JP7119323B2 - 車両用アウトサイドハンドル装置 - Google Patents
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アウトサイドハンドルの長手方向の一端部は、アウタパネルに固定されたベース部材に上下方向の回転軸まわりに回転可能に支持されている。即ち、アウトサイドハンドルはアウタパネル(ベース部材)に対して、初期位置と、初期位置より車外側に位置する操作位置と、の間を略水平方向に回転可能である。
さらにロック装置とアウトサイドハンドルとは、連係手段を介して互いに接続される。
アウトサイドハンドルが初期位置に位置するときロック装置はラッチ状態となる。
一方、車外に位置する乗員が手で初期位置に位置するアウトサイドハンドルを握りながらアウトサイドハンドルを操作位置へ回転させると、ロック装置がアンラッチ状態となる。さらに、乗員がアウトサイドハンドルを操作位置側へ回転させる力が、ロック装置がアンラッチ状態になった後においてもアウトサイドハンドルに掛かり続けると、この力によって車両ドアが閉位置から開方向に回転する。
特許文献1では、乗員がアウトサイドハンドルを初期位置から操作位置側へ回転させ始めたときに、閉位置に位置する車両ドアが直ちに回転することはない。換言すると、車両ドアの閉位置からの回転動作はアウトサイドハンドルの初期位置からの回転動作に対して遅れる。そのため、車両ドアを閉位置から開方向に回転させるときに、乗員は良好な操作感を得られない。
しかし、車高が高くない車両の車両ドアのアウトサイドハンドルの上下方向位置は、通常、車外において起立している乗員の肩の位置より低い。
そのため、このようなアウトサイドハンドルが初期位置に位置するときに、車外に位置する乗員が手でこのアウトサイドハンドルを操作位置まで回転させるのは容易ではない。換言すると、人間工学的な観点から見ると、このようなアウトサイドハンドルの操作性は良好ではない。
本発明に係る車両用アウトサイドハンドル装置は、車両ドアの車外側面と対向するように前記車両ドアに固定されたハンドル本体と、
前記ハンドル本体に初期位置と前記初期位置より上方の操作位置との間を上下方向に移動可能に支持され、且つ、前記ハンドル本体の外側に露出する被操作部を有する可動部材と、
を備え、
前記可動部材が、
前記車両ドアに固定されたロック装置と連係機構を介して接続されており、前記初期位置に位置するときに前記ロック装置をラッチ状態にし、且つ、前記被操作部が上方に押圧されることにより前記初期位置から前記操作位置に移動したときに前記ロック装置をアンラッチ状態にするように構成されるとともに、車内側と車外側とにそれぞれ延び且つ互いに同軸をなす一対の回転中心軸を備え、一対の前記回転中心軸を中心として回転することにより、前記初期位置から前記操作位置に移動可能に構成される。
そのため、可動部材を利用してロック装置をアンラッチ状態に切り替えた後に、乗員が手でハンドル本体を把持しながらハンドル本体を車外側に移動させると、車両ドアがハンドル本体の車外側への移動に遅れることなく開方向に回転する。そのため、車両ドアを開方向に回転させるときに、乗員は良好な操作感を得られる。
そのため、車外に位置する乗員が手で初期位置に位置する可動部材を操作位置へ移動させるためには、乗員は可動部材を上方へ移動させればよい。
車高が高くない車両の車両ドアのアウトサイドハンドル装置の上下方向位置は、通常、車外において起立している乗員の肩の位置より低い。
従って、このような車両の車外に位置する乗員が手で初期位置に位置する可動部材を操作位置まで移動させることは容易である。換言すると、人間工学的な観点から見て、本発明のアウトドアハンドル装置の操作性は良好である。
しかし、可動部材の移動方向は上下方向である。
従って、このような慣性力が車両ドアに発生したときに、初期位置に位置する可動部材が不意に操作位置へ移動するおそれは小さい。換言すると、このような場合に、可動部材がロック装置を不意にラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えてしまうおそれは小さい。
そして、このように構成した場合は、一対の回転中心軸どうしの距離が近くなる。そのため、各回転中心軸が対応する支持溝との間でこじれ難くなる。そのため、可動部材が回転動作を円滑に行えるようになる。
前記可動部材が前記初期位置より下方に移動するのを規制するストッパと、
を備えてもよい。
従って、乗員が手で被操作部を押圧することにより可動部材を操作位置に移動させた後に、乗員が可動部材から手を離すと、可動部材は初期位置へ自動的に移動復帰する。
そのため、乗員によるアウトサイドハンドル装置の操作性が向上する。
図1に示す車両ドア10の前端部は、車体(図示略)に対して上下方向の回転軸まわりに回転可能として支持されている。この車両ドア10は、回転軸まわりに回転することにより車体の側面に形成された開口部を開閉する。即ち、車両ドア10は前部のサイドドアである。
車両ドア10の下半部を構成するドア本体11の車外側面は金属板からなるアウタパネル12(ドアパネル)により構成されている。図2及び図4に示すように、アウタパネル12の後端近傍部の上部には凹部12aが形成されている。さらにアウタパネル12は、凹部12aの直前に位置する平面部12bと、凹部12aの直後に位置する平面部12cと、を有している。平面部12b及び平面部12cは車幅方向に対して直交している。平面部12cにはアーム用貫通孔(図示略)が形成されている。アウタパネル12の車内側面の周縁部には金属板からなるインナパネル(ドアパネル)(図示略)の周縁部が固定されている。アウタパネル12とインナパネルとの間には空間が形成されている。車両ドア10の上半部はドアサッシュ10aにより構成されている。
アウトサイドハンドル装置20は主要な構成要素としてハンドル本体21、及び、可動部材30を具備している。
ハンドル本体21の前後両端部は前方被固定部22及び後方被固定部23によりそれぞれ構成されている。図5に示すように、上側分割部21aの前方被固定部22及び後方被固定部23に対応する部位の断面形状、並びに、下側分割部21bの前方被固定部22及び後方被固定部23に対応する部位の断面形状は、いずれも略二等辺三角形である。さらにハンドル本体21の前方被固定部22及び後方被固定部23の横断面形状は略正三角形である。
図4及び図5に示すように、上側分割部21aの前方被固定部22に対応する部位の車内側面、及び、下側分割部21bの前方被固定部22に対応する部位の車内側面は、車幅方向に対して直交する平板である車内側壁22aによりそれぞれ構成されている。さらに上側分割部21aの前方被固定部22に対応する部位の内部には、前方被固定部22の後端部より前方に位置し且つ前方被固定部22の前端部より後方に位置する支持壁22bが設けられている。図5に示すように、支持壁22bの正面形状は略正三角形であり、且つ、支持壁22bの上半部の外周部が上側分割部21aの内周面に固定されている。支持壁22bの車内側端部近傍には、断面円形の貫通孔22cが形成されている。さらに、支持壁22bの前面には貫通孔22cと同軸をなす軸受24が固定されている。さらに、図4及び図5に示すように、支持壁22bの後面には、共に後方に向かって延びる上下一対の下端ストッパ22d及び上端ストッパ22eが突設されている。
同様に、図4に示すように、上側分割部21aの後方被固定部23に対応する部位の車内側面、及び、下側分割部21bの後方被固定部23に対応する部位の車内側面は、車内側壁22aと同一平面上に位置する平板である車内側壁23aによりそれぞれ構成されている。さらに下側分割部21bの後方被固定部23に対応する部位の内部には、後方被固定部23の前端部より後方に位置し且つ後方被固定部23の後端部より前方に位置する支持壁23bが設けられている。図示は省略してあるが、支持壁22bと同様に、支持壁23bの正面形状は略正三角形であり、且つ、支持壁23bの上半部の外周部が上側分割部21aの内周面に固定されている。下側分割部21bの車内側壁23aの支持壁23bより前方に位置する部位には上下方向に延びるアーム用スリット(図示略)が形成されている。支持壁23bの車内側端部近傍には、貫通孔22cと同軸をなし且つ断面形状が円形である貫通孔23cが形成されている。さらに、支持壁23bの後面には貫通孔23cと同軸をなす軸受24が固定されている。さらに、図示は省略してあるが、支持壁23bの前面には、共に前方に向かって延びる上下一対の下端ストッパ22d及び上端ストッパ22eが突設されている。
上側分割部21a及び下側分割部21bの被把持部26に対応する部位の車外側面は、それぞれ車外側壁27により構成されている。一方、上側分割部21a及び下側分割部21bの被把持部26に対応する部位の車内側面は、それぞれ車内側壁28により構成されている。さらに車内側壁28の前後両端部を除く部位は平面視で略直線状をなす中央壁部28aにより構成されている。車内側壁28の前端部は車内側壁22aの後端部に接続しており、且つ、車内側壁28の後端部は車内側壁23aの前端部に接続している。
図4、図6、及び図7に示すように下側分割部21bの被把持部26に対応する部位の底面は開放されている。即ち、下側分割部21bの被把持部26に対応する部位には底面開口部21cが形成されている。さらに図6及び図7に示すように、上側分割部21a及び下側分割部21bの車外側壁27及び車内側壁28の中央壁部28aの横断面形状は、貫通孔22c、23c(軸受24)を中心とし且つ互いに径が異なる2つの円弧とそれぞれ略同一である。
本体部31は、上面が開口する中空体であり、且つ、その水平面で切断したときの断面形状は略長方形である。本体部31の内部空間には、例えば、リモコン(図示略)が発信する電波を受信可能な小型受信器(図示略)が設けられている。この小型受信器は、ケーブル及び制御装置(ECU)を介してロックノブ14用の電動アクチュエータ(図示略)に接続される。図6及び図7に示すように、本体部31の車外側面32及び車内側面33の横断面形状は互いに径が異なる略円弧形状である。本体部31の車幅方向寸法は、ハンドル本体21の底面開口部21cの車幅方向寸法より小さい。さらに本体部31の車幅方向寸法は、車外側壁27の内面と中央壁部28aの内面との間の車幅方向寸法より小さい。また、本体部31の前後寸法は底面開口部21cの前後寸法より小さい。
図3及び図4に示すように、本体部31の前後両面には、軸支持部35、36がそれぞれ固定されている。軸支持部35及び軸支持部36の平面形状はL字形である。さらに軸支持部35及び軸支持部36の上下寸法は、対をなす下端ストッパ22dと上端ストッパ22eとの間の上下間隔より小さい。
さらに軸支持部35の前端面と軸支持部36の後端面には、共に円柱形状の回転中心軸37、38がそれぞれ固定されている。回転中心軸37と回転中心軸38とは互いに同軸であり且つ共に水平方向(前後方向)に延びている。さらに回転中心軸37及び回転中心軸38の外径はハンドル本体21の貫通孔22c、23cより僅かに小さい。さらに回転中心軸37及び回転中心軸38は車内側面33よりも車内側に位置している。換言すると、回転中心軸37及び回転中心軸38は本体部31に対して車内側に偏心している。車外側面32の横断面形状(略円弧形状)の曲率中心及び車内側面33の横断面形状(略円弧形状)の曲率中心は、回転中心軸37及び回転中心軸38を通る直線上又は当該直線の近傍に位置する。さらに軸支持部35の前端面と軸支持部36の後端面との間の前後方向距離は、ハンドル本体21の支持壁22bの後面と支持壁23bの前面との間の前後方向距離より短い。さらに回転中心軸37の前端面と回転中心軸38の後端面との間の前後方向距離は、ハンドル本体21の支持壁22bの後面と支持壁23bの前面との間の前後方向距離より長い。
さらに軸支持部36の車内側面には、車内側に向かって延びる連係アーム39の車外側端部が固定されている。
ハンドル本体21と可動部材30とを組み付けるにはまず、下側分割部21bから分離された上側分割部21aの支持壁22bの貫通孔22cと支持壁23bの貫通孔23cとに対して、可動部材30の回転中心軸37、38をそれぞれ回転可能に嵌合する。すると、前後の軸受24が対応する回転中心軸37、38をそれぞれ回転可能に支持する。このとき、前側の軸支持部35を支持壁22bと一体化した下端ストッパ22dと上端ストッパ22eとの間に位置させ、且つ、後側の軸支持部36を支持壁23bと一体化した下端ストッパ22dと上端ストッパ22eとの間に位置させる。さらに、図3に示す捩じりコイルバネ42を回転中心軸38の周囲に設けて、捩じりコイルバネ42を弾性変形させた状態で、捩じりコイルバネ42の一端を回転中心軸38に係止し且つ捩じりコイルバネ42の他端を支持壁23bに係止する。
そして、上側分割部21a及び下側分割部21bの一方に形成された貫通孔に挿入したネジを、上側分割部21a及び下側分割部21bの他方に形成された雌ねじ孔に螺合することにより、上側分割部21aと下側分割部21bとを互いに固定する。するとハンドル本体21が完成する。
さらに可動部材30のハンドル本体21に対する上方への回転(移動)は、前後の軸支持部35、36が対応する上端ストッパ22eの下面に接触する位置で規制される。このときの可動部材30の位置が操作位置である。可動部材30が操作位置に位置するとき、本体部31の下端部である被操作部31aはハンドル本体21の底面より下方に位置する。即ち、本体部31の被操作部31aは常にハンドル本体21の底面より下方に位置する。
このように可動部材30はハンドル本体21に対して初期位置と操作位置との間を上下方向に相対移動(相対回転)することが可能である。
このようにロック装置13のオープンレバーと可動部材30とは、連係ロッド45、上側の回転接続ピン46、及び下側の回転接続ピンを介して互いに連係している。従って、ロック装置13のオープンレバーは可動部材30の動きと連動する。具体的には、可動部材30が初期位置に位置するとき、オープンレバーは初期位置に位置する。一方、可動部材30が操作位置に位置するとき、オープンレバーは操作位置に位置する。
車高が高くない車両の車両ドア10のアウトサイドハンドル装置20の上下方向位置は、通常、車外において起立している乗員の肩の位置より低い。
従って、車外に位置する乗員が、このような車両ドア10に設けられたハンドル本体21を手で把持しながら、手で可動部材30を操作位置まで移動させるのは容易である。換言すると、人間工学的な観点から見ると、このようなアウトサイドハンドル装置20(可動部材30)の操作性は良好である。
可動部材30のハンドル本体21に対する移動方向は上下方向である。
従って、このような慣性力が車両ドア10に発生したときに、初期位置に位置する可動部材30がこの慣性力によって不意に操作位置へ回転するおそれが小さい。換言すると、このような場合に、可動部材30がロック装置13を不意にラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えてしまうおそれが小さい。
本実施形態では、可動部材30が回転中心軸37、38を中心にハンドル本体21に対して上下方向に相対回転可能である。そのためこのように、可動部材30とロック装置13とを連係する連係機構を、連係ロッド45、上側の回転接続ピン46、及び下側の回転接続ピンによって構成できる。換言すると、可動部材30とロック装置13とを連係する連係機構の構造が簡単である。
この変形例のアウトサイドハンドル装置20Aの基本構造はアウトサイドハンドル装置20と同一である。即ち、被把持部26の車外側壁27及び中央壁部28aの横断面形状が円弧形状ではなく上下方向に延びる直線形状である点、及び、可動部材30Aの車外側面32及び車内側面33の横断面形状が円弧形状ではなく上下方向に延びる直線形状である点、を除いてアウトサイドハンドル装置20Aはアウトサイドハンドル装置20と同一である。従って、本変形例のアウトサイドハンドル装置20Aでは、可動部材30Aが、図8に示す初期位置と図9に示す操作位置との間を、ハンドル本体21Aに対して上下方向に直線的に相対移動する。
なお、図示は省略してあるが、本変形例のアウトサイドハンドル装置20Aは上記連係機構を介してロック装置13に接続されている。
この変形例のアウトサイドハンドル装置20Aも上記実施形態のアウトサイドハンドル装置20と同様の作用効果を発揮可能である。
この第2の実施形態のアウトサイドハンドル装置50は主要な構成要素としてハンドル本体51、可動部材78、ベルクランク85、及び捩じりコイルバネ95(付勢手段)を具備している。
上側分割部53の前後方向の中央部は、前部及び後部より車幅方向寸法が小さい被把持部54により構成されている。
図13、図15、及び図16に示すように、上側分割部53の車内側壁の前部の内面には車内側支持部55が設けられており、且つ、上側分割部53の車外側壁の前部の内面には車内側支持部55と対向する車外側支持部56が設けられている。さらに車内側支持部55の車外側支持部56との対向面に可動部材支持溝55aが形成され、且つ、車外側支持部56の車内側支持部55との対向面には可動部材支持溝56aが形成されている。可動部材支持溝55a及び可動部材支持溝56aの下面は共に開口しており、且つ、可動部材支持溝55a及び可動部材支持溝56aの上部は共に半円形である。
さらに図13、図15、及び図18に示すように、上側分割部53の車内側壁の後部には、互いに前後方向に対向する上側第1支持部57及び上側第2支持部58が形成されている。さらに上側第1支持部57の上側第2支持部58との対向面にベルクランク支持溝57aが形成され、且つ、上側第2支持部58の上側第1支持部57との対向面にはベルクランク支持溝58aが形成されている。ベルクランク支持溝57a及びベルクランク支持溝58aの下面は共に開口しており、且つ、ベルクランク支持溝57a及びベルクランク支持溝58aの上部は共に半円形である。
上側分割部53の車内側壁の後部には、上側第1支持部57と上側第2支持部58の上端部どうしを接続するストッパ59が設けられている。そして図19に示すように、ストッパ59の下面には初期位置規定面59a及び操作位置規定面59bが形成されている。上側第1支持部57、上側第2支持部58、及びストッパ59によって囲まれた部位は、上側分割部53の車内側壁を車幅方向に貫通する上側開口部60である。
さらに図12及び図14に示すように、上側分割部53の車内側面には前後一対の雌ねじ孔62、63が形成されている。さらに上側分割部53の車内側面には前後一対の嵌合用凹部64、65が形成されている。さらに嵌合用凹部64、65の底面には、それぞれ雌ねじ孔64a、65aが形成されている。
下側第1分割部67の底面の後部には一対のピン支持部68、69が設けられている。ピン支持部68とピン支持部69とは互いに車幅方向に対向している。
さらに下側第1分割部67の車内側壁の前部には前側嵌合突部70が上向きに突設されている。前側嵌合突部70には貫通孔71が形成されている。
下側第2分割部72の底面の前部には一対の下側第1支持部73及び下側第2支持部74が設けられている。下側第1支持部73と下側第2支持部74とは互いに前後方向に対向している。さらに下側第1支持部73と下側第2支持部74との間の部位は、下側第2分割部72の車内側壁を車幅方向に貫通する下側開口部75である。
さらに下側第2分割部72の車内側壁の後部には後側嵌合突部76が上向きに突設されている。後側嵌合突部76には貫通孔77が形成されている。
可動部材78は、その前端部である基端部79と、基端部79から後方に延びる被操作部82と、被操作部82の後端部から後方に延びる円柱状の連係ピン83と、を一体的に備えている。
さらに可動部材78は、基端部79の車内側面から車内側に突出する回転中心軸80と、基端部79の車外側面から車外側に突出し且つ回転中心軸80と同軸をなす回転中心軸81と、を一体的に備えている。
さらに連係部86の両端近傍部には、共に連係部86を前後方向に貫通する第1連係孔87と第2連係孔88とがそれぞれ形成されている。
これらの部材どうしを互いに組み付けるためには、例えば、まずベルクランク85の被支持ピン90を捩じりコイルバネ95のコイル状部96に挿入し、且つ、可動部材78の連係ピン83をベルクランク85の第1連係孔87に挿入する。
続いて、可動部材78の回転中心軸80と回転中心軸81とを、上側分割部53の可動部材支持溝55aと可動部材支持溝56aとにそれぞれ下方から挿入する。さらに連係部86の車内側端部を上側開口部60を通して上側分割部53の車内側に位置させながら、ベルクランク85の被支持ピン89と被支持ピン90とを、上側分割部53のベルクランク支持溝57aとベルクランク支持溝58aとにそれぞれ下方から挿入する。さらに、捩じりコイルバネ95の第1係止片97を連係部86に係止する。
すると、図14及び図16に示すように、下側第1分割部67のピン支持部68とピン支持部69が、可動部材78の回転中心軸80と回転中心軸81とをそれぞれ下方から支持する。そのため、回転中心軸80、81が対応する可動部材支持溝55a、56a内で自身の軸線まわりに回転可能となる。即ち、可動部材78が回転中心軸80、81を中心に上側分割部53及び下側第1分割部67に対して上下方向に回転可能になる。
すると、図14及び図18に示すように、下側第2分割部72の下側第1支持部73と下側第2支持部74とが、ベルクランク85の被支持ピン89と被支持ピン90とをそれぞれ下方から支持する。そのため、被支持ピン89、90が対応するベルクランク支持溝57a、58a内で自身の軸線まわりに回転可能となる。即ち、ベルクランク85が被支持ピン89、90を中心に上側分割部53(上側開口部60)及び下側第2分割部72(下側開口部75)に対して上下方向に回転可能になる。
さらに、下側第2分割部72の上端面が上側分割部53の後部の下端面に接触したときに、捩じりコイルバネ95のコイル状部96が弾性変形状態になり、捩じりコイルバネ95が付勢力を発生する。
そのため、可動部材78及びベルクランク85に対して捩じりコイルバネ95の付勢力以外の外力を付与しないとき、図19に示すように、ベルクランク85はその上面が初期位置規定面59aに接触する初期位置に位置する。さらにこのとき、ベルクランク85と連動する可動部材78は、図17の実線、図10、図11、及び図14に示す初期位置に位置する。可動部材78が初期位置に位置するとき、可動部材78の被操作部82の下部は、被把持部54の下端より下方に位置する。換言すると、このとき被操作部82の下部がアウトサイドハンドル装置50の外側に露出する。
そのため、第2の実施形態においても、可動部材78及びベルクランク85が初期位置に位置するときオープンレバーは初期位置に位置し、且つ、可動部材78及びベルクランク85が操作位置に位置するときオープンレバーは操作位置に位置する。
従って、第2の実施形態のアウトサイドハンドル装置50は、第1の実施形態のアウトサイドハンドル装置20、20Aと実質的に同一の作用効果を発揮可能である。
例えば、アウタパネル21にアウタパネル21とは別体のベース部材(図示略)を固定し、且つ、このベース部材にハンドル本体21、21A、51を固定してもよい。換言すると、アウタパネル21にハンドル本体21、21A、51を間接的に固定してもよい。
またスライド式の車両ドアに本発明を適用してもよい。
Claims (7)
- 車両ドアの車外側面と対向するように前記車両ドアに固定されたハンドル本体と、
前記ハンドル本体に初期位置と前記初期位置より上方の操作位置との間を上下方向に移動可能に支持され、且つ、前記ハンドル本体の外側に露出する被操作部を有する可動部材と、
を備え、
前記可動部材が、
前記車両ドアに固定されたロック装置と連係機構を介して接続されており、前記初期位置に位置するときに前記ロック装置をラッチ状態にし、且つ、前記被操作部が上方に押圧されることにより前記初期位置から前記操作位置に移動したときに前記ロック装置をアンラッチ状態にするように構成されるとともに、車内側と車外側とにそれぞれ延び且つ互いに同軸をなす一対の回転中心軸を備え、一対の前記回転中心軸を中心として回転することにより、前記初期位置から前記操作位置に移動可能に構成された、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項1に記載の車両用アウトサイドハンドル装置において、
前記ハンドル本体が、一対の前記回転中心軸をそれぞれ回転可能に支持する一対の支持溝を備える、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用アウトサイドハンドル装置において、
前記可動部材は、前後方向に延びる長尺状部材であり、その前端部である基端部と、基端部から後方に延びる前記被操作部と、前記被操作部の後端部から後方に延びる連係ピンと、を備え、
前記基端部に一対の前記回転中心軸が設けられている、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項3に記載の車両用アウトサイドハンドル装置において、
車幅方向に延びる連係部と、前記連係部から前後方向に突出する被支持ピンと、を有し、前記被支持ピンを中心に回転可能に前記ハンドル本体に支持されたベルクランクを備え、
前記ベルクランクの前記連係部の両端近傍部には、前記連係部を前後方向に貫通する第第1連係孔及び第2連係孔がそれぞれ形成され、
前記第1連係孔に前記連係ピンが挿入され、
前記第2連係孔が前記連係機構に接続される、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項4に記載の車両用アウトサイドハンドル装置において、
コイル状部と、前記コイル状部の一端から延びる第1係止片と、前記コイル状部の他端から延びる第2係止片と、を備える捩じりコイルバネを備え、
前記コイル状部が前記被支持ピンに挿入され、前記第1係止片が前記連係部に係止され、前記第2係止片が前記ハンドル本体に係止され、
前記捩じりコイルバネが発生する付勢力が前記ベルクランクを介して前記可動部材に伝達されることにより、前記可動部材が初期位置向けて付勢される、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項5に記載の車両用アウトサイドハンドル装置において、
前記可動部材が前記初期位置より下方に移動するのを規制するストッパを備える、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項1乃至6の何れか1項に記載の車両用ドアロック装置において、
前記可動部材が初期位置に位置するときに前記被操作部の下端部が露出する、車両用アウトサイドハンドル装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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