本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
(1)実施例1
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
また、前枠52は、左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開閉可能に構成されている。そして、外枠51に対して内枠70を閉鎖し、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となると、遊技を実行可能な状態となる。また、前枠52を左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開放すると、遊技盤1の前面1aが開放され、パチンコホールの店員等が、当該前面1aに対して発生した不具合を解消する作業(遊技盤1における球詰まりの解消作業等)を施すことができる。なお、以下の説明において、前枠52をガラス枠と称することもある。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカ66により出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の左方には、遊技球が通過(入球)可能な普図(以下、普通図柄ともいう)の普通図柄作動ゲート17が設けられている。普通図柄作動ゲート17は遊技球が入球して通過することにより普通図柄の当否抽選が実行される起因となるものである。
また、センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。このパチンコ機50は、第1始動口11への入球により変動する第1特別図柄(以下、第1特図ともいう)と、第2始動口12への入球により変動する第2特別図柄(以下、第2特図ともいう)との2種類の特別図柄を備える。また、第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第1特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶される。また、これら乱数に応じて第1特別図柄の当否判定が実行され、結果は大当り、又は外れの判定がなされる。
第2始動口12への入球により第2特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第2特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。また、これら乱数に応じて第2特別図柄の当否判定が実行され、結果は大当り、又は外れのいずれかの判定がなされる。
また、普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。そして、第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域(遊技領域3において遊技球の発射強度が所定以下である場合に遊技球が到達する左打ち領域の下方側)には、複数の一般入賞口13が配設されている。
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18及び第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
また、遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上(演出図柄表示装置6の前面6a)では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
ここで、第1特図表示装置9と、第2特図表示装置10は、特別図柄の変動表示と、停止表示(確定表示)を行う手段の具体例を構成する。
そして、特別図柄の変動表と演出図柄の変動表示は同時に開始され、停止表示(確定表示)は同時に実行される。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口2dが設けられている。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータ87に送られる。なお、従来はホールコンピュータ87へ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータ87へ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
また、主制御装置80には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36から検出信号が入力される。また、外枠51に対して内枠70が閉鎖状態になると内枠スイッチ36(図4を参照)がON状態となり、外枠51に対して内枠70が開放状態になると内枠スイッチ36がOFF状態となる。更に、ガラス枠開放スイッチ35を内枠70の裏面側に設けることができる。
パチンコ機50の裏側の主制御装置80には、性能表示装置48が設けられている。性能表示装置48は、遊技者が遊技中に視認不可能な位置に配置されている。性能表示装置48は、算出された前記の遊技性能を表示するものである。性能表示装置48は、4つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、4桁の簡素な文字、数字を表示可能に構成されている。
なお、本実施例の性能表示装置48では、遊技性能の表示を行うと共に、併せて、パチンコ機50の設定変更や設定確認時における段階設定値(以下、単に「設定」、或いは、「設定値」、「設定情報」等とも呼称する場合がある。また本実施例では、より具体的に、所謂、設定1~設定6を示す値を指す場合もある。)の表示も行うよう構成されている。
主制御装置80は、図示のように、性能表示装置48の直下に設定キーSW47を備える。設定キーSW47は、設定キーを挿入した図示のOFF状態から、例えば時計回り方向に90度回すと、ON状態に切換え可能な周知の構成である。本実施例では、後で詳述するが、少なくとも該設定キーSW47をONすることで、設定変更状態や設定確認状態への遷移を可能とし、設定変更や、設定確認を終了する際に、OFFする構成となっている。
また、主制御装置80は、図示のように、設定キーSW47の直下にRAMクリアスイッチ46を備える。RAMクリアスイッチ46は、該RAMクリアスイッチ46を押下しつつ、電源スイッチ86をONして電源投入することで、RAMクリアを実行するためのスイッチである。
なお、本実施例のRAMクリアスイッチ46は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。
ここで、本実施例では、設定値1~6の6種類(種別)が予め設定され、各設定値1~6に対応して異なる大当り判定確率が段階的に設けられている。そして、管理者(パチンコホールの店員等)が行う設定操作によって、何れか1の種類(種別)の大当り判定確率(設定値1~6の何れか)を選択可能となっている。
つまり、図5に示すように、設定値1に対応する大当り当選確率(通常確率状態:1/300、高確率状態:1/30)が最も低く、遊技者に最も不利となっている。
そして、大当り判定確率は、設定値2(通常確率状態:1/290、高確率状態:1/29)、設定値3(通常確率状態:1/280、高確率状態:1/28)、設定値4(通常確率状態:1/270、高確率状態:1/27)、設定値5(通常確率状態:1/260、高確率状態:1/26)の順に高くなっている。
更に、設定値6の大当り判定確率(通常確率状態:1/250、高確率状態:1/25)が最も高く、遊技者に最も有利となっている。
以下、図27(a)を用いて、大当り判定確率の設定方法について簡単に説明する。
管理者(パチンコホールの店員等)が、設定キーSW47を設定スイッチ(鍵穴)に挿入して、設定キーSW47の操作位置を、初期位置を基準として所定方向(例えば、右回転方向)に回転させて、設定スイッチをONにする。この状態で、RAMクリアスイッチ46を押圧操作したまま、パチンコ機50に電源を投入すると、パチンコ機50のモードは設定変更モードとなる。
この設定変更モードで、管理者(パチンコホールの店員等)が、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作することで、設定値を変更することができる。つまり、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作する毎に、設定値が設定値1~設定値6、更に、設定値1...の順に変更される。
その際、性能表示装置48に設定値の変更に伴い、その時点の設定値を示す数値が表示される。
そして、設定キーSW47を所定方向と反対方向(例えば、左回転方向)に回転させて、設定キーSW47の操作位置を初期位置に戻すと、設定値が確定された状態となり、通常の遊技モード(後述する図7のメインルーチン等、通常の処理が進行可能なモード)となる。
また、設定変更モードとなり、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作することなく、設定キーSW47の操作位置を初期位置に戻すと、設定値が電断前の設定値に確定する。
また、実施例のパチンコ機50において、通常の処理を進行する際に設定される設定値が確定すると、当該設定値を特定する信号(図27(c)の設定値情報を参照)が、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ送信される。そして、サブ統合制御装置83は、この信号が特定する設定値をRAM(サブ統合制御装置83に搭載されたRAMであって、図27(c)の符号83Mを参照)に記憶する。そして、サブ統合制御装置83では、図27(c)に示すように、パチンコ機50電源がOFFとなるまで、RAM(サブ統合制御装置83に搭載されたRAM)に記憶された「設定値を特定する情報」が保持される。このため、遊技モードにおいて、サブ統合制御装置83はRAM83Mを参照し、その時点の設定値を検出(取得)することができ、その設定値に基づいて示唆演出(特定示唆演出、一般示唆演出)を設定することができる。
つまり、主制御装置80は、管理者(パチンコホールの店員等)が行う設定キーSW47、RAMクリアスイッチ46の操作、パチンコ機50の電源投入行為に基づいて、大当り判定確率を設定する手段(図27(c)の設定手段)としての機能と、管理者が行う設定値の確定行為(設定キーSW47の操作位置を初期位置に戻す行為)に伴い、設定値を特定する信号(図27(c)の設定値情報)をサブ統合制御装置83に送信する設定情報送信手段(図27(c))としての機能を備える。
一方、図27(b)に示すように、設定キーSW47を設定スイッチ(鍵穴)に挿入して、設定キーSW47の操作位置を、初期位置を基準として所定方向(例えば、右回転方向)に回転させて設定スイッチをONにし、RAMクリアスイッチ46を押圧操作せずにパチンコ機50に電源を投入すると、パチンコ機50のモードは設定確認モードとなる。この場合、電断前の設定値を示す数値が、性能表示装置48に表示される。
この設定確認モードにおいても、設定キーSW47の操作位置を初期位置に戻すと(管理者が設定値の確定行為を行うと)、設定値が電断前の設定値に確定し、設定値を特定する信号(図27(c)の設定値情報)がサブ統合制御装置83に送信される。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置80は各種の乱数を抽出(生成)する乱数カウンタ等も備えている。
また、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ13a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで普通電動役物(第2始動口12)の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
パチンコ機50は、RAMクリアスイッチ(SW)46(図例では主制御装置80に配置されている)を押した状態で電源を投入すると、RAMの領域のうちの一部を除いた領域がクリアとなると共に、RAMの初期設定が行われることになる。
また、本実施例では、段階設定値(所謂、設定1~設定6を示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。具体的には、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
前述のように、パチンコ機50は、主制御装置80に、RAMに記憶された情報を消去するためにRAMクリアSW46が設けられている。RAMクリアSW46は払出制御装置81や電源基板85に設ける構成としてもよい。また、性能表示装置48は主制御装置80に設けられ、主制御装置80によって制御される。また、本実施例では、主制御装置80に、上述したように設定変更や設定確認の際に用いる、設定キーSW47を備える。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部(図4において音声制御部83aと表記)は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御、つまり、音量の制御や、音声の種類(例えば、報知音の種類等、設定示唆音の制御)等を行う。また、ランプ制御装置としての機能部(図4においてランプ制御部83bと表記)は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
なお、図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
次に、図5を用いて、本実施例のパチンコ機50の基本的仕様について説明する。
本実施例のパチンコ機50は、所謂「確変機」であり、高確率状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率は、通常確率状態(大当り判定確率が通常確率)における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率の約10倍となっている。また、本パチンコ機50は、大当り確率の異なる6種類の段階設定値(所謂設定)を備え、最も大当り確率の低い「設定1」から、最も大当り確率の高い「設定6」を備えている。
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定(以下、第1当否判定という)が実行される。また、第2始動口12への入球に起因して第2特別図柄の当否判定(以下、第2当否判定という)が実行される。
第1当否判定が実行されると、第1特別図柄の停止図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)と、変動パターン(第1特別図柄が変動表示する時間を特定する変動パターン)が乱数抽選で決定され、決定された変動時間に基づいて第1特別図柄表示装置9及び演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第1特別図柄の変動時間を経過して、第1特別図柄表示装置9で第1特別図柄の停止図柄(確定図柄)が表示され、演出図柄表示装置6に第1特別図柄に対応する演出図柄が停止表示(確定表示)され、第1当否判定の結果を報知される。
また、第2当否判定が実行されると、第2特別図柄の停止図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)と、変動パターン(第2特別図柄が変動表示する時間を特定する変動パターン)が乱数抽選で決定され、決定された変動時間に基づいて第2特別図柄表示装置10及び演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第2特別図柄の変動時間を経過して、第2特別図柄表示装置10で第2特別図柄の停止図柄(確定図柄)が表示され、演出図柄表示装置6に第2特別図柄に対応する演出図柄が停止表示(確定表示)され、第2当否判定の結果を報知される。
第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)又は第2特別図柄の当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなり、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で確定表示されると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
本実施例のパチンコ機50では、第1当否判定の結果が大当りとなる場合も、第2当否判定の結果が大当りとなる場合も、停止図柄(確定表示される大当り図柄)が、確変大当り図柄とされる場合と、通常大当り図柄とされる場合とを、それぞれ50%の割合で生ずる。
そして、確変大当り図柄が停止表示(確定表示)され、確変大当りを発生すると、大当り遊技を実行した後、パチンコ機50の遊技状態が、高確率状態且つ開放延長状態(以下、「高確率・開放延長状態」と記載することがある)に移行する。
この高確率・開放延長状態は、大当り遊技後の当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が50回になるか、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
ここで、実施例1のパチンコ機50では、大当り判定確率が高確率状態の確率(「設定1」の1/30、「設定2」の1/29、「設定3」の1/28、「設定4」の1/27、「設定5」の1/26、「設定6」の1/25)に設定された状態が、遊技者にとって有利度が高い有利遊技状態に相当する。一方、大当り判定確率が通常確率状態の確率(「設定1」の1/300、「設定2」の1/290、「設定3」の1/280、「設定4」の1/270、「設定5」の1/260、「設定6」の1/250)に設定された状態が、遊技者にとって通常の有利度を備える非有利遊技状態に相当する。つまり、「大当り判定確率が高確率状態の確率」に設定されているか、「通常確率状態の確率」に設定されているかによって、有利遊技状態か、非有利遊技状態かを切り分けている。
高確率・開放延長状態は、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになることなく、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)を50回実行すると終了し、通常確率且つ非開放延長状態(以下、通常確率・非開放延長状態という)になる。
ここで、通常確率且つ非開放延長状態(通常確率・非開放延長状態)は、通常遊技状態であり、一般にパチンコ機50の起動時の遊技状態である。
また、通常大当り図柄が停止表示(確定表示)され、通常大当りを発生すると、大当り遊技を実行した後、パチンコ機50の遊技状態が、通常確率状態且つ開放延長状態(以下、通常確率・開放延長状態という)に移行する。
この通常確率・開放延長状態は、大当り遊技後の当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が50回になるか、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
通常確率・開放延長状態は、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになることなく、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)を50回実行すると終了し、通常確率且つ非開放延長状態(以下、通常確率・非開放延長状態という)となる。
ここで、高確率状態とは、第1当否判定及び第2当否判定で大当りと判定される確率(大当り判定確率)を向上させる確率変動機能が作動する状態をいい、通常確率状態とは、確率変動機能が作動していない状態をいう。そして、高確率状態及び通常確率状態の大当り判定確率は、その時点の設定値に対応する値とされている。
また、開放延長状態(時短状態)とは、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動される状態をいい、非開放延長状態(非時短状態)とは開放延長機能及び時短機能が作動していない状態をいう。
そして、本実施例では、「高確率・開放延長状態」で当否判定を実行可能な上限回数「50回」は「特定回数」の具体例を構成し、「高確率・開放延長状態」で実行される当否判定の回数が50回になると(以下、所謂高確率状態を回数切りする回数になると)、「通常確率・非開放延長状態」となる。
第1始動口11及び第2始動口12への入球による賞球数は3個、その他入賞口13への入球による賞球数は10個となっている。また、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個(図5では図示を省略)となっている。
普通図柄の当選確率は、非開放延長状態(非時短状態)で「1/6」に設定され、開放延長状態(時短状態)で「5/6」に設定されている。
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非開放延長状態(非時短状態)において「0.3秒を1回」であり、開放延長状態(時短状態)において「2秒を1回」である。
普通図柄の変動時間は、非開放延長状態で平均5秒、開放延長状態で平均1秒とされている。
次に、図6(a)及び(b)を用いて、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当りとなる場合に実行される大当り遊技の内容と、大当り遊技を実行した後に移行する遊技状態について説明する。
図6(a)に示すように、大当り図柄11(6R通常大当り図柄)が停止表示されると、6R通常大当りが発生し、「6R大当り遊技」を実行する。また、大当り図柄12(8R通常大当り図柄)が停止表示されると、8R通常大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。
大当り図柄13(6R確変大当り図柄)が停止表示されると、6R確変大当りが発生し、「6R大当り遊技」を実行する。また、大当り図柄14(8R確変大当り図柄)が停止表示されると、8R確変大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。
ここで、「6R大当り遊技」では大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を所定のインターバルを間に挟んで6回行い、「8R大当り遊技」では同様なラウンド遊技を同様なインターバルを間に挟んで8回行う。
図6(b)に示すように、大当り図柄21(8R通常大当り図柄)が停止表示されると、8R通常大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。また、大当り図柄22(10R通常大当り図柄)が停止表示されると、10R通常大当りが発生し、「10R大当り遊技」を実行する。
大当り図柄23(8R確変大当り図柄)が停止表示されると、8R確変大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。また、大当り図柄24(10R確変大当り図柄)が停止表示されると、10R確変大当りが発生し、「10R大当り遊技」を実行する。
ここで、「10R大当り遊技」では大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を所定のインターバルを間に挟んで10回行う。
「6R確変大当り」、「8R確変大当り」、「10R確変大当り」に基づく、大当り遊技を実行した後は、高確率・開放延長状態(有利遊技状態)が、当否判定の実行回数が50回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
「6R通常大当り」、「8R通常大当り」、「10R通常大当り」に基づく、大当り遊技を実行した後は、通常確率・開放延長状態が、当否判定の実行回数が50回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
ここで、図6(a)(b)に付した「三角」の印は大当り遊技後の遊技状態が「非有利遊技状態」になるケースを示し、「2重丸」の印は大当り遊技後の遊技状態が「有利遊技状態」になるケースを示している。
本パチンコ機50では、以下のように遊技が進行する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10~S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」~「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」~「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
S35に続くリーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」~「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」~「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」~「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」~「5」である。
S40に続く変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」~「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14、一般入賞口13への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
なお、本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球(3個)が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b、等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口13に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10~S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図7に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0~3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
次に、図8を用いて、特別図柄に関する入賞確認処理(以下、特図入賞確認処理という)について説明する。この特図入賞確認処理は、図7のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
特図始動入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S200)。肯定判断なら(S200:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S202)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S200:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
第1保留記憶が満杯でなければ(S202:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶領域に記憶するとともに、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ、第1保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やす(S204)。そして、加算した第1保留記憶の数に該当する保留数コマンド(第1保留数コマンド)を生成し、サブ統合装置83に送信し(S206)、S210へ移行する。
一方、4個の第1保留記憶があれば(S202:yes)保留記憶せず、第1保留記憶の数を示すカウンタや第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS210へ移行する。
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S200:no)もS210に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S210:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S212)。また、第2始動口12に遊技球が入球したと判断された場合には(S210:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
第2保留記憶が満杯でなければ(S212:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第2保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を増やす(S214)。そして、加算した第2保留記憶の数に該当する保留数コマンド(第2保留数コマンド)を生成し、サブ統合装置83に送信し、本処理を終了する。
一方、S212において4個の第2保留記憶があれば(S212:yes)、第2保留を記憶せず、第2保留記憶の数や第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S210:no)も、本処理を終了する。
また、S200において行われる判定処理、S210において行われる判定処理よりも前に主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力するため、第1保留記憶、第2保留記憶が満杯であっても賞球が払い出されることになる。
更に、サブ統合制御装置83は第1保留数コマンド、若しくは、第2保留数コマンド(第2保留記憶数指示コマンド)を受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。
次に、図9~13を用いて、特別図柄に関する当否判定処理(特図当否判定処理)について説明する。この特図当否判定処理は、図7に示すメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、図10のS330に移行し、第2保留記憶(上記、図8のS204による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
この保留記憶があれば(S330:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S332)、S338に進む。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、図8のS214による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
また、第1保留記憶がなければ(S334:no)、待機コマンドをサブ統合制御装置83に送信した後(S337)、大当り遊技処理へ移行する。この待機コマンドは、特別図柄が変動しておらずパチンコ機50が「待機状態(所謂「客待ちの状態)」であることを示すコマンドである。
また、本パチンコ機50では、このように、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理する。
S338では確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率状態であることを意味する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
そして、S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定する(S350)。このS350では、その時点の設定値に応じて段階的に異なる確率で大当りと判定(大当り判定)される。
つまり、(1)「設定値1」の場合、高確率状態で「1/30」、通常確率状態で「1/300」、(2)「設定値2」の場合、高確率状態で「1/29」、通常確率状態で「1/290」、(3)「設定値3」の場合、高確率状態で「1/28」、通常確率状態で「1/280」、(4)「設定値4」の場合、高確率状態で「1/27」、通常確率状態で「1/270」、(5)「設定値5」の場合、高確率状態で「1/26」、通常確率状態で「1/260」、(6)「設定値6」の場合、高確率状態で「1/25」、通常確率状態で「1/250」とされる。
S350で大当りと判定される場合には(S350:yes)、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1当否判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2当否判定」に相当する。
そして、「第1当否判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、図6(a)に示すように、大当り図柄が「通常大当り図柄(図柄11若しくは図柄12)及び「確変大当り図柄(図柄13若しくは図柄14)のうちの何れかに、各々50%の割合で決定される。
また、「第2当否判定」の結果が大当りである場合には、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、図6(b)に示すように、大当り図柄が「通常大当り図柄(図柄21若しくは図柄22)及び「確変大当り図柄(図柄23若しくは図柄24)のうちの何れかに、各々50%の割合で決定される。
そして、S352の処理で大当り図柄を決定すると、変動パターン決定処理(S354)に移行する。
この変動パターン決定処理(S354)では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。ここで、変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行った後(S356)、S364の処理に移行する。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(図6(a)(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
S350において外れと判定された場合は(S350:no)、外れ図柄を決定する(S358)。そして、外れ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S360)。こうして、変動パターンが設定されると、外れ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。
ここで、S360では、リーチ判定用乱数がリーチを発生させる値と判定される場合には、その時点の遊技状態を考慮した変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。ここで、当否判定の結果が外れである場合、演出図柄の変動表示においてリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う場合を「リーチ外れ」と称し、リーチを行わない場合を「単純外れ」と称することとする。
図12(a)に示すように、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合(単純外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「単純外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「単純外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
当否判定の結果が外れであり、リーチを行う場合(リーチ外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。この場合も、当否判定の結果が大当りである場合と同様に、開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間は、非開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間よりも短か目とされる。
一般に単純外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴わない場合)において「単純外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンは、リーチ外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴う場合)において「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。
次に図11を用いて、S362の外れ設定処理について説明する。
外れ設定処理を開始すると、S362aで確変回数が「0」よりも大きいか否かを判定する。つまり、高確率状態で実行可能の当否判定の残り回数(確変回数)が「0」よりも大きいか否かを判定する(S362a)。
ここで、本実施例では、大当り遊技の終了時に、確変回数及び時短回数が同数(50回)に設定される(図16のS538、図16のS552を参照)。このため、本実施例ではS362aで確変回数が「0」よりも大きいと判定される場合には、時短回数も「0」よりも大きくなる。
S362aで肯定判定されると(S362a:yes)、S362bに移行し、S362aで否定判定されると(S362a:no)、外れ設定処理をリターンする。
S362bでは確変回数及び時短回数を「-1」する処理を行う。つまり、高確率状態(有利遊技状態)で実行可能の当否判定の残り回数(確変回数)と、時短状態で実行可能の当否判定の残り回数(時短回数)をそれぞれ「1」デクリメントする。
そして、S362bを実行すると、S362cで確変回数が「0」になったか否かを判定する。なお、本実施例では、確変回数が「0」になると時短回数も「0」になる。
このS362cで否定判定される場合には(S362c:no)、外れ設定処理をリターンする。一方、S362cで肯定判定される場合には(S362c:yes)、S362dに移行し、回数切りフラグの値を「1」とする処理を行う。つまり、高確率状態で当否判定を実行した回数が、上限回数(本実施例では50回)となったことを示す回数切りフラグが設定される。
S362dを実行すると、S362eに移行し、連チャン準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する。このS362eで肯定判定される場合には(S362e:yes)、連チャン準備フラグの値を「0」とする処理(S362f)、非連チャンコマンドをサブ統合装置83に送信する処理(S362i)を行った後、外れ設定処理をリターンする。
一方、S362eで否定判定される場合には(S362e:no)、S362gに移行し、連チャンフラグの値が「1」であるか否かを判定する。このS362gで肯定判定される場合には(S362g:yes)、連チャンフラグの値を「0」とする処理(S362h)、非連チャンコマンドをサブ統合装置83に送信する処理(S362i)を行った後、外れ設定処理をリターンする。また、S362gで否定判定される場合には(S362g:no)、そのまま外れ設定処理をリターンする。
ここで、連チャン準備フラグとは、パチンコ機50の遊技状態が有利遊技状態(高確率状態)に移行し、連チャンが可能な状態(大当り遊技を間に挟み、大当りを連続的に発生可能な状態)となったことを示すフラグである。この連チャン準備フラグは、後述するように、所謂初当り(非有利遊技状態)で大当りを発生し、大当り遊技を実行した後に有利遊技状態に移行すると、値が「1」とされる。
また、連チャンフラグとは、パチンコ機50の遊技状態が有利遊技状態(高確率状態)で大当りを発生し、大当り遊技を実行した後に有利遊技状態(高確率状態)に移行したことを示すフラグである。この連チャンフラグは、連チャン状態(大当り遊技を間に挟み、遊技状態が有利遊技状態)になると値が「1」とされる。また、連チャンフラグの値が「1」とされると、連チャン準備フラグの値が「0」とされる(図17を参照)。
次に、図10に戻り更に説明する。
S356又はS362に続いては、上述の抽選結果を示すデータをサブ統合制御装置83に出力し(S364)、大当り遊技処理へ移行する。ここで、このS364でサブ統合制御装置83に送信されるデータは、「当否判定の結果を示すデータ(大当りか、外れを示すデータ)」と、「当否判定の結果が大当りの場合、大当りの種類を示すデータ(発生する大当りが、通常大当りであることを示すデータ、若しくは、確変大当りであることを示すデータ)」と、「当否判定の結果が外れの場合、当該外れがリーチ外れか、単純外れかを示すデータ」と、「変動時間を指定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)と、が含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)」である。
また、S364の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
ここで、S362を経て移行するS364の処理で送信される「変動開始コマンド」には、回数切りフラグの値が「1」であることを示す情報(回数切りコマンド)が含まれる。つまり、今回の開始された変動(当否判定の結果が外れである場合の変動)によって、高確率状態が終了し、遊技状態が通常確率状態に移行すること(次回実行される当否判定は通常確率状態で実行すること、すなわち、今回の外れが高確率状態の回数切りに相当すること)を示すコマンドも、サブ統合制御装置83に出力される。
そして、S364を実行すると、回数切りフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S366)。そして、S366で否定判定される場合(S366:no)、そのまま大当り遊技処理へ移行し、S366で肯定判定される場合(S366:yes)、回数切りフラグの値を「0」とした後(S368)、大当り遊技処理へ移行する。
図9のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、図12(b)のS370に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S370:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S370:yes)、確定図柄表示処理(S372)を行なってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
図9のS324において確定図柄を表示中と判定された場合には(S324:yes)、図13のS374に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S374:no)は大当り遊技処理を行う。
これに対し、S374において肯定判定(S374:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S376)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S378)。
S378で大当りになる図柄であると判定された場合(S378:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S380)。確変フラグが1であれば(S380:yes)、S382にて確変フラグを0にし、S384に移行する。一方、確変フラグが1でなければ(S380:no)、そのままS384に移行する。
そして、S384では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S384:yes)、S386にて時短フラグを0にし、S390に移行する。一方、時短フラグが1でなければ(S384:no)、そのままS390に移行する。
このS390では、状態指定コマンドを送信する。この場合、遊技状態が「通常確率・非開放延長状態」、つまり、通常遊技状態であることを示すコマンド(高確率・開放延長状態が終了することを示すコマンド)が、サブ統合制御装置83に送信される。これにより、大当り遊技を実行中には、遊技状態が通常確率・非開放延長状態(通常遊技状態)となる。
そして、S376で確定表示される大当り図柄が確変大当りであると、当該確変大当りに基づいて実行される大当り遊技を実行した後、遊技状態が通常確率・非開放延長状態から高確率・開放延長状態(有利遊技状態)に移行する。このとき、確変大当りが確定表示されるとき(大当りの発生時)の遊技状態が、高確率・開放延長状態(有利遊技状態)であると、高確率・開放延長状態(有利遊技状態)は大当り遊技を介して継続することになる。
S390に続いて、S392では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS394にて役物連続作動装置を作動させる。
S394を行うと、続くS396において大当り遊技開始処理を行う。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、大当り遊技処理を行う。
S378で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S378:no)、S400で確変フラグが「1」か否かを判定する。
そして、「1」であれば(S400:yes)、確変回数が「0」か否かを判定する(S404)。
そして、確変回数が「0」であれば(S404:yes)、S406にて確変フラグを「0」にしてS410に進む。一方、確変フラグが「1」でないとき(S400:no)又は確変回数が「0」ではないとき(S404:no)はそのままS410に移行する。
このS410では、時短フラグが「1」か否かを判定し、「1」であれば(S410:yes)、時短回数が「0」か否かを判定する(S412)。そして、時短回数が「0」であれば(S412:yes)、S414にて時短フラグを「0」にし、S416に進む。
また、時短フラグが「1」でないとき(S410:no)又は時短回数が「0」ではないとき(S412:no)はそのままS416に移行する。
S416では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理へ移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
S406で確変フラグが解除され、S414で時短フラグが解除される場合には、S416が高確率・開放延長状態(有利遊技状態)から通常確率・非開放延長状態(通常遊技状態)に移行したことを示すコマンドが送信される。
次に図14から図17を用いて、大当り遊技処理について説明する。
まず、図14に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているか否かを判断する(S506)。
ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S506:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S508)。これも否定判定の場合は(S508:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S510)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S510:yes)、大入賞口開放処理(S512)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S502:yes)、図15のS514に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では大入賞口14への規定入賞数は10個だが、8個、9個でもよく、特に限定するものではない。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S514において、大入賞口14に遊技球が10個入賞した場合には(S514:yes)、大入賞口閉鎖処理(S518)を行い、大当りインターバル処理(S520)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
図14に戻る。図14のS506でインターバル中であると判定された場合は(S506:yes)、図15のS522に進み、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ラウンド遊技間のインターバル時間が経過している場合(S522:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S524)。
また、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過していない場合には(S522:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。S524において、最終ラウンドであれば(S524:yes)、大当り終了演出処理(S526)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S524において、最終ラウンドでなければ(S524:no)、大入賞口14を開放する処理(S528)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図14に戻る。図14のS508で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S508:yes)、図16のS530に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。そして、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
一方、大当り終了演出時間が経過した場合には(S530:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S532)、条件装置の作動を停止する(S534)。そして、S534を実行すると、S536において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する。
つまり、S536では、今回終了する大当り遊技が「確変大当りの発生に基づいて実行された大当り遊技」であるか、「通常大当りの発生に基づく大当り遊技」であるかを判定する(S536)。そして、「確変大当りの発生に基づいて実行された大当り遊技」である場合には、S538以降の処理に移行し、「通常大当りの発生に基づいて実行された大当り遊技」である場合には、S546以降の処理に移行する。
S536で肯定判定されると(S536:yes)、確変回数を設定する処理(S538)と、確変フラグを「1」に設定する処理(S540)行う。ここで、確変フラグを「1」にすると、遊技状態は高確率状態となり、特別図柄の当否判定で大当りとなる確率(大当り判定確率)が向上する。また、本実施例では、確変回数(高確率状態で実行可能の当否判定の残り回数)が「50」に設定される。
そして、S540を実行すると、確変大当り関連情報信処理(S544)を行った後、S550に移行する。
一方、S536で否定判定される場合には(536:no)、通常大当り関連情報送信処理(S546)を行った後、S550に移行する。なお、確変大当り関連情報、通常大当り関連情報に関しては後述する(図17、図18を参照)。
S544を実行するか、S546を実行すると、S550に移行し、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。
本実施例では、S550で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S552)と、時短フラグを「1」に設定する処理(S554)とを行った後、S556に移行する。また、時短フラグを「1」にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
ここで、本実施例では、S552で時短回数は、確変回数と同一回数(50回)に設定される。このため、大当り遊技終了後において、高確率・開放延長状態で当否判定を行う上限期間(特定回数)として、「50回」が設定される。但し、本発明において、時短回数と確変回数が同一回数とされることは必ずしも必要とされない。例えば、時短回数を確変回数よりも多くし、確変の残り回数が「0」となり、高確率・開放延長状態を終了すると、遊技状態が通常確率・開放延長状態に移行する。そして、時短の残り回数が「0」となり、通常確率・開放延長状態を終了すると、遊技状態が通常確率・非開放延長状態に移行することとしてもよい(図31(b)を参照。)。
S556において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS558において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
次に、図17を用い、確変大当り関連情報送信処理(S544)について説明し、図18を用い、通常大当り関連情報送信処理(S546)について説明する。
図17に示すように、確変大当り関連情報送信処理を開始すると、連チャンフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S544a)。
ここで、連チャンフラグは、非有利遊技状態で確変大当りを発生し、大当り遊技を実行した後に有利遊技状態(高確率・開放延長状態)となり、この有利遊技状態(高確率・開放延長状態)で更に確変大当りを発生すると、値が「1」とされる(S544c)。ここで、非有利遊技状態で確変大当りを生ずることを、所謂初当りと称することがある。
また、非有利遊技状態で確変大当りを発生し、大当り遊技後に有利遊技状態(高確率・開放延長状態)となると、連チャン準備フラグの値が「1」とされる。この連チャン準備フラグは、非有利遊技状態で確変大当りを発生し、大当り遊技後に有利遊技状態(高確率・開放延長状態)となり、連チャンが可能な状態となったことを示すフラグである。
S544aで肯定判定される場合には(S544a:yes)、連チャンコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S544d)、確変大当り関連情報信処理をリターンする。ここで、連チャンコマンドは、連チャン(高確率・開放延長状態で確変大当りを生じ、大当り遊技を介して再び高確率・開放延長状態になること)を生ずる度にサブ統合制御装置83に送信される。
一方、S544aで否定判定される場合には(S544a:no)、S544bに移行し、連チャン準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する。
S544bで肯定判定される場合には(S544b:yes)、連チャン準備フラグの値を「0」とし、連チャンフラグの値を「1」とする(S544c)。そして、連チャンコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S544d)、確変大当り関連情報信処理をリターンする。
一方、S544bで否定判定される場合には(S544b:no)、連チャン準備フラグの値を「1」とし(S544e)、連チャン準備コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S544f)、確変大当り関連情報信処理をリターンする。
連チャン準備コマンドは、確変大当りの初当りを生ずると、大当り遊技後にサブ統合制御装置83に送信される。
図18に示すように、通常大当り関連情報送信処理を開始すると、連チャンフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S546a)。
そして、S546aで肯定判定される場合には(S546a:yes)、連チャンフラグの値を「0」とする処理(S546b)を行った後、S546eに移行し、S546aで否定判定される場合には(S546a:no)、S546cに移行する。
S546cでは連チャン準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S546c)。そして、S546cで肯定判定される場合には(S546c:yes)、連チャン準備フラグの値を「0」とする処理(S546d)を行った後、S546eに移行し、S546cで否定判定される場合には(S546c:no)、そのままS546eに移行する。
S546eでは、非連チャンコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S546e)を行う。そして、通常大当り関連情報信処理をリターンする。
つまり、有利遊技状態で通常大当りを発生すると、当該通常大当りに基づく大当り遊技を実行する際に連チャンフラグ若しくは連チャン準備フラグの値を「0」とし、非連チャンコマンドをサブ統合制御装置83に送信した後、通常大当り関連情報信処理をリターンする。
一方、非有利遊技状態で通常大当りを発生すると、当該通常大当りに基づく大当り遊技を実行した後、S546eを実行し、通常大当り関連情報信処理をリターンする。
次に、図19及び図20を用いて、本実施例のパチンコ機50で実行される演出の概要について簡単に説明する。ここで、図19は当否判定の結果が大当りである場合の演出表示(以下、大当り演出という)の具体例を示し、図20は当否判定の結果が外れである場合の演出表示(以下、外れ演出という)の具体例を示している。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンド(図10のS364)等に基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う演出表示を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御したりして、特別図柄の変動表示等に対応する演出を実行する。
また、図19及び図20に示す演出表示において、演出図柄表示装置6の画面6aには、変動表示領域6Hが表示され、この変動表示領域6Hでは特別図柄の変動開始に呼応して、左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。そして、変動表示領域6Hにおいては、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。また、演出図柄表示装置6の画面6aには、その時点の遊技状態や、設定値等を示唆する情報(関連情報)6Fが出現することがある。なお、関連情報6Fは、キャラクタ、動画、実写画像等を通じて表示される。
なお、本実施例においては、変動表示領域6Hで表示される「演出図柄の変動」を3桁の構成図柄で実行するが、構成図柄の数は特に問わず、1個であってもよいし、3以外の複数であってもよい。また、本実施例では、演出図柄のスクロール方向を縦方向としたが、本実施例とは異なり、横方向であってもよい。更に、変動表示領域6Hにおいて、左側に表示される構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
本パチンコ機50において、図19(a)及び図20(a)に示すように、主制御装置80からS364で送信される変動開始コマンドを受信すると、変動表示領域6Hにおいて左演出図柄6L、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始する。
そして、変動開始コマンドが、大当り(確変大当り、通常大当り)の発生を特定するものである場合、変動開始後、所定時間が経過すると、図19(b)に示すように、左演出図柄6Lと右演出図柄6Rを同一の演出図柄で停止表示し、中演出図柄6Cを変動状態としてリーチ表示が実行される。そして、リーチ表示を契機にリーチ演出が開始される。
このリーチ演出においては、例えば、発生する大当りが確変大当りであるか、通常大当りであるかを示唆する演出が実行される。
このリーチ演出の態様は特に問わないが、本実施例では、図19(c)に示すように、「バトル演出」を例示している。このバトル演出において、画面6aに「遊技者の味方としての味方キャラクタ6A」と、「遊技者の敵としての敵キャラクタ6B」が出現してバトルを行う。
また、バトル演出が開始されると、変動表示領域6Hが拡大し、演出図柄の数が9個に増え、演出図柄の表示態様が3行3列のマトリックス状態となり、リーチ表示の態様が複数リーチの態様(ダブルリーチの態様等)に発展する。
より具体的に説明すると、図19(c)に示すように、(1)変動表示領域6Hの左上部に表示される演出図柄と右下部に表示される演出図柄とを同一の奇数数字で停止表示させて構成されるリーチ表示(以下、左上がりリーチ表示という)と、(2)変動表示領域6Hの右上部に表示される演出図柄と左下部に表示される演出図柄とを同一の偶数数字で停止表示させて構成されるリーチ表示(以下、右上がりリーチ表示という)とが、同時に実行される(ダブルリーチの態様が実行される)。
そして、発生する大当りが確変大当りである場合には、図19(d)に示すように、味方キャラクタ6Aが勝利する表示と、確変移行(高確率状態への移行)を示唆する文字情報6Sが画面6aに出現する。
その際、当該確変大当りが、高確率状態に移行した後に発生したものである場合には、高確率状態に移行した後の確変大当りの累積回数(所謂「連チャン回数」)を示唆する文字情報6Nも表示される。ここで、図19(d)は「連チャン回数」が「2回」である場合の文字情報6Nが表示される表示例である。
そして、演出図柄の変動時間(特別図柄の変動時間)を終了すると、拡大した変動表示領域6Hの中央部の演出図柄として、左上がりリーチ表示を構成する演出図柄と同一の奇数図柄が停止表示される。これにより、確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変大当り図柄、例えば、奇数数字のぞろ目図柄)が確定表示される(図19(e)を参照)。
一方、発生する大当りが通常大当りである場合には、図19(f)に示すように、敵キャラクタ6Bが勝利する表示と、通常移行(通常確率状態への移行)を示唆する文字情報6Tが画面6aに出現する。
そして、演出図柄の変動時間(特別図柄の変動時間)を終了すると、拡大した変動表示領域6Hの中央部の演出図柄として、右上がりリーチ表示を構成する演出図柄と同一の偶数図柄が停止表示される。これにより、通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常大当り図柄、例えば、偶数数字のぞろ目図柄)が確定表示される(図19(g)を参照)。
但し、本実施例と異なり、当否判定の結果が大当りの場合に味方キャラクタ6Aが勝利し、当否判定の結果が外れの場合に敵キャラクタが勝利することとしてもよい。
つまり、奇数図柄を両脇に停止表示させて(例えば、奇数図柄を左演出図柄6L及び右演出図柄6Rとして停止表示して)、リーチ表示を実行することを契機に実行されるバトル演出において、味方キャラクタ6Aが勝利する態様は当否判定の結果が確変大当りである場合に実行され、敵キャラクタ6Bが勝利する態様は当否判定の結果が外れである場合に実行される。
また、偶数図柄を両脇に停止表示させて(例えば、偶数図柄を左演出図柄6L及び右演出図柄6Rとして停止表示して)、リーチ表示を実行することを契機に実行されるバトル演出において、味方キャラクタ6Aが勝利する態様は当否判定の結果が通常大当りである場合に実行され、敵キャラクタ6Bが勝利する態様は当否判定の結果が外れである場合に実行されることとしてもよい。
また、本実施例では、大当り演出において設定示唆演出(特定示唆演出、一般示唆演出)が出現しないこととするが、大当り演出においても一般示唆演出が所定確率で出現し、特定示唆演出が出現しないこととしてもよい。この場合、1回の大当り演出に対面するのみでは、明確な設定示唆は実行されないため、その時点の設定値を推測しても、推測の精度は低く、大当り演出に対面する回数が多くなるほど、その時点の設定値をより高い精度で推測可能としてもよい。
図20は、外れ演出の表示例を示している。この外れ演出においても、図20に示すように、主制御装置80からS364で送信される変動開始コマンドを受信すると、変動表示領域6Hにおいて左演出図柄6L、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始する。
ここで、図示を省略するが、外れ演出としては、「リーチ表示とリーチ演出」を伴う演出(リーチ外れ演出)が出現する場合と、「リーチ表示とリーチ演出」を伴わない演出(単純外れ演出)が出現する場合がある。
そして、外れ演出が、高確率状態が回数切りに対応して終了する外れ演出である場合(高確率状態で実行される当否判定の回数が、特定回数の「50」回になる演出表示の場合)であって、しかも、高確率状態の継続回数が「0」回であると(連チャン回数が「0」回であると)、特定示唆演出を伴う終了演出6Pが実行される(図20(b)を参照)。また、高確率状態が回数切りに対応して終了する外れ演出であっても、高確率状態の継続回数が「1」回以上であると(連チャン回数が「1」回以上であると)、特定示唆演出を伴わない終了演出6Pが実行される(図20(c)を参照)。
つまり、本実施例では、高確率状態(遊技遊技状態)に移行しても、一度も確変大当りを発生することなく、高確率状態が回数切りで終了する場合には、特定示唆演出を伴う終了演出が実行される。一方、高確率状態(遊技遊技状態)に移行した後、確変大当りを1回でも発生させた後、高確率状態が回数切りで終了する場合には、特定示唆演出を伴わない終了演出が実行される。
ここで、本実施例では、演出図柄表示装置6の画面6aに「確変終了」という文字情報を表示しつつ終了演出を実行する。
そして、特定示唆演出を伴わない終了演出では、文字情報の色が、その時点の設定値を反映しない色(例えば、黒色)とされる。また、特定示唆演出を伴う終了演出では、文字情報の色がその時点の設定値を反映した色(例えば、黒色以外の色)とされる。このため、特定示唆演出を伴う終了演出が出現すると文字情報の色によってその時点の設定値を予測することができる。
一方、外れ演出が「高確率状態の回数切り以外」の場合に実行される外れ演出では、特定示唆演出が実行されないが、一般示唆演出が実行されることがある。
つまり、(1)遊技状態が通常確率状態で発生した外れに対応する外れ演出である場合と、(2)高確率状態で実行される当否判定の回数が特定回数未満である場合に発生した外れに対応する外れ演出である場合には、一般示唆演出を実行するか否かの実行抽選を行う。
そして、この実行抽選で当選すると、一般示唆演出を伴う一般外れ演出6Jが実行される(図20(d)を参照)。一方、この実行抽選で落選すると、一般示唆演出を伴わない一般外れ演出6Jが実行される(図20(e)を参照)。但し、本実施例では、この実行抽選の当選確率は、低く(例えば、2%)されている。
ここで、一般示唆演出としては種々の態様を例示でき、例えば、画面6aに出現する表示内容をその時点の時点の設定値を反映した内容とする態様を例示できる。具体的には、図20(d)に示す一般示唆を伴う演出では、画面6aに出現するキャラクタ6R・文字情報等の色が「設定値を反映した色(例えば、白色以外の色)」にされる態様を例示できる。また、図20(e)に示す一般示唆を伴わない終了演出では、画面6aに出現するキャラクタ6Rの色が「設定値を反映しない色(例えば、白色)」にされる態様を例示できる。
設定示唆の態様とその時点の設定値の対応傾向は、一般示唆演出よりも特定示唆演出の方が高くなっている。このため、一般示唆演出に遭遇するよりも特定示唆演出に遭遇した場合の方が、その時点の設定値を確実に予測できる可能性が高くなっている。この点に関しては、図24及び図25を用いて後述する。
次に、図21のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する連チャン実行可能状態フラグ管理処理について説明する。但し、以下の説明において、「連チャン実行可能状態フラグ」を「実行可能状態フラグ」と略する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は実行可能状態フラグ管理処理を起動すると、実行可能状態フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1000)。
ここで、実行可能状態フラグは大当り遊技を介して(大当り遊技を間に挟んで)、当否判定を高確率状態で実行可能な状態であることを示すフラグである。そして、大当り遊技を介して当否判定を高確率状態で実行可能な状態である場合には「値」が「1」とされ、大当り遊技を介して当否判定を高率状態で実行可能な状態でない場合には「値」が「0」とされる。
実行可能状態フラグの値が「1」である場合(S1000:yes)、主制御装置80が出力した連チャンコマンド(図17のS544d)を受信したか否かを判定する(S1005:yes)。そして、連チャンコマンドを受信すると(S1005:yes)、継続回数カウンタの値を「+1」した後(S1010)、実行可能状態フラグ管理処理をリターンする。
ここで、継続回数カウンタは、連チャンコマンドを受信した回数を計数するカウンタであり、連チャン準備コマンドを受信すると(S1025;yes)、初期値(「0」)がセットされる(S1035)。つまり、連チャン準備コマンドを受信し、連チャンのスタンバイした後、連チャンコマンドを受信する度に(S1005:yes)、継続回数カウンタのカウント値がインクリメントされる。
S1005で否定判定される場合には(S1005:no)、S1015に移行し、主制御装置80が出力した非連チャンコマンド(図18のS546e、図11のS362iを参照)を受信したか否かを判定する(S1015)。つまり、通常大当りに基づく大当り遊技が実行されたか、或いは、回数切りが行われたか否かを判定する(S1015)。そして、S1015で肯定判定される場合には(S1015:yes)、実行可能状態フラグの値を「0」とした後、実行可能状態フラグ管理処理をリターンする。
なお、実行可能状態フラグの値が「1」の場合において、連チャンコマンド及び非連チャンコマンドを受信しないと(S1005:no、S1015:no)、実行可能状態フラグ管理処理を一旦リターンする。
実行可能状態フラグの値が「0」の場合には(S1000:no)、主制御装置8が出力した連チャン準備コマンド(図17のS544f)を受信したか否かを監視する(S1025)、そして、S1025で肯定判定されると(S1025:yes)、S1030に移行する。なお、S1025で肯定判定されない限りは(S1025:no)、そのまま実行可能状態フラグ管理処理をリターンし、実行可能状態フラグの値が「0」に維持される。
S1030に移行すると実行可能状態フラグの値を「1」とする。このS1030を実行すると、継続回数カウンタに初期値(「0」)をセットした後(S1035)、実行可能状態フラグ管理処理をリターンする。
次に、図22及び図23のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1100)。そして、否定判定されると(S1100:no)、そのまま演出開処理を終了し、肯定判定されると(S1100:yes)、S1105の処理に移行し、演出パターン(演出態様)を振り分ける際に使用する振分乱数を取得する。
ここで、変動開始コマンドとは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図10のS364を参照)。そして、この変動開始コマンドには、特別図柄の当否判定の結果(大当り、外れ)を示すデータと、変動時間を指定する変動パターンを示すデータが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、変動開始コマンドには、大当り図柄を指定する図柄指定コマンドが含まれる。つまり、大当り図柄を指定する図柄指定コマンドとして、確変大当り図柄(確変大当り)を指定するデータ若しくは通常大当り図柄(通常大当り)を指定するデータが含まれる。
更に、変動開始コマンドには、特別図柄の当否判定の結果が外れの場合、当該外れがリーチ外れであるか、通常外れであるかを示すデータも含まれる(例えば、変動パターンを示すデータによってリーチ外れか、通常外れかが特定される)。また、回数切り状態で特別図柄の当否判定の結果が外れとなる場合には、変動開始コマンドには回数切りコマンド(回数切りになったことを特定する情報)が含まれる。
サブ統合制御装置83はS1105を実行すると、S1110に移行し、大当りを発生したか否か(変動開始コマンドに当否判定の結果が大当りであることを示すデータが含まれているか否か)を判定する。
S1110で肯定判定される場合には(S1110:yes)、S1115に移行して発生した大当りが確変大当りであるか否か(変動開始コマンドに確変大当り図柄(確変大当り)を指定するデータが含まれているか否か)を判定する。
S1115で肯定判定される場合には(S1115:yes)、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、「確変大当り演出を伴う演出パターン」を設定し(S1120)、S1190に移行する。なお、演出パターンが設定する際には、主制御装置80から送信される変動パターンに関する情報(開始する特別図柄の変動時間を特定する情報)に対応する演出パターンテーブルと、S1105で取得した振分乱数とを用いた乱数抽選で決定される。これにより、開始する演出表示の内容(背景画像、登場するキャラクタの種類、数、内容等)が決定される。なお、この点に関しては、図22、図23に示す他の演出パターンの設定(S1125、S1145、S1155、S1175、S1185)についても同様である。
一方、S1115で否定判定される場合には(S1115:no)、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、「通常大当り演出を伴う演出パターン」を設定し(S1125)、S1190に移行する。
S1110で否定判定される場合には(S1110:no)、図23のS1130に移行し、回数切り外れであるか否かを判定する。ここで、回数切り外れとは、高確率・開放延長状態で実行する当否判定が特定回数になった場合に生じた外れを指し、変動開始コマンドには回数切りコマンド(回数切りになったことを特定する情報)が含まれている場合には、S1130で肯定判定される。
S1130で肯定判定されると(S1130:yes)、S1135に移行し、継続回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、S1135で肯定判定される場合には(S1135:yes)、設定示唆態様をその時点の設定値に基づいて決定する処理(S1140)を行った後、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、特定示唆演出を伴う終了演出を含む演出パターン(外れ演出のパターン)を設定し(S1145)、S1190に移行する。
なお、継続カウンタ(図20のS1010、S1135)は継続回数を示すカウンタである。
ここで、S1140では、その時点の設定値を反映した特定示唆演出を行うための設定示唆態様が、振分乱数(図22のS1105)を用いた乱数抽選で決定される。つまり、このS1140では、演出表示で出現する特定示唆演出の態様が、その時点の設定値を反映した示唆演出態様テーブル(図24(a))を参照して、S1105で取得した振り分け乱数を用いた乱数抽選で設定される。
より具体的に説明すると、その時点の設定値が「1」である場合には図24(a)の最上段の示唆演出パターンテーブルT1を用いた乱数抽選によって、特定示唆演出を構成する文字情報の色(以下、文字色という)が、その時点の設定値1を反映する色(以下、反映色という)に決定される。この場合、文字色が「青色」、「黄色」若しくは「緑色」に決定される。そして、その時点の設定値が「1」である場合の文字色として、「青色」に高い確率(90%)で決定され、「黄色」若しくは「緑色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
同様に、その時点の設定値が「2」である場合には図24(a)の上から2段目の示唆演出パターンテーブルT2を用いた乱数抽選によって、特定示唆演出(終了演出)を構成する文字情報の文字色(反映色)が、その時点の設定値2を反映する色に決定される。そして、その時点の設定値が「2」である場合の文字色として、「黄色」に高い確率(90%)で決定され、「緑色」若しくは「赤色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
同様に、その時点の設定値が「3」である場合には図24(a)の上から3段目の示唆演出パターンテーブルT3が参照され、その時点の設定値3を反映する色(反映色)に決定される。そして、その時点の設定値が「3」である場合の文字色として、「緑色」にが高い確率(90%)で決定され、「赤色」若しくは「銀色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
同様に、その時点の設定値が「4」である場合には図24(a)の上から4段目の示唆演出パターンテーブルT4が参照され、その時点の設定値4を反映する色(反映色)に決定される。そして、その時点の設定値が「4」である場合の文字色として、「赤色」に高い確率(90%)で決定され、「銀色」若しくは「金色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
同様に、その時点の設定値が「5」である場合には図24(a)の上から5段目の示唆演出パターンテーブルT5が参照され、その時点の設定値5を反映する色(反映色)に決定される。そして、その時点の設定値が「5」である場合の文字色として、「銀色」に高い確率(90%)で決定され、「金色」に低い確率(10%)で決定される。
また、その時点の設定値が「6」である場合には図23(a)の最下段の示唆演出パターンテーブルT6が参照され、特定示唆演出(終了演出)を構成する文字情報の文字色が「金色」に決定される。この場合、文字色が「金色」に一律に(確率100%)決定される。
また、S1135で否定判定される場合には(S1135:no)、設定示唆態様をその時点の設定値に基づいて決定する処理(S1150)を行った後、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、特定示唆演出を伴わない了演出を含む演出パターン(外れ演出のパターン)を設定し(S1155)、S1190に移行する。
ここで、S1150では、その時点の設定値を反映しない示唆演出を行うための設定示唆態様が、振分乱数(図22のS1105)を用いた乱数抽選で決定される。
より具体的に説明すると、その時点の設定値が「1」の場合には図24(b)の最上段の示唆演出パターンテーブルt1を用いた乱数抽選によって、示唆演出(終了演出)構成する文字情報の文字色が「100%」の確率で「黒色(非反映色)」に決定される。
設定値が「2」の場合には図24(b)の第2段目の示唆演出パターンテーブルt2、設定値が「3」の場合には図24(b)の第3段目の示唆演出パターンテーブルt3、設定値が「4」の場合には図24(b)の第4段目の特定示唆演出パターンテーブルt4、設定値が「5」の場合には図24(b)の第5段目の示唆演出パターンテーブルt5、設定値が「6」の場合には図24(b)の最下段の示唆演出パターンテーブルt6、がそれぞれ参照され、何れも示唆演出(終了演出)構成する文字情報の文字色が「100%」の確率で「黒色」に決定される。
特定示唆演出を行わない決定するS1150では、終了演出を構成する文字色が、その時点の設定値に拘わらず同一色に決定されるため、対面する遊技者は、その時点の設定値を全く予測することができない。
つまり、高確率・開放延長状態(有利遊技状態)が大当り遊技を間に挟んで一回以上継続させていると(連チャンに成功していると)、設定値を推測容易な特定示唆演出を実行しない。つまり、その時点の設定値に拘わらず、特定示唆演出(終了演出)の出現に伴い、終了演出を示す文字情報の色が「黒色」に統一され、文字情報が設定値を示唆することはない。
蓋し、大当り遊技を複数回実行し、一定以上の利益を得た遊技者には、特定示唆演出の実行に基づく利益が与えられないこととしている。
一方、特定示唆演出の態様を決定するS1140では、終了演出を構成する文字色が、その時点の設定値を強く反映した色(90%若しくは100%の確率でその時点の設定値を特定する色)に決定される。
つまり、その時点の設定値が「6」であると、他の設定値では出現しない「文字色」となる。つまり、設定値が「6」であると特定示唆演出(終了演出)の出現に伴い、終了演出を示す文字情報の色が「金色」に固定される。そして、設定値5以下の場合、高い確率で出現する文字色が設定値の変化に伴い変化している。具体的には、文字色として設定値が「5」の場合には「銀色」、設定値が「4」の場合には「赤色」、設定値が「3」の場合には「緑色」、設定値が「2」の場合には「黄色」、設定値が「1」の場合には「青色」が、それぞれ高確率(90%の確率)で出現する。
このため、対面する遊技者は、その時点の設定値を高い確率で予測できる。すなわち、高確率・開放延長状態(有利遊技状態)に移行したものの、高確率・開放延長状態(有利遊技状態)が大当り遊技を間に挟んで継続できなかった場合には、その代償として設定値を推測容易な特定示唆演出に遭遇できるという利益が与えられる。
図23に戻り更に説明すると、S1130で否定判定される場合には(S1130:no)、S1160に移行し、一般示唆演出を実行するか否かの抽選(以下、一般示唆演出抽選という)を行う。そして、一般示唆演出抽選に当選すると(S1165:yes)、設定示唆態様が振分乱数(図22のS1105)を用いた乱数抽選で決定される(S1170)。そして、S1170を実行すると、S1175に移行し、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、一般示唆演出を伴う演出パターン(外れ演出のパターン)を設定し(S1175)、S1190に移行する。
一方、一般示唆演出抽選に落選すると(S1165:no)、S1185に移行し、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、一般示唆演出を伴わない演出パターン(外れ演出のパターン)を設定し(S1185)、S1190に移行する。
ここで、S1170について具体的に説明する。
S1170では、その時点の設定値が「1」である場合には図25(a)の最上段の示唆演出決定用テーブルU1を用いた乱数抽選によって、一般示唆演出に伴い出現するキャラクタ、文字情報等の色が、「黒色」若しくは「黄色」に決定される。この場合、「黒色」はその時点の設定値に拘わらず出現する原則的態様の文字色であり、「黄色」はその時点の設定値が奇数である場合に出現する奇数示唆的態様の文字色である。そして、原則的態様と奇数示唆的態様はそれぞれ「50%」の割合で決定される。
また、その時点の設定値が「3」である場合には図25(a)の中段の示唆演出決定用テーブルU3を用いた乱数抽選によって、一般示唆演出に伴い出現するキャラクタ、文字情報の色が、「黒色」、「黄色」若しくは「赤色」に決定される。この場合、「赤色」はその時点の設定値が3以上である場合に出現する3以上示唆的態様の文字色である。そして、原則的態様が「40%」の割合、奇数示唆的態様が「40%」の割合、3以上示唆的態様が「20%」の割合で出現する。
また、その時点の設定値が「5」である場合には図25(a)の最下段の示唆演出決定用テーブルU5を用いた乱数抽選によって、一般示唆演出に伴い出現するキャラクタ、文字情報等の色が「黒色」、「黄色」若しくは「赤色」に決定される。この場合、原則的態様が「30%」の割合、奇数示唆的態様が「30%」の割合、3以上示唆的態様が「40%」の割合で決定される。つまり、その時点の設定値が「5」である場合には、設定値が「3」である場合に比べて、3以上示唆的態様の出現率が高くなる。
また、その時点の設定値が「2」である場合には図25(b)の最上段の示唆演出決定用テーブルU2を用いた乱数抽選によって、一般示唆演出に伴い出現するキャラクタ、文字情報等の色が、「黒色」若しくは「緑色」に決定される。
この場合、「緑色」はその時点の設定値が偶数である場合に出現する偶数示唆的態様の文字色である。そして、原則的態様と偶数示唆的態様はそれぞれ「50%」の割合で決定される。
また、その時点の設定値が「4」である場合には図25(b)の中段の示唆演出決定用テーブルU4を用いた乱数抽選によって、一般示唆演出に伴い出現するキャラクタ、文字情報等の色が、「黒色」、「緑色」若しくは「赤色」に決定される。この場合、原則的態様が「40%」の割合、奇数示唆的態様が「40%」の割合、3以上示唆的態様が「20%」の割合で決定される。
更に、その時点の設定値が「6」である場合には最下段の示唆演出決定用テーブルU6を用いた乱数抽選によって、一般示唆演出に伴い出現するキャラクタ、文字情報等の色が、「黒色」、「緑色」、「赤色」若しくは「金色」に決定される。ここで、「金色」は設定値が最高の設定であることを示唆する最高設定示唆態様である。
この場合、原則的態様が「35%」の割合、偶数示唆的態様が「30%」の割合、3以上示唆的態様が「15%」の割合、最高設定示唆態様が「20%」の割合で決定される。
つまり、一般設定示唆演出は特定示唆演出と同様にその時点の設定値を反映した示唆演出となるが、一般設定示唆演出は特定示唆演出に比べてその時点の設定値を反映する度合いが低くなる。つまり、特定示唆演出は一回出現するだけでも、設定値を推定し易い演出であるが、一般設定示唆演出は度重なる出現によって、設定値を推定可能な演出(特定示唆演出に比べて、信頼度が低い推定を実行可能な演出)である。しかも、前述のように、一般設定示唆演出を実行するか否かの抽選(S1160)で当選確率する確率は低く(例えば、2%)されているため、一般設定示唆演出によって設定値を推測するために、遊技を長時間に亘って行うことが必要となる。。
なお、S1135で肯定判定されると、その時点の設定値を反映する示唆演出(出現する文字色の頻度を設定値に応じて変更)を行い、S1135で否定判定されると、その時点の設定値を反映しない示唆演出(文字色を黒に統一)を行う。これに対して、S1660の抽選に落選すると(S1665)、その時点の設定値が何れであっても、設定値を反映しているか否かに拘わらず、示唆演出を一切実行しない。
次に、図26のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置40から送信されるコマンドである(図12(b)のS372の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1200:no)、演出停止処理をそのまま終了し、演出図柄確定表示指示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理を行い、演出停止処理を終了する。
ここで、当否判定の結果が大当りである場合に、S1205の処理に伴い演出図柄表示装置6の画面6aに「大当り図柄(演出図柄)」が確定表示される。
この場合、中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、大当りの発生が報知される。
一方、当否判定の結果が外れである場合に、S1205の処理に伴い演出図柄表示装置6の画面6aに「外れ図柄(演出図柄)」が確定表示される。
この場合、中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと異なる数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、外れの発生が報知される。
以上の実施例1によると、大当り遊技後に「有利遊技状態(高確率・開放延長状態)」に移行可能なパチンコ機50において、有利遊技状態が終了した際に、遊技を止めるか継続するか否かに関し、明確な判断材料を得ることができる。つまり、実施例1によると、有利遊技状態になったにも関わらず、一度も大当りを発生せずに有利遊技状態を終了したときに、特定示唆演出が出現する可能性が高くなるため、その時点の設定値が示唆される可能性が高くなる。
従って、実施例1によると、有利遊技状態が終了した際に遊技の継続の可否を明確且つ冷静に判断できる。
例えば、実施例1によると、遊技者が不必要に遊技を継続することを防止でき(感情的になり、遊技に不必要にのめり込むことが防止でき)、遊技の健全性を担保することができる。一方、遊技者が遊技を継続することが望ましいと、より明確に判断できるケースでは、遊技者は本来、得られる筈の遊技結果(賞球上の利益等)が得られるため、遊技興趣を確実に向上させることができる。
また、本実施例によると、有利遊技状態が終了する際に、終了演出において「特定設定示唆する演出」が出現するため、有利遊技状態になったにも関わらず、一度も大当りを発生せずに有利遊技状態が終了する遊技者に特典を与えることができる。つまり、大当り遊技を実行した後、当否判定を遊技者にとって有利な状態で行う有利遊技状態になったにも関わらず、一度も大当りを発生しなかった場合には、その代償として、その時点の設定されている大当り判定確率(設定値)が示唆される可能性を高められる。このため、遊技者は、遊技継続の可否をより明確に判断することができる。
つまり、本実施例では、高確率での確率(設定値1:1/30、設定値2:1/29、設定値3:1/28、設定値4:1/27、設定値5:1/26、設定値6:1/25)であるため、高確率状態で当否判定を「50回(確変回数」行うまでに大当りを生ずる可能が一般に高い。ところが、所謂「嵌り(遊技遊技状態であるにも拘わらず、大当りをなかなか発生させられない状態)を生じ、「50回」当否判定を行っても、大当りを発生させられなっかた場合、その代償として大当り判定確率(設定値)が示唆される可能性がある。そして、所謂「嵌り」を生じた遊技者は、「嵌り」の代償として、遊技者は、遊技継続の可否をより明確に判断できるという、特典を得ることができる。
(2)実施例2
次に図28~図29を用いて、実施例2のパチンコ機50について簡単に説明する。
実施例2では、図28~図29に示すように、高確率・開放延長状態(有利遊技状態)が大当り遊技を間に挟んで多数回(例えば、3回以上)継続すると、設定値を推測容易な特定示唆演出を実行しない。一方、当該継続回数がそれよりも、少なくなると特定示唆演出が実行されると共に、当該継続回数が更に少なくなるほど、設定値をより推測容易な特定示唆演出が出現することとしている。
つまり、実施例1では特定示唆演出を実行するか否かを継続回数が「0」であるか、「1」以上であるかによって判定したが、実施例2では特定示唆演出を実行するか否かを継続回数が「3」未満か、「3」以上であるかによって判定している。
実施例2においても、実施例1と同様な演出開始処理を実行可能である(図22、図23を参照)。
但し、図23のS1135の処理では、継続カウンタの値が「3」未満であるか否かを判定し、「3」未満である場合には(S1135:yes)、S1145に移行し、「3」以上である場合には(S1135:no)、S1150に移行する。
ここで、継続カウンタ(図20のS1010、S1135)は継続回数を示すカウンタである。
S1140では、継続カウンタの値が「0」である場合(継続回数が「0」である場合)、図28(a)の各示唆演出決定用テーンテーブルA1~A6のうち、その時点の設定値に対応する示唆演出決定用テーンテーブルを用いた乱数抽選によって、示唆演出を構成すると文字情報の文字色を決定する。
また、継続カウンタの値が「1」である場合(継続回数が「1」である場合)、図28(b)の各示唆演出決定用テーンテーブルB1~B6のうち、その時点の設定値に対応する示唆演出決定用テーンテーブルを用いた乱数抽選によって、示唆演出を構成すると文字情報の文字色を決定する。
更に、継続カウンタの値が「2」である場合(継続回数が「2」である場合)、図29(a)の各示唆演出決定用テーンテーブルC1~C6のうち、その時点の設定値に対応する示唆演出決定用テーンテーブルを用いた乱数抽選によって、示唆演出を構成すると文字情報の文字色を決定する。
また、継続カウンタの値が「3」以上である場合(継続回数が「3」以上である場合)、図29(b)の各示唆演出決定用テーンテーブルa1~a6のうち、その時点の設定値に対応する示唆演出決定用テーンテーブルを用いた乱数抽選によって、示唆演出を構成すると文字情報の文字色を決定する。
ここで、図28、図29(a)の示す文字色のうち、「青色」、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「銀色」、「金色」はその時点の設定値を反映する色(反映色)である。
また、図29(b)の示す文字色は「黒色」のみとされ、この「黒色」は、その時点の設定値を反映しない色(非反映色)である。
先ず、図28(a)を用いて継続回数が「0」に対応する示唆演出決定用テーブルについて説明する。
設定値が「1」であると文字色が「青色」に第1高確率(95%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ1%)で決定される。また、設定値が「2」であると、文字色が「黄色」に第1高確率(95%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ1%)で決定される。更に、設定値が「3」であると、文字色が「緑色」に高い確率(95%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ1%)で決定される。
設定値が「4」であると文字色が「赤色」に第1高確率(95%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ1%)で決定される。また、設定値が「5」であると、文字色が「銀色」に第1高確率(95%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ1%)で決定される。更に、設定値が「6」であると、文字色が「金色」に第1高確率(95%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ1%)で決定される。
次に、図28(b)を用いて継続回数が「1」に対応する示唆演出パターンテーブルについて説明する。
設定値が「1」であると文字色が「青色」に第1高確率(95%)よりも低目の確率(以下、第2高確率(75%)という)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。また、設定値が「2」であると、文字色が「黄色」に第2高確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。更に、設定値が「3」であると、文字色が「緑色」に第2高確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
設定値が「4」であると文字色が「赤色」に第2高確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。また、設定値が「5」であると、文字色が「銀色」に高い確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。更に、設定値が「6」であると、文字色が「金色」に高い確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
更に、図29(a)を用いて継続回数が「2」に対応する示唆演出パターンテーブルについて説明する。
設定値が「1」であると文字色が「青色」に第2高確率(75%)よりも低目の確率(以下、第3高確率(50%)という)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。また、設定値が「2」であると、文字色が「黄色」に第3高確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。更に、設定値が「3」であると、文字色が「緑色」に第3高確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
設定値が「4」であると文字色が「赤色」に第3高確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。また、設定値が「5」であると、文字色が「銀色」に第3確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。また、設定値が「6」であると、文字色が「金色」に第3確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。
次に、S1135で否定判定されると移行するS1150において、図29(b)に示す示唆演出決定用テーブルが参照される。
この場合、設定値が何れであっても、示唆演出(終了演出)構成する文字情報の文字色が「100%」の確率で「黒色」に決定される。
以上の実施例2によると、実施例1の効果に加え、以下の効果を得ることができる。即ち、実施例2では、継続回数が3以上の場合になる設定値を示唆する演出(特定示唆演出)が出現しない。これに対して、継続回数が3未満であると、継続回数の多少に応じて、示唆程度が異なる特定示唆演出が出現する。つまり、継続回数が3未満の場合、継続回数が増える程(連チャンすればする程)、示唆程度が低い、特定示唆演出が出現する。
換言すると、継続回数が2回であれば、曖昧な設定示唆を行い、継続回数が1回だけであればもう少し明確な設定示唆を行う。そして、継続回数が0回(大当りを発生することなく、有利遊技状態が終了することとすれば)、明確度が高い設定示唆を行うこととしてもよい。
このように、本発明では、特定示唆演出を行う場合にも、継続回数の多少に応じて、設定示唆の程度を変化させることで、継続回数が少ない程、明確な設定示唆が実行される。
(3)実施例3
次に、図30を用い、実施例3のパチンコ機50について説明する。
実施例1及び実施例2では、一種の有利遊技状態(高確率・開放延長状態)が回数切りで終了する場合について言及した。但し、有利遊技状態の種類は一種に限定されず、実施例3のように、有利遊技状態として有利度が異なる複数の有利遊技状態を想定してもよい。
実施例3では、有利遊技状態として第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)と、第1有利遊技状態よりも有利度が高い第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)を想定する。そして、大当りを発生することなく第1有利遊技状態を終了した場合と、大当りを発生することなく第2有利遊技状態を終了した場合とで、設定示唆の度合いに差を設けている。
ここで、第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)は、通常大当り図柄(例えば、図6の図柄11、図柄12、図柄21、図柄22の何れか)が確定表示されることで、通常大当りに基づく大当り遊技を実行した後に移行する通常確率・時短状態である。また、第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)は、確変大当り図柄(例えば、図6の図柄13、図柄14、図柄23、図柄24の何れか)が確定表示されることで、確変大当りに基づく大当り遊技を実行した後に移行する高確率・時短状態である。
実施例3においても、実施例1と同様な演出開始処理を実行可能である(図22、図23を参照)。
但し、図23のS1135の処理では、第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)若しくは第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)の継続回数が「0回」であるか否かを判定する。
つまり、(1)通常遊技状態で通常大当りを生じ、大当り遊技後の第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)で1回も大当りを発生せずに当否判定が「50回」行われ、回数切りで第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)を終了した場合と、(2)通常遊技状態で確変大当りを生じ、大当り遊技後の第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)で1回も大当りを発生せずに当否判定が「50回」行われ、回数切りで第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)を終了した場合には、S1135で肯定判定される。
肯定判定される場合には(S1135:yes)、S1140に移行し、否定判定される場合には(S1135:no)、S1150に移行する。
そして、S1145において、継続回数「0回」で終了した有利遊技状態が、第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)であれば、図30(a)の各示唆演出決定用テーブルE1~E6のうち、その時点の設定値に対応する示唆演出決定用テーブルを用いた乱数抽選によって、特定示唆演出を構成すると文字情報の文字色を決定する。
また、S1145において、継続回数「0回」で終了した有利遊技状態が、第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)であれば、図30(b)の各示唆演出決定用テーブルF1~F6のうち、その時点の設定値に対応する示唆演出決定用テーブルを用いた乱数抽選によって、特定示唆演出を構成すると文字情報の文字色を決定する。
ここで、図30の示す文字色のうち、「青色」、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「銀色」、「金色」はその時点の設定値を反映する「反映色」である。また、図示しないが「黒色」はその時点の設定値を反映しない「非反映色」である。
先ず、図30(a)に示す示唆演出決定用テーブルについて説明する。
設定値が「1」であると文字色が「青色」に第1決定確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。また、設定値が「2」であると、文字色が「黄色」に第1決定確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。更に、設定値が「3」であると、文字色が「緑色」に第1決定確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。
設定値が「4」であると文字色が「赤色」に第1決定確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。また、設定値が「5」であると、文字色が「銀色」に第1決定確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。更に、設定値が「6」であると、文字色が「金色」に第1決定確率(50%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ10%)で決定される。
次に、図30(b)に示す示唆演出パターンテーブルについて説明する。
設定値が「1」であると文字色が「青色」に第1決定確率(50%)よりも高い確率(以下、第2決定確率(75%)という)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。また、設定値が「2」であると、文字色が「黄色」に第2決定確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。更に、設定値が「3」であると、文字色が「緑色」に第2決定確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
設定値が「4」であると文字色が「赤色」に第2決定確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。また、設定値が「5」であると、文字色が「銀色」に第2決定確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。更に、設定値が「6」であると、文字色が「金色」に高い確率(75%)で決定され、その他の「反映色」に低い確率(それぞれ5%)で決定される。
次に、S1135で否定判定されると移行するS1150において、図24(b)に示す示唆演出決定用テーブルが参照される。
この場合、設定値が何れであっても、終了した有利遊技状態(第1有利遊技状態、第2有利遊技状態)が何れであっても、示唆演出(終了演出)構成する文字情報の文字色が「100%」の確率で「黒色」に決定される。
ここで、実施例3では、第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)に大当り(確変大当り、通常大当り)を発生し、大当り遊技を実行した後に第1有利遊技状態若しくは第2有利遊技状態に移行したら、第1有利遊技状態若しくは第2有利遊技状態が回数切りで終了しても、特定示唆演出を伴う終了演出は実行されない。但し、特定示唆演出を伴わない終了演出は実行される。
また、第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)に大当り(確変大当り、通常大当り)を発生し、大当り遊技を実行した後に第1有利遊技状態若しくは第2有利遊技状態に移行したら、第1有利遊技状態若しくは第2有利遊技状態が回数切りで終了しても、特定示唆演出を伴う終了演出は実行されない。但し、特定示唆演出を伴わない終了演出は実行される。
そして、第1有利遊技状態が回数切りで終了した場合の特定示唆演出よりも、第2有利遊技状態が回数切りで終了した場合の特定示唆演出の方が、設定値をより明確に示唆するため、遊技継続の可否をより的確に判断でる。
実施例3では、有利遊技状態として第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)と、第1有利遊技状態よりも有利度が高い第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)を想定する。そして、大当りを発生することなく第1有利遊技状態を終了した場合と、大当りを発生することなく第2有利遊技状態を終了した場合とで、設定示唆の度合いに差を設けている。
実施例3によると、実施例1の効果に加え、以下の効果を得ることができる。つまり、有利度が高い第2有利遊技状態(高確率・開放延長状態)で大当りを発生させられなかった場合、第1有利遊技状態(通常確率・開放延長状態)で大当りを発生されられなかった場合に比べ、遊技者の落胆が大きい。このため、一度も大当りを発生することなく第2有利遊技状態を終了した場合、第1有利遊技状態よりも、示唆演出上、大きなメリットを与えることとしている。
つまり、第2有利遊技状態で大当りを発生させられなかった場合は明確な設定示唆が実行され、第1有利遊技状態で大当りを発生させられなかった場合は少し曖昧な設定示唆が実行される。
従って、実施例3によると、各有利遊技状態の有利差に応じて設定示唆の相違を生じさせることができる。つまり、より有利度が高い有利遊技状態で大当りを発生させられなかった場合には、遊技者の落胆がより大きくなるため、より大きな特典(より明確に遊技継続の可否を判定できるという特典)を得ることができる。
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
即ち、前述の各実施例では、設定値6の場合に明確度が高い設定示唆を行い(文字色が100%「金色」とされる設定示唆を行い)、設定値5以下の場合に明確度が設定値6の場合よりも低い設定示唆を行った(例えば、文字色が95%、「青色」等とされる設定示唆を行った)。
但し、設定値5以下の場合に明確度が設定値6の場合も、設定値6の場合と同様に、明確度が高い設定示唆を行ってもよい。
例えば、設定値5の文字色が100%「銀色」、設定値4の文字色が100%「赤色」、設定値3の文字色が100%「緑色」、設定値2の文字色が100%「黄色」、設定値1の文字色が100%「青色」、とする明確度が高い設定示唆を行ってもよい。
また、各実施例では、「有利遊技状態」を確変機能が作動する遊技状態(高確率状態)とし、「非有利遊技状態」を確変機能が作動しない遊技状態(通常率状態)としたが、「有利遊技状態」及び「非有利遊技状態」の態様は、「有利遊技状態」が「非有利遊技状態」よりも有利な遊技状態であれば、特に問わない。
例えば、図31(a)の変形例1に示すように、「有利遊技状態」を開放延長機能が作動する遊技状態(時短状態)とし、「非有利遊技状態」を開放延長機能確変機能が作動しない状態(非時短状態)としてもよい。
また、図31(b)の変形例2に示すように、大当り遊技終了後に通常遊技状態(通常確率・非開放延長状態)よりも、有利な第1遊技状態(高確率・開放延長状態)に一定期間(有利遊技期間)に亘って移行するが、当該一定期間(有利遊技期間)の途中で有利度が変化してもよい。例えば、確変大当りに係る大当り遊技を終了すると、遊技状態が高確率・開放延長状態に移行する。この高確率・開放延長状態は、大当り遊技後の当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が10回になるか、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
高確率・開放延長状態は、当否判定の結果が大当りになることなく、大当り遊技後の当否判定の実行回数が「10回」になると、通常確率・開放延長状態(第2遊技状態)に移行する。そして、通常確率・開放延長状態は、当否判定の結果が大当りになるか、大当り遊技後の当否判定の実行回数が「30回」になるまで継続する。そして、通常確率・開放延長状態を終了すると、遊技状態は通常確率・非開放延長状態(通常遊技状態)となる。
ここで、第1遊技状態(高確率・開放延長状態)及び第2遊技状態(通常確率・開放延長状態)は、通常遊技状態よりも有利度が高い遊技状態であり、第1遊技状態(高確率・開放延長状態)は第2遊技状態(通常確率・開放延長状態)よりも有利度が高い遊技状態である。このため、第1遊技状態(高確率・開放延長状態)を有利遊技状態とすると、第2遊技状態(通常確率・開放延長状態)及び通常遊技状態は「非有利遊技状態」である。
また、各実施例では、図32(a)に示すように、有利遊技状態の残り回数(確変回数、時短変回数)を特別図柄の変動を開始する際に減算し、主制御装置80がサブ統合装置83に回数切りコマンドを送信する態様を例示した。この場合、例えば、特別図柄の変動中に特定示唆演出を実行する(矢印Aを参照)。
但し、図32(b)に示すように、有利遊技状態の残り回数(確変回数、時短変回数)を特別図柄の変動を終了する際に減算し、主制御装置80がサブ統合装置83に回数切りコマンドを送信してもよい。
そして、この場合、演出図柄が確定表示される際に特定示唆演出を実行してもよいし(矢印Bを参照)、回数切りに係る特別図柄の変動後(例えば、回数切りに係る特別図柄の変動に後続する特別図柄の変動時等)に特定示唆演出を実行してもよい(矢印Cを参照)。
なお、有利遊技状態の残り回数(確変回数、時短変回数)を特別図柄の変動を開始する際に減算しつつも(図32(a)を参照)、演出図柄が確定表示される際に特定示唆演出を実行してもよい(図32(b)の矢印Bを参照)。
また、各実施例では、当否判定の結果が外れとなる演出表示において、特定示唆演出及び一般設定示唆演出の何れか一方のみが出現可能なケースを設けたが、特定示唆演出及び一般設定示唆演出の双方が出現可能なケースを設けてもよい。
同様に、当否判定の結果が大当りとなる演出表示において、一般設定示唆演出が出現可能なケースを設けてもよい。
また、各実施例及び各変形例を、一般的なデジパチタイプのパチンコ機50への適用例として説明したが、これに限らず、本発明を所謂「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50や、所謂「Vチャレタイプのパチンコ機50等の他のタイプのパチンコ機50にも適用することができる。
ここで、「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50は、
常時、遊技球が入球可能な第1始動口(11)と、
遊技球が入球不能若しくは入球困難な第1状態(開放状態)から、該第1状態よりも遊技球が入球容易な第2状態(閉鎖状態)に変化可能な第2始動口(12)と、
遊技球が前記第1始動口若しくは前記第2始動口に入球することに基づいて当否判定を実行する当否判定実行手段と、
前記当否判定の結果が小当りとなることに基づき、特定領域を備えた大入賞口14を開放させる小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなることに基づき、図柄大当りに係る大当り遊技(大入賞口14を小当り遊技よりも、遊技球の入球可能性が高い状態で開放される大当り遊技)を実行する第1大当り遊技実行手段と、
前記小当り遊技において前記大入賞口に入賞した遊技球が、前記特定領域に誘導される特定入賞を生ずることに基づき、役物大当りに係る大当り遊技(大入賞口14を小当り遊技よりも、遊技球の入球可能性が高い状態で開放される大当り遊技)を実行する第2大当り遊技実行手段とを備える。
この「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50においても、
前記大当り遊技(図柄大当りに係る大当り遊技及び役物大当りに係る大当り遊技の少なくとも一方)を実行した後の遊技状態を、通常の有利度を備える非有利遊技状(通常遊技状態)に比べて有利度が高い有利遊技状態(開放延長状態)に移行可能とされる。
かかる「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50において、各実施例と同様に、有利遊技状態の回数切りを生じた場合、特定示唆演出の出現率を高くすると、有利遊技状態を終了する際に遊技継続の適否に関する明確な判断基準を与えることができる。
この「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50においても、各実施例に示すパチンコ機50と同様な効果を得ることができる。特に、「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50では、一般に第2当否判定で小当りと判定される確率が、確率(例えば、1/1.03)が、第1当否判定で小当りと判定される確率(例えば、1/30)よりも高くなっている。若しくは、第2当否判定で小当りと判定され、第1当否判定で小当りと判定されないものとされている。
しかも、遊技状態が開放延長状態となると、遊技状態が通常遊技状態である場合に比べ、第2当否判定の実行頻度が高くなる。
このため、遊技状態が開放延長状態となると遊技状態が通常遊技状態である場合に比べて、役物大当りに係る大当り遊技が高い頻度で実行することができる。よって、開放延長状態(有利遊技状態)を実行しても、開放延長状態(有利遊技状態)になっても、一度も大当り遊技を実行できず、開放延長状態(有利遊技状態)が回数切りで終了した場合には、特定示唆演出が所定確率で出現してもよい
ここで、「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50は、確変機能を備えておらず、大当り判定確率として通常確率のみを備える。そして、確率設定によって大当り判定確率が段階的(例えば、設定値1で「1/100」、設定値2で「1/90」、設定値3で「1/90」)に変更され、高設定であれば、開放延長状態に移行可能な大当り遊技を実行する頻度が高くなっている。
また、本発明のパチンコ機50が、有利遊技状態において、該有利遊技状態を非有利遊技状態に移行させるか否かを転落抽選する転落抽選手段を備え、
転落抽選に当選し、非有利遊技状態に移行する際、有利遊技状態が大当り遊技を介して連続していなけれは、特定示唆演出の出現率を高くしてもよい。
この場合、遊技者が転落抽選に当選し、落胆しても、その代わりに特定示唆演出が実行される。
また、本発明をパチンコ機のみでなく、回胴式遊技機(スロットマシン)にも適用できる。そして、回胴式遊技機(スロットマシン)においても、各実施例に示すパチンコ機50と同様な効果を得ることができる。
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
各実施例に示す第1始動口11と、第2始動口12が「始動口」の一例に相当し、「始動口」に遊技球が入賞(入球)することに基づいて、「当否判定」を実行する。そして、第2始動口12が、開放延長態で高頻度に開放する「可変式始動口」の一例に相当する。
図10S330~S350に至る処理が、「当否判定」の一例に相当する。
図13のS378の肯定判定を経て、図14~図16に至る処理が、「大当り遊技実行手段」の一例に相当する。
図16のS536の肯定判定と、S538の処理を経て確変フラグの値を「1」とする処理(S540)が、「有利遊技状態移行手段」の一例に相当する。
図13のS404の肯定判定を経て、確変フラグの値を「0」にする処理が、
「当否判定の実行回数が特定回数になることに起因して有利遊技状態を終了させる」処理に相当する。
図23でS1140を行い、図22のS1195に移行し、演出表示を開始する処理が、「特定示唆演出実行手段」の一例に相当する。