JP7138999B1 - ハイドロキシアパタイトを不織布へ塗布する装置及び方法 - Google Patents

ハイドロキシアパタイトを不織布へ塗布する装置及び方法 Download PDF

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Abstract

本実施形態において、不織布にハイドロキシアパタイトを塗布する装置は、水槽と、シャワーヘッドと、超音波発生装置と、乾燥部とを備える。水槽は、ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液をためる。シャワーヘッドは、水槽内の懸濁液内で不織布に対して懸濁液を噴出する。超音波発生装置は、不織布に対して超音波を発する。乾燥部は、水槽内の懸濁液から取り出された濡れ状態の不織布を乾燥させる。

Description

本発明は、ハイドロキシアパタイトを不織布へ塗布する装置及び方法に関する。
ハイドロキシアパタイト(以下、HAと表記する)は、例えば、Ca10(PO46(OH)2で表される。HAは、リン酸カリウムの一種である。HAの一種に、銀含有ハイドロキシアパタイト(以下、AgHAと表記する)がある。AgHAの粒子サイズが小さいほど、AgHAと他の物質との間の密着性は高くなる。AgHAは、抗菌効果及び防臭効果を有しており、人体に無害である。
本発明の実施形態は、HAを不織布へ塗布する装置及び方法を提供する。
本発明の実施形態に係る装置は、水槽と、シャワーヘッドと、超音波発生装置と、乾燥部とを備える。水槽は、ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液をためる。シャワーヘッドは、水槽内の懸濁液内で不織布に対して懸濁液を噴出する。超音波発生装置は、不織布に対して超音波を発する。乾燥部は、水槽内の懸濁液から取り出された濡れ状態の不織布を乾燥させる。
本発明の実施形態に係る方法は、水槽内にためられているハイドロキシアパタイトを含む懸濁液に不織布を浸けることと、水槽内の懸濁液内で、シャワーヘッドにより不織布に対して懸濁液を噴出するとともに、超音波発生装置により不織布に対して超音波を発することと、乾燥部により水槽内の懸濁液から取り出された濡れ状態の不織布を乾燥させることと、を含む。
本発明の実施形態によれば、粒子サイズの小さいHAを不織布へ塗布することができる。
図1は、第1の実施形態に係るAgHAを不織布に塗布する塗布装置の構成の例を示す概念図である。 図2は、シャワーヘッド及び超音波振動子の例を示す側面図である。 図3は、支持台の上面の例を示す斜視図である。 図4は、第1の実施形態に係る塗布装置によって実行されるAgHAを不織布に塗布する方法の例を示すフローチャートである。 図5は、AgHA塗布後のマスクフィルタ用の不織布に強風を当てた状態の例を示す拡大図である。 図6は、AgHA塗布後のマスク用不織布に強風を当てた状態の例を示す拡大図である。 図7は、懸濁液の濃度と、AgHAの粒子サイズと、不織布に対するAgHAの塗布状態との関係の例を示す拡大図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略又は実質的に同一の機能及び構成要素については、同一符号を付し、説明を省略するか、又は、必要な場合にのみ説明を行う。
(第1の実施形態)
第1の実施形態においては、AgHAの懸濁液に不織布を浸けることにより、AgHAを不織布に塗布する。第1の実施形態において、塗布とは、濡れと固化とを利用する技術であるとする。
なお、第1の実施形態においては、ハイドロキシアパタイトの一例としてAgHAを不織布に塗布する場合を説明するが、銀を含有しない他のハイドロキシアパタイトを不織布に塗布する場合も同様の装置及び方法を適用することができる。具体的には、ハイドロキシアパタイトは、例えば、銅、パラジウム、白金、カドミウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マンガン、タリウム、鉛、水銀などの抗菌性重金属を含有するものでもよい。
図1は、第1の実施形態に係るAgHAを不織布1に塗布する塗布装置2の構成の例を示す概念図である。図1は、塗布装置2の側面断面図を例示している。
塗布装置2は、主に、処理前の不織布1を送り出す送り出し部3、水槽部4、乾燥部5、処理後の不織布1を巻き取る巻き取り部6、液滴受け部19を備える。
連続する不織布1は、送り出し部3から送り出され、水槽部4のローラ71~74及び乾燥部5のローラ16により位置を調節され、巻き取り部6による巻き取りにより図1の左から右へ移動する。この図1の右から左への方向を不織布送り方向という。
水槽部4は、ローラ71~74と、水槽8と、第1のポンプ21と、第2のポンプ22と、シャワーヘッド9と、超音波振動子10と、冷却器23とを備える。
ローラ71とローラ72は、送り出し部3から送り出された不織布を水槽8にためられているAgHAの懸濁液11内へ誘導する。
ローラ72は、さらに、不織布1をシャワーヘッド9と超音波振動子10との間へ誘導する。
ローラ73とローラ74は、シャワーヘッド9と超音波振動子10との間を通過した不織布1を水槽8にためられている懸濁液11の外へ誘導する。
ローラ74は、さらに、不織布1に含まれている余分な懸濁液を不織布1から水槽8へ戻す。
水槽8は、懸濁液11を貯蔵する。水槽8は、第1の流出口12と、流入口13と、第2の流出口14とを備える。
第1の流出口12は、水槽8の第1の側面に備えられている。
流入口13は、水槽8の第2の側面に備えられている。第2の側面は、第1の側面に対向する面としてもよい。
第1のポンプ21は、第1の流出口12から水槽8外へ懸濁液11を排出し、懸濁液11を流入口13から水槽8内へ流入させる。これにより、水槽8内で懸濁液11が流動する。
第2の流出口14は、水槽8の底面に備えられている。
第2のポンプ22は、第2の流出口14から水槽8外へ懸濁液11を排出し、懸濁液11をシャワーヘッド9へ供給する。これにより、水槽8の深い位置に存在しAgHAの濃度の濃い懸濁液11をシャワーヘッド9へ供給し、懸濁液11をシャワーヘッド9から噴出させ、水槽8内で懸濁液11を流動させることができる。
シャワーヘッド9は、液体噴出面から懸濁液11を噴出する。シャワーヘッド9の液体噴出面は、超音波振動子10の振動面とギャップを介して対向する。
超音波振動子10は、超音波発生装置の一例である。超音波振動子10は、高周波数で振動して超音波放出面から超音波を放出する。超音波振動子10は、例えば、細胞破砕用の強力超音波を発する装置でもよい。超音波振動子10の超音波放出面は、シャワーヘッド9の液体排出面とギャップを介して対向する。
第1の実施形態においては、シャワーヘッド9が上、超音波振動子10が下に配置されている。
シャワーヘッド9の液体排出面と超音波振動子10の振動面との間のギャップは、例えば、不織布1の厚さより大きく、3mm以下であるとする。実験の結果から、ギャップは、例えば、6.5mm以下の範囲でも不織布1に懸濁液11を浸み込ませることが可能であった。超音波を強力にすること、及び/又は、懸濁液11の水流を強力にすることにより、ギャップは50mm以下の範囲で適用可能である。
シャワーヘッド9と超音波振動子10との間のギャップを通過した不織布1は、懸濁液11が浸み込んだ状態となる。
冷却器23は、超音波による水槽8内の懸濁液11の温度上昇を抑制する。より具体的には、冷却器23は、水槽8内の懸濁液11の温度が閾値を超えると動作し、懸濁液11の温度を下げる。
液滴受け部19は、水槽部4と乾燥部5との間に配置されている。液滴受け部19は、不織布1から垂れる懸濁液11の液滴を受ける。
乾燥部5は、筐体15と、複数のローラ16と、吹き出し口17と、支持台18とを備える。
筐体15のうち不織布1が搬入される側の面は、例えば透明なアクリル板15aとしてもよい。このように、透明なアクリル板15aを用いることで、オペレータは乾燥部5の内部の状態を容易に観察することができる。アクリル板15aは、不織布1を筐体15の外部から内部へ搬入するための開口部15cを有する。
筐体15のうち不織布1が搬出される側の面は、例えば柔軟性を有するシリコン板15bとしてもよい。シリコン板15bは、例えば、上部だけが筐体15の上面と接続されており、垂れ幕のような状態で配置される。オペレータは、このシリコン板15bを上げて筐体15の内部を設定及び変更できる。このように柔軟性を有するシリコン板15bを用いることで、オペレータは乾燥部5の内部の状態を容易に観察し、変更することができる。また、柔軟性を有するシリコン板15bを用いることで、筐体15内の空気などの気体を柔軟に排出することができる。シリコン板15bは、不織布1を筐体15の内部ら外部へ搬出するための開口部15dを有する。
複数のローラ16は、乾燥部5のアクリル板15aに形成されている開口部15cから搬入された不織布1を、乾燥部5のシリコン板15bに形成されている開口部15dから搬出されるように、移動させる。
吹き出し口17は、不織布1を乾燥させるための風(例えば温風)を排出する。第1の実施形態において、吹き出し口17は、筐体15内のアクリル板15a側において、不織布1の平面に対して垂直な方向で風を排出する。より具体的には、吹き出し口17は、筐体15の上面であり、筐体15の内部の不織布1の搬入側に設置されており、不織布1に対して下方向の風を排出する。第1の実施形態において、吹き出し口17の形状は、例えば円状が好ましいが、例えば楕円、四角形などのような他の形状でもよい。
不織布1の吹き出し口17側とは逆のローラ16側には、風を受けた不織布1がローラ16に巻き込まれることを防止するための支持台18が設置される。
支持台18は、筐体15の内部であり、不織布1が風を受ける搬入側において不織布1を支える。
第1の実施形態において、支持台18の上面(不織布1を支える面)は網状であるとする。
図2は、シャワーヘッド9及び超音波振動子10の例を示す側面図である。
シャワーヘッド9と超音波振動子10は例えば不織布1の厚さより大きく3mm以下のギャップ20を介して対向するように備えられている。第1の実施形態では、シャワーヘッド9が上、超音波振動子10が下に備えられている。しかしながら、シャワーヘッド9が下、超音波振動子10が上など、他の配置関係が適用されてもよい。
シャワーヘッド9の下面には複数の孔が形成されている。シャワーヘッド9の下面の孔から懸濁液11が不織布1へ向けて噴出される。
超音波振動子10は、ギャップ20に存在する不織布1及び懸濁液11を超音波により振動させる。
水槽8内の懸濁液11に浸かった不織布1は気泡を含む。第1の実施形態においては、シャワーヘッド9から噴出された懸濁液11が不織布1に押し当てられる。懸濁液11の噴出と超音波振動子10から発生された超音波との相乗効果により不織布1から気泡が排出され、疎水性の不織布1が懸濁液11によって濡れる。
図3は、支持台18の上面の例を示す斜視図である。
支持台18の上面を網状とすることで、吹き付け口17から排出された風が不織布1を吹き抜ける効率をよくすることができ、さらに、不織布1が支持台18の下のロータ16に巻き込まれることを防止することができる。
図4は、第1の実施形態に係る塗布装置2によって実行されるAgHAを不織布1に塗布する方法の例を示すフローチャートである。
ステップS401において、不織布1が、送り出し部3から水槽部4及び乾燥部5経由で巻き取り部6まで不織布送り方向に移動可能な状態で、塗布装置2にセットされる。
ステップS402において、水槽8は懸濁液11をためる。
ステップS403aにおいて、第1のポンプ21は、水槽8内の懸濁液11を循環させる。
ステップS403bにおいて、第2のポンプ22は、水槽8内の懸濁液11をシャワーヘッド9へ供給し、シャワーヘッド9から懸濁液11を噴出させる。
ステップS404cにおいて、超音波振動子10は、振動動作により不織布1に超音波を発し、不織布1から気泡を除去する。
これらのステップS403a~S403cにより、懸濁液11が疎水性の不織布1にしみ込む。
ステップS404において、送り出し部3、ローラ71~74、ローラ16、巻き取り部6は、不織布送り方向に不織布1を移動させる。
ステップS405において、乾燥部5は、吹き出し口17から排出される風により、懸濁液11がしみ込んでいる不織布1を乾燥させる。
以上説明した第1の実施形態の作用効果を説明する。
乾燥されたAgHAよりも懸濁液11中のAgHAの方が粒子サイズは小さい。第1の実施形態では不織布1へ懸濁液11を浸み込ませて濡れ状態とし、その後乾燥させることで、不織布1へ粒子サイズの小さいAgHAを塗布する。
不織布1が疎水性である場合、懸濁液11に不織布1を浸けただけでは十分に不織布1に懸濁液11がしみ込まず、十分に不織布1にAgHAを塗布することができない場合がある。
そこで、第1の実施形態においては、超音波振動子10により不織布1を振動させ、シャワーヘッド9から不織布1に向けて懸濁液11を噴出して水流を発生させることにより、不織布1内から気泡を追い出し、不織布1を懸濁液11で濡れた状態とし、その後素早く不織布1を乾燥させる。第1の実施形態において、シャワーヘッド9は、均一な懸濁液11の噴出に加えて、気泡の追い出しに貢献する。
これにより、懸濁成分である粒子サイズの小さいAgHAを不織布1に付着させることができる。
第1の実施形態においては、超音波振動子10を用いて懸濁液11を振動させることにより水槽8内の懸濁液11の濃度を均一化することができる。
第1の実施形態においては、互いに対向するシャワーヘッド9と超音波振動子10との間のギャップ20を不織布1が通過する。このギャップの幅を不織布1の厚さより大きく3mm以下とすることにより、不織布1への懸濁液11の浸み込みを促進することができる。
第1の実施形態においては、例えば懸濁液11の濃度を0.05%以上、0.5%以下としてもよい。この場合、不織布1にAgHAを十分に付着させることができ、かつ、不織布1の繊維に過剰にAgHAが付着してAgHAの粉末が脱落することを防止することができる。
懸濁液11の適切な濃度は、粒子サイズによって変わる。
懸濁液11中のAgHAがマイクロサイズである場合、実験の結果、マスクフィルタ用の不織布、マスク用不織布、おむつ用不織布、生理用品用の不織布に許容される濃度範囲は、0.005%以上、5.0%以下であり、好ましくは0.05%以上、0.5%以下であった。さらに、懸濁液11中のAgHAがマイクロサイズである場合、実験の結果、マスクフィルタ用の不織布、マスク用不織布、おむつ用不織布、生理用品用の不織布に許容される濃度範囲は、0.005%以上、1.0%以下であり、好ましくは0.05%以上、0.1%以下であった。
懸濁液11中のAgHAがナノサイズである場合、実験の結果、マスクフィルタ用の不織布、マスク用不織布に許容される濃度範囲は、0.005%以上、5.0%以下であり、好ましくは0.05%以上、0.5%以下であった。さらに、懸濁液11中のAgHAがナノサイズである場合、実験の結果、マスクフィルタ用の不織布、マスク用不織布の不織布に許容される濃度範囲は、0.005%以上、5.0%以下であり、好ましくは0.01%以上、1.0%以下であり、さらに好ましくは0.05%以上、0.5%以下であった。懸濁液11中のAgHAがナノサイズである場合、実験の結果、オムツ用不織布、生理用品用の不織布に許容される濃度範囲は、0.01%以上、5.0%以下であり、好ましくは0.05%以上、5.0%以下であり、さらに好ましくは0.1%以上、0.5%以下であった。
AgHAがナノサイズである場合、AgHAがマイクロサイズである場合よりも不織布に細かいAgHAの粒子が均一に密着し、良好な塗布状態になる。
第1の実施形態によって不織布1に塗布されたAgHAは、風速10m/s(咳の初速に相当)の風に10秒間(咳50回分に相当)さらされても剥離しない実験結果を得た。
第1の実施形態において不織布1を懸濁液11により濡れ状態としその後乾燥を行うために適切な不織布送り速度、乾燥温風温度、風速は、実験の結果から、不織布送り速度が0.05cm/s以上、10cm/s以下であり、乾燥風の出口温度が30℃以上、200℃以下であり、乾燥風の風速が1m/s以上、10m/s以下である。より好ましくは、不織布送り速度、乾燥温風温度、風速は、不織布送り速度が0.8cm/s以上、1cm/s以下であり、乾燥風の出口温度が85℃以上、95℃以下であり、乾燥風の風速が7m/s以上、8m/s以下である。適切な乾燥風の出口温度は例えば90℃であった。なお、不織布送り速度を速くする場合には、温風の温度を上昇させてもよい。第1の実施形態に係る塗布装置2は、例えば巻き取り部6による巻き取り速度にそって、乾燥風の温度を例えば500℃以下の範囲で実現可能とし、不織布送り速度を例えば1000cm/s以下の範囲で実現可能としてもよい。乾燥風の最大風速は、懸濁液11が不織布1から吹き飛んでAgHAが不織布1に付着することが困難にならない範囲で設定可能である。
水槽8中の懸濁液11の濃度が所定値以上となるように、水槽8に懸濁液11が補充されてもよい。
第1の実施形態においては、シャワーヘッド9から噴出される懸濁液11の流量を調整し、かつ、超音波振動子10により不織布1に超音波を当てることにより、効率的に不織布1内の気泡を排出して不織布1を懸濁液11により濡れ状態にすることができる。
第1の実施形態においては、AgHAを不織布1に塗布する場合を説明しているが、AgHAに代えてHAを不織布1に塗布する場合も同様の装置及び方法を適用することができる。
第1の実施形態においては、シャワーヘッド9と超音波振動子10とを用いて疎水性の不織布1を濡れ状態としている。しかしながら、不織布が親水性の場合、超音波振動子10を用いなくても不織布を濡れ状態とすることができる。
第1の実施形態において、不織布1は、シャワーヘッド9と超音波振動子10との間を通過し、ローラ74で不織布1に付いている余分な懸濁液が搾り取られ、水槽8に戻る。そして、適度に濡れた不織布1は乾燥部5の内部へ搬送される。このようにシャワーヘッド9から懸濁液11を噴出することにより、不織布1の濡れの効率を向上させることができ、水槽8内の懸濁液11を攪拌することができる。
第1の実施形態においては、シャワーヘッド9によって生じる流れに加えて、第1の流出口12から流出された懸濁液11を流入口13から流入させることで、さらに、水槽8内の懸濁液11を攪拌及び循環させることができる。これにより、水槽8内の懸濁液11の濃度を均一化することができ、不織布1にAgHAを均一に塗布することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、上記第1の実施形態に係る塗布装置2及び塗布方法によりマスクフィルタ用の不織布又はマスク用不織布である不織布1にAgHAを塗布し、その後不織布1の表面に強風を当てた状態を説明する。
図5は、AgHA塗布後のマスクフィルタ用の不織布に強風を当てた状態の例を示す拡大図である。この図5は、マスクフィルタ用の不織布に対する送風前の表面及び裏面、送風後の表面及び裏面を表している。
図6は、AgHA塗布後のマスク用不織布に強風を当てた状態の例を示す拡大図である。この図6は、マスク用不織布に対する送風前の表面及び裏面、送風後の表面及び裏面を表している。
咳の平均初速度は10m/sであり、平均の咳時間は0.2s/回である。そこで、第2の実施形態においては、AgHAの濃度が0.1%の懸濁液11を用いて生成された不織布1に、風速10m/sの風を10秒間(50回分の咳に相当)当てる。
図5及び図6のいずれにおいても、強風を当てた後の不織布1におけるAgHAの顕著な剥離は認められない。
したがって、第1の実施形態によって生成されたAgHA塗布後の不織布1をマスクフィルタ又はマスクとして使用しても十分にAgHAによる抗菌効果及び防臭効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、懸濁液11の濃度と、AgHAの粒子サイズと、不織布1に対するAgHAの塗布状態との関係を説明する。
図7は、懸濁液11の濃度と、AgHAの粒子サイズと、不織布1に対するAgHAの塗布状態との関係の例を示す拡大図である。
図7の不織布1はマスクフィルタ用不織布であり、上記第1の実施形態に係る塗布装置2及び塗布方法により生成されている。
図7では、濃度が0.5%でナノサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1と、濃度が0.1%でナノサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1とが上段に図示されている。なお、濃度が0.05%以上、5.0%以下でナノサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1と、濃度が0.01%以上、1.0%以下でナノサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1も、図7の上段と同様になる。
図7では、濃度が0.5%でマイクロサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1と、濃度が0.1%でマイクロサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1とが下段に図示されている。なお、濃度が0.05%以上、5.0%以下でマイクロサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1と、濃度が0.01%以上、1.0%以下でマイクロサイズのAgHAを含む懸濁液11を用いて生成された不織布1も、図7の下段と同様になる。
図7の比較から、ナノサイズの粒子サイズのAgHAは、マイクロサイズの粒子サイズのAgHAよりも不織布表面に均一に塗布されている。
この結果から、ナノサイズの粒子サイズのAgHAの方がマイクロサイズの粒子サイズのAgHAよりも凝集体が発生しにくいことが理解できる。
したがって、ナノサイズのAgHAを含む懸濁液11の濃度は、マイクロサイズのAgHAを含む懸濁液11の濃度よりも高くすることができる。
このため、粒子サイズの小さいAgHAを含む懸濁液11ほど濃度を濃くして不織布1を生成することができ、不織布1の抗菌効果及び防臭効果を高くすることができる。
上記の実施形態は、例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (8)

  1. ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液をためる水槽と、
    前記水槽内の前記懸濁液内で不織布に対して前記懸濁液を噴出するシャワーヘッドと、
    前記不織布に対して超音波を発する超音波発生装置と、
    前記水槽内の懸濁液から取り出された濡れ状態の前記不織布を乾燥させる乾燥部と、
    を具備する、装置。
  2. 前記ハイドロキシアパタイトは、銀含有ハイドロキシアパタイトである、請求項1の装置。
  3. 前記シャワーヘッドと前記超音波発生装置とは、前記水槽にためられる前記懸濁液内で互いに対向するように配置され、
    前記不織布は、前記シャワーヘッドと前記超音波発生装置との間を通過する、請求項1の装置。
  4. 前記水槽に形成されている第1の流出口から流出した前記懸濁液を、前記水槽に形成されている流入口から流入させる第1のポンプと、
    前記水槽の底部に形成されている第2の流出口から流出した前記懸濁液を、前記シャワーヘッドに供給する第2のポンプと、
    をさらに具備する、請求項1の装置。
  5. 前記乾燥部は、
    濡れ状態の前記不織布を搬入する第1の開口部と、乾燥後の前記不織布を搬出する第2の開口部とを備える筐体と、
    前記筐体内で濡れ状態の前記不織布に向けて風を排出する吹き出し口と、
    前記第1の開口部から前記筐体の内部に搬入された前記不織布を、前記第2の開口部まで搬送する複数のローラと、
    を具備する、請求項1の装置。
  6. 前記乾燥部は、前記複数のローラのうちの少なくとも1つが前記吹き出し口からの前記風を受けた前記不織布を巻き込むことを防止する支持台をさらに具備する、請求項5の装置。
  7. 前記吹き出し口は、前記吹き出し口の下を通過する前記不織布に向けて前記風を排出し、
    前記不織布を支える前記支持台の上面は網状である、
    請求項6の装置。
  8. 水槽内にためられているハイドロキシアパタイトを含む懸濁液に不織布を浸けることと、
    前記水槽内の前記懸濁液内で、シャワーヘッドにより不織布に対して前記懸濁液を噴出するとともに、超音波発生装置により前記不織布に対して超音波を発することと、
    乾燥部により前記水槽内の懸濁液から取り出された濡れ状態の前記不織布を乾燥させることと、
    を具備する、方法。
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