JP2007075335A - 乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補助電源として、瞬時的に大電力を供給できる電気二重層キャパシタを利用し、電気二重層キャパシタに貯蔵された電力を、手乾燥時に高圧空気流発生装置あるいは高圧空気流加熱用ヒータのいずれかに電力を供給するように構成したことにより、商用電源からの瞬間最大使用電力を低減した。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の実施の形態1における電気二重層キャパシタを用いた乾燥装置の構成を示す透視斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における乾燥装置を示す透視側面図である。また、図3は、本発明の実施の形態1における乾燥装置を示す平面断面図である。
まず、本発明に使用する電気二重層キャパシタについて説明する。
電気二重層キャパシタは、セパレータを挟んで互いに対向する分極性電極(正極及び負極)を設け、電解液中において分極性電極の表面に形成される電気二重層の静電容量を利用したものである。電気二重層キャパシタは、アルミコンデンサのような一般のキャパシタに比べて極めて大きな静電容量が得られることが特徴で、電子機器のバックアップ用の用途や、家電機器やコピー機の電力貯蔵、自動車のアイドルストップ時の始動用電源、ハイブリッド自動車の電源、風力や太陽光発電のピークシェービングや平準化のための電力貯蔵用の用途まで、幅広い利用が始まっており、省エネルギーや炭酸ガスの削減に役立つキーデバイスとして期待されている。
電気二重層キャパシタは、ボタン型、積層型、巻回型などの形状の違いはあるが、いずれの場合も、活性炭などのカーボン粒子を主とする分極性電極から成る正極及び負極と、これらの両極を隔てるセパレータとを、外装ケース内で交互に積層して、電解液(電解質を溶液に溶かしたものや、イオン性液体など)を含浸して構成されている。
電気二重層キャパシタは、充放電に際して化学反応を伴わないため、大電流を瞬時に充放電でき、充放電効率が良いという利点がある。また、10万回以上の充放電が可能であり、寿命が10年以上で信頼性が高いという利点もある。
まず、手22を洗った後、挿入口16から挿入部17に手を入れると挿入センサ(図示せず)により乾燥装置1が作動する。電気回路部2からの指令により、商用電源から高圧空気流発生装置である第1の送風機4と高圧空気流を加熱するヒータであるヒータ8へ電力が供給される。また、電気二重層キャパシタ3からは高圧空気流発生装置である第2の送風機5、高圧空気流を加熱するヒータである補助ヒータ9あるいは遠赤外線ヒータ14のうち、予め設定されたいずれかに、あるいは複数に電力が供給される。それ以外は必要に応じて商用電源から電力が供給される。第1の送風機4と第2の送風機5で発生された高圧空気流6は、送風路7に導かれ、温風ヒータ8と補助温風ヒータ9で加熱された後、高圧空気流6を周期的に遮蔽する手段である遮蔽回転板10で流路が遮られ圧力が高められる。その後、空気流吹出し管11の空気流吹出し孔12から温風の高速空気流13として、手22に吹き付けられ、手22についた水滴を吹き飛ばす、併せて遠赤外線ヒータ14により乾燥を早める。吹き飛ばされた水滴は受皿18で集められ、排水管19により排出される。このとき、排気口20と導風板21により高圧空気流13の流れが調整される。
ここで、電気回路部2は、電気二重層キャパシタ3の充放電の切り替えや放電の電圧調整を行うと共に商用電源からの電気二重層キャパシタ3への充電を制御する。充電は非使用時に行われ、使用開始時の瞬時に電気二重層キャパシタ3を放電させ、第2の送風機5、補助ヒータ9あるいは遠赤外線ヒータ14のいずれか、あるいは複数に電力を供給することにより、商用電源の瞬間最大利用電力量の低減を図ることができる。
その風量26は、開口部23の面積と開口部がない面積の比率で決定され、その比が1:1の場合、2倍近くにまで増大される。従って、間欠的に空気流吹出し孔12から高速空気流13を吹き出させることにより、手22についた水滴を吹き飛ばす能力を高めることができる。これにより、送風機の電力を下げても、手に付着した水滴を吹き飛ばすだけの運動量が確保され、省エネルギー効果が得られる。最大消費電力量の低減と省エネルギー効果によって業務用だけではなく、家庭用の乾燥装置としての利用も十分可能となる。この実施の形態1では、遮蔽円板10の回転数は2Hz(ヘルツ)、すなわち1秒間に2回回転する場合について説明したが、開口率や送風機の能力により調整することが可能である。
このように、商用電源と電気二重層キャパシタを組合せることにより、環境条件に応じて電力供給を最適化することにより、電力消費量を低減でき、省エネルギー効果もある。
図6は、実施の形態2における乾燥装置の電気二重層キャパシタからの電力供給を示すフロー図である。なお、実施の形態2における乾燥装置の構成は、実施の形態1の手乾燥装置1と同様であり、説明を省略する。
次に、実施の形態2の動作について説明する。
実施の形態2における乾燥装置1においては、第2の送風機5、補助ヒータ9あるいは遠赤外線ヒータ14のいずれに電気二重層キャパシタからの電力を供給するかを、図6のフロー図に従って、温度センサ15で検出された温度により決定するものである。
例えば、T1を10℃、T2を25℃に設定すると、挿入部17に取り付けた温度センサ15により検出された温度がT1(10℃)を下回っていれば、遠赤外線ヒータ14に5秒間電力を供給する。また、T1(10℃)からT2(25℃)の間であれば、補助ヒータ9に5秒間電力を供給する。さらに、T2(25℃)を上回っていれば、第2送風機5に5秒間電力を供給する。このように、温度に合わせて電気二重層キャパシタ3から電力を遠赤外線ヒータ14、補助ヒータ9あるいは第2の送風機5へ供給先を変更することにより、温度環境や季節に応じて、快適で最適な乾燥条件に合わせて電力供給を行うことが可能になり、併せて、商用電源の瞬時最大使用電力量を低減できる効果がある。
なお、温度の判定は、挿入部の温度でなくてもよく、外気温を用いて行ってもよい。また、単に切り替えスイッチをつけておいて、季節によって手動で切り替えても良い。
図7は、本発明の実施の形態3における乾燥装置を示す透視側面図である。
実施の形態3における乾燥装置1には、タオル懸吊部27が備えられており、タオル28をそのまま、もしくは2つ折りにして掛けるように構成されている。なお、実施の形態3における乾燥装置1の他の構成は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
まず、手22を洗った後、タオル28の両側から両手を挿入部17に差し込む。手22が挿入されたことを、挿入部17の手前と奥に設置された2つの光学式の挿入センサ(図示せず)によって検知し、手22が手前と奥に差し込まれたことを確認して温風13が吹き出し、手22についた水滴を吹き飛ばす。吹き飛ばされた水滴は、タオル28があるために手前には吹き出ずに、挿入部17の下部の受皿18に集められ排水管19から排水される。温風は側面の導風板21に沿って、側面の排気口20から排出される。手22の水滴が吹き飛ばされたら、完全に乾燥する前に、手22を手前に引いてタオル28で手22を拭く。これにより、手を完全に乾燥することができ、あらためてハンカチを取り出して拭く必要がない。温風で吹き飛ばす時間は5秒程度あればよく、従来の8〜10秒よりも大幅に短縮されることにより、省エネルギー効果が得られる。タオルは、通常、壁際にかけられていて、片面が壁によって通気性が悪くなって乾燥させにくいが、本発明の実施の形態2では、手の乾燥の度に、乾燥した高温空気にさらされるので、人が立ち退いた後も、その熱や乾燥空気で、使用されたタオルが速やかに乾燥される。タオルを使用して手を拭いた後、タオルを乾燥させる従来の方式に比べて、手の乾燥時間は同程度で、使用電力量は半分以下になった。これは、タオルに含まれる水分が少ないためである。
排気の方向は、設置場所の状況によって、側面左右の可動式の導風板21を使って自由に変更できる。完全に導風板21を閉じることもできるが、両側面を閉じると排気が前面から出てくることにより、タオル28を巻き上げて人の顔にかかってしまう可能性がある。従って、排気は前面からではなく、側面からの排気が望ましい。
図8は、本発明の実施の形態4による乾燥装置を示す平面断面図である。
実施の形態4による乾燥装置は、実施の形態1と同様の乾燥装置であるが、壁29に設けられた空間30にすっぽりと埋め込む、いわゆるビルトインタイプのものである。壁29には、乾燥装置1を半分以上埋め込む空間30と共に、排気空間31が設けられており、乾燥装置側面の開口部32から、排気空間31を通じて温風が排気される。これにより、トイレや洗面所など狭い空間に乾燥装置を設置することができる。これは、特に家庭の洗面所に設置する場合に適した形態であり、洗面所の空間を広く確保することが可能になる。なお、乾燥装置1の側面の上部を用いて第1の送風機4あるいは第2の送風機5への吸気口を設けても良い。
図9は、本発明の実施の形態5における乾燥装置を示す側面断面図である。
実施の形態5による乾燥装置32は、台所のシンク33の横に設置できるようにしたもので、水道の蛇口34の近くに、温風噴射口35があり、センサ36により手22を検知することにより作動する。乾燥装置32と実施の形態1の乾燥装置1と異なる部分は、乾燥装置32の内部には挿入部は無く、シンク33がその代わりとなっていることである。洗い物をした後、手をかざすだけで、温風が出て、水を吹き飛ばすことが可能であるので、乾燥装置32は台所では特に有効である。また、手だけではなく、皿等の食器の簡単な水切りをする場合にも利用できる。台所では、手が荒れるのを防ぐため、手袋をして洗い物をする場合が多いが、その場合、必ずしも完全に乾燥させる必要はなく、手袋に付着した水を吹き飛ばす程度で十分である。洗い物の後、手袋をした状態で手をかざし、水を切った後、手袋を外すことができる。素手で洗っている場合にも、乾燥装置で水を切ってから手を拭けばいいので、タオルが水で濡れた状態になることがない。
Claims (9)
- 被乾燥体を収納する挿入部と、
高圧空気流発生装置と、
上記高圧空気流発生装置により発生された高圧空気流を加熱するヒータと、
上記挿入部に配設され、上記加熱された高圧空気流を高速空気流として吹き出させる空気流吹出し孔と、
電力を貯蔵する電気二重層キャパシタと、を備え、
上記高圧空気流発生装置と上記高圧空気流を加熱するヒータに供給される電力のうち、少なくとも一つは上記電気二重層キャパシタに貯蔵された電力により供給されることを特徴とする乾燥装置。 - 高圧空気流発生装置と高圧空気流を加熱するヒータを複数備え、上記高圧空気流発生装置と高圧空気流を加熱するヒータのうち、その少なくとも一つは電気二重層キャパシタに貯蔵された電力により動作させることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
- 高圧空気流発生装置と高圧空気流を加熱するヒータに供給される電力を、商用電源又は電気二重層キャパシタのいずれかの電力からの供給に切り替え可能とすることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
- 挿入部及び/又は外気の温度を測定する温度センサを備え、電気二重層キャパシタに貯蔵した電力の供給先を、上記温度センサにより検出された温度に基づいて、高圧空気流発生装置又は高圧空気流を加熱するヒータのいずれかに切り替えることを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
- 高圧空気流を周期的に遮蔽する手段を備え、高速空気流が間欠的に空気流吹出し孔から吹き出す構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
- 高圧空気流を周期的に遮蔽する手段は、送風路の途中に配置され、一部に開口部を設けた遮蔽回転板によることを特徴とする請求項5に記載の乾燥装置。
- 挿入部の側面下部に、排気口と、排気の流れを導く導風板と、を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の乾燥装置。
- 挿入部の手前の正面部にタオルを吊るす懸吊部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の乾燥装置。
- 台所又は洗面所のシンクを挿入部として利用したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の乾燥装置。
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