JP7128391B2 - リフロー炉内ガスの浄化用触媒及びその製造方法、並びにリフロー炉内ガスの浄化方法 - Google Patents

リフロー炉内ガスの浄化用触媒及びその製造方法、並びにリフロー炉内ガスの浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、リフロー炉内ガスの浄化用触媒及びその製造方法、並びにリフロー炉内ガスの浄化方法に関する。
リフロー炉でプリント回路基板等のはんだ付け(はんだリフロー)を行う場合、はんだペーストから気化したフラックス成分が、炉内の冷却機や搬送装置に付着してこれらの機能を損なったり、プリント回路基板に付着して品質低下を引き起こしたりする場合がある。
例えば、特許文献1には、リフロー炉の予熱ゾーンや本加熱ゾーンでプリント基板に塗布されたソルダーペースト中の溶剤が揮発したり、松脂(ロジン)などの固形成分が気化したりして、フラックスフュームとなり、比較的温度が低い部分において液化したりまたは固体として付着したりして、冷却機や搬送装置の機能を損なうことがあることが開示されている。
特許文献2には、加熱室内でフラックスを完全に除去することは困難であり、気化したフラックスを含む不活性ガスが搬送部または基板搬出部の狭い通路を通って炉外に流出する際に、気化したフラックスが基板搬出部で凝縮して内壁面に付着することが開示されている。また、運転を長時間継続すると、付着したフラックスが回路基板上に滴下して、回路基板や電子部品を汚し、品質低下を引き起こすことが開示されている。
フラックスは、ビークル、活性化剤、溶剤、添加剤等を含む。ビークルに使用される樹脂としては、アビエチン酸を主成分として含む天然ロジン、合成樹脂が挙げられる。活性化剤としてはハロゲンタイプと非ハロゲンタイプの活性化剤が挙げられる。溶剤としてはアルコール系の溶剤が挙げられる。
例えば、特許文献3には、ペーストに配合される樹脂成分として、天然ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、変性ロジン、合成樹脂(例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂)等を用いることができることが開示されている。また、溶剤として、アルコール(例えばブタノール)、エーテル(例えばエチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールヘキシルエーテル)、エステル、芳香族溶剤(例えばベンジルアルコール、ジオクチルフタレート)等を用いることができることが開示されている。
非特許文献1には、はんだ付け作業時にガス化して拡散する成分として、有機臭素化合物(例えば1,2-ジブロムエチレン、1-ブロム-2-メチルブタン、臭化メチル、臭化エチレン)、塩素化合物等が挙げられることが開示されている。
特許文献4には、典型的なフラックスには、ビークルと溶剤と活性化剤と他の添加剤が含まれることが開示されている。ビークルは固体又は非蒸発性の液体であって、ロジン、レジン類、グリコール類、ポリグリコール類、ポリグリコール界面活性剤、グリセリン等が含まれることが開示されている。溶剤は、ビークルや活性化剤や他の添加剤を溶解するためのものであって、プレヒートおよびソルダリング過程で蒸発すること、典型的な溶剤としては、アルコール類、グリコール類、グリコールエステル類、および/またはグリコールエーテル類が含まれることが開示されている。活性化剤は、はんだ付けされる金属表面から金属酸化物を取り除きやすくする作用をもたらすものであって、一般的にはアミンの塩化水素化物;アジピン酸やコハク酸のようなジカルボン酸類;クエン酸、マレイン酸のような有機酸類が含まれることが開示されている。
フラックス成分による前記課題に対応するために、炉内ガス中のフラックス成分をCOとHOとに転化する酸化触媒が各種提案されている。例えば、特許文献5には、リフロー処理時に加熱室内で発生する煙と臭気ガスとを燃焼装置内に備えた触媒に作用させて除去した後、脱煙された加熱空気を加熱室内に配管部を介して還流する浄化方法が開示されている。前記触媒として、白金-アルミナ系のような酸化系の顆粒触媒が開示されている。
特許文献6には、熱風の循環路に酸化触媒を設置して、加熱室に可燃性有機ガスを供給することにより、フラックスが酸化されると同時に、炉内酸素も消費される浄化方法が開示されている。該酸化触媒として、ランタン、コバルト系ペロブスカイト、白金、パラジウム、ロジウムが好ましいことが開示されている。
特許文献7には、酸化触媒を充填した触媒処理部を炉本体の外に設け、配管により接続して、外部より触媒処理部に可燃材料と酸素を供給する浄化方法が開示されている。酸化触媒としては、白金、パラジウム、ランタン、ロジウム等を3次元の網状構造に成形した多孔質体を用いることが好ましいことが開示されている。
特許文献8には、炉外にフィルターと、フラックスをCO、HO等に酸化する触媒反応部とを設け、酸化されたフラックスをそのまま雰囲気ガスに混合する方法が開示されている。
特許文献9には、白金、銅-マンガン系金属、またはパラジウム系金属触媒をコーティングした多孔材(整流板)に炉内ガスを通過させることにより、ガス中のフラックス成分を酸素と反応させて、分子量の小さな物質に分解することが開示されている。また、分解生成物を排気ガスとして処理することにより、フラックスの液化防止とともに、炉内の酸素濃度を低下させることができることが開示されている。
特開平10-173333号公報 特開2003-324272号公報 特開平11-197879号公報 米国特許第6749655号明細書 特公平6-14589号公報 特開平4-371367号公報 特開平7-204883号公報 特開平7-212028号公報 特開平6-114548号公報
環境と測定技術誌、Vol.25,No.4,p.6、1998,「はんだ加熱発生ガスの分析」
しかしながら、上述したような触媒を使用したとしても、リフロー炉内で気化しているフラックス成分を十分に酸化分解することは困難である。十分に酸化分解されていないフラックス成分は触媒表面に蓄積され、触媒の活性点を覆うため、触媒活性が低下する。そのため、長期間にわたってリフロー炉内を清浄に保ち続けることは困難である。
本発明は、高いフラックス分解性能を有し、かつ、その性能を長期に亘って維持できるリフロー炉内ガスの浄化用触媒及びその製造方法、並びに該触媒を用いたリフロー炉内ガスの浄化方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、基材と、該基材上に担持された触媒層とを含むリフロー炉内ガスの浄化用触媒であって、前記触媒層は、マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅と、を含有する混合酸化物と、バインダーと、を少なくとも含み、前記触媒層のBET比表面積が150m/g以上であるリフロー炉内ガスの浄化用触媒が提供される。
本発明によれば、マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅と、を含有する混合酸化物と、バインダーと、前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部の硝酸と、を含むスラリーを調製する工程と、前記スラリーを基材上にコートする工程と、前記スラリーがコートされた基材を、150~350℃で焼成する工程と、を含むリフロー炉内ガスの浄化用触媒の製造方法が提供される。
本発明によれば、マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅と、を含有する混合酸化物と、前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部の硝酸と、を含む第一のスラリーを調製し、乾燥して、硝酸処理された混合酸化物を調製する工程と、前記硝酸処理された混合酸化物と、バインダーと、を含む第二のスラリーを調製する工程と、前記第二のスラリーを基材上にコートする工程と、前記第二のスラリーがコートされた基材を、150~350℃で焼成する工程と、を含む、リフロー炉内ガスの浄化用触媒の製造方法が提供される。
本発明によれば、リフロー炉内でリフロー処理をする際に発生する、フラックスに由来する揮発性及び/又は昇華性の有機物を含むガスを、本発明に係る触媒に、200~350℃の温度範囲で接触させ、前記有機物を酸化分解する工程と、前記酸化分解された有機物を含むガスの少なくとも一部を前記リフロー炉内に還流する工程と、を含むリフロー炉内ガスの浄化方法が提供される。
本発明によれば、高いフラックス分解性能を有し、かつ、その性能を長期に亘って維持できるリフロー炉内ガスの浄化用触媒及びその製造方法、並びに該触媒を用いたリフロー炉内ガスの浄化方法を提供することができる。
本発明に係る混合酸化物の一例のXRDチャートである。 本発明に係る触媒層の一例のXRDチャートである。 本発明に係る触媒が炉内に設置されたリフロー炉の一例を示す断面概略図である。 本発明に係る触媒が炉外に設置されたリフロー炉の一例を示す断面概略図である。 本実施例、比較例においてフラックス分解試験を行う際に使用した反応装置を示す模式図である。 本実施例、比較例におけるフラックス分解率を示すグラフである。 本実施例、比較例における各試験におけるCO生成量を示すグラフである。
[リフロー炉内ガスの浄化用触媒]
本発明に係るリフロー炉内ガスの浄化用触媒(以下、単に「触媒」ともいう。)は、基材と、該基材上に担持された触媒層とを含む。ここで、該触媒層は、マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅と、を含有する混合酸化物と、バインダーと、を少なくとも含む。また、前記触媒層のBET比表面積が150m/g以上である。
本発明に係る触媒では、触媒層が前記混合酸化物とバインダーとを含むことにより、高いフラックス分解性能を有し、かつ、その性能を長期に亘って維持できる。特に、前記混合酸化物は前記マンガン系酸化物と、酸化銅とを含むため、加熱による表面積の低下が少なく、高いフラックス分解性能を長期に亘って維持できると推測される。また、本発明に係る触媒の触媒層のBET比表面積は150m/g以上であるため、フラックスと触媒との接触面積が大きく、高いフラックス分解性能を長期に亘って維持できると推測される。したがって、本発明に係る触媒を用いてリフロー炉内ガスの浄化することで、リフロー炉内を長期間に亘って清潔に保つことができる。
なお、リフロー炉として窒素リフロー炉を用いる場合、窒素リフロー炉内には数百ppm程度の酸素が残留している。しかしながら、本発明に係る触媒を用いて窒素リフロー炉内ガスの浄化を行う場合、フラックス成分の酸化分解反応において炉内の残留酸素が消費されるため、窒素リフロー炉内の残留酸素濃度を低減することができる。以下、本発明の詳細について説明する。
〔基材〕
本発明に係る触媒では、担体である基材の表面上に触媒層が形成されている。該基材としては、反応物との接触効率が高く、かつ圧力損失が小さい形態のものが好ましい。具体的には、ハニカム、シート、メッシュ、パイプ、フィルター、パンチングメタル、発泡金属体等が挙げられる。基材の材料には特に制限はないが、耐熱性や耐腐食性を有する材料が好ましい。具体的には、コージェライト、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ステンレス、チタン等が挙げられる。
〔触媒層〕
(混合酸化物)
本発明に係る触媒の触媒層に含まれる混合酸化物は、フラックス分解性能を有する活性成分であり、マンガン系酸化物と、酸化銅とが混合された混合酸化物である。該マンガン系酸化物は、マンガンおよびカリウムを含み、結晶構造としてクリプトメラン(cryptomelane)構造を有する。
クリプトメラン構造の有無はXRD(X-ray Diffraction、X線回折)により判別することができる。本発明に係る混合酸化物の一例のXRDチャートを図1に示す。図1に示されるXRDチャートでは、三角で示されるクリプトメラン構造に由来する回折ピークが観測されており、混合酸化物に含まれるマンガン系酸化物がクリプトメラン構造を有することが確認できる。なお、XRDは、Smartlab(商品名、Rigaku製)を用いて測定した。
フラックスの吸着及びガス接触面積の増加による接触効率の向上を図る観点から、混合酸化物の平均粒径(中位径)は0.1~500μmが好ましく、1~100μmがより好ましい。なお、平均粒径(中位径)は、レーザー回折散乱法により測定される値であり、LS-230(商品名、ベックマン・コールター製)を用いて測定することができる。
また、同様に、フラックスの吸着及びガス接触面積の増加による接触効率の向上を図る観点から、混合酸化物のBET比表面積は200m/g以上であることが好ましく、230m/g以上500m/g以下であることがより好ましい。混合酸化物のBET比表面積が200m/g以上であることにより、初期のフラックス分解性能が高くなる。また、混合酸化物を500℃で1時間加熱した後のBET比表面積は90m/g以上であることが好ましく、95m/g以上400m/g以下であることがより好ましい。混合酸化物を500℃で1時間加熱した後のBET比表面積が90m/g以上であることにより、耐久性が高く、高温で加熱した際にも構造変化が少なく、長期に亘って高いフラックス分解性能を維持できる。なお、BET比表面積はトライスターII3020(商品名、micrometrics製)を用いて測定することができる。
混合酸化物中の酸化銅の含有率は、混合酸化物に対し、CuOとして10~30質量%が好ましく、15~25質量%がより好ましい。酸化銅の含有率が前記範囲内であることにより、良好な浄化性能と耐久性を維持できる。
混合酸化物中のマンガンの含有率は、混合酸化物に対し、MnOとして65~85質量%が好ましく、70~80質量%がより好ましい。マンガンの含有率が前記範囲内であることにより、良好な浄化性能と耐久性を維持できる。
混合酸化物中のカリウムの含有率は、混合酸化物に対し0.1~10質量%が好ましく、0.3~5質量%がより好ましい。カリウムの含有率が前記範囲内であることにより、良好な浄化性能と耐久性を維持できる。なお、前記酸化銅、マンガン及びカリウムの含有率は、XRF(X-ray Fluorescence、蛍光X線)により求めることができ、ZSX primusII(商品名、Rigaku製)を用いて測定することができる。
マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅と、を含有する混合酸化物の具体例としては、市販品では、例えばKCG-4P(商品名、クラリアント製)等が挙げられる。なお、本発明における混合酸化物はこれに限定されない。
(バインダー)
本発明に係る触媒の触媒層に含まれるバインダーは、触媒層と基材との密着性を向上させる機能を有する。該バインダーには特に制限はなく、公知のバインダーを使用できる。バインダーとしては、例えばコロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ゾル、ベーマイト、ジルコニアゾル等が挙げられる。これらのバインダーは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
触媒層中のバインダーの含有率は、触媒層(混合酸化物、バインダー及びその他成分)に対して10~50質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましい。バインダーの含有率が10質量%以上であることにより、触媒層を基材に十分に密着させることができる。また、バインダーの含有率が50質量%以下であることにより、触媒層中の活性成分である混合酸化物の含有率を向上させることができ、十分なフラックス分解性能が得られる。
(その他の成分)
本発明に係る触媒の触媒層は、前記混合酸化物及び前記バインダー以外にも、目的とする作用・効果を阻害しなければ、その他の成分を適宜含むことができる。
(触媒層のBET比表面積)
触媒層の比表面積は、混合酸化物、バインダー及びその他成分のそれぞれの比表面積の影響を受ける。そのため、混合酸化物自体の比表面積が高くても、バインダー等を混合すると、最終的な触媒層としての比表面積は混合酸化物単体の比表面積よりも低下することが多い。本発明者らは、触媒層の比表面積を高くすることで、高いフラックス分解性能を長期に亘って維持できることを見出した。具体的には、本発明に係る触媒層のBET比表面積は150m/g以上であり、175m/g以上であることが好ましく、200m/g以上であることがより好ましい。触媒層のBET比表面積が150m/g以上とすることにより、経時によりフラックスの分解性能が低下することを防止でき、リフロー炉内を長期に亘って清浄に保つことができる。触媒層のBET比表面積の範囲の上限は特に限定されないが、後述するスラリー調製工程における硝酸添加による高比表面積化処理の容易さの観点から、500m/g以下であることが好ましい。
なお、触媒層のBET比表面積とは、基材上に担持された触媒層(混合酸化物、バインダー及びその他の成分)のみのBET比表面積を示す。具体的には、基材上から触媒層のみを削り取る等により触媒層をサンプリングして、BET比表面積を測定することにより得られる値である。BET比表面積は前述した装置を用いて測定することができる。
(触媒層のX線回折)
本発明に係る触媒層を基材上から削り取ってXRD測定を行った結果の一例を図2に示す。図2に示されるXRDチャートでは、図1に示される混合酸化物のXRDチャートと同様に、三角で示されるクリプトメラン構造に由来する回折ピークが観測されている。したがって、後述するように、本発明に係る触媒層の調製過程では硝酸が添加されるが、少なくともマンガン系酸化物の結晶構造に対しては影響を与えないことが確認できる。
(触媒層の担持量)
基材への触媒層の担持量は、例えば基材としてハニカムを用いる場合には、ハニカム1リットルあたり100~250g/Lが好ましく、140~200g/Lがより好ましい。該担持量が100g/L以上であることにより、耐久性が良好で、高いフラックス分解性能を長期に亘って維持できる。また、該担持量が250g/L以下であることにより生産性が向上する。
[リフロー炉内ガスの浄化用触媒の製造方法]
本発明に係る触媒の製造方法は、以下の第一の製造実施形態及び第二の製造実施形態を含む。
(第一の製造実施形態)
本実施形態に係る触媒の製造方法は以下の工程を含む。マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅と、を含有する混合酸化物と、バインダーと、前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部の硝酸と、を含むスラリーを調製する工程(以下、「スラリー調製工程」ともいう。)。前記スラリーを基材上にコートする工程(以下、「コート工程」ともいう。)。前記スラリーがコートされた基材を、150~350℃で焼成する工程(以下、「焼成工程」ともいう。)。
本実施形態に係る触媒の製造方法では、スラリー調製工程において硝酸を混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部添加するため、得られる触媒の触媒層のBET比表面積を150m/g以上にすることができる。硝酸の添加により触媒層のBET比表面積を増加させることができる理由は定かではないが、混合酸化物中のマンガン系酸化物と酸化銅が部分的に溶解して空隙(空孔)や凹凸構造が形成され、その結果、触媒層全体としての表面積が増大すると推測される。
〔スラリー調製工程〕
スラリー調製工程では、前記混合酸化物と、前記バインダーと、硝酸とを含むスラリーを調製する。硝酸の添加量は、前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部であり、0.5~4.5質量部であることが好ましく、1~4質量部であることがより好ましい。前記添加量が0.01質量部以上であることにより、得られる触媒の触媒層のBET比表面積を150m/g以上にすることができ、十分なフラックス分解性能が得られる。また、前記添加量が5質量部以下であることにより、スラリーの粘度上昇による生産性の低下を防ぐことができる。なお、添加された硝酸は、後述する焼成工程において分解除去されるため、触媒層中には残留しない。スラリーの媒体は特に限定されないが、例えば水であることができる。スラリーの固形分濃度は、15~50質量%であることができる。
スラリー調製工程における各成分の添加順序は特に限定されない。例えば、混合酸化物とバインダーとを水に添加した後、硝酸を添加してもよく、混合酸化物と硝酸とを水に添加した後、バインダーを添加してもよく、混合酸化物とバインダーと硝酸とを水に同時に添加してもよい。
〔コート工程〕
コート工程では、前記スラリー調製工程で得られたスラリーを、基材上にコートする。スラリーのコート方法は特に限定されず、ウォッシュコート法やディップコート法など公知の方法を適用できる。スラリーのコート量は、得られる触媒における、基材への触媒層の担持量に基づいて、適宜調整することができる。
次いで、スラリーがコートされた基材を乾燥することができる。乾燥は、例えばエアーブローや遠心分離等の方法により、基材上の余剰のスラリーを除去した後で行うことができる。乾燥温度は特に限定されないが、例えば100~200℃であることができる。
〔焼成工程〕
焼成工程では、前記スラリーがコートされ、必要により乾燥された基材を焼成する。焼成工程を行うことで、触媒層に含まれるバインダーの機能により基材と触媒層との密着性をより向上させることができる。
焼成は、酸素存在下(例えば空気中)で150~350℃の温度範囲内で行われる。焼成温度は200~320℃が好ましく、220~300℃がより好ましい。焼成温度が150℃以上であることにより、バインダーの効果が発揮され、触媒層と基材との密着性が実用上十分なものとなる。また、焼成温度が350℃以下であることにより、混合酸化物の加熱による比表面積低下を抑制することができる。焼成時間は特に限定されないが、例えば1~6時間であることができる。
(第二の製造実施形態)
本実施形態に係る触媒の製造方法は以下の工程を含む。マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅と、を含有する混合酸化物と、前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部の硝酸と、を含む第一のスラリーを調製し、乾燥して、硝酸処理された混合酸化物を調製する工程。前記硝酸処理された混合酸化物と、バインダーと、を含む第二のスラリーを調製する工程。前記第二のスラリーを基材上にコートする工程。前記第二のスラリーがコートされた基材を、150~350℃で焼成する工程。
本実施形態に係る触媒の製造方法は、スラリー調製工程を二工程に分け、バインダーを添加する前に前記混合酸化物を硝酸で処理し、硝酸処理された混合酸化物と、バインダーと、を含む第二のスラリーを調製する点以外は、第一の製造実施形態と同様である。前記混合酸化物を、前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部の硝酸で処理した場合にも、同様に得られる触媒の触媒層のBET比表面積を150m/g以上にすることができる。各工程における操作は第一の製造実施形態と同様である。
[リフロー炉内ガスの浄化方法]
本発明に係るリフロー炉内ガスの浄化方法は以下の工程を含む。リフロー炉内でリフロー処理をする際に発生する、フラックスに由来する揮発性及び/又は昇華性の有機物を含むガスを、本発明に係る触媒に、200~350℃の温度範囲で接触させ、前記有機物を酸化分解する工程(以下、「酸化分解工程」ともいう。)。前記酸化分解された有機物を含むガスの少なくとも一部を前記リフロー炉内に還流する工程(以下、「還流工程」ともいう。)。
本発明に係るリフロー炉内ガスの浄化方法では、本発明に係る触媒を用いてフラックス由来の有機物を酸化分解するため、高いフラックス分解性能が長期に亘って維持され、リフロー炉内を長期間に亘って清潔に保つことができる。また、リフロー炉として窒素リフロー炉を用いる場合、フラックス由来の有機物を酸化分解する際に炉内の残留酸素が消費されるため、窒素リフロー炉内の残留酸素濃度を低減することができる。
リフロー炉とはリフローに用いられる炉のことであり、炉内において大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素ガス雰囲気下)でリフロー処理が行われる。操業中のリフロー炉内ガスには、大気雰囲気下の炉では、大気に由来する成分の他にフラックス気化成分(以下、「フラックス成分」ともいう。)が含まれる。不活性雰囲気の炉では、窒素等の不活性気体の他に、フラックス成分と、不可避的に混入する0.01~3体積%の酸素が含まれる。フラックス成分には、フラックス中の溶剤や活性化剤が蒸発した炭化水素類や、樹脂の熱分解で発生した気体状又はヒューム(煙)状の炭化水素類が含まれる。フラックス成分としては、ロジンが挙げられる。ロジンとしては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、重合ロジン、エステルロジン等が挙げられる。また、フラックス成分としては、アルコール類、グリコール類、グリコールエステル類、グリコールエーテル類、アジピン酸やコハク酸のようなジカルボン酸類、クエン酸、マレイン酸のような有機酸類も挙げられる。
本発明に係るリフロー炉内ガスの浄化方法では、本発明に係る触媒を、リフロー炉の内部又は外部に設置することができる。以下、本発明に係る触媒をリフロー炉の内部に設置したリフロー炉内ガスの浄化方法を第一の浄化実施形態として、本発明に係る触媒をリフロー炉の外部に設置したリフロー炉内ガスの浄化方法を第二の浄化実施形態として示す。
〔第一の浄化実施形態〕
本発明に係る触媒をリフロー炉の内部に設置する場合の一例について、図3を用いて説明する。図3は、本発明に係る触媒が炉内に設置されたリフロー炉の一例を示す断面概略図である。該リフロー炉内には、プリント回路基板等の被処理物6がコンベア等の搬送手段10により搬送される。該プリント回路基板上には電子部品が配置され、プリント回路基板と電子部品とを電気的に接続するためのはんだ付け部には、フラックスを含むソルダーペーストがコートされている。搬送手段10の上下には、熱風を吹き出すヒーターユニット9が設置されている。
リフロー炉内は、入口4側から予備加熱ゾーン1、本加熱ゾーン2および冷却ゾーン3に分かれている。予備加熱ゾーン1および本加熱ゾーン2におけるヒーターユニット9は、循環ファンと、該循環ファンにより送り出された雰囲気ガスを加熱するヒーターを有する。ヒーターユニット9の下流側には、ヒーターユニット9により加熱された雰囲気ガスを被処理物6に吹き付けるための吹出穴7が複数配置されている。触媒8は、ヒーターユニット9と吹出穴7との間に配置されている。リフロー処理においては、ヒーターユニット9により加熱された炉内の雰囲気ガスは、熱風となって触媒8を通過し、吹出穴7から被処理物6に吹き付けられ、その後ヒーターユニット9へ戻り再度加熱される。このような循環によりリフロー炉内の予備加熱ゾーン1および本加熱ゾーン2は所定の温度に維持されている。
前記リフロー炉内でプリント回路基板をリフロー処理する場合、例えば以下のように行うことができる。リフロー炉内に搬送手段10により搬送されたプリント回路基板6は、予備加熱ゾーン1において予熱される。その後、本加熱ゾーン2においてプリント回路基板6上に塗布されたソルダーペーストが溶融して、基板と電子部品とがはんだ付けされる。その後、冷却ゾーン3においてプリント回路基板6は冷却され、出口5から搬出される。ここで、予備加熱ゾーン1および本加熱ゾーン2においては、プリント回路基板に塗布されたソルダーペーストからフラックス蒸気が雰囲気ガス中に発散する。発散したフラックス蒸気がリフロー炉内の低温部で液化又は固化すると、炉内の汚れとなる。
しかしながら、本発明に係る方法では、例えば図3に示されるように、雰囲気ガス中に含まれるフラックス蒸気はヒーターユニット9で加熱された後、ヒーターユニット9の下流側に配置された触媒8を通過する。このときフラックス成分は触媒8によって酸化分解され、COおよび炭素数が1~4程度の飽和脂肪族炭化水素等の、冷却されても液化又は固化しないような低分子の物質へと変換される。そして酸化分解されたフラックス成分は、雰囲気ガスと共に吹出穴7を通ってプリント回路基板6に吹き付けられる。このように、フラックス成分は触媒8によって低分子の物質へと酸化分解されるため、フラックス成分がリフロー炉内の冷却部において液化又は固化することが抑制され、汚れが付着しにくくなる。
酸化分解工程において、フラックスに由来する揮発性及び/又は昇華性の有機物を含むガスを、触媒に接触させる際の温度は200~350℃であり、250~300℃が好ましい。該温度が200℃以上であることにより、触媒による酸化分解の作用が十分に発揮される。また、該温度が350℃以下であることにより、触媒に含まれる混合酸化物の構造変化(例えば比表面積の低下)を抑制できる。還流工程では、酸化分解された有機物を含むガスの全部がリフロー炉内に還流されてもよく、一部が還流されてもよい。還流させる割合は特に限定されないが、例えば触媒を通過したガスのうち20~80体積%を還流させることができる。
なお、フラックス成分の酸化分解により、触媒表面にカーボン又はカーボン質炭化水素が堆積する場合がある。そのような場合には、堆積したカーボン等を燃焼除去するのに適した温度であって、リフロー炉の耐熱温度未満の温度、例えば250~300℃にリフロー炉内を加熱することにより、堆積したカーボン等を燃焼除去し、触媒の活性を回復させることができる。
〔第二の浄化実施形態〕
本発明に係る触媒をリフロー炉の外部に設置する場合の一例について、図4を用いて説明する。図4に示されるリフロー炉は、本発明に係る触媒を装着したガス浄化装置A32及びガス浄化装置B33を、炉外に備えたリフロー炉であって、炉内ガスの浄化処理と触媒再生を同時に行うことができる(ブロック運転)。
リフロー炉本体部20には、炉内ガス吸出部26を介してガス吸出し配管28によってガス浄化装置A32が接続され、炉内ガス戻し部27を介してガス戻し配管29によってガス浄化装置B33が接続されている。ガス浄化装置A32及びガス浄化装置B33には、それぞれ、触媒34、35、ガス中に含まれるミストや固形物の除去のためのフィルター46、47、ガスの温度制御のためのヒーター38、39、およびガスの流れを制御するためのモーターMに連結された送風ファン36、37が設けられている。また、ガス浄化装置A32及びガス浄化装置B33には再生用空気導入管40が取り付けられており、三方弁41を介して外部より再生用空気48が導入される。排ガスは、排気管A42及び排気管B43から弁44及び弁45を介して排出される。
ガス浄化装置A32においてリフロー炉内ガスの浄化を行い、同時にガス浄化装置B33において触媒の再生を行う場合について、その操作の一例を説明する。搬送手段22により入口23からリフロー炉本体部20内へ搬入された、ソルダーペーストつきプリント回路基板21は、リフロー炉本体部20内で加熱され、出口24から搬出される。加熱時、フラックス蒸気25が雰囲気ガス中に発散する。フラックス成分を含む雰囲気ガスは、炉内ガス吸出部26からガス吸出し配管28により、三方弁30を介してガス浄化装置A32へ導入される。この際、ガス浄化装置A32には、三方弁41を制御することにより再生用空気48は導入されない。ガス浄化装置A32に導入されたガスは、ヒーター38により、酸化分解反応に適する温度である200~350℃、好ましくは250~300℃に制御され、触媒34と接触する。これにより、該ガスに含まれるフラックス成分は酸化分解される。フラックス成分が酸化分解されることで生成した分解ガスは、ガス戻し配管29により、三方弁31及び炉内ガス戻し部27を介して、リフロー炉本体部20に戻される。
一方、ガス浄化装置B33では、酸化分解反応の結果、酸化分解活性が低下した触媒を再生する工程が実施される。再生用空気48は、再生用空気導入管40により、三方弁41を介してガス浄化装置B33に導入される。再生用空気48はヒーター39により再生に必要な温度、例えば250~350℃に制御され、触媒35と接触する。これにより、触媒35上に蓄積したコーク状の炭化水素成分を燃焼させることができ、触媒35の酸化分解活性が回復する。燃焼により生成した排ガスは、排気管B43から弁45を介して排出される。この再生操作は、例えばはんだ付け作業中であっても、リフロー炉の保守作業中でも行うことができる。再生された触媒35は、再び酸化分解反応に供される。
上記操作以外にも、例えばガス浄化装置B33においてリフロー炉内ガスの浄化を行い、同時にガス浄化装置A32において触媒の再生を行ってもよい。また、ガス浄化装置A32及びガス浄化装置B33の両方ともを同時に用いてリフロー炉内ガスの浄化を行ってもよい。本発明に係る触媒をリフロー炉の外部に設置した場合、触媒の温度を、本発明に係る触媒をリフロー炉の内部に設置した場合に比べてより高い温度に設定できるため、酸化分解反応を促進させることができる。また、再生用空気を別途設けた配管から導入することができるため、触媒の再生処理も容易になる。
以下、本発明を実施例に基づき、詳細に説明する。しかし本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(触媒の調製)
まず、マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、酸化銅とを含む混合酸化物であるKCG-4P(商品名、クラリアント製)111.2gと、シリカゾルのバインダーであるスノーテックスC(商品名、日産化学(株)製)117.0gと、イオン交換水71.8gと、を混合した。なお、KCG-4Pの平均粒径(中位径)は4.2μm、BET比表面積は269m/g、500℃で1時間加熱後のBET比表面積は96m/g、Cu含有量(CuO換算)は22質量%、Mn含有量(MnO換算)は76質量%、K含有量は3質量%、である。次いで、ここに硝酸(富士フイルム和光純薬(株)製、濃度60%)を0.093g添加してスラリーを調製した。混合酸化物100質量部に対する硝酸の量は0.05質量部であった。調製したスラリーを、基材であるコージェライトハニカム(日本碍子(株)製、200セル/平方インチ、縦50mm×横50mm×高さ50mm、容積:0.125リットル)にウォッシュコート法によりコートし、余剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、乾燥機中で150℃において3時間乾燥した。乾燥後、再度前記ウォッシュコート法によるコートと乾燥を行った。その後、空気中で270℃において1時間焼成して、基材上に触媒層が担持されたハニカム型の触媒を得た。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり151gであった。また、触媒の基材上から触媒層のみを削り取ってBET比表面積を測定したところ、172m/gであった。なお、BET比表面積の測定は、トライスターII3020(商品名、micrometrics製)を用いて行った。
(触媒の性能評価)
以下に示す方法によりフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。
(1)反応装置
図5に示す流通式の反応装置を用いて、フラックス分解試験を行った。該反応装置のフラックス蒸発槽50内には、フラックスを入れるフラックス容器52が配置されている。フラックス蒸発槽50はその内部に配置されたフラックス容器52を加熱する機能を有する。フラックス蒸発槽50の上流側には、フラックス蒸発槽50内にガスを供給するための配管55が接続されている。フラックス蒸発槽50の下流側には、反応管51が配管を介して接続されている。反応管51内には触媒53(円筒状ハニカム触媒、直径21mm、長さ50mm)が設置されている。反応管51はその内部に配置された触媒53を加熱する機能を有する。反応管51の下流側には、接続配管56を介してフラックス捕集容器58が接続されている。フラックス捕集容器58は冷却容器57内に配置されており、0~5℃に冷却される。冷却容器57には排気配管59が接続されている。排気配管59の下流側には図示しないCO計(商品名:Model 410 i、Thermo Fisher Scientific社製)が接続されており、排ガス中のCO濃度を連続で測定できるようになっている。
(2)フラックス分解試験
はんだフラックスには大きく分けて溶剤成分とロジン成分とが含まれている。これらのうち、リフロー炉内の汚れとなりやすいものは、沸点が溶剤成分に比べて高いロジン成分である。したがって、本試験では溶剤成分を除去したフラックスを使用した。具体的には、予めフラックス(商品名:スピーディーフラックス、(株)アサヒ化学研究所製)を200℃で加熱することでフラックス中の溶剤成分を除去した。この溶剤成分を除去したフラックス(以下、「処理済フラックス」ともいう。)を0.4g秤量して、フラックス容器52に入れた。
次に、触媒53を反応管51内に設置した。そして、配管55から酸素と窒素の混合ガスを、流量2.88L/minで流した。このときのSVは20,000h-1であった。この混合ガスは、O濃度が500ppmであり、Nがバランスであった。混合ガスを流した状態で触媒53の温度を250℃まで昇温し、また、フラックス蒸発槽50を300℃まで加熱した。触媒53の温度が250℃で安定したら、処理済フラックスをフラックス容器52に入れ、このフラックス容器52を300℃に加熱されたフラックス蒸発槽50内に配置した。これにより、フラックスのロジン成分が蒸発し、蒸発したロジン成分は配管55を通して送られてくる酸素と窒素の混合ガスと混合されて、触媒53へと運ばれた。触媒53を通過した混合ガス中のロジン成分は触媒53により酸化分解され、その一部または全部が、炭素数が1~4程度の飽和脂肪族炭化水素等のより分子量の小さい成分やCOへと変換された。
触媒53を通っても分解されなかったロジン成分(すなわち未分解のロジン成分)および分解されたロジン成分のうち、冷却すると固化・液化する成分については、冷却容器57によって冷却され、フラックス捕集容器58内に固体状または液体状としてトラップされた。一方、変換されたロジン成分のうち、冷却しても固化・液化しない成分(すなわち、冷却してもガス状である成分)については、排ガスとして排気配管59を通った後、その一部がCO計へと導かれて排ガス中のCO濃度が連続的に測定された。
処理済フラックスを入れたフラックス容器52をフラックス蒸発槽50内に配置してから30分経過後、フラックス容器52をフラックス蒸発槽50から取り出した。そして、30分間で蒸発したフラックスの量(フラックス蒸発量:We(g))を調べるために、30分経過後のフラックス容器52を秤量し、測定前の質量との差を求めた。この30分間の測定を合計6回繰り返して1セットの試験とした。1セットの試験終了後、フラックス捕集容器58を秤量し、1セット(30分間の測定×6回)の試験中にトラップされた成分の質量(トラップ量:Wt(g))を秤量した。
(3)フラックス分解率の算出
フラックス蒸発量(We)とトラップ量(Wt)とから、下記式によりロジン成分が主成分であるフラックスの分解率を求めた。結果を図6に示す。
フラックス分解率(%)=((We×6-Wt)/(We×6))×100
(4)CO生成量の算出
連続的に測定したCO濃度に基づいて、各回の試験の間に生成したCOの合計量(V2(L))を求めた。そして、V2(L)の値を、各回の試験の間に蒸発したフラックス量(We(g))で割り、蒸発したフラックス量あたりのCO生成量(L/g)を求めた。この数値が高いということは、フラックスが完全酸化されている割合が高いこととなり、したがって、触媒性能が高いことを示す。結果を図7に示す。
CO生成量(L/g)=V2/We
<実施例2>
硝酸(濃度60%)の添加量を1.85gに変更した以外は、実施例1と同様の条件でスラリーを調製した。混合酸化物100質量部に対する硝酸の量は1.00質量部であった。該スラリーを用いて、実施例1と同様の方法により、基材であるコージェライトハニカム上に触媒層が担持された触媒を調製した。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり165gであった。また、触媒層のBET比表面積は218m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<実施例3>
硝酸(濃度60%)の添加量を7.42gに変更した以外は、実施例1と同様の条件でスラリーを調製した。混合酸化物100質量部に対する硝酸の量は4.00質量部であった。該スラリーを用いて、実施例1と同様の方法により、基材であるコージェライトハニカム上に触媒層が担持された触媒を調製した。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり185gであった。触媒層のBET比表面積は208m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<実施例4>
KCG-4P 17.5gを、イオン交換水68.39gに分散させた。ここに、硝酸(富士フイルム和光純薬(株)製、濃度60%)を0.33g添加して3時間撹拌し、第一のスラリーを調製した。混合酸化物100質量部に対する硝酸の量は1.13質量部であった。第一のスラリーを乾燥機内にて150℃で乾燥し、水分を蒸発させ、硝酸処理されたKCG-4Pを得た。硝酸処理されたKCG-4Pに、スノーテックスC 37.5gと、イオン交換水38.39gを添加して撹拌し、第二のスラリーを調製した。調製した第二のスラリーを、基材であるコージェライトハニカム(日本碍子(株)製、200セル/平方インチ、縦50mm×横50mm×高さ50mm、容積:0.125リットル)にウォッシュコート法によりコートし、余剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、乾燥機中で150℃において3時間乾燥した。乾燥後、再度前記ウォッシュコート法によるコートと乾燥を行った。その後、空気中で270℃において1時間焼成して、基材上に触媒層が担持されたハニカム型の触媒を得た。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり143gであった。触媒層のBET比表面積は211m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<比較例1>
硝酸を添加しない以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製した。該スラリーを用いて、実施例1と同様の方法により、基材であるコージェライトハニカム上に触媒層が担持された触媒を調製した。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり153gであった。触媒層のBET比表面積は123m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<比較例2>
マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物であり、酸化銅を含まないLMD(商品名、日本重化学工業(株)製)31.0gと、スノーテックスC(商品名、日産化学(株)製)67.5gと、イオン交換水0.97gと、を混合してスラリーを調製した。このスラリーを、基材であるセラミックコルゲートハニカム((株)西部技研製、200セル/平方インチ)にウォッシュコート法によりコートし、余剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、乾燥器中で150℃において3時間乾燥した。その後、空気中で270℃において1時間焼成して、基材上に触媒層が担持されたハニカム型の触媒を得た。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり164gであった。触媒層のBET比表面積は102m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<比較例3>
クリプトメラン構造を有さないマンガン酸化物であり、カリウム及び酸化銅を含まないNJ-250(商品名、日本重化学工業(株)製)31.5gと、スノーテックスC(商品名、日産化学(株)製)67.7gと、イオン交換水0.97gと、を混合してスラリーを調製した。このスラリーを、基材であるセラミックコルゲートハニカム((株)西部技研製、200セル/平方インチ)にウォッシュコート法によりコートし、余剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、乾燥器中で150℃において3時間乾燥した。その後、空気中で270℃において1時間焼成して、基材上に触媒層が担持されたハニカム型の触媒を得た。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり151gであった。触媒層のBET比表面積は168m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<比較例4>
マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有さないマンガン系酸化物と、酸化銅とを含む混合酸化物であるN-840(商品名、クラリアント製)31.6gと、スノーテックスC(商品名、日産化学(株)製)67.6gと、イオン交換水0.90gと、を混合してスラリーを調製した。このスラリーを、基材であるセラミックコルゲートハニカム((株)西部技研製、200セル/平方インチ)にウォッシュコート法によりコートし、余剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、乾燥器中で150℃において3時間乾燥した。その後、空気中で270℃において1時間焼成して、基材上に触媒層が担持されたハニカム型の触媒を得た。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり154gであった。触媒層のBET比表面積は133m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<比較例5>
カリウムを含まずクリプトメラン構造を有さないマンガン酸化物と、酸化銅とを含む混合酸化物であるダイピロキサイド(商品名、大日精化工業製)31.4gと、スノーテックスC(商品名、日産化学(株)製)67.5gと、イオン交換水1.00gと、を混合してスラリーを調製した。このスラリーを、基材であるセラミックコルゲートハニカム((株)西部技研製、200セル/平方インチ)にウォッシュコート法によりコートし、余剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、乾燥器中で150℃において3時間乾燥した。その後、空気中で270℃において1時間焼成して、基材上に触媒層が担持されたハニカム型の触媒を得た。触媒層の担持量は、ハニカム1リットルあたり162gであった。触媒層のBET比表面積は149m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
<比較例6>
γ-アルミナ粉末(日揮ユニバーサル(株)製、平均粒径5μm)68.7gと、バインダーとしてのアルミナゾル46.3g(固形分)と、イオン交換水376.6gとを混合してスラリーを調製した。このスラリーを、基材であるコージェライトハニカム(日本碍子(株)製、200セル/平方インチ)にウォッシュコート法によりコートし、余剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、乾燥器中で150℃において3時間乾燥した後、500℃において1時間焼成した。γ-アルミナ層の担持量はハニカム1リットルあたり42gであった。その後、ジニトロジアミン白金水溶液(田中貴金属工業(株)製)に、ハニカム1LあたりのPt担持量が1.8g/Lになるように含浸した。その後、150℃において3時間乾燥し、次いで500℃において水素雰囲気下1時間還元した。これにより、γ-アルミナ上にPtが1.8g/L担持されたハニカム型の触媒を調製した。触媒層のBET比表面積は223m/gであった。前記触媒を用いて、実施例1と同様にフラックス分解試験を行い、フラックス分解性能を評価した。結果を図6及び図7に示す。
図7に示されるように、実施例1~4では、白金を用いた触媒である比較例6に比べると、初期のCO生成量は低かった。しかし、比較例6では測定回数の増加と共にCO生成量が低下したのに対し、実施例1~4ではCO生成量がほとんど変化しなかった。これは、実施例1~4ではフラックス分解性能が低下しなかったことを示し、比較例6ではフラックス分解性能が徐々に低下したことを示す。さらに、1セット(30分の測定×6回)の試験により求められるフラックス分解率に関しては、図6に示されるように、比較例6より実施例1~4の方が高い値であった。
比較例1では、触媒層のBET比表面積が150m/g未満であるため、図7に示されるように、初期のCO生成量が実施例1~4より低く、また測定回数の増加と共にCO生成量が低下し、フラックス分解性能が徐々に低下した。また、図6に示されるように、フラックス分解率は実施例1~4より低い値であった。
比較例2~5では、触媒が本発明に係る触媒の組成及び構造を有さないため、図7に示されるように、初期のCO生成量が実施例1~4より低く、また測定回数の増加と共にCO生成量が低下し、フラックス分解性能が徐々に低下したことを示す。また、図6に示されるように、フラックス分解率は実施例1~4より低い値であった。
以上より、本発明に係る触媒は高いフラックス分解性能を有し、かつ、その性能を長期に亘って維持できることが確認された。
1 予備加熱ゾーン
2 本加熱ゾーン
3 冷却ゾーン
4 入口
5 出口
6 被処理物(プリント回路基板)
7 吹出穴
8 触媒
9 ヒーターユニット
10 搬送手段
50 フラックス蒸発槽
51 反応管
52 フラックス容器
53 触媒
55 配管
56 接続配管
57 冷却容器
58 フラックス捕集容器
59 排気配管

Claims (7)

  1. 基材と、該基材上に担持された触媒層とを含むリフロー炉内ガスの浄化用触媒であって、
    前記触媒層は、
    マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、
    酸化銅と、
    を含有する混合酸化物と、
    バインダーと、
    を少なくとも含み、
    前記触媒層のBET比表面積が150m/g以上である、リフロー炉内ガスの浄化用触媒。
  2. 前記酸化銅の含有率が前記混合酸化物に対し、CuOとして10~30質量%である、請求項1に記載のリフロー炉内ガスの浄化用触媒。
  3. 前記マンガンの含有率が前記混合酸化物に対し、MnOとして65~85質量%である、請求項1又は2に記載のリフロー炉内ガスの浄化用触媒。
  4. 前記バインダーの含有率が前記触媒層に対して10~50質量%である、請求項1~3のいずれかに記載のリフロー炉内ガスの浄化用触媒。
  5. マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、
    酸化銅と、
    を含有する混合酸化物と、
    バインダーと、
    前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部の硝酸と、
    を含むスラリーを調製する工程と、
    前記スラリーを基材上にコートする工程と、
    前記スラリーがコートされた基材を、150~350℃で焼成する工程と、
    を含む、リフロー炉内ガスの浄化用触媒の製造方法。
  6. マンガンおよびカリウムを含み、クリプトメラン構造を有するマンガン系酸化物と、
    酸化銅と、
    を含有する混合酸化物と、
    前記混合酸化物100質量部に対して0.01~5質量部の硝酸と、
    を含む第一のスラリーを調製し、乾燥して、硝酸処理された混合酸化物を調製する工程と、
    前記硝酸処理された混合酸化物と、
    バインダーと、
    を含む第二のスラリーを調製する工程と、
    前記第二のスラリーを基材上にコートする工程と、
    前記第二のスラリーがコートされた基材を、150~350℃で焼成する工程と、
    を含む、リフロー炉内ガスの浄化用触媒の製造方法。
  7. リフロー炉内でリフロー処理をする際に発生する、フラックスに由来する揮発性及び/又は昇華性の有機物を含むガスを、請求項1~4のいずれかに記載の触媒に、200~350℃の温度範囲で接触させ、前記有機物を酸化分解する工程と、
    前記酸化分解された有機物を含むガスの少なくとも一部を前記リフロー炉内に還流する工程と、
    を含む、リフロー炉内ガスの浄化方法。
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