以下、本発明の一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。
図1に示した車両のドア10は、板金のプレス部品で外郭壁11が構成され、ドア10の回動中心と反対側の端部に、本実施形態の車両ドアラッチユニット20を内蔵している。この車両ドアラッチユニット20は、上方から見ると全体として略L字形をなし、その角部がドア10の端部室内側角部に宛がわれた状態で固定されている。
車両におけるドア枠12の内面にはストライカ13が設けられている。ストライカ13は、例えば断面円形の線材を門形に屈曲させてなり、略水平方向に突出している。また、ストライカ13のうち門形の両脚部はドアの開閉方向に並べられ、それらのうち一方の脚部に相当する部分が車両ドアラッチユニット20と係合する。図6〜図8には、ストライカ13のうち車両ドアラッチユニット20と係合する部分のみの断面図が示されている。また、なお、外郭壁11のうちドア10の端面を構成する外殻端部壁11Aとドア10の車内面を構成する外殻側部壁11Bとが交差した角部には、ストライカ13を受容するためのストライカ受容部(図示せず)が切り欠き形成されている。
車両ドアラッチユニット20は、ドア10の外殻端部壁11Aに対向した部分にラッチ機構21を備えている。車両ドアラッチユニット20は、略全体が樹脂製のハウジング50(本発明の「機構ベース」に相当する)によって覆われている。ハウジング50は、ケース体50Aとカバー体70とに分割可能となっている。また、ケース体50Aは、図1に示すように、外殻端部壁11Aに対向した端部カバー部51と外殻側部壁11Bに対向したケース本体部55とからなる。
端部カバー部51は、ドア10の外殻端部壁11Aに対向した端部カバー主板壁52(図4参照)の上縁部及び一側縁部から外殻端部壁11Aに向かってカバー部庇壁53を張り出した構造なっている。また、ケース本体部55は、ドア10の外殻側部壁11Bに対向したケース本体主板壁56(図5(A)参照)の上縁部及び一側縁部からケース本体庇壁57を張り出した構造になっている。これらカバー部庇壁53とケース本体庇壁57は一体になって連続している。
ケース本体部55には、ケース本体主板壁56を覆うようにしてカバー体70が組み付けられている。カバー体70は、ケース本体主板壁56に対向したカバー主板壁71を有し、そのカバー体70の上縁部及び一側縁部からはケース本体部55に向かってカバー庇壁72が張り出されている。カバー庇壁72の先端部はケース本体部55におけるケース本体庇壁57の先端部に突き合わされており、その状態でカバー体70は、図示しないボルトによってケース本体主板壁56に固定されている。このカバー体70によってケース本体主板壁56の下端部を除くほぼ全体が覆われている。
ラッチ機構21は、機構ケース22(本発明の「固定ベース」に相当する)の内部にラッチ23及びポール24を収容してなる。機構ケース22は、略偏平容器状の樹脂部品を1対の板金部品で挟んでなり、その一方の板金部品がドア10の外殻端部壁11Aに宛がわれ、後方と上方及び一側方とが、ハウジング50の端部カバー部51によって覆われている。
また、機構ケース22は、図3に示すようにボルト固定部22Bを例えば3カ所に備えている。そして、外殻端部壁11Aの内面に機構ケース22を宛がい、外殻端部壁11Aを外側から貫通した複数のボルト(図示せず)をボルト固定部22Bに螺合することで、車両ドアラッチユニット20がドア10に固定されている。さらに、機構ケース22には、ドアに形成されたストライカ受容部(図示せず)に対応してストライカ進入溝22Mが形成されている。そして、ドア10を開閉する動作に伴ってストライカ13が、ストライカ進入溝22Mに進退する。
図6に示すように、ラッチ機構21のうち、ストライカ進入溝22Mより下方には、ポール24が回動可能に備えられている。ポール24は、ポール支持シャフト24Jを一体に備え、そのポール支持シャフト24Jによって、機構ケース22に回動可能に支持されている。ポール24は、ポール支持シャフト24Jから相反する方向にラッチ当接片24Aとストッパ当接片24Bとを突出して備えている。また、ポール24と機構ケース22との間にはトーションバネ25(図9参照)が備えられ、このトーションバネ25によってポール24が図6における反時計回り方向に付勢されている。そして、ストッパ当接片24Bが機構ケース22に備えたポールストッパ26に当接して位置決めされている。
ラッチ機構21のうち、ストライカ進入溝22Mより上方にはラッチ支持シャフト23Jが備えられ、そのラッチ支持シャフト23Jにラッチ23が回動可能に軸支されている。ラッチ23は、金属板を樹脂で覆って防音を図った構造になっている。また、ラッチ23には、互いに略平行になった1対の係止爪23A,23Bが備えられ、それら係止爪23A,23Bの間がストライカ受容部23Gになっている。さらに、ラッチ23には、係止爪23Aの張り出し方向と反対側にストッパ当接部23Sが突出形成されている。そして、図4に示すようにラッチ23が一方(図6における時計回り方向)に回転した場合には、ストッパ当接部23Sが機構ケース22に設けたラッチストッパ27に当接して、ラッチ23がアンラッチ位置に位置決めされる。
ラッチ23は、機構ケース22との間に設けたトーションバネ28(図9参照)によりアンラッチ位置側に付勢されて、ドア10を開けた状態ではそのアンラッチ位置に位置決めされる。このアンラッチ位置では、一方の係止爪23A(以下、「前側係止爪23A」という)がストライカ進入溝22Mの上方に退避しかつ、他方の係止爪23B(以下、「後側係止爪23B」という)がストライカ進入溝22Mを横切った状態になり、ストライカ受容部23Gの開口端がストライカ進入溝22Mのストライカ進入口22S側を向く。
これにより、ストライカ進入溝22Mに進入したストライカ13がストライカ受容部23G内に受容されると共に、ストライカ13が後側係止爪23Bを押してラッチ23が図4における反時計回り方向に回動する。このとき、ポール24のラッチ当接片24Aが前側係止爪23A及び後側係止爪23Bに押され、ポール24がトーションバネ25に抗して、ラッチ当接片24Aがラッチ23の回動領域から外れたラッチ解放位置へと回転する。そして、ドア10が閉じられると、図8に示すようにストライカ進入溝22Mのうちストライカ13よりストライカ進入口22S側が前側係止爪23Aによって塞がれてラッチ23とストライカ13とが係合すると共に、ポール24のラッチ当接片24Aがラッチ23の回動領域内に突入したラッチ規制位置へと回動し、そのラッチ当接片24Aが前側係止爪23Aの前面側に突き当てられて、ラッチ23の逆戻り回転を規制する。これにより、ドア10が閉塞状態に係止される。
この状態でドア10を開くには、ポール24をラッチ解放位置に回動すればよい。そのため、ドア10の車内面及び車外面には、ドアハンドル17,18(図2及び図3参照)が備えられ、車両ドアラッチユニット20には、それらドアハンドル17,18がそれぞれ連結されている。以下、ドアハンドル17,18を区別する場合には、ドア10の車内面に備えたドアハンドル17を「インサイドドアハンドル17」(本発明に係る「内側操作ハンドル」に相当する)といい、車外面に備えたドアハンドル18を「アウトサイドドアハンドル18」(本発明に係る「外側操作ハンドル」に相当する)という。
図3に示すように、端部カバー主板壁52のうち機構ケース22の下方位置には、アウトサイドオープンレバー30(本発明の「外側操作従動レバー」に相当する)が備えられている。アウトサイドオープンレバー30は、端部カバー主板壁52に直交したオープンレバー支持シャフト30Jに回動可能に軸支されている。また、端部カバー主板壁52には、機構ケース22の下方部分を覆うように板金カバー59が取り付けられており、この板金カバー59がアウトサイドオープンレバー30の一部にオーバーラップしている。
アウトサイドオープンレバー30は、オープンレバー支持シャフト30Jから相反する方向に第1アーム31と第2アーム32とを突出して備えている。第1アーム31の先端部には、アウトサイドドアハンドル18が連結部材(リンク、ワイヤー等)を介して連結されている。一方、第2アーム32の先端部には係合突起32Aと当接部32Bとが備えられている。係合突起32Aは後述するオープンリンク40と係合し、当接部32Bは後述するインサイドオープンレバー60と当接可能となっている(図2参照)。
アウトサイドオープンレバー30は、端部カバー主板壁52の裏側に備えたトーションスプリング30S(図9参照)によって、図3における反時計回り方向に付勢されている。また、アウトサイドオープンレバー30の第1アーム31は、ハウジング50の外部に突出しており、端部カバー部51の一側縁部に備えたカバー部庇壁53に当接することで反時計回りの回転が規制される。
即ち、アウトサイドオープンレバー30は、アウトサイドドアハンドル18が開操作されていない状態で、図3に示す初期位置に位置決めされ、第1アーム31から第2アーム32の先端部に向かって斜め下方を向く。一方、アウトサイドドアハンドル18が開操作されたときには、第1アーム31が押し下げられて、アウトサイドオープンレバー30が図3における時計回り方向に回動する。これにより、第2アーム32の先端部が持ち上げられて、係合突起32Aに連結したオープンリンク40が押し上げられる。そして、アウトサイドドアハンドル18の開操作を止めると、トーションスプリング30Sの付勢力により図3に示す初期位置に戻される。
車両ドアラッチユニット20のうち、ドア10の外殻側部壁11Bに対向した部分には、上記したオープンリンク40及びインサイドオープンレバー60を含むロック機構の構成部品が複数取り付けられている。
図2に示すように、ケース本体主板壁56のうち、ラッチ機構21の斜め下方位置には、アクティブレバー支持軸34Jが備えられ、そのアクティブレバー支持軸34Jにアクティブレバー34が回動可能に軸支されている。アクティブレバー支持軸34Jの先端部は、カバー体70のカバー主板壁71に形成された軸受部71Aに支持されており、アクティブレバー支持軸34Jはケース本体主板壁56とカバー主板壁71との間で両持ち支持されている。
アクティブレバー34は、アクティブレバー支持軸34Jから下方に向かって延びたロックノブ連結アーム35と、上方に張り出した扇形回動盤36とを有している。ロックノブ連結アーム35の先端部には、ドア10の車内側に設けたロックノブ19(図2参照)が連結部材(ケーブルなど)を介して連結されている。ロックノブ19がロック操作された場合、アクティブレバー34は図2における反時計回り方向に回動し、ロックノブ19がロック解除操作された場合、アクティブレバー34は図2における時計回り方向に回動する。
扇形回動盤36は、アクティブレバー支持軸34Jを中心とした扇形状をなしている。即ち、扇形回動盤36の外周面は、アクティブレバー支持軸34Jを中心とする円弧状になっている。また、図9に示すように、扇形回動盤36には、径方向外側に開放した係合凹部36Aが形成されている。係合凹部36Aには、後述するロック切替用の電動モータ44によって回転するウォームホイール45の係合突起45A,45Aの何れか一方が係合可能となっている。これにより、アクティブレバー34とウォームホイール45とが互いに逆向きに回転するように連結されている。
即ち、ロック切替用の電動モータ44によって車両ドアラッチユニット20がロックされる場合、ウォームホイール45は図9における時計回り方向に回動し、アクティブレバー34は反時計回り方向に回動する。逆に、ロック解除される場合は、ウォームホイール45が図10における反時計回り方向に回動し、アクティブレバー34が時計回り方向に回動する。
扇形回動盤36のうち、ラッチ機構21に近い側の側辺には縦長の長孔36Bが形成されている。長孔36Bには後述するオープンリンク40の係合ピン41が摺動可能に係合している。
アクティブレバー34は、ケース本体主板壁56との間に設けられたトーションスプリング37によって付勢されている。トーションスプリング37の一端はケース本体主板壁56に貫通形成された係止孔56A(図5(A)参照)に係止されており、他端はアクティブレバー34のロックノブ連結アーム35に形成された係止孔35Aに係止されている。
アクティブレバー34が図9に示すロック解除位置にある場合、トーションスプリング37は、アクティブレバー34を図9における時計回り方向に付勢する。即ち、ロック解除位置を維持するように付勢する。このとき、アクティブレバー34からケース本体主板壁56側に起立した第1係止突起34Aが、ケース本体主板壁56に突出形成された停止部材56B(図10参照)に当接することで、時計回り方向の回転が規制され、アクティブレバー34はロック解除位置に位置決めされる。
また、アクティブレバー34が図10に示すロック位置にある場合、トーションスプリング37は、アクティブレバー34を同図における反時計回り方向に付勢する。即ち、ロック位置を維持するように付勢する。このとき、アクティブレバー34からケース本体主板壁56側に起立した第2係止突起34Bが、前記停止部材56Bに当接することで、反時計回り方向の回転が規制され、アクティブレバー34がロック位置に位置決めされる。
図2に示すように、アクティブレバー34とラッチ機構21との間には、オープンリンク40(本発明の「ロック切替部材」に相当する)が直動可能に備えられている。オープンリンク40は縦長構造をなしており、前記したアウトサイドオープンレバー30とアクティブレバー34の両方に連結している。
即ち、オープンリンク40の下端部には係合孔40Aが形成され、この係合孔40Aにアウトサイドオープンレバー30の係合突起32Aが突入して係合している。また、オープンリンク40の上端角部には、ケース本体主板壁56側に突出した係合ピン41が備えられ、この係合ピン41が、アクティブレバー34の長孔36Bに摺動可能に係合している。なお、オープンリンク40に形成された係合孔40Aは、アウトサイドオープンレバー30の係合突起32Aを板厚方向から挟持すると共に係合孔40Aに対する係合突起32Aの相対回転を許容するように構成されている。
オープンリンク40の下端部の側方でラッチ機構21の下方位置には、インサイドオープンレバー共通支軸60J(本発明の「第1共通支軸部」に相当する)が備えられ、ここにインサイドオープンレバー60(本発明の「内側操作通常従動レバー」に相当する)が回動可能に軸支されている。インサイドオープンレバー共通支軸60Jは、カバー体70に形成された貫通孔71E(図5(B)参照)に固定されている。詳細には、貫通孔71Eは、オープンリンク40の下端部より機構ケース22側に配置されており、インサイドオープンレバー共通支軸60Jはその貫通孔71に嵌合固定されて、カバー体70のカバー主板壁71からケース本体主板壁56に向かって略直角に起立している。図2に示すように、インサイドオープンレバー60は、インサイドオープンレバー共通支軸60Jから下方に延設され、連結部60Aと当接部60Bとを備えている。連結部60Aには、ドア10の車内面に設けられたインサイドドアハンドル17が連結部材(ケーブルなど)を介して連結されている。一方、当接部60Bはアウトサイドオープンレバー30の当接部32Bの下方に配置されている。
インサイドオープンレバー60は、インサイドドアハンドル17が開操作されていない状態で、図2に示す初期位置に位置決めされる。この初期位置では、インサイドオープンレバー60の当接部60Bとアウトサイドオープンレバー30の当接部32Bとが離されている。一方、インサイドドアハンドル17が開操作されたときには、インサイドオープンレバー60が図2にて時計回り方向に回動して当接部60Bに当接し(図9の状態)、さらにアウトサイドオープンレバー30の当接部32Bを下方から押し上げる。すると、アウトサイドオープンレバー30の第2アーム32が押し上げられてアウトサイドオープンレバー30が図3における時計回り方向に回動する。そして、インサイドドアハンドル17の開操作を止めると、アウトサイドオープンレバー30と端部カバー主板壁52との間のトーションスプリング30Sの付勢力によってアウトサイドオープンレバー30およびインサイドオープンレバー60が元の初期位置に戻される。
図9に示すように、オープンリンク40の上方には、ポール24と一体回転するリフトレバー63(本発明の「ポール駆動レバー」に相当する)が配置されている。リフトレバー63は、ポール支持シャフト24Jのうち、ラッチ機構21の裏側に突出した端部に固定されており、ポール支持シャフト24Jからオープンリンク40の上方に向かって延びている。
アクティブレバー34が図9に示すロック解除位置に位置しているとき、オープンリンク40は、その上端部がリフトレバー63の先端部に上下方向で突き合わされた起立姿勢になる。一方、アクティブレバー34が図10に示すロック位置に位置している場合に、オープンリンク40は、その上端部がリフトレバー63の先端部に対してずれた傾倒姿勢になる。
従って、アクティブレバー34がロック解除位置(図9に示す状態)でドア10に備えた何れかのドアハンドルが開操作されると、オープンリンク40は長孔36Bに案内されてリフトレバー63に向かって移動し、リフトレバー63の先端部を下方から押し上げて、リフトレバー63を回動させる。そして、リフトレバー63の回動に伴い、ポール24をラッチ規制位置からラッチ解放位置に回動させることができる。
一方、アクティブレバー34がロック位置(図10に示す状態)でドア10に備えた何れかのドアハンドルが開操作されると、オープンリンク40は長孔36Bに案内されて斜め上方に移動するため、リフトレバー63の側方を素通りする。従って、リフトレバー63の先端が押し上げられて回動することはなく、ポール24も回動しない。つまり、ドア10の車内外に備えたドアハンドルの開操作が何れも無効化され、ドア10の開放が禁止される。
オープンリンク40のうち、ラッチ機構21から離れた側の側面には、後述するキャンセルレバー47(本発明の「キャンセル回動部材」に相当する)が常時当接する当接ガイド面42が設けられている。
図10に示すように、当接ガイド面42の上側半分は、オープンリンク40の長手方向と平行な平面部42Aとなっており、下側半分は下方に向かうに従ってラッチ機構21に接近するように湾曲した曲面部42Bになっている。平面部42Aは、ドア10に備えたドアハンドルが開操作されていない状態、即ち、オープンリンク40がその直動ストロークの下端位置に配置されているときに、後述するキャンセルレバー47の当接部48Aが当接する位置に形成されている。また、曲面部42Bは、ドアハンドル17,18が開操作されたとき、即ち、オープンリンク40が上方に押し上げられたときに、キャンセルレバー47の当接部48Aが当接する位置に形成されている。
ケース本体主板壁56のうち、キャンセルレバー47の回動軸を挟んでラッチ機構21とは反対側の側部には、ロック切替用の電動モータ44が取り付けられている。電動モータ44は、その回転出力軸44Jがケース本体主板壁56と平行になるように取り付けられている。また、ステータ44Sが上側に配置され、回転出力軸44Jは下方に向かって延びている。さらに、回転出力軸44Jにはウォームギヤ44Gが備えられ、ウォームギヤ44Gがウォームホイール45と噛合している。
図9に示すように、ウォームホイール45は、ウォームギヤ44Gとキャンセルレバー47の回動軸との中間位置に配置されている。ウォームホイール45は、ケース本体主板壁56から直角に起立したホイール支持シャフト45Jに回転可能に軸支されている。ホイール支持シャフト45Jの先端部は、カバー体70のカバー主板壁71に設けられた軸受部71B(図5(B)参照)に支持されており、ホイール支持シャフト45Jはケース本体主板壁56とカバー主板壁71の間で両持ち支持されている。また、ウォームホイール45は、ケース本体主板壁56との間にアクティブレバー34の扇形回動盤36が配設されるように(扇形回動盤36にオーバーラップするように)配置されている。
ウォームホイール45のうちケース本体主板壁56との対向面には、1対の係合突起45A,45Aとが突出して設けられている。両係合突起45A,45Aは、ウォームホイール45の回転中心を通る同一直線上に回転中心を挟んで配置されている。両係合突起45A,45Aは、一方がアクティブレバー34の係合凹部36Aに対峙すると、他方が扇形回動盤36の外周縁に対峙するようになっている。
電動モータ44によって図9に示すロック解除状態から図10に示すロック状態に切り替える場合、ウォームホイール45が図9における時計回り方向に回動する。このとき、一方の係合突起45Aが係合凹部36Aに進入して係合し、その係合突起45Aに押されてアクティブレバー34は反時計回りに回動する。そして、他方の係合突起45Aが扇形回動盤36の外周縁(係合凹部36Aの右側)に当接しかつ、一方の係合突起45Aが係合凹部36Aから退出すると、電動モータ44が停止してウォームホイール45も停止し、アクティブレバー34がロック位置に位置決めされる。
一方、電動モータ44によって図10に示すロック状態から図9に示すロック解除状態に切り替える場合、ウォームホイール45が図10における反時計回りに回動する。このとき、一方の係合突起45Aが係合凹部36Aに進入して係合し、その係合突起45Aに押されてアクティブレバー34は図10における時計回り方向に回動する。そして、他方の係合突起45Aが扇形回動盤36の外周縁(係合凹部36Aの左側)に当接しかつ、一方の係合突起45Aが係合凹部36Aから退出すると、電動モータ44が停止してウォームホイール45も停止し、アクティブレバー34がロック解除位置に位置決めされる。
キャンセルレバー47は、インサイドオープンレバー60と同様にカバー体70のカバー主板壁71に取り付けられている。
キャンセルレバー47は、カバー主板壁71のほぼ中央部からケース本体主板壁56に向かって略直角に起立した片持ち梁状のキャンセルレバー支持軸47Jに回動可能に軸支されている。詳細には、カバー主板壁71のうち、オープンリンク40の基端部よりリフトレバー63側でかつそのリフトレバー63より機構ケース22から離れた位置に、円筒ボス71Cが突出形成されており(図5(B)参照)、その円筒ボス71Cの内側に形成された共通支軸孔71D(本発明の「第2共通支軸部」に相当する)にキャンセルレバー支持軸47Jが嵌合固定されている。
キャンセルレバー47は、キャンセルレバー支持軸47Jから第1アーム48と第2アーム49とを突出して備えており、全体としてL字形状をなしている。第1および第2アーム48,49の各先端部には、当接部48A,49Aがそれぞれ形成されている。当接部48Aは、第1アーム48の下端部をカバー体70とは反対側に曲げ起こし、その曲げ起こした部分を図9に示すようにラッチ機構21側に突出させかつU字形に湾曲させた構造をなしている。この当接部48Aは、前記したようにオープンリンク40の当接ガイド面42に当接する。
一方、第2アーム49の当接部49Aは、第2アーム49の先端部をカバー体70とは反対側に曲げ起こし、その曲げ起こした部分を図9に示すようにラッチ機構21側に突出させかつU字形に湾曲させた構造をなしている。この当接部49Aは、リフトレバー63の上方に配置されている。
キャンセルレバー47は、カバー主板壁71とキャンセルレバー47との間に配設されたトーションスプリング47Aで付勢されている。具体的には、キャンセルレバー47は、図2における反時計回り方向付勢されており、第1アーム48の当接部48Aを、オープンリンク40の当接ガイド面42に常時押し付けるように付勢されている。
図9に示すロック解除状態でかつドアハンドル17,18が開操作されていない場合、キャンセルレバー47の当接部48Aは、当接ガイド面42の平面部42Aに当接する。これに対し、ドアハンドル17,18の開操作によりオープンリンク40が押し上げられると、キャンセルレバー47の当接部48Aが、当接ガイド面42の平面部42Aから曲面部42Bへと移行する。すると、キャンセルレバー47が図9における反時計回り方向に若干回動して、キャンセルレバー47の第2アーム49に備えた当接部49Aがリフトレバー63の上方に引き離され、リフトレバー63の回動領域から退避する。これにより、ロック解除状態でリフトレバー63がオープンリンク40によって押し上げられた場合に、リフトレバー63とキャンセルレバー47の当接部49Aとが干渉しないようになっている。
次に上記構成の車両ドアラッチユニット20の動作について説明する。まず、ドア10が閉止状態でかつ車両ドアラッチユニット20がロック解除状態のときに、インサイド又はアウトサイドのドアハンドル17,18を開操作した場合は以下のようである。図9に示すように、ロック解除状態では、アクティブレバー34がロック解除位置に位置すると共に、オープンリンク40が起立姿勢となっている。ドアハンドル17,18の開操作によりオープンリンク40が上方に押し上げられると、オープンリンク40の上端部がリフトレバー63を押し上げ、ポール24がラッチ解放位置に移動(図8の時計回り方向に回動)する。これにより、ラッチ23がアンラッチ位置(図8の時計回り方向)側へ回動可能となり、ドア10を開くことが可能となる。
このとき、オープンリンク40の上昇に伴い、キャンセルレバー47の当接部48Aは、当接ガイド面42の曲面部42Bに当接するので、キャンセルレバー47は図9における反時計回り方向に回動し、第2アーム49に備えた当接部49Aがリフトレバー63の回動領域から退避する。そのため、リフトレバー63とキャンセルレバー47とが当接することはない。
次に、ドア10が閉止状態でかつ車両ドアラッチユニット20がロック状態のときに、ドアハンドル17,18を開操作した場合は以下のようである。図10に示すように、ロック状態では、アクティブレバー34がロック位置に位置し、オープンリンク40が傾倒姿勢となっている。この状態でドアハンドル17,18を開操作すると、オープンリンク40は斜め上方に移動してリフトレバー63の側方を素通りする。従って、リフトレバー63が回動することはなく、ポール24がラッチ解放位置に移動することはない。つまり、ドアハンドル17,18の開操作が無効化され、ドア10を開くことが不可能となる。
次に、ドア10を開けた状態で車両ドアラッチユニット20がロック状態にされ、ドアハンドル17,18を開操作せずにドア10を閉止した場合の動作について説明する。この場合、ロック状態を解除するキャンセルロック機能が作動する。具体的には、図10に示すロック状態ではアクティブレバー34がロック位置に位置し、オープンリンク40が傾倒姿勢となっている。また、ドアハンドル17,18が開操作されていないから、図11に示すようにキャンセルレバー47の当接部48Aはオープンリンク40の当接ガイド面42のうち平面部42Aに突き当てられており、キャンセルレバー47の当接部49Aは、リフトレバー63に当接或いは近接配置されている。
このままドア10を閉めると、ストライカ13に押されてラッチ23が回動し、そのラッチ23に摺接しつつポール24がラッチ解放位置へと回動すると共に、ポール24と一体にリフトレバー63が回動し、そのリフトレバー63の先端部が図10における上方へ移動する。すると、リフトレバー63がキャンセルレバー47の当接部49Aを押し上げて、キャンセルレバー47が、図10における反時計回り方向に回動する。これにより、キャンセルレバー47の当接部48Aがオープンリンク40の当接ガイド面42をラッチ機構21側に押して、オープンリンク40が傾倒姿勢から図9に示す起立姿勢に戻され、さらに、オープンリンク40に引っ張られてアクティブレバー34がロック位置から図9に示すロック解除位置に戻される。即ち、車両ドアラッチユニット20は、ドア10が閉止する過程でロック状態がキャンセルされ、ロック解除状態へと強制的に切り替わる。
ところで、このようなキャンセルロック仕様の車両ドアラッチユニット20は、一般に、車両の前席(運転席、助手席)のドア10に対して取り付けられる。これに対し、車両の後席のドアに対しては、一般に、チャイルドプロテクト仕様の車両ドアラッチユニット20が取り付けられる。ここで、「チャイルドプロテクト」とは、ドア10がロック解除状態のときに、アウトサイドドアハンドル18の開操作によるドア10の開放を許容しつつ、インサイドドアハンドル17の開操作を無効にして、車内からのドア10の開放を禁止する機構である。そして、本発明の車両ドアラッチユニット20は、キャンセルロック仕様の車両ドアラッチユニット20の部品を一部組み替えることで、ハウジング50は共通使用したままで電動式のチャイルドプロテクト仕様にすることが可能となっている。
即ち、ハウジング50のケース本体主板壁56には、チャイルドプロテクト用の電動モータ95が取り付け可能となっている。また、カバー体70に備えられたインサイドオープンレバー共通支軸60Jには、キャンセルロック仕様のインサイドオープンレバー60に替えてチャイルドプロテクト仕様のインサイドオープンレバー65が組み付け可能となっている。また、カバー主板壁71の共通支軸孔71Dには、電動モータ95とチャイルドプロテクトレバー80との間を連結するギヤレバー90(本発明の「シーソーレバー」に相当する)が、キャンセルレバー47の替わりに軸支可能となっている。以下、キャンセルロック機構を備えた車両ドアラッチユニット20との相違点についてのみ説明する。
チャイルドプロテクト用の電動モータ95は、ケース本体主板壁56のうち、電動モータ44のステータ44Sとラッチ機構21とギヤレバー90とで囲まれたスペースに取り付けられている。電動モータ95は、その回転出力軸95Jが、ケース本体主板壁56と略平行となるように取り付けられている。また、電動モータ95のステータ95Sは、ラッチ機構21寄り位置に斜めに配置され、回転出力軸95Jは電動モータ44のステータ44Sに向かって斜め下方に延びている。そして、回転出力軸95Jには、ウォームギヤ95Gが固定され、ここにギヤレバー90の一端が噛合している。
上述したキャンセルロック仕様の車両ドアラッチユニット20では、インサイドオープンレバー60の当接部60Bと、アウトサイドオープンレバー30の当接部32Bは、インサイドオープンレバー60の回動により、直接、当接可能となっていた。これに対し、チャイルドプロテクト仕様の車両ドアラッチユニット20では、それらが直接当接しないようになっている。具体的には、チャイルドプロテクト仕様では、インサイドオープンレバー65の当接部65Bとアウトサイドオープンレバー30の当接部32Bは、インサイドオープンレバー65の回動軸であるインサイドオープンレバー共通支軸60Jと平行な方向(図15の紙面に直交する方向)でずらされている。なお、インサイドオープンレバー65は本発明の「内側操作特別従動レバー」に相当する。
ラッチ機構21の下方にはチャイルドプロテクトレバー80が配設されている。チャイルドプロテクトレバー80は、インサイドオープンレバー共通支軸60Jと後述するギヤレバー90とに連結されている。チャイルドプロテクトレバー80は、インサイドオープンレバー65からオープンリンク40への力の伝達を許容したアンセット位置と、力の伝達を遮断したセット位置との間で往復動可能となっている。
詳細には、チャイルドプロテクトレバー80は、プレート状のガイド部材81を備えている。ガイド部材81にはガイド溝81Aと湾曲ガイド片82とが形成されている。ガイド溝81Aはガイド部材81の先端側に形成されて横長形状をなすと共に、先端側に開放しており、このガイド溝81Aをインサイドオープンレバー共通支軸60Jが摺動可能に貫通している。インサイドオープンレバー共通支軸60Jが図13及び図15に示すようにガイド溝81Aの開放端側に位置したときのチャイルドプロテクトレバー80の位置がセット位置であり、図12及び図14に示すようにガイド溝81Aの奥端部に位置したときがアンセット位置である。
湾曲ガイド片82は、ガイド部材81の長手方向の中間部から下方に延設されている。湾曲ガイド片82は、インサイドオープンレバー共通支軸60Jを中心とした円弧状をなしており、先端側部分が二股に分かれて1対の係止可撓片82A,82Aが形成されている。係止可撓片82A,82Aは、互いに近づく方向に弾性変形可能であり、それらの先端には共に矢尻形状の係止部82B,82Bが形成されていてる。また、ガイド部材81のうち、湾曲ガイド片82とガイド溝81Aとの間には、インサイドオープンレバー共通支軸60Jを中心とした円弧状のスリット83が形成されている。
湾曲ガイド片82にはスライド部材84が摺動可能に取り付けられている。スライド部材84は、湾曲ガイド片82を板厚方向で挟んだ1対の挟持板84A,84Bを互いに平行な脚部(図示せず)で連結した構造をなしている。これら脚部は、それぞれ湾曲ガイド片82の両側面に摺接可能となっている。スライド部材84は、湾曲ガイド片82の先端側から両係止可撓片82A,82Aを弾性変形させつつ挿入して取り付けられ、両係止可撓片82A,82Aに形成された係止部82B,82Bにて抜け止めされている。
スライド部材84のうち、湾曲ガイド片82とケース本体主板壁56との間に挟まれた方の挟持板84Bからは、ケース本体主板壁56に向かって中継ボス85(本発明の「中継可動部材」に相当する)が突出形成されている。
チャイルドプロテクトレバー80が図14に示すアンセット位置に位置するとき、中継ボス85はインサイドオープンレバー65の当接部65Bの回動領域内に配置される。従って、インサイドドアハンドル17の開操作により、インサイドオープンレバー65が回動すると、当接部65Bが中継ボス85を下方から押圧して、スライド部材84が湾曲ガイド片82に沿って上方に移動する。そして、中継ボス85がアウトサイドオープンレバー30の当接部32Bに下方から押し付けられると、アウトサイドオープンレバー30が図3における時計回り方向に回動し、オープンリンク40が上方に押し上げられる。つまり、インサイドオープンレバー65からオープンリンク40へと操作力が伝達する。このとき、車両ドアラッチユニット20がアンロック状態、即ち、オープンリンク40が起立姿勢(アクティブレバー34がロック解除位置)にあれば、オープンリンク40によってリフトレバー63が押し上げられ、車内からドア10を開放することが可能となる。これに対し、車両ドアラッチユニット20がロック状態、即ち、オープンリンク40が傾倒姿勢であれば、前述したように、リフトレバー63が押し上げられることはなく、ドア10を車内から開放することはできない。
チャイルドプロテクトレバー80が図15に示すセット位置に位置するとき、スライド部材84に備えた中継ボス85はインサイドオープンレバー65の当接部65Bの回動領域の外に退避している。従って、インサイドドアハンドル17の開操作によりインサイドオープンレバー65が回動しても、その当接部65Bが中継ボス85に当接することはない。また、インサイドオープンレバー65の当接部65Bは、アウトサイドオープンレバー30の当接部32Bに直接当接しないので空振りし、アウトサイドオープンレバー30及びオープンリンク40が押し上げられることはない。つまり、インサイドオープンレバー65からオープンリンク40への操作力の伝達が遮断される。従って、車両ドアラッチユニット20がロック解除状態になっていても、ドア10を車内のインサイドドアハンドル17の開操作によって開放することが不可能となる。
チャイルドプロテクトレバー80のうち、ガイド部材81の基端部には、ケース本体主板壁56に向かって突出した連結凸部81Cが形成されている。この連結凸部81Cが、ギヤレバー90の連結アーム92に備えた連結孔92Aに凹凸係合している。
ギヤレバー90は、ギヤレバー支持軸90Jによって回動可能に軸支されている。ギヤレバー支持軸90Jは、キャンセルレバー支持軸47Jの替わりに、カバー主板壁71に形成された共通支軸孔71Dに組み付け可能となっている。ギヤレバー支持軸90Jは、スナップフィット構造をなした複数の脚部を備えている。それら脚部はギヤレバー90に備えた複数の脚部挿通孔を貫通しており、その状態で先端部が共通支軸孔71Dの周縁部に係止している。
ギヤレバー90は、ギヤレバー支持軸90Jから上方に向かって延びた扇形ギヤ板91を備えると共に、ギヤレバー支持軸90Jから下方に向かって延びた連結アーム92を備えている。扇形ギヤ板91は、ギヤレバー支持軸90Jを中心とした扇形状をなしており、その外周面にギヤ91Gが形成されている。このギヤ91Gに、電動モータ95の回転出力軸に備えたウォームギヤ95Gが噛合している。
連結アーム92の下端部には、連結孔92Aが貫通形成されており、チャイルドプロテクトレバー80(ガイド部材81)の基端部から突出した連結凸部81Cが受容されている。
このギヤレバー90によって電動モータ95の駆動力がチャイルドプロテクトレバー80に伝達され、チャイルドプロテクトレバー80がセット位置とアンセット位置とに電動で切り替えられる。
具体的には、チャイルドプロテクトレバー80が図12に示すアンセット位置のときに、電動モータ95によってギヤレバー90が同図における時計回り方向に回動すると、チャイルドプロテクトレバー80が連結アーム92に引っ張られてセット位置(図13の状態)に切り替わる。このとき、扇形ギヤ板91に突出形成されたボス91Aが、ケース本体主板壁56に固定されたクリックバネ93の括れ部を押し広げつつ通過して、アンセット位置への逆戻りを規制する。
また、チャイルドプロテクトレバー80が図13に示すセット位置のときに、電動モータ95によってギヤレバー90が同図の反時計回り方向に回動すると、チャイルドプロテクトレバー80が連結アーム92に押されてアンセット位置(図12の状態)に切り替わる。このとき、ボス91Aがクリックバネ93の括れ部を押し広げつつ通過して、セット位置への逆戻りを規制する。
このように本実施形態によれば、車両ドアラッチユニット20を、キャンセルロック仕様にする場合とチャイルドプロテクト仕様にする場合とで、ハウジング50のインサイドオープンレバー共通支軸60Jと共通支軸孔71Dに組み付ける部品を組み替え可能としたことで、ハウジング50の共通化が図られ、ハウジング50に係る部品コストの低減を図ることができる。よって、チャイルドプロテクトを電動式にすることに伴う製品価格の上昇を抑えることができる。
また、電動モータ44,95の回転出力軸44J,95Jが、ケース本体主板壁56に平行になるように取り付けられているので、ケース本体主板壁56と直交する方向への大型化を防ぐことができる。
また、ハウジング50をケース体50Aとカバー体70とに分割可能として、ケース体50Aには、キャンセルロック仕様及びチャイルドプロテクト仕様とで共通使用される部品(アクティブレバー34及びオープンリンク40)を組み付け可能とし、カバー体70にはチャイルドプロテクト仕様にした場合とキャンセルロック仕様にした場合とで組み替えられる部品(ギヤレバー90とキャンセルレバー47)が組み付け可能となっているので、組み付けの作業性を向上することができる。
なお、本実施形態で例示した車両ドアラッチユニット20は、以下の構成を備えている。即ち、ハウジング50(機構ベース)のうちリフトレバー63(ポール駆動レバー)に対してインサイドオープンレバー共通支軸60J(第1共通支軸部)と反対側の領域には、共通支軸孔71D(第2共通支軸部)に対して機構ケース22(固定ベース)寄りに電動モータ95のステータ95Sが配置されると共に、その電動モータ95の回転出力軸95Jは、ハウジング50のケース本体主板壁56(主平面)と平行かつステータ95Sから機構ケース22に対して離れる側に延び、電動モータ95の回転出力軸95Jにウォームギヤ95Gを一体回転可能に固定しかつ、ギヤレバー90の一端部に、ウォームギヤ95Gに噛合した扇形ギヤ板91が形成された車両ドアラッチユニット20である。
また、ハウジング50のうち共通支軸孔71Dに対して機構ケース22と反対側には、ウォームホイール45がケース本体主板壁56と略直交する回転軸を中心に回転可能に軸支され、ハウジング50のうちウォームギヤ95Gを挟んで電動モータ95のステータ95Sと反対側には、電動モータ44のステータ44Sが配置されると共に、その電動モータ44Sの回転出力軸44Jは、ケース本体主板壁56と平行に延び、電動モータ44の回転出力軸44Jにウォームギヤ44Gを一体回転可能に固定してウォームホイール45に噛合させ、ハウジング50のうちインサイドオープンレバー共通支軸60Jと共通支軸孔71Dとの間に配置されると共に、ウォームホイール45と連動回転可能に連結し、電動モータ44の動力を受けて、オープンリンク40(ロック切替部材)をロック解除位置とロック位置とに切り替えることが可能なアクティブレバー34が設けられた車両ドアラッチユニット20である。
さらに、ハウジング50は、ストライカ13の進退方向で1対のケース体50Aとカバー体70(1対の機構ベース構成体)に分割可能とされ、カバー体70(一方の機構ベース構成体)に、インサイドオープンレバー共通支軸60Jと共通支軸孔71Dとを設けると共にガイド部材81を組み付け可能とし、ケース体50(他方の機構ベース構成体)に、リフトレバー63、アウトサイドオープンレバー30(外側操作従動レバー)及びオープンリンク40を組み付け可能とした車両ドアラッチユニット20である。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、ロック切替用の電動モータ44及びウォームホイール45を備えた構成であったが、それらを備えていない車両ドアラッチユニットに本発明を適用してもよい。
(2)本発明の「第1共通支軸部」としてのインサイドオープンレバー共通支軸60Jは、カバー体70に軸支されていたが、ケース本体部55に軸支してもよい。また、第1共通支軸部は、カバー体70又はケース本体部55に形成されて、インサイドオープンレバー60,65を回転可能に軸支する軸体を起立状態に支持可能なな支持孔で構成してもよい。
(3)本発明の「第2共通支軸部」は、カバー体70に形成された共通支軸孔71Dであったが、カバー体70又はケース本体55から起立した軸体を「第2共通支軸部」としてもよい。