JP3268251B2 - 対象核種の濃度の連続測定方法 - Google Patents
対象核種の濃度の連続測定方法Info
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- JP3268251B2 JP3268251B2 JP33817597A JP33817597A JP3268251B2 JP 3268251 B2 JP3268251 B2 JP 3268251B2 JP 33817597 A JP33817597 A JP 33817597A JP 33817597 A JP33817597 A JP 33817597A JP 3268251 B2 JP3268251 B2 JP 3268251B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子力発電
設備における一次冷却材中のよう素の濃度測定などに用
いられる対象核種の濃度測定方法に関する。
設備における一次冷却材中のよう素の濃度測定などに用
いられる対象核種の濃度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】例えば原子力
発電設備における冷却材中又は気体中の放射能濃度の連
続測定は、従来より、図6に示すように、放射性流体の
流通される配管52の外側に放射線検出器51を配備
し、γ線等による同検出器51からの電気パルスを増幅
回路53にて拡大し、シングルチャンネルアナライザー
54にて対象γ線の範囲のエネルギーのパルスのみを選
択し、これをレートメーター55に送り、予め設定した
所定の時間カウントされたパルス数をカウント時間で除
して単位時間あたりのパルス数、即ち計数率を求め、レ
コーダー56に記録していく、というようにして行われ
ている。
発電設備における冷却材中又は気体中の放射能濃度の連
続測定は、従来より、図6に示すように、放射性流体の
流通される配管52の外側に放射線検出器51を配備
し、γ線等による同検出器51からの電気パルスを増幅
回路53にて拡大し、シングルチャンネルアナライザー
54にて対象γ線の範囲のエネルギーのパルスのみを選
択し、これをレートメーター55に送り、予め設定した
所定の時間カウントされたパルス数をカウント時間で除
して単位時間あたりのパルス数、即ち計数率を求め、レ
コーダー56に記録していく、というようにして行われ
ている。
【0003】しかし、上記のような、シングルチャンネ
ルアナライザー54とレートメーター55による測定法
は、例えばよう素 131I(364keV)のような、極
低レベルの、しかもバックグラウンドの高い核種の濃度
の連続測定には不向きであった。即ち、シングルチャン
ネルアナライザー54は、364keVを中心とする比
較的広いエネルギー範囲のパルスを、バックグランドγ
線によるパルスをも含めてすべて選択し、レートメータ
ー55では、これらすべてのパルスを計数率算出の基礎
としてしまう。そのため、レコーダー56に記録されて
いく計数率に変動を生じた場合、それが、よう素 131I
のγ線の変動によるものか、そのエネルギー範囲の他の
核種のγ線の変動によるものか、バックグランドγ線の
変動によるものか、判定が困難であった。
ルアナライザー54とレートメーター55による測定法
は、例えばよう素 131I(364keV)のような、極
低レベルの、しかもバックグラウンドの高い核種の濃度
の連続測定には不向きであった。即ち、シングルチャン
ネルアナライザー54は、364keVを中心とする比
較的広いエネルギー範囲のパルスを、バックグランドγ
線によるパルスをも含めてすべて選択し、レートメータ
ー55では、これらすべてのパルスを計数率算出の基礎
としてしまう。そのため、レコーダー56に記録されて
いく計数率に変動を生じた場合、それが、よう素 131I
のγ線の変動によるものか、そのエネルギー範囲の他の
核種のγ線の変動によるものか、バックグランドγ線の
変動によるものか、判定が困難であった。
【0004】そこで、レベルが極低レベルでかつバック
グラウンドの高い 131Iのような核種の濃度測定法とし
て、シングルチャンネルアナライザーにかえてマルチチ
ャンネルアナライザーを用い、所定時間単位、例えば1
時間単位でエネルギースペクトルを連続的に測定、取得
していき、そして、コンピューターにて、現時点から時
間的に最も近い測定スペクトルから所定数さかのぼって
測定スペクトルを積算し、この積算測定スペクトルから
131Iの正味計数率をスペクトル解析により求めていく
連続測定法が考案されている。
グラウンドの高い 131Iのような核種の濃度測定法とし
て、シングルチャンネルアナライザーにかえてマルチチ
ャンネルアナライザーを用い、所定時間単位、例えば1
時間単位でエネルギースペクトルを連続的に測定、取得
していき、そして、コンピューターにて、現時点から時
間的に最も近い測定スペクトルから所定数さかのぼって
測定スペクトルを積算し、この積算測定スペクトルから
131Iの正味計数率をスペクトル解析により求めていく
連続測定法が考案されている。
【0005】しかし、この測定法では、スペクトルの積
算数は予め一定数に設定しておかなければならないもの
であった。しかも、この積算数、即ち積算時間は、統計
的誤差の小さい安定した計数率を得るために、ある程度
長いものに設定しておく必要があった。そのため、 131
Iの濃度が実際に急激に上昇した場合に、その積算時間
中にカウントされた計数値がその積算時間で除されるこ
とにより平均されて低い計数率となってしまい、 131I
の濃度の実際の急激な上昇を迅速に把握、確認すること
ができないという問題があった。
算数は予め一定数に設定しておかなければならないもの
であった。しかも、この積算数、即ち積算時間は、統計
的誤差の小さい安定した計数率を得るために、ある程度
長いものに設定しておく必要があった。そのため、 131
Iの濃度が実際に急激に上昇した場合に、その積算時間
中にカウントされた計数値がその積算時間で除されるこ
とにより平均されて低い計数率となってしまい、 131I
の濃度の実際の急激な上昇を迅速に把握、確認すること
ができないという問題があった。
【0006】本発明は、上記のような技術背景のもと
で、レベルが極低レベルでかつバックグラウンドの高い
核種を測定対象となし得て、その濃度変動を信頼性高く
把握することができ、しかも、そのような核種を対象と
して、統計的誤差の小さい適正な濃度測定を遂行しなが
ら、濃度の実際の急激な上昇時にはその上昇を迅速に把
握、確認することができる濃度測定方法を提供すること
を課題とする。
で、レベルが極低レベルでかつバックグラウンドの高い
核種を測定対象となし得て、その濃度変動を信頼性高く
把握することができ、しかも、そのような核種を対象と
して、統計的誤差の小さい適正な濃度測定を遂行しなが
ら、濃度の実際の急激な上昇時にはその上昇を迅速に把
握、確認することができる濃度測定方法を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、所定時間単
位で放射線スペクトルを連続的に測定、取得していき、
得られた複数の測定スペクトルSP1 ,SP2 ,…,S
Pk (SPk は現時点から時間的に最も近い測定スペク
トル)の群を用い、該測定スペクトル群を測定スペクト
ルSPk からさかのぼって積算していくに際し、積算前
の積算スペクトルΣSPi (iはkからk−mまで、m
は積算数、mの初期値は0)から対象ピークのS/N値
(N=√B、Sは対象核種の正味計数値、Bはバックグ
ラウンドの計数値)をスペクトル解析により算出し、こ
のS/N値が、予め定めたピーク判定基準のS/N値を
超えたか否かを判断し、超えない場合は次の回の積算を
行って更にこの判断を繰り返していき、超えた場合はそ
の積算スペクトルΣSPiから対象核種の濃度を求める
ことを特徴とする対象核種の濃度の測定方法によって解
決される。
位で放射線スペクトルを連続的に測定、取得していき、
得られた複数の測定スペクトルSP1 ,SP2 ,…,S
Pk (SPk は現時点から時間的に最も近い測定スペク
トル)の群を用い、該測定スペクトル群を測定スペクト
ルSPk からさかのぼって積算していくに際し、積算前
の積算スペクトルΣSPi (iはkからk−mまで、m
は積算数、mの初期値は0)から対象ピークのS/N値
(N=√B、Sは対象核種の正味計数値、Bはバックグ
ラウンドの計数値)をスペクトル解析により算出し、こ
のS/N値が、予め定めたピーク判定基準のS/N値を
超えたか否かを判断し、超えない場合は次の回の積算を
行って更にこの判断を繰り返していき、超えた場合はそ
の積算スペクトルΣSPiから対象核種の濃度を求める
ことを特徴とする対象核種の濃度の測定方法によって解
決される。
【0008】S/N値は、図4に示すように、放射線ス
ペクトルにおいて、対象核種の正味計数値Sと、バック
グラウンドの計数値Bの平方根であるNとの比であり、
対象ピークの有意性(信頼性)を表す。本発明では、実
測のスペクトルから対象核種の正味計数値S及びバック
グラウンドの計数値Bをスペクトル解析により算出して
S/N値を求める。また、ピーク判定基準のS/N値
は、対象ピークの有意性を認定し得る値に設定する。例
えば、よう素 131I(364keV)を測定対象核種と
する場合、この基準S/N値は、周辺バックグラウンド
が安定している場合は2に設定してよいが、3に設定す
ることによって信頼性の高いピーク判定が可能となる。
より信頼性の高いピーク判定を行おうとする場合は、そ
れよりも高い5あるいは10などに設定してもよい。
ペクトルにおいて、対象核種の正味計数値Sと、バック
グラウンドの計数値Bの平方根であるNとの比であり、
対象ピークの有意性(信頼性)を表す。本発明では、実
測のスペクトルから対象核種の正味計数値S及びバック
グラウンドの計数値Bをスペクトル解析により算出して
S/N値を求める。また、ピーク判定基準のS/N値
は、対象ピークの有意性を認定し得る値に設定する。例
えば、よう素 131I(364keV)を測定対象核種と
する場合、この基準S/N値は、周辺バックグラウンド
が安定している場合は2に設定してよいが、3に設定す
ることによって信頼性の高いピーク判定が可能となる。
より信頼性の高いピーク判定を行おうとする場合は、そ
れよりも高い5あるいは10などに設定してもよい。
【0009】スペクトル解析により算出した積算スペク
トルにおける対象ピークのS/N値がピーク判定基準の
S/N値を超えないとの判断は、その対象ピークが対象
核種のピークとは必ずしもいえないことを意味する。即
ち、そのスペクトルから対象核種の濃度を求めるには統
計的誤差が大きすぎ、測定時間、即ち積算時間が不足し
ていることを意味する。S/N値の特性上、測定時間を
長くすればするほど、S/N値は大きな値となってい
く。従って、その場合は、測定時間を延ばすためkから
の測定スペクトルの積算数mを増やし、その増やして得
られる積算スペクトルから対象ピークのS/N値を算出
し、再びピーク判定を行う。超えない場合には超えるま
で積算数mを増やしていく。これにより、積算時間、即
ち測定時間の長さが自動的に決定される。
トルにおける対象ピークのS/N値がピーク判定基準の
S/N値を超えないとの判断は、その対象ピークが対象
核種のピークとは必ずしもいえないことを意味する。即
ち、そのスペクトルから対象核種の濃度を求めるには統
計的誤差が大きすぎ、測定時間、即ち積算時間が不足し
ていることを意味する。S/N値の特性上、測定時間を
長くすればするほど、S/N値は大きな値となってい
く。従って、その場合は、測定時間を延ばすためkから
の測定スペクトルの積算数mを増やし、その増やして得
られる積算スペクトルから対象ピークのS/N値を算出
し、再びピーク判定を行う。超えない場合には超えるま
で積算数mを増やしていく。これにより、積算時間、即
ち測定時間の長さが自動的に決定される。
【0010】ピーク判定基準のS/N値を超えたとの判
断は、そのピークが対象核種のピークであるとの有意性
がかなり高いことを意味する。そこで、その積算スペク
トルから求められる対象核種の正味計数値を、上記のよ
うにして積算した測定時間で除して、対象核種の正味計
数率を求め、濃度を特定する。
断は、そのピークが対象核種のピークであるとの有意性
がかなり高いことを意味する。そこで、その積算スペク
トルから求められる対象核種の正味計数値を、上記のよ
うにして積算した測定時間で除して、対象核種の正味計
数率を求め、濃度を特定する。
【0011】そして、対象核種の濃度が実際に急激に上
昇した場合には、上記の場合よりも少ない積算数の積算
スペクトル、例えば、現時点から時間的に最も近い測定
スペクトルSPk から算出した対象ピークのS/N値
が、ピーク判定基準のS/N値を超えることとなり、積
算数m、即ち積算時間が自動的に短縮される。そして、
そのスペクトルから求められる対象核種の正味計数値
が、その積算スペクトルの積算時間で除されて、対象核
種の正味計数率が求められ、濃度が特定される。即ち、
積算スペクトルのS/N値がピーク判定基準のS/N値
を超えたか否かの判断を通じて測定スペクトルの積算数
を制御することにより、対象核種の濃度が実際に急激に
上昇した場合に、測定時間が自動的に短縮されて、その
核種の濃度の実際の急激な上昇が応答性良く確認され
る。
昇した場合には、上記の場合よりも少ない積算数の積算
スペクトル、例えば、現時点から時間的に最も近い測定
スペクトルSPk から算出した対象ピークのS/N値
が、ピーク判定基準のS/N値を超えることとなり、積
算数m、即ち積算時間が自動的に短縮される。そして、
そのスペクトルから求められる対象核種の正味計数値
が、その積算スペクトルの積算時間で除されて、対象核
種の正味計数率が求められ、濃度が特定される。即ち、
積算スペクトルのS/N値がピーク判定基準のS/N値
を超えたか否かの判断を通じて測定スペクトルの積算数
を制御することにより、対象核種の濃度が実際に急激に
上昇した場合に、測定時間が自動的に短縮されて、その
核種の濃度の実際の急激な上昇が応答性良く確認され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0013】本実施形態では、原子力発電設備における
一次冷却材中のよう素( 131I(364keV))の濃
度を測定対象とする。装置構成を示す図1において、1
はGe半導体検出器であり、このGe半導体検出器1
は、一次冷却材が流通されるCVCS配管2の外側に設
置されている。γ線によるGe半導体検出器1からの電
気パルスは、増幅回路3を経て、マルチチャンネルアナ
ライザー4に送られる。そして、マルチチャンネルアナ
ライザー4によって所定時間単位、例えば1時間単位で
得られたスペクトルデータが、次々と連続的にコンピュ
ーター5の記憶部6に蓄積、記憶され、記憶された測定
スペクトル群がCPU7にてプログラム制御されて、よ
う素濃度が求められるようになっている。
一次冷却材中のよう素( 131I(364keV))の濃
度を測定対象とする。装置構成を示す図1において、1
はGe半導体検出器であり、このGe半導体検出器1
は、一次冷却材が流通されるCVCS配管2の外側に設
置されている。γ線によるGe半導体検出器1からの電
気パルスは、増幅回路3を経て、マルチチャンネルアナ
ライザー4に送られる。そして、マルチチャンネルアナ
ライザー4によって所定時間単位、例えば1時間単位で
得られたスペクトルデータが、次々と連続的にコンピュ
ーター5の記憶部6に蓄積、記憶され、記憶された測定
スペクトル群がCPU7にてプログラム制御されて、よ
う素濃度が求められるようになっている。
【0014】図2は、記憶部6における測定スペクトル
の記憶形式を概念的に示したものである。測定開始から
1時間の間に測定されたスペクトルをPS1 として記憶
し、次の1時間の間に測定されたスペクトルをPS2 と
して記憶し、これを繰り返して、現時点では、SP1 ,
SP2 ,…,SPk までの測定スペクトルが記憶部6に
記憶されていることを示している。なお、測定の単位時
間は1時間に限定されるものでない。
の記憶形式を概念的に示したものである。測定開始から
1時間の間に測定されたスペクトルをPS1 として記憶
し、次の1時間の間に測定されたスペクトルをPS2 と
して記憶し、これを繰り返して、現時点では、SP1 ,
SP2 ,…,SPk までの測定スペクトルが記憶部6に
記憶されていることを示している。なお、測定の単位時
間は1時間に限定されるものでない。
【0015】この記憶部6に記憶されていく測定スペク
トルデータSP1 ,SP2 ,…,SPk を用いて、CP
U7では次のようなプログラム制御が行われる。図3に
は、そのフローチャートを示す。ピーク判定基準のS/
N値は、ステップS3に示すように3に設定している。
現時点から時間的に最も近い測定スペクトルSPk が記
憶部6に記憶された時点で、プログラムがスタートし、
まず、この測定スペクトルSPk (積算数m=0)のS
/N値をスペクトル解析により算出する(ステップS
1、S2)。スペクトル解析は常法にしたがって行われ
る。そして、算出されたS/N値がピーク判定基準のS
/N値である3を超えたか否かが判断される(ステップ
S3)。判断の結果、超えない場合はステップS4を経
てステップS2へと移行し、測定スペクトルSPk とそ
の一つ前の測定スペクトルSPk-1とを積算した積算ス
ペクトルSPk +SPk-1 (積算数m=1)についての
S/N値が同様にスペクトル解析により算出され、その
S/N値がピーク判定基準の3を超えたか否かがステッ
プS3にて再び判断される。これが、ピーク判定基準の
3を超えるまで繰り返される。そして、この繰返しの結
果、積算スペクトルSPk +SPk-1 +…のS/N値が
ピーク判定基準の3を超えたと判断されたときはじめ
て、ステップS5に移行し、積算スペクトルSPk +S
Pk-1 +…から対象ピーク、即ち、よう素 131Iの計数
率が求められ、よう素濃度が表示される。従って、この
S/N値判定により、よう素のピークを信頼性高く把握
することができ、しかも、統計的誤差の小さい適正な積
算時間、即ち測定時間を自動的に決定しえて測定時間設
定の困難性が排除される。
トルデータSP1 ,SP2 ,…,SPk を用いて、CP
U7では次のようなプログラム制御が行われる。図3に
は、そのフローチャートを示す。ピーク判定基準のS/
N値は、ステップS3に示すように3に設定している。
現時点から時間的に最も近い測定スペクトルSPk が記
憶部6に記憶された時点で、プログラムがスタートし、
まず、この測定スペクトルSPk (積算数m=0)のS
/N値をスペクトル解析により算出する(ステップS
1、S2)。スペクトル解析は常法にしたがって行われ
る。そして、算出されたS/N値がピーク判定基準のS
/N値である3を超えたか否かが判断される(ステップ
S3)。判断の結果、超えない場合はステップS4を経
てステップS2へと移行し、測定スペクトルSPk とそ
の一つ前の測定スペクトルSPk-1とを積算した積算ス
ペクトルSPk +SPk-1 (積算数m=1)についての
S/N値が同様にスペクトル解析により算出され、その
S/N値がピーク判定基準の3を超えたか否かがステッ
プS3にて再び判断される。これが、ピーク判定基準の
3を超えるまで繰り返される。そして、この繰返しの結
果、積算スペクトルSPk +SPk-1 +…のS/N値が
ピーク判定基準の3を超えたと判断されたときはじめ
て、ステップS5に移行し、積算スペクトルSPk +S
Pk-1 +…から対象ピーク、即ち、よう素 131Iの計数
率が求められ、よう素濃度が表示される。従って、この
S/N値判定により、よう素のピークを信頼性高く把握
することができ、しかも、統計的誤差の小さい適正な積
算時間、即ち測定時間を自動的に決定しえて測定時間設
定の困難性が排除される。
【0016】そして、よう素の濃度が実際に急激に上昇
した場合は、上記の場合よりも少ない積算数m、例えば
m=0あるいは1などで、S/N値がピーク判定基準の
3を超えたと判断され、その積算スペクトルからよう素
131Iの計数率が求められ、よう素濃度が表示される。
従って、データー処理系統を統一して簡素にしながらよ
う素濃度の実際の急激な上昇が迅速に把握、確認され
る。
した場合は、上記の場合よりも少ない積算数m、例えば
m=0あるいは1などで、S/N値がピーク判定基準の
3を超えたと判断され、その積算スペクトルからよう素
131Iの計数率が求められ、よう素濃度が表示される。
従って、データー処理系統を統一して簡素にしながらよ
う素濃度の実際の急激な上昇が迅速に把握、確認され
る。
【0017】因みに、積算時間を固定した場合と、積算
時間を上記のようにS/N値判定により可変にした場合
とについて、よう素濃度の指示値をシミュレーションし
ていったところ、図5に示すような結果が得られた。こ
の結果から、積算時間をS/N値判定により可変にする
ことで、よう素濃度の実際の急激な上昇を迅速に把握、
確認し得ることを確認し得た。
時間を上記のようにS/N値判定により可変にした場合
とについて、よう素濃度の指示値をシミュレーションし
ていったところ、図5に示すような結果が得られた。こ
の結果から、積算時間をS/N値判定により可変にする
ことで、よう素濃度の実際の急激な上昇を迅速に把握、
確認し得ることを確認し得た。
【0018】以上に本発明の一実施形態を示したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、発明思想を逸
脱しない範囲で各種の設計変更をなし得るものであるこ
とはいうまでもない。例えば、測定して取得するスペク
トルの形式は、対象核種ピークのS/N値をスペクトル
解析により求め得るものであればよい。
発明は、これに限定されるものではなく、発明思想を逸
脱しない範囲で各種の設計変更をなし得るものであるこ
とはいうまでもない。例えば、測定して取得するスペク
トルの形式は、対象核種ピークのS/N値をスペクトル
解析により求め得るものであればよい。
【0019】
【発明の効果】以上の次第で、本発明の対象核種の濃度
測定方法は、測定して取得した放射線スペクトルを用
い、このスペクトルからスペクトル解析により対象核種
の放射能濃度を求めるものであるから、レベルが極低レ
ベルでかつバックグラウンドの高い核種を測定対象とな
し得て、その濃度変動を信頼性高く把握することができ
る。
測定方法は、測定して取得した放射線スペクトルを用
い、このスペクトルからスペクトル解析により対象核種
の放射能濃度を求めるものであるから、レベルが極低レ
ベルでかつバックグラウンドの高い核種を測定対象とな
し得て、その濃度変動を信頼性高く把握することができ
る。
【0020】しかも、測定によって所定時間単位で得た
スペクトルSP1 ,SP2 ,…,SPk の群をもとに、
SPk からさかのぼって積算した積算スペクトル(積算
数の初期値は0)から対象ピークのS/N値をスペクト
ル解析により算出し、このS/N値が、予め定めたピー
ク判定基準のS/N値を超えたか否かを判断し、超えな
い場合は次の回の積算を行って更にこの判断を繰り返し
ていき、超えた場合はその積算スペクトルから対象核種
の濃度を求めるものである。従って、スペクトル積算数
がピーク判定基準のS/N値をもとに自ら自動的に適正
な積算数に制御され、上記のような極低レベルでバック
グラウンドの高い核種を対象として、統計的誤差の小さ
い安定した適正な濃度測定を遂行していくことができ
る。しかも同時に、その核種の放射能濃度の実際の急激
な上昇時には、スペクトルの積算数、即ち積算時間が上
記のピーク判定基準のS/N値をもとに自動的に短縮制
御され、その実際の急激な上昇を迅速に把握、確認する
ことができる。
スペクトルSP1 ,SP2 ,…,SPk の群をもとに、
SPk からさかのぼって積算した積算スペクトル(積算
数の初期値は0)から対象ピークのS/N値をスペクト
ル解析により算出し、このS/N値が、予め定めたピー
ク判定基準のS/N値を超えたか否かを判断し、超えな
い場合は次の回の積算を行って更にこの判断を繰り返し
ていき、超えた場合はその積算スペクトルから対象核種
の濃度を求めるものである。従って、スペクトル積算数
がピーク判定基準のS/N値をもとに自ら自動的に適正
な積算数に制御され、上記のような極低レベルでバック
グラウンドの高い核種を対象として、統計的誤差の小さ
い安定した適正な濃度測定を遂行していくことができ
る。しかも同時に、その核種の放射能濃度の実際の急激
な上昇時には、スペクトルの積算数、即ち積算時間が上
記のピーク判定基準のS/N値をもとに自動的に短縮制
御され、その実際の急激な上昇を迅速に把握、確認する
ことができる。
【0021】更に、本発明方法によれば、放射線スペク
トルを用いて濃度測定を遂行していくものであるから、
複数種類の核種を対象としてそれらの濃度を同時に併行
して測定していくということも可能であり、それぞれの
核種の実際の急激な上昇を個別に迅速に把握、確認する
ことなども可能となる。
トルを用いて濃度測定を遂行していくものであるから、
複数種類の核種を対象としてそれらの濃度を同時に併行
して測定していくということも可能であり、それぞれの
核種の実際の急激な上昇を個別に迅速に把握、確認する
ことなども可能となる。
【図1】本発明を実施するための装置構成の一例を示す
説明図である。
説明図である。
【図2】記憶部における測定スペクトルデータの記憶形
式を示す説明図である。
式を示す説明図である。
【図3】制御のフローチャート図である。
【図4】S/N値の説明図である。
【図5】濃度測定のシミュレーション結果を示すグラフ
図である。
図である。
【図6】従来の濃度測定法実施のための装置構成を示す
説明図である。
説明図である。
1…Ge半導体検出器 2…CVCS配管 3…増幅回路 4…マルチチャンネルアナライザー 5…コンピューター 6…記憶部 7…CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000230940 日本原子力発電株式会社 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 (73)特許権者 591212349 株式会社原子力エンジニアリング 大阪府大阪市西区土佐堀1丁目3番7号 (72)発明者 中村 年孝 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 田中 宗雄 愛媛県松山市湊町6丁目1番2号 四国 電力株式会社内 (72)発明者 田崎 耕一 福岡県福岡市中央区渡辺通2丁目1番82 号 九州電力株式会社内 (72)発明者 大平 拓 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 日本原子力発電株式会社内 (72)発明者 山田 昌孝 大阪府大阪市西区土佐堀1丁目3番7号 株式会社原子力エンジニアリング内 (56)参考文献 特開 平7−20247(JP,A) 特開 平6−66745(JP,A) 特開 平10−90418(JP,A) 特開 平4−320987(JP,A) 特開 平1−187488(JP,A) 特開 昭61−61083(JP,A) 特開 平7−134180(JP,A) 特開 平8−5748(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/167 G01T 1/36
Claims (1)
- 【請求項1】 所定時間単位で放射線スペクトルを連続
的に測定、取得していき、得られた複数の測定スペクト
ルSP1,SP2,…,SPk(SPkは現時点から時間
的に最も近い測定スペクトル)の群を用い、該測定スペ
クトル群を測定スペクトルSPkからさかのぼって積算
していくに際し、積算前の積算スペクトルΣSPi(i
はkからk−mまで、mは積算数、mの初期値は0)か
ら対象ピークのS/N値(N=√B、Sは対象核種の正
味計数値、Bはバックグラウンドの計数値)をスペクト
ル解析により算出し、このS/N値が、予め定めたピー
ク判定基準のS/N値を超えたか否かを判断し、超えな
い場合は次の回の積算を行って更にこの判断を繰り返し
ていき、超えた場合はその積算スペクトルΣSPiから
対象核種の濃度を求めることを、測定スペクトルSP k
を取得するごとに繰り返していくことを特徴とする対象
核種の濃度の連続測定方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33817597A JP3268251B2 (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 対象核種の濃度の連続測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33817597A JP3268251B2 (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 対象核種の濃度の連続測定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11153671A JPH11153671A (ja) | 1999-06-08 |
JP3268251B2 true JP3268251B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=18315633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33817597A Expired - Fee Related JP3268251B2 (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 対象核種の濃度の連続測定方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3268251B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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JP7126928B2 (ja) * | 2018-11-20 | 2022-08-29 | 日本電子株式会社 | 表面分析装置および表面分析方法 |
CN112683849B (zh) * | 2020-12-23 | 2022-05-31 | 浙江农林大学 | 一种猪肉品质无损检测方法 |
-
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JPH11153671A (ja) | 1999-06-08 |
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