JP7126928B2 - 表面分析装置および表面分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面分析装置および表面分析方法に関する。
表面分析装置として、オージェ電子分光装置などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
オージェ電子分光装置では、試料に電子線を照射して試料で発生したオージェ電子を分光し、分光されたオージェ電子を検出器で検出してオージェスペクトルを取得する。取得したオージェスペクトルを用いて、元素の定量を行うことができる。
特開2017-111022号公報
オージェ電子分光装置では、試料に含まれる、分析対象の元素が微量である場合、分析対象の元素のピークがノイズ成分で埋もれてしまい、正確な分析ができない場合があった。
図5は、酸化シリコン(SiO)に微量なアルミニウム(Al)が含まれている試料のオージェスペクトルを示している。図6は、図5に示すオージェスペクトルを用いた定量分析の結果を示す表である。
アルミニウム(Al)は、図5に示すように、1375eV付近にピークが現れる。しかしながら、図5では、アルミニウムのピークは、ノイズ成分に埋もれて確認できない。このような場合、ノイズ成分のピーク強度で定量計算が行われてしまう。したがって、図6に示すように、ノイズ成分の定量計算結果が、アルミニウムの定量値として計算される。
例えば、オージェスペクトルを取得するための測定を繰り返し行い、オージェスペクトルの積算を繰り返すことで、ノイズ成分を低減させることができる。これにより、微量元素の存在の有無を確認することができる。しかしながら、測定を繰り返し行うことで、時間がかかってしまう。特に、微量元素が無いことを確認することは困難であり、無駄に測定が繰り返される場合がある。
本発明に係る表面分析装置の一態様は、
試料に電子線を照射する光学系と、
前記試料から放出される信号を検出する検出器と、
前記検出器の出力信号に基づいて、スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
前記スペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める統計誤差演算部と、
前記統計誤差に基づいて、前記スペクトルの積算回数を求める積算回数演算部と、
分析対象となる元素の入力を受け付ける入力部と、
を含み、
前記統計誤差演算部は、
前記分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーに基づいて、エネルギー範囲を設定し、
設定された前記エネルギー範囲において、前記統計誤差を求め、
前記エネルギー範囲は、前記分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーよりも高く、
前記信号は、オージェ電子である
このような表面分析装置では、スペクトルのノイズ成分の統計誤差に基づいてスペクト
ルの積算回数を算出することができるため、測定を無駄に繰り返すことなく、容易に、短時間で微量元素の分析が可能である。
本発明に係る表面分析方法の一態様は、
試料に電子線を照射して、前記試料から放出される信号を検出してスペクトルを取得する表面分析装置における表面分析方法であって、
前記スペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める工程と、
前記統計誤差に基づいて、前記スペクトルの積算回数を求める工程と、
を含
前記統計誤差を求める工程では、
分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーに基づいて、エネルギー範囲を設定し、
設定された前記エネルギー範囲において、前記統計誤差を求め、
前記エネルギー範囲は、前記分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーよりも高く、
前記信号は、オージェ電子である
このような表面分析方法では、スペクトルのノイズ成分の統計誤差に基づいてスペクトルの積算回数を算出することができるため、測定を無駄に繰り返すことなく、容易に、短時間で微量元素の分析が可能である。
実施形態に係る表面分析装置の構成を示す図。 ノイズ成分の統計誤差を求める手法を説明するための図。 Savitzky-Golay法により微分したオージェスペクトルを示すグラフ。 実施形態に係る表面分析装置の処理部の処理の一例を示すフローチャート。 酸化シリコンに微量なアルミニウムが含まれている試料のオージェスペクトル。 定量分析の結果を示す表。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 表面分析装置
まず、本実施形態に係る表面分析装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る表面分析装置100の構成を示す図である。
表面分析装置100は、オージェ電子分光装置である。表面分析装置100では、オージェスペクトルを取得することができる。具体的には、表面分析装置100では、試料Sに電子線を照射し、試料Sから放出されるオージェ電子を分光器40で分光し、分光されたオージェ電子を検出器50で検出して、オージェスペクトルを取得することができる。オージェスペクトルは、例えば、横軸が電子の運動エネルギーを示し、縦軸が強度を示すグラフとして表される。
表面分析装置100は、図1に示すように、電子源10と、光学系20と、試料ステージ30と、分光器40と、検出器50と、計数装置60と、処理部70と、操作部80と、表示部82と、記憶部84と、を含む。
電子源10は、電子線を発生させる。電子源10は、例えば、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線を放出する電子銃である。
光学系20は、電子源10から放出された電子線を試料Sに照射する。光学系20は、集束レンズ22と、対物レンズ24と、偏向器26と、を含んで構成されている。
集束レンズ22および対物レンズ24は、電子源10から放出された電子線を集束させる。
偏向器26は、集束レンズ22および対物レンズ24によって集束された電子線を偏向させる。偏向器26で電子線を偏向させることによって、試料S上の所望の位置に電子線を照射することができる。また、偏向器26で電子線を偏向させることによって、電子線を試料S上で走査することもできる。
試料ステージ30は、試料Sを保持している。試料ステージ30は、試料Sを水平方向に移動させる水平方向移動機構、試料Sを高さ方向に移動させる高さ方向移動機構、および試料Sを傾斜させる傾斜機構を備えている。試料ステージ30によって、試料Sを位置決めすることができる。
分光器40は、電子線が試料Sに照射されることによって試料Sから発生するオージェ電子を分光する。分光器40は、インプットレンズ42と、静電半球型アナライザー44と、を含んで構成されている。
インプットレンズ42は、入射した電子を静電半球型アナライザー44に導く。また、インプットレンズ42は、電子を減速させることによってエネルギー分解能を可変にする。インプットレンズ42によって電子を減速させるほど分解能は良くなるが、感度は低下する。
静電半球型アナライザー44は、内半球電極44aと、外半球電極44bと、を有している。静電半球型アナライザー44では、内半球電極44aと外半球電極44bとの間に電圧を印加することで、印加した電圧に応じたエネルギー範囲の電子を取り出すことができる。
検出器50は、分光器40で分光された電子を検出する。検出器50は、互いに異なるエネルギーの電子を独立して検出可能な複数のチャンネルトロン52を有している。
複数のチャンネルトロン52は、分光器40の出射面、すなわちエネルギー分散面において、電子のエネルギー分散方向に並んで配置されている。そのため、複数のチャンネルトロン52は、互いに異なるエネルギーの電子を独立して検出することができる。したがって、検出器50では、異なるエネルギーの電子を同時に検出することができる。
計数装置60は、チャンネルトロン52で検出された電子を計数する。計数装置60は、複数のチャンネルトロン52の各々について、検出された電子を計数する。計数装置60は、複数のチャンネルトロン52の出力信号を受け付けて、エネルギーごとに電子を計数する。計数装置60は、エネルギーごとの電子の計数結果を処理部70に送る。計数結果は、例えば、計数率、すなわち、単位時間に計数された電子の数である。
操作部80は、ユーザーからの指示を信号に変換して処理部70に送る処理を行う。操作部80は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどの入力機器により実現できる。操作部80は、後述するように、分析対象となる元素および当該元素の濃度の入力を受け付ける入力部として機能することができる。
表示部82は、処理部70で生成された画像を出力する。表示部82は、例えば、LCD(liquid crystal display)などのディスプレイにより実現できる。
記憶部84は、処理部70が各種計算処理や各種制御処理を行うためのプログラムやデ
ータを記憶している。また、記憶部84は、処理部70のワーク領域としても用いられる。記憶部84は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびハードディスクにより実現できる。
処理部70は、表面分析装置100を構成する各部を制御する処理や、オージェスペクトルを生成する処理、オージェスペクトルに基づき元素の定量値を計算する処理、オージェスペクトルの積算回数を求める処理などの処理を行う。処理部70の機能は、各種プロセッサー(CPU(Central Processing Unit)など)でプログラムを実行することにより実現できる。なお、処理部70の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。処理部70は、制御部72と、スペクトル生成部74と、統計誤差演算部76と、積算回数演算部78と、定量演算部79と、を含む。
制御部72は、オージェスペクトルを取得するための測定条件を設定し、光学系20を制御する。測定条件は、例えば、オペレーターが操作部80を用いて入力することができる。また、例えば、測定条件は、積算回数演算部78で求められたスペクトルの積算回数に基づいて、測定条件を設定する。
制御部72が、測定条件を設定し、光学系20を制御することによって、光学系20が動作する。この結果、設定された測定条件で試料Sに電子線が照射され、試料Sから放出されたオージェ電子が分光器40で分光され、分光されたオージェ電子が検出器50で検出される。検出器50の出力信号は、計数装置60に送られて、計数装置60からエネルギーごとの電子の計数結果が処理部70に送られる。なお、試料Sに照射される電子線は、光学系20によって試料S上で走査されてもよいし、光学系20によって試料S上の1点に照射されてもよい。
制御部72で設定される測定条件は、測定回数を含む。制御部72は、積算回数演算部78で求められたオージェスペクトルの積算回数に基づいて、測定回数を設定する。そして、制御部72は、オージェスペクトルを取得するための測定が、設定された測定回数だけ繰り返されるように、光学系20を制御する。
スペクトル生成部74は、検出器50の出力信号に基づいて、オージェスペクトルを生成する。スペクトル生成部74は、例えば、計数装置60からエネルギーごとの電子の計数結果(計数率)を取得して、横軸を電子のエネルギー(運動エネルギー)、縦軸を強度とした、オージェスペクトルを生成する。なお、スペクトル生成部74は、生成されたオージェスペクトルを微分して、微分スペクトルを生成してもよい。
統計誤差演算部76は、オージェスペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める。統計誤差演算部76は、例えば、分析対象となる元素に固有のオージェ電子のエネルギーに基づいてエネルギー範囲を設定し、設定されたエネルギー範囲において、スペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める。ノイズ成分の統計誤差を求めるエネルギー範囲は、例えば、分析対象となる元素に固有のオージェ電子のエネルギーの近傍に設定される。例えば、ノイズ成分の統計誤差を求めるエネルギー範囲は、分析対象となる元素に固有のオージェ電子のエネルギーよりも高エネルギー側に設定される。
積算回数演算部78は、統計誤差演算部76で求められたノイズ成分の統計誤差に基づいて、スペクトルの積算回数を求める。例えば、積算回数演算部78は、ノイズ成分の統計誤差に基づいて、分析対象となる元素を検出できる下限(検出下限)の積算回数を求める。積算回数演算部78で求められた積算回数の情報は、制御部72に送られる。制御部72は、この積算回数の情報に基づいて、測定回数を設定する。
定量演算部79は、スペクトル生成部74で生成されたオージェスペクトルに基づいて、定量分析を行う。すなわち、定量演算部79は、オージェスペクトルに基づいて、各元素の定量値を求める。定量演算部79は、例えば、標準試料を測定して得られた相対感度係数(Relative Sensitive Factor、RSF)を用いて、各元素の定量値を求める。
2. 手法
次に、本実施形態におけるスペクトルの積算回数を求める手法について説明する。スペクトルの積算回数は、ノイズ成分の統計誤差から求めることができる。ここでは、試料Sに微量のアルミニウムが含まれているか否かを判断する場合について説明する。
図2は、ノイズ成分の統計誤差を求める手法を説明するための図である。図2には、微量のアルミニウムを含有する試料のオージェスペクトルを示している。
図2では、エネルギー範囲ROI_Alは、アルミニウムに固有のオージェ電子のエネルギー範囲を示している。また、ノイズ成分のエネルギー範囲ROI_noiseは、ノイズ成分の統計誤差を求めるエネルギー範囲を示している。
ノイズ成分のエネルギー範囲ROI_noiseは、分析対象となるアルミニウムのエネルギー範囲ROI_Alよりも、高エネルギー側である。図2に示す例では、ノイズ成分のエネルギー範囲ROI_noiseは、例えば、分析対象となるアルミニウムのエネルギー範囲ROI_Alを、50eVだけ高エネルギー側にずらした範囲である。
ここで、試料から放出されるオージェ電子のエネルギーは、試料で吸収される。その影響を受けて、元素に固有のオージェ電子のピークは、低エネルギー側に長く裾を引く。そのため、上記のように、ノイズ成分のエネルギー範囲ROI_noiseは、分析対象の元素のオージェ電子のエネルギーよりも高エネルギー側に設定されることが好ましい。
なお、ここでは、ノイズ成分の統計誤差を求めるエネルギー範囲が、分析対象となる元素のエネルギー範囲を50eVだけ高エネルギー側にずらした範囲である場合について説明したが、ずらすエネルギー値は、50eVに限定されず、任意のエネルギー値に設定可能である。
ノイズ成分の統計誤差σは、次式(1)で求めることができる。
Figure 0007126928000001
ただし、Nは、オージェ電子のカウント数である。ここで、カウント数Nは、図2に示すように、エネルギー範囲ROI_noiseにおける、スペクトルの強度の真値からのずれ量である。
スペクトルの積算回数は、例えば、Savitzky-Golay法を用いて計算できる。図3は、Savitzky-Golay法により微分したオージェスペクトルを示すグラフである。図3に示すグラフにおいて、横軸Eはエネルギーであり、縦軸f´(E)は、強度である。
スペクトルの積算回数jは、Savitzky-Golay法を用いた次式(2)から、ノイズの統計誤差σを用いて計算できる。
Figure 0007126928000002
ただし、ΔEは、ノイズ成分のエネルギー範囲(ROI_noise)であり、klは、Savitzky-Golay係数である。
上記式(2)を用いることによって、例えば、原子濃度A%の元素が試料に存在しているか否かを確認する場合に必要なスペクトルの積算回数jを求めることができる。すなわち、上記式(2)を用いることによって、分析対象の元素および当該元素の原子濃度から、当該元素が存在しているか否かを確認するために必要なスペクトルの積算回数jを求めることができる。
なお、上記では、スペクトルの積算回数を、Savitzky-Golay法を用いて求める場合について説明したがスペクトルの積算回数を求める手法は、これに限定されない。例えば、上記のSavitzky-Golay法以外の既知の手法を用いて、ノイズ成分の統計誤差からスペクトルの積算回数を求めてもよい。
3. 処理
次に、表面分析装置100の処理部70の処理について説明する。図4は、表面分析装置100の処理部70の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部72は、オペレーターが分析を開始する指示(開始指示)を行ったか否かを判断し(S100)、開始指示が行われるまで待機する(S100のNO)。制御部72は、例えば、操作部80から開始指示が入力された場合に、オペレーターが開始指示を行ったと判断する。
制御部72は、開始指示が行われたと判断した場合(S100のYes)、測定条件を設定し、光学系20を制御する(S102)。これにより、設定された測定条件で光学系20が動作して、試料Sに電子線が照射される。試料Sに電子線が照射されることにより試料Sから放出されたオージェ電子は、分光器40で分光され、分光されたオージェ電子が検出器50で検出される。検出器50の出力信号は、計数装置60に送られ、計数装置60からエネルギーごとの電子の計数結果(計数率)が処理部70に送られる。このようにして、オージェスペクトルを取得するための測定が行われる。
スペクトル生成部74は、検出器50の出力信号(計数装置60の計数結果)に基づいて、オージェスペクトルを生成する(S104)。スペクトル生成部74で生成されたオージェスペクトルは、表示部82に表示される。
オペレーターは、表示部82に表示されたオージェスペクトルを見て、アルミニウムが存在するか否かを確認することができる。しかしながら、例えば、図5に示すように、アルミニウムのピークがノイズ成分に埋もれて、アルミニウムが存在するか否かを判断できない場合がある。この場合、オペレーターは、操作部80を用いて、分析対象の元素であるアルミニウム、およびその原子濃度を入力する。このとき、操作部80は、分析対象となる元素名および原子濃度の入力を受け付ける入力部として機能する。
制御部72が元素名および原子濃度の入力がなかったと判定した場合(S106のNo)、処理部70は処理を終了する。
一方、制御部72は、元素名および原子濃度の入力があったと判定した場合(S106のYes)、当該入力に基づいて測定条件を設定し、光学系20を制御する(S108)。このとき、制御部72は、スペクトルの積算回数が1回であるという測定条件を生成する。制御部72が、測定条件を設定し、光学系20を制御することによって、オージェスペクトルを取得するための測定が行われる。
スペクトル生成部74は、検出器50の出力信号に基づいて、オージェスペクトルを生成する(S110)。スペクトル生成部74で生成されたオージェスペクトルは、表示部82に表示される。
ここで、上記のように、制御部72が設定した測定条件は、スペクトルの積算回数が1回であるという測定条件を含む。そのため、表面分析装置100では、オージェスペクトルを取得するための測定が1回行われ、スペクトル生成部74では1つのオージェスペクトルが生成される。
スペクトル生成部74は、ステップS110で生成されたスペクトルと、ステップS104で生成されたスペクトルと、を積算する(S112)。この結果、積算回数が1回のオージェスペクトルが生成される。
統計誤差演算部76は、スペクトル生成部74で生成された、積算回数が1回のオージェスペクトルに基づいて、ノイズ成分の統計誤差σを算出する(S114)。統計誤差演算部76は、ノイズ成分の統計誤差σを、上記式(1)を用いて算出する。
積算回数演算部78は、統計誤差演算部76で算出された、ノイズ成分の統計誤差σに基づいてスペクトルの積算回数jを算出する(S116)。積算回数演算部78は、スペクトルの積算回数jを、上記式(2)を用いて算出する。
制御部72は、算出されたスペクトルの積算回数jに基づいて測定回数を設定し、オージェスペクトルを取得するための測定が設定された測定回数だけ行われるように、光学系20を制御する(S118)。これにより、オージェスペクトルを取得するための測定が開始される。
スペクトル生成部74は、検出器50の出力信号に基づいて、オージェスペクトルを生成する(S120)。スペクトル生成部74は、ステップS120で生成されたオージェスペクトルと、ステップS112で生成された積算回数が1回のオージェスペクトルと、を積算する(S122)。この結果、積算回数が2回のオージェスペクトルが生成される。
制御部72は、オージェスペクトルを取得するための測定が、設定された測定回数だけ行われたか否かを判定する(S124)。制御部72は、設定された測定回数だけ測定が行われていないと判定した場合(S124のNo)、ステップS118に戻って、再び、光学系20を制御する(S118)。そして、スペクトル生成部74は、オージェスペクトルを生成し(S120)、スペクトルを積算する(S122)。このようにして、設定された測定回数だけ測定が行われるまで、すなわち、スペクトルが積算回数jだけ積算されるまで、ステップS118、ステップS120、およびステップS122の処理が繰り返される。
制御部72が設定された測定回数だけ測定が行われたと判定した場合(S124のYes)、定量演算部79は、積算回数jだけ積算されたオージェスペクトルに基づいて、定量分析を行う(S128)。
処理部70は、積算回数jだけ積算されたオージェスペクトル、定量分析結果、およびノイズ成分の統計誤差(検出下限)を、表示部82に表示させる制御を行う(S130)。そして、処理部70は処理を終了する。
オペレーターは、表示部82に表示されたオージェスペクトルおよび定量分析結果を見て、アルミニウムが存在しているか否かを確認することができる。また、オペレーターは、同時に、検出下限を知ることができる。
4. 特徴
表面分析装置100は、例えば以下の特徴を有する。
表面分析装置100は、検出器50の出力信号に基づいて、オージェスペクトルを生成するスペクトル生成部74と、オージェスペクトルに基づいてオージェスペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める統計誤差演算部76と、統計誤差に基づいてスペクトルの積算回数を求める積算回数演算部78と、を含む。そのため、表面分析装置100では、オージェスペクトルのノイズ成分の統計誤差(検出下限)に基づいて、スペクトルの積算回数を算出することができる。したがって、表面分析装置100では、測定を無駄に繰り返すことなく、容易に、短時間で微量元素の分析が可能である。
表面分析装置100では、分析対象となる元素、および分析対象となる元素の濃度の入力を受け付ける入力部としての操作部80を含む。また、統計誤差演算部76は、分析対象となる元素に固有のオージェ電子のエネルギーに基づいてエネルギー範囲を設定し、設定されたエネルギー範囲においてノイズ成分の統計誤差を求める。そのため、表面分析装置100では、分析対象となる元素の存在の有無を知るための分析を、容易に、短時間で行うことができる。
表面分析装置100では、ノイズ成分の統計誤差を求めるエネルギー範囲は、元素に固有のオージェ電子のエネルギーよりも高い。オージェスペクトルでは、元素に固有のオージェ電子のピークは、低エネルギー側に長く裾を引く。そのため、ノイズ成分の統計誤差を求めるエネルギー範囲を、元素に固有のオージェ電子のエネルギーよりも高くすることで、より正確にノイズ成分の統計誤差を求めることができる。
表面分析装置100では、スペクトルの積算回数に基づいてオージェスペクトルを取得する測定の回数を設定し、設定された測定回数だけ測定が行われるように光学系20を制御する制御部72を含む。そのため、表面分析装置100では、微量元素の存在の有無を確認できるオージェスペクトルを自動で取得できるため、容易に、微量元素の分析が可能である。
本実施形態に係る表面分析方法は、オージェスペクトルに基づいて、スペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める工程と、統計誤差に基づいてスペクトルの積算回数を求める工程と、を含む。そのため、オージェスペクトルのノイズ成分の統計誤差(検出下限)から、スペクトルの積算回数を算出することができる。したがって、本実施形態に係る表面分析方法では、容易に、短時間で微量元素の分析が可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、表面分析装置100がオージェ電子分光装置である場合について説明したが、本発明に係る表面分析装置は、電子線を試料Sに入射して、試料Sから放出された信号(電子、X線等)を検出して、スペクトルを取得できる装置であれば特に限定されない。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…電子源、20…光学系、22…集束レンズ、24…対物レンズ、26…偏向器、30…試料ステージ、40…分光器、42…インプットレンズ、44…静電半球型アナライザー、44a…内半球電極、44b…外半球電極、50…検出器、52…チャンネルトロン、60…計数装置、70…処理部、72…制御部、74…スペクトル生成部、76…統計誤差演算部、78…積算回数演算部、79…定量演算部、80…操作部、82…表示部、84…記憶部、100…表面分析装置

Claims (6)

  1. 試料に電子線を照射する光学系と、
    前記試料から放出される信号を検出する検出器と、
    前記検出器の出力信号に基づいて、スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
    前記スペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める統計誤差演算部と、
    前記統計誤差に基づいて、前記スペクトルの積算回数を求める積算回数演算部と、
    分析対象となる元素の入力を受け付ける入力部と、
    を含み、
    前記統計誤差演算部は、
    前記分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーに基づいて、エネルギー範囲を設定し、
    設定された前記エネルギー範囲において、前記統計誤差を求め、
    前記エネルギー範囲は、前記分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーよりも高く、
    前記信号は、オージェ電子である、表面分析装置。
  2. 請求項1において、
    前記入力部は、前記分析対象となる元素の濃度の入力を受け付け、
    前記積算回数演算部は、前記統計誤差および前記分析対象となる元素の濃度に基づいて、前記積算回数を求める、表面分析装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記積算回数に基づいて前記スペクトルを取得する測定を行う回数を設定し、設定された回数だけ測定が行われるように前記光学系を制御する制御部を含む、表面分析装置。
  4. 試料に電子線を照射して、前記試料から放出される信号を検出してスペクトルを取得する表面分析装置における表面分析方法であって、
    前記スペクトルのノイズ成分の統計誤差を求める工程と、
    前記統計誤差に基づいて、前記スペクトルの積算回数を求める工程と、
    を含
    前記統計誤差を求める工程では、
    分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーに基づいて、エネルギー範囲を設定し、
    設定された前記エネルギー範囲において、前記統計誤差を求め、
    前記エネルギー範囲は、前記分析対象となる元素に固有の前記信号のエネルギーよりも高く、
    前記信号は、オージェ電子である、表面分析方法。
  5. 請求項において、
    前記積算回数に基づいて、前記スペクトルを取得する測定の回数を設定する工程を含む、表面分析方法。
  6. 請求項4または5において、
    前記積算回数を求める工程では、前記統計誤差および前記分析対象となる元素の濃度に基づいて、前記積算回数を求める、表面分析方法。
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