JP7118436B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
かかる遊技機では、所定の実行条件の成立に基づいて当否判定を実行し、この当否判定で当選すると、遊技者に遊技上の特典を付与する。つまり、弾球式の遊技機(パチンコ機)では特典として大当り遊技が実行され、回胴式の遊技機(スロットマシン)ではボーナス遊技(ボーナスゲーム)が実行される。
この種の遊技機では、当選確率を設定したり、変更したりすることをパチンコホールの従業員等が行い、遊技者に対してはその設定(設定値)が直接、明示されないのが一般的である。
設定機能を備えた遊技機(弾球式の遊技機、回胴式の遊技機)の多くは、現在(その時点に)、設定されている設定値(現在、設定されている当選確率に対応する設定値)を、遊技者に対して示唆する設定示唆演出を実行する。このため、遊技者は、設定示唆演出を通じて、遊技対象としている遊技機の現在の設定(設定値)が、何れであるかを予測しつつ遊技を行うのが一般的である(例えば、特許文献2を参照)。
このように、1回目と2回目の設定示唆演出の出現間隔がそれほど長くない状態で(例えば、1回目の設定示唆演出に関する記憶が鮮明なときに)、2回目の設定示唆演出と、1回目の設定示唆演出の示唆内容が真逆であると(相反する示唆内容が出現すると)、遊技者はどのように推測してよいか判らなくなり、無用の混乱を生ずる可能性がある。
当否判定を実行する当否判定実行手段と、前記当否判定で当選することに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を備え、
前記当否判定の当選確率が、複数種別の当選確率の中から選択される所定の当選確率に設定可能な遊技機であって、
現在、設定されている当選確率を示唆する設定示唆演出を実行する設定示唆演出実行手段と、
前記示唆演出実行手段による設定示唆演出の実行に抑制を加える設定示唆演出実行抑制手段と、
を具備し、
前記設定示唆演出実行抑制手段は、前記設定示唆演出として、一の特定設定示唆演出が実行されることに基づいて、所定条件が成立するまで、前記一の特定設定示唆演出とは異なる他の特定設定示唆演出を実行しないように抑制し、
前記一の特定設定示唆演出及び前記他の特定設定示唆演出は、現在、設定されている当選確率が所定の当選確率である可能性を有することを示唆する設定示唆演出であるとともに、
前記一の特定設定示唆演出と前記他の特定設定示唆演出とは相反する示唆内容を示す設定示唆演出であることを特徴(以下、第1特徴という)とする。
従って、本発明によると、出現する設定示唆演出によって遊技者に無用の混乱を生じ難くすることができる。
より具体的に説明すると、(1)一の特定設定示唆演出及び他の特定設定示唆演出の一方が「偶数の設定(設定を特定する設定値)である可能性を有することを示唆する設定示唆演出」であり、(2)一の特定設定示唆演出及び他の特定設定示唆演出の他方が「奇数の設定(設定値)である可能性を有することを示唆する設定示唆演出」である場合を例示できる。
また、(3)一の特定設定示唆演出及び他の特定設定示唆演出の一方が「設定(設定値)が3未満である可能性を有することを示唆する設定示唆演出」であり、(4)一の特定設定示唆演出及び他の特定設定示唆演出の他方が「設定(設定値)が3以上である可能性を有することを示唆する設定示唆演出」である場合を例示できる。
つまり、「一の特定設定示唆演出」と、「他の特定設定示唆演出」は何れも所定の設定(設定値)を確定的に示唆するのではなく、可能性を示唆するものであって相前後して出現すると、何れの可能性が正しいかの判断に困る設定示唆演出である。
例えば、現在の設定が何れであっても出現可能な設定示唆演出(実質的に設定を示唆しない設定示唆演出(後述する原則的示唆態様にかかる設定示唆演出))や、所定の設定値である可能性を示唆する設定示唆演出や、所定の設定値であることが確定していることを示唆する設定示唆演出を実行可能とされてもよい。
本発明において、当否判定を実行する条件(当否判定の実行契機となる条件)としては、(1)弾球遊技機において、「始動口に遊技球が入賞すること」を例示でき、(2)回胴式遊技機において、「レバー操作すること」を例示できる。
第1特徴を備える遊技機において、
前記他の特定設定示唆演出の示唆内容が、現在、設定されている当選確率に合致する場合には、前記一の特定設定示唆演出の実行後、所定条件が成立する前であっても、当該他の特定設定示唆演出が実行可能とされることを特徴(以下、第2特徴)として備えてもよい。
このため、第2特徴を備えると、基本法則通りに他の特定設定示唆演出が実行されない場合と、基本法則に反して他の特定設定示唆演出が実行される場合とを生ずる。そして、原則に反して他の特定設定示唆演出が出現する場合には遊技者に大きなインパクト、意外性を与えることができ、遊技興趣が一層向上する。
第1特徴若しくは第2特徴を備える遊技機において、
前記一の特定設定示唆演出及び前記他の特定設定示唆演出とは異なる設定示唆演出として、別の設定示唆演出を実行可能であるとともに、
前記一の特定設定示唆演出と前記別の設定示唆演出の示唆内容が相反する示唆内容である場合において、前記別の設定示唆演出の示唆内容が、現在、設定されている当選確率に合致し、当該設定されている当選確率を確定的に示唆する場合には、前記一の特定設定示唆演出の実行後、所定条件が成立する前であっても、当該別の設定示唆演出が実行可能とされることを特徴(以下、第3特徴という)としてもよい。
つまり、遊技者が、一の特定設定示唆演出が実行されたという記憶が鮮明な時期に、相反する示唆内容を示す当該別の設定示唆演出が実行されても、当該別の設定示唆演出がその時点の設定を確定的に示唆する場合には、当該別の設定示唆演出の出現によって困惑を生ずることがないからである。例えば、一の特定設定示唆演出が奇数の設定(設定を特定する設定値)である可能性を有することを示唆し、別の設定示唆演出が「設定6」を示唆するものであっても(一の特定設定示唆演出と矛盾する設定示唆演出であっても)、遊技者は、別の設定示唆演出に重きを置いて(別の設定示唆演出を信用して)、設定の予測をすればよいからである。
第1特徴~第3特徴を備える遊技機において、
前記所定条件は、前記一の特定設定示唆演出が実行された後、所定回数の設定示唆演出が行われるか、前記当否判定が所定回数実行されることで成立することを特徴(以下、第4特徴)として備えてもよい。
つまり、第4特徴を備える場合は、一の特定設定示唆演出が実行された後、所定回数の設定示唆演出において、他の特定設定示唆演出が実行されないケース(以下、第1ケースという)や、当否判定が所定回数実行されても他の特定設定示唆演出が実行されないケース(以下、第2ケースという)を生ずると、一の特定設定示唆演出に遭遇した記憶が薄らぐ可能性があり、遊技者は困惑することなく設定(設定値)の予測を行うことができる可能性が高くなる。
つまり、第1ケースでは、少なくとも次回の設定示唆演出で前回の設定示唆を否定するもの(前回の設定示唆演出と相反する示唆内容の設定示唆演出)が出現しない。また、第2ケースでは、次回の設定示唆演出で前回の設定示唆演出を否定するもの(前回の設定示唆演出と相反する示唆内容の設定示唆演出)が出現しても、次回の設定示唆演出が出現するまでの間の時間を確保することができる。
また、一の特定設定示唆演出の実行に基づいて、他の特定設定示唆演出を一律に抑制する状態がいつまでも継続することとすると、他方の特定設定示唆演出に遭遇する可能性が徒に低くなり、以後、出現する設定示唆演出のバリエーションが必要以上に低下することになる。よって、この場合(第4特徴を備える場合)には、出現する設定示唆演出のバリエーションを確保し、遊技興趣を維持することができる。
第1特徴~第4特徴を備える遊技機において、
前記一の特定設定示唆演出が実行された後、所定条件が成立するまでの間、前記一の特定設定示唆演出の出現率が高くされない(一の特定設定示唆演出が出現する前に比べて高くされない)ことを特徴(以下、第5特徴という)として備えてもよい。
本発明の遊技機は、
第1特徴~第4特徴を備える遊技機において、
前記設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンが複数記憶されるとともに、設定される前記当選確率の設定毎にそれぞれ設けられた設定示唆演出パターンテーブルと、
現在、設定されている前記当選確率に対応する前記設定示唆演出パターンテーブルを参照し、前記設定示唆演出実行手段が実行する設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンを選択する設定示唆演出選択手段と、
を備え、
前記当選確率の設定毎にそれぞれ設けられた設定示唆演出パターンテーブルとして、前記一の特定設定示唆演出を実行してから所定条件が成立するまで参照される第1の設定示唆演出パターンテーブルと、前記一の特定設定示唆演出を実行してから所定条件が成立した後に参照される第2の設定示唆演出パターンテーブルとを具備し、
前記設定示唆演出決定手段が、前記第1の設定示唆演出パターンテーブルを参照すると、前記一の特定設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンが選択される確率が第1確率とされ、前記他の特定設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンが選択される確率が第2確率とされ、前記第1の特定設定示唆演出及び前記第2の特定設定示唆演出とは異なる所定の設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンが選択される確率が第3確率とされると共に、
前記設定示唆演出決定手段が、前記第2の設定示唆演出パターンテーブルを参照すると、前記一の特定設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンが選択される確率が前記第1確率若しくは前記第1確率よりも低い第4確率とされ、前記他の特定設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンが選択される確率がゼロとされ、前記所定の設定示唆演出を特定する設定示唆演出パターンが選択される確率が第3確率よりも高い第5確率とされる
ことを特徴(第5特徴)として備えてもよい。
これに対し、第5特徴を備える場合、一の特定設定示唆演出を実行した後、一の特定設定示唆演出の出現率が徒に高くされないため(つまり、特定設定示唆演出が集中的に出現しないため)、一の特定設定示唆演出の出現率が必要以上に高くなったり、一の特定設定示唆演出が連続して出現したりするという不具合を生ずる可能性が低くなる。
ここで、第1確率と、第2確率と、第3確率を合わせた第1合計確率と、第4確率と第5確率を合わせた第2合計確率は、ともに100%となる。
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の左方には、遊技球が通過(入球)可能な普図(以下、普通図柄ともいう)の普通図柄作動ゲート17が設けられている。普通図柄作動ゲート17は遊技球が入球して通過することにより普通図柄の当否抽選が実行される起因となるものである。
第2始動口12への入球により第2特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第2特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。また、これら乱数に応じて第2特別図柄の当否判定が実行され、結果は大当り、又は外れのいずれかの判定がなされる。
ここで、第1特図表示装置9と、第2特図表示装置10は、特別図柄の変動表示と、停止表示(確定表示)を行う手段の具体例を構成する。
そして、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示は同時に開始され、停止表示(確定表示)は同時に実行される。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口2dが設けられている。
なお、本実施例の性能表示装置48では、遊技性能の表示を行うと共に、併せて、パチンコ機50の設定変更や設定確認時における段階設定値(以下、単に「設定」、或いは、「設定値」、「設定情報」等とも呼称する場合がある。また本実施例では、より具体的に、所謂、設定1~設定6を示す値を指す場合もある。)の表示も行うよう構成されている。
なお、本実施例のRAMクリアスイッチ46は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。
つまり、図5に示すように、設定値1に対応する大当り当選確率(通常確率状態:1/300、高確率状態:1/30)が最も低く、遊技者に最も不利となっている。
更に、設定値6の大当り判定確率(通常確率状態:1/250、高確率状態:1/25)が最も高く、遊技者に最も有利となっている。
管理者(パチンコホールの店員等)が、設定キーSW47を設定スイッチ(鍵穴)に挿入して、設定キーSW47の操作位置を、初期位置を基準として所定方向(例えば、右回転方向)に回転させて、設定スイッチをONにする。この状態で、RAMクリアスイッチ46を押圧操作したまま、パチンコ機50に電源を投入すると、パチンコ機50のモードは設定変更モードとなる。
その際、性能表示装置48に設定値の変更に伴い、その時点の設定値を示す数値が表示される。
また、設定変更モードとなり、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作することなく、設定キーSW47の操作位置を初期位置に戻すと、設定値が電断前の設定値に確定する。
この設定確認モードにおいても、設定キーSW47の操作位置を初期位置に戻すと(管理者が設定値の確定行為を行うと)、設定値が電断前の設定値に確定し、設定値を特定する信号(図7(c)の設定情報)がサブ統合制御装置83に送信される。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
また、本実施例では、段階設定値(所謂、設定1~設定6を示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。具体的には、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
本実施例のパチンコ機50は、所謂「確変機」であり、高確率状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率は、通常確率状態(大当り判定確率が通常確率)における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率の約10倍となっている。また、本パチンコ機50は、大当り確率の異なる6種類の段階設定値(所謂設定)を備え、最も大当り確率の低い「設定1」から、最も大当り確率の高い「設定6」を備えている。
この高確率・開放延長状態は、大当り遊技後の当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が10000回になるか、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
ここで、通常確率且つ非開放延長状態(通常確率・非開放延長状態)は、通常遊技状態であり、一般にパチンコ機50の起動時の遊技状態である。
この通常確率・開放延長状態は、大当り遊技後の当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が100回になるか、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
通常確率・開放延長状態は、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになることなく、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)を100回実行するか、当否判定の結果が大当りになると終了し、通常確率且つ非開放延長状態(以下、通常確率・非開放延長状態という)となる。
また、開放延長状態(時短状態)とは、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動される状態をいい、非開放延長状態(非時短状態)とは開放延長機能及び時短機能が作動していない状態をいう。
普通図柄の当選確率は、非開放延長状態(非時短状態)で「1/6」に設定され、開放延長状態(時短状態)で「5/6」に設定されている。
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非開放延長状態(非時短状態)において「0.3秒を1回」であり、開放延長状態(時短状態)において「2秒を1回」である。
普通図柄の変動時間は、非開放延長状態で平均5秒、開放延長状態で平均1秒とされている。
図6(a)に示すように、大当り図柄11(6R通常大当り図柄)が停止表示されると、6R通常大当りが発生し、「6R大当り遊技」を実行する。また、大当り図柄12(8R通常大当り図柄)が停止表示されると、8R通常大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。
ここで、「6R大当り遊技」では大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を所定のインターバルを間に挟んで6回行い、「8R大当り遊技」では同様なラウンド遊技を同様なインターバルを間に挟んで8回行う。
ここで、「10R大当り遊技」では大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を所定のインターバルを間に挟んで10回行う。
「6R通常大当り」、「8R通常大当り」、「10R通常大当り」に基づく、大当り遊技を実行した後は、通常確率・開放延長状態が、当否判定の実行回数が100回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10~S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」~「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b、等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
特図始動入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S200)。肯定判断なら(S200:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S202)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S200:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
一方、4個の第1保留記憶があれば(S202:yes)保留記憶せず、第1保留記憶の数を示すカウンタや第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS210へ移行する。
一方、S212において4個の第2保留記憶があれば(S212:yes)、第2保留を記憶せず、第2保留記憶の数や第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S210:no)も、本処理を終了する。
更に、サブ統合制御装置83は第1保留数コマンド、若しくは、第2保留数コマンド(第2保留記憶数指示コマンド)を受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。
特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、図11のS330に移行し、第2保留記憶(上記、図9のS214による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、図9のS204による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
また、本パチンコ機50では、このように、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
つまり、(1)「設定値1」の場合、高確率状態で「1/30」、通常確率状態で「1/300」、(2)「設定値2」の場合、高確率状態で「1/29」、通常確率状態で「1/290」、(3)「設定値3」の場合、高確率状態で「1/28」、通常確率状態で「1/280」、(4)「設定値4」の場合、高確率状態で「1/27」、通常確率状態で「1/270」、(5)「設定値5」の場合、高確率状態で「1/26」、通常確率状態で「1/260」、(6)「設定値6」の場合、高確率状態で「1/25」、通常確率状態で「1/250」とされる。
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1当否判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2当否判定」に相当する。
この変動パターン決定処理(S354)では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。ここで、変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(図6(a)(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
図12(a)に示すように、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合(単純外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「単純外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「単純外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
一般に単純外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴わない場合)において「単純外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンは、リーチ外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴う場合)において「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。
また、S364の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
これに対し、S374において肯定判定(S374:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S376)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S378)。
そして、S384では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S384:yes)、S386にて時短フラグを0にし、S390に移行する。一方、時短フラグが1でなければ(S384:no)、そのままS390に移行する。
そして、S376で確定表示される大当り図柄が確変大当りであると、当該確変大当りに基づいて実行される大当り遊技を実行した後、遊技状態が通常確率・非開放延長状態から高確率・開放延長状態に移行する。
S394を行うと、続くS396において大当り遊技開始処理を行う。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド(以下、大当り開始コマンドという)及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、大当り遊技処理を行う。
そして、「1」であれば(S400:yes)、確変回数が「0」か否かを判定する(S404)。
そして、確変回数が「0」であれば(S404:yes)、S406にて確変フラグを「0」にしてS410に進む。一方、確変フラグが「1」でないとき(S400:no)又は確変回数が「0」ではないとき(S404:no)はそのままS410に移行する。
また、時短フラグが「1」でないとき(S410:no)又は時短回数が「0」ではないとき(S412:no)はそのままS416に移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
まず、図14に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているか否かを判断する(S506)。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間(例えば、27秒)が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
また、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
そして、S536において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S536:yes)、確変回数を設定し(S538)、確変フラグを1に設定する(S540)。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。なお、確変回数は10000回に設定される。
本実施例では、S544で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する(S548)とを行った後、S554に移行する。また、時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
S554において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS556において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
この変動表示領域6Hでは特別図柄の変動開始に呼応して(変動開始コマンドの受信に呼応して)、左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。そして、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせ(大当りの発生を大当り図柄若しくは外れの発生を外れ図柄)で停止する。
また、演出図柄表示装置6の画面6aには、その時点の遊技状態や、設定値等を示唆する情報(関連情報)6Fが出現することがある。そして、関連情報6Fは、キャラクタ、動画、実写画像等を用いて表示される。
そして、変動開始コマンドが、(1)「大当り」の発生を特定するものである場合、若しくは、(2)「リーチ外れ」の実行を特定するもの(リーチ判定用乱数がリーチの実行を特定するもの)である場合には、変動開始後、所定時間(変動パターンで特定する変動時間)が経過するとリーチ表示を実行する。
ここで、本実施例では、変動時間が短く設定される場合(特別図柄及び演出図柄の変動時間が変動パターンによって、25秒未満に特定される場合)には、ノーマルリーチ演出を伴う演出表示が実行される。また、変動時間が長く設定される場合(特別図柄及び演出図柄の変動時間が変動パターンによって、25秒以上に特定される場合)には、スーパーリーチ演出を伴う演出表示が実行される。
つまり、本実施例では関連演出6Fとしてキャラクタ(例えば、ブタのキャラクタ)6Kが出現し、出現するキャラクタ6Kの体色の相違等によってその時点の設定値が示唆される。
そして、リーチ演出がリーチ演出A、D、Gである場合も、リーチ演出A、D、G以外のリーチ演出である場合も、図17(e)に示すように、演出図柄の変動時間(特別図柄の変動時間)を終了すると中演出図柄6Cは停止表示され、当否判定の結果が確定表示される。
より具体的に説明すると、当否判定の結果が大当りである場合は、数字のぞろ目図柄が確定表示され、当否判定の結果が外れである場合は、数字のバラケ目図柄が確定表示される。
また、本実施例では、実行されるリーチ演出が所定のリーチ演出(リーチ演出A、D、G)である場合に設定示唆演出が実行することとしたが、設定示唆演出の実行条件がこれに限定されない。例えば、演出表示を開始する際に設定示唆演出(設定情報の表示)を実行するか否かの抽選を行い、この抽選に当選すると設定示唆演出(設定情報の表示)を実行し、この抽選に落選すると設定示唆演出を実行しないこととしてもよい。
本実施例のパチンコ機50において、図18に示すように、サブ統合制御装置83は、大当り遊技の実行に伴い、主制御装置80から送信されるコマンド(図13のS396で送信される大当り開始コマンド、図16のS554で送信される大当り終了コマンド)等に基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う演出表示を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御したりして、大当り遊技に対応する演出(大当り遊技演出)を実行する。そして、大当り遊技演出を終了する際に設定示唆演出が出現する。
そして、大当り遊技においては、大当り開始演出を実行した後、ラウンド遊技をインターバル(1秒間)を挟み、6回、8回若しくは10回行う。
これらの各ラウンド遊技は、第1大入賞口14の開放時間が27秒になるか、第1大入賞口14への入球数が規定入球数(10球)になると終了する。
また、ラウンド遊技中においてはラウンド演出(図18(b))が実行され、インターバルにおいてはインターバル演出(図18(c))が実行される。
なお、本実施例では、大当り終了演出を実行すると、一律に設定示唆演出を実行することとしたが、大当り終了演出を実行しても設定示唆演出を実行する場合と、実行しない場合が存在してもよい。例えば、大当り遊技を終了すると設定示唆演出を実行する否かの抽選を行い、抽選に当選すると設定示唆演出を実行し、抽選に落選すると設定示唆演出を実行しないこととしてもよい。
また、終了する大当り遊技の種類や、大当り遊技後に移行する遊技状態に応じて設定示唆演出の実行の可否を決定してもよい。
本実施例のパチンコ機50は8種類の設定示唆演出(設定示唆演出A~設定示唆演出H)を実行可能である。
また、図19に示すように、各設定示唆演出(設定示唆演出A~設定示唆演出H)に対応して示唆内容が設けられ、各設定示唆演出が出現すると当該設定示唆演出に応じたメッセージが伝達される。
更に、各設定示唆演出は、その表示態様(キャラクタの色彩(色))等によって区別されている。
設定示唆演出Aは原則的示唆態様を示しており、その時点の設定値に拘わらず、出現可能とされ、遊技者が設定示唆演出Aに対面しても、その時点の設定値を予測することはできない。また、設定示唆演出Aは、キャラクタの色を「白色」で表示することで構成され、設定示唆演出Aが出現することで確定的な示唆が実行される。つまり、設定示唆演出Aによって、設定値が「1」~「6」のうち、何れかであるということが確定的に示される。
設定示唆演出Eは最高設定示唆態様を示しており、その時点の設定値が6であることを確定的に表示するものである。また、設定示唆演出Eは、キャラクタの色を「金色」で表示することで構成されている。この設定示唆演出Eが出現すると、遊技者は遊技対象としているパチンコ機50が、大当りを発生し易く、良好な遊技結果を得られると感ずることとなる。
そして、設定示唆演出Bと設定示唆演出Gが前後して出現すると、遊技者は遊技対象としているパチンコ機50の設定値は「3」若しくは「5」であると予想し、設定示唆演出Cと設定示唆演出Gが前後して出現すると、遊技者は遊技対象としているパチンコ機50の設定値は「4」であると予想することとなる。
図20(a)に示すように、設定示唆演出B(奇数示唆態様)が実行されると、第1抑制フラグの値が「1」とされる(第1抑制フラグがセットされる)。これにより、設定示唆演出C(偶数示唆態様)の実行が抑制される。
具体的には、第1抑制フラグの値が「1」である場合には、原則として設定示唆演出C(偶数示唆態様)の実行が抑制され、次回の演出設定示唆として、設定示唆演出A(原則的示唆態様)等の「設定示唆演出Bと相反しない内容」の設定示唆演出が実行される(図20(b)を参照)。
なお、図20(a)に示すように、設定示唆演出Bが実行された後、図20(d)に示すように、再度、設定示唆演出Bが実行される場合には、第1抑制フラグの値が「1」に維持される。そして、再度の設定示唆演出Bに後続する設定示唆演出としては、設定示唆演出Bと示唆内容が相反しない設定示唆演出(設定示唆演出A等)が実行される。
ここで、本実施例では、「一の特定設定示唆演出」と「他の特定設定示唆演出」の組み合わせを、設定示唆演出B(奇数示唆態様)と設定示唆演出C(偶数示唆態様)としている。設定示唆演出B(奇数示唆態様)と設定示唆演出C(偶数示唆態様)は、相反する示唆内容を有しており、遊技者が、設定示唆演出Bが実行されたという記憶が鮮明な時期に相反する示唆内容を示す設定示唆演出Cされると、或いは、設定示唆演出Cが実行されたという記憶が鮮明な時期に相反する示唆内容を示す設定示唆演出Bされると、当選確率に関する設定(設定値)の予測を行うことが困難になる。
例えば、図21(d)に示すように、設定示唆演出Bが実行された後、所定条件が成立する前に、設定示唆演出E(最高設定示唆態様)が実行されても、遊技者は設定値が最高設定値「6」であると理解することができるため、予測を行うことが困難になることはない。
また、第2抑制フラグは、設定示唆演出Bの実行が抑制されていること(実行率が「0」%であること)を示すフラグであり、値が「1」であると、設定示唆演出Bの実行が抑制され、値が「0」であると設定示唆演出Bの実行が抑制されない。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。そして、否定判定されると(S1200:no)、そのまま演出開処理を終了し、肯定判定されると(S1200:yes)、S1205の処理に移行し、演出パターン等を振り分ける際等に使用する振分乱数を取得する。
図23は、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルと、当該変動パターンテーブルに格納された各変動パターンに対応する演出パターンテーブルの関係を示す図表である。
本パチンコ機50では、図12(a)に示すように6種類の変動パターンテーブル(遊技状態、当否判定の結果、リーチの有無で区別される6種の変動パターンテーブル)を備え、主制御装置80に搭載されたROMに格納されている。
例えば、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルとして、20個の演出パターンテーブルE1~E20が格納されている。つまり、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルに格納された変動パターンA1~A20のそれぞれに対応する20個の演出パターンテーブルE1~E20が格納されている。
この演出パターンテーブルE1が参照される場合、S1205で抽出した乱数を用いた乱数抽選によって、演出表示で使用する演出パターンが演出パターンa11~a17のうちの何れかが選択される(S1210)。そして、何れの演出パターンが選択されるかによって、開始する演出表示において実行するリーチ演出の内容が異なっている。
ここで、以下の説明において、設定示唆演出を伴う演出パターンを特定演出パターンという。
但し、何れの演出パターンテーブルを参照しても、「遊技状態が非開放延長状態で、当否判定の結果が大当りである場合」に参照する演出パターンテーブルを参照する場合よりも、遊技状態が非開放延長状態である場合よりも、変動時間(演出時間)が若干短めに設定され(長い変動時間(演出時間)が選択される確率が若干低くされ)、リーチ演出A、リーチ演出D若しくはリーチ演出Gを伴う演出パターンが選択される確率は低くなっている。
なお、本実施例では、大当りの種類を考慮することなく、参照する演出パターンテーブルを決定するが、大当りの種類も考慮し、参照する演出パターンテーブルを決定してもよい。
図24は、遊技状態が非開放延長状態で当否判定の結果が外れであり、且つ当該外れがリーチ外れと判定される場合に参照する変動パターンテーブルと、当該変動パターンテーブルに格納された各変動パターンに対応する演出パターンテーブルの関係を示す図表である。
また、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態(非開放延長状態、開放延長状態)で、当否判定の結果が外れで、且つ当該外れがリーチ外れと判定される場合に参照する30個の演出パターンテーブルF1~F30が格納されている。但し、図24では、1個の演出パターンテーブルF1のみを図示している。
ここで、(1)待機フラグの値が「1」であるか、(2)待機フラグ及びデモフラグの値が「1」であると、サブ統合制御装置83は、当該パチンコ機50が遊技を行っていない状態である(遊技待機中フラグの値が「1」である)と判定する。
一方、S1230において肯定判定されると(S1230:yes)、遊技待機中フラグの値を「0」とした後(S1235)、S1250に移行する。つまり、(1)待機フラグの値が「1」である場合には待機フラグの値を「0」とした後、S1250に移行し、(2)待機フラグ及びデモフラグの値が「1」である場合には、待機フラグ及びデモフラグの値を「0」とした後、S1250に移行する。これにより、当該パチンコ機50が、待機表示若しくはデモ表示を行っている場合には、演出を開始可能な状態となる。
サブ統合制御装置83は示唆演出態様決定処理を起動すると、第1抑制フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1300)。
つまり、設定示唆演出Bが既に出現し、示唆内容が相反する設定示唆演出Cが設定示唆演出Bに続いて出現することが禁止される。
ここで、第1抑制示唆態様決定用テーブルは、図26~図28において「第1F=1」と記載された欄(左右方向真中の欄)に記載されたテーブルである。
第1抑制示唆態様決定用テーブル(「第1F=1」と記載された欄のテーブル)は、設定値に応じて設けられている。
つまり、第1抑制フラグの値が「1」である場合であっても(S1300:yes)、設定示唆演出Bに決定されなかった場合には(S1304:no)、所定条件が成立し、第1抑制フラグの値が「0」とされる(S1306)。一方、第1抑制フラグの値が「1」である場合(S1300:yes)、設定示唆演出Bが再度決定された場合には(S1304:yes)、所定条件が成立せず、第1抑制フラグの値が「1」のまま維持される。
ここで、第2抑制示唆態様決定用テーブルは、図26~図28において「第2F=1」と記載された欄(左右方向右側の欄)に記載されたテーブルである。
第2抑制示唆態様決定用テーブル(「第2F=1」と記載された欄のテーブル)は、設定値に応じて設けられている。
つまり、第2抑制フラグの値が「1」である場合であっても(S1310:yes)、設定示唆演出Cに決定されなかった場合には(S1314:no)、所定条件が成立し、第2抑制フラグの値が「0」とされる(S1316)。一方、第2抑制フラグの値が「1」である場合(S1310:yes)であって、設定示唆演出Cが再度決定された場合には(S1314:yes)、所定条件が成立せずに、第2抑制フラグの値が「1」のまま維持される。
ここで、通常示唆態様決定用テーブルは、図26~図28において「F=0」と記載された欄(左右方向左側の欄)に記載されたテーブルである。
また、S1320の処理で設定示唆演出Bに決定されなかった場合(S1322:no)、S1326に移行し、設定示唆演出Cに決定されたか否かを判定する。そして、設定示唆演出Cに決定された場合(S1326:yes)、第2抑制フラグの値を「1」とした後(S1328)、示唆演出態様決定処理を終了する。
一方、S1320の処理で設定示唆演出B及び設定示唆演出Cに決定されない場合(S1322:no、S1326:no)、そのまま示唆演出態様決定処理を終了する。この後、通常示唆態様決定用テーブルを参照し、設定示唆演出の態様が決定される。
先ず、第1抑制フラグ及び第2抑制フラグの値が「0」の場合に参照される通常示唆態様決定用テーブルについて説明する。
通常示唆態様決定用テーブルとしては、設定値「1」に対応するものが図26(a)の「F=0」の欄に記載され、設定値「2」に対応するものが図26(b)の「F=0」の欄に記載され、設定値「3」に対応するものが図27(a)の「F=0」の欄に記載されている。更に、設定値「4」に対応するものが図27(b)の「F=0」の欄に記載され、設定値「5」に対応するものが図28(a)の「F=0」の欄に記載され、設定値「6」に対応するものが図28(b)の「F=0」の欄に記載されている。
但し、設定値が奇数(「1」、「3」、「5」)の場合には、奇数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出B)に決定される確率が、偶数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)に決定される確率よりも高くされている。また、設定値が偶数(「2」、「4」、「6」)の場合には、偶数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)に決定される確率が、奇数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出B)に決定される確率よりも高くされている。
更に、3以上示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)には、設定値が3未満であると、決定されることなく、設定値が3以上であると所定確率で決定される。
また、1・2・6設定唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出E)は、設定値が、1・2・6の場合に決定される。つまり、最高設定値か、設定値が低い場合に決定される。
更に、3・4・5設定唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出G)は、設定値が、3・4・5の場合に決定される。つまり、中位の設定値のときに決定される。
また、1否定設定唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出H)には、設定値1でない場合(設定値が「2」~「6」の場合)に決定される。
ここで、「1」に対応するものが図26(a)の「第1F=1」の欄に記載され、設定値「2」に対応するものが図26(b)の「第1F=1」の欄に記載され、設定値「3」に対応するものが図27(a)の「第1F=1」の欄に記載されている。更に、設定値「4」に対応するものが図27(b)の「第1F=1」の欄に記載され、設定値「5」に対応するものが図28(a)の「第1F=1」の欄に記載され、設定値「6」に対応するものが図28(b)の「第1F=1」の欄に記載されている。
つまり、第1抑制示唆態様決定用テーブルでは、設定値が何れであっても、偶数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)に決定される確率が「ゼロ」とされているが、原則的示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出A)に決定される確率は、通常示唆態様決定用テーブルを参照した場合よりも高くされている。
なお、本実施例では、第1抑制示唆態様決定用テーブルにおいて設定値が何れであっても、奇数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出B)に決定される確率は、通常示唆態様決定用テーブルを参照した場合と同一確率とされているが、通常示唆態様決定用テーブルを参照した場合よりも低い確率(但し、確率「ゼロ」を含む)とされてもよい。この場合、奇数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出B)が選ばれ難くなるか、全く選ばれなくなるため、必要以上に連続して偶数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)の出現が抑制され、設定示唆演出のバリエーションが必要以上低下する事態を防止することができる。
ここで、「1」に対応するものが図26(a)の「第2F=1」の欄に記載され、設定値「2」に対応するものが図26(b)の「第2F=1」の欄に記載され、設定値「3」に対応するものが図27(a)の「第2F=1」の欄に記載されている。更に、設定値「4」に対応するものが図27(b)の「第2F=1」の欄に記載され、設定値「5」に対応するものが図28(a)の「第2F=1」の欄に記載され、設定値「6」に対応するものが図28(b)の「第2F=1」の欄に記載されている。
つまり、第2抑制示唆態様決定用テーブルでは、設定値が何れであっても、奇数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出B)に決定される確率が「ゼロ」とされているが、原則的示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出A)に決定される確率は、通常示唆態様決定用テーブルを参照した場合よりも高くされている。
なお、本実施例では、第2抑制示唆態様決定用テーブルにおいて設定値が何れであっても、偶数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)に決定される確率は、通常示唆態様決定用テーブルを参照した場合と同一確率とされているが、通常示唆態様決定用テーブルを参照した場合よりも低い確率(但し、「確率」ゼロを含む)とされてもよい。この場合、偶数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)が選ばれ難くなるか、全く選ばれなくなるため、必要以上に連続して奇数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出B)の出現が抑制され、設定示唆演出のバリエーションが必要以上低下する事態を防止することができる。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1400)。ここで、変動停止コマンドとは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図12(b)のS372の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1400:no)、演出停止処理をそのまま終了する。
一方、肯定判定される場合には(S1400:yes)、演出図柄確定表示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理(つまり、演出図柄確定表示させる処理)を行い(S1405)、演出停止処理を終了する。
大当り終了演出設定処理が開始されると、サブ統合制御装置83が大当り終了演出指示コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。ここで、大当り終了演出指示コマンドは、大当り遊技を終了する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図16のS554の処理を参照)。
なお、終了演出中フラグは、大当り終了演出を実行中であることを示すフラグであり、大当り終了演出を実行している場合には、終了演出中フラグの値が「1」とされ、大当り終了演出を実行していない場合には、終了演出中フラグの値が「0」とされる。そして、大当り終了演出を終了する際に終了演出中フラグの値が「0」とされる(図示を省略)。
このため、所定条件が成立するまで、設定示唆演出B(奇数示唆態様)及び設定示唆演出C(偶数示唆態様)という、相反する示唆内容を示す設定示唆演出が実行されない。
従って、遊技者が、当該特定設定示唆演出が実行されたという記憶が鮮明な時期に相反する示唆内容を示す当該他の特定設定示唆演出が実行されないため、遊技者は困惑することなく当選確率に関する設定(設定値)の予測を行うことができる。
これに対して、本実施例に示すように、設定示唆演出が所定のスーパーリーチ演出と大当り遊技演出に伴い出現可能である場合には、図31(a)に示すように、設定示唆演出の出現頻度が高くなる(図示のL1、L2を参照)。
特に、スーパーリーチ演出のように長い演出時間をかけて実行される演出は、大当りを報知する際に実行される可能性が高く、所定のスーパーリーチ演出(リーチ演出A、リーチ演出D、リーチ演出G)の実行に伴い、設定示唆演出が実行される可能性がある。しかも、本実施例では、大当りを報知した後(直後)に実行された大当り遊技を終了する際には設定示唆演出が実行される。
設定示唆演出(設定示唆演出A、D~H)の実行回数が所定回数(複数回数)になると所定条件が成立することとする場合には、一の特定設定示唆演出(設定示唆演出B及び設定示唆演出Cのうちの一方)が出現したという記憶が薄れた状態となるまで、他の特定設定示唆演出(設定示唆演出B及び設定示唆演出Cのうちの他方)が出現しないため、遊技者はより的確に設定(設定値)の予測を行うことができる。
次に、図25(一部を修正して適用する図25)、図32及び図29(b)を用いて、実施例2のパチンコ機50について説明する。
実施例1では抑制フラグが設定された後に実行される設定示唆演出が、所定の設定示唆演出であることに起因して所定条件が成立することとしたが、抑制フラグが設定された後に「設定示唆演出とは直接関係がない事象」の発生に起因して「所定条件(抑制終了条件)」が成立することとしてもよい。
つまり、実施例2に示す示唆演出態様処理では、図25に示す実施例1の示唆演出態様処理からS1304、S1306、S1314、S1316(抑制フラグを解除する処理)が省略されている。このため、実施例2の示唆演出態様処理では、「S1302若しくはS1312を実行するか」、「S1320、S1322の肯定判定を経て1324を実行するか」、「S1320、S1322の否定判定と、S1326の肯定判定を経て1328を実行するか」、「S1320、S1322の否定判定と、S1326の否定判定を実行すると」、当該示唆演出態様処理をリターンする。
図32(a)の抑制フラグ解除処理が開始されると、抑制終了条件(所定条件)が成立しているか否かを判定する(S1600)。
S1600の処理で肯定判定される場合には(S1600:yes)、S1605の処理に移行し、否定判定される場合には(S1600:no)、抑制フラグ解除処理をそのまま終了する。
これに対して、S1605で否定判定される場合(つまり、第2抑制フラグの値が「1」と判定される場合)には、第2抑制フラグの値を「0」とし(S1615)、回数カウンタ(C)を初期化した後(S1620)、抑制フラグ解除処理を終了する。
ここで、図29(b)を用いて、実施例2の演出停止処理について説明する。なお、実施例2の演出停止処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。また、実施例2の演出停止処理(図29(b))には、S1410、S1415が追加されている点が、実施例1の演出停止処理(図29(a))と異なる。
S1410で否定判定されると(S1410;no)、そのまま演出停止処理をリターンし、S1410で肯定判定されると(S1410;yes)、回数カウンタ(C)を「+1」した後(S1415)、演出停止処理をリターンする。
つまり、抑制フラグ(第1抑制フラグ若しくは第2抑制フラグ)の値が「1」である場合には、演出表示(特別図柄の変動回数)を終了する度に、抑制フラグの値が「1」である状態で実行する演出表示(特別図柄の変動回数)の回数をカウントすることとしている。
ここで、実施例2では、図32(b)に示すように、所定回数として300回を例示するが、その回数はこれに限定されない。例えば、10~299回としたり、300回を超える回数としたりしてもよい。
また、一の特定設定示唆演出の実行に基づいて、他の特定設定示唆演出を一律に抑制する状態がいつまでも継続することとすると、他方の特定設定示唆演出に遭遇する可能性が徒に低くなり、以後、出現する設定示唆演出のバリエーションが必要以上に低下することになる。よって、実施例2によると、出現する設定示唆演出のバリエーションを確保し、遊技興趣を維持することができる。
変形例1では、図32(b)の「変形例1の欄」に示すように、抑制フラグ(第1抑制フラグ、第2抑制フラグ)がセットとされた後(値が「1」とされた後)、所定回数の大当りが発生すると、抑制終了条件(所定条件)が成立することとしている。
つまり、S1405を実行すると、S1410で「抑制フラグの値が「1」であり、且つ、S1405で停止表示される演出図柄が、大当り図柄であるか否か」を判定する。
そして、S1410で否定判定されると(S1410;no)、そのまま演出停止処理をリターンし、S1410で肯定判定されると(S1410;yes)、回数カウンタ(C)を「+1」した後(S1415)、演出停止処理をリターンする。
つまり、抑制フラグの値が「1」である場合には、大当りの発生を報知する演出表示が実行される毎に回数カウンタ(C)をインクリメントする。
ここで、変形例1では、所定回数として5回を例示するが、その回数はこれに限定されない。例えば、1~4回としたり、6回以上としたりしてもよい。
S1600で肯定判定(S1600:yes)された以降と、否定判定(S1600:no)された以降の処理に関しては、実施例2と同様である。
また、一の特定設定示唆演出の実行に基づいて、他の特定設定示唆演出を一律に抑制する状態がいつまでも継続することとすると、他の特定設定示唆演出に遭遇する可能性が徒に低くなり、以後、出現する設定示唆演出のバリエーションが必要以上低下することになる。よって、変形例1によると、出現する設定示唆演出のバリエーションを確保し、遊技興趣を維持することができる。
変形例2では、高確率状態(確変状態)が終了すると、抑制終了条件(所定条件)が成立することとしている。
ここで、変形例2では、確変大当り図柄(図柄13、図柄14、図柄23、図柄24)が確定表示されることに基づく大当り遊技を実行した後、100回の当否判定を実行するか、当否判定の結果が大当りとなると高確率状態(確変状態)を終了することとしている。
ここで、高確率状態(確変状態)を終了することは、遊技状態が高確率状態であるとき、通常確率状態であることを示す状態指定コマンド(前述の確変終了コマンド)」をサブ統合装置83が受信することを通じて検出することができる。
つまり、図16のS540の処理を経てサブ統合装置83に送信される状態指定コマンド(S556)は、遊技状態が高確率状態あること(高確率状態に移行したこと)を示す状態指定コマンドであり、サブ統合装置83は当該コマンドを受信することで、遊技状態が高確率状態に移行したことを検出することができる。
そして、サブ統合装置83は確変終了コマンドを受信すると、遊技状態が高確率状態から通常確率状態に移行したことを検出することができる。
変形例2の抑制フラグ解除処理が開始されると、抑制終了条件(所定条件)が成立しているか否かを判定する(S1600)。つまり、変形例2において、S1600の処理は、「サブ統合装置83が確変終了コマンドを受信したか否かを判定する処理」となる。
S1600の処理で肯定判定される場合には(S1600:yes)、S1605の処理に移行し、否定判定される場合には(S1600:no)、抑制フラグ解除処理をそのまま終了する。
なお、変形例2では高確率状態が終了すると抑制フラグを解除することとしたが、他の有利な遊技状態(開放延長状態等)が終了すると抑制フラグを解除することとしてもよい。
次に、図33(a)、(b)、図34を用いて、実施例3のパチンコ機50について説明する。なお、実施例3、変形例4~6の示唆演出態様処理も、実施例2の示唆演出態様処理と同様である。
実施例3では、遊技が一定時間停止したと判断(例えば、別の遊技者に変更されたと判断)される場合に、抑制フラグ(第1抑制フラグ若しくは第2抑制フラグ)を解除するものである。
図33(a)の計測開始処理が開始されると、計測契機が発生したか否かを判定し(S1700)、否定判定される場合には(S1700:no)、そのまま計測開始処理を終了し、肯定判定される場合には(S1700:yes)、計測フラグの値を「1」とした後、計測開始処理を終了する。
つまり、計測フラグの値を「1」とすることで、遊技を停止してからの時間計測を開始する。なお、計測契機に関しては後述する。
S1800の処理で肯定判定される場合には(S1800:yes)、S1810の処理に移行し、否定判定される場合には(S1800:no)、抑制フラグ解除処理をそのまま終了する。
S1810の処理では、ウエイト時間タイマ減算処理によって、ウエイト時間の時間消化を行う。
ここで、ウエイト時間は、時間計測を開始してから、遊技を停止したことが確定するまで待ち時間であり、ウエイト時間タイマの値が「0」となった時点で遊技が停止された判定する。
すなわち、「抑制フラグ解除処理」の実行周期(起動周期)が到来する毎に「カウント値」を「-1」する処理を行い、カウント値が待ち時間の終了を示す時間に示す値(ゼロ)になると、待ち時間を満了する。
このように、計測フラグの値を「0」とすると、中止契機を発生し、時間計測が中止される。なお、中止契機に関しては後述する。
S1845では、第1抑制フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1845)。このS1845の処理で肯定判定されると(S1845:yes)、第1抑制フラグの値を「0」とし(S1850)、抑制フラグ解除処理を終了する。
これに対して、S1845で否定判定される場合(S1845:no)、S1860に移行し、第2抑制フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1860)。このS1860の処理で肯定判定されると(S1860:yes)、第2抑制フラグの値を「0」とし(S1865)、抑制フラグ解除処理を終了する。
つまり、抑制フラグ(第1抑制フラグ、第2抑制フラグ)の値が「0」である場合には、そのまま抑制フラグ解除処理を終了する
実施例3のパチンコ機50では、図33(b)の「実施例3の欄」に示すように、遊技者が遊技者が発射ハンドル64から手を離すと計測契機を発生し、発射ハンドル64を触ると中止契機を発生する。つまり、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力されることで、タッチスイッチ28からのタッチ信号が発射制御装置84に入力され、遊技者が発射ハンドル64から手を離すとタッチスイッチ28からのタッチOFF信号(タッチ信号が0FFになったことを示す信号)が発射制御装置84に入力される。
蓋し、演出表示の中には、長い時間を掛けて実行されるものがある。例えば、スーパーリーチを伴う演出表示が開始されると、リーチの発展タイミングで発射ハンドル64から手を離し、演出を楽しむ遊技者も存在する。このため、かかる場合においても、抑制フラグが不用意に解除されないこととしている。
図33(b)の「変形例3の欄」には、実施例3の第1の変形例(以下、変形例3という)を示している。
変形例3では、特別図柄の変動が実行されておらず、特別図柄に関する保留記憶が存在しない場合に計測契機を発生し、特別図柄に関する保留記憶が発生すると計測契機と中止契機が発生する。つまり、特別図柄の変動表示が停止すると計測契機を発生し、この状態が一定時間(例えば、3分間)続くと抑制フラグを解除する。一方、当該一定時間(例えば、3分間)内に特別図柄の変動表示が再開すると中止契機が発生し、抑制フラグが解除されない。
変形例4では、普通図柄の変動が実行されておらず、普通図柄に関する保留記憶が存在しない場合に計測契機を発生し、普通図柄に関する保留記憶が発生すると計測契機と中止契機が発生する。つまり、普通図柄の変動が実行されておらず、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過しないと、計測契機を発生し、この状態が一定時間(例えば、3分間)続くと抑制フラグを解除する。一方、当該一定時間(例えば、3分間)内に普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると中止契機が発生し、抑制フラグが解除されない。
変形例5では、パチンコ機50の前面部(遊技者に対向する面)に人感センサを設け、パチンコ機50の正面に遊技者が存在しないことを人感センサが検出すると、人感センサがOFF信号を出力し、パチンコ機50の正面に遊技者が存在することを人感センサが検出すると、人感センサがON信号を出力する。
実施例4では、遊技が途切れた場合に所定条件が成立することしている。
実施例4のパチンコ機50では、デモ表示が開始されると、抑制フラグ(第1抑制フラグ若しくは第2抑制フラグ)の値が「1」であるか否かを判定し、抑制フラグがセットされている場合(値が「1」である場合)には、抑制フラグ(第1抑制フラグ若しくは第2抑制フラグ)の値を「0」とする。
つまり、図35(a)に示すように、サブ統合制御装置83が待機コマンドを受信すると、15秒が経過を持って待機状態が開始される。この待機状態になると、演出図柄表示装置6の画面6aにおいて待機表示6tが開始される。
つまり、図11に示すように、サブ統合制御装置83が主制御装置80から送信される待機コマンド(図11のS345を参照)を受信し、15秒が経過すると、図35(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aにおいて、待機表示6tが開始される。
この待機表示6tは、変動表示領域6Hにおいて演出図柄が停止した状態で表示される。そして、待機表示6tが開始されると、待機フラグの値が「1」とされる。
更に、デモ表示6dが開始し、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れもゼロの状態が所定期間継続(本実施例では30秒継続)すると、図35(d)に示すように、デモ表示6dが待機表示6tに変更される。
次に、図36(a)~(c)を用いて、実施例5のパチンコ機50について説明する。
実施例1~実施例4では、「一の特定設定示唆演出を実行すると、所定条件が成立するまで、他の特定設定示唆演出を実行しない」という「基本法則」に従い、設定示唆演出を実行することとした。
これに対して、実施例5のパチンコ機50では、当該他の特定設定示唆演出が、現実の設定(設定値)を示唆する場合には、当該「基本法則」に反し、設定示唆演出を実行することとしている。
ここで、実施例5は、前述の第2の特徴を反映している。
但し、この具体例では、現在の設定値が「2」であるため、図36(b)に示すように、設定示唆演出Bに後続する設定示唆演出として、設定示唆演出C(偶数示唆態様)を実行可能としている。つまり、この具体例では、相反する示唆内容の設定示唆演出が出現するが、後続する設定示唆演出C(偶数示唆態様)は、その時点の現実の設定を示唆することになる。
実施例5では、他の特定設定示唆演出が現実の設定を示唆する場合には、他の特定設定示唆演出として、先に出現した「一の特定設定示唆演出」と示唆内容が相反するものを実行することとしている。
実施例1~4において参照する第1抑制示唆態様決定用テーブルは、設定値が何れであっても、偶数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出C)に決定される確率が「ゼロ」とされている。また、実施例1~4において参照する第2抑制示唆態様決定用テーブルは、設定値が何れであっても、奇数示唆態様の設定示唆演出(設定示唆演出D)に決定される確率が「ゼロ」とされている。
つまり、相反する示唆内容の設定示唆演出が前後して実行されないとする法則に逆行し、一の特定示唆演出が実行された後に他の特定示唆演出が実行されると、他の特定示唆演出が現実の設定を示唆を確定的に示唆することとなる。
なお、法則に反して出現する他の特定示唆演出と、法則に反することなく出現する他の特定示唆演出の表示態様を差異を設けてもよい。例えば、後者の場合、設定を示唆するキャラクタの周囲に「クエスチョンマーク(?)」が表示され、前者の場合、設定を示唆するキャラクタの周囲に「クエスチョンマーク(?)」が表示されないこととしてもよい。
つまり、各実施例では、(1)設定示唆演出Aをその時点の設定値を示唆しない原則的示唆態様、(2)設定示唆演出B及び設定示唆演出Cをその時点の設定値が所定の設定値である可能性を有すること示す設定示唆演出(以下、可能性示唆演出という)、(3)その他の設定示唆演出(設定示唆演出D~H)をその時点の設定値が所定の設定値であることが確定していることを示す設定示唆演出(以下、確定可能性示唆演出という)とした。但し、本発明では、その他の設定示唆演出(設定示唆演出D~H)を可能性を有することを示唆する設定示唆演出としたり、当該その他の設定示唆演出(設定示唆演出D~H)の幾つかを可能性を有することを示唆する設定示唆演出とし、残りを所定の設定であることに確定していることを示唆する設定示唆演出としてもよい。
また、(3)その他の設定示唆演出(設定示唆演出D~H)を排除し、設定示唆演出として、(1)設定示唆演出Aと、(2)設定示唆演出B及び設定示唆演出Cのみを実行可能としてもよい。
また、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
図11S330~S350に至る処理が、「当否判定」の一例に相当する。
図13のS378の肯定判定を経て、図14~図16に至る処理が、「大当り遊技実行手段」の一例に相当する。この大当り遊技実行手段が実行する大当り遊技が「特典」の一例に相当し、大当り遊技実行手段が「特典付与手段」の一例に相当する。
図25の示唆演出態様決定処理を経て演出を開始する処理が、示唆演出実行手段の一例に相当する。
図25の示唆演出態様決定処理において、図26~図28に示すテーブルを参照し、設定示唆演出の態様を決定する処理が、「設定示唆演出実行抑制手段」の一例に相当する。
「一の特定設定示唆演出」を実行した後、「他の特定設定示唆演出」を実行せず、「他の特定設定示唆演出」及び「一の特定設定示唆演出」以外の「設定示唆演出(例えば、設定示唆演出A等)」を実行すること(図25のS1304、S1314で否定判定されること)が、「所定条件」の一例に相当する。
また、図32(a)のS1815で肯定判定されること(抑制終了条件が成立すること)、図34のS1600で肯定判定されること(時間計測でウエイト時間が「0」となること)、図35でデモフラグの値が「1」になること(待機コマンドを受信し、デモ表示が開始されること)も、「所定条件」の一例に相当する。
Claims (3)
- 当否判定を実行する当否判定実行手段と、前記当否判定で当選することに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を備え、
前記当否判定の当選確率が、複数種別の当選確率の中から選択される所定の当選確率に設定可能な遊技機であって、
現在、設定されている当選確率を示唆する設定示唆演出を実行する設定示唆演出実行手段と、
前記示唆演出実行手段による設定示唆演出の実行に抑制を加える設定示唆演出実行抑制手段と、
を具備し、
前記設定示唆演出実行抑制手段は、前記設定示唆演出として、一の特定設定示唆演出が実行されることに基づいて、所定条件が成立するまで、前記一の特定設定示唆演出とは異なる他の特定設定示唆演出を実行しないように抑制し、
前記一の特定設定示唆演出及び前記他の特定設定示唆演出は、現在、設定されている当選確率が所定の当選確率である可能性を有することを示唆する設定示唆演出であるとともに、
前記一の特定設定示唆演出と前記他の特定設定示唆演出とは相反する示唆内容を示す設定示唆演出であることを特徴とする遊技機。 - 前記他の特定設定示唆演出の示唆内容が、現在、設定されている当選確率に合致する場合には、前記一の特定設定示唆演出の実行後、所定条件が成立する前であっても、当該他の特定設定示唆演出が実行可能とされることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記一の特定設定示唆演出及び前記他の特定設定示唆演出とは異なる設定示唆演出として、別の設定示唆演出を実行可能であるとともに、
前記一の特定設定示唆演出と前記別の設定示唆演出の示唆内容が相反する示唆内容である場合において、前記別の設定示唆演出の示唆内容が、現在、設定されている当選確率に合致し、当該設定されている当選確率を確定的に示唆する場合には、前記一の特定設定示唆演出の実行後、所定条件が成立する前であっても、当該別の設定示唆演出が実行可能とされることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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