JPH06126439A - リフロー用加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の再生および活性化が可能のリフロー用
加熱装置を提供する。 【構成】 リフロー用雰囲気ガスを加熱する加熱ユニッ
ト11は、シーズヒータ12と、通気性を有する触媒筒体13
とにより一体的に構成する。シーズヒータ12は、円筒状
のヒータ本体21の内部に電熱線22を配線し、ヒータ本体
21の外周面に円筒状の触媒筒体13を一体的に嵌着する。
触媒筒体13は、多孔材の表面（孔内表面を含む）に触媒
をコーティングしたものである。多孔材としては、Fe-N
i-Cr系合金を三次元網状構造に成形した多孔質金属板を
使用する。触媒は、白金、銅−マンガン系金属またはパ
ラジウム系金属等を多孔材にコーティングする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、リフローはんだ付けに
て使用されるリフロー用加熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】実開平４−７５６６５号公報には、ヒー
タにより加熱された雰囲気ガスを炉内で強制対流させ
て、ワーク（プリント配線基板）に塗布されたソルダペ
ーストをリフローするリフロー炉が示されている。

【０００３】このようなリフロー炉内ではワークのソル
ダペーストから発生したフラックスガスが炉内に充満
し、比較的温度の低い冷却ゾーンや出入口スロート部に
て液化して溜まる傾向がある。

【０００４】一方、対流経路中に触媒を配置するなどし
て、その触媒により前記フラックスガスを酸素と化合さ
せ液化しにくい物質に分解すれば、排気ガスとして処理
することも可能である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記触媒の働きが活発
になる温度は２００℃以上であるといわれているが、リ
フロー炉内では加熱ゾーンであっても１５０℃程度しか
雰囲気温度を保てないゾーンもあり、このような部分で
は触媒反応が十分に行われず、その結果、触媒に付着し
たフラックスガスが液化して触媒の表面を覆ってしま
い、触媒が機能を失ってしまう問題がある。

【０００６】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、触媒の再生および機能活性化が可能のリフロー用
加熱装置を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、強制対流され
るリフロー用雰囲気を加熱するリフロー用加熱装置にお
いて、ヒータの周囲に通気性を有する触媒筒体が一体的
に嵌着されたリフロー用加熱装置である。

【０００８】

【作用】本発明は、リフロー装置立上げ時は通常運転時
より高温に加熱されるヒータにより触媒を再生する。通
常運転中は雰囲気温度よりも高温のヒータ表面により触
媒反応を活性化させる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図面に示される実施例を参照
して詳細に説明する。

【００１０】図１は、リフロー用雰囲気ガスを加熱する
加熱ユニット11を示し、この加熱ユニット11は、シーズ
ヒータ12と通気性を有する触媒筒体13とが一体的に構成
されている。

【００１１】前記シーズヒータ12は、円筒状のヒータ本
体21の内部に電熱線22が配線され、ヒータ本体21の両端
部に絶縁体23を介して嵌着された端子24に前記電熱線22
が接続されたものである。前記ヒータ本体21の外周面に
円筒状の触媒筒体13が一体的に嵌着されている。

【００１２】前記通気性を有する触媒筒体13は、多孔材
の表面（孔内表面を含む）に触媒がコーティングされた
ものである。多孔材としては、Fe-Ni-Cr系合金を三次元
網状構造に成形した多孔質金属板（商品名セルメット、
住友電工製）を使用するとよい。また、この多孔材にコ
ーティングされた触媒としては、白金、銅−マンガン系
金属またはパラジウム系金属等を使用するとよい。

【００１３】図２に示されるように、ワーク（プリント
配線基板Ｐ）の搬送ラインに対向して複数のノズル31が
設けられ、この各ノズル31の内部に前記各加熱ユニット
11が設けられている。そして、ファン32により強制対流
される窒素ガス等のリフロー用不活性雰囲気ガスを各加
熱ユニット11により昇温し、ノズル31により基板Ｐに吹
付け、リフロー用高温雰囲気ガスにより表面実装基板の
ソルダペーストを溶融して面実装部品をリフローはんだ
付けする。

【００１４】前記リフロー用雰囲気ガスはヒータ12によ
り加熱される際に必ず触媒筒体13の多孔材中を通過する
ので、この多孔材の表面（孔内表面）にコーティングさ
れた触媒の作用により雰囲気ガス中に含まれるフラック
スガスが酸素と化合し、液化しにくい分子量の小さな物
質に分解され、排気ガスとして処理される。

【００１５】図２に示される強制対流および加熱手段
は、前記公報に示された従来例と同様に複数の加熱ゾー
ンにそれぞれ設けられている。

【００１６】次に、前記加熱ユニット11の作用を説明す
ると、雰囲気温度が１５０℃程度の比較的低温のプリヒ
ートゾーンでも、装置立上げ時のシーズヒータ12の表面
温度は３００〜４００℃にも達し、その温度が３０分程
度維持されるため、このヒータ12と接触している触媒筒
体13を高温に加熱して、その触媒に付着したフラックス
を蒸発させ触媒を再生することができる。すなわちセル
フクリーニングの作用効果を奏する。

【００１７】また、リフロー運転中は、雰囲気温度１５
０℃のプリヒートゾーンであっても、シーズヒータ12が
温度コントロールを行う際のヒータ表面は２００〜２５
０℃程度まで昇温するので、触媒反応を活性化させて十
分な触媒効果を得ることができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、ヒータの周囲に通気性
を有する触媒筒体が一体的に嵌着されたから、装置立上
げ時の高温のヒータにより触媒筒体を直接加熱して乾燥
させ、触媒を再生できるセルフクリーニング効果を得る
ことができる。また、リフローはんだ付け装置の運転中
は、低温の加熱ゾーンでも直接加熱により触媒の反応を
活性化できる温度まで触媒筒体を昇温できる。さらに、
通気性を有する触媒筒体によりヒータから雰囲気ガスに
熱伝導させる表面積が増えるとともに、触媒筒体は板状
の触媒より触媒反応をさせる表面積が大きく、加熱効率
および触媒効率の向上を図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のリフロー用加熱装置の一実施例を示す
一部破断の斜視図である。

【図２】同上加熱装置の使用例を示す説明図である。

【符号の説明】

12 ヒータ 13 触媒筒体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 強制対流されるリフロー用雰囲気ガスを
   加熱するリフロー用加熱装置において、 ヒータの周囲に通気性を有する触媒筒体が一体的に嵌着
   されたことを特徴とするリフロー用加熱装置。