JP7136961B2 - 手乾燥装置 - Google Patents
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このようなハンドドライヤーの一例として特許文献1に記載のものが知られている。
このハンドドライヤーは、ケースと、乾燥室と、吹出しノズルとを備えている。
また、乾燥室の上部でかつ、手挿入口より後側には、吹出しノズルが設けられ、この吹出しノズルは、その先端縁に設けられた先端開口からエアを乾燥室の内部に向けて吹き出すようになっている。
前記乾燥室に設けられて、エアを吹き出し可能なスリット状のノズルを有する吹出管と、
パルスエアを発生するパルスエア発生部とを備え、
前記パルスエア発生部は、前記吹出管にエアを供給する供給管と前記吹出管との間に設けられ、
前記パルスエア発生部によって発生したパルスエアが前記吹出管に供給されたうえで前記ノズルから前記乾燥室に手挿入口を通して挿入された手に向けて吹き出されることを特徴とする。
このような手乾燥装置は、手洗乾燥機やハンドドライヤーに設けられる。
前記供給管から前記継手部に前記エアが流入する際に当該エアの流路断面積を急拡大する急拡大部と、前記継手部から前記吹出管に前記エアが流入する際に当該エアの流路断面積を急縮小する急縮小部とを有していてもよい。
したがって、パルスエアを容易に発生させることができるとともに、継手部にパルスエア発生部が設けられているので、パルスエア発生部が供給管の基端部等に設けられている場合に比してパルスエアの減衰を抑制できる。
前記上面壁の先端部と前記前面壁の上端部との間に前記手挿入口が設けられ、
前記手挿入口の上方近傍に前記吹出管が設けられ、
前記吹出管の前記ノズルから噴出されるパルスエアの吹出角度が、鉛直面に対して前記背面壁の側に10°~20°で傾斜していてもよい。
また、吹出管のノズルから噴出されるパルスエアの吹出角度が、鉛直面に対して背面壁の側に10°~20°で傾斜しているので、パルスエアが手挿入口から漏洩するのを抑制できるとともに、パルスエアによって外部のエアが手挿入口を通して乾燥室に誘引されて誘引気流となることによりエアの風量が増大するので、手を効率的に乾燥できる。
前記上面壁は、前記前面壁の側に向かうほど水平面に対して下方に傾斜する傾斜壁と、当該傾斜壁の先端部から前記手挿入口の上部まで延出する延出壁とを有し、
前記背面壁に前記乾燥室内のエアを外部に排出する排出口が前記上面壁の基端部において設けられていてもよい。
また、延出壁の傾斜角度が100°未満であると、延出壁の長さが等しい場合に手挿入口が上下に狭くなって手を挿入し難くなり、延出壁の傾斜角度が120°を超えると、乾燥室内のエアが手挿入口から漏洩し易くなるので、延出壁の傾斜角度を100°~120°に設定する。
図1および図2は本発明に係る手乾燥装置を備えた手洗乾燥機の第1の実施形態を示すもので、図1は手洗乾燥機の側面図、図2は同正面図である。
ケース11は矩形箱状に形成されており、このケース11内には、シンク12が収容されている。ケース11はシンク12を収容するケース本体11aと、このケース本体11aの上部に設けられた上部ケース11bとを備え、ケース本体11aの内部と上部ケース11bの内部とは上下に連通している。
上部ケース11bには、シンク12の上方において開口する手挿入口11cが設けられている。この手挿入口11cは、図2に示すように、横長の矩形状の開口となっている。
また、シンク12の上方でかつ奥側には自動水栓18が設けられている。この自動水栓18には給水管18aが接続され、この給水管18aに水に含まれる異物を捕集するためのフィルタ18bが接続され、このフィルタ18bが上水道に接続されている。
また、上部ケース11bの内側上部には殺菌灯19が設けられ、この殺菌灯19により手に付着している菌を殺菌できるようになっている。
また、上面壁31は、乾燥室15の上部開口を閉じた状態(図3に示す状態)において、前面壁32の側に向かうほど水平面に対して下方に傾斜する傾斜壁31aと、当該傾斜壁31aの先端部から手挿入口11cの上部まで延出する延出壁31bと、傾斜壁31aの基端部から水平に延びる水平壁31cとを備えている。
また、背面壁34の上端部には、乾燥室15内のエアを外部に排出する排出口36が水平壁31cの下方に設けられている。
延出壁31bは傾斜壁31aに対して100°~120°で傾斜しているが、本実施形態では傾斜角度β=114°で傾斜している。ここで、延出壁31bの傾斜角度βが100°未満であると、延出壁31bの長さが等しい場合に手挿入口11cが上下に狭くなって手を挿入し難くなり、延出壁31bの傾斜角度βが120°を超えると、乾燥室15内のエアが手挿入口11cから漏洩し易くなるので、延出壁の傾斜角度は100°~120°に設定されている。
図3に示すように、背面壁34は、シンク12の背面側の内面34aと、上部ケース11bの背面側の内面34bとによって構成されている。したがって、背面壁34は内面34aと内面34bとの間で段差を有している。
底面壁35はシンク12の底面によって構成されている。
エア供給部22は送風機23を備えている。送風機23はケース本体1aの下部に設けられたケーシング24の内部に設けられている。ケーシング24の前面(図2において左面)は開口しており、この開口部に不織布等で形成されたプレフィルタ25が設けられている。また、ケーシング24の後面(図2における右面)は開口しており、この開口部にHEPAフィルタ26が設けられている。
また、ケース1の右側面側にはエア流通路27が上下に延在して設けられ、当該エア流通路27の上端部は、後述する供給管42(図5参照)に接続されている。また、エア流通路27の下端部と、ケーシング24の後面側の開口とが接続されている。
吹出管40は乾燥室15に、手挿入口11cの上方近傍において設けられている。具体的には、吹出管40は、上面壁31の先端部の下方でかつ、手挿入口11cの内側上方に設けられている。また、吹出管40は円筒状に形成され、その外周面に2つのスリット状のノズル40a,40aが吹出管40の軸方向に沿って所定間隔で2つ設けられている。ノズル40aのスリット長さは100mm、スリット幅は2mmに設定されているが、これに限るものではない。
一方、パルスエア気流の単位時間当たりの脈動数は、右側のノズル40aから吹き出されるパルスエアの方が、左側のノズル40aから吹き出されるパルスエアより大となっている。
継手部45は、直方体の中空箱状に形成されており、供給管42が接続される接続部45aと、吹出管40が接続される接続部45bとを備えている。
また、吹出管40の基端部にはフランジ部40fが設けられ、このフランジ部40fが継手部45の外面に設けられた孔45dの周囲に固定されている。吹出管40の流路断面積は継手部45の流路断面積より小さくなっており、これによって、継手部45から吹出管40にエアが流入する際に当該エアの流路断面積を急縮小する急縮小部47が構成されている。
なお、本実施形態では、継手部45の流路断面積とは、直方体の中空箱状の継手部の対向する内壁面に直交する面の面積のことをいう。
継手部45には、パルスエア発生部41が設けられているので、吹出管40に供給されたエアはパルスエアとなって、ノズル40aから吹き出される。ノズル40aから吹き出されたパルエアは、図3に示すように、パルスエア気流PAとなって手に断続的に吹き付けられる。したがって、手に付着した水分が叩き落とされるようにして吹き飛ばされるので、従来に比して手を短時間で乾燥させることができるとともに、使用者に手もみなどの手間をかけることがない。
また、吹出管40は円筒状の管によって形成されているので、四角筒状の管によって形成されたものに比して、圧力損失が下がるので、この点においても風量が増大する。
さらに、前記パルスエア気流PAは、乾燥室15の底面壁35に衝突して跳ね返って上昇するので、乾燥室15の上部に旋回気流SAが生じ、この旋回気流SAは、風量増大によって大きくなる。
したがって、パルスエア気流PA、誘引気流ATおよび旋回気流SAによって手を素早く乾燥させることができる。
そして、乾燥に供されたパルスエア気流PA、誘引気流ATおよび旋回気流SAのエアの一部はケース11の背面側に設けられた回収口11dから下部に戻りプレフィルタ25を通って循環する。また、エアの残りは前記排出口36から外部に排出される。
また、パルスエア発生部41は、供給管42と吹出管40とを接続する継手部45に設けられた、急拡大部46と急縮小部47とを有しているので、供給管42から継手部45にエアが流入する際に急拡大部46によって流路断面積を急拡大することによって、エアが脈動し、さらに、継手部45から吹出管40にエアが流入する際に急縮小部47によって流路断面積を急縮小することによって、エアが脈動する。
したがって、パルスエアを容易に発生させることができるとともに、継手部45にパルスエア発生部41が設けられているので、パルスエア発生部41が供給管42の基端部等に設けられている場合に比してパルスエアの減衰を抑制できる。
また、傾斜壁31aが水平面に対して7°~15°で傾斜しているので、乾燥室15内のエアの滞留を抑制してエアを排出口36からスムーズに排出できるとともに、延出壁31bは傾斜壁31aに対して100°~120°で傾斜しているので、乾燥室15内のエアの手挿入口11cからの漏洩を抑制できるとともに手挿入口11cに手を挿入し易くなる。
次に実験例について説明する。
上述したパルスエア発生部の有効性について実験した。
(1)実験方法
i)パルスエアにより形成されるパルスエア気流の発生有無にて実験を実施した。パルスエア発生部を有するものを実験例、有しないものを比較例とする。
ii)手を水で十分に濡らし、10秒乾燥後の手に残っている残水量による評価方法にて比較した。
iii)A~Dの4名にて5回の実験を行い、平均値を算出した。
本発明に係る実験例を表1に、比較例を表2に示す。
(1)実験内容
継手部のサイズ(容積)による乾燥性能の違いを検証する実験を行った。実験に使用した継手部のサイズを下記に示す。
また、ノズルのスリット幅を従来は1.6mmとしていたが、パルスエア吹出し停止直前にスリットから笛吹音が発生するため、今回はノズルのスリット幅を2.0mmとした
継手部(大):W125mm×D56.5mm×H60mm(容積:424cm3)
継手部(中):W60mm×D56.5mm×H57.5mm(容積:195cm3)
継手部(小):W50mm×D50mm×H50mm(容積:125cm3)
(2)実験方法
i)実験条件
大、中、小の継手部にて実験を実施し、10秒乾燥後の残水量による評価方法にて比較した。また、A~Fの6名にて5回の上記実験を行い、平均値を算出した。
(3)実験結果
乾燥性能の実験結果を表3~表5に示す。
パルスエア吹出し停止直前の笛吹音は解消された。
図6に示す手乾燥装置が、図3に示す第1の実施形態の手乾燥装置と異なる点は、水滴ガードプレート50を備えた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略する場合もある。
また、水滴ガードプレート50の上端部は、上面壁31の傾斜壁31aの基端部に取り付けられており、これによって、水滴ガードプレート50は傾斜壁31aの基端部から下方に垂下されている。
また、水滴ガードプレート50および突出部51は、乾燥室15の幅方向(図6において紙面と直交する方向)に延在している。
なお、水滴ガードプレート50の下端部と突出部51の前面壁51aの上端部との間から水滴が侵入するのを防止するために、当該間に水滴を捕集可能で気流(空気)を通過させることができる部材を設けてもよい。
また、水滴ガードプレート50は、上面壁31の基端部に取り付けられているので、上面壁31の基端部において設けられている排出口36からの水滴飛散をより確実に防止できる。
次に、排出口からの水滴飛散実験例について説明する。
(1)実験方法
i)水滴ガイドプレートを有していない(水滴ガードプレート無しの)手乾燥装置の背面側に設けられた排出口付近に水書き用紙(水に濡れると黒色に変化する用紙)を置き、5人(A、B、C、D、Eの5人)3回手乾燥を行う。
ii)水書き用紙へ飛散した水滴の数を計測する(図7参照)。
iii)水滴が水書き用紙へ飛散した人(C、Eの2人)のみ、水滴ガードプレートを有している(水滴ガードプレート有の)手乾燥装置の背面側に設けられた排出口付近に水書き用紙(水に濡れると黒色に変化する用紙)を置き、各人各3回手乾燥を行い、水書き用紙へ飛散した水滴の数を計測する。つまり、再実験を行う。
表6は、水滴ガードプレート無しの場合の水滴数(個)を示し、表7は、水滴ガードプレート有り場合の水滴数(個)を示す。
表7に示すように、手乾燥時の水滴は水滴ガードプレートにて遮断され、排出口からの飛散防止に有効であることが分かる。
15 乾燥室
20 手乾燥装置
31 上面壁
31a 傾斜壁
31b 延出壁
32 前面壁
33 側面壁
34 背面壁
35 底面壁
36 排出口
40 吹出管
40a ノズル
41 パルスエア発生部
42 供給管
45 継手部
46 急拡大部
47 急縮小部
50 水滴ガードプレート
Claims (6)
- 手に付着している水分を乾燥させる乾燥室を有する手乾燥装置であって、
前記乾燥室に設けられて、エアを吹き出し可能なスリット状のノズルを有する吹出管と、
パルスエアを発生するパルスエア発生部とを備え、
前記パルスエア発生部は、前記吹出管にエアを供給する供給管と前記吹出管とを接続する継手部に設けられ、
前記供給管から前記継手部に前記エアが流入する際に当該エアの流路断面積を急拡大する急拡大部と、前記継手部から前記吹出管に前記エアが流入する際に当該エアの流路断面積を急縮小する急縮小部とを有し、
前記パルスエア発生部によって発生したパルスエアが前記吹出管に供給されたうえで前記ノズルから前記乾燥室に手挿入口を通して挿入された手に向けて吹き出されることを特徴とする手乾燥装置。 - 前記乾燥室は上面壁、前面壁、両側面壁、背面壁および底面壁を備え、
前記上面壁の先端部と前記前面壁の上端部との間に前記手挿入口が設けられ、
前記手挿入口の上方近傍に前記吹出管が設けられ、
前記吹出管の前記ノズルから噴出されるパルスエアの吹出角度が、鉛直面に対して前記背面壁の側に10°~20°で傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の手乾燥装置。 - 前記乾燥室は上面壁、前面壁、両側面壁、背面壁および底面壁を備え、
前記上面壁は、前記前面壁の側に向かうほど水平面に対して下方に傾斜する傾斜壁と、当該傾斜壁の先端部から前記手挿入口の上部まで延出する延出壁とを有し、
前記背面壁に前記乾燥室内のエアを外部に排出する排出口が前記上面壁の基端部において設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の手乾燥装置。 - 前記傾斜壁が水平面に対して7°~15°で傾斜し、前記延出壁は前記傾斜壁に対して100°~120°で傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の手乾燥装置。
- 前記乾燥室内の水滴が前記排出口から外部に飛散するのを防止する水滴ガードプレートを備えていることを特徴とする請求項3または4に記載の手乾燥装置。
- 前記水滴ガードプレートは、前記上面壁の基端部に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の手乾燥装置。
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