JP7132891B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
また、サスペンションの特性を電子的に制御する電子制御サスペンションユニットには、クッションユニットの上部に機能部であるリザーブタンクおよび電子制御バルブが設けられている。このため、電子制御サスペンションユニットを用いるスイングアームでは、クッションユニットの動きを許容するスペースに加え、機能部の動きを許容するスペースを確保している(例えば、特許文献1参照)。
この構成によれば、サスペンションの制御バルブ部とスイングアームの間に隙間を設け、制御バルブ部をスイングアームの揺動を許容する位置に配置でき、制御バルブ部によるスイングアームの揺動量への影響を少なくできる。また、スイングアームにおいてサスペンションが通る空間の大きさに、制御バルブ部が与える影響を少なくできる。さらに、制御バルブ部を配置することによるスイングアームの大型化を回避しやすくなる。
この構成によれば、制御バルブ部は、サスペンションの前方寄りに配置され、サスペンションの後方にスペースを確保しやすくなる。また、スイングアームは後側の移動量が多いため、サスペンションの前方寄りに配置される制御バルブ部とスイングアームの上面との隙間を確保しやすくなる。
この構成によれば、スイングアームの揺動方向に対して影響が少なくなる位置に、制御バルブを配置できる。
この構成によれば、スイングアームの動きに影響を与えにくい位置に、サスペンションの加圧タンクを配置できる。
この構成によれば、サスペンションから突出する制御バルブ部および加圧タンクを一定の幅内に収めて配置することで、制御バルブ部および加圧タンクを含めてサスペンションをコンパクトな形状にしやすくなり、サスペンションと車体との間でスペースを確保しやすくなる。
この構成によれば、サスペンションをスイングアームの揺動を許容する位置に配置でき、スイングアームと加圧タンクとの間、およびスイングアームと2つの制御バルブとの間に隙間を確保しやすくなる。
自動二輪車1は、車体フレーム10にパワーユニットとしてのエンジン11が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端に操舵可能に支持される。そして、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部に設けられる車両である。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両であり、シート14は、車体フレーム10の後部の上方に設けられる。
図1および図2を参照し、車体フレーム10を説明する。車体フレーム10は、車体フレーム10の前端に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から後下方に延びる左右一対のメインフレーム16とを備える。さらに、車体フレーム10は、メインフレーム16の後端から下方に延出する左右一対のピボットフレーム17と、ピボットフレーム17の上部から後上方に延出する左右一対のシートフレーム18とを備える。
メインフレーム16は、メインフレーム16の前部から下方に延出してエンジン11を支持するエンジンハンガー部16aを備える。
スイングアーム13は、左右のピボットフレーム17に支持されるピボット軸22に軸支される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる。スイングアーム13は、前端部をピボット軸22に軸支され、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪3は、スイングアーム13の後端部に設けられる車軸3aに軸支される。
リアサスペンション24の上端は車体に連結される。リアサスペンション24の上端部24aは、クランクケース28の上後端部から後方に延出するクッション支持部70を介し、車体としてのエンジン11に連結される。なお、本実施の形態では、リアサスペンション24の上端は車体としてのエンジン11に接続されるが、これに限らず、例えば、リアサスペンション24の上端は車体としての車体フレームに接続されても良い。
リアサスペンション24の下端は、リンク部材26およびリンクロッド25を介し、スイングアーム13、および、ピボットフレーム17の下端部に連結される。
エンジン11は、車幅方向(左右方向)に水平に延びるクランク軸27を支持するクランクケース28と、クランクケース28の前部から前上方に延びるシリンダー部29とを備える。シリンダー部29には、シリンダー部29内を往復運動するピストン(不図示)が収容される。シリンダー部29のシリンダー軸線29aは鉛直に対し前傾する。
エアクリーナーボックス31は、シリンダー部29の後上方に配置される。エアクリーナーボックス31は、スロットルボディー(不図示)を介し、シリンダー部29の後面の吸気ポートに接続される。
エンジン11の排気管32は、シリンダー部29の前面の排気ポートから下方に引き出され、エンジン11の下方を通って後方に延びる。排気管32の後端は、後輪3の側方に配置されるマフラー33に接続される。
燃料タンク35は、メインフレーム16の上方で、シート14とエアクリーナーボックス31との間に配置される。
エンジン11のラジエーター36は、エンジン11の前方に配置される。
後輪3の前部を上方から覆うインナーフェンダー46は、スイングアーム13に取り付けられる。
後輪3の後部を上方から覆うリアフェンダー47は、シートフレーム18の後端部から後下方に延びる。
シート14の乗員が足を置くステップ48は、ピボットフレーム17に支持され、ピボットフレーム17の後方に配置される。
図3はスイングアーム13、リアサスペンション24、および後輪3を示す平面図であり、図4はリアサスペンション24とスイングアーム13を示す一部破断右側面図であり、図5はリアサスペンション24の正面図である。
スイングアーム13は、スイングアーム13の前端部であるピボット部13bと、それぞれピボット部13bの左右後部に接続して車体後方に延出される左アーム部13Lおよび右アーム部13Rを有する。そして、左アーム部13Lと、右アーム部13Rはピボット部13bの後方でクロス部13aにより接続される。ピボット部13bは、車体左右方向に延びており、ピボット部13b内にベアリングを嵌めたピボット軸22が挿入される。これにより、スイングアーム13が車体フレーム10に上下方向に回動自在に支持される。
クロス部13aの前部には、凹部13c、凹部13d、および凹部13fが設けられ、壁部13eの上下方向の長さは短く構成される。そして、壁部13eは、車両平面視で、後方に凸の円弧形状に構成される。
リアサスペンション24は、リアサスペンション24のストロークの中心軸が鉛直線に対し前傾する姿勢で配置される。
シリンダー部24e内には、減衰用の作動油が充填される。下端部24hが上下にストロークすると、ピストンバルブは、下端部24hと一体に移動し、シリンダー部24e内をシリンダー部24eの中心軸方向に摺動する。
上端部24aの上端には、クッション支持部70に連結される上部連結部24jが設けられる。上端部24aは、上部連結部24jに対し車幅方向に挿通される連結軸71によって、車体側のクッション支持部70に連結される。
スプリング72は、上端部24aのスプリング受け部24kと下端部24hのプリロードアジャスタ24gとの間に圧縮された状態で設けられ、下端部24hをリアサスペンション24の伸張方向に付勢する。
リアサスペンション24の初期荷重は、スプリング受け部24kとプリロードアジャスタ24gとの間で圧縮されるスプリング72の反力である。初期荷重の大きさは、スプリング72の自由長からの撓み(圧縮量)に対応する。
リンク部材26は、後端部においてリアサスペンション24に接続しており、前端部において、ピボットフレーム17の取付部17bに回動自在に支持される。そして、リンク部材26は、車両側面視において、下方に突出した三角形状であり、リンク部材26の下端部の左右側面にリンクロッド25の前端部が接続されている。リンクロッド25の後端部は、スイングアーム13のロッド取付部13gに接続されている。
第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cは、車幅の略中央に位置する上端部24aから車幅方向外側に延出して設けられており、車両平面視において、スイングアーム13の右アーム部13Rと重なる部位を有する。そして、図4に示すように、第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cはスイングアーム13の上辺とクランクケース28との間に位置する。
本実施例においては、加圧タンク24dは上端部24aの後面側に設けられ、第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cは上端部24aの右側部に設けられる。加圧タンク24d、第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cはリアサスペンション24の伸縮方向と略直交する方向に延出して設けられ、スイングアーム13の揺動を許容する位置に設けられる。
より具体的には、車両側面視で第1制御バルブ24bの中心は、円柱形状の底面円の中心点であり、この第1制御バルブ24bの中心が、リアサスペンション24の中心線L4よりも前方に位置する。
図4に示すように、スイングアーム13の前部における上面の傾斜に一致する直線L1は、前方に向けて下がる。ここで、直線L1は、左アーム部13Lおよび右アーム部13Rの前部の上面に沿う線である。また図4には、車両側面視で第1制御バルブ24bの中心と第2制御バルブ24cの中心とを通る直線L3が示される。直線L1と加圧タンク24dの中心線L2と、直線L3とは略平行である。これにより、ピボット軸22を中心にスイングアーム13が上方に揺動されても、スイングアーム13の揺動に影響を与えにくい位置に、加圧タンク24d、第1制御バルブ24b、および第2制御バルブ24cが配置される。
また、車両側面視において、直線L3は、直線L1よりも、前方に向けてより下がる傾きとなっている。これにより、スイングアーム13が上方に大きく揺動される場合でも、スイングアーム13の上面と、制御バルブ部24sとの間に空間を確保しやすくなる。
このため、加圧タンク24dとスイングアーム13との間に空間を設けるとともに、スイングアーム13と第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cとの間を大きく取ることができる。
自動二輪車1の後輪3に荷重がかかると、スイングアーム13がピボット軸22を中心として、上方に揺動される。リアサスペンション24は、上部連結部24jを車体側のクッション支持部70に接続され、下部連結部24iを、リンク部材26を介して、車体側の取付部17bに接続されている。リアサスペンション24の下部連結部24iの前後位置は、リンク部材26の後端部の揺動範囲となり、リアサスペンション24の車体に対する姿勢の変化が抑えられている。そして、スイングアーム13の揺動がリンク部材26を介してリアサスペンション24に、リアサスペンション24の延出方向の動きとして伝達される。そして、スプリング72が圧縮されるとともに、ピストンロッド24fがシリンダー部24eに挿入されながら上方に移動する。
また、制御バルブ部24sも車両側面視において、後方に向けて斜め上方に延出されており、スイングアーム13との間に隙間が確保される。
この構成によれば、スイングアーム13において、リアサスペンション24の動きを許容する空間13sに、リアサスペンション24のスプリング72に内装されるピストンロッド24f、およびシリンダー部24eが、挿入される。そして、制御バルブ部24sがスイングアーム13を避けて配置され、空間13sの形状が、制御バルブ部24sの配置による影響を受けにくくなる。これにより、空間13sの大型化を回避しやすくなる。また、スイングアーム13の大型化および補強による重量の増加を回避しやすくなる。
この構成によれば、第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cがリアサスペンション24の前方寄りに配置され、リアサスペンション24の第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cと、スイングアーム13との間に空間を設け、リアサスペンション24をスイングアーム13の揺動を許容する位置に配置できる。
この構成によれば、第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cを、スイングアーム13の揺動方向に対して、影響の少ない位置に配置して、第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cとスイングアーム13との間に空間を設け、リアサスペンション24をスイングアーム13の揺動を許容する位置に配置できる。
この構成によれば、揺動するスイングアーム13を避けて加圧タンク24dを配置しやすくなり、スイングアーム13と加圧タンク24dとの間に隙間を確保しやすくなる。
この構成によれば、加圧タンク24dと共に、第1制御バルブ24bおよび第2制御バルブ24cをスイングアーム13の揺動を許容する位置に配置できる。
この構成によれば、スイングアーム13の揺動域が、リアサスペンション24により制限され難くなる。また、スイングアーム13とリアサスペンション24との間に隙間を設けやすく、リアサスペンション24を、スイングアーム13の揺動を許容する位置に配置できる。
また、上記実施の形態では鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、および4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
3 後輪(車輪)
13 スイングアーム
13L 左アーム部(アーム部)
13R 右アーム部(アーム部)
13a クロス部
13s 空間
22 ピボット軸
24 リアサスペンション(サスペンション)
24a 上端部(上部)
24b 第1制御バルブ(制御バルブ)
24c 第2制御バルブ(制御バルブ)
24d 加圧タンク
24s 制御バルブ部
L1 直線(上辺の傾き)
L2 中心線
L3 直線
L4 中心線
L5 延長線
L6 延長線
Claims (4)
- 車輪(3)を支持するスイングアーム(13)と、前記スイングアーム(13)を揺動自在に車体に支持するピボット軸(22)と、前記車体と前記スイングアーム(13)との間に掛け渡されるサスペンション(24)とを備え、前記スイングアーム(13)は、左右一対のアーム部(13L、13R)と、左右の前記アーム部(13L、13R)を左右に接続するクロス部(13a)とを備えるとともに、前記アーム部(13L、13R)の前端が前記ピボット軸(22)に支持され、前記ピボット軸(22)と前記クロス部(13a)との間に、前記サスペンション(24)が上下に通る空間(13s)が設けられ、前記サスペンション(24)は、車両側面視で前記スイングアーム(13)と重なる部位を備え、前記サスペンション(24)の上部(24a)に電子制御される制御バルブ部(24s)を備える鞍乗り型車両において、
前記制御バルブ部(24s)は、前記サスペンション(24)の前記上部(24a)の車幅方向の一側側に配置され、前記上部(24a)の側面から車幅方向外側に延出し、
前記サスペンション(24)は加圧式サスペンションであり、前記サスペンション(24)の前記上部(24a)に加圧タンク(24d)を備え、
前記加圧タンク(24)は、前記サスペンション(24)の伸縮方向と略直交する方向に延出して設けられ、
前記制御バルブ部(24s)は、略円柱形状の制御バルブ(24b、24c)を備え、前記制御バルブ(24b、24c)の中心は前記サスペンション(24)の中心線(L4)よりも前方に位置し、
前記制御バルブ(24b、24c)は車両側面視で2つが前後に並んで配置され、
前側の前記制御バルブ(24c)は、後側の前記制御バルブ(24b)よりも下方に位置する
ことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 車輪(3)を支持するスイングアーム(13)と、前記スイングアーム(13)を揺動自在に車体に支持するピボット軸(22)と、前記車体と前記スイングアーム(13)との間に掛け渡されるサスペンション(24)とを備え、前記スイングアーム(13)は、左右一対のアーム部(13L、13R)と、左右の前記アーム部(13L、13R)を左右に接続するクロス部(13a)とを備えるとともに、前記アーム部(13L、13R)の前端が前記ピボット軸(22)に支持され、前記ピボット軸(22)と前記クロス部(13a)との間に、前記サスペンション(24)が上下に通る空間(13s)が設けられ、前記サスペンション(24)は、車両側面視で前記スイングアーム(13)と重なる部位を備え、前記サスペンション(24)の上部(24a)に電子制御される制御バルブ部(24s)を備える鞍乗り型車両において、
前記制御バルブ部(24s)は、前記サスペンション(24)の前記上部(24a)の車幅方向の一側側に配置され、前記上部(24a)の側面から車幅方向外側に延出し、
前記サスペンション(24)は加圧式サスペンションであり、前記サスペンション(24)の前記上部(24a)に加圧タンク(24d)を備え、
前記加圧タンク(24)は、前記サスペンション(24)の伸縮方向と略直交する方向に延出して設けられ、
該加圧タンク(24d)は略円柱形状をなし、前記サスペンション(24)の前記上部(24a)の後側に配設され、
前記加圧タンク(24d)の中心線(L2)が、車両側面視で後上方を指向するように設けられる
ことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 車輪(3)を支持するスイングアーム(13)と、前記スイングアーム(13)を揺動自在に車体に支持するピボット軸(22)と、前記車体と前記スイングアーム(13)との間に掛け渡されるサスペンション(24)とを備え、前記スイングアーム(13)は、左右一対のアーム部(13L、13R)と、左右の前記アーム部(13L、13R)を左右に接続するクロス部(13a)とを備えるとともに、前記アーム部(13L、13R)の前端が前記ピボット軸(22)に支持され、前記ピボット軸(22)と前記クロス部(13a)との間に、前記サスペンション(24)が上下に通る空間(13s)が設けられ、前記サスペンション(24)は、車両側面視で前記スイングアーム(13)と重なる部位を備え、前記サスペンション(24)の上部(24a)に電子制御される制御バルブ部(24s)を備える鞍乗り型車両において、
前記制御バルブ部(24s)は、前記サスペンション(24)の前記上部(24a)の車幅方向の一側側に配置され、前記上部(24a)の側面から車幅方向外側に延出し、
前記サスペンション(24)は加圧式サスペンションであり、前記サスペンション(24)の前記上部(24a)に加圧タンク(24d)を備え、
前記加圧タンク(24)は、前記サスペンション(24)の伸縮方向と略直交する方向に延出して設けられ、
前記制御バルブ部(24s)は、略円柱形状の制御バルブ(24b、24c)を備え、前記制御バルブ(24b、24c)の中心は前記サスペンション(24)の中心線(L4)よりも前方に位置し、
車両側面視で、前記加圧タンク(24d)の上辺の延長線(L5)と下辺の延長線(L6)との間に2つの前記制御バルブ(24b、24c)を配置する
ことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 車両側面視で、前記ピボット軸(22)と前記クロス部(13a)との間の前記スイングアーム(13)の上辺の傾き(L1)と、前記加圧タンク(24d)の前記中心線(L2)の傾きと、2つの前記制御バルブ(24b、24c)の中心を通る直線(L3)の傾きと、は略平行であることを特徴とする請求項2または3に記載の鞍乗り型車両。
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