々2つ以上あるのが好ましい。すなわち、筒状ワークの開口から内部に入る対向部が2つ以上あり、開口側へ戻る対向部が2つ以上あるのが好ましい。
また、筒状ワークの開口から内部に入る対向部及び開口側へ戻る対向部は、筒状ワークの軸線に沿った直線状のものや、筒状ワークの軸線方向に延びると共に周方向にも延びる曲線状のものとすることができる。すなわち、複数の直線状の導体や複数の曲線状の導体を、間隔を置いて配置し、筒状ワークの内面に近接させる。
請求項2に記載の発明は、高周波電流が通電される加熱コイルと共に筒状ワークの内部に配置され、前記筒状ワークの内面の高周波焼入に使用される内面焼入用冷却ジャケットであって、前記加熱コイルは、一続きの導体で構成されていて複数の直線部を有しており、前記加熱コイルを筒状ワークの内部に配置した際に、加熱コイルの両端は筒状ワークの同じ側にあって前記各直線部は筒状ワークの軸線に沿っており、前記各直線部は筒状ワークの内面に近接するものであって、各直線部同士は離間しており、前記冷却ジャケットは、加熱コイルの前記各直線部よりも筒状ワークの半径方向の中心側に配置されていることを特徴とする筒状ワークの内面焼入用冷却ジャケットである。
請求項2に記載の発明では、高周波電流が通電される加熱コイルが、一続きの導体で構成されていて複数の直線部を有しており、加熱コイルを筒状ワークの内部に配置した際に、加熱コイルの両端は筒状ワークの同じ側にあって各直線部は筒状ワークの軸線に沿っており、各直線部は筒状ワークの内面に近接するものであって、各直線部同士は離間している。
すなわち、加熱コイルの各直線部は、筒状ワークの内面に近接しており、筒状ワークの内部における、各直線部が配置された領域よりも内側の領域には空間が存在する。そのため、筒状ワークの内部であって、加熱コイルの各直線部が配置された領域よりも内側の領域の空間に冷却ジャケットを配置することができる。すなわち、冷却ジャケットは、高周波焼入時には、加熱コイルの各直線部よりも筒状ワークの半径方向の中心側に配置されている。
そして、冷却ジャケットは、加熱コイルの各直線部の間から筒状ワークの内面(内周面)に冷却液を噴射可能である。すなわち、加熱コイルの各直線部は、筒状ワークの開口から内部筒状ワークの軸線に沿っている上に、各直線部同士は離間しているので、冷却ジャケットから噴射された冷却液は、各直線部の間を通過して筒状ワークの内面に達する。
そのため、冷却ジャケットから噴射された冷却液によって、筒状ワークの内面における開口側から内部側に至るまで冷却することができる。
その結果、加熱コイルの各直線部に高周波電流を通電して筒状ワークの内面を高周波誘導加熱した後、時間差なく速やかに冷却ジャケットから冷却液を噴射し、筒状ワークの昇温した内面を急冷することができる。換言すると、高周波誘導加熱時に冷却ジャケットが筒状ワークの内部に予め配置されているので、高周波誘導加熱した後に時間差なく速やかに筒状ワークの加熱部位の冷却を開始することができる。よって、本発明によると、筒状ワークの内面の高周波焼入を良好に実施することができる。
さらに、筒状ワークの内径が小径である場合においても、筒状ワークの内部における、加熱コイルが配置された領域よりも内側の領域に冷却ジャケットを配置することができるので、高周波誘導加熱の終了と冷却液の噴射開始とを時間差なく行うことができ、筒状ワークの内面を良好に高周波焼入することができる。
請求項3に記載の発明は、内面焼入用冷却ジャケットから噴射された冷却液が、筒状ワークの内部から流出するのを阻害する遮蔽部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の筒状ワークの内面焼入用冷却ジャケットである。
請求項3に記載の発明では、筒状ワークの内部で噴射された冷却液が、遮蔽部材によって筒状ワークの内部から外部へ流出するのが阻害される。そのため、噴射された冷却液が筒状ワーク内に留まり易くなる。その結果、筒状ワークの内面に冷却液が接触する機会又は時間が増え、筒状ワークの内面に空気が触れにくくなり、筒状ワークの内面の冷却効率が向上する。すなわち、筒状ワークの内面が良好に冷却される。
請求項4に記載の発明は、高周波電流が通電される加熱コイルと冷却液を噴射する冷却ジャケットを、筒状ワークの内部に配置する高周波焼入装置の加熱コイルと冷却ジャケットの配置構造であって、前記加熱コイルは、一続きの導体で構成されていて前記筒状ワークの開口から内部に入る対向部と、前記開口側へ戻る対向部とが同数設けられたものであり、前記各対向部は筒状ワークの内面に近接するものであって、各対向部同士は離間しており、前記冷却ジャケットは、前記各対向部よりも筒状ワークの内面から離間していることを特徴とする高周波焼入装置の加熱コイルと冷却ジャケットの配置構造である。
請求項4に記載の発明では、高周波電流が通電される加熱コイルが、一続きの導体で構成されていて筒状ワークの開口から内部に入る対向部と、開口側へ戻る対向部とが同数設けられたものであり、各対向部は筒状ワークの内面に近接するものであって、各対向部同士は離間している。
すなわち、加熱コイルの各対向部は、筒状ワークの内面(内周面)に近接しており、加熱コイルに高周波電流が通電されると、筒状ワークの内面に高周波誘導電流を励起させることができる。また、加熱コイルの各対向部が筒状ワークの内面に近接しているため、筒状ワークの内部における、各対向部が配置された領域よりも内側の領域には空間が存在する。そのため、筒状ワークの内部であって、加熱コイルの各対向部が配置された領域よりも内側の領域の空間に冷却ジャケットを配置することができる。
また、冷却ジャケットは、各対向部よりも筒状ワークの内面から離間しており、各対向部の間から筒状ワークの内面に冷却液を噴射可能である。
すなわち、加熱コイルは、筒状ワークの開口から内部に入る対向部と、開口側へ戻る対向部とが同数設けられたものであり、各対向部同士は離間しているので、冷却ジャケットから噴射された冷却液は、各対向部の間を通過して筒状ワークの内面に達する。
そのため、冷却ジャケットから噴射された冷却液によって、筒状ワークの内面は冷却される。
その結果、加熱コイルの各対向部に高周波電流を通電して筒状ワークの内面を高周波誘導加熱した後、時間差なく速やかに冷却ジャケットから冷却液を噴射し、筒状ワークの内面を急冷することができる。
換言すると、高周波誘導加熱時に冷却ジャケットが筒状ワークの内部に予め配置されているので、高周波誘導加熱した後に時間差なく速やかに加熱部位である筒状ワークの内面の冷却を開始することができる。よって、本発明によると、筒状ワークの内面の高周波焼入を良好に実施することができる。
さらに、筒状ワークの内径が小径である場合においても、筒状ワークの内部における、加熱コイルが配置された領域よりも内側の領域に空間を確保することができる。そのため、高周波誘導加熱を実施する際に、当該空間に冷却ジャケットを予め配置しておくことができる。その結果、高周波誘導加熱の終了と冷却液の噴射開始とを時間差なく行うことができ、筒状ワークの内面を良好に高周波焼入することができる。
また、筒状ワークの開口から内部に入る対向部及び開口側へ戻る対向部は、筒状ワークの軸線に沿った直線状のものや、筒状ワークの軸線方向に延びると共に周方向にも延びる曲線状のものとすることができる。すなわち、複数の直線状の導体や複数の曲線状の導体を、間隔を置いて配置し、筒状ワークの内面に近接させる。
本発明の筒状ワークの内面焼入用冷却ジャケットは、加熱コイルの複数の直線部と共に筒状ワークの内部に配置することができる。そのため、筒状ワークの内面を高周波誘導加熱した後、時間差なく速やかに冷却液を噴射供給して焼入温度まで昇温した内面を急冷することができ、筒状ワークの内面の高周波焼入を良好に実施することができる。
また、本発明の高周波焼入装置の加熱コイルと冷却ジャケットの配置構造によると、筒状ワークの内部に加熱コイルの複数の直線部と冷却ジャケットを同時に配置することができ、筒状ワークの内面を高周波誘導加熱した後、時間差なく速やかに冷却液を噴射供給して内面を急冷することができ、筒状ワークの内面の高周波焼入を良好に実施することができる。
本発明の実施形態に係る高周波焼入装置の概要を示す説明図である。 図1の高周波焼入装置の高周波誘導加熱装置と冷却ジャケットとを離間させた状態を示す説明図である。 図1のA-A矢視図であり、(a)は、加熱コイルの断面形状が円管状である場合を示し、(b)は、加熱コイルの断面形状が四角管状であって、さらに加熱コイルの周囲にコア部材が設けられている状態を示す。 本発明の他の実施形態に係る高周波焼入装置の説明図であり、加熱コイルと冷却ジャケットが筒状ワークの下方側から配置される場合を示す。 本発明のさらに他の実施形態に係る高周波焼入装置の主要部を示す説明図であり、冷却ジャケットに遮蔽部材が設けられている状態を示す。 (a)は、円錐形の内面を有する筒状ワークの内部に加熱コイルと冷却ジャケットを配置した状態を示す断面図であり、(b)は、(a)の加熱コイルの斜視図であり、(c)は、筐体の外形が円錐形状の冷却ジャケットが筒状ワークの内部に配置されている状態を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示す様に、本発明の実施形態に係る内面焼入用冷却ジャケット3(冷却液供給装置であって、以下単に冷却ジャケット3と称する。)は、高周波誘導加熱装置2と共に高周波焼入装置1を構成している。高周波焼入装置1は、図2に示す筒状ワーク20の内面23(内周面)を高周波焼入するものである。
冷却ジャケット3は、筐体3aと冷却液供給配管10を有している。
筐体3aは細長い円筒状の部材であり、内部には空洞が設けられており、周面(円筒側壁)には多数の噴射孔11が設けられている。各噴射孔11は、筐体3aの内部と外部とを連通させる小径の孔であり、筐体3aの円筒側壁の全周囲に渡って等間隔に分布している。各噴射孔11は、筐体3a内に供給された冷却液を外部に向けて噴射するノズルとして機能する。
また、円筒状の筐体3aの一方の端部は閉じており、他方の端部は図示していないが開口している。筐体3aの開口した端部には、接続部10aを介して冷却液供給配管10が接続されている。すなわち、筐体3aは有底の筒状の部材であり、開口を有する一方の端部に接続部10aが設けられている。筐体3aは、図示しない支持機構によって所定の姿勢で支持されている。
冷却液供給配管10は、可撓性を有する配管であり、図示しない冷却液供給源から筐体3aに冷却液を導くことができる。
冷却液供給配管10内には加圧された冷却液が供給されており、冷却液供給配管10の途中の部位には、開閉弁16が設けられている。すなわち、この開閉弁16を開閉することによって、冷却液供給配管10内の加圧された冷却液の、筐体3a側へ供給と供給の遮断とを切り替えることができる。開閉弁16の動作は、図示しない制御装置によって制御されている。また、開閉弁16の開閉動作を、作業者による手動で行うこともできる。
高周波誘導加熱装置2は、図1に示す様に、高周波発振器5、変圧器6、加熱コイル7等を有している。高周波誘導加熱装置2は、商用電源4の交流電力を高周波電力に変換し、加熱コイル7に高周波電流を通電するものである。
図2に示す様に、加熱コイル7は、一続きの一本の導体で構成されており、順に、往き側直線部8a(対向部)、つなぎ導体部17a、戻り側直線部9a(対向部)、つなぎ導体部17b、往き側直線部8b(対向部)、つなぎ導体部17c、戻り側直線部9b(対向部)、つなぎ導体部17dが連続した構造を有している。
往き側直線部8aの一端側は、リード部18aの一端側と連続している。また、戻り側直線部9bの一端は、つなぎ導体部17dを介してリード部18bの一端と連続している。リード部18a、18bは絶縁された状態で近接している。
リード部18aの他端側には、変圧器6の二次側に接続される接点部19aが設けられている。また、リード部18bの他端側には、変圧器6の二次側に接続される接点部19bが設けられている。
加熱コイル7は、銅又は銅合金等の良導体で形成されており、管状の中空構造を呈している。加熱コイル7の内部の中空部分には、加熱コイル7自身を冷却する冷却液を通すことができる。
図2に示す様に、往き側直線部8a、戻り側直線部9a、往き側直線部8b、戻り側直線部9bは平行であり、等間隔に同一円周上に配置されている。すなわち、各直線部8a、9a、8b、9bの各々の中心は、図3(a)に示す仮想円C上に配置されており、各直線部8a、9a、8b、9bは、仮想円Cを中心とする環状(ドーナツ状)の領域S1内に配置されている。領域S1の幅の大きさは、各直線部の直径(外径)と同じである。
図3(a)に示す様に、各直線部8a、9a、8b、9bが配置された環状(立体的には筒状)の領域S1よりも内側(内周側)の領域S2は、円形状(立体的には円柱状)の空間を形成している。この領域S2内の空間には冷却ジャケット3の筐体3aが配置されている。
領域S2の直径は、筐体3aの直径よりも大きい。そのため、仮想円Cの中心に筐体3aの中心を一致させると、筐体3aと加熱コイル7の各直線部8a、9a、8b、9bとの間には隙間が形成される。
すなわち、冷却ジャケット3の筐体3aを、各直線部8a、9a、8b、9bに接触させることなく領域S2内に配置することができる。
また、図3(a)に示す様に、領域S1の外径は筒状ワーク20の内径より小さい。そのため、加熱コイル7の各直線部8a、9a、8b、9bを、筒状ワーク20の内面23に接触させることなく筒状ワーク20の内部に配置することができる。
換言すると、仮想円Cの直径は、各直線部8a、9a、8b、9bを筒状ワーク20の内部に配置した際に、各直線部8a、9a、8b、9bが筒状ワーク20の内面23に接触せず、さらに、領域S2に冷却ジャケット3の筐体3aを配置した際に、冷却ジャケット3の筐体3aが各直線部8a、9a、8b、9bに接触しない大きさに設定されている。
つなぎ導体部17a~17cの長さは同じであり、図示していないが、つなぎ導体部17a~17cの中心軸線は、仮想円C(円周)に沿って湾曲している。すなわち、つなぎ導体部17a~17cの中心は仮想円C上にあり、つなぎ導体部17a~17cは環状(筒状)の領域S1に配置されている。
また、つなぎ導体部17dの中心軸線は、仮想円C(円周)に沿って湾曲していると共に、戻り側直線部9bとリード部18bとを接続する長さを有している。
次に、高周波焼入装置1による筒状ワーク20の高周波焼入について説明する。
筒状ワーク20は貫通孔を有しており、貫通孔には内面23と開口22a、22bが形成されている。この内面23が高周波焼入処理の対象部位である。
図1に示す様に、筒状ワーク20は、上方側に開口22aが配置され、下方側に開口22bが配置される様に、軸線が上下方向を向いた姿勢で図示しない支持機構(支持台)によって支持されている。また、支持機構によって支持された筒状ワーク20は、図示しない駆動機構によって軸心回りに回転駆動が可能である。
この筒状ワーク20の内部に、加熱コイル7と冷却ジャケット3(筐体3a)を配置する。図1に示す例では、加熱コイル7は筒状ワーク20の上方の開口22a側から内部に挿入されており、冷却ジャケット3の筐体3aは、筒状ワーク20の下方の開口22b側から内部に挿入されている。
加熱コイル7の各直線部8a、9a、8b、9bは、筒状ワーク20の軸線に沿っており、各直線部8a、9a、8b、9bは、図3(a)に示す様に、それぞれ筒状ワーク20の内面23に近接対向している。また、各直線部8a、9a、8b、9bは、90度間隔(等間隔)に配置されており、各直線部同士は離間している。また、各つなぎ導体部17a~17dも内面23と近接している。
加熱コイル7を平面視すると、各直線部8a、9a、8b、9bとつなぎ導体部17a~17dが仮想円Cに沿って環状につながっており、仮想円Cの中心側の領域S2には空間が形成されている。この領域S2に冷却ジャケット3の筐体3aが配置されている。筐体3aは内面23と対向している。
筐体3aは領域S2内にあるため、領域S1に配置された各直線部8a、9a、8b、9bよりも、筒状ワーク20の半径方向の中心側にある。そのため、筐体3aから内面23までの距離は、加熱コイル7(各直線部8a、9a、8b、9b及び各つなぎ導体部17a~17d)から内面23までの距離よりも長い。
次に、筒状ワーク20の内面23の高周波焼入について説明する。
図1に示す様に、筒状ワーク20の内部に加熱コイル7と冷却ジャケット3(筐体3a)が配置された状態で、図示しない駆動機構によって筒状ワーク20を回転駆動する。これにより、筒状ワーク20の内面23の全面(全周囲)が、各直線部8a、8b、9a、9bと順次近接対向する。
さらに、高周波誘導加熱装置2を稼働させ、加熱コイル7に高周波電流を通電する。
これにより、筒状ワーク20の内面23の全周に渡って高周波誘導電流が励起され、内面23が一様に高周波誘導加熱されて焼入温度まで昇温する。
次に、高周波誘導加熱装置2による加熱コイル7への通電を停止すると共に、冷却液供給配管10に設けられた開閉弁16を開き、冷却液13を冷却ジャケット3の筐体3aに供給し、筐体3aの各噴射孔11(ノズル)から冷却液13(図3(a))を噴射する。噴射された冷却液13は、筐体3aの全周囲に飛散し、一部は加熱コイル7に当たるが、大半は加熱コイル7の各直線部8a、8b、9a、9bの間を通って焼入温度に昇温した内面23(筒状ワーク20)に達し、内面23を冷却する。筒状ワーク20は、図示しない駆動機構によって回転駆動されているため、内面23の全面(全領域)が冷却液13によって冷却される。
筒状ワーク20の内面23が所定温度まで急冷されると、開閉弁16を閉じて冷却液13の噴射を停止させる。さらに筒状ワーク20の回転駆動を停止し、高周波焼入が完了する。
そして、加熱コイル7(各直線部8a、9a、8b、9b及び各つなぎ導体部17a~17d)及び冷却ジャケット3(筐体3a)が筒状ワーク20の内部から退避し、筒状ワーク20が図示しない支持機構(支持台)から取り外される。
高周波焼入装置1の各動作や、筒状ワーク20の回転駆動は、図示しない制御装置によって司られている。
図1に示す例では、加熱コイル7を筒状ワーク20の上方側の開口22aから筒状ワーク20の内部に挿入する場合を示したが、加熱コイル7や冷却ジャケット3は、筒状ワーク20の上方側の開口22aと下方側の開口22bのいずれから挿入するようにしてもよい。例えば、図4に示す様に、加熱コイル7と冷却ジャケット3の両方を筒状ワーク20の下方側の開口22bから挿入することもできる。
また、図3(a)に示す様に、各直線部8a、8b、9a、9bが筒状ワーク20の軸心方向にのびているので、各直線部8a、8b、9a、9bが配置された仮想円C(領域S1)の内側の領域S2に空間を確保することができる。そのため、この空間(領域S2)に透磁率の高いケイ素鋼からなるコア部材を配置することが可能である。
具体的には、図3(b)に示す様に、横断面形状が四角筒状の各直線部(往き側直線部24a、24b(対向部)、戻り側直線部26a、26b(対向部))を使用し、各直線部24a、24b、26a、26bにおける、筒状ワーク20の内面23との対向部分以外の部位に磁性率の高いコア部材34を装着することもできる。すなわち、仮想円C(領域S1)の内部側の領域S2に確保された空間にコア部材34を配置することができる。これにより、高周波誘導加熱時には、筒状ワーク20の内面23に良好に高周波誘導電流を励起させることができるようになる。
ここで本実施形態では、加熱コイル7における、筒状ワーク20の開口22aから内部に入る往き側直線部8a、8b(24a、24b)と、開口22a側へ戻る戻り側直線部9a、9b(26a、26b)は同数であり、それぞれ2つずつ設けたが、往き側直線部と戻り側直線部の数は同数であればいくつであってもよく、各々最低1つずつあればよい。しかし、加熱効率を考慮すると、本実施形態の様に各々2つ以上あるのが好ましい。
また、加熱コイル7の各直線部は、仮想円Cの円周上に必ずしも等間隔(中心角が等角度間隔)で配置されている必要はないが、内面23の加熱(高周波誘導加熱)のバランスを考慮すると等間隔であるのが好ましい。具体的には、往き側直線部と戻り側直線部が1つずつ設けられた場合には、仮想円Cの中心角が180度の間隔で配置されているのが好ましく、往き側直線部と戻り側直線部が2つずつ設けられた場合には、仮想円Cの中心角が90度の間隔で各直線部が配置されているのが好ましい。
次に、高周波焼入装置1の変形例について説明する。
焼入温度に達した筒状ワーク20の内面23を冷却する際に、冷却を速やかに進める(すなわち、内面23の温度を速やかに低下させる)ため、図5に示す様に、冷却ジャケット3に遮蔽部材12a、12bを設けることもできる。遮蔽部材12a、12bは、筒状ワーク20の上側の開口22aから挿入される冷却ジャケット3の筐体3aに設けられている。遮蔽部材12a、12bは、筐体3aに対して一体固着されている。
遮蔽部材12aは、筒状ワーク20の開口22aよりも大きい面積を有する円板状の部材であり、筐体3aにおける冷却液供給配管10との接続部10a付近に設けられている。また、遮蔽部材12bは、筒状ワーク20の開口22aより小さい面積を有する板状の部材であり、筐体3aの先端部分(下端部分)に設けられている。
遮蔽部材12a、12bの間隔は、筒状ワーク20の長さ寸法よりも大きい。また、遮蔽部材12bは、筒状ワーク20の内径より小さい内径を有する円板である。そのため、筒状ワーク20の上側の開口22aの外側に遮蔽部材12aを配置すると共に、筒状ワーク20の下側の開口22bの外側に遮蔽部材12bを配置することができる。すなわち、筐体3aを筒状ワーク20の開口22a側から内部に進入させ、図5に示す様に遮蔽部材12bを開口22bの外部に至らせることができる。
また、遮蔽部材12aの固着位置は、冷却ジャケット3(筐体3a)を筒状ワーク20の内部に配置した際に、開口22aとの間に若干の隙間ができる程度の位置に設定されている。同様に、遮蔽部材12bの固着位置は、冷却ジャケット3(筐体3a)を筒状ワーク20の内部に配置した際に、開口22bとの間に若干の隙間ができる程度の位置に設定されている。
すなわち、遮蔽部材12a、12bは筒状ワーク20と接触しない。また、遮蔽部材12a、12bは、電磁誘導の影響を受けにくい素材で形成されている。これにより、筒状ワーク20の内面23の熱処理に悪影響が及ぼされることが回避されている。
遮蔽部材12a、12bは、冷却ジャケット3から噴射された冷却液13が、筒状ワーク20の外部に飛散するのを阻害する。すなわち、遮蔽部材12a、12bが抵抗となり、図5において符号14a、14bで示す様に、本来なら筒状ワーク20の外部に流出する冷却液の一部を筒状ワーク20内に滞留させる。これにより、筒状ワーク20の内面23が冷却液に接触する機会が増える。すなわち、内面23に空気が接触しにくくなり、内面23が良好に冷却される。遮蔽部材12aを設けることによって、内面23における特に上端部分(開口22a付近)が冷却液と常時接触し易くなり、内面23の上端部分が良好に冷却される。
同様に、遮蔽部材12bを設けることによって、内面23における特に下端部分(開口22b付近)が冷却液と常時接触し易くなり、内面23の下端部分が良好に冷却される。本来なら筒状ワーク20の外部に流出する冷却液の一部を筒状ワーク20の内部側に滞留させることもできる。すなわち、遮蔽部材12bを設けることにより、遮蔽部材12bが抵抗となって、筒状ワーク20内から排出される冷却液15の量が少なくなり、内面23が冷却液に常時接触し易くなる。よって、内面23に空気が接触しにくくなり、内面23が良好に冷却される。
図5では示していないが、筐体3aに遮蔽部材12aを設ける場合には、遮蔽部材12aに、加熱コイル7と連続したリード部18a、18b(図1)を通過させる切欠部を設ける。切欠部は、円板状の遮蔽部材12aの外縁の一部を半径方向に凹ませた部位である。
また、筐体3aの先端部分に遮蔽部材12bを設ける代わりに、筒状ワーク20の支持台21(支持機構)に内向きフランジ部(内径が小さい部位)を設けてもよい。
図5では、筒状ワーク20の内面23における、高周波焼入された部位(焼入深さ)がクロスするハッチングで描写されている。
以上、内径が一様な筒状ワーク20の内面23を高周波焼入する場合について説明したが、次に、開口側の内径が大きく、内部へいくほど小径となる筒状ワーク30を高周波焼入する場合について図6を参照しながら説明する。
図6(a)に示す筒状ワーク30は、すり鉢状の内面31を有している。内面31の開口32が最も大径であり、内面31は内部へいくほど小径となっている。すなわち、図6(a)で見ると、内面31は右側から左側へいくほど小径となっている。
この様なすり鉢状の内面31を高周波焼入する場合、図6(b)に示す様な加熱コイル25を使用する。
加熱コイル25は、図6(b)に示す様に、往き側直線部28a、戻り側直線部29a、往き側直線部28b、戻り側直線部29bが、つなぎ導体部27a~27cを介して順に接続された構造を有している。つなぎ導体部27a、27cは小径の仮想円(図示せず)の円周上に配置されており、つなぎ導体部27bは、大径の仮想円(図示せず)の円周上に配置されている。すなわち、各直線部28a、29a、28b、29b(対向部)は平行ではなく、各直線部28a、29a、28b、29bの一端側は、大径の仮想円の円周上に配置されており、他端側は小径の仮想円の円周上に配置されている。各直線部28a、28b、29a、29bの他端側が配置された小径の仮想円の直径は、冷却ジャケット3の筐体3aの外径よりも大きく、この小径の仮想円の内部には筐体3aを配置することができる。
換言すると、この小径の仮想円の大きさは、加熱コイル25を内面31の奥に配置することができる上に、加熱コイル25の内部に筐体3aを配置することができる大きさに設定されている。
また、冷却ジャケット3の筐体3aは、接続部10a側から先端側に至るまで同径である必要はない。すなわち、図6(c)に示す様に、筒状ワーク30のすり鉢状の内面31に合わせて、円錐形状の外形の筐体35aを有する冷却ジャケット35を使用することもできる。
冷却ジャケット35の筐体35aの外周面と、筒状ワーク30の内面31は平行であり、筐体35aから噴射された冷却液36の進行方向は内面31と直交している。そのため、冷却液36は筐体35aから内面31に最短距離を移動し、冷却液36は内面31に速やかに到達し、内面31を良好に冷却することができる。
以上説明した実施形態では、貫通した筒状ワークの内面を高周波焼入する場合を例示したが、本発明の内面焼入用冷却ジャケット、及び高周波焼入装置の加熱コイルと冷却ジャケットの配置構造では、有底の筒状ワークの内面も、同様に良好に高周波焼入することができる。
また、図3(a)における直線部8a、8b、9a、9b(対向部)や、図3(b)における直線部24a、24b、26a、26b(対向部)等の代わりに、筒状ワーク20の軸線方向のみならず周方向にも延びる曲線状の導体(対向部)を使用することもできる。
1 高周波焼入装置
2、35 冷却ジャケット(内面焼入用冷却ジャケット)
7、25 加熱コイル
8a、8b、24a、24b、28a、28b 往き側直線部
9a、9b、26a、26b、29a、29b 戻り側直線部
12 遮蔽部材
13、36 噴射された冷却液
20、30 筒状ワーク
22a、22b、32 筒状ワークの開口
23、31 筒状ワークの内面

Claims (4)

  1. 高周波電流が通電される加熱コイルと冷却液を噴射する冷却ジャケットとを、筒状ワークの内部に配置する高周波焼入装置であって、
    前記加熱コイルは、一続きの導体で構成されていて前記筒状ワークの上側に配置された開口から内部に入る方向に延びる対向部と、前記上側に配置された開口側へ戻る方向に延びる対向部とが同数設けられたものであり、前記各対向部は筒状ワークの内面に近接するものであって、各対向部同士は離間しており、
    前記各対向部は、前記各対向部が配置された領域よりも内側の領域には空間が存在し、
    前記冷却ジャケットは、前記各対向部よりも筒状ワークの内面から離間しており、前記各対向部の間から筒状ワークの内面に冷却液を噴射可能であり、
    前記冷却ジャケットから噴射された冷却液が、筒状ワークの内部から流出するのを阻害し、前記筒状ワークの上側に配置された遮蔽部材を有し、
    前記上側に配置された遮蔽部材は、前記上側に配置された開口と隙間を有するように離れて配置されていることを特徴とする高周波焼入装置。
  2. 前記上側に配置された遮蔽部材の面積は、前記上側に配置された開口の面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入装置。
  3. 前記筒状ワークは、前記筒状ワークの下側に開口と、前記冷却ジャケットから噴射された冷却液が、筒状ワークの内部から流出するのを阻害し、前記筒状ワークの下側に配置された遮蔽部材とをさらに有し、
    前記下側に配置された遮蔽部材は、前記下側に配置された開口と隙間を有するように離れて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波焼入装置。
  4. 前記下側に配置された遮蔽部材の面積は、前記下側に配置された開口の面積より小さい
    ことを特徴とする請求項3に記載の高周波焼入装置。
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