JP7121349B2 - 表示方法及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、虚像の投影位置を可変とした表示方法及び表示装置に関するものである。
表示装置として、表示素子に表示した画像を投影するための投影光学系と、画像を虚像として表示する表示スクリーンとを備えるヘッドアップディスプレイ(以下HUD(Head-Up Display)とも称する)装置が存在する。HUD装置は、運転中のドライバーが視線や視点を大きく動かすことなく表示を確認することができる点で、従来の速度メーターその他のインパネ(instrument panel)に情報表示する装置に比べ危険性を減らせるメリットがある。今後、ドライバーの安全運転を支援するための表示装置としてHUD装置が積極的に用いられることが予想され、その際、伝えるべき危険情報や、注意すべき情報をドライバーに確実に伝える必要がある。ドライバーにより確実に情報を伝えるには、例えば運転中の前方でドライバーが注意すべき対象であるターゲットに対して、そのターゲットから大きく目線や視点をずらすことなく見える表示方法とすることで、より自然で違和感なく、かつ、より速く危険等の情報を認識することが可能になる。そういった機能を達成するために、HUD装置としては、表示する虚像の投影距離をターゲットの存在する距離で、その距離の垂直面内で座標も一致させて表示させることが求められる。そのためには、HUD装置として、虚像を投影する距離を可変とした光学系を備えるものが必要となる。その際、虚像の投影距離を例えば1/60sec以内で近側から遠側にわたって変えることができれば、ドライバーにとって全ての距離の投影像が同時性を持って認識され、立体的映像の表示が可能となる。
公知の表示装置として、虚像としての表示像を運転者からの距離が異なる複数箇所に生成するものがいくつか提案されている(特許文献1~6)。
例えば特許文献1の装置では、虚像形成用の光学系において、反射ミラーとして曲率が異なる2つのミラー面を設け、それらの回動によって光路上に配置されるミラーを切替えることで虚像の投影距離を可変としている。
また、特許文献2の装置では、虚像形成用の光学系において、配置が異なる複数の表示パネルを用いて虚像を形成することで、可動部を設けないで虚像までの表示距離を変えている。
特許文献3の装置では、虚像形成用の光学系において、光軸方向に移動して表示像を変倍する集光レンズを用いており、集光レンズにビームエキスパンダーを用いることで、表示像又は虚像の光軸方向の位置を調整できるとの記載がある。
特許文献4の装置では、表示素子と結像光学系との間にリレー光学系を配置し、リレー光学系により中間像を形成するとともに、リレー光学系を構成する光学素子の位置を変化させて中間像の位置を変え、虚像の投影距離を変化させている。この際、位置が異なる複数の虚像としての平面像を例えば60分の1秒以内に重ね合わせることで立体視映像が得られるとしている。また、表示パネルとして透過型液晶パネルに代えて光走査型のデバイスを用いる場合は、中間像の位置に拡散板を配置するという記述がある。
特許文献5の装置では、ヘッドアップディスプレイ装置(以下HUDとも称する)の表示画面を上下方向に分割して近側と遠側とに投影する。その際、遠側の表示に関して、中間スクリーンを移動させて虚像の投影距離を可変としている。
特許文献6の装置では、虚像形成用の光学系において、レーザー走査を用いており、光路中に中間スクリーンを配置し、中間スクリーンを移動させることで虚像の投影距離を可変としている。
しかしながら、特許文献1の装置は、2つのミラー面を用いて2つの投影距離を得ており、投影距離の設定数を増やそうとすると、ミラー枚数を増やすことになり、装置が大型化し複雑化する。
また、特許文献2の装置は、各表示パネルの位置とこれによる表示距離とが固定となるため、画面内の任意の位置で投影距離を変化させることができない。
特許文献3では、虚像の投影距離を変えることの意義については説明がなく、虚像の位置調整の具体的な手法も示されていない。
特許文献4の装置には、中間像の位置に拡散板を配置するという記述があるが、表示パネルに光走査型のデバイスを用いる場合に限定している。
特許文献5及び6の装置では、中間スクリーンを移動させるが、中間スクリーンの駆動方法やこれに伴う表示の変更手法については説明がなく、複数の距離位置に高輝度の画像を同時に投影する手法についての開示はない。
特開平9-185012号公報 特開2004-168230号公報 特開2007-94394号公報 特開2008-180759号公報 特開2015-11211号公報 特開2009-150947号公報
本発明は、奥行き方向を含めて表示位置が異なる虚像を高速で変化させながら表示することができる表示装置を提供することを目的とする。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した表示方法は、表示素子によって形成された映像光を拡散型の中間スクリーンに投影し、中間スクリーンに形成された中間像を拡大投影して虚像を形成する表示方法であって、中間像を光軸方向に移動させて虚像の投影距離を可変とするとともに、中間像の移動に同期させて投影距離を重複する複数の表示ゾーンに分けて表示素子に表示を行わせ、各表示ゾーンの表示時間を観察者の目の位置に見込まれる視点シフトを基準として、視点シフトに対する像シフトが観察者が見た際に像シフトが目立たない範囲として定義される許容角度以内となるよう制御する。以上において、中間像の移動には、中間像が見かけ上移動する場合を含む。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した表示装置は、表示素子によって形成された映像光を投影する第1投影光学系と、第1投影光学系による投影位置において光を拡散させる中間スクリーンと、中間スクリーンに形成された中間像を拡大投影して虚像を形成する第2投影光学系と、中間像を光軸方向に移動させる駆動部と、中間像の移動に同期させて虚像の投影距離を重複する複数の表示ゾーンに分けて表示素子に表示を行わせ、各表示ゾーンの表示時間を観察者の目の位置に見込まれる視点シフトを基準として、視点シフトに対する像シフトが観察者が見た際に像シフトが目立たない範囲として定義される許容角度以内となるように制御する制御部とを備える。
図1Aは、第1実施形態の表示装置であるヘッドアップディスプレイ装置を車体に搭載した状態を示す側方断面図であり、図1Bは、ヘッドアップディスプレイ装置を説明する車内側からの正面図である。 表示装置であるヘッドアップディスプレイ装置を構成する投影光学系等の具体的な構成例を説明する拡大側方断面図である。 図3A及び3Bは、中間スクリーンを組み込んだ拡散部の構造を説明する一部破断平面図及び一部破断側面図であり、図3Cは、拡散部中の回転体を説明する斜視図である。 図4A及び4Bは、回転体の基準軸の設定について説明する側面図であり、図4Cは、中間スクリーンの回転に伴う機能領域の移動を説明する概念図である。 中間像の位置の変化を具体的に例示する図である。 中間像の位置と投影距離との関係を示すとともに、表示ゾーン及び距離ゾーンを説明する図である。 表示アイボックス内でドライバーが移動した場合の像シフト等を具体的に説明する図である。 投影像がオブジェクトを囲むフレーム枠のような標識である場合を説明する図である。 ヘッドアップディスプレイ装置の全体構造を説明するブロック図である。 具体的な表示状態を説明する斜視図である。 図11Aは、図5に対応し、図11B~11Dは、図10中の投影像又はフレーム枠に対応している。 図9に示すヘッドアップディスプレイ装置の動作例を説明する図である。 表示ゾーンでの表示の切替えの一例を説明する概念図である。 第2実施形態の表示装置又はヘッドアップディスプレイ装置を説明する図である。 第2実施形態における中間像の位置の変化を具体的に例示する図である。 第3実施形態に組み込まれる拡散部を説明する図である。 図16の拡散部を組み込んだ表示装置による中間像の位置の変化を具体的に例示する図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る第1実施形態の表示方法及び表示装置について説明する。
図1A及び1Bは、実施形態の表示装置としてのヘッドアップディスプレイ装置のうち画像表示装置100を説明する概念的な側方断面図及び正面図である。この画像表示装置100は、例えば自動車の車体2内に搭載されるものであり、投影ユニット10と表示スクリーン20とを備える。画像表示装置100は、投影ユニット10中の後述する描画デバイス11に表示されている画像情報を、表示スクリーン20を介してドライバーVDに向けて虚像表示するものであり、表示装置とも呼ぶこともある。
画像表示装置100のうち投影ユニット10は、車体2のダッシュボード4内であってディスプレイ50の背後に埋め込むように設置されており、運転関連情報等を含む画像に対応する映像光である表示光DLを表示スクリーン20に向けて射出する。表示スクリーン20は、コンバイナーとも呼ばれ、半透過性を有する凹面鏡又は平面鏡である。表示スクリーン20は、下端の支持によってダッシュボード4上に立設され、投影ユニット10からの表示光(映像光)DLを車体2の後方に向けて反射する。つまり、図示の場合、表示スクリーン20は、フロントウインドウ8とは別体で設置される独立型のものとなっている。表示スクリーン20で反射された表示光DLは、運転席6に座ったドライバーVDの瞳PU及びその周辺位置に対応するアイボックス(不図示)に導かれる。ドライバーVDは、表示スクリーン20で反射された表示光DL、つまり車体2の前方にある虚像としての投影像IMを観察することができる。一方、ドライバーVDは、表示スクリーン20を透過した外界光、つまり前方景色、自動車等の実像を観察することができる。結果的に、ドライバーVDは、表示スクリーン20の背後の外界像又はシースルー像に重ねて、表示スクリーン20での表示光DLの反射によって形成される運転関連情報等の関連情報を含む投影像(虚像)IMを観察することができる。
ここで、表示スクリーン20をフロントウインドウ8と別体で構成しているが、フロントウインドウ8を表示スクリーンとして用い、フロントウインドウ8内に設定した表示範囲に投影を行って、ドライバーVDが投影像IMを観察できる構成としても構わない。この際、フロントウインドウ8のガラスの一部領域の反射率をコート等によって変更することで、反射領域を確保することができる。また、フロントウインドウ8での反射角度が例えば60度程度であれば、反射率が15%程度確保され、特にコートを設けなくても透過性を有する反射面として用いることができる。これら以外に、フロントウインドウ8のガラス中にサンドイッチする構成で表示スクリーンを設けることもできる。
図2に示すように、投影ユニット10は、描画デバイス11を含む虚像型の拡大結像系である本体光学系13と、本体光学系13を動作させる表示制御部18と、本体光学系13等を収納するハウジング14とを備える。これらのうち本体光学系13と表示スクリーン20とを組み合わせたものは、表示光学系30を構成する。
本体光学系13は、描画デバイス11のほかに、描画デバイス11に形成された画像を拡大した中間像TIを形成する第1投影光学系である結像光学系15と、中間像TIを虚像に変換する第2投影光学系である虚像形成光学系17と、投影用の両光学系15,17間に配置される拡散部16とを備える。
描画デバイス11は、2次元的な表示面11aを有する表示素子である。描画デバイス(表示素子)11の表示面11aに形成された像は、結像光学系(第1投影光学系)15で拡大されて拡散部16に設けた螺旋面状の中間スクリーン19に投影される。この際、2次元表示が可能な描画デバイス11を用いることで、中間スクリーン19に対する投影像の切替え、つまり表示スクリーン20越しに虚像として表示される投影像IMの切替えを比較的高速とできる。描画デバイス11は、DMD(Digital Mirror Device)やLCOS(Liquid crystal on silicon)等の反射型の素子であっても、液晶等の透過型の素子であってもよい。特に、描画デバイス11としてDMDやLCOSを用いると、明るさを維持しつつ画像を高速で切替えること(高速の間欠表示を含む)が容易になり、虚像距離又は投影距離を変化させる表示に有利である。なお、描画デバイス11は、表示距離を変化させる場合には、それぞれの投影距離に対して30fps以上、さらに望ましくは60fps以上のフレームレートで動作する。これにより、異なる投影距離に複数の投影像(虚像)IMをドライバーVDに対して同時に表示されているように見せることが可能になる。特に、90fps以上で表示の切替えを行う場合、DMDやLCOSが描画デバイス11の候補となる。なお、投影像IMは、眼前のオブジェクトを囲むフレーム枠のような標識とすることができる。
拡散部16は、結像光学系(第1投影光学系)15による投影位置又は結像位置(つまり中間像の結像予定位置又はその近傍)に配置され、回転体16aと中空枠体16bとを有し、回転駆動部64に駆動されて例えば一定速度で基準軸SXの周りに回転する。
図3Aは、拡散部16を説明する正面図であり、図3Bは、拡散部16を説明する側方断面図であり、図3Cは、拡散部16中の回転体16aを説明する斜視図である。拡散部16は、全体として円板に近い輪郭を有する螺旋状の回転体16aと、回転体16aを収納する円筒状の中空枠体16bとを有する。
回転体16aは、中央部16cと外周光学部16pとを有する。回転体16aの外周光学部16pに形成された一方の表面16fは、平滑面又は光学面に形成されており、表面16f上には、全域に亘って中間スクリーン19が形成されている。回転体16aの表面16fは、立体形状部116として機能する。中間スクリーン19は、配光角を所望の角度に制御した拡散板である。中間スクリーン19は、回転体16aに貼り付けられるシートとできるが、回転体16aの表面に形成された微細な凹凸パターンであってもよい。さらに、中間スクリーン19は、回転体16aの内部に埋め込むように形成されたものであってもよい。中間スクリーン19は、入射した表示光DLを拡散させることによって中間像TIを形成する(図2参照)。回転体16aの外周光学部16pに形成された他方の表面16sは、平滑面又は光学面に形成されている。回転体16aは、光透過性を有する螺旋状の部材であり、一対の表面16f,16sは、基準軸SXを螺旋軸とする螺旋面となっている。結果的に、一方の表面16f上に形成された中間スクリーン19も連続的な螺旋面に沿って形成されたものとなっている。中間スクリーン19は、螺旋の一周期に対応する範囲に形成されている。つまり、中間スクリーン19は、螺旋の1ピッチ分の範囲に形成されている。この結果、拡散部16の周に沿った一箇所に段差部16jが形成され、この段差部16jは、螺旋端に対応する位置で光軸AX方向又は基準軸SX方向に中間スクリーン位置の差を与えるものとなっている。この段差量は、虚像を投影する距離の近側と遠側の仕様、及び第2投影光学系である虚像形成光学系17の倍率によって設定される。この際、段差部16jを30mm以下の距離差又はピッチを与えるものとすれば、拡散部16の光軸AX方向の厚さを比較的小さくすることができて、拡散部16の小型化と、後述する虚像形成光学系(第2投影光学系)17を構成するミラー間の間隔を狭めた設計とが可能となり、装置の小型化にも効果がある。段差部16jは、螺旋端間の段差を繋ぐとともに、拡散部16を回転させる基準軸SXを含む平面に対して傾斜した接続面16kを有する。上記のように、回転体16aの一対の表面16f,16sが基準軸SXを螺旋軸とする螺旋面であることから、回転体16aは、基準軸SX又は光軸AX方向に関して略等しい厚みtを有する。
回転体16aにおいて、周方向に沿った一箇所は、本体光学系13の光軸AXが通る機能領域FAとなっており、機能領域FAにおける中間スクリーン19の部分によって中間像TIが形成される。この機能領域FAは、回転体16aの回転に伴って回転体16a上において一定速度で移動する。つまり、回転体16aを回転させつつその一部である機能領域FAに表示光(映像光)DLを入射させることで、機能領域FA又は中間像TIの位置が光軸AXに沿って往復移動する(描画デバイス11の表示が動作していなければ、必ずしも表示としての中間像は形成されないが、中間像が形成されるであろう位置も中間像の位置と呼ぶ)。図示の例では、中間スクリーン19が螺旋の一周期に対応する範囲に形成されているので、回転体16aの1回転で中間スクリーン19の機能領域FA又は中間像TIは、光軸AX方向に段差に相当する距離だけ1往復することになる。なお、結像光学系(第1投影光学系)15は、中間スクリーン19の位置によってピントぼけが生じないように、機能領域FAの移動範囲以上の所定の焦点深度を有している。または、上記の結像光学系(第1投影光学系)15に動的にフォーカシングする機能を持たせることで、ぼけのない像を得ることも可能である。
中空枠体16bは、円柱状の外形輪郭を有し、側面部16eと一対の端面部16g,16hとで構成される。側面部16eと一対の端面部16g,16hとは、光透過性を有する同一の材料で形成されている。ただし、側面部16eは、光透過性を有していなくてもよい。一方の端面部16gの主面63a,63bは、互いに平行な平滑面又は光学面となっており、他方の端面部16hの主面64a,64bも、互いに平行な平滑面又は光学面となっている。ここで、主面63a,63b又は主面64a,64bは必ずしも平行な平面でなくてもよく、少なくとも機能領域FAに相当する範囲を自由曲面形状や非球面形状とすれば、例えば性能確保が難しい高倍率の光学系においても、光学系に要求される歪みや像面性等の像性能を確保することが可能となるので、必要に応じて望ましい面形状を選択すればよい。中空枠体16b中の回転体16aは、一対の中心軸部65を介して中空枠体16bに固定されており、中空枠体16bと回転体16aとは基準軸SXの周りに一体的に回転する。このように、中間スクリーン19を設けた回転体16aを中空枠体16b中に配置することで、回転体16aに塵等が付着することを抑制でき、回転体16aの回転に伴う音の発生を抑制することができ、回転体16aの高速での回転を安定化させることが容易になる。なお、回転体16aは、その外周部分において中空枠体16bに固定してもよい。この場合、回転体16aの厚みtを薄くすることが容易になる。
図4A及び4Bを参照して、回転体16a(又は立体形状部116)の基準軸SXの設定について説明する。回転体16aの基準軸SXは、本体光学系13の光軸AXに対して非平行な状態で僅かに傾いて配置されている。ここで、回転体16a上の中間スクリーン19は、その局所的な機能領域FAが本体光学系13の光軸AX方向に対して略直交するように配置される。つまり、図4Aに示すように、回転体16aを光軸AXから機能領域FAのある横方向に離れた視点で観察した場合、基準軸SXは、光軸AXに対して所定角度αだけ傾斜した状態となっており、図4Bに示すように、回転体16aを基準として図4Aの場合と直交する方向に離れた視点で観察した場合、基準軸SXは、光軸AXに対して所定間隔dだけ離れた状態となっている。なお、図4Aにおいて一点鎖線で示す第1位置PO1は、機能領域FA又は中間像TIが最も光路下流側に位置した場合を示し、同様に一点鎖線で示す第2位置PO2は、機能領域FA又は中間像TIが最も光路上流側に位置した場合を示している。これらの位置PO1,PO2間の距離Dは、機能領域FA又は中間像TIの光軸AX方向の変位量に相当するものである。
図2に戻って、回転駆動部64によって拡散部16を一定速度で基準軸SXの周りに回転させることで、回転体16aの中間スクリーン19(又は立体形状部116)が光軸AXと交差する位置(つまり機能領域FA)も光軸AX方向に移動する。つまり、図4Cに示すように、回転体16aの回転に伴って、中間スクリーン19上の機能領域FAは、例えば等角度でずれた位置に設定された隣接する機能領域FA’に順次シフトし、光軸AX方向に移動する。このような機能領域FAの光軸AX方向への移動により、中間像TIの位置も光軸AX方向に移動させることができる。詳細は後述するが、例えば中間像TIの位置を描画デバイス(表示素子)11側に移動させることにより、投影像IMまでの投影距離又は虚像距離を増加させることができる。また、中間像TIの位置を虚像形成光学系17側に移動させることにより、投影像IMまでの投影距離又は虚像距離を減少させることができる。
虚像形成光学系(第2投影光学系)17は、結像光学系(第1投影光学系)15によって形成された中間像TIを表示スクリーン20と協働して拡大し、ドライバーVDの前方に虚像としての投影像IMを形成する。虚像形成光学系17は、少なくとも1枚のミラーで構成されるが、図示の例では2枚のミラー17a,17bを含む。虚像形成光学系(第2投影光学系)17は、回転体16aの機能領域FAにおける中間スクリーン19の湾曲(つまり中間像TIの像面湾曲)を補正するような光学特性を有するものとできる。
図2等に示す画像表示装置100において、表示制御部18の制御下で回転駆動部64を動作させることで、拡散部16が基準軸SXの周りに回転して中間像TIの位置が光軸AX方向に繰り返し周期的に移動し、虚像形成光学系17によって表示スクリーン20の背後に形成される虚像としての投影像IMと観察者であるドライバーVDとの距離を大きく、又は小さくすることができる。このように、投影される投影像IMの位置を前後に変化させるとともに、表示制御部18の制御下で描画デバイス(表示素子)11による表示内容をその位置に応じたものとすることで、投影像IMまでの投影距離又は虚像距離を変化させつつ投影像IMの表示内容を変化させることになり、一連の投影像としての投影像IMを3次元的なものとすることができる。なお、機能領域FAが光軸AX方向に移動しても、機能領域FAにおける中間スクリーン19の湾曲状態は維持されるので、投影像IMの位置に関わらず虚像形成光学系(第2投影光学系)17による補正の効果は維持される。
拡散部16若しくは回転体16aの回転速度又は機能領域FAの移動速度は、後に詳述するように虚像としての投影像IMが奥行き方向に関して複数個所又は複数投影距離に同時に表示されているかのように見せることができる速度であることが望ましい。ここで、各距離ゾーン(後述するサブゾーン)の投影像IMを30fps以上、望ましくは60fps以上で切替えれば、表示される複数の画像が視覚的には連続的な画像として認識される。例えば、拡散部16の動作に伴って投影像IMが近距離から遠距離までに5段階で順次投影されるものとして、描画デバイス11に200fpsで表示を行わせると、各距離(例えば近距離)の投影像IMは、40fpsで表示の切替えが行われることになり、各距離ゾーンの投影像IMが並列的に行われかつ切替えが略連続的なものとして認識される。
図5は、拡散部16の回転に伴う中間像TIの位置の変化を具体的に例示する図である。拡散部16の機能領域FAは、光軸AX方向に沿って鋸歯状の経時パターンPAで繰り返し周期的に移動しており、中間像TIの位置も、描画デバイス(表示素子)11が連続表示を行っている場合、図示のように光軸AX方向に沿って鋸歯状の経時パターンPAで繰り返し周期的に移動する。つまり、中間像TIの位置は、段差部16jに対応する箇所で不連続的ながら、拡散部16の回転に伴って連続的かつ周期的に変化する。この結果、図示を省略するが、投影像(虚像)IMの位置も、スケールは異なるが、中間像TIの位置と同様に光軸AX方向に沿って繰り返し周期的に移動し、投影距離を連続的に変化させることができる。中間スクリーン19の少なくとも一部が連続面に沿って形成され投影距離を連続的に変化させることができるとともに、中間スクリーン19の回転運動によって機能領域FAすなわち中間像TIを光軸AX方向に移動させるので、表示動作を高速化させやすく、表示動作の信頼性確保が容易になる。ここで、描画デバイス11は、連続表示を行うものでなく、表示内容を切替えつつ間欠的な表示を行うものであるから、中間像TIの表示位置も鋸歯状の経時パターンPA上における離散的な位置となる。経時パターンPAにおいて、最も近距離側又は虚像形成光学系17寄りの表示位置Pnは、図4Aの第1位置PO1に対応し、最も遠距離側又は反虚像形成光学系17寄りの表示位置Pfは、図4Aの第2位置PO2に対応する。最も近距離側の表示位置Pnと、最も遠距離側の表示位置Pfとは、マージンを確保して、経時パターンPAの両端から所定量だけ離れた位置に設定される。また、経時パターンPAの途切れ目PDは、拡散部16の回転体16aに設けた段差部16jに対応する。
ここで、ある距離ゾーンの画像について表示を行う場合、図5に示すように表示している時間内で中間像TIの位置が変化することで、表示している奥行き方向の距離が変化する。この際、そのように奥行き方向の距離が変化する表示ゾーンについて観察者(ドライバーVD)に見える表示距離は、その表示時間内で変化する奥行き方向の距離の略平均位置となる。
図6は、中間像TIの位置と投影距離との関係又は中間像TIの位置と表示ゾーンとの関係を説明する図である。一点鎖線で示す特性C1に従って、中間像TIを光軸AX方向に等しい速度で移動させた場合において、各距離ゾーンの切替時間の刻みδを一定値とすれば、投影距離の刻み幅は、近距離では短く、遠距離では長くなる。中間像TIの移動の刻み幅Δは、表示する距離ゾーンの切替時間に相当する均等なものとなっている。
図5に示す中間像TIの位置の両端間を移動する時間を1周期と考えた場合、奥行きを持つ表示の単位を表示ゾーンとして、その1周期の時間が各表示ゾーンの表示時間と、表示ゾーン数nの積よりも短い時間であれば、表示ゾーンは複数の距離ゾーンに亘るものとなり、少なくとも隣り合う表示ゾーンで投影距離範囲に重なりが生じる(図6の表示ゾーンDZ1~DZn参照)。このように投影距離に関して重ねた表示を行うことで、同一の投影像(虚像)IMを奥行方向に広がりを持たせて表示することができ、重なりを生じない表示に比較して各表示ゾーンの表示時間を長くすることが可能となり、投影像(虚像)IMの輝度が向上する。
図6に例示するように、特性C1に沿ってn個の表示ゾーンを設定することができる。ここで、説明の便宜上、最も近距離の表示ゾーンを第1表示ゾーンDZ1と呼び、最も遠距離の表示ゾーンを第n表示ゾーンDZn(nは自然数)と呼ぶ。複数の表示ゾーンDZ1~DZnは、近距離から遠距離になるに従って表示する距離幅が広がっている。複数の表示ゾーンDZ1~DZnのうち隣り合う表示ゾーンは、投影距離が部分的に重複しており、各表示ゾーンは、本来投影距離を異ならせるべきものを含む。すなわち、第k表示ゾーンDZk(kはnより小さい自然数)と第k+1表示ゾーンDZk+1とは、投影距離が部分的に重複し、例えば第2表示ゾーンDZ2と第3表示ゾーンDZ3とは、投影距離が部分的に重複している。第k表示ゾーンDZkの像は、そこに表示すべき表示対象の投影距離の本来の表示像に対して、その前、後、又は前後の双方で設定される表示ゾーンで表示する像も合せて表示した複合的な投影像となっている。図示の例では、第k表示ゾーンDZkを表示している間の全体又はある一定時間内では4区間分の距離ゾーン又はサブゾーンLZk-2~LZk+1に相当するそれぞれの像が重なった状態の表示がされている。この場合、それぞれの表示ゾーンDZ1~DZnで表示される像の表示時間は、表示時間の刻みδのピッチで隣り合う表示ゾーンDZ1~DZn間でズレがあるため、その分表示されている間の近側と遠側との両端の距離が変動してその平均距離も変動する。人の目又は脳は、その表示ゾーンDZ1~DZnの平均距離で表示像を捉えるので、視覚的に同時に表示を行っている場合でも、それぞれの表示ゾーンDZ1~DZnの表示距離を異なる位置として表示している状態にできる。
なお、第k表示ゾーンDZkを重なり合う距離ゾーンが切り替わるタイミングで分割して、基準サブゾーンLZkを含む一連のサブゾーンLZk-2~LZk+1として考えた場合、描画デバイス(表示素子)11に適宜表示動作を行わせることにより同一の投影像(虚像)IMをそれぞれのサブゾーンで表示させていることになる。つまり、距離が段階的に変化する一連の複数のサブゾーンLZk-2~LZk+1の組合せによって表示ゾーンDZkが構成される。見方を変えれば、着目する1つの基準サブゾーンLZkに対応する距離ゾーンに投影したい局所的な像は、4つの表示ゾーンDZk-2~DZk+1に重複して繰り返し表示されるので、各距離ゾーンに投影される局所的な像は、輝度を一様に向上させたものとなる。この際、投影距離の変化を考慮して、隣り合う表示ゾーンDZk-2~DZk+1に共通する距離ゾーン(サブゾーンLZk-2~LZk+1に対応)に投影される共通の局所的な投影像(虚像)IMを位置及び角度サイズが一致するように重ねて表示させる。これにより、投影距離が変化する投影像(虚像)IMをアイボックスの中心から見てズレや滲みがない状態で表示することができる。また、この時の平均的な表示距離が、基準サブゾーンLZkに相当する距離となる。なお、図6では、表示の便宜上、各表示ゾーンDZ1~DZnが横方向に延びるように示されているが、縦軸を中間像TIの位置とした場合、各表示ゾーンDZ1~DZnは、特性C1に沿って延びるものとなる。
第1表示ゾーンDZ1~第n表示ゾーンDZnでの表示時間は、全て等しくなっている。複数の表示ゾーンを構成する各表示ゾーンDZ1~DZnでの表示時間を等しくすることで、各表示ゾーンDZ1~DZnによる複合的な投影像IMの表示輝度を一致させることができ、観察者であるドライバーVDが意図せず特定距離の像に偏って着目する傾向が生じることを防止できる。なお、用途によっては、各表示ゾーンDZ1~DZnでの表示輝度に差を持たせることができる。例えば遠距離投影に対応する表示ゾーンについては、表示輝度を上げるといった処理が可能である。
以上から明らかなように、各表示ゾーンDZ1~DZnでの表示時間を一様に長くすることで投影像IM又は虚像の表示輝度を上げることができるが、各表示ゾーンDZ1~DZnでの表示時間を過度に長くすると距離の把握が困難になりやすく、表示ゾーンごとの投影像IMに視差による意図しない影ができる現象が発生する。つまり、個々の投影像IMの表示時間が長くなると、表示開始時と表示終了時とにおいて投影距離の変化が大きくなり、例えば観察者(例えばドライバーVD)の頭又は目の位置がアイボックス内で移動し視点シフトが生じた際に、前後の距離差による像シフトが大きくなり、観察される投影像IMが多重像のように見えるといった性能劣化が発生してしまう。
以上の現象を抑えるため、表示ゾーンDZ1~DZnの表示時間は、各表示ゾーンDZ1~DZnでの視点シフトに起因する像シフトSI(図7参照)が、観察者が見た際に像シフトが目立たない範囲として定義される許容角度以内となるように設定される。これにより、像シフトSIをドライバーVDにとって目立たない範囲とすることができ、ドライバーVDから見た虚像又は投影像IMの画質劣化を防ぐことが可能となる。観察者が見た際に像シフトが目立たない範囲としての許容角度は、観察者の視点移動量、観察者の視力の分解能等の各種条件を考慮して設定される。
図7は、アイボックスBO内でドライバーVDが移動した場合を具体的に説明する図である。当初、ドライバーVDの頭部は、画像表示装置100の正面位置P0にあって、アイボックスBOの左右の中央にあるとする。その後、ドライバーVDの頭部がアイボックスBOの右側の端位置P1に移動したとする。ここで、ドライバーVDの正面方向の目標投影距離Lの位置に着目する虚像である表示IAの中心IAaが形成されているとすると、表示IAは、投影距離Lを中心として近似的には±ΔLの範囲に広がっているとして扱うことができる。ここで、ドライバーVDの頭部の横方向の移動量に相当する視点シフトをΔEBとすると、ドライバーVDは、視点シフトΔEBに対応する像シフトSIを観察することになる。像シフトSIの視角の半値φは、角度αがある程度大きければ、
tanφ≒ΔEB/{(L+ΔEB)/|ΔL|-L}
で与えられる。よって、像シフトSIの視角の半値φの許容角度ηとした場合、目標投影距離Lに対する前後つまり奥行き方向の距離差ΔL、つまり許容される像シフトは、以下の式
|ΔL|≒(L+ΔEB)/(L+ΔEB/A)
によって与えられる。ここで、A=tanηである。
個々の表示ゾーンDZ1~DZnについて考えた場合、特定の表示ゾーンDZkでの表示は、割り当てられた距離範囲L±ΔL(kは表示ゾーン番号)内で行われることになる。ここで、特定の表示ゾーンDZkの目標投影距離がLであり、これに対する奥行き方向の距離差がΔLとなる。この場合、特定の表示ゾーンDZkでの目標投影距離Lに対する奥行き方向の距離差ΔLは、以下の式(1)
|ΔL|=(L +ΔEB)/(L+ΔEB/A) … (1)
で与えられる。なお、視点シフトΔEBや値Aについては、上記したとおりである。
具体例で説明すると、例えば像シフトの視角の半値φの許容角度ηを0.1°とすると、目標投影距離L=5mで、視点シフトΔEB=70mmとして、許容される奥行き方向の距離差ΔL,|ΔL|又は像シフトについては、上記式(1)から、|ΔL|=|ΔL|≒554mmとなる。この距離差ΔL,|ΔL|又は距離幅に相当する中間スクリーン19の機能領域FAの移動量をDとし、中間スクリーン19の機能領域FAの最大移動量をDmaxとすると、近側から遠側までの距離投影1サイクルの時間をTとした場合に、T×D/Dmaxで計算される時間で表示を行えばよいことになる。なお、例えば視点シフトを一定とする条件下で、各表示ゾーンDZ1~DZnによる表示の像シフトは、投影距離に関わらず一様とすることもできる。
上記(1)式により像シフトSIの許容に対応する角度が定義されると、それに合わせた表示ゾーンごとの距離割り当てが求まる。この距離割り当てに合わせた表示像を作成すれば、距離変動に同期した3D的なAR表示がより自然なものとなる。
以上では、理解の簡便のため、像シフトSIに関する許容角度ηが表示IAの前後で等しいとしているが、表示距離によっては表示IAの前側における許容角度ηの値と、表示IAの後側の許容角度ηの値とは異なるものとして取り扱うこともできる。この場合、許容角度ηの異なる2値の和が像シフトSIの許容値になる。
像シフトSIに関する許容角度ηについては、例えば5分とする。この場合、像シフトSIによる着目する虚像の滲みが比較的小さくなり、虚像が見やすいものとなる。
さらには、像シフトSIに関する許容角度ηを0.5分~5分の間で設定してもよい。表示する画像の解像度(線幅)や色、明るさ等の因子を加味して、それぞれのシーンで望ましい許容角度を選択することも可能である。
許容角度ηについては、表示する画像の解像度、色等によっても値が異なることがある。例えば、解像度による違いに関しては、像シフトSIに関する許容角度ηを、表示する画像の最低の線幅を基準に設定することもできる。表示する画像の最低の線幅とは、投影像IMが眼前のオブジェクトOBを囲むフレーム枠HWのような標識である場合(図8参照)、フレーム枠HWの横幅WD1や縦幅WD2のうち狭い方を意味する。
図6に戻って、近距離端の投影に付加している第1~3前補間ゾーンCZ1~CZ3は、第1距離ゾーンLZ1での表示距離を所望の距離とする観点で付加しているが、必須のものではない。同様に、遠距離端の投影に付加している第1~3後補間ゾーンCZ4~CZ6は、第n距離ゾーンLZnでの表示距離を所望の距離とする観点で付加しているが、必須のものではない。
画面内の特定の奥行き方向で異なる対象を表示する場合、距離の異なる表示対象が、奥行き方向以外の2次元平面内において重なる、または略重なるような近い位置にあり、それらに対する表示間の干渉が発生してしまうことが考えられ、これを回避する必要がある。例えば表示ゾーンDZkの表示対象に対して別の表示距離DZk’に存在する表示対象が2次元平面内で近傍に位置していてそれぞれの対象に対する表示に干渉が生ずる場合には、干渉領域ではそれらを合成するような表示を行うことが考えられる。具体的には、一対の表示対象が重なる共通領域又は交わり領域では、一対の表示対象が半透過重畳表示されるような画像とし、一対の表示対象が重ならない差分領域又は独立領域では、各部分で標準的な表示を行えば足る。または、色や大きさ(線の場合は太さも含む)、明るさ、及び明滅といった手法で違いを出した表示とする方法も考えられ、ドライバーVDに伝わるような工夫がされた各種表示方法を用いることができる。
図9は、ヘッドアップディスプレイ装置200の全体構造を説明する概念的ブロック図であり、ヘッドアップディスプレイ装置200は、その一部として画像表示装置100を含む。画像表示装置100は、図2に示す構造を有するものであり、ここでは説明を省略する。
ヘッドアップディスプレイ装置200は、画像表示装置100のほかに、環境監視部72と、主制御部90とを備える。
環境監視部72は、検出領域内に存在するオブジェクトを検出するオブジェクト検出部であり、前方に近接して存在する移動体や人、具体的には自動車、自転車、歩行者等をオブジェクトとして識別し、オブジェクトの3次元的な位置情報を抽出する3次元計測器を有する。環境監視部(オブジェクト検出部)72は、3次元計測器として、外部用カメラ72aと、外部用画像処理部72bと、判断部72cとを備える。外部用カメラ72aは、可視又は赤外域において外界像の撮影を可能にする。外部用カメラ72aは、車体2内外の適所に設置されており、ドライバーVD又はフロントウインドウ8の前方の検出領域VF(後述する図10参照)を外部画像として撮影する。外部用画像処理部72bは、外部用カメラ72aで撮影した外部画像に対して明るさ補正等の各種画像処理を行って判断部72cでの処理を容易にする。判断部72cは、外部用画像処理部72bを経た外部画像からオブジェクト画像の抽出又は切り出しを行うことによって自動車、自転車、歩行者等のオブジェクト(具体的には、後述する図10中のオブジェクトOB1,OB2,OB3参照)の存否を検出するとともに、外部画像に付随する奥行情報から車体2前方におけるオブジェクトの空間的な位置を算出し3次元的な位置情報として記憶部72mに保管する。判断部72cの記憶部72mには、外部画像からオブジェクト画像の抽出を可能にするソフトウエアが保管されており、外部画像からオブジェクト画像を抽出する動作時には、記憶部72mから必要となるソフトウエアやデータが読み出される。判断部72cにより、例えば得られた画像内の各オブジェクト要素の形状、大きさ、色等から、オブジェクト要素に対応する要素が何かを検出することができる。その際の判断基準は、予め登録されている情報とのパターンマッチングを行ってマッチングの度合からオブジェクトが何かを検出する方法等がある。また、処理速度を高める観点で、画像から車線を検知し、その車線内にあるターゲット又はオブジェクト要素について、上記の形状、大きさ、色等からオブジェクトの検出を行うこともできる。
外部用のカメラ72aは、図示を省略しているが、例えば複眼型の3次元カメラである。つまり、カメラ72aは、結像用のレンズと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)その他の撮像素子とを一組とするカメラ素子をマトリックス状に配列したものであり、撮像素子用の駆動回路をそれぞれ有する。カメラ72aを構成する複数のカメラ素子は、例えば相対的な視差を検出できるようになっており、カメラ素子から得た画像の状態(フォーカス状態、オブジェクトの位置等)を解析することで、検出領域に対応する画像内の各領域又はオブジェクトまでの目標距離を判定できる。
なお、上記のような複眼型のカメラ72aに代えて、2次元カメラと赤外距離センサーとを組み合わせたものを用いても、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報である目標距離を得ることができる。また、複眼型のカメラ72aに代えて、2つの2次元カメラを分離配置したステレオカメラによって、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報である目標距離を得ることができる。その他、単一の2次元カメラにおいて、焦点距離を高速で変化させながら撮像を行うことによっても、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報である目標距離を得ることができる。
また、複眼型のカメラ72aに代えて、LIDAR(Light Detection and Ranging)技術を用いても、検出領域内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。LIDAR技術により、パルス状のレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離や拡がりを計測して視野内のオブジェクトまでの距離情報やオブジェクトの拡がりに関する情報を取得することができる。さらに、例えばLIDAR技術のようなレーダーセンシング技術と画像情報からオブジェクトの距離等を検出する技術とを組み合わせるような複合的な手法、つまり複数のセンサーをフュージョンさせる手法によって、オブジェクトの検出精度を高めることができる。
オブジェクトを検出するカメラ72aの動作速度は、入力の高速化の観点で、描画デバイス(表示素子)11の動作速度以上である必要があり、表示ゾーンDZ1~DZnの表示切替え速度又は表示ゾーンDZ1~DZnの1周期の表示期間が例えば30fps以上の場合、これより早くすることが望ましい。カメラ72aは、例えば120fpsより高速、例えば480fpsや1000fpsといった高速動作によってオブジェクトの高速検出を可能にするものが望ましい。また、複数センサーをフュージョンさせる場合、その全てのセンサーが高速である必要は必ずしもなく、少なくとも複数センサーの内1つのセンサーは高速である必要があるが、それ以外は高速でなくても構わない。この場合、高速のセンサーで検出するデータを基本としながら、高速でないセンサーのデータで補完するという使い方で、センシング精度を上げるといった方法を用いてもよい。
表示制御部18は、主制御部90の制御下で表示光学系30を動作させて、表示スクリーン20の背後に虚像距離又は投影距離が変化する3次元的な投影像IMを表示させる。
主制御部90は、画像表示装置100、環境監視部72等の動作を調和させる役割を有する。主制御部90は、例えば表示制御部18を介して回転駆動部64を動作させることによって、表示光学系30による投影像IMである虚像の投影距離を周期的に変化させる。つまり、主制御部90等は、投影像IMである虚像の奥行き方向に関する投影位置を周期的に変化させる。また、主制御部90は、環境監視部72によって検出したオブジェクトの空間的な位置に対応するように、表示光学系30によって投影されるフレーム枠HW(図10参照)の空間的な配置を調整する。すなわち、主制御部90は、環境監視部72から受信した表示形状や表示距離を含む表示情報から、表示光学系30に表示させる投影像IMを生成する。投影像IMの表示内容は、回転駆動部64の動作に同期したもの、つまり中間像TIの移動に同期させたものとなっており、投影像IMの表示時間は、想定される像シフトSIが表示幅未満となるような範囲とされている。投影像IMは、例えば表示スクリーン20の背後に存在する自動車、自転車、歩行者その他のオブジェクトに対して、その奥行き位置方向に関して周辺に位置するフレーム枠HW(図10参照)のような標識とすることができる。このフレーム枠HWは、説明の便宜上奥行きのない状態で示されているが、実際は表示ゾーンDZ1~DZnの奥行き幅に対応して像シフトSIが表示幅未満となるような一定の奥行き幅を有するものとなっている。以上のように、主制御部90は、表示制御部18と協働して像付加部として機能し、検出されたオブジェクトまでの目標距離が投影距離と略一致するタイミングで、検出されたオブジェクトに対して表示光学系30によって虚像として関連情報像を付加する。
図10に示すように、観察者であるドライバーVDの前方は観察視野に相当する検出領域VFとなっている。検出領域VF内、つまり道路及びその周辺に、歩行者等である人のオブジェクトOB1,OB3や、自動車等である移動体のオブジェクトOB2が存在すると考える。この場合、主制御部90は、画像表示装置100によって3次元的な投影像(虚像)IMを投影させ、各オブジェクトOB1,OB2,OB3に対して関連情報像としてのフレーム枠HW1,HW2,HW3を付加する。この際、ドライバーVDから各オブジェクトOB1,OB2,OB3までの距離が異なるので、フレーム枠HW1,HW2,HW3を表示させる投影像IM1,IM2,IM3までの投影距離は、ドライバーVDから各オブジェクトOB1,OB2,OB3までの距離に相当するものとなっている。
なお、投影像IM1,IM2,IM3の投影距離は、図6に示す表示ゾーンDZ1~DZnの一部に対応する表示ゾーンDZa~DZcに形成されており、各表示ゾーンDZa~DZcに対応する奥行き幅を有する。例えば、表示ゾーンDZaにおいて、投影像IM1の投影距離は、図10中の投影像IM1’の投影距離の分だけ奥行き幅を有する。各投影距離の中心、つまり投影像IM1,IM2,IM3の投影距離は、幅を有するが離散的であり、オブジェクトOB1,OB2,OB3までの現実の距離に対して、常に正確に一致させるということはできない。ただし、投影像IM1,IM2,IM3の投影距離と、オブジェクトOB1,OB2,OB3までの現実の距離との差が大きくなければ、ドライバーVDの視点が動いても視差が生じにくく、オブジェクトOB1,OB2,OB3とフレーム枠HW1,HW2,HW3との配置関係を略維持することができる。
図11Aは、図5に対応し、図11Bは、図10中の投影像IM3又はフレーム枠HW3に対応し、図11Cは、図10中の投影像IM2又はフレーム枠HW2に対応し、図11Dは、図10中の投影像IM1又はフレーム枠HW1に対応している。図11A~11Dより明らかなように、投影像IM1は、回転体16a(又は立体形状部116)の機能領域FA又は中間像TIが表示位置P1を中心とする所定の距離範囲にあるとき、具体的には、この距離範囲に応じて図6に示す特性C1に基づいて決定される所定の表示ゾーンの表示タイミングであるときに、描画デバイス(表示素子)11の表示面11aに形成される一連の表示像に対応する。同様に、投影像IM2は、回転体16a(又は立体形状部116)の機能領域FAが表示位置P2を中心とする距離範囲にあるときに描画デバイス11の表示面11aに形成される一連の表示像に対応し、投影像IM3は、回転体16a(又は立体形状部116)の機能領域FAが表示位置P3を中心とする所定の距離範囲にあるときに描画デバイス11の表示面11aに形成される一連の表示像に対応する。中間像TIの移動を基準とする1周期でみた場合、まず表示位置P1に対応する投影像IM1又はフレーム枠HW1が表示され、次いで表示位置P2に対応する投影像IM2又はフレーム枠HW2が表示された後、表示位置P3に対応する投影像IM3又はフレーム枠HW3が表示される。以上の1周期が視覚的に短ければ、投影像IM1,IM2,IM3の切替えが非常に速くなり、観察者であるドライバーVDは、フレーム枠HW1,HW2,HW3を奥行きがある画像として同時に観察していると認識する。
図12は、主制御部90の動作を説明する概念図である。まず、主制御部90は、環境監視部72を利用してオブジェクトOB1,OB2,OB3を検出した場合、オブジェクトOB1,OB2,OB3に対応するフレーム枠HW1,HW2,HW3に対応する表示データを生成し、不図示の記憶部に保管する(ステップS11)。その後、主制御部90は、ステップS11で得た表示データを、対応する表示ゾーンDZ1~DZnに振り分けるようなデータの変換を行う(ステップS12)。具体的には、オブジェクトOB1,OB2,OB3の位置に応じて、対応するフレーム枠HW1,HW2,HW3を表示ゾーンDZ1~DZnのいずれか1つ(図10の例では表示ゾーンDZa~DZc)に割り当てる。次に、主制御部90は、フレーム枠HW1,HW2,HW3に対応する表示データを割り当てた表示ゾーンDZ1~DZnに適合するように加工し、不図示の記憶部に保管する(ステップS13)。この適合化は、距離ゾーン(サブゾーンLZk-2~LZk+1)ごとに枠画像の輪郭や配置を補正するといった画像処理を含む。その後、主制御部90は、ステップS13で適合化させた表示データを既存データと合成する(ステップS14)。表示ゾーンDZ1~DZnによる表示は、時間差があるものの同時並行して行われ、短時間であるが残像を残すような表示が行われるので、新たなオブジェクトOB1,OB2,OB3が出現した場合、既存のオブジェクトと新たなオブジェクトとを併存させるように表示内容を組み直す必要があることを考慮したものである。最後に、主制御部90は、ステップS14で得た表示データを、回転駆動部64の動作に同期して表示制御部18に出力し、描画デバイス(表示素子)11に回転体16aの機能領域FAに応じた表示動作を行わせる(ステップS15)。
図13は、描画デバイス(表示素子)11の動作を説明する図である。この場合、縦方向に並ぶ第1表示領域~第n表示領域は、図6等に示す第1~第n表示ゾーンDZ1~DZnに対応している。回転体16a(又は立体形状部116)の1回転に対応する1サイクルで、第1~第n表示ゾーンDZ1~DZnに対応して、描画デバイス(表示素子)11の表示面11aにおいて、第1表示領域~第n表示領域での表示が繰り返される。各表示領域において、信号F1~F4は、同一の表示像が4つのサブゾーンで繰り返されることを意味し、信号F1~F4のそれぞれにカラー表示用のR,G、及びBの信号成分が含まれている。信号F1~F4は、投影像IMの表示時間に対応する時間幅を有しており、想定される像シフトSIが表示幅未満となるような時間幅に収まっている。
以上で説明した第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置200又は画像表示装置100によれば、中間スクリーン19の機能領域FAの移動(つまり中間像TIの移動)に同期させて投影距離を重複する複数の表示ゾーンDZ1~DZnに分けて、描画デバイス(表示素子)11に表示を行わせることで、特定の表示に対する投影距離に奥行き又は幅を持たせることができるので、表示時間を長くして表示輝度を上げることができる。ここで、各表示ゾーンDZ1~DZnの表示時間を、観察者であるドライバーVDの目の位置に見込まれる視点シフトΔEBを基準として、像シフトSIが目立たない範囲として定義される許容角度以内となるように制御することで、各表示ゾーンDZ1~DZnでの表示時間内で発生する虚像距離の変動に関わらず、目標又は基準となる距離に対する前後の距離での像シフトSIを目立たなくすることが可能となり、観察者又はドライバーVDから見た投影像IMの画質劣化を防ぐことが可能となる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る表示装置等について説明する。なお、第2実施形態の表示装置は第1実施形態の表示装置を変形したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。
図14に示すように、結像光学系15の投影位置又は結像位置には、中間スクリーン19が配置されている。中間スクリーン19は、平坦面に沿って形成され、光軸AX方向に移動する光学素子である。中間スクリーン19は、配光角を所望の角度に制御した拡散板であり、例えば摺りガラス、レンズ拡散板、マイクロレンズアレイ等が用いられる。この場合、中間スクリーン19の有効領域が、中間スクリーン19の機能領域となる。
制御部としての主制御部90及び表示制御部18は、往復駆動部264を介して、中間スクリーン19の位置を周期的にシフトさせることで、中間像TIの位置を図15に示すように周期的に往復移動させて投影距離を周期的に変化させつつ、描画デバイス11に形成する画像を投影距離に応じたものとする。具体的には、往復駆動部264を構成するガイド部264aとアクチュエーター264bとによって中間スクリーン19を光軸AX方向に往復移動させることで投影距離を周期的に変化させる。
中間像TIの位置を図15に示す三角波形の経時パターンPAとする場合、又は図示していないが例えばサインカーブで周期的に往復移動させる場合、図6に示す表示ゾーンDZ1~DZnを近距離から遠距離に順次切替えるように変化させた後、表示ゾーンDZ1~DZnを遠距離から近距離に順次切替えるように変化させることを1サイクルとして、同様のサイクルを繰り返す動作を行うことになる。中間像TIの位置をサインカーブで周期的に往復移動させる場合、表示ゾーンDZ1~DZnは図6に示すようなものとは異なるものとなり、表示時間もそれに合わせたものとする。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る表示装置等について説明する。なお、第3実施形態の表示装置は第1実施形態の表示装置を変形したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。
図16に示すように、第3実施形態の表示装置に組み込まれる拡散部16の回転体16aは、基準軸SXのまわりに配置される例えば2つの部分領域16pa,16pbからなる。これらの部分領域16pa,16pbの表面領域16fa,16fbに中間スクリーン19が設けられている。一方の部分領域16paに対応する表面領域16faは、機能領域FAが光軸AX方向に移動しない平坦面となっており、他方の部分領域16pbに対応する表面領域16fbは、周方向に沿って連続的で回転体16aの回転に伴って光軸AX方向に移動する連続面であって、具体的には螺旋面となっている。つまり、表面領域16fbは、機能領域FAが光軸AX方向に移動する。回転体16aにおいて、部分領域16pa,16pb間の境界には段差部16i,16jが形成されている。なお、図16に示す拡散部16の場合、回転体16aの基準軸SXは、図4Aに示すように光軸AXに対して傾斜しておらず、光軸AXに対して平行になっている。
図17は、図16に示す拡散部16又は回転体16aによって実現される中間像の位置を示している。この場合、実線の特性C2は、回転体16aを構成する2つの部分領域16pa,16pbに相当する平坦部C2a及び傾斜部C2bを有し、平坦部C2a及び傾斜部C2b間には、段差部16iに対応するギャップ部Cgが設けられている。一方の平坦部C2aは、回転体16aの回転に対して中間スクリーン19の光軸AX方向の位置に変化がない平面形状となっている。他方の傾斜部C2bは、回転体16aの回転に対して中間スクリーン19の光軸AX方向の位置が略線形的又は一次関数的に変化する。つまり、平坦部C2aを利用した投影では、中間像TIの位置が一定に保たれて投影像IMが奥行き方向に固定されたものとなり、傾斜部C2bを利用した投影では、回転体16aの回転位置又は中間スクリーン19の光軸AX方向の位置が略線形的又は一次関数的に変化する。近距離側の平坦部C2aは、近距離で距離感度が鈍くなって投影距離が細分化されるのを回避することで安定した投影像IMの形成を容易にしている。また、近距離側の平坦部C2aにより近距離側での中間スクリーン19の移動を必要最低限に設定することが可能となり、光学系の大型化を防ぐことができる。
以上の説明では、近距離側に平坦部C2aを配置し、遠距離側に傾斜部C2bを配置しているが、近距離側に傾斜部を配置し、遠距離側に平坦部を配置することもできる。また、以上の説明では、拡散部16の回転体16aに2つの部分領域16pa,16pbを設けているが、3つ以上の部分領域を設けることができ、この場合、中間スクリーン19を2つ以上の平坦面上に設けたり、中間スクリーン19を2つ以上の螺旋面上に設けたりすることができる。
以上の説明では、傾斜部C2bにおいて、回転体16aの回転に対して中間スクリーン19の光軸AX方向の位置が略線形的又は一次関数的に変化するとしたが、表面領域16fbの形状の設定により、中間スクリーン19の移動を示す傾斜部C2bの傾きは一次関数的なものに限らず様々なものとできる。
〔その他〕
以上では、具体的な実施形態としてのヘッドアップディスプレイ装置200について説明したが、本発明に係る表示装置は、上記のものには限られない。例えば、第1実施形態において、画像表示装置100の配置を上下反転させて、フロントウインドウ8の上部又はサンバイザー位置に表示スクリーン20を配置することもでき、この場合、投影ユニット10の斜め下方前方に表示スクリーン20が配置される。また、表示スクリーン20は、自動車の従来のミラーに対応する位置に配置してもよい。
以上では、中間スクリーン19又は機能領域FAを本体光学系13の光軸AX方向に対して略直交するように配置するとしたが、機能領域FAを光軸AXに対して強制的に傾けることもできる。この場合、虚像形成光学系17との組み合わせによって傾きが無いか又は所定の傾きの投影像IMを投影することができる。
以上で説明した第1~第n表示ゾーンDZ1~DZnについては、投影距離の全範囲に亘って連続的である必要はなく、距離ゾーン(サブゾーンLZ1~LZn)の境界に対応する部分で分離した不連続なものであってもよい。また、表示ゾーンDZ1~DZnは、同一数のサブゾーンを含むものに限らず、表示ゾーンDZ1~DZnごとに異なるサブゾーンを含ませることができる。
第1実施形態では、拡散部16において、1つの中間スクリーン19を設けているが、2つ以上の中間スクリーン19を設けもよい。この場合、中間スクリーン19は、螺旋の1/2ピッチ、1/3ピッチ等に対応する範囲に分割されて形成されることになる。
中間スクリーン19の立体形状部116は、螺旋形状又は平坦面である必要はなく、例えば正弦波のような段差なく往復運動を可能とする回転体構造も考えられる。
拡散部16において、中空枠体16bは必須でなく、回転体16aのみとすることができる。この場合も、段差部16jに傾斜した接続面16kを形成しているので、回転体16aの回転に伴う音の発生を抑制することができ、回転体16aの回転を安定化させることができる。
上記実施形態において、表示スクリーン20の輪郭は、矩形に限らず、様々な形状とすることができる。
上記実施形態では、中間スクリーン19を移動させているが、中間スクリーン19を移動させないで中間スクリーン19の後段に光路長変更部材を配置して光路長を変化させることで、見かけ上の中間像TIの位置を光軸AX方向に変化させることができる。この場合も、表示ゾーンによる表示が可能であり、表示ゾーンによる表示時間を、視点シフトに対する像シフトが、観察者であるドライバーVDが見た際に像シフトが目立たない範囲として定義される許容角度以内となるように、制御することができる。
図2に示す結像光学系15や虚像形成光学系17は、単なる例示であり、これら結像光学系15及び虚像形成光学系17の光学的構成については適宜変更することができる。
以上では、環境監視部72によって車体2の前方に存在するオブジェクトOBを検出し、画像表示装置100にオブジェクトOBの配置に対応するフレーム枠HW1,HW2,HW3といった関連情報像を表示しているが、オブジェクトOBの有無に関わらず、通信ネットワークを利用して付随的な運転関連情報を取得し、このような運転関連情報を画像表示装置100に表示させることができる。例えば死角に存在する車、障害物等を警告するような表示も可能である。
本発明の表示装置は、車その他の移動体に搭載されるヘッドアップディスプレイ装置(HUD)に限らず、3次元表示を行うヘッドマウント装置、ウェアラブルディスプレイ装置等に適用することができる。

Claims (6)

  1. 表示素子によって形成された映像光を拡散型の中間スクリーンに投影し、前記中間スクリーンに形成された中間像を拡大投影して虚像を形成する表示方法であって、
    中間像を光軸方向に移動させて虚像の投影距離を可変とするとともに、中間像の移動に同期させて投影距離を重複する複数の表示ゾーンに分けて前記表示素子に表示を行わせ、各表示ゾーンの表示時間を、観察者の目の位置に見込まれる視点シフトを基準として、前記視点シフトに対する像シフトが容角度以内となるよう制御し、
    前記視点シフトをΔEB、表示ゾーン番号をk、着目する虚像の前記各表示ゾーンにおける目標投影距離をL 、前記像シフトの視角としての許容値の半値に対応する前記許容角度をηとした場合に、前記目標投影距離L に対する奥行き方向の距離差ΔL は、以下の式(1)で与えられ、
    |ΔL |=(L +ΔEB )/(L +ΔEB/A) … (1)
    ここで、A=tanη
    前記各表示ゾーンにおける表示が、L ±ΔL の距離範囲内で行われる、表示方法。
  2. 前記許容角度ηは、0.5′≦η≦5.0′に相当する、請求項に記載の表示方法。
  3. 前記中間スクリーンの少なくとも一部が連続面に沿って形成され、前記中間スクリーンを回転させることにより、前記連続面上の機能領域を光軸方向に移動させる、請求項1及び2のいずれか一項に記載の表示方法。
  4. 前記中間スクリーンは、前記連続面と機能領域が光軸方向に移動しない坦面との組合せにより構成されている、請求項に記載の表示方法。
  5. 前記各表示ゾーンについて表示時間を略同じとする、請求項1~のいずれか一項に記載の表示方法。
  6. 表示素子によって形成された映像光を投影する第1投影光学系と、
    前記第1投影光学系による投影位置において光を拡散させる中間スクリーンと、
    前記中間スクリーンに形成された中間像を拡大投影して虚像を形成する第2投影光学系と、
    中間像を光軸方向に移動させる駆動部と、
    中間像の移動に同期させて虚像の投影距離を重複する複数の表示ゾーンに分けて前記表示素子に表示を行わせ、各表示ゾーンの表示時間を、観察者の目の位置に見込まれる視点シフトを基準として、前記視点シフトに対する像シフトが容角度以内となるよう制御する制御部と、を備え
    前記視点シフトをΔEB、表示ゾーン番号をk、着目する虚像の前記各表示ゾーンにおける目標投影距離をL 、前記像シフトの視角としての許容値の半値に対応する許容角度をηとした場合に、前記目標投影距離L に対する奥行き方向の距離差ΔL は、以下の式(1)で与えられ、
    |ΔL |=(L +ΔEB )/(Lk+ΔEB/A) … (1)
    ここで、A=tanη
    前記各表示ゾーンにおける表示が、L ±ΔL の距離範囲内で行われる、表示装置。
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