JP7000736B2 - 車両用ハンドル装置 - Google Patents
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Description
このハンドル装置は、ベース部材である支持部材(フレーム)と、アウトサイドハンドル(アウターハンドル)と、を備えている。
支持部材は、このアウタパネルの車内側面に固定されている。支持部材には係合部(係止部)が形成されている。さらに支持部材には、回転支持部(支持部)、及び、回転支持部に隣接する隣接空間(挿入口)が形成されている。
回転軸は、アウタパネルに形成された貫通孔を通してアウタパネルの車内側に位置し且つ支持部材の回転支持部に回転可能に支持されている。そのためアウトサイドハンドルは、支持部材に対して、回転軸まわりに第1初期位置と第1操作位置との間を回転可能である。
押圧アームは、アウタパネルに形成された貫通孔を通してアウタパネルの車内側に位置している。さらに押圧アームの車内側端部(先端部)には押圧部が形成されている。
さらにベルクランクは被押圧部と係合爪とを備えている。
そのため、アウトサイドハンドルが第1初期位置に位置することによりベルクランクが第2初期位置に位置するとき、ロック装置はラッチ状態となり車両ドアが車体に対して開放動作を行うことを規制する。一方、アウトサイドハンドルが第1操作位置に位置することによりベルクランクが第2操作位置に位置するとき、ロック装置はアンラッチ状態となり車両ドアが車体に対して開放動作を行うことを許容する。
なお、支持部材をアウタパネルの車内側面に固定した後に、ベルクランクを仮保持位置及び組付用位置に仮保持してもよい。
さらに回転軸を支持部材に形成された上記隣接空間に位置させ、且つ、押圧アームの押圧部をベルクランクの被押圧部に接近させる。
ベルクランクとアウトサイドハンドルとがこのような位置関係になると、上記隣接空間に位置する回転軸が回転支持部側に移動するように、アウトサイドハンドルを支持部材(アウタパネル)に対して相対移動させることが可能になる。換言すると、アウトサイドハンドルがベルクランクと干渉することなく、アウトサイドハンドルの回転軸が回転支持部側に移動可能になる。そのため、アウトサイドハンドルの回転軸が支持部材の回転支持部によって回転可能に支持される。さらに押圧アームの押圧部がベルクランクの被押圧部に対して車内側から接触する。
そのため、ベルクランク付勢手段の付勢力によって、ベルクランクのスライド方向位置が非保持位置側となり且つ回転方向位置が第2初期位置になる。
周知のようにロック装置は、車体に固定されたストライカと係脱するラッチ、及び、ラッチと係脱するポールを備えている。さらにロック装置は、ストライカを解放する方向にラッチを回転付勢するラッチ付勢手段、及び、ポールをラッチと係合する方向に回転付勢するポール付勢手段、を備えている。さらにベルクランクと連係する上記連係ロッドは、ロック装置の構成部品であり且つポールと連係するポール連係部材(オープンレバー)に接続されている。
そのため、作業者が手をアウトサイドハンドルから離すことによりアウトサイドハンドルが第1操作位置から第1初期位置側へ回転すると、ベルクランクが第2操作位置から組付用位置まで回転したときにベルクランクの係合爪が支持部材の係合部と不意に係合する。即ち、アウトサイドハンドルを第1初期位置に回転復帰させる(ベルクランクを第2初期位置に回転復帰させる)ことができなくなる。
本発明は、車体に移動可能に支持され且つロック装置を備える車両ドアに固定される支持部材と、
前記支持部材に初期位置と操作位置との間を回転可能に支持され、前記ロック装置と連係した状態で前記初期位置に位置するときに前記ロック装置を前記車両ドアの閉止状態を保持可能なラッチ状態にし且つ前記操作位置に位置するときに前記ロック装置を前記車両ドアが開放するのを許容するアンラッチ状態にするベルクランクと、
自身の押圧部が前記ベルクランクに形成された被押圧部と接触する状態で前記支持部材に回転可能に装着された場合に、回転することにより前記被押圧部及び前記押圧部を介して前記ベルクランクを前記初期位置と前記操作位置との間で回転させるハンドルと、
前記ベルクランクに第1位置と第2位置との間をスライド可能且つ前記第1位置に移動付勢されるように支持されるとともに、前記第2位置にて前記支持部材に形成された係合部と係合する被係合部を有し、前記被係合部が前記支持部材の前記係合部に係合することにより前記ベルクランクを前記初期位置と前記操作位置との間の組付用位置に仮保持するように構成された仮保持部材と、
を備える。
さらに、ハンドルの支持部材に対する装着が完了した後にハンドルを操作位置側へ回転させると、仮保持部材の被係合部が支持部材の係合部から分離する。すると第1位置に移動付勢されている仮保持部材が第1位置に自動的に移動する。
しかし本発明の仮保持部材はベルクランクに対して第1位置と第2位置との間をスライド可能である。そのため、ベルクランク操作力が仮保持部材とベルクランクとの間に作用することはない。さらに仮保持部材はベルクランクに対して第1位置に移動付勢されている。従って、ベルクランクに伝わったベルクランク操作力によって、仮保持部材がベルクランクに対して第1位置から相対移動することはない。
従って、この後にベルクランクを初期位置へ回転させる方向にハンドルを回転操作すると、ベルクランクは初期位置まで確実に回転する。
従って、仮保持部材の被係合部が支持部材の係合部から分離した後にベルクランクを初期位置へ回転させる方向にハンドルを回転操作したときに、ベルクランクは初期位置へより確実に回転する。
前記支持部と前記仮保持部材との間に、前記仮保持部材を前記第1位置に移動付勢する付勢手段が設けられ、
前記仮保持部材が、前記第1位置に位置するときに前記支持部と係合することにより、前記仮保持部材が前記第2位置と反対側に移動するのを規制するストッパを有してもよい。
前記仮保持部材が、前記支持部の内部空間にスライド可能に挿入され、
前記ストッパが、前記ストッパ用孔内にスライド可能に位置し、且つ、前記ストッパ用孔の内面の一部であるストッパ面に当接することにより前記仮保持部材が前記第2位置と反対側に移動するのを規制してもよい。
前記仮保持部材が、自身の外周側に前記圧縮コイルバネが配置される環状面であり且つ前記軸線方向の位置が前記ストッパとは異なる付勢手段装着部を備え、
前記軸線方向に沿って前記仮保持部材を見たときに、前記付勢手段装着部の内周側に前記ストッパが位置してもよい。
図1に示す車両ドア10は、車体(図示略)に対して前後方向にスライド可能に支持されており、車体の側面に形成された開口部を開閉可能である。本実施形態の車両ドア10は左側のサイドドアである。
車両ドア10の下半部を構成するドア本体11の車外側面は金属板からなるアウタパネル12により構成されている。図2に示すように、アウタパネル12の上部の前部には前後一対の組付用貫通孔12a、12bが形成されている。
車両ドア10の内部には、その一部が車両ドア10の後端面において露出するロック装置13が設けられている。このロック装置13は、ラッチ、ポール(リフトレバー)、オープンリンク、及びアウトサイドオープンレバーを備える周知のロック装置である。さらにラッチ及びポールはスプリングの付勢力によって特定の方向に回転付勢されている。ロック装置13(のオープンリンク)は、車両ドア10の車内側面を構成するトリム(図示略)の上端面に上下方向にスライド自在に設けられたロックノブ14と連係している。ロックノブ14は、アンロック位置(図1の位置)と、アンロック位置より下方のロック位置(図示略)と、の間を上下動可能である。さらにロック装置13は、アウタパネル12に対して相対回転可能なアウトサイドハンドル55を具備するハンドル装置20と連係している。
ハンドル装置20は、主要な構成要素として、支持部材21、ベルクランクユニット30、及びアウトサイドハンドル55を具備している。
図2乃至図4に示すように、支持部材21の後端近傍部には支持部材21を車幅方向(車内外方向)に貫通する隣接空間22が凹設されている。さらに支持部材21の上面及び下面の後端近傍部には開口部23が形成されている(下面側の開口部23については図示略)。なお上下の開口部23は隣接空間22の後端部と連続(連通)している。さらに支持部材21の上面及び下面の後端近傍部には、対応する開口部23内に位置する片持ち梁状の押さえ片24がそれぞれ設けられている(下方の押さえ片24は図示略)。上下の押さえ片24の先端部には車外側に突出する軸押さえ爪25が設けられている。
支持部材21の前部には、支持部材21を車幅方向に貫通するアーム用貫通孔26が形成されている。
図4等に示すように、支持部材21の車内側面の前部には、アーム用貫通孔26の上方に位置する前後一対の軸受部27が設けられている。さらに前後の軸受部27には、その軸線が前後方向に延びる軸受孔28がそれぞれ形成されている。前後の軸受孔28の車内側面の一部は開口している。さらに前側の軸受孔28の後端面及び後側の軸受孔28の前端面は開口している。
図4及び図28に示すように、支持部材21の前後一対の軸受部27の上端面は傾斜面からなる仮ストッパ面27aとなっている。
さらに図2乃至図5、図28、及び図29に示すように、支持部材21の前端近傍部には前側の軸受部27より前方に位置する壁である仮保持用突部29が設けられている。さらに仮保持用突部29の上端近傍部の車内側端部には下方に向かって突出する係合部29aが設けられている。係合部29aは、周辺部に比べて薄肉である。
ベルクランク31の下端部には回転中心軸32から車内側に延び且つ回転中心軸32に対して略直交する入力アーム33が設けられている。入力アーム33の先端部(車内側端部)は被押圧部33aにより構成されている。ベルクランク31の上下方向の中央部にはロッド接続孔34が形成されている。
ベルクランク31の上端部にはカウンターウェイト35が設けられている。
カウンターウェイト35の前端部の下面には支持部36が設けられている。支持部36はその軸線が前後方向に延びる筒状体である。支持部36の内部空間は支持孔37によって構成されている。図7、図10乃至図14に示すように支持孔37の断面形状は非円形である。さらに支持部36の下面には、支持孔37と連通する略長方形のストッパ用孔38が形成されている。ストッパ用孔38の後端面にはストッパ面39が形成されている(図7及び図14参照)。
本体部42のフランジ部41側の端部を除く部分は断面非円形の挿入部43である。挿入部43の断面形状は、支持部36の支持孔37の断面形状と略同一である。即ち、挿入部43の外周面の一部は平面43aにより構成されている。本体部42のフランジ部41側の端部の外周面には、断面円形の環状面である付勢手段装着部44が形成されている。
挿入部43には、挿入部43を径方向に貫通し且つ平面形状が略長方形をなすストッパ収納孔45が形成されている。さらにストッパ収納孔45の後端面からはストッパ46が前方に向かって延びている。即ち、ストッパ46は片持ち梁である。ストッパ46の前端はストッパ収納孔45の前端面より後方に位置する。さらにストッパ46の前端には下方に向かって延びる爪部47が形成されている。図8、図9、図18、及び図19等に示すように、爪部47の後面は前後方向に対して直交する係止面47aであり、爪部47の前面は前後方向及び上下方向に対して傾斜する傾斜面47bである。図12及び図16乃至図19に示すように、ストッパ46が自由状態にあるとき、爪部47の下端は付勢手段装着部44より僅かに内周側に位置し且つ平面43aの外周側(下方)に位置する。
さらに本体部42の前端部の上面には凹溝である被係合部48が形成されている。
これらを一体化するには、まず圧縮コイルバネ50の内部空間に仮保持部材40の本体部42を後方から挿入し且つ圧縮コイルバネ50を付勢手段装着部44の外周側に位置させる。上述のように、ストッパ46が自由状態にあるとき爪部47の下端は付勢手段装着部44より僅かに内周側に位置し、且つ、圧縮コイルバネ50の内径は付勢手段装着部44の径より大きい。そのため、圧縮コイルバネ50の内部空間に仮保持部材40の本体部42を挿入するとき、仮保持部材40の爪部47と圧縮コイルバネ50とが干渉するおそれは小さい。そのため、仮保持部材40と圧縮コイルバネ50とを簡単に組み付けることが可能である。
そして、挿入部43を支持孔37に対してある程度の挿入量だけ挿入すると、爪部47がベルクランク31の支持部36のストッパ用孔38と支持孔37の径方向に対向する。すると、図11に示すようにストッパ46が自由状態に復帰するので、爪部47がストッパ用孔38内に位置する。さらに、図8及び図9に示すように、爪部47の係止面47aがストッパ用孔38のストッパ面39と前後方向に対向する。爪部47がストッパ用孔38内に位置したときに、ベルクランク31、仮保持部材40、及び圧縮コイルバネ50の一体化作業が完了する。換言すると、ベルクランク31、仮保持部材40、及び圧縮コイルバネ50からなるベルクランクユニット30が完成する。
仮保持部材40の挿入部43は支持部36の支持孔37に対して前後方向にスライド可能である。さらに、挿入部43及び支持孔37の断面形状は互いに略同一の非円形形状である。そのため、仮保持部材40の支持部36に対する相対回転は規制される。
一方、圧縮コイルバネ50の付勢力より大きい前向きの外力を仮保持部材40に与えると、爪部47の係止面47aがストッパ用孔38のストッパ面39から前方に離間し、仮保持部材40が支持部36に対して前方に相対移動する。その結果、仮保持部材40が仮保持位置(第2位置)に位置する(図9、図22、及び図23参照)。そして、仮保持部材40が仮保持位置に位置するときにこの外力を消失させると、圧縮コイルバネ50の付勢力によって仮保持部材40は自動的に非保持位置に復帰する。
そして、図22乃至図24に示すように、入力アーム33を支持部材21のアーム用貫通孔26に位置させた状態で、捩じりコイルバネ53と一体化した回転中心軸32の前後の被支持部32aが、支持部材21の前後の軸受部27の軸受孔28に対して車内側から挿入される。回転中心軸32の前後の被支持部32aを対応する軸受孔28に挿入するときに被支持部32a及び軸受部27の少なくとも一方の部材が弾性変形し、且つ、挿入が完了するとこの部材は自由状態に復帰する。そして、ベルクランクユニット30が軸受孔28(軸受部27)に対して回転中心軸32まわりに相対回転可能になる。
さらに、ベルクランク31の支持部材21(前後の軸受部27)に対する前後方向の相対移動は微小範囲に制限される。より詳細には、ベルクランク31の支持部材21に対する前方への相対移動は、軸本体32bの前端面が前方の軸受部27の後面に接触する位置で規制され、且つ、ベルクランク31の支持部材21に対する後方への相対移動は、軸本体32bの後端面が後方の軸受部27の前面に接触する位置で規制される。即ち、ベルクランク31の支持部材21に対する前後方向への相対移動は、軸本体32bの前端面と前方の軸受部27の後面との間の微小隙間及び軸本体32bの後端面と後方の軸受部27の前面との間の微小隙間の合計寸法の範囲においてのみ可能となる。
仮保持部材40が図21の位置よりも車内側に位置するまでベルクランク31を回転させると、仮保持部材40の前面が仮保持用突部29と前後方向に対向しなくなる。この状態で、作業者が手等を用いて、圧縮コイルバネ50の付勢力に抗して仮保持部材40を仮保持位置まで移動させると、仮保持部材40の前端部と仮保持用突部29(係合部29a)との前後方向位置が一致する。
そして、仮保持部材40を仮保持位置に維持したままベルクランク31に及ぼしていた上記外力を消失させると、捩じりコイルバネ53の回転付勢力によってベルクランク31が図24の時計方向に回転する。その結果、図22、図23、及び図24に示すように、仮保持部材40の被係合部48が支持部材21の仮保持用突部29の係合部29aに対して車内側から係合する。そのためベルクランクユニット30(ベルクランク31)の支持部材21に対する相対回転位置は、係合部29a及び被係合部48によって、図22、図23、及び図24に示す組付用位置に仮保持される。
把持部59は略前後方向に延びており且つその平面形状は略U字形である。把持部59の車外側面は湾曲面である。図2、図3、図5、図25、及び図26に示すように、把持部59の車内側面の前端近傍には把持用突部60が車内側に向けて突設されている。この把持用突部60は、車外に位置する乗員が手で把持部59を把持するときに、乗員が手の指を引っ掛ける部位である。換言すると、把持用突部60は乗員が手で把持部59を把持し易くするための部位である。
ハンドル本体58の後端部には車内側に向かって延びる後方挿入部61が設けられている。さらに後方挿入部61の後端部には、軸線が上下方向に延びる円柱である回転軸62が固定されている。回転軸62の上端は後方挿入部61より上方に位置し且つ回転軸62の下端は後方挿入部61より下方に位置する。
ハンドル本体58の前端部には車内側に向かって延びる押圧アーム64が設けられている。さらに押圧アーム64の先端部(車内側端部)には後方に向かって延びる押圧部65が形成されている。
さらに後方挿入部61及び回転軸62を支持部材21の隣接空間22に挿入する。さらに図25に示すように、押圧アーム64を支持部材21のアーム用貫通孔26に挿入し、アーム用貫通孔26内において入力アーム33の直前に位置させる。
ベルクランクユニット30とハンドル本体58とがこのような位置関係になると、隣接空間22に位置する回転軸62が押さえ片24側(後方)に移動するように、ハンドル本体58を支持部材21に対して後方へ相対移動させることが可能になる。換言すると、ハンドル本体58の押圧部65がベルクランク31の入力アーム33と干渉することなく、ハンドル本体58の回転軸62を後方へ移動させることが可能になる。
ハンドル本体58が後方へ移動すると、ハンドル本体58の回転軸62の上下両端部が支持部材21の上下の開口部23内に位置する。そして、回転軸62の上端部が上側の開口部23の内面(車内側面)と対応する押さえ片24との間に進入し、且つ、回転軸62の下端部が下側の開口部23の内面(車内側面)と対応する押さえ片24との間に進入する。さらにこのとき、上下の押さえ片24が車外側に弾性変形しながら対応する開口部23の内面との間で回転軸62を挟持し、且つ、上下の押さえ片24の軸押さえ爪25が前方から回転軸62の上下両端部にそれぞれ接触する。従って、ハンドル本体58の回転軸62が上下の開口部23の内面及び上下の押さえ片24(軸押さえ爪25)によって回転可能に支持される。さらに図26に示すように、押圧アーム64の押圧部65が入力アーム33の被押圧部33aに対して車内側から接触する。
また、入力アーム33が図27に示す位置に位置するときに、押圧アーム64の押圧部65を入力アーム33の被押圧部33aに対して車内側から接触させるために、図27に示す位置にあるハンドル本体58を支持部材21に対して後方且つ車内側に相対移動させる場合(即ち、ハンドル本体58を車幅方向及び前後方向に対して平面視で傾斜する方向に移動させる場合)を想定する。しかしこの場合は、ハンドル本体58の把持用突部60が支持部材21の車外側面と干渉するので、押圧アーム64の押圧部65を入力アーム33の被押圧部33aの車内側へ移動させることができない。
図28に示すように、作業者が手でハンドル本体58を把持しながらハンドル本体58を車外側への回転方向の限界位置である第1操作位置まで回転させると、被押圧部33a(入力アーム33)が押圧部65によって車外側に押圧されたベルクランク31が組付用位置から図28に示す第2操作位置(操作位置)まで回転する。従って、仮保持部材40の被係合部48が支持部材21の係合部29aから車内側へ離れる。すると、図28に示すように、捩じりコイルバネ53の付勢力によって、仮保持部材40が非保持位置へ移動する。
そしてアウトサイドハンドル55の一部が車外側から支持部材21の車外側面に接触したときに、アウトサイドハンドル55の回転が図5及び図29に示す第1初期位置で規制される。
さらにこのときベルクランク31が図5及び図29に示す第2初期位置(初期位置)に位置する。この第2初期位置は、ベルクランク31が上記仮初期位置から図24の反時計方向に僅かに回転した位置である。即ち、ベルクランク31が第2初期位置に位置するとき、ベルクランク31は仮ストッパ面27aから車内側へ僅かに離間する。
一方、ロックノブ14がアンロック位置に位置する状態で、アウトサイドハンドル55を第1初期位置から第1操作位置へ回転させると、アウトサイドオープンレバーが回転し、さらにアウトサイドオープンレバーの回転力がオープンリンク及びポールを介してラッチに伝わる。その結果、ロック装置13はラッチがストライカを解放するアンラッチ状態となる。従って、車両ドア10を車体に対して開方向に回転させることが可能になる。
そのため、ベルクランク操作力Fの前向きの分力が連係ロッド70からベルクランク31に伝わると、ベルクランク31が支持部材21に対して前方へ相対スライドすることがある。しかし、上述のように、このときのベルクランク31の相対スライド量は微小量である。換言すると、仮保持部材40が非保持位置に位置する場合に、ベルクランク操作力Fの前向きの分力によってベルクランク31が支持部材21に対して前方へ相対スライドしても、仮保持部材40の前端は仮保持用突部29(係合部29a)より後方に位置する。
さらに仮保持部材40はベルクランク31に非保持位置と仮保持位置との間を相対スライド可能に支持されている。即ち、ベルクランク操作力Fの前向きの分力がベルクランク31と仮保持部材40との間に作用することはない。従って、ベルクランク31に伝わったベルクランク操作力Fの前向きの分力によって、圧縮コイルバネ50によって非保持位置に移動付勢されている仮保持部材40が仮保持位置へ移動することはない。
従って、第1初期位置に位置するアウトサイドハンドル55を第1操作位置まで回転させた後にアウトサイドハンドル55を第1初期位置側へ回転させると、アウトサイドハンドル55が第1初期位置まで確実に回転復帰し且つベルクランク31が第2初期位置へ確実に回転復帰する。
Claims (5)
- 車体に移動可能に支持され且つロック装置を備える車両ドアに固定される支持部材と、
前記支持部材に初期位置と操作位置との間を回転可能に支持され、前記ロック装置と連係した状態で前記初期位置に位置するときに前記ロック装置を前記車両ドアの閉止状態を保持可能なラッチ状態にし且つ前記操作位置に位置するときに前記ロック装置を前記車両ドアが開放するのを許容するアンラッチ状態にするベルクランクと、
自身の押圧部が前記ベルクランクに形成された被押圧部と接触する状態で前記支持部材に回転可能に装着された場合に、回転することにより前記被押圧部及び前記押圧部を介して前記ベルクランクを前記初期位置と前記操作位置との間で回転させるハンドルと、
前記ベルクランクに第1位置と第2位置との間をスライド可能且つ前記第1位置に移動付勢されるように支持されるとともに、前記第2位置にて前記支持部材に形成された係合部と係合する被係合部を有し、前記被係合部が前記支持部材の前記係合部に係合することにより前記ベルクランクを前記初期位置と前記操作位置との間の組付用位置に仮保持するように構成された仮保持部材と、
を備える、車両用ハンドル装置。 - 請求項1記載の車両用ハンドル装置において、
前記ベルクランクの前記支持部材に対する前記仮保持部材のスライド方向と平行な方向の相対移動可能範囲が、前記第1位置に位置する前記仮保持部材の前記被係合部の前記係合部に対する係合を不能にする範囲に制限された、車両用ハンドル装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用ハンドル装置において、
前記ベルクランクが前記仮保持部材をスライド可能に支持する支持部を有し、
前記支持部と前記仮保持部材との間に、前記仮保持部材を前記第1位置に移動付勢する付勢手段が設けられ、
前記仮保持部材が、前記第1位置に位置するときに前記支持部と係合することにより、前記仮保持部材が前記第2位置と反対側に移動するのを規制するストッパを有する、車両用ハンドル装置。 - 請求項3項に記載の車両用ハンドル装置において、
前記支持部が、前記仮保持部材のスライド方向と平行な方向に延び、且つ、内周面にストッパ用孔が形成された筒状体であり、
前記仮保持部材が、前記支持部の内部空間にスライド可能に挿入され、
前記ストッパが、前記ストッパ用孔内にスライド可能に位置し、且つ、前記ストッパ用孔の内面の一部であるストッパ面に当接することにより前記仮保持部材が前記第2位置と反対側に移動するのを規制する、車両用ハンドル装置。 - 請求項3又は4に記載の車両用ハンドル装置において、
前記付勢手段が、その軸線方向が前記仮保持部材のスライド方向と平行に延び且つ前記支持部と前記仮保持部材との間で自由状態より圧縮された状態に保持される圧縮コイルバネであり、
前記仮保持部材が、自身の外周側に前記圧縮コイルバネが配置される環状面であり且つ前記軸線方向の位置が前記ストッパとは異なる付勢手段装着部を備え、
前記軸線方向に沿って前記仮保持部材を見たときに、前記付勢手段装着部の内周側に前記ストッパが位置する、車両用ハンドル装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017156722A JP7000736B2 (ja) | 2017-08-15 | 2017-08-15 | 車両用ハンドル装置 |
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