JP6001421B2 - 誘導加熱コイル体 - Google Patents

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Description

本発明は、被加熱物に近接配置され、被加熱物に誘導電流を励起させて誘導加熱する誘導加熱コイル体に関するものである。
図10(a)に示す様に、従来の高周波焼入装置は、高周波電流が供給される加熱導体85と、冷却液(焼入液)を噴射供給する焼入液噴射装置86とを有する。加熱導体85と焼入液噴射装置86は、並列して設けられている。図10(a)に示す様に、被加熱物95は、最初に加熱導体85に近接して誘導加熱され、続いて図10(b)に示す様に、焼入液噴射装置86側へ相対移動し、焼入液87が噴射供給されて急冷され、焼入れされる。すなわち、高周波焼入装置には、加熱導体85及び焼入液噴射装置86に対して、被加熱物95を矢印Aで示すように相対移動させる機構が必要である。
一方、特許文献1に開示されている高周波焼入装置は、中空の高周波誘導加熱コイル(加熱導体)を有しており、高周波誘導加熱コイルにおける、カムシャフト(被加熱物)に対向する部位には、焼入冷却液噴射孔が設けられている。そして、当該高周波焼入装置でカムシャフトを焼入れする際には、まず、高周波誘導加熱コイルに高周波電流を供給し、カムシャフトを誘導加熱する。その後、中空の高周波誘導加熱コイルの内部に焼入液を供給し、当該焼入液は焼入冷却液噴射孔からカムシャフトに向けて噴射される。その結果、カムシャフトは急冷され、焼入れが完了する。
すなわち、特許文献1の高周波焼入装置は、上述の高周波焼入装置のように、加熱導体及び焼入液噴射装置と、被加熱物とを相対移動させる必要がなく、装置の簡素化が図られている。また、特許文献1の高周波焼入装置は、誘導加熱が完了すると、高周波誘導加熱コイルとカムシャフトとを、カムシャフトの軸線方向に相対移動させることなく、直ちにカムシャフトを冷却することができる。
特開2002−356719号公報
ところで、特許文献1に開示されている装置では、焼入液は、カムシャフトを急冷するだけではなく、高周波誘導加熱コイルを冷却するコイル冷却液としても機能するものである。しかし、高周波誘導加熱コイル内に焼入液(冷却液)が供給されると、焼入液は焼入冷却液噴射孔からカムシャフトに向かって直ちに噴射され、カムフャフトに焼入液が付着し、加熱中のカムシャフトの昇温が阻害されてしまう。従って、誘導加熱中には、高周波誘導加熱コイル内に焼入液を供給することができず、そのため、カムシャフトを誘導加熱する間に、高周波誘導加熱コイル自身も昇温してしまい、高周波誘導加熱コイルの耐久性が悪化する懸念がある。
そこで本発明は、被加熱物を誘導加熱する際に、自身を冷却する冷却液を良好に供給することができ、さらに被加熱物を回転軸方向に移動させることなく、被加熱物の誘導加熱と冷却とを実施することができる誘導加熱コイル体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、被加熱物を回転させつつ誘導加熱する誘導加熱装置に用いられる誘導加熱コイル体であって、中空構造であって、内部にコイル冷却液が導入されると共に、自らに通電されて被加熱物に誘導電流を励起させる通電部と、中空構造であって、内部に焼入液が導入されると共に、被加熱物の誘導加熱された部位に、前記焼入液を噴射する焼入液噴射部とを有し、通電部と焼入液噴射部は、それぞれ被加熱物に面する被加熱物対向面を被加熱物の回転方向に複数有し、通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とは、被加熱物の回転軸方向に積み重なり、且つ、被加熱物の回転方向には通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とが互い違いに配置されていることを特徴とする誘導加熱コイル体である。
本発明の誘導加熱コイル体では、通電部と焼入液噴射部が、それぞれ被加熱物に面する被加熱物対向面を被加熱物の回転方向に複数有するので、被加熱物が1回転する間に、被加熱物の焼入れ対象部位は、複数の通電部によって誘導加熱され、誘導加熱後は複数の焼入液噴射部から焼入液が噴射供給される。
また、通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とは、被加熱物の回転軸方向に積み重なっているので、回転軸方向に所定の幅を有する被加熱物を、回転軸方向に移動させることなく焼入れすることができる。
よって、通電部に対して被加熱物を回転軸方向に移動させなくても、被加熱物に対して誘導加熱と冷却とを実施し、焼入れを完了することができる。
さらに、被加熱物の回転方向には通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とが互い違いに配置されているので、被加熱物の焼入れ対象部位には、通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とが交互に対向する。よって、誘導加熱時には、被加熱物の焼入れ対象部位に、所定のタイミング毎に通電部が対向して誘導加熱を実施することができ、焼入れ対象部位の昇温を均一化することができる。また、誘導加熱が完了すると、昇温した焼入れ対象部位に、焼入液噴射部から焼入液が噴射供給され、焼入れ対象部位が急冷される。
また、被加熱物における通電部に対向する部位には焼入液が供給されていないため、焼入液噴射部から噴射供給されて被加熱物を冷却し昇温した焼入液は、通電部の被加熱物対向面に対向する部位を円滑に通過できる。
よって、被加熱物の表面上で高温の焼入液と、低温の焼入液とが円滑に入れ替わる。
そのため、被加熱物は一様に急冷される。その結果、冷却むらが生じにくく、被加熱物の表面に、筋等が浮かび上がることがなく、見栄えが良好で品質の高い焼入れを実施することができる。
ここで、焼入液とは、誘導加熱されて昇温した被加熱物を冷却する冷却液である。
請求項2に記載の発明は、通電部の全ての被加熱物対向面は、電気的に直列であり、且つ、通電部の被加熱物対向面は、ジグザグ状に連続していることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱コイル体である。
本発明の誘導加熱コイル体では、通電部の全ての被加熱物対向面が、電気的に直列であるので、いずれの通電部の被加熱物対向面にも電流が一様に流れる。
また、通電部の被加熱物対向面が、ジグザグ状に連続しているので、電流はジグザグ状に流れる。よって、被加熱物における、通電部のジグザグの幅の範囲を誘導加熱することができる。
請求項3に記載の発明は、通電部の隣接する被加熱物対向面の間には段部が形成されており、隣接する2つの段部の間に、焼入液噴射部の被加熱物対向面が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導加熱コイル体である。
本発明の誘導加熱コイル体では、通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とが、共に被加熱物に対向している。よって、被加熱物を回転させ、通電部に通電すると被加熱物を誘導加熱することができ、通電部への通電を停止し、焼入液噴射部から焼入液を噴射すると、被加熱物を冷却することができる。すなわち、誘導加熱コイル体に対して、被加熱物を回転軸方向に移動させることなく、被加熱物に対する誘導加熱と冷却とを実施することができる。
本発明の誘導加熱コイル体では、中空構造の通電部に、常時コイル冷却液を流通させることができるので、通電される通電部を良好に冷却することができる。
また、誘導加熱中に通電部内の冷却液が、焼入液噴射部を介して被加熱物に噴射供給されることがなく、被加熱物の誘導加熱は良好に実施される。焼入液噴射部に生じた熱は、通電部に伝達され、焼入液噴射部の温度上昇は抑制される。
誘導加熱が完了すると、被加熱物の誘導加熱された部位に、焼入液噴射部から焼入液を噴射供給し、被加熱物を急冷することができる。その際、誘導加熱コイル体に対して被加熱物を回転軸方向に移動させる必要がない。すなわち、誘導加熱コイル体に対して、被加熱物を被加熱物の回転軸方向に移動させなくても、誘導加熱と冷却とを実施し、焼入れすることができる。
本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイル体を備えた誘導加熱装置の全体構成図である。 図1の誘導加熱装置の、電流の供給系統図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイル体の斜視図であり、(b)は、(a)の加熱コイル体の分解斜視図である。 加熱領域を区分けして示した被加熱物の斜視図である。 図3(a)のV−V断面図であり、(a)は、加熱導体と共に被加熱物を示しており、(b)は、(a)の状態から被加熱物が矢印方向に90度回転した状態を示す。 図3(a)のVI−VI断面図であり、(a)は、加熱導体と共に被加熱物を示しており、(b)は、(a)の状態から被加熱物が矢印方向に90度回転した状態を示す。 図3(a)のVII−VII断面図である。 図3(a)のVIII−VIII断面図である。 図3(a)に示す焼入液噴射部材の変形例を示す斜視図である。 従来の誘導加熱装置の加熱導体と、冷却液噴射装置の位置関係を示す断面図であり、(a)は、被加熱物が、加熱導体に近接対向している状態を示し、(b)は、被加熱物が、冷却液噴射装置に近接している状態を示している。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、誘導加熱装置1は、高周波電源4,加熱コイル体40(誘導加熱コイル体),制御装置12,冷却液供給装置13,焼入液供給装置14,駆動モータ15を有する。
図2に示すように、高周波電源4は、交流電源2と高周波発信器3とを有する。交流電源2から供給される交流は、高周波発信器3で高周波化され、トランス7へ出力される。すなわち、トランス7の一次側5には高周波電流が印加される。一方、トランス7の二次側6には変圧された高周波電流が励起され、変圧された高周波電流が、リード8,9を介して加熱コイル体40に供給される。
制御装置12は、高周波電源4,冷却液供給装置13,焼入液供給装置14,及び駆動モータ15の動作を司る機能を有する。
冷却液供給装置13は、詳しくは後述する加熱コイル体40にコイル冷却液25を供給するものである。冷却液供給装置13は、制御装置12によって、コイル冷却液25の供給と供給の停止とが制御されている。
焼入液供給装置14は、加熱コイル体40に焼入液26を供給するものである。焼入液供給装置14は、制御装置12によって、焼入液26の供給と供給の停止とが制御されている。
駆動モータ15は、制御装置12によって制御されており、図示しない支持機構で回転可能に支持された被加熱物11を回転駆動する機能を有する。
次に、図3(a),(b)を参照しながら、本発明の実施形態に係る加熱コイル体40について説明する。図3(a),(b)に示すように、加熱コイル体40は、管部材が、環状に形成された構造を呈する通電部30と、焼入液噴射部材41〜44を有する。
通電部30は、直線状の導入部31,32と、上側円弧部33a〜33cと、下側円弧部34a,34b、及び接続部35a〜35dを有し、これらが全て接続されて環状構造を呈している。これらは全て銅合金等の良導体で構成されている。加熱コイル体40の各部は、前記した様に管状部材で構成されている。より詳細には、加熱コイル体40の各部の断面は、いずれも中空形状であり、断面の外形形状は四角形である。
導入部31と導入部32は、平行に近接しているが接触しておらず、各々リード8,9(図2)に電気的に接続されている。また、導入部31と導入部32は、冷却液供給装置13(図1)にも接続されている。
加熱コイル体40の図3(a)に示す姿勢は、必ずしも使用時の姿勢ではないが、以下では、便宜上、図3(a)及び図3(b)で見て上下を表現している。
上側円弧部33a〜33cは、導入部31,32と同じ平面上に配置されており、下側円弧部34a,34bは、上側円弧部33a〜33cとは異なる同一平面上に配置されている。上側円弧部33a〜33cと下側円弧部34a,34bは、互い違いに配置されている。そのため、平面視すると、上側円弧部33a,33bの間に下側円弧部34aが配置されており、上側円弧部33b,33cの間に下側円弧部34bが配置されている。上側円弧部33b,34a,34bの長さ及び中心角はほぼ同じである。
各部の接続関係は、次の様である。
上側円弧部33aの一端と、下側円弧部34aの一端が、接続部35aで接続されている。
下側円弧部34aの他端と、上側円弧部33bの一端が、接続部35bで接続されている。
上側円弧部33bの他端と、下側円弧部34bの一端が、接続部35cで接続されている。
下側円弧部34bの他端と、上側円弧部33cの一端が、接続部35dで接続されている。
上側円弧部33aの他端には、リード8(図2)と連続する導入部31が接続されている。
上側円弧部33cの他端には、リード9(図2)と連続する導入部32が接続されている。
各上側円弧部33a〜33c,34a,34bの内周側側面は、各々被加熱物対向面20a〜20eを構成している。通電部30を平面視すると、各被加熱物対向面20a〜20eは同一円周上に配置されている。ただし、通電部30を正面及び側面から見ると、ジグザグ状を呈している。
上側円弧部33aと下側円弧部34aは、異なる平面上に配置されており、両上側円弧部33a,34aは、接続部35aで接続されている。すなわち、接続部35aは、段部16a,16bを構成している。同様に、接続部35bは、段部17a,17bを構成しており、接続部35cは、段部18a,18bを構成しており、接続部35dは、段部19a,19bを構成している。
図3(b)に示す様に、段部16a,17aと、下側円弧部34aの上面とで上向き凹部37が構成されている。上向き凹部37は、扇形を呈している。
上向き凹部37と同一平面上において、段部18a,19aと、下側円弧部34bの上面とで上向き凹部39が構成されている。
また、段部16b,19bと、上側円弧部33aの下面と、上側円弧部33cの下面とで下向き凹部36が構成されている。下向き凹部36は、上向き凹部37,39とは異なる平面上に形成されている。
下向き凹部36と同一平面上において、段部17b,18bと、上側円弧部33bの下面とで下向き凹部38が構成されている。
各下向き凹部36〜39は、通電部30に形成された扇形の窪みである。
各下向き凹部36〜39が形成された結果、良導体の上側円弧部33a〜33c,34a,34b、接続部35a〜35dが、環状にジグザグ状に連続して通電部30を構成している。
中空の上側円弧部33a〜33c,34a,34b,接続部35a〜35dが環状に連続しているので、通電部30の内部には連続した冷却液通路21が形成されている。冷却液通路21は、環状にジグザグ形状に連続している。
各下向き凹部36〜39には、焼入液噴射部材41〜44が装着されている。各焼入液噴射部材41〜44は、同一の構成を有する。よって、代表的に図3(b)に示す焼入液噴射部材42の構成を説明し、重複する説明は省略する。
焼入液噴射部材42は、エポキシガラス等の非磁性材で形成されており、中空の円弧部42aと中空の供給部42bとを有する。供給部42bの一端は、円弧部42aの中央部の外周面側に接続されており、他端は、焼入液供給装置14(図1)に接続されている。円弧部42aは、扇形を呈する管部材である。円弧部42aの内部には内部空間48(図5(a))が設けられている。円弧部42aの内周側の側面は、内周壁46(被加熱物対向面)となっている。内周壁46には、多数の孔45が設けられている。各孔45は、内部空間48と外部とを連通する。
焼入液噴射部材42の円弧部42aは、上向き凹部37にちょうど嵌まる形状を有している。そして、焼入液噴射部材42は、通電部30の上向き凹部37に嵌め込まれ、通電部30と一体化されている。同様に、焼入液噴射部材41,43,44も、対応する下向き凹部36,38,39に各々嵌め込まれ、通電部30と一体化されて、加熱コイル体40が構成されている。加熱コイル体40の内側には、環状内部47が形成されている。図3(a)に示す様に、焼入液噴射部材41〜44が、通電部30の円周上、環の幅方向(図3(a)で見て上下方向)に交互に配置されている。
すなわち、加熱コイル体40における同一平面内において、焼入液噴射部材42,焼入液噴射部材44と、通電部30の上側円弧部33a及び33c,上側円弧部33bとが互い違いに配置されており、また、焼入液噴射部材41,焼入液噴射部材43と、通電部30の下側円弧部34a,下側円弧部34bとが互い違いに配置されている。ただし、視点を変えて通電部30を正面及び左右側面から見ると、上側円弧部33a〜33cと下側円弧部34a,34bがジグザグ状に配されている。
よって、加熱コイル体40における同一平面内において、焼入液噴射部材42,44の孔45を設けた各内周壁46(被加熱物対向面)と、通電部30の被加熱物対向面20aと被加熱物対向面20e、及び被加熱物対向面20cとが互い違いに配置され、別の同一平面内において、焼入液噴射部材41,43の孔45を設けた各内周壁46(被加熱物対向面)と、通電部30の被加熱物対向面20b,20dとが互い違いに配置されている。
そして、焼入液噴射部材41〜44の内周壁46(被加熱物対向面)と、通電部30の被加熱物対向面20a〜20eは、図7,図8に示す様に、加熱コイル体40に被加熱物11を対向させた場合を想定したとき、被加熱物11の回転軸方向(図4)に積み重なっている。
図3(a)に示す例では、4つの焼入液噴射部材41〜44を設けているが、焼入液噴射部材の数は、この限りではない。また、加熱コイル体は、焼入液噴射部材41〜44の内周壁46と、通電部30の被加熱物対向面20a〜20eが、被加熱物11の回転軸方向に3段以上積み重なるように構成してもよい。
誘導加熱装置1は、以上説明した構成を備えている。
以下では、図4に示す様な円柱形の鋼材を被加熱物11とし、当該被加熱物11の外周面を焼入れする場合を例に説明する。
最初に、被加熱物11を図示しない支持機構で支持し、被加熱物11の焼入れ対象部位11aを、誘導加熱装置1の加熱コイル体40の被加熱物対向面20a〜20eに近接対向させる。加熱コイル体40の幅(図3(a)で見て上下方向、すなわち図4に示す被加熱物11の回転軸B方向の寸法)は、被加熱物11の焼入れ対象部位11aの幅と略一致している。また、焼入れ対象部位11aは、被加熱物11の円形の外周面である。
図4に示す様に、被加熱物11の曲面を、便宜上8つの領域に分割する。すなわち、被加熱物11の曲面の上段には、中心角が90度の領域R1,S1,T1,U1を設定し、曲面の下段であって領域R1,S1,T1,U1の直下には、各々領域R2,S2,T2,U2を設定する。
図1に示す制御装置12は、冷却液供給装置13と駆動モータ15とを作動させ、加熱コイル体40の通電部30の冷却液通路21にコイル冷却液25(図1)を供給し、通電部30の冷却液通路21内には、コイル冷却液25が循環供給される。例えば、コイル冷却液25は、導入部31側から冷却液通路21内に流入し、導入部32側から排出される。
次に、制御装置12は、高周波電源4を作動させ、加熱コイル体40に高周波電流を供給する。図5(a)及び図6(a)に示す状態では、被加熱物11における領域S1,U1,T2,R2が、通電部30に対向している。そのため、被加熱物11の8つの領域のうち、領域S1,U1,T2,R2のみに高周波の誘導電流が励起されて誘導加熱されている。
そして、被加熱物11が90度回転すると、図5(b)及び図6(b)に示す様に、被加熱物11の焼入れ対象部位11aにおける領域R1,T1,S2,U2が、通電部30に対向し、これら4つの領域のみが誘導加熱される。被加熱物11は連続的に回転しており、各領域は、通電部30が対向するときに各々誘導加熱されて昇温する。その結果、被加熱物11の全領域が均一に誘導加熱される。
その際、冷却液通路21にはコイル冷却液25が流れているので、通電部30は良好に冷却され、温度上昇が抑制されている。また、このとき、各焼入液噴射部材41〜44には、焼入液26が供給されていないが、各焼入液噴射部材41〜44は、エポキシガラス等の非磁性材で形成されているので、高周波電流が流れず、電気抵抗発熱することがなく、昇温しにくい。
焼入れ対象部位11aの全領域の誘導加熱が完了すると、制御装置12は、高周波電源4による電流の供給を停止し、さらに焼入液供給装置14を作動させ、焼入液噴射部材41〜44に焼入液26(図1)を供給する。焼入液噴射部材41〜44内の焼入液26は、孔45から、被加熱物11の焼入れ対象部位11aに向かって噴射される。
図5(a)及び図6(a)に示す状態では、被加熱物11における領域R1,T1,S2,U2が、焼入液噴射部材41〜44に対向している。よって、領域R1,T1,S2,U2に焼入液26が噴射供給され、領域R1,T1,S2,U2が急冷される。
図5(a)及び図6(a)に示す状態から被加熱物11が90度回転すると、図5(b)及び図6(b)に示す様に、被加熱物11の焼入れ対象部位11aにおける領域S1,U1,T2,R2が焼入液噴射部材41〜44に対向し、領域S1,U1,T2,R2に焼入液26が噴射供給され、領域S1,U1,T2,R2が急冷される。
そして被加熱物11が所定回転する(又は、所定時間が経過する)と、焼入れ対象部位11aの全領域の焼入れが完了する。ここで、被加熱物11の誘導加熱と焼入液26の噴射供給は、駆動モータ15(図1)によって被加熱物11を回転駆動させながら実施しているが、被加熱物11と加熱コイル体40は、被加熱物11の回転軸がのびる方向に相対移動していない。すなわち、誘導加熱装置1は、被加熱物11を回転軸方向に移動させることなく、被加熱物11を焼入れすることができる。
このように、誘導加熱装置1では、被加熱物11を焼入れする際に、被加熱物11と加熱コイル体40とを、被加熱物11の軸方向に相対移動させる必要がない。すなわち、被加熱物11の誘導加熱と冷却とを、加熱コイル体40等の誘導加熱装置1側の部材と、被加熱物11の位置関係を変更することなく実施することができる。よって、誘導加熱完了後、速やかに焼入液26を噴射して被加熱物11を急冷することができる。
孔45は、図9に示す様な長孔49に置き換えることもできる。各長孔49は、被加熱物11の回転軸方向に対して傾斜している。そのため、各長孔49から噴射された焼入液同士が衝突することがなく、焼入液は直進して被加熱物11に達する。よって、回転する被加熱物11に焼入液が均一に噴射供給されるので、冷却効果が高い。
各焼入液噴射部材41〜44は、エポキシガラス等の非磁性材の代わりに、通電部30と同様に、銅合金等の良導体で形成してもよい。焼入液噴射部材41〜44の素材が良導体であると、焼入液噴射部材41〜44にも高周波誘導電流が流れ、焼入液噴射部材41〜44も電気抵抗発熱によって昇温する。しかし、焼入液噴射部材41〜44は、通電部30に隣接している。そのため、焼入液噴射部材41〜44は、通電部30内を流れる冷却液によって冷却され、過熱状態になるのが抑制される。
1 誘導加熱装置
11 被加熱物
11a 焼入れ対象部位(誘導加熱された部位)
13 冷却液供給装置
14 焼入液供給装置
20a〜20e 通電部の被加熱物対向面
25 コイル冷却液
26 焼入液
30 通電部
16a,16b,17a,17b,18a,18b,19a,19b 段部
40 加熱コイル体(誘導加熱コイル体)
46 内周壁(焼入液噴射部材の被加熱物対向面)
41〜44 焼入液噴射部材(焼入液噴射部)

Claims (3)

  1. 被加熱物を回転させつつ誘導加熱する誘導加熱装置に用いられる誘導加熱コイル体であって、
    中空構造であって、内部にコイル冷却液が導入されると共に、自らに通電されて被加熱物に誘導電流を励起させる通電部と、
    中空構造であって、内部に焼入液が導入されると共に、被加熱物の誘導加熱された部位に、前記焼入液を噴射する焼入液噴射部とを有し、
    通電部と焼入液噴射部は、それぞれ被加熱物に面する被加熱物対向面を被加熱物の回転方向に複数有し、
    通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とは、被加熱物の回転軸方向に積み重なり、且つ、被加熱物の回転方向には通電部の被加熱物対向面と、焼入液噴射部の被加熱物対向面とが互い違いに配置されていることを特徴とする誘導加熱コイル体。
  2. 通電部の全ての被加熱物対向面は、電気的に直列であり、且つ、通電部の被加熱物対向面は、ジグザグ状に連続していることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱コイル体。
  3. 通電部の隣接する被加熱物対向面の間には段部が形成されており、
    隣接する2つの段部の間に、焼入液噴射部の被加熱物対向面が配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導加熱コイル体。
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