JP7130269B2 - トリアルコキシシランの選択的合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トリアルコキシシランの合成の直接的方法に関する。特に、限定するものではないが、本方法は、トリエトキシシランの選択的合成方法に関する。
トリアルコキシシランは、他の有機化合物との付加、共重合、共重縮合及び不均化等の様々な反応を経て、有機ケイ素化合物を形成する。
不均化反応は、ソーラーグレードシリコン生成用の前駆体であるシランの形成をもたらす。広く使用されるアルコキシシランの合成方法は、ケイ素と塩酸との反応を伴って、トリクロロシランを形成し(式1)、その後、これを銅触媒の存在下で第一級アルコールと反応させるものである(式2)。
Si+3HCl→SiHCl+H (1)
SiHCl+3ROH→SiH(OR)+3HCl (2)
しかしながら、このアプローチは、毒性で腐食性の塩酸副生成物に加えて、ケイ素の芳しくない転化率、並びに所望のトリアルコキシシラン生成物の低い選択率及び芳しくない収率という難題に直面している。
それ故、直接合成方法の開発(式3)及びトリアルコキシシランに対する選択率の改良に対して大きな関心が向けられている。
Si+3ROH→SiH(OR)+H (3)
これまで直接合成方法は、ジフェニルアルカン等の伝熱溶媒を用いて、連続撹拌されたスラリー相のタンク型反応器において行われるものであった。伝熱溶媒の使用は、長時間の触媒活性化時間をもたらし、また精製プロセスを複雑にする。このスラリー相法は、所望のトリアルコキシシラン生成物の低い選択率及び収率、並びに金属ケイ素の低い転化率(slow conversion:緩やかな転化)をも被るものである。
特許文献1は、多結晶シリコン及び高純度シリコンに関する製造方法を記載している。しかしながら、トリアルコキシシランの生成について記載した本方法は流動層反応器において行われ、実施例によれば、Cu、Al及びFeを含有する触媒の存在下で提供される。本明細書によれば、本方法は、約75%のトリメトキシシランに対する選択率を実現する。所望の生成物に対するこのような低い選択率は、関連するコストへの悪影響、及び本方法における更なる分離工程に対する必要性を含む多数の理由から問題となり得る。
特開2001-178018号
したがって、上述の不利点に対処するトリアルコキシシランの合成に関する代替方法に対する要求が存在している。
本発明の第1の態様によれば、式SiH(OR)(式中、各RはC~Cアルキル
である)を有するトリアルコキシシランの選択的合成のための直接的無溶媒方法であって、該方法が、
金属ケイ素と銅系触媒との混合物を充填層反応器内に供給する工程と、
約180℃~約250℃の活性化温度で混合物を加熱する工程と、
約180℃~約250℃未満の反応温度でC~Cアルコールを反応器に投入する工程と、
熱交換器において反応生成物を凝縮する工程と、
該凝縮した反応生成物を回収する工程と、
を含み、
金属ケイ素及びケイ素-触媒混合物がいずれも、フッ化水素酸(HF)洗浄工程を含む如何なる洗浄工程にも付されない、方法が提供される。
好ましい実施の形態において、トリアルコキシシランに対する選択率は約88%より大きい、約90%より大きい、又は約95%より大きい。
一実施の形態において、C~Cアルコールは第一級アルコールである。
一実施の形態において、C~Cアルコールは、反応器において約9分間~約71分間の滞留時間を有する。
一実施の形態において、銅系触媒は、ケイ素-触媒混合物の重量に対して約2wt.%~約10wt.%の触媒充填濃度で存在する。
好ましい実施の形態において、銅系触媒は、ケイ素-触媒混合物の重量に対して約5wt.%未満の触媒充填量で存在する。
特に好ましい実施の形態において、銅系触媒は、ケイ素-触媒混合物の重量に対して約2.5wt.%の触媒充填量で存在する。
好ましくは、銅系触媒は、塩化銅(I)、水酸化銅(II)、酸化銅(II)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
一実施の形態において、C~Cアルコールは実質的に無水物である。
好ましくは、C~Cアルコールはエタノールである。
一実施の形態において、活性化温度は約220℃である。
好ましい実施の形態において、充填層反応器を約220℃の活性化温度で約2時間~5時間加熱する。
更に好ましい実施の形態において、反応温度は約200℃~約240℃である。
好ましくは、反応温度は約220℃である。
更に好ましくは、反応温度は約240℃である。
一実施の形態において、滞留時間は約14分~約71分である。
本発明の第2の態様によれば、トリエトキシシランの合成のための無溶媒方法であって
、該方法のトリエトキシシランに対する選択率が約90%より大きく、該方法が、
金属ケイ素と銅系触媒との混合物を、該ケイ素-触媒混合物の重量に対して約5wt.%未満の触媒充填量で充填層反応器内に供給する工程と、
混合物を約220℃の活性化温度で加熱する工程と、
無水エタノールが反応器において約220℃~約240℃の反応温度で約35分~約71分の滞留時間を有するように、該エタノールを反応器に投入する工程と、
熱交換器において反応生成物を凝縮する工程と、
該凝縮した反応生成物を回収する工程と、
を含み、
金属ケイ素及びケイ素-触媒混合物がいずれも、HF洗浄工程を含む如何なる洗浄工程にも付されない、方法が提供される。
ここで、以下の非限定的な実施形態及び図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
本発明による方法で使用される管状反応器システムの概略図である。 トリエトキシシランの形成速度に対する銅触媒型の効果のグラフ図である。 トリエトキシシランの形成速度に対する銅触媒充填量の効果のグラフ図である。 トリエトキシシランの形成速度に対する活性化温度の効果のグラフ図である。 トリエトキシシランの形成速度に対する活性化時間の効果のグラフ図である。 TES及びTEOSの経時的な選択率のグラフ図である。 30時間にわたるケイ素転化率及びトリエトキシシラン選択率のグラフ図である。 6時間及び24時間におけるメタノール、エタノール、n-プロパノール及びn-ブタノールについてのケイ素転化比率のグラフ図である。 メタノール、エタノール、n-プロパノール及びn-ブタノールについてのトリアルコキシシランに対する選択率のグラフ図である。
ここで、本発明の非限定的な実施形態を幾つか示す添付の図面を参照して本発明を以下で更に十分に説明する。
以下に記載した発明は、開示した特定の実施形態に限定するように解釈されるものでなく、僅かな変更及び他の実施形態も本発明の範囲内に包含されるものと意図される。
本明細書には特定の用語が使用されるが、それらは、限定を目的とせず包括的及び記述的な意味でのみ使用される。
本明細書で使用される場合、本明細書を通じて及び添付の特許請求の範囲において、文脈上特に明確に指定されない限り、単数形(the singular forms "a", "an" and "the")には複数形が含まれる。
本明細書で使用される用語及び表現は、説明を目的とし、限定するとみなされるものではない。本明細書で使用される「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「有する(having)」、「包含する(including)」という用語、及びそれらの変化形の
使用は、その前に列挙される項目及びそれらの均等物と、更なる項目とを包含することを意味するものである。
本明細書で使用される場合、「直接的方法」という用語は、中間体を経ることのない、ケイ素とアルコールとの反応によるトリアルコキシシランの形成を意味するものと理解されたい(幾つかの従来技術ではまず、ケイ素をHClと反応させて、中間体SiHClを形成し、その後、それをアルコールと反応させてトリアルコキシシランを形成する)。
本明細書で使用される場合、「無溶媒」という用語は、その試薬が、特定の反応における試薬でない溶媒又はビヒクルに懸濁又は溶解していない反応又は方法を意味するものと理解されたい。本明細書で使用される場合、「無溶媒」及び「非スラリー」という用語は同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、「選択的合成」という用語は、テトラアルコキシシランを含む反応で形成されるいずれの他の生成物に優る、80wt.%超、好ましくは90wt.%超、更に好ましくは95wt.%超のトリアルコキシシラン反応生成物に対する優先度を指す。
本明細書で使用される場合、「銅系触媒」という用語は、塩化銅(I)、水酸化銅(II)、酸化銅(II)、及びそれらの混合物を含む実質的に純粋な銅系化合物のみからなる触媒を指す。「実質的に純粋」という用語は、純度が98%より大きい、99.0%より大きい、又は99.5%より大きいことを意味するものと理解されたい。
本明細書で使用される場合、「半連続式」という用語は、試薬のうちの1つ(アルコール)及び全生成物(未反応のアルコール及びアルコキシシラン)がそれぞれ、同時に反応器へ装填し、また反応器から排出されるのに対して、他の試薬(ケイ素)が反応器内に静置していることを意味するものと理解されたい。本発明による方法は半連続式又は連続式とすることができると想定される。
本発明は、式SiH(OR)のトリアルコキシシランの選択的合成のための直接的無溶媒方法を提供する。各RはC~Cアルキルである。
直接的方法は、充填型の管状反応器において銅系触媒の存在下でケイ素元素を第一級アルコールと反応させることを含む。本方法は、無溶媒(非スラリー)方法であり、半連続式又は連続式であってもよい。
図1は、本発明の方法に使用することができる反応器システム10の概略図を示す。反応器システム10は、アルコール槽30と、ポンプ40と、管状炉20内の管状反応器50と、凝縮器60と、反応生成物を回収する槽70とを備える。アルコールは槽30からフィードライン12を介して管状反応器にポンプによって送られる。反応器システム10は、活性化サイクル中に管状反応器において触媒-ケイ素混合物をパージするための窒素吸気口14を更に備え得る。反応器システム10はまた、背圧レギュレータ16と、管状炉20内に位置する予蒸発カラム18とを備え得る。
管状炉20は、触媒-ケイ素混合物を活性化温度に加熱して、混合物を所定時間この活性化温度に維持するのに使用される。触媒-ケイ素混合物が活性化サイクルを経た後、管状炉20の温度を反応温度に調節することができる。
上記の反応器システム10が、本発明の方法で使用され得るシステムの一例の提示であることは当業者に認識されよう。反応器システムは、複数の第一級アルコール槽、ポンプ、管状反応器、炉及び凝縮器を備えるように設計されていてもよい。例えば、反応器システムは、プロセスを連続的なものとするために、サイクル動作し、かつケイ素-触媒混合
物が再装填される複数の充填型の管状反応器を備えるように設計されていてもよい。システムは、当該技術分野で既知の方法に従ってモニタリング及び電子的に調節することもできる。
管状反応器50には、粉末状金属ケイ素と銅系触媒との混合物を充填し、その後、その両端で栓をして、触媒又はケイ素が次に持ち越される(carry over)ことがないようにする。銅系触媒は、ケイ素-触媒混合物の重量に対して約2wt.%~約10wt.%の触媒充填濃度でケイ素と混合することができる。好ましくは、銅系触媒は約5wt.%未満の濃度で混合物中に存在する。最も好ましくは、銅系触媒は2.5wt.%の濃度で混合物中に存在する。さらに、銅系触媒は、プロセスの選択率に悪影響を及ぼすおそれのある有意レベルの不純物、例えばアルミニウム又は鉄をいずれも含有しない実質的に純粋な化合物、又は化合物の混合物である。
本発明による方法は、金属ケイ素、銅系触媒、又はケイ素-触媒混合物を調製、活性化又は清浄する付加的な工程を何ら含まない。特に、本方法は、金属ケイ素、銅系触媒、又はケイ素-触媒混合物を任意の酸又は他の予備溶液、例えばフッ化水素酸(HF)で洗浄する工程を必要とせず、すなわち該工程を含まない。HFは極めて腐食性の液体であることが知られており、また接触毒と考えられる。化学プロセスにおけるHFの使用は、大きな健康リスクを招く。その低い酸解離定数に起因して、HFは脂溶性の中性分子として、典型的な鉱酸よりも急速に組織に浸透する。フッ化水素酸が組織に浸透する能力のために、皮膚若しくは眼に曝されることにより、又は吸入若しくは嚥下した場合に容易に毒が作用し得る。したがって、可能であれば任意の化学処理システムからHFを排除することが望ましい。
その後、充填型の管状反応器をフィードライン12に接続し、管状炉内に据える。管状炉はまた、炭化ケイ素及び分子篩で充填される予備蒸発カラム18を備え得る。予備蒸発カラムは、他のセラミック若しくは耐火材、又はアルコールと反応しないか若しくは化学的に不活性で高温耐性の任意の他の材料、例えば、炭化タングステン、モリブデン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、タンタル及びレニウムを含む類似の材料で充填されていてもよい。材料は安価であることが好ましい。このためいずれの特定の理論に縛られることを望むものではないが、予備蒸発カラムは、反応器内のケイ素に達する前に、液体アルコールを気相へと転化させるように作用すると考えられる。アルコールが予備蒸発されなければ、その幾らかは十分に反応しないため、ケイ素転化率が低くなる可能性がある。予備蒸発カラムを不活性な高温耐性材料で充填することが不可欠である。この充填は、アルコールが確実に均一に蒸発することを促す。この充填はまた、充填材が分子篩又は分子篩と炭化ケイ素との混合物である場合に、アルコールから残留水を全て除去することを促す。
気固反応に使用される充填層反応器は、層上で起こる反応のために気化した試薬を添加する縦置容器又は横置容器内の触媒又は反応物の密な固定化スタックからなり、生成物が連続的に取り出される。この反応器では、該固体が反応物又は触媒となり得る。触媒又は固体反応物は反応器内に保持され、生成物から分離する必要がない。工業用の充填層反応器は、小さな直径から大きな直径までの範囲の充填層サイズをとり、流動層反応器よりも小さい。
充填層反応器は、理想的なプラグ流挙動、より低い維持費、運転コスト及び建設費、並びに摩耗(attrition)及び消耗(wear)に起因する損失の低減といった利点をもたらす
。他の利点は、他のタイプの反応器よりも反応物と触媒とがより接触し、これにより、触媒重量当たりの大きな転化比率に起因して生成物の形成及び選択率が増大する点である。充填層反応器は連続運転され、高い温度及び圧力で効果的である。再生可能な不均質な
触媒の使用は、プロセスのコストが低く、環境に優しいことを意味する。触媒のin situ活性化は、触媒が反応前に新しく準備されることを確実にする。充填層反応器はまた、連続的なフロー生成といった利点をもたらし、高スループットを導く
温度制御が難しく、結果的に熱伝達が芳しくないという特徴を有する大きな充填層反応器はまた、ホットスポットの発生及び触媒の熱分解を起こすおそれがある。ガス流のチャネリングが起こり、反応器内に無効領域が生じる可能性があり、副反応が起こり得る。触媒又は固体反応物の置換も固定層反応器内では難しく、プロセスの停止が必要な場合がある。充填層反応器の別の主な不利点は、大きな圧力降下をもたらすコークス沈着に起因する層の目詰まりである
他方、流動層反応器は、流体分布プレートにわたって支持される顆粒状固体材料の層からなり、或る特定の臨界値を超える流速の気体又は液体とすることができる流体を通すことによって液体のように挙動するように作られる。このタイプの反応器は幾つかの多相反応を行う上で有用である。流動層反応器は昨今、化学分野、冶金分野、環境分野及び製薬分野を包含する莫大な数の工業用途に使用されている。流動型反応器の最も重要な利点は、該流動型反応器が含有する固体材料が、連続的に動いており、通常十分に混合されていることにより生じる。これによってホットスポットが急速に排除され、層が基本的に等温で機能する。このタイプの反応器における粒子運動は、非常に高い層から表面にかけた加熱(bed-to-surface heat)のために温度制御を容易にする。気固混合物の流体のよ
うな特性によって、固体が1つの反応ベッセルから別の反応ベッセルへと難なく移行し、これは、高スループットを伴って連続的なフロー合成を可能にする有用な特徴である。流動層反応器は、可動部を有さず、かつ機械的に撹拌しないため、低い維持コストを有する。
流動層の不利点としては、層内における固体微粒子の流体のような挙動によって引き起こされる内部構成要素の侵食、及びサイクロンの目詰まりによる微粒子の損失が挙げられ、触媒又は出発材料が高価であれば、これにより出費がかさむおそれがある。気泡によって固体を側管に通すこともできるが、これにより転化率が著しく制限されることがある。反応器内部に温度勾配を必要とする反応は、流動型反応器内で成し遂げることができない。別の不利点は、微細粒子が流動化のために特別な技法を必要とすることである。流動型反応器は、乱流混合に起因する微粉の発生、分配器部位における気体-気体又は液体-気体相互作用(gas or liquid gas interaction)、及び凝集に起因する分離の結果とし
て、望ましくない生成物及び複雑な分離手法を招くことがある。反応器内の層材料が膨張することは、充填層反応器と比較して、流動型反応器の構築に大きなベッセルが必要となることを意味する。これは、空間及び初期費用の観点から不利点である。このタイプの反応器はまた、流動度を維持するためにポンプにより送るのに必要なエネルギーの観点から高価な場合がある。圧力降下が起こることが多く、これにより層表面積の損失がもたらされ、転化率が低くなる
充填型の管状反応器内の触媒-ケイ素混合物は、システムを窒素又は任意の他の不活性ガスで適切な流速においてパージしながら、活性化サイクルにおける混合物を約180℃~約250℃の活性化温度に約2時間~5時間加熱することによって活性化される。活性化温度は240℃未満であることが好ましい。活性化温度は220℃であり、活性化サイクルは約2.5時間であることが最も好ましい。本発明による方法は、従来技術のスラリー相反応で使用される伝熱溶媒を使用しないため、比較的短いin situ触媒活性化時間を提供する。活性化サイクルが完了したら、システムの温度を反応温度へと、場合に応じて上昇又は下降させるように変更することができる。システムの反応温度は、約180℃~約250℃未満の範囲内とすることができる。反応温度は約220℃~約240℃の範囲内であることが好ましい。反応温度は約220℃であることが最も好ましい。
反応器システムで採用される反応温度の僅かな低下でさえ、エネルギー、それ故コストの劇的な削減をもたらし得ることが、化学処理分野の当業者に認識されよう。それ故、例えば、約250℃の温度と比較して、約220℃の温度における同じ又は同等の生成物選択率、生成物形成速度、及び試薬転化比率を得られることは、重大な利点であることが認識されよう。
アルコールは、槽30からフィードライン12を介して、管状炉20内に収容される予備蒸発カラム18及び管状反応器50へとポンプによって送られる。アルコールの流速は、約0.1mL/分~約0.8mL/分の範囲で選択され得る。流速は、約0.1mL/分~約0.3mL/分の範囲で選択されることが好ましい。流速は約0.1mL/分又は0.2mL/分であることが最も好ましい。使用される反応器の設計及び容積に基づき、流速は約9分~約71分の範囲の滞留時間に相当する。滞留時間は約24分~約71分の範囲内であることが好ましい。滞留時間は約35分~約71分の範囲内であることが最も好ましい。ポンプ40は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)システムで通例使用されるポンプ、又は約0.1mL/分~約0.8mL/分の範囲の正確な流速を提供し得る任意の他のポンプ、又は反応器の容積に基づき、約9分~約71分の滞留時間をもたらし得るポンプであってもよい。
本発明による方法で使用されるアルコールは好ましくは、槽30内で分子篩上に任意に蓄積する無水アルコールである。管状反応器内で形成される反応生成物及び過剰な未反応のアルコールをその後、生成物が凝縮される凝縮器に通す。このためいずれの特定の理論に縛られることを望むものではないが、アルコールに含まれる水が触媒の作用を損なわせ、トリアルコキシシラン選択率及びケイ素転化率を低減させると考えられる。水はまた、形成されたアルコキシシランと反応して、シリカゾル又はシロキサンを形成して生成物を減少させることがある。本発明の方法は、高い選択率において許容可能な形成速度及びケイ素転化パーセンテージでトリアルコキシシランを生成する。
反応の各パラメータ、並びに、それが選択率にどのように影響するのか、形成速度及び/又はケイ素転化比率を評価するために、実験を幾つか行った。ここで、以下に提示される実験、結果及びデータに従って本発明による方法を更に十分に検討する。
実験-代表的手順
粉末状金属ケイ素(99.0%、325μm未満)5.2651g及び銅系触媒(250μm未満)0.2522gを十分混合し、予め組み立てたステンレス鋼製の管状反応器(150mm×9.925mm)に充填した。
グラスウールを使用して反応器の両端に栓をして、いずれの触媒又はケイ素も次に持ち越されることがないようにした。反応器を反応器システムに接続し、両方の流出口をグラスウールで栓をして熱の損失を最小限に抑えた管状炉の中央に、水平に据えた。
炭化ケイ素及び分子篩を充填した予備蒸発カラム(150mm×9.925mm)を反応器の前に接続させた。実験の幾つかでは、背圧レギュレータ(0バール~34.4バール)を該カラムの後に接続させた。
凝縮器、及び水を熱交換器に供給するポンプのスイッチを入れた。システムを40mL/分の流速において窒素でパージしながら、ケイ素-触媒混合物を活性化温度に2.5時間~5時間加熱した。次に、温度を反応温度に調節して、分子篩に蓄積する無水エタノールをその後、選択流速においてHPLCポンプを用いて反応器に計量供給した。形成され
た反応生成物及び過剰なエタノール(留出物)を凝縮器において凝縮し、ガスクロマトグラフィ(GC)解析のために1時間の間隔で回収した。
選択される流速は0.1mL/分~0.8mL/分の範囲内とした。それ故、反応器の寸法に基づき、選択流速は9分~71分の滞留時間範囲に相当する。上述の範囲の滞留時間を実現するように、反応器の設計に応じて流速を変更し得ることが当業者に認識されよう。
実験1:トリエトキシシランの形成速度に対する銅触媒型の効果
トリエトキシシランの形成速度に対する銅触媒型の効果を、塩化銅(I)、水酸化銅(II)、酸化銅(II)及び硫酸銅(II)について調査した。対照実験は触媒の存在なしに行った。
反応は上記の代表的手順を用いて実行した。採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分、活性化時間2.5時間、触媒充填量5wt.%、反応温度240℃、活性化温度220℃とした。
図2は、上記の実験について得られた結果のグラフ図を示す。図2から分かるように、塩化銅(I)、水酸化銅(II)、酸化銅(II)は類似の反応速度プロファイルを示し、塩化銅(I)が水酸化銅(II)及び酸化銅(II)よりも好ましい。硫酸銅(II)はトリエトキシシランを得る反応を触媒したものの、反応速度は理想的でなかった。トリエトキシシランの形成速度は触媒のない反応では取るに足らないものであった。
実験2:トリエトキシシランの形成速度に対する触媒充填量の効果
トリエトキシシランの形成速度に対する触媒充填濃度の効果を、触媒充填濃度2.5wt.%、5wt.%、10wt.%及び15wt.%について調査した。対照実験は触媒の存在なしに行った。
反応は上記の代表的手順を用いて実行した。採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分、活性化時間2.5時間、触媒充填量5wt.%CuCl、反応温度240℃、活性化温度220℃とした。
図3は、上記の実験について得られた結果のグラフ図を示す。図3から分かるように、選択された触媒充填濃度全てについて同等の反応速度が得られた。トリエトキシシランの形成速度は触媒のない反応では取るに足らないものであった。
この実験において得られた結果から、本発明による方法では、触媒-ケイ素混合物の重量に対して2.5wt.%の触媒充填濃度が、より高い充填量と比較して実質的に等しく効果的であることが確認される。
実験3:トリエトキシシランの形成速度に対する活性化温度及び活性化時間の効果
トリエトキシシランの形成速度に対する活性化温度の効果を、220℃、350℃、500℃及び700℃について調査した。対照実験は触媒の存在なしに行った。さらに、トリエトキシシランの形成速度に対する活性化サイクル時間の効果を、2.5時間、5時間、15時間及び20時間について調査した。
反応は上記の代表的手順を用いて実行した。温度の実験に関して採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分、活性化時間2.5時間、触媒充填量5wt.%CuCl、反応温度240℃とした。活性化時間の実験に関して採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分、触媒充填量5wt.%CuCl、反応温
度240℃、及び活性化温度220℃とした。
図4は、活性化温度の実験について得られた結果のグラフ図を示す。図4から分かるように、220℃の活性化温度が、350℃の活性化温度と実質的に同様に効果的であることが判明した。500℃及び700℃の実験に関するトリエトキシシランの形成速度が、活性化サイクルを用いなかった形成速度と比較して類似することから、活性化温度が500℃を超えると触媒は或る程度失活すると思われる。この実験から、本発明による方法では220℃又はおそらく更に低い活性化温度が採用され得ることが明らかとなる。
図5は、活性化時間の実験について得られた結果のグラフ図を示す。図5から分かるように、この結果から、最適な活性化サイクルが2.5時間~5時間の範囲のものとし得ることを示しているように見える。活性化サイクルが長すぎる、すなわち15時間よりも長いと、トリエトキシシランの形成速度は遅くなる。
実験4:TES選択率及びケイ素転化率に対する反応温度の効果
ケイ素転化率及びトリエトキシシラン(TES)に対する選択率に対する、反応温度の効果を、それぞれ24時間後及び6時間後に調査した。
反応は上記の代表的手順を用いて実行した。採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分、活性化時間2.5時間、触媒充填量5wt.%CuCl、反応温度180℃~220℃、活性化時間2.5時間とした。
以下の表1に提示される結果から分かるように、180℃の反応温度と比較した場合、220℃及び240℃の反応温度は、選択率及び転化率両方の観点からより効果的であった。しかしながら、温度が240℃よりも高くなると選択率及び転化比率がともに減少することを注記しておく。
Figure 0007130269000001
上記に加えて、図6は、テトラエトキシシラン(TEOS)と比較した、240℃における6時間にわたるTESに対する選択率のグラフ図を示し、さらに、図7は、240℃の反応温度における30時間にわたるケイ素転化率及びTES選択率のグラフ図を示す。
実験5:TES選択率及びケイ素転化率に対する流速の効果
TES選択率及びケイ素転化率に対する流速の効果を、6時間及び24時間で調査した。
反応は上記の代表的手順を用いて実行した。採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分~0.8mL/分、活性化時間2.5時間、触媒充填量5wt.%CuCl、反応温度240℃、活性化温度220℃とした。
以下の表2に提示される結果から、0.5mL/分及び0.8mL/分を採用しても申
し分のない効果を得ることができるが、0.1mL/分~0.3mL/分の流速がTES選択率に最適であることが明らかとなる。
Figure 0007130269000002
TES選択率について見られるものと同様に、以下の表3に提示される結果から、反応をケイ素転化率に基づき検討する場合にも、0.1mL/分~0.3mL/分の流速が好ましいことが見てとれる。しかしながら、0.5mL/分及び0.8mL/分の流速を採用しても申し分のない効果を得ることができる。
Figure 0007130269000003
実験-他のデータ
行った別の実験では、TEOSと比較してTESに対する選択率を6時間にわたって追跡した。
反応は上記の代表的手順を用いて実行した。採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分、活性化時間2.5時間、触媒充填量5wt.%CuCl、反応温度240℃、活性化温度220℃とした。
以下の表4に提示されるデータから分かるように、本発明による方法は、高い選択率(95wt.%超)でトリアルコキシシランを生成する。さらに上記に示されるように、反応は許容可能な形成速度及びケイ素転化パーセンテージで進行する。
Figure 0007130269000004
行った他の実験では、ケイ素転化率及びTES選択率に対する第一級アルコールのR基の効果を、メタノール、エタノール、n-プロパノール及びn-ブタノールについて6時間及び24時間において調査及び比較した。
反応は上記の代表的手順を用いて実行した。採用した特定の反応条件は、ケイ素質量5g、流速0.1mL/分、活性化時間2.5時間、触媒充填量5wt.%CuCl、反応温度240℃、活性化温度220℃とした。
図8は、6時間及び24時間それぞれにおけるケイ素転化率の実験について得られた結果のグラフ図を示す。図8から分かるように、ケイ素転化比率は、メタノール及びエタノール(24時間)で60パーセントを上回った一方で、プロパノール及びブタノールについての転化率の結果も許容可能とみなされる。
図9は、6時間及び24時間それぞれにおけるトリアルコキシシラン選択率(テトラアルコキシシランと比較)実験について得られた結果のグラフ図を示す。図9から分かるように、選択パーセンテージは、メタノール及びエタノール(6時間)で94パーセントを上回った一方で、プロパノール及びブタノールについての選択率の結果も90パーセントを上回り極めて良好であった。
この上記の説明及び実験は、本発明がどのようになされ、また実行し得るかを示す本発明の例示的な実施形態である。当業者は、様々な詳細を変更することにより、更なる実施形態を得ることができるものの、これらの実施形態が本発明の範囲内にとどまるものであることを知っている。例えば、運転のニーズに合わせて、反応システム自体をモジュールとみなしてもよく、様々な構成を採用してもよく、又は反応器、予備蒸発カラム及び炉のサイズ及び形状を調節してもよいことが認識されよう。
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Claims (11)

  1. 式SiH(OR)(式中、各RはC~Cアルキルである)を有するトリアルコキシシランの選択的合成のための直接的無溶媒方法であって、該方法が、
    金属ケイ素と銅系触媒との混合物を充填層反応器内に供給する工程と、ここで、前記銅系触媒は、塩化銅(I)、水酸化銅(II)、酸化銅(II)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
    前記混合物を220℃の活性化温度まで加熱する工程と、
    200℃以上20℃未満の反応温度でC~Cアルコールを前記反応器に投入する工程と、
    熱交換器において反応生成物を凝縮する工程と、
    該凝縮した反応生成物を回収する工程と、
    を含み、
    前記金属ケイ素、前記銅系触媒及び前記ケイ素-触媒混合物がいずれも、
    フッ化水素酸(HF)洗浄工程を含む、如何なる酸又はその他の予備溶液を用いた洗浄工程にも付されない、方法。
  2. トリアルコキシシランに対する選択率が88%より大きい、90%より大きい、又は95%より大きい、請求項1に記載の方法。
  3. 前記銅系触媒が、前記ケイ素-触媒混合物の重量に対して2wt.%~10wt.%の触媒充填濃度で存在する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記銅系触媒が、前記ケイ素-触媒混合物の重量に対して5wt.%未満の触媒充填量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記C~Cアルコールが無水物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記C~Cアルコールがエタノールである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記反応温度が200℃~240℃である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記反応温度が220℃である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記反応温度が240℃である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記アルコールが、前記反応器において9分~71分の滞留時間を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. トリエトキシシランの合成のための直接的無溶媒方法であって、該方法のトリエトキシシランに対する選択率が90%より大きく、該方法が、
    金属ケイ素と銅系触媒との混合物を、該ケイ素-触媒混合物の重量に対して5wt.%未満の触媒充填量で充填層反応器内に供給する工程と、ここで、前記銅系触媒は、塩化銅(I)、水酸化銅(II)、酸化銅(II)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
    前記混合物を220℃の活性化温度まで加熱する工程と、
    無水エタノールが前記反応器において220℃~240℃の反応温度で35分~71分の滞留時間を有するように、該エタノールを前記反応器に投入する工程と、
    熱交換器において反応生成物を凝縮する工程と、
    該凝縮した反応生成物を回収する工程と、
    を含み、
    前記金属ケイ素、前記銅系触媒及び前記ケイ素-触媒混合物がいずれも、HF洗浄工程を含む、如何なる酸又はその他の予備溶液を用いた洗浄工程にも付されない、方法。
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