(本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機1の構成等)
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図3は、遊技機用枠を開放した状態を示す斜視図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面200Aを前面側に有する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域(「遊技部」ともいう)10が形成されている。この遊技領域10は、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれ、打ち込まれた遊技球が流下可能な領域とされている。
また、遊技機用枠3には、遊技領域10を視認するための窓部51が設けられた開閉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該開閉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、開閉枠50を閉鎖したときに窓部51を通して遊技領域10を透視できるようになっている。また、開閉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、窓部51の下方には遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技盤2は、図3及び図9に示すように、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材(透過性部材)にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面200Aに障害釘(図示略)やガイドレール2b(図3参照)等が設けられた盤面板200と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材205と、から主に構成されている。本実施の形態の遊技盤2は、透光性を有する合成樹脂材にて構成されていたが、これに限られるものではなく、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。特別図柄の変動表示(可変表示)とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(他の可変表示についても同じ)。変動表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」と、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5A,5X,5Yが設けられている。演出表示装置5A,5X,5Yは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5Aの表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して(例えば、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して)、例えば3つといった複数の変動表示部となる「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄)が変動表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5Aの表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。また、図1に示すように、演出表示装置5Aの表示領域には、後述する可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R)がいずれの位置にあっても遊技に関する特定遊技情報(例えば、小図柄、第4図柄、右打ち表示、保留表示などのうちの少なくとも一つ)を表示する特定遊技情報表示領域5Zを備えている。小図柄は、第1特図ゲームに対応して可変表示され演出図柄よりも小さい第1小図柄と、第2特図ゲームに対応して可変表示され演出図柄よりも小さい第2小図柄とが含まれる。小図柄は、常時表示されるものや所定期間のみ表示されるものであってもよい。第4図柄は、現在変動表示(可変表示)中の状態であるのか否かを示す図柄である。右打ち表示は、遊技者に対して、遊技球が遊技領域の10の右側に発射されるよう打球操作ハンドルの操作を促す表示である。この実施の形態では、演出表示装置5Aの表示領域の一部を特定遊技情報表示領域5Zとしているが、演出表示装置5X,5Yの少なくとも一方の表示領域に特定遊技情報表示領域5Zを備えるようにしてもよい。また、遊技盤2に特定遊技情報表示装置(例えば、LED、ランプ、7セグメントLED、液晶表示装置など)を備えるようにしてもよい。
演出表示装置5X,5Yは、演出表示装置5Aよりも表示画面の横幅が略半分とされ、演出表示装置5Aの左右側に、後述するように移動及び回動可能に設けられている。本実施の形態では、主に中央の演出表示装置5Aにて演出図柄の変動表示や各種演出が行われ、演出表示装置5X,5Yにて演出表示装置5Aに関連する演出が行われるようになっているが、演出表示装置5Aに替えて演出図柄の変動表示が行われたり、演出表示装置5Aとは別個の演出も行われたりすることがある。
また、これら演出表示装置5A,5X,5Yは、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、本実施の形態では、演出表示装置5X,5Yの一部は盤面板200を通して視認できるようになっている。また、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠52が設けられている。
演出表示装置5A,5X,5Yの表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。つまり、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、実行が保留されている特図ゲームに対応する保留表示画像の表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右側方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)と第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)とを表示する。
演出表示装置5Aの下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5Yの下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図、普通図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲーム(普通図ゲーム)ともいう。普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。普通図柄表示器20の右側方位置には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。つまり、普図保留表示器25Cは、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技盤2には、遊技領域側発光部品が配置されている。この遊技領域側発光部品としては、例えばセンター飾り枠52に設けられた図示省略の発光部品(LED)、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bに設けられた図示省略の発光部品(LED)などがある。また、遊技盤2は、その表面の少なくとも一部(例えば導光領域)を発光させるための発光部品(LED)を備えるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右下部位置には効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、遊技領域周辺部には遊技効果用の演出用LED9が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿ともいう)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球やファール球などをパチンコ遊技機1の外部へと排出する排出口(図示略)が設けられている。上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作(例えば押下)を検出し、操作検出信号を演出制御基板12に出力するプッシュセンサ35Bが設けられている。
遊技機用枠3の下部箇所には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における遊技機用枠3の下部内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
遊技機用枠3の左右上部位置には、図1に示すように、パチンコ遊技機1の筐体よりも外側に進出動作可能な枠役物装置800L、800Rが設けられている。枠役物装置800L、800Rは、演出用可動体(役物)としての外部可動体810を、遊技機用枠3の表面より外側に向けて突出させた原点位置(後述する図23(B)参照)から、さらに外側の各進出位置(例えば、低進出位置、中進出位置、後述する図23(C)に示す高進出位置など)に突出可能な第8駆動機構850(図2参照)を備えている。また、パチンコ遊技機1の輸送時などにおいて、外部可動体810は、後述するように輸送時位置(後述する図23(A)参照)に退避可能である。枠役物装置800L、800Rは、左右対称に構成されている点を除けば、基本的に同じ構成となっているが、互いに異なる構造を有するものであってもよい。また、枠役物装置800L、800Rは、外部可動体810が原点位置、各進出位置、輸送時位置にあることを検出可能な位置検出器860(図2参照)を備えている。なお、位置検出器860は、外部可動体810が原点位置にあることを少なくとも検出できるものであればよい。
また、枠役物装置800L、800Rは、外部可動体810の進出に関する異常を検知するための検知手段としての役物センサ820L、820Rを備えている。例えば、役物センサ820L、820Rは、外部可動体810の近傍(周囲)に存在する物体(例えば遊技者の身体の一部、遊技者の所有物、遊技店の設備等の物体)を検出するセンサである。具体的には、役物センサ820L、820Rは、枠役物装置800L、800Rにおける外部可動体810の先端部分と外部可動体810の周囲箇所とにそれぞれ配置された導電性のパッド部821を備える。パッド部821は、例えば、外部可動体810の先端部分やその周囲箇所の表面に導電性を有するメッキ塗装を施すことにより形成されている。また、パッド部821を導電性部材としてもよい。パッド部821に物体が接触したことによる静電容量の変化を検出することにより、パッド部821への物体の接触が検知可能となっている。これにより、進出させる外部可動体810が物体に接触するおそれがあることや、物体接触により外部可動体810の進出に障害が生じることなどの異常を検知することができる。
また、パチンコ遊技機1の背面側の上部左右箇所には、外部可動体810を輸送時位置Pt(図23(A)参照)に固定するために操作される図示しない操作部がそれぞれ設けられている。この操作部は、パチンコ遊技機1が設置された遊技店の遊技店員やパチンコ遊技機1の製造会社の社員等の遊技機関係者による操作が可能な態様で設けられている。言い換えれば、操作部は、遊技機関係者ではない遊技者が接触(アクセス)できない位置に設けられている。例えば、外部可動体810を輸送時位置Ptに固定するときには、操作部が固定側に操作され、外部可動体810の固定を解除するときには、操作部が解除側に操作される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5A,5X,5Y、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5A,5X,5Yにおける表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、演出表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、演出表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。LED制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、演出用LED9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
演出表示装置5Aは、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路を備える。表示制御部123からI/O125を介して演出表示装置5Aに供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。また、演出表示装置5X,5Yは、演出表示装置5Aとのサイズの違いや後述するように可動することなどの違いはあるものの、表示構成に関しては演出表示装置5Aと同様に構成されている。
演出表示装置5Aの演出図柄表示エリア5L,5C,5Rや演出表示装置5X,5Yの演出図柄表示エリアでは、第1又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。第1、第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう)が停止表示されるときには、演出図柄の変動表示の表示結果(可変表示結果)となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)が停止表示(導出表示)される。
次に、図3に基づいて、パチンコ遊技機1の構造について説明する。
図3に示すように、外枠60は、上板61、下板62、左側板63及び右側板64により縦長四角枠状に形成されている。上板61及び下板62は木材により板状に形成されており、遊技場等に設置される図示しない遊技島に釘等を介して設置固定できるようになっている。左側板63及び右側板64は、アルミニウム材の押出成型により板状に形成されている。
外枠60の開口下部には幕板65が設けられ、開口下部が閉塞されている。外枠60の左上角部及び左下角部には、遊技機用枠3の左上角部及び左下角部に設けられた上下方向を向く回動軸(図示略)を回動可能に支持する軸受部(図示略)が設けられており、遊技機用枠3は、外枠60の左側辺付近を中心として該外枠60の開口を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で回動可能に支持されている。
遊技機用枠3には、遊技盤2の背面側に設けられる各種部品や装置を被覆する裏カバー70(図9参照)が挿入可能な大きさを有する開口部(図示略)が形成されている。また、開口部の左側上下位置には、係止凹部(図示略)が設けられているとともに、右側上下位置には、盤押え金具(図示略)が設けられている。よって、遊技機用枠3の前方から遊技盤2の背面の裏カバー70を開口部に挿入し、該遊技盤2の左端部を係止凹部(図示略)に差し込んだ状態で右端部を盤押え金具(図示略)で係止することにより、遊技機用枠3に遊技盤2を取付けできるようになっている。また、盤押え金具の係止状態を解除すれば遊技盤2を遊技機用枠3から容易に取外すことができる。
次に、窓部51を構成する窓部ユニット51Aについて、図4〜図9に基づいて説明する。図4は、(A)は窓部ユニットを示す正面図、(B)は窓部ユニットを示す背面図である。図5は、(A)は窓部ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は窓部ユニットを斜め後から見た状態を示す斜視図である。図6は、窓部ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図7は、窓部ユニットの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8は、筒状部を示す縦断面図である。図9は、開閉枠及び遊技機用枠の内部構造を示す縦断面図である。
図4〜図7に示すように、窓部ユニット51Aは、第1透過体250と、該第1透過体250よりも遊技領域10側に配置され、盤面板200の開口2cに対応する位置に孔部270が形成された第2透過体260と、を有する。
第1透過体250は、透明なガラス材からなる前透過板251からなる板状部と、非透光性の合成樹脂材により筒状に形成された第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部と、から構成されている。第2筒状体253は、第1筒状体252の内部に背面側の開口から嵌合可能に設けられ、第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口は前透過板251よりも若干小さく形成されており、第1筒状体252の背面側の開口から前透過板251を挿入し、そのさらに背面側から第2筒状体253を嵌合することで、前透過板251の周縁部が第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部により挟持されるようになっている。
第1筒状体252は、筒状部と、該筒状部における後側の開口周縁部から周囲に広がるように形成された板状のフランジ部256と、を有している。また、第1筒状体252の外周面と、第2筒状体253の内周面にはメッキ加工が施され、メッキ加工により補強されている。
第2筒状体253は、後側の開口周縁部に複数形成された取付孔にネジN1を取付け、該ネジN1を第1筒状体252の後側の開口周縁部に複数形成されたネジ孔に螺入することにより第1筒状体252に一体化されて筒状部を構成するとともに、これら第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部により挟持された前透過板251も一体化されて第1透過体250を構成する。なお、前透過板251の周縁部と第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部とは接着剤等を介して接合される。
第1筒状体252及び第2筒状体253は、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも長寸となるように形成されていることで、特に図9に示すように縦断面視略三角状をなしており、前透過板251は、下方に向けて後側に傾斜する、つまり、上端が前側に傾倒する傾倒姿勢をなすように配置されている。
窓部51の下方位置には、前述した上皿90が設けられている。上皿90は上方が開放しており、遊技を行うための遊技球を投入可能としているため、上皿90の上方に第1透過体250が突出していると遊技球の投入の邪魔になってしまう。また、第1透過体250は、上皿90を形成する部材よりも前方に突出するように設けられている。よって、前透過板251は、上端が上皿90を形成する部材の前端よりも前方に位置するとともに、下端が上皿90よりも後側に位置するように、上方から下方に向けて後側に傾斜するように配設される。
本実施の形態では、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部は、下壁部の前後長さ寸法が上壁部の前後長さ寸法に比べて極端に短いが、本発明はこれに限定されるものではなく、上壁部と下壁部の前後長さ寸法はほぼ同じであってもよいし、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも短寸となっていてもよい。また、前透過板251の全周縁に沿うように設けられる筒状部でなくても、前透過板251の周縁の一部に沿うアーチ状部であってもよい。
また、図6〜図8に示すように、第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所には、前後方向に延設される凸条部254Aや凹条部254Bからなる補強構造部254が形成されている。また、第1筒状体252にネジN1のネジ孔を形成するために内周面に形成される凸条部255Aや、第2筒状体253にネジN1の取付孔を形成するために内周面に形成される凸条部255Aや外周面に形成される凹条部255Bなども補強構造部254として機能している。このように第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所に補強構造部254が形成されることで、筒状部の外周面に凹凸部が形成されて強度が向上する。
また、このような凹凸部と前述したように外周面に施されたメッキ加工とにより、筒状部の外周面に装飾部が設けられている。本実施の形態では、補強用の凹凸部とメッキ加工とにより装飾部が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外周面を着色したり絵柄を設けたりするなどして装飾部を構成してもよい。
第2透過体260は、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなり、孔部270が形成された後透過板261からなる板状部と、非透光性の合成樹脂材により枠状に形成された枠体262と、から構成されている。後透過板261は、枠体262の開口262Aを閉鎖するように枠体262の背面に接着剤等を介して固着される。
このように構成された第1透過体250と第2透過体260とは、第1筒状体252のフランジ部256に形成された複数の取付孔に前側から取付けたネジN2を、枠体262に形成されたネジ孔に螺入することにより一体化されて一の窓部ユニット51Aを形成する。窓部ユニット51Aは、図3に示すように、遊技機用枠3を開放する開放位置にある開閉枠50の背面側に、該開閉枠50の開口(図示略)を閉鎖するように取付けられる。
窓部ユニット51Aは、開閉枠50に対し着脱可能とされ、機種変更等に応じて交換できるようになっている。具体的には、開閉枠50の背面に突設された係止ピンを枠体262に形成された係止孔に挿通した状態で、枠体262に設けられた係止フックを係止ピンに係止することで取付けられている。
窓部ユニット51Aを開閉枠50の背面に取付けた状態で、開閉枠50を開放位置から閉鎖位置まで回動して遊技機用枠3の前面を閉鎖すると、図9に示すように、後透過板261が、遊技盤2の盤面板200の前方に所定の隙間を隔てて該盤面板200に対しほぼ平行に配置され、盤面板200と後透過板261との間に、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成される。
また、図8に示すように、後透過板261は、パチンコ遊技機1を正面(遊技者側)から見たときに、盤面板200の遊技盤面200Aにおいてガイドレール2bにより囲まれる遊技領域10全域を前方から覆うように配置されるとともに、孔部270は、盤面板200に形成された開口2cに対応する位置に配置される。
本実施の形態では、遊技領域10とは、遊技球が流下可能な領域、つまり、盤面板200の遊技盤面200Aにおいてガイドレール2bに囲まれた領域のうち開口2cを除く領域と、開口2cに対応する領域、つまり、演出表示装置5A,5X,5Yや後述する各種可動体が遊技者から視認可能に設けられる領域と、を含む(図8において斜線で示す領域)。また、開口2cにはセンター飾り枠52が設けられていることで、遊技球が開口2c内に流入することが規制されている。
また、本実施の形態では、孔部270は、盤面板200に形成された開口2cとは、形状が異なるとともに大きさも小さく、かつ、該開口2cに対応する位置に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔部270とほぼ同形に形成されていてもよいし、一部が開口2cの外側に位置するようになっていてもよい。
よって、このように構成される遊技領域10は、窓部51を構成する前透過板251と後透過板261とを透して、パチンコ遊技機1の前方である遊技者側から視認(透視)できるようになっている(図4(A)にて網線領域で示す窓部51参照)。図9に示すように、後透過板261と遊技盤面200Aとは互いに平行をなすように起立状態で設置されるのに対し、前透過板251は、上方から下方に向けて漸次後側に傾斜するように、後透過板261に対し傾斜する前傾姿勢で配置されるため、後透過板261に対する上方の離間寸法L1よりも下方の離間寸法L2の方が離間寸法L1よりも短寸とされている。
板状部としての前透過板251と、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253と、からなる第1透過体250は、第2透過体260を構成する後透過板261に対し前方に突出する凸状に形成されており、窓部ユニット51Aを開閉枠50に取付けた状態において、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部が、開閉枠50の開口に背面側から挿入され前方に突出するように設けられる。
よって、遊技盤面200Aとともに遊技領域10を形成する後透過板261は開閉枠50の前後方向の板厚寸法内に収める一方、筒状部は開閉枠50の前面に対し前方に突出するように設けることで、開閉枠50の前後寸法を長寸化することなく、前透過板251を後透過板261から極力前方に離して配置することができる。これにより、前透過板251と後透過板261との間に広い空間部Sを形成することができる。
また、第1筒状体252及び第2筒状体253の上壁部は、前方に向けて下方に傾斜するように形成され、パチンコ遊技機1の前上方からの外光を遊技領域10に入りにくくしているため、遊技領域10の上部の前方が上壁部にて隠されてしまうが、遊技者の目線位置は上壁部よりも下方に位置するため、見上げれば視認可能である。
また、パチンコ遊技機1にあっては、例えば、前透過板251に磁石を押しつけるなどして磁気センサを誤作動させて不正に入賞を発生させたり、遊技領域10を流下する遊技球を磁力により不正に誘導するといった不正行為が行われる可能性があるが、前透過板251と後透過板261との離間寸法L1,L2を長くすることで、後透過板261の板厚を増大させることなく、前透過板251を遊技領域10から極力遠ざけて磁石の磁力による影響を減衰させることができるので、磁石による不正行為を好適に抑制することができる。また、不正な磁気を感知する磁石センサを搭載した遊技機にあっては、磁石センサでは検知できない範囲における前透過板251と後透過板261との離間寸法を長くすることで、上記不正行為を好適に抑制することが可能となるとともに、磁石センサの配置数を軽減することができる。
次に、図10〜図18に基づいて、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rを有する可動体ユニットについて説明する。図10は、動作待機形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図11は、第1動作形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図12は、第2動作形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図13は、動作待機形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図14は、第1動作形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図15は、第2動作形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図16は、動作待機形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。図17は、第1動作形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。図18は、第2動作形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
なお、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施の形態では、以下に説明する第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rによる可動体演出や、これら可動体とスピーカ8L,8R、及び演出用LED9等とによる複合演出や、遊技者がスティックコントローラ31A等の操作手段を操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。また、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rは、演出制御基板12から出力される駆動制御指令としての可動体動作コマンドの受信(所定条件の成立)に基づいて、動作(例えば、図17、図18に示す進出位置や後述する図38に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作、図16に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作)が可能である。
図10〜図18に示すように、可動体ユニットは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5A,5X,5Yとの間に設けられ、演出表示装置5A,5X,5Yを支持する裏カバー70に固定されるベース部材700と、該ベース部材700に対し移動可能に設けられた第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rと、を有する。ベース部材700は、上辺部、左側辺部、右側辺部、下辺部により四角枠状に形成され、各上辺部、左側辺部、右側辺部、下辺部が演出表示装置5Aの表示画面の各辺に沿うように配設され、中央の開口を介して演出表示装置5A,5X,5Yの表示画面を視認できるようになっている。この可動体ユニットは、後述するように動作待機形態、第1動作形態、第2動作形態に変化可能である。
第1演出可動体300は、ベース部材700の上辺部から斜め下方に向けて延びるレール701に沿って前後方向に移動可能に取付けられるスライド板301と、スライド板301の先端に回動軸305を介して回動可能に軸支される本体部302と、本体部302に対し突出及び収納動作可能に取付けられる第1突出部303及び第2突出部304と、第1駆動機構310、第2駆動機構320、第3駆動機構330及び第4駆動機構340(図2参照)と、から主に構成されている。
第1演出可動体300は、第1駆動モータ311やギヤ等から成る第1駆動機構310により、遊技盤2の上方側に配置される原点位置である第1待機位置(図13及び図16参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第1演出位置(図14及び図17参照)と、にレール701に沿って移動可能となっている。第1駆動機構310は、第1演出可動体300の位置を検出する第1待機位置センサ及び第1演出位置センサを備えている。
第1演出可動体300のスライド板301が、ベース部材700のレール701に沿って前後方向に移動可能に取付けられているので、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に加速させて進出させることができる。つまり、第1演出可動体300のスライド板301とベース部材700のレール701とが加速進出手段を構成する。また、加速性をさらに高めるために、スライド板301とレール701との摺動抵抗がより低い材料、形状にしてもよい。また、さらに摺動抵抗を低下させるために潤滑油などを塗るようにしてもよい。また、第1演出可動体300の加速を支援する図示省略しない加速支援手段(例えば、バネ部材など)を備えるようにしてもよい。例えば、バネ部材が自然長よりも縮められた付勢状態から、自然長に戻ろうとするバネ力により、第1演出可動体300の加速を支援することができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
本体部302は、略六面体を成しており、左右方向を向く回動軸305に対して固着されている。以降、本体部302において、通常状態(動作待機形態)で正面を向く面を面A、上方を向く面を面Bとして説明する。
回動軸305は、図示しない第2駆動モータやギヤ等から成る第2駆動機構320により回動するようになっており、本体部302の面Aが正面を向き、面Bが上方を向く回動待機状態(図13及び図16参照)と、面Aが斜め前方側上方を向き、面Bが後方側を向く第1回動状態(図14及び図17参照)と、面Aが斜め前方側下方を向き、面Bが斜め前方側上方を向く第2回動状態(図15及び図18参照)と、に本体部302の回動状態を切換え可能となっている。第2駆動機構320は、第1演出可動体300の回動状態を検出する回動待機位置センサ、第1回動位置センサ及び第2回動位置センサを備えている。
第1突出部303は、第3駆動モータ331や図示しないギヤ及びラック等から成る第3駆動機構330により、本体部302に内蔵される第1収納状態(図13、図15及び図16、図18参照)と、本体部302の面Aから外方へ突出する第1突出状態(図14及び図17参照)と、に切換え可能となっている。第1収納状態にあっては、第1突出部303全体が本体部302内に収納されており、該本体部302から外部に突出しないようになっている。第3駆動機構330は、第1突出部303の状態を検出する第1突出位置センサ及び第1収納位置センサを備えている。
第2突出部304は、第4駆動モータ341や図示しないギヤ及びラック等から成る第4駆動機構340により、本体部302に一部内蔵される第2収納状態(図13、図14及び図16、図17参照)と、本体部302の面Bから外方へ突出する第2突出状態(図15及び図18参照)と、に切換え可能となっている。第2収納状態にあっては、第1突出部303の一部が本体部302の面Bよりも外方に突出しているが、前記回動待機状態や第1回動状態において面Bの背面側に配置されているため、遊技者(正面側)から目立たなくなっている。第4駆動機構340は、第2突出部304の状態を検出する第2突出位置センサ及び第2収納位置センサを備えている。
第2演出可動体400は、ベース部材700の下辺部に取付けられており、図示しない第5駆動モータやギヤ及びラック等から成る第5駆動機構410により、遊技盤2の下方側に配置される第2待機位置(図13、図15及び図16、図18参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第2演出位置(図14及び図17参照)と、の間で上下方向に移動可能となっている。第2演出可動体400は、第2演出位置において上端が前方側に倒れるように傾斜している。第5駆動機構410は、第2演出可動体400の位置を検出する第2待機位置センサ及び第2演出位置センサを備えている。
第3演出可動体500L,500Rは、ベース部材700の下辺部の左右両側に取付けられており、第6駆動モータ511L,511Rや図示しない回動アーム、ギヤ等から成る第6駆動機構510L,510Rにより、遊技盤2の下方側に配置される第3待機位置(図13、図15及び図16、図18参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第3演出位置(図14及び図17参照)と、の間で上下方向に移動可能となっている。詳しくは、前記回動アームは、前後方向に延びる図示しない軸を中心として回動するようになっており、各第3演出可動体500L,500Rは、第3待機位置において第2待機位置における第2演出可動体400の左右両側から離間した位置に配置され、第3演出位置において第2演出位置における第2演出可動体400の左右両側に近接した位置に配置される。第3演出可動体500L,500Rは、第3演出位置において上端が前方側に倒れるように傾斜している。第6駆動機構510L,510Rは、第3演出可動体500L,500Rの位置を検出する第3待機位置センサ及び第3演出位置センサを備えている。
第4演出可動体600L,600Rは、ベース部材700の上辺部の左右両側に取付けられており、図示しない第7駆動モータやギヤ及びラック等から成る第7駆動機構610L,610Rにより、遊技盤2の上方側に配置される第4待機位置(図13及び図14参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第4演出位置(図15参照)と、の間で上下方向に移動可能となっている。詳しくは、各第4演出可動体600L,600Rは、ベース部材700の上辺部の左右両側から中央部に向けて互いに近接するように移動するようになっており、各第4演出可動体600L,600Rは、第4待機位置において第1待機位置における第1演出可動体300の左右両側から離間した位置に配置され、第4演出位置において第1演出位置における第1演出可動体300の左右両側に近接した位置に配置される。第7駆動機構610L,610Rは、第4演出可動体600L,600Rの位置を検出する第4待機位置センサ及び第4演出位置センサを備えている。
図10に示すように、可動体ユニットの動作待機形態にあっては、第1演出可動体300が第1待機位置(原点位置)、第2演出可動体400が第2待機位置、第3演出可動体500L,500Rが第3待機位置、第4演出可動体600L,600Rが第4待機位置に配置されており、第1演出可動体300は、回動待機状態であるとともに、第1突出部303及び第2突出部304は、第1収納状態及び第2収納状態となっている。このとき、各可動体は、遊技盤2の開口2cの周縁側に配置されるため、遊技者(正面側)から演出表示装置5A,5X,5Yの表示画面を視認できるようになっている(図13参照)。例えば、図1に示すように、第1演出可動体300の第1待機位置(原点位置)は、第1演出可動体300が演出表示装置5Aに重複しない位置であると言える。なお、第1演出可動体300の第1待機位置(原点位置)はこれに限定されず、例えば、第1演出可動体300が演出表示装置5Aの一部に重複する位置としてもよい。また、図16に示すように、第1待機位置(原点位置)にある第1演出可動体300の前面側の一部分のみが、後透過板261の孔部270を介して、僅かに第1透過体250と第2透過体260との間に進入しているが、進入しないようにしてもよい。
また、図11に示すように、可動体ユニットの第1動作形態にあっては、第1演出可動体300が第1演出位置、第2演出可動体400が第2演出位置、第3演出可動体500L,500Rが第3演出位置、第4演出可動体600L,600Rが第4待機位置に配置されており、第1演出可動体300は、第1回動状態であるとともに、第1突出部303は、第1突出状態となり、第2突出部304は、第2収納状態となっている。このとき、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第1突出部303が演出表示装置5A,5X,5Yの前面側に配置され、所定の形状を成す構造物を構成するように互いに接触または近接することにより合体する(図14参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1演出可動体300に第2演出可動体400や第3演出可動体500L,500Rを合体可能に移動させる制御が可能である。
また、図12に示すように、可動体ユニットの第2動作形態にあっては、第1演出可動体300が第1演出位置、第2演出可動体400が第2待機位置、第3演出可動体500L,500Rが第3待機位置、第4演出可動体600L,600Rが第4演出位置に配置されており、第1演出可動体300は、第2回動状態であるとともに、第1突出部303は、第1収納状態となり、第2突出部304は、第2突出状態となっている。このとき、第1演出可動体300、第4演出可動体600L,600R及び第2突出部304が演出表示装置5A,5X,5Yの前面側に配置され、第1動作形態とは異なる形状の構造物を構成するように互いに接触または近接することにより合体する(図15参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1演出可動体300に第4演出可動体600L,600Rを合体可能に移動させる制御が可能である。
また、第1動作形態において第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300と合体したときや、第2動作形態において第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体したときにおいて、これら第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rは、後透過板261よりも後側に配置されるようになっている(図17、図18参照)。
よって、第1演出可動体300と、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rとは、合体したときに第1制御における第1演出可動体300の移動方向、つまり、前後方向の異なる位置に位置するため、奥行き感を生じさせることができる。
次に、演出制御用CPU120による可動体ユニットの動作制御の一例について図13〜図19を用いて説明する。図19は、可動体演出における各可動体及び演出用LEDの動作の一例を示すタイミングチャートである。
図13及び図16に示すように、可動体ユニットの動作待機形態にあっては、第1演出可動体300は、第1待機位置において、本体部302の面A側(前側)の一部が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側、つまり前側に位置している(特に、図13及び図16の実線部分参照)。
本実施の形態における可動体演出では、図19に示すように、演出制御用CPU120は、可動体演出の開始条件が成立する(例えば、可動演出の実行中における操作手段(例えば、演出ボタンやスティックコントローラ31Aなど)の操作受付期間中に操作手段の操作を検出したときや、操作有効期間が終了して可動体の実行タイミングとなったときなど)と、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rを動作させる。演出用LED9は、第1発光態様により発光演出を行う。
詳しくは、第1演出可動体300は、第1駆動機構310により第1待機位置から第1演出位置に向けて斜め下方向に移動する(図13及び図16の矢印1参照)。図13及び図16の仮想線部分に示すように、第1演出可動体300が第1演出位置に移動した際には、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置し、本体部302が第1待機位置よりも前方側に配置される。つまり、演出制御用CPU120は、第1待機位置にある第1演出可動体300を、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第1制御を実行可能である。また、第2演出可動体400は第2演出位置、第3演出可動体500L,500Rは第3演出位置に向けて移動する。
第1演出可動体300、第2演出可動体400、及び第3演出可動体500L,500Rが所定位置まで移動すると、図示しない第1演出位置センサ、第2演出位置センサ、第3演出位置センサにより検出され、演出制御用CPU120は、前記第1演出位置センサ、第2演出位置センサ、第3演出位置センサが各可動体を検出したことに基づいて、第1演出可動体300が第1回動状態となるように回動軸305を右側面視反時計回りに回動させる(第1回転、図14及び図17の矢印2参照)。演出制御用CPU120は、第1演出可動体300が第1回動位置センサに検出されたことに基づいて第1演出可動体300の第1回動を停止させる。このとき、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rの前端側が前方側に傾倒(図14及び図17の矢印3参照)し、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rが合体する。回動するときでも、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置している。
次いで、演出制御用CPU120は、演出用LED9を第2発光態様により発光させるとともに、第3駆動機構330により第1突出部303を前記第1突出位置センサに検出されるまで本体部302の面Aから外方へ突出させ第1突出状態とする。前述のように第1演出可動体300の第1回動状態にあっては、本体部302の面Aが斜め前方側上方を向いているため、第1突出部303は斜め前上方に向けて突出する(図14及び図17の矢印4参照)。すなわち、第1突出部303は、本体部302の移動方向(斜め下方向)に対し交差する方向に移動する。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第1突出部303を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる第2制御を実行可能である。これら第1制御と第2制御とを実行することにより、可動体ユニットは第1動作形態に変化する。
このように、第1演出可動体300は、本体部302が斜め前方下側に移動した後、第1突出部303が前透過板251と後透過板261との間に形成された空間部Sで斜め前方側上方に突出するため、後透過板261に接触させることなく、第1突出部303の移動動作を好適に見せることができる。また、第1動作形態や第2動作形態に変化する際においても、前透過板251に接触することはない。
また、本体部302の前側の所定部が後透過板261よりも前側の空間部Sに位置する第1動作形態においては、第1突出部303が第1突出状態に変化していることで、図14に示すようにパチンコ遊技機1の前側から見たときに、第1突出部303は本体部302の周囲に広がるように移動、つまり、突出することで、本体部302の一部が拡張して第1演出可動体300が拡大しているように見えるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、第1突出部303が本体部302の周囲に広がるように第1突出状態に変化した後においても、パチンコ遊技機1の前側から見たときに第1突出部303は孔部270に対応する領域外へ突出する、つまり、遊技球の遊技領域10側へせり出すことがないので、第1突出部303により遊技球の視認が阻害されることはない。
また、可動体ユニットの第1動作形態の際には、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第1突出部303が所定の形状を成す構造物を構成する。詳しくは、第1演出可動体300の下方には、第2演出可動体400が当接または近接するように配置され、第1演出可動体300の左右には、第3演出可動体500L,500Rが当接または近接するように配置されることで、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300の支持手段となり、互いに支え合うようになるため、第1突出部303の突出動作や該突出動作後の第1演出可動体300の揺れ等が抑制され、姿勢を安定させることができる。
また、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rの大部分は、第1演出可動体300と合体したときに、後透過板261よりも遊技領域10側(背面側)に配置されるため、合体して構成される構造物に奥行き感を生じさせることができる。
また、演出用LED9の第2発光態様は、第1発光態様よりも輝度が低下しているため、可動体ユニットが第1動作形態時(第2制御時)において、演出用LED9の光により各可動体の視認性の低下を抑制することができる。
次に、演出制御用CPU120は、可動体ユニットの第1動作形態の状態が所定時間経過したことに基づいて、第1突出部303を前記第1収納位置センサに検出されるまで移動させて第1収納状態とするとともに、前記第2待機位置センサ及び第3待機位置センサに検出されるまで第2演出可動体400を第2待機位置、第3演出可動体500L,500Rを第3待機位置に移動させる(図15及び図18の矢印5参照)。次いで、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300の回動動作に干渉しない位置に到達した後に、第1演出可動体300が第2回動状態となるように回動軸305を右側面視時計回りに回動させる(第2回転、図15及び図18の矢印6参照)とともに、演出用LED9を第3発光態様により発光させる。演出制御用CPU120は、第1演出可動体300が第2回動位置センサに検出されたことに基づいて第1演出可動体300の第2回動を停止させる。
そして、第2突出部304を前記第2突出位置センサに検出されるまで突出させて第2突出状態とする(図15及び図18の矢印7参照)とともに、第4演出可動体600L,600Rを前記第4演出位置センサに検出されるまで第4演出位置に向けて移動させる(図15及び図18の矢印7参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第2突出部304を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる第2制御を実行可能である。これら第1制御と第2制御とを実行することにより、可動体ユニットは第2動作形態に変化する。このとき、演出用LED9を第4発光態様により発光させる。
また、本体部302の前側の所定部が後透過板261よりも前側の空間部Sに位置する第2動作形態においては、第2突出部304が第2突出状態に変化していることで、図15に示すようにパチンコ遊技機1の前側から見たときに、第2突出部304は本体部302の周囲に広がるように移動、つまり、突出することで、本体部302の一部が拡張して第1演出可動体300が拡大しているように見えるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、第2突出部304が本体部302の周囲に広がるように第2突出状態に変化した後においても、パチンコ遊技機1の前側から見たときに第2突出部304は孔部270に対応する領域外へ突出する、つまり、遊技球の流下領域へせり出すことがないので、第1突出部303により遊技球の視認が阻害されることはない。
可動体ユニットの第2動作形態の際には、第1演出可動体300、第4演出可動体600L,600R及び第2突出部304が第1動作形態とは異なる形状の構造物を構成するように合体する。詳しくは、第1演出可動体300の左右には、第4演出可動体600L,600Rが当接または近接するように配置されることで、第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300の支持手段となり、互いに支え合うようになるため、第2突出部304の突出動作や該突出動作後の第1演出可動体300の揺れ等が抑制され、姿勢を安定させることができる。
また、第4演出可動体600L,600Rの大部分は、第1演出可動体300と合体したときに、後透過板261よりも遊技領域10側(背面側)に配置されるため、合体して構成される構造物に奥行き感を生じさせることができる(図12参照)。
また、演出用LED9の第4発光態様は、第1発光態様及び第3発光態様よりも輝度が低下しているため、可動体ユニットが第2動作形態時(第2制御時)において、演出用LED9の光により各可動体の視認性の低下を抑制することができる。
可動体ユニットの第2動作形態が所定時間経過することにより各可動体による演出動作が終了すると、演出制御用CPU120は、第2突出部304を前記第2収納位置センサに検出されるまで移動させて第2収納状態とするととともに、前記第1待機位置センサ及び第4待機位置センサに検出されるまで第1演出可動体300を第1待機位置、第4演出可動体600L,600Rを第4待機位置に向けて移動させる(収納動作)。このとき、演出用LED9を第5発光態様により発光させる。第1演出可動体300が第1待機位置、第4演出可動体600L,600Rが第4待機位置に移動すると、可動体ユニットによる可動体演出が完了する。
なお、演出用LED9による第1発光態様〜第5発光態様は、可動体の各種動作態様に応じて異なる態様となっていればよい。発光態様とは、例えば、発光する色、輝度、点灯または点滅、点滅速度等含む。
次いで、演出用LED9及び可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRによる発光演出における演出効果について図20を用いて説明する。図20は、(A)は演出用LED及び可動体LEDの発光態様を側方から見た概略図、(B)は演出用LED及び可動体LEDの発光態様を上方から見た概略図である。
図20(A)(B)に示されるように、開閉枠50の前面における第1透過体250の周囲に配置される演出用LED9は、第1透過体250に向けて光を照射するが、第1透過体250(第1筒状体252)の外周面にはメッキ加工が施されているため、演出用LED9からの光は、反射されて第1透過体250内に入り込まないようになっている。さらに、演出用LED9からの光以外の周囲の外光R(例えば、遊技店の室内光などの光や隣接する遊技機からの光など)も同様に第1透過体250内に入り込まないようになっている。
つまり、各可動体及び遊技領域10の視認性が低下することを防止できるとともに、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRの発光演出に影響を与えないようにできる。また、第1透過体250の周囲が照射されることにより、各可動体の周囲を囲うように目立たせることができるとともに、当該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者だけでなく周囲にも演出をアピールすることができる。
また、可動体LEDは、正面側(遊技者側)を向く本体部302に取付けられる可動体LED350A、第2突出部304に取付けられる可動体LED350Bと、側面側を向く可動体LED350CL,350CRと、背面側(遊技領域10側)を向くそれぞれ光を可動体LED350DL,350DRと、から成る(発光手段)。可動体LED350A,350Bによる正面側への光は前透過板251を介して前方側に照射され、可動体LED350DL,350DRによる背面側への光は遊技領域10(遊技領域10を流下する遊技球、入賞口や誘導通路など)を照射するようになっている。なお、可動体LED350CL,350CRの側面側への光は、第1透過体250に向けて照射されるが、第1透過体250(第2筒状体253)の内周面にはメッキ加工が施されているため、可動体LED350CL,350CRの光は、前方側へ反射される。つまり、正面側に対して光を集めて演出効果を高めることができるとともに、演出用LED9の発光演出に影響を与えないようにすることができる。
次いで、演出表示装置5X,5Yにおける表示装置演出の一例を、図21を用いて説明する。図21は、(A)は演出表示装置の通常時を示す待機状態を示す概略図、(B)は演出表示装置の第1動作状態を示す概略図、(C)は演出表示装置の第2動作状態を示す概略図である。
図21(A)に示すように、演出表示装置の通常時には、演出表示装置5X,5Yが演出表示装置5Aの左右両側に配置される待機状態となっている。この待機状態にあっては、待機状態は、表示部が中央側を向くように若干傾斜した状態で配置されている。
なお、演出表示装置5X,5Yの上下には、演出表示装置5X,5Yの移動を案内する図示しないレール部材(案内手段)がそれぞれ配設されている。このレール部材は、演出表示装置5Aの前面側の位置で前後方向に延びる部分と、前後の部分の両端部から左右に離れる方向に延びる部分と、から構成されており、演出表示装置5X,5Yは、レール部材に対して上下方向の回動軸を中心に回動可能に取付けられている。このように演出表示装置5X,5Yは、図示しないレール部材や駆動モータ等からなる表示装置駆動機構900により移動及び回動可能に設けられている。
演出制御用CPU120は、表示装置演出の所定の開始条件が成立すると、図21(B)に示すように、演出表示装置5X,5Yを演出表示装置5Aの前方側の位置に近づけるように移動させた後、孔部270を介して後透過板261の背面側の位置から前面側の位置に移動させ、演出表示装置5X,5Yを第1動作状態に変化させる。つまり、演出制御用CPU120は、後透過板261の背面側の位置で待機状態の演出表示装置5X,5Yを、該演出表示装置5X,5Yの所定部が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第3制御を実行可能である。
演出表示装置5X,5Yは、表示部が中央側を向くように若干傾斜した状態のまま後透過板261よりも前透過板251側の位置に移動するため、遊技者から表示部が視認しやすい状態を保ちながら演出表示装置5X,5Yの移動を好適に見せることができる。
演出表示装置5X,5Yが後透過板261よりも前透過板251側の位置まで移動すると、図21(C)に示すように、演出制御用CPU120は、演出表示装置5X,5Yを互いに離間する方向に移動させるとともに、図示しない回動モータにより演出表示装置5X,5Yの表示部が左右方向の外側を向くように回動させる。つまり、演出制御用CPU120は、第3制御を実行した後、前記第3制御における移動方向(前後方向)に対し交差する方向(左右方向)に移動させる第4制御を実行可能である。これら第3制御と第4制御とを実行することにより、演出表示装置5X,5Yは第2動作状態に変化する。
また、演出表示装置5X,5Yの表示部は、第2動作状態において左右方向の外側を向くため、表示部の表示内容を遊技者以外にも視認可能とすることができる。なお、演出表示装置5X,5Yの移動を案内するレール部材は、待機状態から第1動作状態に変化する際、また第1動作状態から第2動作状態に変化する際において、演出表示装置5X,5Yと後透過板261との接触を防止する接触防止手段として機能しているため、演出表示装置5X,5Yまたは後透過板261が破損することを防止できる。
次に、後透過板261と第1演出可動体300との関係性について図22を用いて説明する。図22は、可動体ユニットの第2動作形態において開閉枠を開放した状態を示す概略図である。
図22に示すように、後透過板261の孔部270は、第1演出可動体300よりも大きく形成されている。より詳しくは、開閉枠50を開閉動作する際には、開閉枠50のヒンジ部分(上下方向の回動軸)を中心として孔部270も回動する。可動体ユニットの第2動作形態における第1演出可動体300は、可動体ユニットの各動作形態において最も突出している可動体であり、該第1演出可動体300の前側の部分(開閉枠50の閉鎖状態において孔部270よりも前透過板251側に配置される部分)は、孔部270の回動領域Z内に配置されている。
したがって、開閉枠50を開閉動作しても後透過板261が第1演出可動体300に対して接触することがない。これによれば、例えば、可動体ユニットの動作中、つまり、第1制御や第2制御の実行中に動作エラー等が発生し、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できるため、後透過板261や第1演出可動体300が破損することを防止できる。
(遊技の進行や演出の進行など)
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1の打球操作ハンドルを遊技者が回転操作すると、遊技球が遊技領域10に向けて発射される。遊技領域10を流下した遊技球が通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないときには、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、開始可能になったときに開始される。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行されている、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、開始条件の成立により実行される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「3」、「7」などの特図)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」などの特図)が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な有利状態である。特図ゲームでの変動表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する)。
演出表示装置5Aの演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5Aまたは演出表示装置5X,5Yの表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)、及び、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、演出図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、演出表示装置5Aまたは演出表示装置5X,5Yの表示領域にて、演出図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示される(演出図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。実施の形態では、後述する図24(B)に示すように、「非確変」には、大当り中に昇格演出(失敗)が実行される非確変大当りと、昇格演出自体を実行しない非確変大当りの2種類があり、「確変」には、大当り中に昇格演出(成功)が実行される確変大当りと、昇格演出自体を実行しない確変大当りの2種類がある。昇格演出は、確変昇格演出のことであり、大当り中の所定ラウンド(例えば、7ラウンド)において実行され、確変大当りへの昇格に成功又は失敗したことを表示する演出である。大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」のときには、同一の演出図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(失敗)が実行される。大当り種別が「確変(昇格演出成功)」のときには、同一の演出図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(成功)が実行される。なお、確変昇格演出は、7ラウンド以外のラウンドや複数ラウンドにわたって実行されるものや、ファンファーレ演出、エンディング演出などに実行されるものであってもよい。また、昇格演出は、ラウンド継続を報知するラウンド昇格演出などであってもよい。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示されることや、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せ)の確定演出図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。このため、時短制御が行われる状態(時短状態)は、通常状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。このため、確変制御が行われる状態(確変状態)は、通常状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、例えば、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は「高ベース」と、時短状態でない遊技状態は「低ベース」「非時短状態」と、確変状態は「高確」ともいわれる。確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」ともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース」ともいわれる。確変状態となっているが時短状態になっていないときの遊技状態は、「高確低ベース」ともいわれる。確変状態となっていないが時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース」ともいわれる。通常状態は、「低確低ベース」ともいわれる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の主要な動作を、フローチャートなどを参照して説明する。各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現するための処理である。普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現するための処理である。コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。図24(A)に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。
変動パターン指定コマンド81XX(H)、表示結果指定コマンド8CXX(H)、図柄確定指定コマンド8F00(H)、当り開始指定コマンドA0XX(H)、当り終了指定コマンドA3XX(H)、第1始動入賞指定コマンドB100(H)、第2始動入賞指定コマンドB200(H)、大入賞口入賞指定コマンドB300(H)が予め用意されている。「XX」はEXTデータである。表示結果指定コマンド8CXX(H)の「XX」には、可変表示結果に対応する数値が設定される(例えば、図24(B)に示すように、「ハズレ」なら「00」、「非確変大当り」なら「01」、「非確変大当り(昇格演出失敗)」なら「02」、「確変大当り」なら「03」、「確変大当り(昇格演出成功)」なら「04」など)。
(特別図柄プロセス処理)
図25は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。以下で説明する各フラグ、各カウンタ、各タイマは、RAM102に設けられる。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動入賞判定処理を実行する(S101)。例えば、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか(スイッチ処理でオンと判定されたか。他のスイッチについても同じ。)を判定する。オンの場合には、第1特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路104または遊技用乱数更新処理で更新される遊技用乱数値のうちから、特図表示結果(特別ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した数値を第1保留データとして、RAM102の第1特図保留記憶部に保持する。第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定する。オンの場合には、第2特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第2始動入賞が発生したとして、前記と同様に乱数値MR1〜MR3を抽出し、抽出した数値を第2保留データとして、RAM102の第2特図保留記憶部に保持する。第1保留データ及び第2保留データは、始動入賞順に保持される。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留データや第2保留データの数や、各記憶数をカウントするカウンタによって特定すればよい(以下、同じ。)。始動入賞判定処理では、第1始動入賞があったときに、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われ、第2始動入賞があったときに、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われる。
CPU103は、S101を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。下記の時短フラグは、時短状態のときにオンになるフラグで、確変フラグは、確変状態のときにオンになるフラグである。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。例えば、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」でないときには、第2特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。第2特図保留記憶数が「0」で、第1特図保留記憶数が「0」でないときには、第1特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。両者が「0」のときは、本処理を終了する。
第2特図ゲームを実行するための処理では、第2特図保留記憶部に保持されている第2保留データ(乱数値MR1〜MR3)のうち最も古い第2保留データを第2特図保留記憶部からRAM102の所定バッファに読み出す。読み出された第2保留データは、第2特図保留記憶部から削除される。そして、所定バッファに読み出した第2保留データのうち、乱数値MR1と、大当り決定テーブル(ROM101に格納されている。以下、決定テーブルについて同じ)と、に基づいて、今回実行する第2特図ゲームの可変表示結果(「大当り」又は「ハズレ」)を決定する。「大当り」とする決定割合は、確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)の方が、非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)よりも高い。「大当り」と決定した場合には、乱数値MR2と、大当り種別決定テーブルと、に基づいて、大当り種別(「確変」又は「非確変」)を決定する。実施の形態では、「非確変」、「非確変(昇格演出失敗)」、「確変」、「確変(昇格演出成功)」のいずれかを決定する。前記の決定結果や第2特図ゲームを実行する旨の情報はRAM102に保持され、適宜参照される(他の決定などについても同じ)。
第1特図ゲームを実行するための処理でも、上記第2特図ゲームを実行するための処理と同様の処理を行い、第1保留データの所定バッファへの読み出し、第1特図ゲームの可変表示結果の決定(大当り種別の決定を含む)などを行う。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。例えば、CPU103は、変動パターンを決定(選択)し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行開始の設定を行う。変動パターンは、可変表示の実行時間(特図変動時間)や、演出図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
実施の形態では、図26に示すように、ハズレ時変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。大当り時変動パターンとして、B3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(スーパーリーチへの発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定する。
CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときには、所定バッファに読み出した第1、第2保留データのうちの乱数値MR3と大当り用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ非時短状態のとき(時短フラグがオフのとき)には、乱数値MR3と第1ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ時短状態のとき(時短フラグがオンのとき)には、乱数値MR3と第2ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。
変動パターンの決定後、例えば、駆動信号を第1特別図柄表示器4A又は第2特別図柄表示器4Bに供給開始し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行を開始する。上記の決定結果や現在の遊技状態(確変フラグや時短フラグの状態で特定できる)などを指定する、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数の減算指定コマンド、変動パターン指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「2」にしてから、本処理を終了する。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(タイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に達したか(可変表示結果の導出タイミングであるか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行する駆動信号を第1特別図柄表示器4A又は第2特別図柄表示器4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を第1特別図柄表示器4A又は第2特別図柄表示器4Bに供給し、今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変大当り」のときは「7」、「非確変大当り」のときは「3」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときは、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、カウンタなどによってカウントすればよい。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(カウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(カウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値を「7」に更新し、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
S114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。例えば、最後のラウンド遊技を終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、予め定められたエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していないときには、本処理を終了する。エンディング待ち時間に達したときには、エンディングが終了するので、今回の大当り種別が「確変」のときに時短フラグ及び確変フラグをオンにし、「非確変」のときに、時短フラグをオンにして、確変フラグをオフのままにする。そして、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して本処理を終了する。
(演出制御基板12の動作)
図27(A)は、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
S51のあと、電源投入時の可動体初期化処理を行う(S51A)。図27(B)に示す電源投入時の可動体初期化処理(S51A)において、演出制御用CPU120は、第1可動体デッドエンドフラグをオフにリセットし(S551)、第2可動体デッドエンドフラグをオフにリセットする(S552)。第1可動体デッドエンドフラグは、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作の禁止の有無を示すフラグである。第2可動体デッドエンドフラグは、第2可動体(例えば外部可動体810など)の演出動作の禁止の有無を示すフラグである。なお、第1可動体デッドエンドフラグ及び第2可動体デッドエンドフラグについては、パチンコ遊技機1の電源断時にバックアップされないことから、S551、S552を敢えて設けないようにしてもよい。S552のあと、演出制御用CPU120は、電源供給されたことにもとづく可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R、外部可動体810)のイニシャル動作が実行される(S553)。イニシャル動作としては、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作とがある。ショートイニシャル動作は、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)と第2可動体(外部可動体810)とをそれぞれ原点位置(初期位置、待機位置など)に復帰させる初期動作のことである。ロングイニシャル動作は、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)と第2可動体(外部可動体810)とをそれぞれ原点位置(初期位置、待機位置など)に復帰させた後に動作確認(例えば第1演出可動体300であれば、第1透過体250と第2透過体260との間に進出した進出位置(図17、図18に示す進出位置や、後述する図38に示す変形例1の第1位置P1、第2位置P2)に移動させた後に原点位置に戻す動作の確認、外部可動体810であれば、図23(B)に示す原点位置から図23(C)に示す進出位置に移動させた後に図23(B)に示す原点位置に戻す動作の確認)をする初期動作のことである。本実施の形態のパチンコ遊技機1では、例えばロングイニシャル動作を実行するように設定されている。なお、ショートイニシャル動作を実行するように設定されていてもよい。
電源投入時の可動体初期化処理(S51A)では、演出制御用CPU120は、可動体のイニシャル動作の実行直前やイニシャル動作の実行中において、開閉枠50が開放されたとしても、可動体のイニシャル動作が停止されることなく実行される。具体的には、演出制御用CPU120は、S51Aの処理の実行中やその実行直前において、開閉枠50の開放を検知可能な図示しない扉開放検出スイッチ(例えばドアセンサなど)がオンになったとしても、可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)のイニシャル動作が停止されることなく実行されるように可動体の各駆動機構(第1演出可動体300についての第1〜第4駆動機構310、320、330、340、第2演出可動体400についての第5駆動機構410、第3演出可動体500L,500Rについての第6駆動機構510L,510R及び第4演出可動体600L,600Rについての第7駆動機構610L,610R)を制御する(S553)。
これによれば、電源投入時の可動体のイニシャル動作中に開閉枠50が開放されても、可動体のイニシャル動作を停止させないので、電源投入時における開閉枠50の開放に邪魔されることなく、可動体の動作を確認できる。例えば、遊技機出荷前の工場検査時における可動体の動作チェックをスムーズに行うことができる。また、開閉枠50の開閉動作確認と、電源投入時の可動体のイニシャル動作とを同時に行うことができ、検査効率を向上させることができる。上述したように可動体の動作が確認されていることから、好適に可動体を制御できる。なお、演出制御用CPU120は、開閉枠50が開放されると、S553において、外部可動体810についてはその動作を停止又は原点位置に復帰させるように第8駆動機構850(図2参照)を制御するようにしてもよい。この場合には、開閉枠50が開放されると、進出位置にある外部可動体810が原点位置に復帰などするので、進出位置にある外部可動体810が、隣のパチンコ遊技機1やその関連部品、遊技者などに接触することを防止することができる。
なお、S553では、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)のイニシャル動作において原点位置に復帰できなかったエラー回数が累計カウント可能となっており、第2可動体(外部可動体810)のイニシャル動作において原点位置に復帰できなかったエラー回数も累計カウント可能となっている。なお、第1可動体については、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rごとにそれぞれのエラー回数が累計カウント可能となっているが、設定された一部の可動体のみ(例えば、第1演出可動体300のみ)のエラー回数が累計カウント可能としてもよい。
このS553のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)のイニシャル動作のエラー回数が「3」に到達しているか否かを判定する(S554)。第1可動体のエラー回数が「3」に到達している場合には(S554;Yes)、第1可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットする(S555)。第1可動体のエラー回数が「3」に到達していない場合(S554;No)、又は、S555のあとには、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)のイニシャル動作のエラー回数が「10」に到達しているか否かを判定する(S556)。第2可動体のエラー回数が「10」に到達している場合には(S556;Yes)、第2可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットする(S557)。第2可動体のエラー回数が「10」に到達していない場合(S556;No)、又は、S557のあとには、本処理を終了する。
なお、S554では、第1可動体のエラー回数が「3」に到達しているか否かを判定しているが、第1可動体のエラー回数が「1」である場合、つまり、第1可動体のイニシャル動作で原点復帰できない場合には、第1可動体を即デッドエンド(動作禁止)としてもよい。また、S556では、第2可動体のエラー回数が「10」に到達しているか否かを判定しているが、第2可動体のエラー回数が「1」である場合、つまり、第2可動体のイニシャル動作で原点復帰できない場合には、第2可動体を即デッドエンド(動作禁止)としてもよい。
図27(A)に戻って、S51Aのあと、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5A,5X,5Yの表示および動作制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
次いで、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを監視する第2可動体監視処理を行う(S56A)。図28に示す第2可動体監視処理(S56A)において、演出制御用CPU120は、第2可動体デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する(S401)。第2可動体デッドエンドフラグがオンであれば(S401;Yes)、本処理を終了する。なお本実施の形態では、第2可動体デッドエンドフラグがオン状態である場合には、後述する図35に示す代替演出パターンが設定され(S505A)、可動体演出パターンが設定されないことから、第2可動体(外部可動体810)による演出動作を完全に禁止することになるが、一部の演出動作を容認するようにしてもよい。つまり、一部の演出動作を制限するようにしてもよい。例えば、演出動作の範囲、内容、態様などの少なくとも一部を制限すればよい。すなわち、「第2可動体の演出動作を制限する」については、第2可動体(外部可動体810)の演出動作を完全に禁止すること、演出動作の一部を制限することが含まれる。
一方、第2可動体デッドエンドフラグがオンでなければ(S401;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出パターンが設定されているか否かを判定する(S402)。つまり、第2可動体(外部可動体810)が動作することを含む可動体演出パターンが、後述する図35に示すS505において設定されている場合には(S402;Yes)、本処理を終了する。
一方、可動体演出パターンが設定されていない場合には(S402;No)、演出制御用CPU120は、特殊期間(例えば10秒)のカウント中であるか否かを判定する(S402A)。特殊期間(例えば10秒)のカウント中でない場合には(S402A;No)、第2可動体原点位置エラー状態フラグがオンであるか否かを判定する(S402B)。
一方、第2可動体原点位置エラー状態フラグがオンでない場合には(S402B;No)、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達したか否かを判定する(S403)。この第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値は、パチンコ遊技機1の電源投入の際における第2可動体(外部可動体810)のイニシャル動作処理(S553)が終了した時点から計時が開始される。また、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値は、第2可動体(外部可動体810)の演出動作が終了した時点から改めて計時が開始される。つまり、第2可動体(外部可動体810)の演出動作中は、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が計時されない。第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達していなければ(S403;No)、本処理を終了する。一方、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達していれば(S403;Yes)、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを判定する(S404)。例えば、演出制御用CPU120は、位置検出器860(図2参照)からの検出信号に基づいて、外部可動体810が原点位置にあるか否かが判定可能である。図29(C)に示すように、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達してS404において外部可動体810が原点位置にあるか否かを判定するタイミングが、監視タイミングに対応する。なお、監視タイマ値は「0」にリセットされ、次の1分の計時を開始する。第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあれば(S404;Yes)、本処理を終了する。一方、第2可動体(外部可動体810)が原点位置になければ(S404;No)、第2可動体(外部可動体810)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S405)。図29(C)に示すように、特殊期間内において、第2可動体(外部可動体810)の原点位置への復帰処理が実行される。S405のあと、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを判定する(S406)。第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあれば(S406;Yes)、本処理を終了する。一方、第2可動体(外部可動体810)が原点位置になければ(S406;No)、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にないといった第2エラーのカウント値である第2エラーカウント値に「1」をインクリメントする(S407)。図29(C)に示す特殊期間における復帰処理で第2可動体(外部可動体810)が原点位置に復帰しなかった場合にエラー回数に「1」が加算される。このように、特別期間毎(1分毎)に、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かが監視されるようになっている。
なお、S403では、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達しているか否かを判定しているが、これに限定されない。例えば、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達すると第2到達フラグをオン状態にセットし、第2到達フラグがオンか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、監視タイマが1分を越えて計時することを防止できる。
S407のあと、演出制御用CPU120は、監視タイミング(例えば1分到達時)から特殊期間(例えば10秒)が経過したことを示す特殊期間到達フラグがオン状態であるか否かを判定する(S408)。特殊期間到達フラグがオンでなければ(S408;No)、特殊期間(例えば10秒)のカウントを開始する(S410)。特殊期間(例えば10秒)のカウント中である場合(S402A;Yes)、又は、S410のあとには、特殊期間(例えば10秒)に到達したか否かを判定する(S411)。特殊期間(例えば10秒)に到達していなければ(S411;No)、本処理を終了する。一方、特殊期間(例えば10秒)に到達していれば(S411;Yes)、特殊期間到達フラグをオン状態にセットする(S412)。
なお、図28のS410〜S412の期間、つまり、特殊期間(例えば10秒)において第2可動体(外部可動体810)の原点復帰処理を継続して(又は繰り返して)実行するようにしてもよい。また、図28のS410〜S412の期間、つまり、特殊期間(例えば10秒)において第2可動体(外部可動体810)を原点位置に復帰した場合には、エラー報知(S414)を実行しないようにしてもよい。この場合には、特殊期間(例えば10秒)のカウントも「0」にリセットされる。
S412のあと、又は、後述するS419のあと、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にないエラー状態であることを示す第2可動体原点位置エラー状態フラグをオン状態にセットし(S413)、図29(C)に示すように例えば30秒間のエラー報知を実行する(S414)。このエラー報知としては、例えば、遊技機用枠3に設けられたエラーランプの点灯(例えば赤色点灯)と、演出表示装置5Aの表示画面の例えば隅部における第2可動体(外部可動体810)のエラー表示とが実行される。なお、このエラーランプの点灯又はエラー表示の一方のみを実行してもよいし、エラーランプの点灯とエラー表示とのうちの少なくとも一方に替えてあるいはそれとともにエラー報知音をスピーカ8L,8Rから出力するようにしてもよい。なお、エラー報知中(S414)において第2可動体(外部可動体810)が原点位置に復帰した場合には、かかるエラー報知(S414)を途中で中止するようにしてもよい。
特殊期間到達フラグがオンである場合(S408;Yes)、第2可動体原点位置エラー状態フラグがオンである場合(S402B;Yes)、又は、S414のあと、演出制御用CPU120は、エラー報知開始から1分経過したか否かを判定する(S415)。エラー報知開始から1分経過していなければ(S415;No)、本処理を終了する。一方、エラー報知開始から1分経過していれば(S415;Yes)、つまり、図29(C)に示すように例えば60秒間のエラー状態の後に、第2可動体原点位置エラー状態フラグをオフ状態にリセットし(S416)、第2可動体(外部可動体810)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S417)。図29(C)に示すように、エラー状態(60秒間)の後に、第2可動体(外部可動体810)の原点位置への復帰処理が実行される。S417のあと、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを判定する(S418)。第2可動体(外部可動体810)が原点位置になければ(S418;No)、第2エラーカウント値に「1」をインクリメントし(S419)、S413に進む。図29(C)に示すように例えばエラー状態(60秒間)の後における復帰処理で第2可動体(外部可動体810)が原点位置に復帰しなかった場合にエラー回数に「1」が加算される。一方、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にある場合(S418;Yes)、特殊期間到達フラグをオフ状態にリセットし(S420)、本処理を終了する。
図27(A)に戻って、S56Aのあと、第2可動体デッドエンド処理を実行する(S56B)。図29(A)に示す第2可動体デッドエンド処理(S56B)において、演出制御用CPU120は、第2エラーカウント値は「10」であるか否かを判定する(S431)。第2エラーカウント値は「10」でない場合(S431;No)、本処理を終了する。一方、第2エラーカウント値は「10」である場合(S431;Yes)、第2可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットし(S432)、第2エラーカウント値を「0」にリセットし(S433)、本処理を終了する。
図27(A)に戻って、S56Bのあと、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを監視する第1可動体監視処理を行う(S56C)。図30に示す第1可動体監視処理(S56C)において、演出制御用CPU120は、第1可動体デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する(S461)。第1可動体デッドエンドフラグがオンであれば(S461;Yes)、本処理を終了する。なお本実施の形態では、第1可動体デッドエンドフラグがオン状態である場合には、後述する図35に示す代替演出パターンが設定され(S505A)、可動体演出パターンが設定されないことから、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)による演出動作を完全に禁止することになるが、一部の演出動作を容認するようにしてもよい。つまり、一部の演出動作を制限するようにしてもよい。例えば、演出動作の範囲、内容、態様などの少なくとも一部を制限すればよい。また、演出可動体の種類毎に演出動作を制限するようにしてもよい。すなわち、「第1可動体の演出動作を制限する」については、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作を完全に禁止すること、演出動作の一部を制限することが含まれる。
一方、第1可動体デッドエンドフラグがオンでなければ(S461;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出パターンが設定されているか否かを判定する(S462)。つまり、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が動作することを含む可動体演出パターンが、後述する図35に示すS505において設定されている場合には(S462;Yes)、本処理を終了する。
一方、可動体演出パターンが設定されていない場合には(S462;No)、演出制御用CPU120は、特定期間(例えば10秒)のカウント中であるか否かを判定する(S462A)。特定期間(例えば10秒)のカウント中でない場合には(S462A;No)、第1可動体原点位置エラー状態フラグがオンであるか否かを判定する(S462B)。
一方、第1可動体原点位置エラー状態フラグがオンでない場合には(S462B;No)、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達したか否かを判定する(S463)。この第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値は、パチンコ遊技機1の電源投入の際における第1可動体(例えば第1演出可動体300など)のイニシャル動作処理(S553)が終了した時点から計時が開始される。また、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作が終了した時点から改めて計時が開始される。つまり、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作中は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が計時されない。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達していなければ(S463;No)、本処理を終了する。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達していれば(S463;Yes)、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを判定する(S464)。例えば、演出制御用CPU120は、図示しない位置検出センサからの検出信号に基づいて、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かが判定可能である。なお、監視タイマ値は「0」にリセットされ、次の10分の計時を開始する。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあれば(S464;Yes)、本処理を終了する。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置になければ(S464;No)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S465)。S465のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを判定する(S466)。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあれば(S466;Yes)、本処理を終了する。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置になければ(S466;No)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にないといった第1エラーのカウント値である第1エラーカウント値に「1」をインクリメントする(S467)。このように、所定期間毎(10分毎)に、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かが監視されるようになっている。
なお、S463では、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達しているか否かを判定しているが、これに限定されない。例えば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達すると第1到達フラグをオン状態にセットし、第1到達フラグがオンか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、監視タイマが10分を越えて計時することを防止できる。
S467のあと、演出制御用CPU120は、監視タイミング(例えば10分到達時)から特定期間(例えば10秒)が経過したことを示す特定期間到達フラグがオン状態であるか否かを判定する(S468)。特定期間到達フラグがオンでなければ(S468;No)、特定期間(例えば10秒)のカウントを開始する(S470)。特定期間(例えば10秒)のカウント中である場合(S462A;Yes)、又は、S470のあとには、特定期間(例えば10秒)に到達したか否かを判定する(S471)。特定期間(例えば10秒)に到達していなければ(S471;No)、本処理を終了する。一方、特定期間(例えば10秒)に到達していれば(S471;Yes)、特定期間到達フラグをオン状態にセットする(S472)。
なお、図30のS470〜S472の期間、つまり、特定期間(例えば10秒)において第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の原点復帰処理を継続して(又は繰り返して)実行するようにしてもよい。また、図30のS470〜S472の期間、つまり、特定期間(例えば10秒)において第1可動体(例えば第1演出可動体300など)を原点位置に復帰した場合には、エラー報知(S474)を実行しないようにしてもよい。この場合には、特定期間(例えば10秒)のカウントも「0」にリセットされる。
S472のあと、又は、後述するS479のあと、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にないエラー状態であることを示す第1可動体原点位置エラー状態フラグをオン状態にセットし(S473)、例えば30秒間のエラー報知を実行する(S474)。このエラー報知としては、例えば、遊技機用枠3に設けられたエラーランプの点灯(例えば赤色点灯)と、演出表示装置5Aの表示画面の例えば隅部における第1可動体(例えば第1演出可動体300など)のエラー表示とが実行される。なお、このエラーランプの点灯又はエラー表示の一方のみを実行してもよいし、エラーランプの点灯とエラー表示とのうちの少なくとも一方に替えてあるいはそれとともにエラー報知音をスピーカ8L,8Rから出力するようにしてもよい。なお、エラー報知中(S474)において第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置に復帰した場合には、かかるエラー報知(S474)を途中で中止するようにしてもよい。
特定期間到達フラグがオンである場合(S468;Yes)、第1可動体原点位置エラー状態フラグがオンである場合(S462B;Yes)、又は、S474のあと、演出制御用CPU120は、エラー報知開始から1分経過したか否かを判定する(S475)。S475では、エラー報知開始から1分経過したか否かを判定しているがこれに限定されない。例えば、S415に示す第2可動体(例えば、外部可動体810など)でのタイミング(エラー報知開始から1分経過)よりも短いタイミングとしてもよい。第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)は遊技者に触れられることがないので、第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)についての状況の改善、変化などに期待ができないから、必要最小限の時間(タイミング)とすることができる。エラー報知開始から1分経過していなければ(S475;No)、本処理を終了する。一方、エラー報知開始から1分経過していれば(S475;Yes)、第1可動体原点位置エラー状態フラグをオフ状態にリセットし(S476)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S477)。S477のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを判定する(S478)。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置になければ(S478;No)、第1エラーカウント値に「1」をインクリメントし(S479)、S473に進む。。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にある場合(S478;Yes)、特定期間到達フラグをオフ状態にリセットし(S480)、本処理を終了する。
図27(A)に戻って、S56Cのあと、第1可動体デッドエンド処理を実行する(S56D)。図29(B)に示す第1可動体デッドエンド処理(S56D)において、演出制御用CPU120は、第1エラーカウント値は「3」であるか否かを判定する(S481)。第1エラーカウント値は「3」でない場合(S481;No)、本処理を終了する。一方、第1エラーカウント値は「3」である場合(S481;Yes)、第1可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットし(S482)、第1エラーカウント値を「0」にリセットし(S483)、本処理を終了する。
次いで、演出制御用CPU120は、異常又はエラーが発生している場合には、異常等報知を実行する報知制御処理を実行し(S57)、この後、S52に移行する。図31に示すように報知制御処理では、例えば、開閉枠50の開放を検知可能な図示しない扉開放検出スイッチがオンであるか否かを判定する(S61)。例えば、主基板11には、開閉枠50の開放を検出するための扉開放検出スイッチ(図示略)が接続されている。扉開放検出スイッチは、開閉枠50の開放時にオンとなり、閉鎖時にオフとなる。なお、扉開放検出スイッチは、開閉枠50の閉鎖時にオンとなり、開放時にオフとなるものであってもよい。この場合は、S61については扉開放検出スイッチがオフであるか否かを判定するとすればよい。主基板11は、扉開放検出スイッチにより開閉枠50の開放を検出したことに基づいて、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放中指定コマンドを演出制御基板12に送信する。このため、主基板11からの扉開放中指定コマンドを受信している場合には、扉開放検出スイッチがオンであると判定することができる。
扉開放検出スイッチがオンであれば(S61;Yes)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)の少なくとも一方が動作中であるか否かを判定する(S62)。例えば、図示しない位置検出センサにより第1演出可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。なお、動作中の判定方法についてはこれに限定されない。例えば、第1演出可動体300が進出位置(なお、進出位置が複数ある場合には各進出位置)にあれば動作中と判定してもよい。また、第1駆動機構310、第2駆動機構320、第3駆動機構330及び第4駆動機構340(図2参照)のうちの少なくとも何れかが駆動動作中である場合には動作中と判定してもよい。また、位置検出器860(図2参照)により第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方が動作中であれば(S62;Yes)、可動体動作時の扉開放報知(第1開放報知)が実行される(S63)。一方、第1演出可動体300及び外部可動体810の何れもが動作中でない場合には(S62;No)、通常時の扉開放報知(第2開放報知)が実行される(S65)。可動体動作時の扉開放報知は、通常時の扉開放報知とは異なる態様としている。例えば、可動体動作時の扉開放報知は、通常時の扉開放報知に比べて報知音が大きいあるいは報知画像や報知発光が目立つ態様としている。また、可動体動作時の扉開放報知は、可動体が動作中である旨の報知(例えば「可動体が動作中!」や「動作中の可動体に注意!」の報知画像を表示したりやその内容を音声出力したりするなど)を有するものであり、通常時の扉開放報知はその旨を有さないものとしてもよい。また、可動体動作時の扉開放報知は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)の種類毎に応じた報知としてもよい。例えば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が動作中であれば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が動作中である旨の報知とし、第2可動体(外部可動体810)が動作中であれば、第2可動体(外部可動体810)が動作中である旨の報知とし、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)が動作中であれば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)が動作中である旨の報知とすればよい。
このように第1開放報知であれば、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方の動作中における開閉枠50の開放であることを報知でき、動作中の第1演出可動体300や外部可動体810を考慮しつつ開閉枠50の開放に対処することができる。また、第2開放報知であれば、第1演出可動体300及び外部可動体810が動作していないときの開閉枠50の開放であることを報知でき、第1演出可動体300及び外部可動体810を気にせず開閉枠50の開放に対処することができる。このため、開閉枠50の開放報知の際に、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方の動作有無に応じた適切な処置を実行できる。なお、可動体動作時の扉開放報知と通常時の扉開放報知とを区別せずに同一の報知としてもよい。
S63のあとには、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を制限する(S64)。例えば、第1演出可動体300の動作を停止し、外部可動体810の動作を停止して原点位置に復帰させる。S64では、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作中(例えば、第1演出可動体300が、図17、図18に示す進出位置や後述する図38に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作の実行中、あるいは、図16に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作の実行中など)に開閉枠50が開放される(扉開放検出スイッチ(図示略)がオンとなる)と、第1演出可動体300の動作を停止させる処理を実行する。このため、開閉枠50が開放されているときに第1演出可動体300が前記の動作(第1演出可動体300の進出動作や後退動作など)することによる不具合(例えば、第1演出可動体300による挟み込みや、第1演出可動体300自体やその関連部品または扉部材側の部品(第1演出可動体300や第2透過体260など)の損傷など)を防止できる。これにより、開閉枠50が開放された際の第1演出可動体300による不具合を防止できる。また、外部可動体810の動作中に開閉枠50が開放される(扉開放検出スイッチ(図示略)がオンとなる)と、外部可動体810を原点位置に復帰させる。このため、開閉枠50が開放されているときに外部可動体810が進出動作することや進出状態のままであることによって、隣のパチンコ遊技機1やその関連部品、遊技者などに接触することを防止することができる。これにより、開閉枠50が開放された際の外部可動体810による不具合を防止できる。なお、図31に示すようにS63のあとにS64を実行しているが、S64のあとにS63を実行するようにしてもよい。この場合には、いち早く可動体動作制限を実行できる。
また、開閉枠50が開放されたことを少なくとも含む特定条件の成立に基づいて、可動体の動作の停止させることが可能であり、可動体動作コマンドの受信(所定条件の成立)に基づく可動体の動作制御(例えば、第1演出可動体300が、図17、図18に示す進出位置や後述する図38に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作の制御や、図16に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作の制御など)よりも、開閉枠50が開放されたことを少なくとも含む特定条件の成立に基づく可動体の動作制御(例えば、第1演出可動体300などを停止させる制御など)を優先して該可動体の動作制御を実行可能である。このため、開閉枠50が開放されているときに可動体が動作すること、開閉枠50が開放されてから可動体が動作すること、可動体の動作後に開閉枠50が開放されて該可動体が復帰動作すること等による不具合(例えば、第1演出可動体300による挟み込みや、第1演出可動体300自体やその関連部品または扉部材側の部品(第1演出可動体300や第2透過体260など)の損傷など、外部可動体810が進出動作することや進出状態のままであることによって、隣のパチンコ遊技機1やその関連部品、遊技者などに接触することなど)を防止できる。これにより、扉部材が開放された際の可動体による不具合を防止できる。なお、特定条件は、開閉枠50が開放されたこと(開閉枠50の開放が検知されたこと、開閉枠50の開放エラーの発生など)を少なくとも含むとしているが、これに限定されるものではない。特定条件は、例えば、振動モータ異常エラー、役物初回起動エラー、磁石エラー(磁気検出エラー)、振動検出異常、不正入賞エラー、RAMクリア、開閉枠50の開放などのうちの少なくとも一つを含むものであってもよい。また、所定条件としては、可動体動作コマンドの受信に限定されない。例えば、可動体演出の実行設定、可動体演出の実行タイミングとなっていること、イニシャル動作コマンドの受信、客待ちデモ指定コマンドの受信など動作の契機となる条件であってもよい。
なお、S64では、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方の動作中に開閉枠50が開放されると、図31に示すように、第1演出可動体300が動作中であればその動作を停止させ、外部可動体810が動作中であれば原点位置に復帰させているが、これに限定されない。例えば、演出制御用CPU120は、S64において、外部可動体810の動作を停止させ、第1演出可動体300などを原点位置に復帰させるとしたり、第1演出可動体300などの動作を継続させるとしたりしてもよい。また、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rのうちの少なくとも一つが動作中に開閉枠50が開放されると、これら全ての可動体の動作を停止させたり、動作中の可動体のみ動作を停止させたりするようにしてもよい。
また、開閉枠50が開放されると、演出制御用CPU120は、S64において、対象可動体については動作を停止し、非対象可動体(特定可動体)については動作を継続(あるいは 、原点位置等に戻すように)してもよい。例えば、対象可動体は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する第1演出可動体300とし、非対象可動体(特定可動体)は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rとしてもよい。この構成によれば、可動体の動作中に開閉枠50が開放されると、対象可動体(第1演出可動体300)の動作を停止させるが、特定可動体(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R)の動作中に開閉枠50が開放されたとしても、特定可動体は、第1透過体250と第2透過体260との間に位置する動作を行わない可動体であるので、特定可動体についてはその動作を停止させずに継続させることができる(あるいは 、原点位置等に戻すことができる)。これにより、可動体に応じた制御を行うことができる。つまり、可動体の種類(可動体、特定可動体のいずれであるか)に応じた制御を行うことができる。
また、演出制御用CPU120は、S64において、第1演出可動体300の動作を停止させているが、その動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)するなどとしてもよい。また、動作の範囲、速度、加速度などを、開閉枠50が開放されていないときの動作に比べて限定した範囲、異なる速度(遅い速度)、異なる加速度(小さい加速度)などとしてもよい。
なお、第1演出可動体300の動作を制限する(S64)例として、第1演出可動体300を原点位置に復帰させる制御を行うようにしてもよい。これによれば、例えば、可動体演出において第1制御や第2制御を実行しているときに、第1演出可動体300の動作異常が発生して該第1演出可動体300が第1演出位置などで動かなくなったり、遊技領域10内で球詰まりが生じたりするなどして、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、開閉枠50を開放する際に第1演出可動体300が後透過板261と接触しない位置(例えば、待機位置等)に向けて退避するため、後透過板261や第1演出可動体300が破損することを防止できる。
一方、S65のあとには、可動体の動作を禁止する(S66)。例えば、S66では、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)を禁止し、外部可動体810の進出動作を禁止する。なお、図31に示すようにS65のあとにS66を実行しているが、S66のあとにS65を実行するようにしてもよい。この場合には、いち早く可動体動作禁止を実行できる。
なお、S66において、演出制御用CPU120は、例えば、全ての可動体(対象可動体、非対象可動体の全て)の動作を禁止するようにしてもよい。また、S66において、対象可動体(少なくとも外部可動体810)のみ動作を禁止し、非対象可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)の動作は禁止せずに許可するようにしてもよい。つまり、開閉枠50が開放された状態であっても、非対象可動体については、その動作期間になると動作させるようにしてもよい。また、S66において、動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)してもよい。
また、演出制御用CPU120は、例えば、可動体の動作禁止(S66)については、開閉枠50が閉鎖されると、直ちに上記動作禁止を解除して可動体の動作を可能としている。なお、開閉枠50の閉鎖から所定期間経過後や、実行中の可変表示が終了した時点で、上記禁止を解除して可動体の動作を可能としてもよい。
一方、扉開放検出スイッチがオンでないとき(S61;No)、S64のあと、又は、S66のあとには、本処理は終了する。
<別例1の報知制御処理(S57)>
なお、図32(A)に示すように、別例1の報知制御処理(S57)において、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(例えばショートイニシャル動作)を実行する(S60A)ようにしてもよい。図32(A)に示す別例1の報知制御処理(S57)では、演出制御用CPU120は、例えば、扉閉鎖フラグがオンであるか否かを判定する(S60)。扉閉鎖フラグは、開放状態となっていた開閉枠50が閉鎖状態になったことを示すフラグである。扉閉鎖フラグがオンでなければ(S60;No)、扉開放検出スイッチがオンであるか否かを判定する(S61)。このS61〜S66については、前述した図31と同じであるため、ここでの説明を省略する。S64のあと、又は、S66のあとには、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放フラグをオンにセットする(S67)。つまり、開閉枠50が開放されたことにより、扉開放検出スイッチがオンとなった(S61;Yes)ため、扉開放フラグをオンにセットする(S67)。
一方、扉開放検出スイッチがオンでなければ(S61;No)、つまり、開閉枠50の閉鎖状態であれば、扉開放フラグがオンであるか否かを判定する(S61A)。扉開放フラグがオンであれば(S61A;Yes)、扉開放フラグをオフにリセットし(S61B)、扉閉鎖フラグをオンにセットする(S61C)。つまり、開放状態となっていた開閉枠50が閉鎖状態になったことを示す扉閉鎖フラグが、オンにセットされる。
一方、扉閉鎖フラグがオンであれば(S60;Yes)、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(例えばショートイニシャル動作)を実行する(S60A)。演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、開閉枠50の閉鎖時に第1演出可動体300のショートイニシャル動作を実行する。S60Aのあと、扉閉鎖フラグをオフにリセットする(S60B)。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61A;No)、S61Cのあと、S67のあと、又は、S60Bのあとには、本処理は終了する。これにより、開閉枠50の閉鎖時に、第1演出可動体300を確実に原点位置に復帰させることができる。このため、第1演出可動体300を原点位置から動作させることができ、好適に第1演出可動体300を制御できる。
なお、演出制御用CPU120は、開閉枠50の閉鎖時に第1演出可動体300が原点位置にある場合には、ショートイニシャル動作を実行しないようにしてもよい。このように、既に原点位置にある第1演出可動体300については、不要なショートイニシャル動作を実行しなくて済む。このため、原点位置にない第1演出可動体300についてのみショートイニシャル動作を実行することができ、適切なイニシャル動作を実行することができる。
なお、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(S60A)を、例えばロングイニシャル動作としてもよい。
なお、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、第1演出可動体300に限らず、全ての可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R、外部可動体810)についてイニシャル動作(ショートイニシャル動作、ロングイニシャル動作の何れであってもよい)が実行されるようにしてもよい。さらに、S60Aにおいて、全ての可動体のうち、原点位置にある可動体についてのイニシャル動作を行わないようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する突出役物(第1演出可動体300)及び第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない非突出役物(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)の何れも原点位置に戻すようにしているが、突出役物及び非突出役物のうちの一方について原点位置に戻すようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、全ての可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R、外部可動体810)についてイニシャル動作を所定の順番(イニシャル動作用として設定された順番や、可動体演出のときと同じ順番など)で行うようにしてもよい。所定の順番でイニシャル動作を行うことにより、適切なイニシャル動作を実行することができる。また、各可動体のイニシャル動作に優先順位を設定してもよい。イニシャル動作の優先順位としては、例えば、突出役物(第1演出可動体300、外部可動体810)を非突出役物(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)よりも優先して実行するとしたり、その逆の優先順としたりしてもよい。
<別例2の報知制御処理(S57)>
なお、図32(B)に示すように、別例2の報知制御処理(S57)において、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1演出可動体300を、検出手段の検出結果によって動作させる(S64A、S64B)ようにしてもよい。この検出手段としては、扉開放検出スイッチ(図示略)、プッシュボタン31B、遊技者以外の遊技場関係者が操作可能な関係者専用の操作ボタン(図示略)のうちの少なくとも一つとすればよい。関係者専用の操作ボタン(図示略)は、例えば、開閉枠50が開放されることで露出するボタンとすることで、遊技場関係者のみが操作可能とすることができる。ここでは、検出手段は、前記の関係者専用の操作ボタンであるとする。別例2の報知制御処理におけるS61〜S66は、前述した図31と同じであるため、ここでのその説明を省略する。S64のあと、演出制御用CPU120は、例えば、関係者専用の操作ボタンの操作の有無を判定する(S64A)。演出制御用CPU120は、関係者専用の操作ボタンの操作有りのときには(S64A;Yes)、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1演出可動体300を動作させる(S64B)。関係者専用の操作ボタンが操作されている期間において第1演出可動体300が動作するようにしてもよいし、関係者専用の操作ボタンが1回操作されれば第1演出可動体300が動作するようにしてもよい。一方、関係者専用の操作ボタンの操作がなければ(S64A;No)、本処理はそのまま終了する。これにより、安全を確認してから第1演出可動体300を動作させる(例えば、停止した第1演出可動体300を、原点位置に復帰させたり、第1位置に動作(例えば格納など)させたり、第2位置に動作(例えば進出など)させたりする)ことができる。なお、可動体としては第1演出可動体300に限定されるものではなく、開閉枠50が開放されることで動作が停止された全ての可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)を個別に動作させたり、これら全部を同時に動作させたりしてもよい。なお、S64Aでは、関係者専用の操作ボタンの操作の有無を判定しているが、遊技場関係者の動作を検出する赤外線センサなどにおいて遊技場関係者の動作の有無を判定してもよい。遊技場関係者の動作が検出された場合には、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1演出可動体300を動作させる(S64B)ようにしてもよい。なお、外部可動体810については、開閉枠50が開放されると、動作を停止させる場合には、進出状態の外部可動体810を、検出手段の検出結果によって復帰動作や進出動作をさせる(S64A、S64B)ようにしてもよい。
<別例3の報知制御処理(S57)>
なお、図33(A)に示すように、別例3の報知制御処理(S57)において、可動体演出を有する変動パターンであるか否かに基づいて可動体の動作制限(S65C)や可動体の動作禁止(65D)とするようにしてもよい。別例3の報知制御処理では、演出制御用CPU120は、図33(A)に示すように、例えば、扉開放検出スイッチ(図示略)がオンであるか否かを判定する(S61)。扉開放検出スイッチがオンであれば(S61;Yes)、扉開放報知(第2開放報知)が実行される(S65)。S65のあと、可動体演出を有する変動パターンであるか否かを判定する(S65A)。後述する図35(A)に示す可動体演出設定処理のS505において、可動体演出パターンが設定されている場合には、可動体演出を有する変動パターンであると判定され(S65A;Yes)、そうでない場合には可動体演出を有する変動パターンでないと判定される(S65A;No)。可動体演出を有する変動パターンであれば(S65A;Yes)、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方が動作中であるか否かを判定する(S65B)。例えば、第1演出可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1演出可動体300が動作中であれば(S65B;Yes)、第1演出可動体300の動作を制限する(S65C)。例えば、第1演出可動体300の動作を停止する。また、外部可動体810が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。外部可動体810が動作中であれば(S65B;Yes)、外部可動体810の動作を制限する(S65C)。例えば、外部可動体810を原点位置に復帰させる。
なお、S65Cでは、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作中に開閉枠50が開放されると、第1演出可動体300の動作を停止させているが、これに限定されない。例えば、演出制御用CPU120は、S65Cにおいて、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R、外部可動体810のうちの少なくとも一つが動作中に開閉枠50が開放されると、これら全ての可動体の動作を停止させたり、動作中の可動体のみ動作を停止させたりするようにしてもよい。
また、S65Cにおいて、演出制御用CPU120は、対象可動体については動作を停止し、非対象可動体(特定可動体)については動作を継続(あるいは 、原点位置等に戻すように)してもよい。例えば、対象可動体は、外部可動体810と、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する第1演出可動体300とし、非対象可動体(特定可動体)は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rとしてもよい。
また、S65Cにおいて、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作を停止させているが、その動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)するなどとしてもよい。また、動作の範囲、速度、加速度などを、開閉枠50が開放されていないときの動作に比べて限定した範囲、異なる速度(遅い速度)、異なる加速度(小さい加速度)などとしてもよい。
一方、第1演出可動体300が動作中でなければ(S65B;No)、可動体の動作を禁止する(S65D)。例えば、S65Dでは、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)と外部可動体810の進出動作とを禁止する。つまり、可動体演出を有する変動パターンについての可変表示の開始(演出図柄の変動表示の開始)から可動体演出による可動体動作が開始(実行)されるまでの期間、該可動体動作の終了から可変表示が確定表示(確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)が停止表示)されるまでの期間についても、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を禁止する。これによれば、可変表示の開始(変動表示の開始)から可動体動作開始までの期間において開閉枠50が開放となると、可動体動作をそもそも実行しないとすることができる。また、可動体動作終了後から図柄確定までの期間においても可動体動作を実行しないとすることができる。コマンド化けやノイズによる可動体動作コマンドの出力に起因する想定外の可動体(特に付勢による役物)動作を未然に防止できる。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61;No)、可動体演出を有する変動パターンでないとき(S65A;No)、S65Cのあと、又は、S65Dのあとには、本処理は終了する。
なお、S65Dにおいて、演出制御用CPU120は、例えば、全ての可動体(対象可動体、非対象可動体の全て)の動作を禁止するようにしてもよい。また、S65Dにおいて、対象可動体(第1演出可動体300、外部可動体810)のみ動作を禁止し、非対象可動体(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)の動作は禁止せずに許可するようにしてもよい。つまり、開閉枠50が開放された状態であっても、非対象可動体については、その動作期間になると動作させるようにしてもよい。また、S65Dにおいて、動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)してもよい。
また、演出制御用CPU120は、例えば、可動体の動作禁止(S65D)については、開閉枠50が閉鎖されると、直ちに上記動作禁止を解除して可動体の動作を可能としている。なお、開閉枠50の閉鎖から所定期間経過後や、実行中の可変表示が終了した時点で、上記禁止を解除して可動体の動作を可能としてもよい。
上述した別例3の報知制御処理(図33(A)参照)によれば、S65Aを備えているので、可動体動作演出を含む変動パターンの場合(S65A;Yes)のみ開閉枠50による可動体の動作停止判断処理(S65C)や動作禁止判断処理(S65D)を行い、それ以外の変動パターンではかかる停止判断処理を行わないようにすることができ、処理効率を向上させることができる。
<別例4の報知制御処理(S57)>
なお、図33(B)に示すように、別例4の報知制御処理(S57)において、客待ちデモ指定コマンドに基づいて客待ちデモンストレーション時における可動体の動作制限(S65C)や可動体の動作禁止(65D)とするようにしてもよい。このS61、S65C、S65Dについては、前述した図33(A)と同じであるため、ここでの説明を省略する。別例4の報知制御処理では、演出制御用CPU120は、S65のあと、主基板11からの客待ちデモ指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S65E)。客待ちデモ指定コマンドは、例えば演出表示装置5A、5X、5Yの画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)と該デモ画面表示とともに可動体を動作させるデモ演出などを指定する演出制御コマンドである。客待ちデモ指定コマンドを受信していれば(S65E;Yes)、客待ちデモ演出において第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方がデモ動作中(可動体デモ動作中)であるか否かを判定する(S65F)。例えば、第1演出可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1演出可動体300がデモ動作中であれば(S65F;Yes)、第1演出可動体300の動作を制限する(S65C)。例えば、第1演出可動体300の動作を停止する。また、外部可動体810が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。外部可動体810が動作中であれば(S65F;Yes)、外部可動体810の動作を制限する(S65C)。例えば、外部可動体810を原点位置に復帰させる。
一方、第1演出可動体300がデモ動作中でなければ(S65F;No)、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を禁止する(S65F)。例えば、S65Fでは、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)及び外部可動体810の動作を禁止する。つまり、デモ画面表示の開始から第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作が開始(実行)されるまでの期間、該第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作の終了からデモ画面表示が終了されるまでの期間についても、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を禁止する。これによれば、デモ画面表示の開始から第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作開始までの期間において開閉枠50が開放となると、可動体動作をそもそも実行しないとすることができる。また、第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作の終了からデモ画面表示が終了されるまでの期間においても可動体動作を実行しないとすることができる。コマンド化けやノイズによる可動体動作コマンドの出力に起因する想定外の可動体(特に付勢による役物)動作を未然に防止できる。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61;No)、客待ちデモ指定コマンドを受信していないとき(S65E;No)、S65Cのあと、又は、S65Dのあとには、本処理は終了する。なお、図33(B)に示す別例4の報知制御処理(S57)における可動体としては、第1演出可動体300のみに限定されるものではなく、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rのうちの少なくとも一つとしてもよい。
(コマンド解析処理)
コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。
例えば、特定された演出制御コマンドに応じてその受信フラグをセットしたり、各格納領域に格納したりする。各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい。特図保留記憶数の加算指定コマンドや特図保留記憶数の減算指定コマンドを受信したときには、それに応じて演出表示装置5Aの第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示画像の数を増減させてもよい。
(演出制御プロセス処理)
演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。以下で説明する各フラグ、各タイマ、各カウンタなどはRAM122に設けられる。
演出の開始設定は、例えば、演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、プロセスタイマに、前記でセットした演出制御パターンに応じた初期値を設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎に所定タイミング(演出制御プロセス処理開始時、後述の演出動作制御時など)において減算される。演出制御パターンは、各種演出(演出図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。具体的には、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して演出表示装置5A,5X,5Yに画像を表示させたり、駆動制御データに従った駆動制御指令を表示装置駆動機構900に伝送して演出表示装置5X,5Yを駆動させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をLED制御基板14に伝送して演出用LED9を点灯/消灯させたりして、演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、各種の演出の実行が実現される。
図34(A)は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じて、S170〜S175のいずれかを実行する。
次にS170〜S175の処理を説明する。S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かを判定する。当該判定は、例えば変動パターン指定コマンド格納領域に当該コマンドが格納されているか否かによって判定すればよい。当該コマンドを受信している場合、演出プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理は終了する。当該コマンドを受信していない場合、本処理はそのまま終了する。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図34(B)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出図柄の可変表示結果としての確定演出図柄となる最終停止図柄などを決定する(S321)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定演出図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を決定する。次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。さらに、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定演出図柄を決定する。例えば中確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定演出図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定演出図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定演出図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定演出図柄を決定するときには、左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定演出図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、演出表示装置5Aの画面上における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す演出図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す演出図柄)のいずれを確定演出図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、演出表示装置5Aにおいて大当りを想起させるが確変状態を想起させないような演出図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。これにより、確定演出図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
S321のあと、保留表示変化演出の実行設定を行う変化演出設定処理が実行される(S322)。変化演出設定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容などに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われる。なお、変化演出設定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かなどに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われるようにしてもよい。
S322のあと、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、S322の変化演出設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
S323のあと、演出制御用CPU120は、例えばスーパーリーチAのリーチ演出の場合に可動体を動作させる可動体演出設定処理(S323A)を実行する。
図35(A)に示す可動体演出設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチAの変動パターンであるかを判定する(S501)。スーパーリーチAの変動パターンであると判定された場合(S501;Yes)には、可動体演出の有無及び種類を決定する(S502)。詳しくは、S502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図35(B)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定する。
図35(B)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「動作パターンPTA−1(図11に示す第1動作形態)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「動作パターンPTA−2(図11に示す第1動作形態となった後に図12に示す第2動作形態)」が30%の確率で決定される。なお、「動作パターンPTA−1」は、例えば、第1演出可動体300が図11に示す第1動作形態となり、外部可動体810が進出動作する動作パターンである。また、「動作パターンPTA−2」は、例えば、第1演出可動体300が図11に示す第1動作形態となった後に図12に示す第2動作形態となり、外部可動体810が進出動作する動作パターンである。なお、動作パターンPTA−1と動作パターンPTA−2とで外部可動体810の進出位置を異なるようにしてもよい。例えば、動作パターンPTA−1では外部可動体810が第1進出位置に進出し、動作パターンPTA−2では外部可動体810が第1進出位置よりも進出した第2進出位置に進出するとしてもよい。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「動作パターンPTA−1(第1動作形態)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「動作パターンPTA−2(第1動作形態後に第2動作形態)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「動作パターンPTA−2(第1動作形態後に第2動作形態)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図12に示す第2動作形態に動作する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「動作パターンPTA−1(図11に示す第1動作形態)」が実行されるため、第1演出可動体300が図11に示す第1動作形態に動作する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なおここでは、動作パターンPTA−2は、第1動作形態となった後に第2動作形態を行うものとしているが、これに限定されない。例えば、動作パターンPTA−2は、図12に示す第2動作形態のみを行うものとしてもよい。
なお、スーパーリーチAの変動パターンに限らず、スーパーリーチBの変動パターンにおいて可動体演出が実行可能であるとしてもよい。また、スーパーリーチの変動パターンには、擬似連変動を有する変動パターンを含めるようにしてもよい。例えば、可動体演出の決定については、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
図35(A)に示すS502のあと、可動体演出が有りに決定されたか否かを判定する(S503)。可動体演出が有りに決定された場合(S503;Yes)には、可動体演出の実行有りを示す可動体演出フラグをオン状態にセットする(S504)。S504のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体デッドエンドフラグと第2可動体デッドエンドフラグのうち少なくとも一方がオン状態であるか否かを判定する(S504A)。第1可動体デッドエンドフラグ及び第2可動体デッドエンドフラグの何れもオン状態でない場合には(S504A;No)、S502で決定された種類の可動体演出に対応する可動体演出パターンを設定する(S505)。つまり、S502において決定された動作パターンPTA−1又はPTA−2を設定する。一方、第1可動体デッドエンドフラグと第2可動体デッドエンドフラグのうち少なくとも一方がオン状態であれば(S504A;Yes)、可動体演出パターンに替わる演出パターンであって、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)を動作させない代替演出パターンを設定する(S505A)。S501にてスーパーリーチ変動パターンでないと判定された場合(S501;No)、S503にて可動体演出が無しの場合(S503;No)、S505のあと、又は、S505Aのあとには、可動体演出設定処理を終了する。
図34(B)に戻って、S323Aの処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S324)。そして、演出表示装置5Aの画面上にて演出図柄などの変動を開始させるための設定を行う(S325)。このときには、例えばS323の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、演出表示装置5Aの表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。
S325のあとには、演出図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留記憶表示エリア5Dの第1保留表示や第2保留記憶表示エリア5Uの第2保留表示などを更新するための設定を行う(S326)。例えば、第1特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留記憶表示エリア5Dにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留記憶表示エリア5Uにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図34(A)に戻って、S172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。図36に示す可変表示中演出処理では、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(S341)。一例として、S341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。S341にて可変表示時間が経過していない場合には(S341;No)、演出制御用CPU120は、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(S342)。保留表示変化演出期間は、例えば図34(B)に示すS323の処理にて決定された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)において予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(S342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(S343)。S343の処理では、表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、LED制御基板14などに対して伝送させる。これにより、演出表示装置5A,5X,5Yの画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、演出用LED9を点灯、点滅又は消灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
S342にて保留表示変化演出期間ではないと判定されたときや(S342;No)、S343のあとには、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(S346)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。S346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(S346;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(S347)。S347のあとには、演出制御用CPU120は、可動体演出フラグがオンであるか否かを判定する(S347A)。可動体演出フラグがオンである場合には(S347A;Yes)、スティックコントローラ31A等の操作が有効である操作有効期間であるか否かを判定する(S347B)。操作有効期間である場合には(S347B;Yes)、スティックコントローラ31Aの操作があったか否かを判定する(S347C)。スティックコントローラ31Aの操作があった場合には(S347C;Yes)、操作フラグをオン状態にセットする(S347D)。S347Bにて操作有効期間ではないと判定されたときや(S347B;No)、S347Cにてスティックコントローラ31Aの操作がないと判定されたときや(S347C;No)、S347Dのあとには、可動体演出期間であるか否かを判定する(S347E)。可動体演出期間である場合には(S347E;Yes)、操作フラグがオンであるか否かを判定する(S347F)。操作フラグがオンである場合には(S347F;Yes)、可動体演出パターンに設定されているか否かを判定する(S347J)。可動体演出パターンに設定されている場合には(S347J;Yes)、可動体演出実行処理が行われる(S347G)。一方、可動体演出パターンに設定されていない場合には(S347J;No)、操作フラグがオンでない場合には(S347F;No)、可動体演出に替わる代替演出実行処理が行われる(S347H)。なお、可動体演出パターンに設定されている場合には(S347J;Yes)、操作フラグがオンでない場合でも(S347F;No)、可動体演出実行処理が行われる(S347G)ようにしてもよい。
S347Aにて可動体演出フラグがオンではないと判定されたときや(S347A;No)、S347Eにて可動体演出期間ではないと判定されたときや(S347E;No)、S347Gのあとや、S347Hのあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、演出図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(S348)。
S341にて可変表示時間が経過した場合には(S341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。S349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(S349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)を導出表示させる制御を行う(S350)。また、S350の処理では、演出図柄の可変表示における最終停止図柄を導出表示させる。そして、S350のあとには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(S351)。S351のあとには、可動体演出フラグと操作フラグとをオフ状態にリセットする(S351A)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(S352)、可変表示中演出処理を終了する。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、最終停止図柄を導出表示させてからの現在の経過時間(所定のタイマで計測すればよい)が、予め設定されている当り開始指定コマンド受信待ち時間に達したかを判定し、達していないときに、当り開始指定コマンドの受信があった場合(当り開始指定コマンド受信フラグがオンのとき)、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行されるファンファーレ開始からエンディングの前までの演出)の開始設定(演出制御パターンのセットなど)を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、本処理を終了する。当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンドの受信もない場合は、そのまま本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達している場合、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」と判断して、演出プロセスフラグの値を「0」に更新し、本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
S174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5A,5X,5Yの画面上に表示させることや、演出表示装置5X,5Yを動作させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、LED制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により演出用LED9を点灯、消灯等させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。当り中処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
S175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理であり、大当り遊技状態終了時のエンディングを実行するための処理である。エンディング処理においては、演出表示装置5A,5X,5Yにおいて、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
次に、本実施の形態における可動体演出及び表示装置演出を含む複合演出の一例を、図37を用いて説明する。図37は、(A)〜(F)は複合演出の流れの一例を示す説明図である。
先ず、図37(A)に示すように、例えば、所定の図柄変動表示中においてリーチ状態が成立した後、図37(B)に示すように、演出表示装置5X,5Yを演出表示装置5Aの前方側の位置に近づくように移動し、演出表示装置5X,5Yにスーパーリーチ演出等に発展したことを示す表示が実行される。
その後、図37(C)に示すように、演出表示装置5X,5Yが互いに接触して1つの表示部を形成するとともに、該表示部に遊技者に対して操作手段を操作するよう促す操作促進画像が表示される。
遊技者が操作手段の操作受付期間中に該操作手段を操作すると、図37(D)に示すように、演出表示装置5X,5Yが待機位置に移動するとともに、本実施の形態における可動体演出の開始条件が成立したとして可動体演出が実行され、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rが演出動作して可動体ユニットが動作待機形態から第1動作形態に変化する。このとき、各可動体が演出表示装置5Aの表示部の前方に重畳して演出表示装置5Aの表示部が遊技者から視認困難となる。また、外部可動体810の進出動作が実行される。
可動体ユニットの第1動作形態が所定時間経過すると、図37(E)に示すように、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rが収納されるとともに、第1演出可動体300及び第4演出可動体600L,600Rが演出動作して可動体ユニットが第1動作形態から第2動作形態に変化する。このときにも、各可動体が演出表示装置5Aの表示部の前方に重畳して演出表示装置5Aの表示部が遊技者から視認困難となる。また、可動体演出の実行中(例えば、図37(D)に示すように可動体ユニットが動作待機形態から第1動作形態に変化するとき、可動体ユニットが第1動作形態のとき、図37(E)に示すように第2動作形態に変化するときなど)には、遊技領域側発光部品(例えば、センター飾り枠52の発光部品(LED)、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bの発光部品(LED)、遊技盤2の表面の少なくとも一部を発光させるための発光部品(LED)の少なくとも一つ)を消灯または該可動体演出を実行していないときよりも低い輝度で発光させている。これにより、可動体演出を目立たせることができ、可動体演出に遊技者を注視させることができる。よって、演出の効果を向上させることができる。
次いで、可動体ユニットの第2動作形態が所定時間経過すると、第1演出可動体300及び第4演出可動体600L,600Rの収納動作が実行され、外部可動体810が原点位置に復帰され、可動体演出が終了する。そして、スーパーリーチ演出が実行され、このスーパーリーチ演出の実行後に、例えば大当りの場合には、演出表示装置5Aに大当りを示す図柄を揃えて(例えば、7−7−7等)を表示するとともに、演出表示装置5X,5Yにエフェクト画像(例えば、キャラクタや文字等)を表示する。
以上説明したように、上記実施の形態のパチンコ遊技機1では、第1条件が成立したこと(例えば、原点復帰の動作回数であれば3回に到達したこと)にもとづいて第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)の演出動作を制限し、第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(例えば、原点復帰の動作回数であれば10回に到達したこと)にもとづいて第2可動体(例えば、外部可動体810など)の演出動作を制限するので、適切な可動体の制御を行うことができる。
なお、第1条件(例えば、第1確認条件)の成立としては、第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)の原点復帰の動作回数であれば3回に到達したこと以外に、3回以外の回数への到達としてもよい。また、第1条件(例えば、第1確認条件)の成立としては、原点復帰の動作期間の到達などとしてもよい。この原点復帰の動作期間であれば30秒に到達したことなどとしてもよいし、30秒以外の時間に到達としてもよい。また、この実施の形態では、第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)が原点位置にないときの原点復帰の累積動作回数としているが、原点復帰の連続動作回数としてもよいし、原点復帰の累積動作期間、原点復帰の連続動作期間などとしてもよい。また、第2条件(例えば、第2確認条件)の成立としては、第2可動体(例えば、外部可動体810など)の原点復帰の動作回数であれば10回に到達したこと以外に、10回以外の回数への到達としてもよい。また、第2条件(例えば、第2確認条件)の成立としては、原点復帰の動作期間の到達などとしてもよい。この原点復帰の動作期間であれば100秒に到達したことなどとしてもよいし、100秒以外の時間に到達としてもよい。また、この実施の形態では、第2可動体(例えば、外部可動体810など)が原点位置にないときの原点復帰の累積動作回数としているが、原点復帰の連続動作回数としてもよいし、原点復帰の累積動作期間、原点復帰の連続動作期間などとしてもよい。
例えば、遊技者が接触可能な第2可動体(例えば、外部可動体810など)についても、遊技者が接触不可能な第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)の第1確認条件と同じ条件で動作を制限すると、徒に可動体の動作が制限されることになり、適切な可動体の制御を行うことができない虞がある。そこで、第2可動体については、遊技者の接触により原点位置に復帰できないこともあり得ることから、第1確認条件よりも緩い第2確認条件(言い換えれば、第1確認条件を包含する条件であって閾値が拡張された条件)で原点位置に復帰しない場合に、第2可動体の演出動作を制限するので、第2可動体が第1可動体の第1確認条件に律せられることがなく、第1可動体、第2可動体のそれぞれの環境を考慮して可動体の制御を行うことができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、第2可動体(例えば、外部可動体810など)の所定動作(例えば、初期化動作及び演出動作のうちの少なくとも一方の動作など)後、特別期間毎(例えば、1分毎など)に第2可動体が原点位置にあるか否かの監視を行うので、遊技者が接触可能な第2可動体を確実に原点位置から動作させることができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、第2可動体(例えば、外部可動体810など)が進出位置にある場合、または、動作中である場合に、扉部材(例えば、開閉枠50など)が開放されると、第2可動体を原点位置に動作させるので、扉部材の開放によって、進出位置または動作中の第2可動体が他の構成物(隣の遊技機や関連機器など)や人などに接触することを防止できる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、第2可動体(例えば、外部可動体810など)が原点位置に復帰できない期間が特殊期間(例えば、10秒など)となると、エラー状態に移行するので、第2可動体の状態を把握することができ、エラー状態に応じた対応をとることができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、エラー状態になった後に、第2可動体(例えば、外部可動体810など)を原点位置に動作させることを含む初期化動作(例えばイニシャル動作)を実行するので、エラー状態となった第2可動体を適切に復帰処理を実行することができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、エラー状態になった回数であるエラー回数が特定回数に到達すると、第2可動体の演出動作を制限するので、第2可動体がエラー状態であることの蓋然性を好適に判断でき、エラー状態にある第2可動体の演出動作を制限することができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、本体(例えば、遊技機用枠3など)に対して開閉可能な扉部材(例えば、開閉枠50など)と、前記扉部材に設けられた透過部材(例えば、窓部51)と、動作可能な第3可動体(例えば、第1演出可動体300など)と、少なくとも前記第3可動体の動作を制御する可動体制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、を備え、前記透過部材は、第1透過部材(例えば、第1透過体250)と、該第1透過部材よりも前記本体側に設けられた第2透過部材(例えば、第2透過体260)と、を有し、前記可動体制御手段は、前記第3可動体を、第1位置から、前記第1透過部材と前記第2透過部材との間の第2位置に向かって動作させることが可能であり(例えば、S323A、S172の処理を実行する演出制御用CPU120により、図38に示すように第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間の第2位置P2に向かう第2動作ACT2が実行可能であるなど)、前記第3可動体の動作中に前記扉部材が開放されると、該第3可動体の動作を停止させる処理を実行する(例えば、S64の処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、扉部材が開状態となった際の可動体による不具合を防止できる。なお、第3可動体は、例えば、第1演出可動体300としているが、これとは別の可動体としてもよい。
また、窓部51は、第1透過体250と、該第1透過体250よりも遊技領域10側に配置され孔部270が形成された第2透過体260と、を有し、第1透過体250と第2透過体260との間に形成された空間部Sに孔部270を介して第1演出可動体300の少なくとも一部が進入可能であり、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第1演出位置に移動する第2動作が実行可能である。つまり、第1演出可動体300が図16に示す第1待機位置(原点位置)から、図17または図18に示す第1演出位置に一気に進入させることができ、驚きのある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
また、第1演出可動体300を第1透過体250と第2透過体260との間に加速させて進出させる加速進出手段(1可動体300のスライド板301とベース部材700のレール701とで構成される)を備えるので、第1演出可動体300のスライド板301が、ベース部材700のレール701に沿って斜め下方向に加速させて進出させることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、ベース部材700のレール701は、斜め下向き直線状の経路(下向き案内経路部)を有する案内部材としているので、斜め下向きのレール701に沿って第1演出可動体300のスライド板301が下向きに案内されることで、第1演出可動体300を加速させて第2位置P2に進出させることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。なお、レール701の一部に、下向き以外の部分を有していてもよい。
また、第1演出可動体300は、演出表示装置5A(表示手段)に重畳しない位置(あるいは、一部が表示手段に重畳する位置であってもよい)である図16に示す第1待機位置(原点位置)から、図17または図18に示す第1演出位置に動作可能である。例えば、原点位置の第1演出可動体300は、遊技者から見えないまたは見え難くなっており、原点位置にあった第1演出可動体300が突然に第1演出位置に出現してくるので、遊技者に驚きを与えることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
また、演出制御用CPU120は、第1待機位置にある第1演出可動体300を、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第1制御と、該第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第1突出部303を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させたり、第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第2突出部304を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる第2制御と、を行うことが可能である。この構成によれば、第1演出可動体300を第1透過体250側へ移動させる第1制御を行った後、本体部302の所定部の少なくとも一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)を、第2透過体260よりも第1透過体250側で第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、遊技者によりインパクトを与えることができるため、演出の効果を向上させることができる。
具体的には、第1演出可動体300を第1透過体250側へ移動させる第1制御だけでなく、第1制御を行った後、第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、本体部302の一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)が拡張して第1演出可動体300が拡大しているように見えるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、後透過板261は、遊技盤面200Aとの間を遊技球が流下可能となるように盤面板200の前側に対向して配置され、遊技盤面200Aとの間に遊技球の流下領域を形成するものであるため、孔部270は、遊技領域10において遊技球の流下領域に対応しない演出領域(盤面板200に形成された開口2c)に対応する位置に形成される。つまり、遊技球の流下領域を確保する必要があるので孔部270を大きくするには限界があり、また、第1演出可動体300を孔部270に通過させるためには、第1演出可動体300を孔部270よりも大きくすることはできない。
よって、本発明のように、第1演出可動体300を前側へ移動させる第1制御を行った後、本体部302の所定部の少なくとも一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)を、第2透過体260よりも前側で第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、孔部270を必要以上に大きくすることなく、しかも後透過板261よりも前側の遊技者に近い位置にて、第1演出可動体300を正面(遊技者側)から見たときに本体部302の一部が拡張しているように見せることができるため、遊技者により迫力ある演出を提供することができる。
また、演出制御用CPU120は、第2制御において、本体部302の所定部(前半分)の一部である第1突出部303や第2突出部304を、第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる。このようにすることで、第2制御における第1演出可動体300の第1突出部303や第2突出部304の移動(突出動作)を好適に見せることができる。
また、第2制御において、本体部302の所定部(前半分)の一部である第1突出部303や第2突出部304を、第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向であって、かつ、前透過板251に沿う方向である前上方向に移動させるため、正面から見たときに、第1突出部303や第2突出部304を、本体部302の周囲に拡張するように、かつ、遊技者側に向けて移動させることができるため、より迫力ある演出を提供することができる。
第1演出可動体300は、第2制御において遊技領域10とは反対方向(前側)へ移動する、すなわち、第1制御及び第2制御により漸次前方側にせり出すように移動するため、迫力のある演出を行うことができる。
また、第1演出可動体300は、第1制御により、第1待機位置から第1演出位置へ向けて前下方に下降しながら前側に移動するため、水平に移動するものに比べて、遊技者側に向けて移動してくる様子を分かりやすくすることができる。また、前方への移動時に本体部302の面Aだけでなく面Bも視認できるようになるため、本体部302を大きく見せることができる。
また、第1動作形態において、第1演出可動体300を支持する第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rや、第2動作形態において、第1演出可動体300を支持する第4演出可動体600L,600Rなどの支持手段を備える。このようにすることで、第1演出可動体300の動作時や動作後の姿勢を安定させることができる。
より詳しくは、第1演出可動体300は、遊技盤2の背面側に設けられたベース部材700に動作可能に支持されており、盤面板200と後透過板261とを介して前側に移動するため、後透過板261の手前までしか移動しない従来の可動体に比べて移動距離が長くなるため、ガイドレール等を介して安定して支持させることも考えられるが、後透過板261よりも前側までガイドレール等を設けると、可動体演出の非実行時において、ガイドレール等により後方の遊技領域10の一部が見え難くなるなど、視認性が低下する虞がある。よって、このように他の第4演出可動体600L,600Rなどにより演出動作時にのみ支持されるようにすることで、可動体演出の非実行時における遊技領域10の視認性の低下を防止することができる。
また、第1演出可動体300とは異なる関連可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)を備え、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1演出可動体300に第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rなどを合体可能に移動させる制御が可能である。このようにすることで、合体により第1演出可動体300と第2可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)とが互いに支え合うため、移動後の姿勢を安定させることができる。
具体的には、可動体ユニットの第1動作形態及び第2動作形態において、第1演出可動体300とは異なる関連可動体(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R)が、第1演出可動体300の周辺位置で当接または近接するように配置されるため、第1突出部303及び第2突出部304の突出動作や該突出動作後に該第1演出可動体300が揺れたりしても、互いに支え合い、姿勢を安定させることができる。
また、第1動作形態において第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300と合体したときや、第2動作形態において第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体したときにおいて、これら第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rは、後透過板261よりも後側に配置されるようになっている。このようにすることで、第1演出可動体300と第2可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)とは、合体したときに第1制御における第1演出可動体300の移動方向(前後方向)の異なる位置に位置するため、奥行き感を生じさせることができる。
また、窓部51は、遊技領域10を開閉可能であり(図3参照)、第1演出可動体300は、窓部51を開閉する際に第2透過体260に接触しない(図21参照)。このようにすることで、第1演出可動体300や第2透過体260の破損を防止できる。
具体的には、第1演出可動体300の前側の部分(開閉枠50の閉鎖状態において孔部270よりも前透過板251側に配置される部分)は、孔部270の回動領域Z内に配置されているため、開閉枠50を開閉動作しても後透過板261が第1演出可動体300に対して接触することがない。これによれば、例えば、可動体ユニットの動作中、つまり、第1制御や第2制御の実行中に動作エラー等が発生して第1演出可動体300が第1演出位置にて停止したままとなり、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できるため、後透過板261や第1演出可動体300が破損することを防止できる。
なお本実施の形態では、第1演出可動体300は、可動体演出において第1制御や第2制御の実行中であっても孔部270の回動領域Z内に配置されているため、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉枠50を開閉する際に第2透過体に接触しないようになっていればよい。
また、第1演出可動体300には、第1制御を行った後に、第1透過体250以外に向けて光を照射可能な発光手段(例えば、可動体LED350A、可動体LED350B、可動体LED350CL,350CR、及び可動体LED350DL,350DR等)が設けられている。このようにすることで、遊技者だけでなく周囲にも演出をアピールすることができる。
具体的には、第1演出可動体300の移動演出だけでなく、可動体LED350A、可動体LED350B、可動体LED350CL,350CR、及び可動体LED350DL,350DRの発光演出も行うことができるため、広範囲に演出をアピールすることができる。
また、遊技領域10を形成するための遊技盤2を有する遊技機用枠3と、遊技機用枠3に対し開閉可能に設けられ窓部51を有する開閉枠50と、開閉枠50における窓部51以外の領域に設けられる開閉扉側発光部品としての演出用LED9と、演出用LED9の発光制御を行う発光制御手段としての演出制御用CPU120とを備え、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rの動作に応じて演出用LED9の発光態様を第1〜第5発光態様に変化させることが可能である。このようにすることで、第1演出可動体300の移動を好適に演出することができる。
また、演出制御用CPU120は、演出用LED9を第1発光態様にて発光させた後、該第1発光態様よりも輝度が低い第2発光態様にて発光させる制御を行う。このようにすることで、第1演出可動体300などの透視性の低下を抑制することができる。
具体的には、第1発光態様で第1制御を行った後、可動体ユニットが第1動作形態時(第2制御時)において、第1発光態様よりも輝度が低い第2発光態様にて発光させるため、第1演出可動体300が拡大しているように見える演出である第2制御時に、演出用LED9の光によりハレーション等が起こり、各可動体の視認性の低下を抑制することができる。
また、遊技領域10を形成するための遊技盤2を有する遊技機用枠3と、遊技機用枠3に対し開閉可能に設けられ窓部51を有する開閉枠50と、開閉枠50における窓部51以外の領域に設けられる開閉扉側発光部品としての演出用LED9と、演出用LED9の発光制御を行う発光制御手段としての演出制御用CPU120とを備え、演出用LED9は、第1制御が行われた後に第1演出可動体300に向けて光を照射可能に設けられている。このようにすることで、第1演出可動体300を光により目立たせることができる。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である(上記構成を削除してもよい)。以下に上記実施の形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、第2透過体260には孔部270が形成されているが、これに限定されない。例えば、第2透過体260には、第1演出可動体300が進入可能な大きさの切欠部が形成されているものであってもよい。
(変形例1)
上記実施の形態では、第1演出可動体300は、第1駆動機構310により第1待機位置(原点位置)から第1演出位置に向けて斜め下方向に移動する(図13及び図16の矢印1参照)ようにしているが、これに限定されない。図38に示す変形例1のように、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能としてもよい。つまり、第1演出可動体300が図38に示すように二段階動作するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1待機位置(原点位置P0)から真下の第1位置P1に移動する第1動作ACT1(例えば、垂下方向への移動)が可能である。さらに、第1演出可動体300は、第1位置P1から遊技者側に向かって、第1透過体250と第2透過体260との間に後透過板261の孔部270を介して進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2(例えば、水平方向への移動)が可能である。
また、第1演出可動体300は、図38に示すように、演出表示装置5A(表示手段)に重畳しない位置(あるいは、一部が表示手段に重畳する位置であってもよい)である原点位置P0から第1位置P1または第2位置P2に動作可能である。例えば、原点位置P0の第1演出可動体300は、遊技者から見えないまたは見え難くなっており、原点位置P0にあった第1演出可動体300が突然に第1位置P1または第2位置P2に出現してくるので、遊技者に驚きを与えることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
さらに、第1演出可動体300は、図39(A)に示すように、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作速度が異なるようにしてもよい。第1動作ACT1(原点位置P0から第1位置P1への移動)は第1速度V1で実行される。第2動作ACT2(第1位置P1から第2位置P2への移動)は第2速度V2で実行される。第2動作ACT2の動作速度(第2速度V2)は第1動作ACT1の動作速度(第1速度V1)よりも大きい。例えば、第1速度V1、V2は最大速度、平均速度などとしてもよい。詳しくは、変形例1のS502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図39(A)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定すればよい。
図39(A)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「第1動作パターンPTB−1(第1動作ACT1のみ)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTB−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第1動作パターンPTB−1(第1動作ACT1のみ)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTB−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第2動作パターンPTB−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図38に示す第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「第1動作パターンPTB−1(第1動作ACT1のみ)」が実行されるため、第1演出可動体300が図38に示す第1動作ACT1を実行する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
変形例1によれば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能である。特に、第2動作ACT2では、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作するので、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。また、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作速度が異なる。このため、多様性のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、第2動作ACT2の動作速度(第2速度V2)は第1動作ACT1の動作速度(第1速度V1)よりも大きいとしている。このため、遊技者にとって遠い第1位置P1の動作速度よりも、遊技者に近い第2位置P2の動作速度の方が速いので、迫力のある可動体演出を提供できる。
なお、第2動作ACT2の動作速度(第2速度V2)は第1動作ACT1の動作速度(第1速度V1)よりも小さいとしてもよい。この場合には、第1演出可動体300が後透過板261の孔部270または切欠部を介して進入するときの動作速度が遅くなっているので、第2動作ACT2における第1演出可動体300の振動など(進行方向とは異なる方向の振動など)が低減され、第1演出可動体300が孔部270または切欠部に接触することを抑制できる。このため、第1演出可動体300の第2動作ACT2による故障を低減することができる。
なお、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、動作速度、動作範囲、動作経路及び動作方向のうちの少なくとも一つが異なるようにしてもよい。なお、この変形例1では、図39に示すように第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作速度が異なっており、図38に示すように第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作方向も異なっている。例えば、動作範囲については、第2動作ACT2の方が第1動作ACT1よりも動作範囲が大きいとしたり、その逆に小さくしたりしてもよい。また、動作経路については、第2動作ACT2の方が第1動作ACT1よりも動作経路が大きいとしたり、その逆に小さくしたりしてもよい。また、動作方向については、第2動作ACT2は第1動作ACT1とは異なる方向によりも動作経路が大きいとしたり、その逆に小さくしたりしてもよい。
また、図39(B)に示す変形例1Aのように、第1演出可動体300は、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う発光手段(例えば、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRなど)の発光態様が異なるようにしてもよい。第1動作ACT1(原点位置P0から第1位置P1への移動)は第1発光態様(例えば輝度I1)で実行される。第2動作ACT2(第1位置P1から第2位置P2への移動)は第2発光態様(例えば輝度I2)で実行される。第2動作ACT2の輝度I2は第1動作ACT1の輝度I1よりも小さい。詳しくは、変形例1AのS502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図39(B)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定すればよい。
図39(B)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図38に示す第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が実行されるため、第1演出可動体300が図38に示す第1動作ACT1を実行する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
変形例1Aによれば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能である。特に、第2動作ACT2では、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作するので、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。また、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う発光手段(例えば、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRなど)の発光態様が異なる。このため、多様性のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、第2動作ACT2の第2発光態様(例えば輝度I2)は第1動作ACT1の第1発光態様(例えば輝度I1)よりも小さいとしている。このため、第1演出可動体300が遊技者側に近づいたときの眩しさを低減することができる。
なお、第2動作ACT2の第2発光態様(例えば輝度I2)は第1動作ACT1の第1発光態様(例えば輝度I1)よりも大きいとしてもよい。この場合には、第1演出可動体300が遊技者側に近づいたときの方が眩しくすることができ、インパクトのある発光演出を提供することができる。
なお、変形例1Aでは、第1演出可動体300の発光手段(例えば、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRなど)の第1発光態様と第2発光態様として輝度が異なるとしているが、光量、発光色、点滅間隔、発光シーケンス(例えば可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRが点灯する順番など)などの少なくとも一つが異なるようにしてもよい。
また、図39(C)に示す変形例1Bのように、第1演出可動体300は、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う音出力手段(例えば、スピーカ8L,8Rなど)の演出音が異なるようにしてもよい。第1動作ACT1(原点位置P0から第1位置P1への移動)では、第1演出音態様(例えば音量Vo1)の演出音が出力される。第2動作ACT2(第1位置P1から第2位置P2への移動)では、第2演出音態様(例えば音量Vo2)の演出音が出力される。第2動作ACT2の音量Vo2は第1動作ACT1の音量Vo1よりも大きい。詳しくは、変形例1BのS502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図39(C)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定すればよい。
図39(C)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図38に示す第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が実行されるため、第1演出可動体300が図38に示す第1動作ACT1を実行する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
変形例1Bによれば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能である。特に、第2動作ACT2では、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作するので、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。また、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う(例えば、スピーカ8L,8Rなど)の演出音が異なる。このため、多様性のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、第2動作ACT2の第2演出音態様(例えば音量Vo2)の演出音は第1動作ACT1の第1演出音態様(例えば音量Vo1)の演出音よりも大きいとしている。このため、第1演出可動体300の遊技者に近い第2動作を演出音によって盛り上げることができる。このため、迫力のある可動体演出を提供できる。
なお、第2動作ACT2の第2演出音態様(例えば音量Vo2)の演出音は第1動作ACT1の第1演出音態様(例えば音量Vo1)の演出音よりも小さいとしてもよい。この場合には、第1演出可動体300の遊技者に近い第2動作を、あえて演出音による演出を弱めることで、第1演出可動体300の第2動作ACT2自体に注目させることができる。例えば、静寂効果によって第1演出可動体300の第2動作ACT2に注視させることができる。このため、迫力のある可動体演出を提供できる。
なお、この変形例1Bでは、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、動作に伴う演出音の音量が異なるとしているが、これに限定されない。第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、動作に伴う演出音の音量、音程、テンポ、楽曲、メロディなどのうちの少なくとも一つが異なるようにしてもよい。一例として、楽曲が異なる例としては、第1動作ACT1の第1演出音態様は例えば楽曲Aが所定音量で再生され、第2動作ACT2の第2演出音態様は例えば楽曲Bが所定音量(楽曲Aのときと同じ音量)で再生されるようにしてもよい。また、楽曲及び音量が異なる例としては、第1動作ACT1の第1演出音態様は例えば楽曲Aが第1音量で再生され、第2動作ACT2の第2演出音態様は例えば楽曲Bが第2音量(楽曲Aのときの第1音量とは異なる音量)で再生されるようにしてもよい。
図39(A)〜(C)に示すように、第1演出可動体300は、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2を実行する場合と、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2を実行せずに原点位置P0に戻る場合とがあり、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、有利状態に制御される期待度(例えば、大当り期待度など)が異なるので、可動体演出に遊技者を注視させることができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。例えば、第1動作ACT1よりも第2動作ACT2の方が、期待度が高い場合には、第2動作ACT2が第1動作ACT1よりも遊技者に近い位置での動作演出となることと相まって、可動体演出の効果を高めることができる。
また、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、図40(A)に示すように、変動開始から変動停止までの複数のタイミングにおいて各種の予告演出が実行可能となっている。これらの予告演出としては、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、有利なリーチに発展するか否かを示唆するリーチ発展予告、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出などがある。上記実施の形態や変形例の可動体演出をこれらの予告演出において実行するようにしてもよい。
リーチ発展予告時の可動体演出の決定例としては、図40(B)に示すように、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図40(B)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出の動作パターンを決定すればよい。なお、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンを決定するようにしてもよい。図40(B)に示すように、スーパーリーチ変動パターンの場合は、「第1動作ACT1のみ」が30%の確率で決定され、「第1動作ACT1後に第2動作ACT2」が70%の確率で決定される。スーパーリーチに発展する場合には、「第1動作ACT1のみ」の可動体演出よりも「第1動作ACT1後に第2動作ACT2」の可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
リーチ発展予告時の可動体演出は、例えば、図41(A1)に示すように、ノーマルリーチ演出が開始され、スティックコントローラ31Aの操作を促進する操作促進画像が表示される。遊技者がスティックコントローラ31Aを操作すると、図40(B)に示す可動体演出決定用テーブルを用いて第1動作ACT1に決定された場合には、図41(A2)に示すように、第1演出可動体300が第1動作ACT1(図38に示す第1演出可動体300が原点位置P0から第1位置P1に移動)を行う。図40(B)に示す可動体演出決定用テーブルを用いて第2動作ACT2に決定された場合には、図41(A2)に示す第1演出可動体300が第1動作ACT1を行った後、図41(A3)に示すように第2動作ACT2(図38に示す第1演出可動体300が遊技者側に向かって第2位置P2進出)を行う。そして、図41(A4)に示すように、スーパーリーチ発展が表示され、第1演出可動体300が原点位置P0に復帰する。なお、第1動作ACT1のみの場合には、スーパーリーチに発展しないとしてもよい。また、図40(B)に示す決定例には、第1演出可動体300が動作せずにリーチ発展を示すリーチ発展パターンを選択可能に備えるようにしてもよい。
大当り予告時の可動体演出の決定例としては、図40(C)に示すように、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図40(C)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出の動作パターンを決定すればよい。また、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、可動体演出が実行されない。つまり、第1演出可動体300が動作せず、原点位置P0に止まったままとなる。一方、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「第1動作ACT1後に第2動作ACT2」の可動体演出が実行される。図38に示すように第1演出可動体300が第1動作ACT1した後に第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、第1演出可動体300が動作すれば(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)大当りとなることを知る(大当り確定予告)ことができ、遊技の興趣が向上する。
大当り予告時の可動体演出は、例えば図41(B1)に示すように、スーパーリーチ演出が開始され、煽り演出においてスティックコントローラ31Aの操作を促進する操作促進画像が表示される。遊技者がスティックコントローラ31Aを操作すると、図41(B2)に示すように、第1演出可動体300が第1動作ACT1(図38に示す第1演出可動体300が原点位置P0から第1位置P1に移動)を行う。そして、図40(C)に示すスーパーリーチ(大当り)の場合には、図41(B3)に示すように第1演出可動体300が第2動作ACT2(図38に示す第1演出可動体300が遊技者側に向かって第2位置P2進出)を行う。そして、図41(B4)に示すように、大当り表示がされ、第1演出可動体300が原点位置P0に復帰する。一方、図40(C)に示すスーパーリーチ(ハズレ)の場合には、第1演出可動体300が動作せず、図41(B5)に示すように、第1演出可動体300が原点位置P0に止まったままで、ハズレ表示がされる。つまり、大当り予告時の可動体演出では、第1演出可動体300が動作すれば(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)大当りとなることを知る(大当り確定予告)ことができる。
なお、図41(B1)では、第1演出可動体300が原点位置P0にあるときにスティックコントローラ31Aを操作しているが、図41(B2)に示すように第1演出可動体300が第1位置P1に移動した後、スティックコントローラ31Aの操作に基づいて第1演出可動体300の第2動作ACT2を実行させる動作演出が実行可能としてもよい。例えば、図40(C)に示す「動作せず」を「第1動作のみ」とすればよい。この場合には、遊技者の動作の検出に基づいて第1演出可動体300が第2動作ACT2を実行するという動作演出を提供することができる。つまり、第1位置P1にある第1演出可動体300が第2位置P2に移動するのか否かに遊技者を注視させることができ、遊技者を遊技に参加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、変動表示(可変表示)における第1タイミングと第2タイミングとで、第1動作ACT1のみが実行される実行割合と、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2が実行される実行割合とが異なるようにしてもよい。例えば図40(A)に示すリーチ発展予告の実行タイミング(第1タイミング)と、図40(A)に示す大当り予告の実行タイミング(第2タイミング)とで、第1動作ACT1のみが実行される実行割合と、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2が実行される実行割合とが異なるようにしている。この場合には、遊技の興趣を向上させることができる。また、所定予告(例えばリーチ発展予告)における複数のタイミングで両実行割合が異なるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第2制御で移動する本体部302の一部が、本体部302内から突出動作する第1突出部303や第2突出部304である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体において、第1制御により孔部を介して第2透過体よりも第1透過体側に位置する部分(所定部)またはその一部が、第2制御において第1制御での移動方向と異なる方向に移動できればよい。つまり、第2制御において動作する部分は、突出動作するものに限られず、スライド移動や回動などにより移動できるものであってもよい。また、可動体の所定部の移動方向は、第1制御における可動体の移動方向と異なれば、例えば、左右、上下、斜め方向等自由に変更することができる。
また、前記実施の形態では、第1演出可動体300が第1演出位置まで移動したときに、本体部302の所定部(前半部)のみが後透過板261よりも前側に位置するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出可動体300全体が後透過板261よりも前側に位置するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体の一例である第1演出可動体300は、第1待機位置から第1演出位置へ向けて前下方にスライド移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1待機位置から第1演出位置へ向けて前側に水平に移動するものでもよいし、前上方、前左方、前右方等に移動するものでもよい。つまり、後透過板261の後側から前側に向けて移動可能に設けられていればよい。また、前側に移動するものであればスライド移動ではなく、回動により前側に移動するものでもよい。
また、前記実施の形態では、可動体の一例である第1演出可動体300は、第1待機位置において前部が後透過板261よりも前側に位置するように配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1待機位置において全体が後透過板261よりも後側に位置するように配置されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1演出可動体300のみが第1演出位置まで移動したときに、本体部302の所定部が後透過板261よりも前側に位置する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rといった複数の可動体が、演出位置まで移動したときに所定部が後透過板261よりも前側に位置するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第1演出可動体300は、演出表示装置5Aの上方位置に配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体の配置位置は任意に変更可能である。
また、前記実施の形態では、演出位置まで移動したときに所定部が後透過板261よりも前側に位置するように動作する可動体の一例として、演出用の可動役物である第1演出可動体300を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R等を演出位置まで移動したときに所定部が後透過板261よりも前側に位置するように動作する可動体として適用してもよいし、これらとは別個に設けた演出用の可動体でもよい。さらに、このように演出制御基板12に接続される演出用の可動役物に限らず、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなど主基板11に接続される各種表示装置や、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7等を可動体として適用してもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1演出可動体300は、少なくとも一部(後半部)が遊技盤2の背面側に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盤面板200の遊技盤面200Aよりも前側に設けられているものであってもよい。
また、前記実施の形態では、可動体とは異なる関連可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)を、可動体を支持する支持手段とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動体自体や可動体を動作させる駆動機構等を適宜タイミングで固定するロック機構等を支持手段としてもよい。
また、前記実施の形態では、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体したときにおいて、後透過板261よりも後側に配置される形態を例示したが、例えば、可動体を前後に伸縮自在に構成し、後透過板261よりも後側の位置から後透過板261よりも前側の位置まで伸長するようにすることで奥行き感を生じさせるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体した後に第2制御により第1突出部303や第2突出部304が突出する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合体と同時または合体前に第1突出部303や第2突出部304が突出したり移動したりするようにしてもよい。
また、以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域10を視認するための窓部51を備え、窓部51は、第1透過体250と、第1透過体250よりも前記遊技領域10側に配置される第2透過体260と、を有し、第1透過体250は、板状部としての前透過板251と筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253とを有してなり、前記筒状部は、補強構造部254を有する。
このように、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253を有することにより、開閉枠50の板厚を大きくしなくても板状部としての第1透過板251と後透過板261とを離して配置できるので演出効果が向上するとともに、第1透過体250の筒状部が補強されているため、第1透過体250の板状部である前透過板251と後透過板261との間に形成される空間部Sの周囲を覆う筒状部から不正部材が進入されるといった不正行為を防止できる。
より詳しくは、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部は、開閉枠50の開口から前方に突出するように遊技者から視認可能に設けられていることで、ガラス板からなる前透過板251を避けて筒状部から不正部材などを進入させる不正行為が行われる可能性が高いが、上記のように補強構造部254が複数個所に設けられていることで、筒状部の強度が向上するため、筒状部を撓ませて前透過板251との間に隙間を生じさせたり、穴をあけたりするなどして不正部材を進入させるといった不正行為を抑制できる。
また、補強構造部254は、前透過板251から第2透過体260に向けて延設される凹凸状部(例えば、凸条部254A,255Aや凹条部254B,255Bなど)であることで、筒状部を好適に補強することができる。より詳しくは、前後方向の強度が向上するので、前透過板251が叩かれるなど外力が加えられたときの衝撃により第1筒状体252や第2筒状体253が破損することを抑制できる。
また、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253は非透光性の合成樹脂材により筒状に形成されている。また、第1筒状体252の外周面と、第2筒状体253の内周面にはメッキ加工が施されていることで、周囲の光(例えば、外光や隣接する遊技機からの光など)が入り込んで遊技領域10の視認性が低下することを防止できる。
また、第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所に補強構造部254が形成されることで、筒状部の外周面に凹凸部が形成され、このような凹凸部と外周面に施されたメッキ加工とにより、筒状部の外周面に装飾部が設けられていることで、外観体裁を向上させることができる。
また、窓部51の下方に、遊技球を貯留可能な貯留部としての上皿90を備え、前透過板251は、下方に向けて遊技領域10側に傾斜するように設けられていることで、上皿90へ遊技球を投入する際に第1透過体250が邪魔になることを回避できる。
また、第1透過体250と第2透過体260とは、分離可能に一体化されている。具体的には、図6及び図7に示すように、第1透過体250と第2透過体260とは、ネジN2を取付けることで一体化され、ネジN2を取外すことで分離できるようになっている。
このようにすることで、例えば、前透過板251と後透過板261とのうち一方に傷が付いたり、経年劣化したりすることで遊技領域10の視認性が低下したり、あるいは破損するなどして交換が必要になった場合、第1透過体250と第2透過体260とを分離することで一方のみを部分的に交換することができるため、交換時のコストを低減することができる。特に、機種によって孔部270の形状や位置等が異なる後透過板261を有する第2透過体260だけを交換可能とし、第1透過体250は複数の機種に共通して使用することが可能となる。
また、前記実施の形態では、第2透過体260を構成する後透過板261に形成される孔部270は、盤面板200に形成された開口2cに対応する位置、つまり、遊技球の流下領域以外の領域(演出領域)に対応する位置に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一部が遊技球の流下領域に対応する位置に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第2透過体260を構成する後透過板261に孔部270が形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、後透過板261に切欠部が形成されていてもよい。具体的には、例えば、遊技領域10を視認可能とするために、後透過板261は遊技領域10とほぼ同形に形成されるものであるが、その周縁の一部に切欠部を形成し、該切欠部を介して可動体を後透過板261よりも前側に位置するまで前側へ移動させることができるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、孔部270は1個所にのみ設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔部や切欠部は複数個所に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1透過体250は、透過性部材からなる板状部としての前透過板251と筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253とを有しており、第1筒状体252及び第2筒状体253は非透過性部材にて構成されている、つまり、第1透過体250の一部が非透過性部材からなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1筒状体252及び第2筒状体253も透過性部材にて構成されていてもよい。すなわち、第1透過体250は、板状部または筒状部の少なくとも一部が透過性部材にて構成されていればよい。
また、前記実施の形態では、第2透過体260は、後透過板261と枠体262とを有しており、枠体262は非透過性部材にて構成されている、つまり、第2透過体260の一部が非透過性部材からなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、枠体262も透過性部材にて構成されていてもよい。すなわち、第2透過体260は、少なくとも一部が透過性部材にて構成されていればよい。
また、前記実施の形態では、第1透過体250を構成する筒状部として、第1筒状体252及び第2筒状体253を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、筒状部は、前透過板251と後透過板261との間に形成される空間部Sの側周面を閉鎖する壁部にて構成されていれば完全な筒状でなくてもよく、例えば、アーチ状に形成された側壁部にて構成されていてもよい。詳しくは、筒状部は側面視略四角形状となるが、側面視三角形状になっていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1透過体250を構成する板状部としての前透過板251と、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253とは、それぞれ別部材を一体に組付けることにより構成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、板状部及び筒状部を、透過性を有する合成樹脂材により一体成型により形成するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、筒状部を第1筒状体252と第2筒状体253、つまり、複数の部材により構成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一の部材にて構成してもよい。
また、前記実施の形態では、前透過板251はガラス材、第1筒状体252及び第2筒状体253は非透光性の合成樹脂材、後透過板261は透光性を有する合成樹脂材にて構成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前透過板251を透光性を有する合成樹脂材にて構成してもよいし、後透過板261をガラス材にて構成してもよい。また、第1筒状体252や第2筒状体253を、透光性を有する合成樹脂材にて構成してもよい。
また、以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域10を視認するための窓部51と、動作可能に設けられた演出表示装置5X,5Yと、演出表示装置5X,5Yを制御するための演出制御用CPU120と、を備え、窓部51は、第1透過体250と該第1透過体250よりも前記遊技領域10側に配置され孔部270が形成された第2透過体260と、を有し、演出制御用CPU120は、後透過板261の背面側の位置で待機状態の演出表示装置5X,5Yを、該演出表示装置5X,5Yの所定部が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第3制御を実行可能である。
このようにすることで、演出表示装置5X,5Yの所定部を第2透過体260の後透過板261よりも第1透過体250側に位置するまで移動させることが可能であることにより、遊技者によりインパクトを与えることができるため、演出の効果を向上させることができる。
また、演出表示装置5X,5Yは、表示部が中央側を向くように若干傾斜した状態のまま後透過板261よりも前透過板251側の位置に移動することが可能である。このようにすることで、演出表示装置5X,5Yの移動を好適に見せることができる。
また、演出制御用CPU120は、前記第3制御を実行した後、演出表示装置5X,5Yを、前記第3制御における移動方向(前後方向)に対し交差する方向(左右方向)に移動させる第4制御を実行可能である。このようにすることで、表示部の表示内容を遊技者以外にも視認可能とすることができる。
また、前述したように、後透過板261は、遊技盤面200Aとの間を遊技球が流下可能となるように盤面板200の前側に対向して配置され、遊技盤面200Aとの間に遊技球の流下領域を形成するものであるため、孔部270は、遊技領域10において遊技球の流下領域に対応しない演出領域(盤面板200に形成された開口2c)に対応する位置に形成される。つまり、遊技球の流下領域を確保する必要があるので孔部270を大きくするには限界があり、また、演出表示装置5X,5Yを孔部270に通過させるためには、演出表示装置5X,5Yを孔部270よりも大きくすることはできない。
よって、本発明のように、演出表示装置5X,5Yを前側へ移動させる第3制御を行った後、演出表示装置5X,5Yの所定部の少なくとも一部(本実施の形態では全体)を、第2透過体260よりも前側で第1制御における移動方向(前方向)とは異なる方向(左右方向)に移動させる第4制御を行うことにより、孔部270を必要以上に大きくすることなく、しかも後透過板261よりも前側の遊技者に近い位置にて、演出表示装置5X,5Yの表示部を見せることができるため、遊技者により迫力ある演出を提供することができる。
また、左右の演出表示装置5X,5Yを孔部270を介して前側に移動させるために、一旦中央寄りに移動させてから孔部270を通過させるので、孔部270を必要以上に大きくすることなく演出表示装置5X,5Yを通過可能とすることができる。そして、孔部270を通過した後、さらに演出表示装置5X,5Yを左右方向へ移動させることができるため、孔部270の位置に制限されることなく、所望の位置(例えば、中央の演出表示装置5Aの視認を妨げない、あるいは隠蔽する位置など)にて、表示部に表示した画像を見せることができる。また、移動後は、演出表示装置5X,5Yの後方に演出表示装置5Aが位置するので、奥行き感を生じさせることができる。
また、第3制御を実行することにより演出表示装置5X,5Yの表示部が遊技領域10よりも前側に配置されるので、例えば、左打ちや右打ちなどの報知だけでなく、所定位置に設けられた入賞領域に向けて遊技球を狙って打ち出させる報知画像などを、遊技領域10の前側から、かつ、狙い箇所の近くで表示することができる。
また、演出表示装置5X,5Yの移動を案内するレール部材(図示略)は、待機状態から第1動作状態に変化する際、また第1動作状態から第2動作状態に変化する際において、演出表示装置5X,5Yと後透過板261との接触を防止する接触防止手段として機能している。このようにすることで、演出表示装置5X,5Yと第2透過体260の後透過板261とが接触して破損することを防止することができる。
また、前記実施の形態では、表示装置の一例として、演出図柄の変動表示が可能な演出表示装置5Aの側方に補助的に設けられる演出表示装置5X,5Yを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示装置は、演出表示装置5Aを対象としてもよいし、演出表示装置5A,5X,5Yとは別個に設けた演出用の表示装置(例えば、可動体などに搭載される表示装置など)であってもよい。また、このように演出制御基板12に接続される演出用の表示装置に限らず、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなど主基板11に接続される各種表示装置であってもよい。
また、前記実施の形態では、第3制御において、演出表示装置5X,5Yが後透過板261よりも前側まで移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、このような演出表示装置5X,5Yの移動に応じて、表示画面の表示態様を変化させる(例えば、演出表示装置5X,5Yの前方への移動に応じて画像を拡大したり、図柄やキャラクタを動かしたり、背景色を変化させたりするなど)表示制御を行うことで、表示装置の移動と表示画像の変化とによって演出効果を向上させることが可能となる。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yを第1動作状態に変化させたときに、演出表示装置5X,5Y全体が後透過板261よりも前側に位置するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5X,5Yの所定部(例えば、表示部)のみが後透過板261よりも前側に位置するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第4制御において、演出表示装置5X,5Yを左右方向に移動させた後、表示部が外側方を向くように回動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5X,5Yの表示部が前透過板251に沿うように回動させるようにしてもよく、このようにすることで、表示部をより遊技者側に近づけることが可能となる。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yは、前後左右方向に略平行に移動可能に設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3制御において前後方向に向けて上方または下方に傾斜するように移動させてもよい。また、第4制御において、上方または下方に移動させるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yのみが後透過板261よりも前側まで移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5Aや他の表示装置が後透過板261よりも前側に移動するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての演出表示装置5X,5Yは、非動作状態において遊技盤2の背面側に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盤面板200の遊技盤面200Aよりも前側に設けられているものであってもよい。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yは、第4制御の実行後、正面から見たときに遊技領域10における遊技球の流下領域に対応する位置に配置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第4制御の実行後、正面から見たときに遊技領域10における遊技球の流下領域に対応する位置以外(演出領域に対応する位置)、つまり、孔部270に対応する領域内で演出表示装置5X,5Yを移動させるようにすることが好ましい。
また、このようにすることで、図22にて可動体を一例として説明したように、例えば、演出表示装置5X,5Yの動作中、つまり、第3制御や第4制御の実行中に動作エラー等が発生し、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できるため、後透過板261や演出表示装置5X,5Yが破損することを防止できる。
前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yを孔部270に対応する領域内で移動させるため、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉枠50を開閉する際に第2透過体に接触しないようになっていればよい。
例えば、主基板11に、開閉枠50の開放を検出するための扉開放検出スイッチ(図示略)を接続するとともに、主基板11は、扉開放検出スイッチにより開閉枠50の開放を検出したことに基づいて、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放中指定コマンドを演出制御基板12に送信するようにする。そして、演出制御用CPU120は、第3制御や第4制御を実行しているときに扉開放中指定コマンドを受信した場合演出表示装置5X,5Yを待機位置へ移動させる制御を行うようにしてもよい。
これによれば、例えば、演出表示装置5X,5Yの第3制御や第4制御を実行しているときに、演出表示装置5X,5Yの動作異常が発生して該演出表示装置5X,5Yが後透過板261の前側で動かなくなったり、遊技領域10内で球詰まりが生じたりするなどして、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、開閉枠50を開放する際に演出表示装置5X,5Yが後透過板261と接触しない位置(例えば、待機位置等)に向けて退避するため、後透過板261や演出表示装置5X,5Yが破損することを防止できる。
さらに、開閉枠50を開放する際に、球詰まりにより数珠繋ぎ状態で滞留していた遊技球が落下したとしても、第3制御により後透過板261よりも前側、つまり、遊技領域10よりも前側に移動していた演出表示装置5X,5Yが待機位置側へ退避することにより、落下した遊技球が演出表示装置5X,5Yに衝突することを回避できるため、遊技球との衝突により演出表示装置5X,5Yが破損したり、遊技球が演出表示装置5X,5Yとの衝突により跳ねて盤面板200の開口2cを介して盤面板200の背面側に進入してしまうことを防止できる。
また、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の第1制御や第2制御、または演出表示装置5X,5Yの第3制御や第4制御を実行しているときに扉開放中指定コマンドを受信した場合、第1演出可動体300や演出表示装置5X,5Yを待機位置へ移動させるだけでなく、実行中の演出表示を中断して、少なくとも第1演出可動体300や演出表示装置5X,5Yが後透過板261よりも後側に移動するまで、開閉枠50の開放を規制する報知(例えば、「開閉枠を開放しないでください」なる音声を出力したり演出表示装置5X,5Yなどにメッセージを表示したりする)を行うようにしてもよい。
また、開閉枠50を閉鎖状態にロックするためのロック機構等を設け、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の第1制御や第2制御、または演出表示装置5X,5Yの第3制御や第4制御を実行しているときに扉開放中指定コマンドを受信した場合、ロック機構によりロックして開閉枠50の開放を規制するようにしてもよい。
また、開閉枠50の開放により可動体が停止した履歴を残すようにしてもよい。また、可動体の動作中に開閉枠50が開放されたことを報知するようにしてもよい。これらによれば、可動体の故障や不正行為があった可能性を遊技店側に知らせることができる。
また、可動体の動作範囲において停止禁止範囲を有する可動体の場合には、該可動体が停止禁止範囲にあるときに開閉枠50となっても停止可能範囲までは可動体が動作するようにしてもよい。また、モータ駆動による可動体と、バネ付勢による可動体とを備え、開閉枠50が開放されると、モータ駆動による可動体については動作停止されるが、バネ付勢による可動体については動作停止されないものであってもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
スロットマシンの場合、本発明の遊技領域とは、例えば、リール等の変動表示装置による図柄の変動表示が実行される可変表示領域などが該当する。また、本発明の表示装置とは、上記のような図柄の変動表示装置(例えば、リールや液晶表示器など)が該当する。
実施の形態では、検出手段としてコントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bを用いた例について説明したが、これに限らず、赤外線センサ等の非接触式の検出手段やタッチパネルなどの接触式の検出手段を設け、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
識別情報(特図、演出図柄、普図など)の可変表示は識別情報が点滅することも含む。例えば特図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも可変表示に含まれる。可変表示にて停止表示される特別図柄は、停止表示の前(変動中)に表示される特別図柄とは異なる図柄であってもよい(演出図柄、普通図柄についても同様)。
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部または一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行い、有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、(例えば、パチンコ遊技機など)であって、遊技者が接触不可能に設けられ、原点位置から進出位置に動作可能な第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)と、遊技者が接触可能に設けられ、原点位置から進出位置に動作可能な第2可動体(例えば、外部可動体810など)と、を備え、第1条件が成立したこと(例えば、原点復帰の動作回数であれば3回に到達したこと、原点復帰の動作期間であれば30秒に到達したことなど)にもとづいて前記第1可動体の演出動作を制限し、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(例えば、原点復帰の動作回数であれば10回に到達したこと、原点復帰の動作期間であれば100秒に到達したことなど)にもとづいて前記第2可動体の演出動作を制限し、さらに、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞不能または困難な第2状態とに変化可能な可変入賞手段(例えば、可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022)と、有利状態とは異なる状態であり、可変入賞手段が第1状態に変化することを含む特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90358〜S90360を実行する部分)と、通常状態に比べて特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS902208A,S902211A,S902212A,S902209B,S902210B,S902213B,S902214Bを実行する部分)とを備え、可変入賞手段は、特殊状態に制御されることが報知された後に該可変入賞手段に向けて発射された遊技媒体を入賞できないように設けられ(例えば、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより実現される)、特別状態における有利状態に制御される契機とならない可変表示を、可変表示期間が第1期間である第1可変表示パターン(例えば、短縮変動の第2変動パターン#25,#27)と、可変表示期間が該第1期間よりも長い第2期間である第2可変表示パターン(例えば、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能であり、特別状態において、第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合よりも低い(例えば、小当りの場合には、比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定される割合が低い(または決定されない)。図56参照)遊技機が挙げられる。
この構成によれば、適切な可動体の制御を行うことができる。さらに、興趣を低下させてしまうことを防止し、演出効果を高めることができる。さらに、可変表示パターンと可動体とを関連付けてもよい。例えば特殊状態に制御される可変表示パターンが実行される場合には可動体が可動し易くなり、特殊状態に制御されない可変表示パターンが実行される場合には可動体が可動し難くなってもよい。こうすることで遊技者は実行される可変表示パターンと可動体の両方に注目することができる。他にも、特別状態と可動体を関連付けてもよい。例えば、特別状態に制御されている場合は制御されていない場合よりも高い割合で可動体が可動するようにしてもよい。そうすることで特別状態中の興趣を向上させることができる。
なお、第1条件や第2条件が成立したことにより、第1可動体や第2可動体の演出動作が制限された場合、遊技を続行可能としても続行不可能としてもよいが、第1可動体や第2可動体の演出動作を制限したうえで、遊技自体は続行可能とすることが望ましい。そのようにすれば、有利状態や特別状態において第1可動体や第2可動体の演出動作が制限された場合、第1可動体や第2可動体の演出動作は制限されるものの、遊技者は有利状態や特別状態となったことによる利益を享受可能であるため、遊技続行不可能とした場合に比べて、遊技者が不利益を受けることを回避可能となる。
なお、第1可動体や第2可動体の演出動作が制限されたときの遊技状態によって、遊技続行可能とするか否かを判断するようにしてもよい。例えば、有利状態や特別状態の期間中であれば遊技続行可能とし、有利状態や特別状態の期間中でなければ(つまり、遊技続行不可能とすることにより遊技者が不利益を受ける期間中でなければ)遊技続行不可能としてもよい。このようにすれば、有利状態や特別状態の終了後に遊技続行不可能とすることが可能となり、遊技者が不利益を受けることなく、できるだけ迅速に第1可動体や第2可動体を修理、交換して正常な動作に戻すことが可能となる。
さらに、興趣を向上させることができるとともに、演出効果を高めることができる遊技機の形態の一例として、可変表示を行い、有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞不能または困難な第2状態とに変化可能な可変入賞手段(例えば、可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022)と、有利状態とは異なる状態であり、可変入賞手段が第1状態に変化することを含む特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90358〜S90360を実行する部分)と、通常状態に比べて特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS902208A,S902211A,S902212A,S902209B,S902210B,S902213B,S902214Bを実行する部分)とを備え、可変入賞手段は、特殊状態に制御されることが報知された後に該可変入賞手段に向けて発射された遊技媒体を入賞できないように設けられ(例えば、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより実現される)、特別状態における有利状態に制御される契機とならない可変表示を、可変表示期間が第1期間である第1可変表示パターン(例えば、短縮変動の第2変動パターン#25,#27)と、可変表示期間が該第1期間よりも長い第2期間である第2可変表示パターン(例えば、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能であり、特別状態において、第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合よりも低い(例えば、小当りの場合には、比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定される割合が低い(または決定されない)。図59参照)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、この形態例の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図42はパチンコ遊技機(弾球遊技機)901を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
図42に示すように、パチンコ遊技機901は、額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口9013に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部909aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口9014に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部909bという。)と、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部909cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄演出部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909b)に対して1つの背景図柄演出部9cが設けられ、背景図柄演出部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置909(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置909の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)908aおよび第2特別図柄表示器908bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器908aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aの近傍には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器908bの近傍には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部909aは、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部909bは、第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部909aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部909bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部9018cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部9018cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部9018cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせたりする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部9018cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部9018cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。第1始動口スイッチ9013aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置909の右方には、ゲート9032が設けられている。ゲート9032を通過した遊技球は、ゲートスイッチ9032aによって検出される。
ゲート9032の上方には、右打ちされた遊技球の流下経路を形成する釘群55が、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として設けられており、右打ちされた遊技球は左右に蛇行しながら流下するようになっている。釘群55が設けられていることにより、遊技球が発射されてから後述する第2始動入賞口9014および特殊入賞口9024へ至るまで少なくとも1.0秒を要するようになっている。
ゲート9032の下方には、作動ゲート9017が設けられている。作動ゲート9017を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ9017aによって検出される。
作動ゲート9017の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ9023aで検出される。第1カウントスイッチ9023aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置9020の下方には、小当り用の特殊入賞口9024を形成する特殊可変入賞球装置9022と、第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015とが設けられており、図42に示すように、左側に特殊可変入賞球装置9022が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置9015が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口9024や第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置9022は、第2特別図柄表示器908bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口9024を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置9015は、普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口9014を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図42に示すように、可変入賞球装置9015と比較して特殊可変入賞球装置9022の方が若干大きい。また、図42に示すように、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置9020に入賞することなく遊技領域907を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置9015の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置9015の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口9014が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞し、特殊可変入賞球装置9022の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口9014が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置9015の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置9022の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置9022の底面部材が後退移動されて特殊入賞口9024が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口9024に入賞する。さらに、特殊入賞口9024も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置9022の底面部材の上を移動して、そのままアウト口9026の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図42に示すように、特殊可変入賞球装置9022が左側に配置され、可変入賞球装置9015が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置9015の方から特殊可変入賞球装置9022の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置9015の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置9022の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口9024内には、特殊入賞口9024内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ9025a、図5参照)が設けられている。第2カウントスイッチ9025aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置9022において開状態となった特殊入賞口9024を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口9013aや第2始動入賞口9013bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置9022が開放制御されて特殊入賞口9024が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖制御されて特殊入賞口9024が閉状態となれば、特殊入賞口9024に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口9014内には、第2始動入賞口9014内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ9014aが設けられている。第2始動口スイッチ9014aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート9032、作動ゲート9017、特別可変入賞球装置9020(大入賞口)、可変入賞球装置9015(第2始動入賞口9014)、および特殊可変入賞球装置9022(特殊入賞口9024)が遊技領域907の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域907の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、例えば、演出表示装置909において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置909の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028bおよび右枠ランプ9028cが設けられている。また、左枠ランプ9028bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ9051が設けられ、右枠ランプ9028cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ9052が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル905を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部909aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部909bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置9020が開放される。特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置9020の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置9020の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば6ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置9022が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、この実施の形態では、小当り遊技状態とは、大当り遊技状態と比較すると有利度が低い(本例では、獲得できる出玉が少ない)ものの遊技者にとって有利な遊技状態であり、小当り遊技状態の前と後とで遊技状態が他の遊技状態に遷移しないものである。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置9022が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置9015が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域907の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口9013への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口9014への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS902208B,S902209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器908aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部909cでは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部909cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部909cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部909cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図43〜図45は、特殊可変入賞球装置9022を示す図である。以下では、図43〜図45を参照して特殊可変入賞球装置9022について説明する。なお、この実施の形態については、図43〜図45を用いて特殊可変入賞球装置9022の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置9022よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置9015の構造も特殊可変入賞球装置9022の構造と同様である。
図43〜図45に示すように、特殊可変入賞球装置9022は、左右方向に長い矩形板状のベース板部90101を備えている。特殊可変入賞球装置9022は、このベース板部90101が遊技領域907に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域907に固定支持される。ベース板部90101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口9024(可変入賞球装置9015の場合は第2始動入賞口9014)が形成されるとともに、ベース板部90101における特殊入賞口9024よりも上方の位置には、底面部材9023が後退移動した際に、底面部材9023を遊技領域907の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔90102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口9024は詳しくは、ベース板部90101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材9023は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔90102は、底面部材9023の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材9023は、図44に示す前進移動された状態と、図45に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部90101の背面側(後方)には、底面部材9023を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図43〜図45に戻り、ベース板部90101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部90112が形成されており、この流路形成台部90112の上部には、前進移動した状態の底面部材9023の上方側端部(右端部)である上流領域9023Uと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部90113と、底面部材9023の下方側端部(左端部)である下流領域9023Lと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部90114とが形成されている。
また、流路形成台部90112の上部には、上流側流路部90113および下流側流路部90114の底面部材9023側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口9024を左右および下方から囲うようにして、底面部材9023の下方に落下した遊技球を特殊入賞口9024に案内する案内流路部90115が形成されている。
上流側流路部90113および下流側流路部90114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部90115の底部は、特殊入賞口9024側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口9024の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部90115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口9024側(遊技領域907の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部90116が配設されている。
またさらに、流路形成台部90112の前部(遊技者側)には、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆う被覆部90117が一体に形成されている。この被覆部90117は、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠904側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部90117が流路形成台部90112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置9022では、ベース板部90101と被覆部90117との間において、上流側流路部90113、底面部材9023、および下流側流路部90114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部90101および被覆部90117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片90118が形成されている。
本実施形態において、規制片90118は、ベース板部90101および被覆部90117に一体形成され、ベース板部90101から前方に突出する、または被覆部90117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片90118がない場合よりも遅延させる。これら規制片90118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部90101および被覆部90117に交互に形成されている。また、規制片90118は、底面部材9023の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部90117のうちの上流側流路部90113を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されるとともに、被覆部90117のうちの下流側流路部90114を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されている。また、ベース板部90101および被覆部90117のうちの底面部材9023を覆う部位には、ベース板部90101および被覆部90117に交互に形成された規制片90118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片90118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片90118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部90117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片90118の配置により、図44を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置9022(および同様に構成された可変入賞球装置9015)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)を基本的に通過する。一方で、図45を参照し、底面部材9023が後退移動した特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部90112の案内流路部90115に落下することが可能となり、この案内流路部90115を流下して、特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞することが可能となる。
図5は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載され、特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021、特殊可変入賞球装置9022を開閉するソレノイド90106、および可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド90206を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板9031に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ90560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。なお、主基板9031には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部909cと、図柄保留記憶表示部9018cとの表示制御を行う。
図47は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図47に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90202および入力ポート90203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90209に、演出表示装置909の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90202に入力する。入力ドライバ90202は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図47には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図5に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90205を介してランプドライバ基板9035に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90201は、入出力ポート204を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ90351を介してランプドライバ90352に入力される。ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028b、右枠ランプ9028cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ9025に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022内に特殊入賞口ランプ9024aが設けられており、ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ9024aに供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入出力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU90201とランプドライバ基板9035および音声出力基板9070との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置909に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU90201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP90209に出力する。VDP90209は、演出制御用CPU90201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置909の表示制御を行うVDP90209が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90209は、演出制御用マイクロコンピュータ90200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90209は、VRAM内の画像データを演出表示装置909に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図47に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など)を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070やランプドライバ基板9035にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図48は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS904)。なお、割込みモード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理を実行する(ステップS9010〜ステップS9015)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS908)。ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9091)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9092)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9091およびS9092の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9093)、その内容に従って演出制御基板9080に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS9094)。そして、ステップS9015に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9013)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS9014)。初期化コマンドとして、演出表示装置909に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図49に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bについては、ステップS9032で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
図50は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1’:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2’:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5’:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6’:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7’:ランダム1’の初期値を決定する(ランダム1’初期値決定用)
(6)ランダム8’:ランダム6’の初期値を決定する(ランダム6’初期値決定用)
図49に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2’)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器908aや特別可変入賞球装置9020を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器908bや特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU9056は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9026C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器9010や可変入賞球装置9015を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU9056は、保留記憶処理を行う(ステップS9027a)。保留記憶処理では、CPU9056は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU9056は、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、例えば、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013aまたは第2始動口スイッチ9014aからの検出信号を入力した場合には、賞球数1個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。また、例えば、CPU9056は、第1カウントスイッチ9023aまたは第2カウントスイッチ9025aからの検出信号を入力した場合には、賞球数15個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口9024に遊技球が入賞して第2カウントスイッチ9025aで検出されても、後述する賞球増加表示の表示や入賞演出が直ちに実行されず遅れて実行される場合があるのであるが、賞球の払い出しに関しては、ステップS9030の賞球処理において、第2カウントスイッチ9025aからの検出信号を入力した場合には、直ちに賞球数15個を指定する払出制御コマンドが出力され、払出制御用マイクロコンピュータによって球払出装置9097が駆動されて直ちに15個の賞球が払い出される。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU9056は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図51(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1’と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図51(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図51(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図51(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図51(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図51(B)に記載されている各数値が設定されている。また、図51(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当り決定処理(ステップS90162B参照)が行われて小当りとなる場合があるとともに、既に説明したように、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなっている。従って、この実施の形態では、KT状態において、大当り遊技状態よりも小当り遊技状態に制御される頻度が高くなっている。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1’)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図51(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図51(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図51(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図51(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、図51(B)に示すように、小当りになる確率(割合)は、122/487となるように設定されており、概ね1/4程度となるように設定されている。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図51(B)に示す小当り判定テーブルを用いた抽選処理を行い、概ね1/4程度の確率で小当りとすることに決定される(ただし、後述するように、強制はずれとされる場合がある)。
図52は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル90131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2’)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図52(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図52(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS902207A,S902208A,S902207B,S902210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS902208B,S902209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902210A,S902211A,S902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902213A,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902215B,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図53〜図55は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図53〜図55に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図53〜図55に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#29の29種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜29)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図53(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図53(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図53(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図53(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図54(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図54(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#03のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、小当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#03が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口9024への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図54(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図54(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口9024への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図54(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図54(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#04〜#06のいずれかに決定される。
なお、図54(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#04に決定される。また、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#05(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置9015の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置9022内の特殊入賞口9024には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口9024に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御して特殊入賞口9024への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図54(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図54(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#07〜#11のいずれかに決定される。また、図54(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#07に決定される場合がある。また、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#09に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれや小当りと決定し、第2変動パターン#08や第2変動パターン#10にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置909における背景図柄の変動表示において、リーチ演出や滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図54(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図54(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#12〜#14のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置909において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図54(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目としてはずれや小当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#12や第2変動パターン#13に決定される。また、図54(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#14に決定される。
なお、この実施の形態では、図53に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図55(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図55(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#15〜#19のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図55(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#15に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#17)に決定される場合がある。また、図55(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#19が決定される。また、図55(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#16や第2変動パターン#18が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図55(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図55(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#20〜#24のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図55(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#20に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#22に決定される場合がある。また、図55(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#24が決定される。また、図55(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#21や第2変動パターン#23が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図55(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図55(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#25〜#29のいずれかに決定される。
なお、図55(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25に決定される場合がある。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#27に決定される。また、図55(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される場合がある。また、図55(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#28に決定される場合がある。また、図55(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#29が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置909において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#04,#07,#09,#15,#20,#22,#25,#27の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、例えば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。例えば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図54および図55に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、変動パターンの決定割合の具体例について説明する。図56は、図55(I)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブル[高確率/第2KT時]における特別図柄および飾り図柄の変動パターンの決定割合を示す説明図である。なお、図55(I)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブル[高確率/第2KT時]には、変動パターンごとに判定値が割り振られているが、図56に示す例では、割り当てられている判定値の割合(すなわち、変動パターンごとの決定割合)が示されている。
図56に示すように、この実施の形態では、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、70%の割合で短縮変動の第2変動パターン#25に決定され、30%の割合で継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、95%の割合で短縮変動の第2変動パターン#27に決定され、5%の割合で継続演出を含む第2変動パターン#28には決定される。また、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、100%の割合で第2変動パターン#29に決定される。
また、図56に示すように、この実施の形態では、第2KT状態において、表示結果が大当りとならない第2特別図柄の変動表示を、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)と、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能である。
KT状態において、比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、その間、遊技者が発射操作を停止することが考えられる。他方、この実施の形態では、小当りが発生すると、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされるが、釘群55が設けられていることにより、遊技球が発射されてから特殊可変入賞球装置9022へ至るまで少なくとも1.0秒を要するように構成されている。つまり、小当りが発生した後(具体的には、小当り図柄が導出表示された後や、小当りの発生が報知された後)に遊技球を発射しても、特殊入賞口9024に入賞させられないように構成されている。すると、比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示の後に小当りが発生しても、特殊入賞口9024に入賞させることができず、演出効果を高めることができないどころか、却って興趣を低下させてしまうおそれがある。
そこで、この実施の形態では、図56に示すように、KT状態(ここでは第2KT状態)において、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行された後に小当りが発生する割合は、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行された後に小当りが発生する割合よりも低くなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、小当りが発生しても特殊入賞口9024に入賞させることができず、却って興趣を低下させてしまう事態が生じることを抑制し、演出効果を高めることができる。
なお、図56に示す例では、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合に、5%の割合で比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定されるように構成されているが、決定されないようにしていてもよい。すなわち、第2変動パターン#28を設けない、または第2変動パターン#28に判定値を割り当てないようにして、KT状態(ここでは第2KT状態)において、比較的変動時間が長い変動パターンにより変動表示が実行された後にも小当りが発生しないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)に比べて、変動時間が長い変動パターンとして、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28が設けられているが、このような構成に代えて、または加えて、継続演出以外の演出(例えば、表示結果がはずれのときと、小当りのときと、大当りのときとで共通して実行されるリーチ演出など)を含む変動パターンを設けるようにしてもよい。
例えば、短縮変動に比べて変動時間が長い変動パターンであって、所定のリーチ演出が実行された後にはずれとなる変動パターンと、所定のリーチ演出が実行された後に小当りとなる変動パターンと、所定のリーチ演出が実行された後に大当りとなる変動パターンとが設けるようにしてもよい。この場合にも、所定のリーチ演出が実行される変動パターンにより変動表示が実行された後に小当りが発生する割合は、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行された後に小当りが発生する割合よりも低くなるように判定値が割り当てられていることが望ましい。また、所定のリーチ演出が実行された後に大当りとならなかった場合には、小当りよりもはずれとなる割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合に、変動時間が異なる3以上の変動パターンからいずれかを選択可能とし、変動時間が短い変動パターンから順に選択する割合を高くするようにしてもよい。例えば、表示結果がはずれのときと、小当りのときと、大当りのときとでそれぞれ、第1リーチ演出を含む変動パターン(変動時間10秒)、第2リーチ演出を含む変動パターン(変動時間20秒)および第3リーチ演出を含む変動パターン(変動時間30秒)を設け、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1リーチ演出を含む変動パターン(変動時間10秒)>第2リーチ演出を含む変動パターン(変動時間20秒)>第3リーチ演出を含む変動パターン(変動時間30秒)の順に、選択する割合を高くするようにしてもよい。また、第3リーチ演出を含む変動パターン(変動時間30秒)>第2リーチ演出を含む変動パターン(変動時間20秒)>第1リーチ演出を含む変動パターン(変動時間10秒)の順に、表示結果が大当りとならなかった場合には、小当りよりもはずれとなる割合を高くするようにしてもよい。このような構成により、小当りが発生しても特殊入賞口9024に入賞させることができず、却って興趣を低下させてしまう事態が生じることを抑制し、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、第2KT状態において、比較的変動時間が長い変動パターンにより変動表示が実行された後には小当りが発生する割合が低い(または発生しない)ように構成されているが、第1KT状態においても、比較的変動時間が長い変動パターンにより変動表示が実行された後には小当りが発生する割合が低い(または発生しない)ようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより、小当りが発生した後(具体的には、小当り図柄が導出表示された後や、小当りの発生が報知された後)に遊技球を発射しても、特殊入賞口9024に入賞させられないようになっているが、いずれか一方の構成のみにより実現してもよいし、釘群55が設けられていなくても、特殊入賞口9024を、遊技球が到達するまでに所定期間(例えば、開放期間よりも長い1.0秒)以上かかる位置に配置することにより実現してもよい。
また、KT状態中である場合に、遊技者に対して遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作を促す右打ち報知(例えば、演出表示装置909において「右打ち」の文字表示や右方向を示す矢印表示等を表示する)を行うように構成する場合には、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行されているときと、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行されているときとで、異なる態様により右打ち報知を実行可能としてもよい。例えば、KT状態において、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行されているときには、小当りが発生する割合が低く、右打ち操作を停止しても遊技者に不利益となることが少ないため、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行されているときよりも、「右打ち」の文字表示や、右方向を示す矢印表示等を縮小したり、透明化したりして表示し、積極的に右打ちを促さないようにしてもよい。このように構成することにより、状況に応じた好適な右打ち報知を実行することができる。
次に、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図57は、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図57(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示し、図57(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示している。
まず、図57(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図57(1)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図57(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図57(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置9015が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図57(1)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図57(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置9022の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口9024に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図57(1)に示すように、可変入賞球装置9015の開放を終了した後、次の可変入賞球装置9015の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図57(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図57(2)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図57(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図57(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置9015が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図57(2)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置9015の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図57(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が進入しやすく特殊入賞口9024に遊技球が入賞しやすい。例えば、この実施の形態では、大当り遊技状態では1ラウンドあたり遊技球が最大で10球入賞可能であるのと比較すると遊技球の入賞頻度が低いものの、第2KT状態では1回の小当り遊技中に1〜3個程度遊技球が入賞することが可能である。
なお、この実施の形態において、「入賞頻度」とは、例えば、遊技領域907に発射した遊技球数に対して大入賞口や特殊入賞口9024への遊技球の入賞割合を示している。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置9015を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)によって普通図柄プロセス処理(ステップS9026C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS9026Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(例えば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置9015を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口9024への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置9015の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図57(1)に示すような可変入賞球装置9015を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図57(2)に示す可変入賞球装置9015を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置9015の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置9015がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置9015の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置9015を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置9015をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置9015の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置9015に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、釘群55が設けられていることにより、遊技球が発射されてから後述する第2始動入賞口9014および特殊入賞口9024へ至るまで少なくとも1.0秒を要するようになっているとともに、図57に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置9015が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート9032を通過した遊技球が可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022に到達するまでに可変入賞球装置9015が開放せず、特殊入賞口9024の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、釘群55を設けるとともに、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート9032を通過してから可変入賞球装置9015に到達する前に可変入賞球装置9015の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
なお、この実施の形態では、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除するために、釘群55を設けるとともに、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されているが、いずれか一方の構成のみにより攻略要素を排除するようにしてもよい。また、このような構成に代えて、または加えて、可変入賞球装置9015や特殊入賞口9024の位置や形状、開放パターンにより攻略要素を排除するようにしてもよい。例えば、小当り発生後に発射した遊技球が可変入賞球装置9015や特殊入賞口9024に到達するまでの期間が、小当りによる特殊入賞口9024の開放期間よりも長くなるように、特殊入賞口9024の位置や形状、開放パターンが定められていてもよい。
図58および図59は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図58に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図61参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別を判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できる。
この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。例えば、後述する入賞時判定処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「16R確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「6R確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「6R通常大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「2R通常大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「06(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「07(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄7指定コマンド)を送信する。
なお、この実施の形態の構成に加えて、入賞時判定処理において、変動パターン判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定し、判定結果(変動パターンの判定結果)を示すコマンドを送信するようにしてもよい。このように構成することにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、変動パターンを認識することができる。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると図58および図59に示された内容に応じて第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示状態や背景図柄表示部909cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。なお、図58および図59に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板9031から演出制御基板9080に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板9031から演出制御基板9080に送信される。
図60は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS9026A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aおよび特別可変入賞球装置9020を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口9013に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90312)。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS90300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS90301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS90303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS90304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304Aに対応した値(この例では8)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS9036)において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、作動ゲート9017への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート9017への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS90305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS90306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS90307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図61は、ステップS90312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS90212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90214)。次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図62参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS90215)。なお、ステップS90215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1’)、大当り種別判定用乱数(ランダム2’)および変動パターン判定用乱数(ランダム5’)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5’)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5’)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図62は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図62に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1’)、大当り種別判定用乱数(ランダム2’)、変動パターン決定用乱数(ランダム5’)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
次いで、CPU9056は、入賞時判定処理を実行し(ステップS90216)、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS90217)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定するのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口9013や第2始動入賞口9014に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別を確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に表示結果を予測し、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって先読み予告演出を実行することができる。
入賞時演出処理では、例えば、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダム1’)と図51(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。一致しない場合には、確変フラグがセットされていれば、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダム1’)と図51(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。なお、始動入賞時にステップS90216で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時の遊技状態と変動開始時の遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS90216)。
この実施の形態では、ステップS90216〜S90218の処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生して入賞時判定処理を実行したときに、図柄指定コマンドおよび第1有効始動入賞指定コマンドの2つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図63は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS90300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS90300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS90300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS9050A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU90560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS9051A)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS9052A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054A)。すなわち、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS9063A)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS9064A以降の処理を行うことなくステップS9068Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS9063Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1’)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS9065Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS9063Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS9064A〜S90161Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1’)を読み出し(ステップS9064A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066A)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS9067A)。そして、ランダム2’にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160A)、大当り種別を記憶し(ステップS90161A)、ステップS9068Aへ移行する。また、ステップS9066Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS9068Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS9068Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS9068A)。なお、図示は省略したが、ステップS9068Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図64は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS90302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、遊技状態に応じて図53(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS90201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS90201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5’)とにもとづいて、図53に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS901700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS901701)。
また、ステップS901700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS901702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器908aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS901703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS901706)
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
図65は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS90303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS901121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901122A)、演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123A)。そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU9056は、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS901125A)。なお、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU9056は、ステップS901123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
ステップS901125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS90302で送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図60に示す第1特別図柄プロセス処理および図69に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS90312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS90322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS901125AのN)、そのまま処理を終了する。
図66は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS902010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU9056は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS902011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS902012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU9056は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS902013)、ステップS902014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS902014において、CPU9056は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS902014)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU9056は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS902015)。
次いで、CPU9056は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS902017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS902018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS902019)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS902020)。
図67は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU9056は、作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS902501)。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していれば、CPU9056は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS902502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS902503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート9017を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ9017aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図68は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS902201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203A)、処理を終了する。
ステップS902204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS902204A)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205AのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902208A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902211A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902212A)。また、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902213A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS902214A)。
図69は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS9026B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器908b、特別可変入賞球装置9020、および特殊可変入賞球装置9022を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口9014に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90322)。なお、図61に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90350〜S90360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS90350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。また、大当りとしない場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90354Aに対応した値(この例では11)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(はずれとした場合(強制はずれとしば場合を含む))には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS90354A):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、作動ゲート9017への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート9017への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS90355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS90356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS90357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS90358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置9022を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口9024に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド90106を駆動して特殊可変入賞球装置9022を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS90359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置9022の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022の開放時間0.8秒(図57参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ9025aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS90360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。
図70は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS90350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS90350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS90350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置9022を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS9050B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU90560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS9051B)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS9052B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054B)。すなわち、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS9060Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS9063B)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS9064B以降の処理を行うことなくステップS9068Bへ移行する。これにより、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS9063Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1’)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS9065Bへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS9063Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS9064B〜S90161Bの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1’)を読み出し(ステップS9064B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066B)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS9067B)。そして、ランダム2’にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160B)、大当り種別を記憶し(ステップS90161B)、ステップS9068Bへ移行する。
また、ステップS9066Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS90162B)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数(小当り判定用の乱数でもよい)が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS90163B)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなることを示す小当りフラグをセットする(ステップS90164B)。そして、ステップS9068Bへ移行する。
そして、ステップS9068Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS9068B)。なお、図示は省略したが、ステップS9068Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351)は、図64に示した第1変動パターン設定処理(ステップS90301)と同様である。すなわち、図64に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか否か、小当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353)は、図65に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS90303)と同様である。すなわち、図65に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354)では、概ね図66に示した第1特別図柄停止処理(ステップS90304)と同様の処理が実行される。すなわち、図66に示す第1特別図柄停止処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、概ね第2特別図柄停止処理が説明されたことになる。ただし、第2特別図柄停止処理では、小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第2小当り開放前処理(ステップS90358)に対応した値に設定する。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS90354A)は、図67に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A)と同様である。すなわち、図67に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
図71は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS90357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS902201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203B)、処理を終了する。
ステップS902204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS902204B)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205BのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207B)する。次いで、CPU9056は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS902208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS902208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902210B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
ステップS902208B〜S902210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902213B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902214B)。また、CPU9056は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902215B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
そして、CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS90350)に対応した値に更新する(ステップS902216B)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図72は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90201は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS90704)。次いで、演出制御用CPU90201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部909aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部909bの表示制御を実行する。また、背景図柄表示部909cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS90706)。また、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数を示す賞球数表示の表示を制御する賞球数表示処理を実行する(ステップS90707)。また、図柄保留記憶表示部9018cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS90708)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90709)。その後、ステップS90702に移行する。
図73〜図75は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。なお、この実施の形態では、ステップS90622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS90623)、演出制御用CPU90201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90624)。なお、この実施の形態では、ステップS90624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS90625)、演出制御用CPU90201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS90627)、演出制御用CPU90201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS90630)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90631)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90632)。また、演出制御用CPU90201は、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数をカウントするための賞球数カウンタをリセットする(ステップS90633)とともに、演出表示装置909において賞球数表示が表示されていれば、賞球数表示を消去する制御を行う(ステップS90634)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS90635)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90636)。また、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS90637)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90638)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90639)。例えば、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS90640)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90641)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS90642)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90643)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90644)。例えば、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS90645)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90646)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS90647)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90648)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90649)。例えば、演出表示装置909の表示画面の中央付近において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第2KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第1KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
なお、この実施の形態では、ステップS90639,S90644,S90649の処理や、後述する背景図柄変動停止処理のステップS90979の処理が実行されることによって、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が行われるのであるが、ステップS90633,S90634の処理が実行されることによって、KT状態を終了し低確率/非KT状態に戻ったときに賞球数カウンタの値がリセットされる(0にクリアされる)とともに賞球数表示の表示が終了する。
また、この実施の形態では、ステップS90639,S90644の処理が実行されることによって第1KT状態では第1KTパターンによる賞球数表示が表示され、ステップS90649の処理が実行されることによって第2KT状態では第2KTパターンによる賞球数表示が表示される場合が示されているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態においては賞球数表示を表示しない(ステップS90639,S90644の処理を不要とする)ように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90650)、演出制御用CPU90201は、大入賞口への遊技球の入賞が発生したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90651)とともに、賞球数カウンタに15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90653)、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口9024への遊技球の入賞が発生したことを示す特殊入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90654)とともに、賞球数カウンタに15(特殊入賞口9024への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90655)。
なお、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が入賞したときと特殊入賞口9024に遊技球が入賞したときとで賞球数が同じ15個である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大入賞口に遊技球が入賞したときには賞球数を15個とする一方で、特殊入賞口9024に遊技球が入賞したときには賞球数を10個とするなど、賞球数を異ならせてもよい。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS90660)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において客待ちデモンストレーション表示を開始する制御を行う(ステップS90661)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、前回の変動表示の表示結果が小当りであったことを示す前回小当りフラグをリセットする(ステップS90662)とともに、小当りが連続して発生した回数を示す小当り連続数カウンタを0にクリアする(ステップS90663)。
なお、この実施の形態では、後述するように、連続して小当りが発生した場合に連続小当り演出を実行可能に構成されているのであるが、ステップS90662,S90663の処理が実行されることによって、小当りとなる変動表示が実行された後、客待ちデモンストレーション表示が表示される状態となった場合には、その後に実行された変動表示が小当りとなる場合であっても連続小当り演出は実行されないように構成されている。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS90664)、演出制御用CPU90201は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS90665)。
受信した演出制御コマンドが第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90666)、演出制御用CPU90101は、受信した第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS90667)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS90670)。そして、ステップS90611に移行する。
図76は、図72に示す背景図柄プロセス処理(ステップS90706)を示すフローチャートである。背景図柄プロセス処理では、演出制御用CPU90201は、まず、保留連演出に関する制御を行う保留連演出制御処理を実行する(ステップ90900A)。次いで、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS90900〜S90908のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900):背景図柄の変動開始条件が成立したか否か判定し、背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄表示部909cにおいて変動が開始されるように制御する。背景図柄の変動開始条件は、コマンド解析処理でいずれかの変動パターンコマンドが受信されたことが確認された場合に成立する。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動開始処理(ステップS90901)に応じた値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS90901):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。また、受信している表示結果コマンドに応じて背景図柄の停止図柄を決定し、背景図柄の変動時間を設定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS90902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動中処理(ステップS90902):背景図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS90903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU90201は、背景図柄の変動時間を延長することがある。
背景図柄停止処理(ステップS90903):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)、大当り表示処理(ステップS90904)、または小当り中処理(ステップS90908)に対応した値に更新する。なお、大当り表示処理(ステップS90904)に対応した値に更新する場合には、第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、大当り表示処理(ステップS90904)に対応した値に更新する。また、小当り中処理(ステップS90908)に対応した値に更新する場合には、小当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、小当り中表示処理(ステップS90908)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90904):大当り表示の制御を行う。そして、実際に大当り遊技が開始されたことを示すことになる大入賞口開放中表示コマンド(第1ラウンドに関する大入賞口開放中表示コマンド)を受信したら背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90905)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90905):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS90906):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS90907):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンド(第1エンディング指定コマンド、第2エンディング指定コマンド)を受信したら、エンディング演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する。
小当り中処理(ステップS90908):小当り遊技中の表示制御を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する。
図77は、保留連演出制御処理(ステップS90900A)を示すフローチャートである。この実施の形態では、大当り遊技が開始されるときに、現在記憶されている保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在すること、すなわち大当りが連続して実行されることを示唆する保留連演出を実行可能である。
保留連演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、大当り遊技の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS903501)。ステップS903501では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、大当り表示処理(ステップS90904)であれば、大当り遊技の開始タイミングであると判断する。
大当り遊技の開始タイミングであれば(ステップS903501のY)、演出制御用CPU90201は、始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンドおよび有効始動入賞指定コマンド(第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンド)のセット)に、大当りを示すコマンドが含まれているか否かを確認する(ステップS903502)。
大当りを示すコマンドが含まれている場合には(ステップS903502のY)、演出制御用CPU90201は、大当りが連続して実行されることを報知する(ステップS903502a)。ステップS903502aでは、例えば、演出表示装置909において、「連続大当り確定」の文字表示が表示されることにより、現在記憶されている保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在すること、大当りが連続して実行されることが報知される。
なお、この実施の形態では、現在記憶されている第1特別図柄の変動表示に関する第1保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合、または第2特別図柄の変動表示に関する第2保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合に、大当りが連続して実行されることを報知可能に構成されているが、このような構成に限らず、例えば、第2保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合にのみ、大当りが連続して実行されることを報知可能とし、第1保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合には、大当りが連続して実行されることを報知しないように構成してもよい。また、特定の大当り(例えば、16R確変大当り)となる保留記憶が存在する場合にのみ、大当りが連続して実行されることを報知可能としてもよい。
次いで、演出制御用CPU90201は、保留連演出の実行中であることを示す保留連実行フラグをセットし(ステップS903503)、処理を終了する。
大当り遊技の開始タイミングでなければ(ステップS903501のN)、演出制御用CPU90201は、大当り遊技中のタイミングであるか否かを判断する(ステップS903504)。ステップS903504では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、ラウンド中処理(ステップS90905)およびラウンド後処理(ステップS90906)のいずれかであれば、大当り遊技中のタイミングであると判断する。
大当り遊技中のタイミングであれば(ステップS903504のY)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS903505)、セットされていなければ処理を終了する。保留連実行フラグがセットされていれば、演出制御用CPU90201は、大当り遊技において新たなラウンドが開始されたか否かを確認する(ステップS903506)。例えば、受信した大入賞口開放中表示コマンドの内容と、前回受信した大入賞口開放中表示コマンドの内容とを比較することにより確認することができる。新たなラウンドが開始されているときには、演出制御用CPU90201は、保留連演出中の通算ラウンド数をカウントする通算ランド数カウンタの値を1加算し、通算ランド数カウンタの値にもとづいて、演出表示装置909においてラウンド数を表示する制御を行う(ステップS903507,S903508)。その後、処理を終了する。
大当り遊技中のタイミングでなければ(ステップS903504のN)、演出制御用CPU90201は、大当り遊技の終了タイミングであるか否かを判断する(ステップS903509)。ステップS903509では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、大当り終了演出処理(ステップS90907)であれば、大当り遊技の終了タイミングであると判断する。
大当り遊技の終了タイミングであれば(ステップS903504のY)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS903510)、セットされていればそのまま処理を終了する。保留連実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、大当り遊技後の遊技状態を報知する(ステップS903511)。ステップS903511では、例えば、大当り遊技後に確変状態に制御される場合には、演出表示装置909において「確変突入」の文字表示等を表示し、KT状態に制御される場合には、演出表示装置909において「小当りタイム突入」の文字表示等を表示する。なお、図77に示す例では、大当り遊技の終了タイミングで大当り遊技後の遊技状態を報知しているが、例えば、大当り遊技の開始タイミングや実行中タイミングにおいて、「第2KT有り」の文字表示や「第2KT無し」の文字表示を表示することにより、報知を行うようにしてもよい。また、この場合にも、保留連演出を実行するときには報知を行わず、保留連演出を実行しないときのみ報知を行うようにしてもよい。
大当りを示すコマンドが含まれていない場合には(ステップS903502のN)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされていればリセットし(ステップS903512)、通算ラウンド数カウンタの値もリセットする(ステップS903513)。
図77に示すように、この実施の形態では、ステップS903502〜S903503の処理により、保留連演出が実行されると、先の大当り遊技の開始時に、演出表示装置909において、「連続大当り確定」の文字表示が表示されることにより、大当りが連続して実行されることが報知される。また、ステップS903504〜S903508の処理により、保留連演出の実行中には、先の大当り遊技のラウンド数と後の大当り遊技のラウンド数とを通算したラウンド数が示され、一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
また、ステップS903509〜S903511の処理により、保留連演出の実行中ではないときには、大当り遊技の終了後に制御される遊技状態(例えば、確変状態やKT状態)が報知されるが、保留連演出の実行中であるときには、それらの報知が行われない。このような構成により、大当り遊技が終了して通常の遊技が開始されるという印象を弱め、先の大当り遊技と後の大当り遊技とで一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
また、詳細については後述するが、保留連演出の実行中であって保留連実行フラグがセットされているときには、先の大当り遊技の終了後、後の大当り遊技が開始されるまでの間に、小当りが発生しても、小当りに関連する演出(例えば、小当り報知や、賞球増加表示の表示、入賞演出、連続小当り演出など)の実行が制限される。このような構成により、大当り遊技が終了して通常の遊技が行われているという印象を弱め、先の大当り遊技と後の大当り遊技とで一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
図78は、背景図柄変動開始処理(ステップS90901)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90201は、背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS90920)。なお、この実施の形態では、表示結果1指定コマンドを受信した場合(はずれと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が全く不一致のはずれ図柄または左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果2指定コマンドを受信した場合(16R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が奇数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果3指定コマンドや表示結果5指定コマンドを受信した場合(6R確変大当りや2R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が偶数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果4指定コマンドや表示結果6指定コマンドを受信した場合(6R通常大当りや2R通常大当りと決定されている場合)には、左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄と同様の組み合わせを決定する。また、表示結果7指定コマンドを受信した場合(小当りと決定されている場合)には、小当り図柄(例えば、「135」)の背景図柄の組み合わせを決定する。
次いで、演出制御用CPU90201は、今回開始する変動表示が小当りとなるものであるか否かを確認する(ステップS90921a)。なお、今回開始する変動表示が小当りとなるものであるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域(ステップS90618参照)に格納されている表示結果指定コマンドが小当りを示すものであるか否か(表示結果7指定コマンドが格納されているか否か)を確認することにより判定できる。
今回開始する変動表示が小当りとなるものであれば(ステップS90921aのY)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS90921b)、セットされていれば、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンに応じた保留連時用のプロセステーブルを選択する(ステップS90921c)。そして、ステップS90932に移行する。ステップS90921cで選択される保留連時用のプロセステーブルは、小当りに関連する演出が実行されないように構成されている。このような構成により、保留連演出の実行中であって保留連実行フラグがセットされているときには、先の大当り遊技の終了後、後の大当り遊技が開始されるまでの間に、小当りが発生しても、小当りに関連する演出(例えば、小当り報知や、連続小当り演出など)の実行が制限されることになる。なお、この実施の形態では、保留連演出の実行中には、小当りに関連する演出の実行を禁止することにより制限しているが、例えば、目立たない(例えば、表示サイズが小さい、色が薄い等)態様で実行することにより制限してもよい。
保留連実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90922)。第2KT状態フラグがセットされていなければ(すなわち、第2KT状態でなければ)、ステップS90931に移行する。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態であれば)、演出制御用CPU90201は、前回小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90923)。前回小当りフラグがセットされていなければ(すなわち、前回実行された変動表示の表示結果が小当りでなかった場合であれば)、演出制御用CPU90201は、連続して小当りが発生したことを報知する連続小当り演出の有無および種類を決定するためのテーブルとして、前回非小当り用の連続小当り演出決定テーブルを選択する(ステップS90924)。一方、前回小当りフラグがセットされていれば(すなわち、前回実行された変動表示の表示結果が小当りであり、連続して小当りが発生した場合であれば)、演出制御用CPU90201は、連続小当り演出の有無および種類を決定するためのテーブルとして、小当りが連続して発生した回数をカウントするための小当り連続数カウンタの値に応じた連続小当り演出決定テーブルを選択する(ステップS90925)。
なお、この実施の形態では、ステップS90922の処理が実行されることによって、第2KT状態である場合にのみ連続小当り演出を実行可能に構成しているのであるが、そのような態様にかぎらず、例えば、第1KT状態および第2KT状態の両方において連続小当り演出を実行可能に構成してもよい。
そして、演出制御用CPU90201は、ステップS90924,S90925で選択した連続小当り演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、連続小当り演出の有無および種類を決定する(ステップS90926)。
図79は、連続小当り演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図79(A)は、ステップS90924で選択される前回非小当り用の連続小当り演出決定テーブルの具体例を示している。また、図79(B)は、ステップS90925で選択される連続小当り演出決定テーブルのうち、小当り連続数カウンタの値が1である場合(すなわち、今回開始される変動表示で連続して2回小当りが発生する場合)に選択される連続小当り演出決定テーブル(小当り連続数2回用)の具体例を示している。また、図79(C)は、ステップS90925で選択される連続小当り演出決定テーブルのうち、小当り連続数カウンタの値が2である場合(すなわち、今回開始される変動表示で連続して3回小当りが発生する場合)に選択される連続小当り演出決定テーブル(小当り連続数3回用)の具体例を示している。また、図79(D)は、ステップS90925で選択される連続小当り演出決定テーブルのうち、小当り連続数カウンタの値が3以上である場合(すなわち、今回開始される変動表示で連続して4回以上小当りが発生する場合)に選択される連続小当り演出決定テーブル(小当り連続数4回以上用)の具体例を示している。
図79に示すように、連続小当り演出決定テーブルには、連続小当りなし、連続小当り演出A、連続小当り演出B、および連続小当り演出Cに対して、それぞれ判定値が割り振られている。この実施の形態において、連続小当り演出Aは、例えば、演出表示装置909において所定のキャラクタAを登場させるとともに、キャラクタAのセリフとして「もう1回!」などの文字表示を表示する演出である。また、連続小当り演出Bは、例えば、演出表示装置909において所定のキャラクタBを登場させるとともに、キャラクタBのセリフとして「もう1回!」などの文字表示を表示する演出である。また、連続小当り演出Cは、例えば、演出表示装置909において所定のキャラクタCを登場させるとともに、キャラクタCのセリフとして「もう1回!」などの文字表示を表示する演出である。
なお、この実施の形態では、連続小当り演出の種類に応じてキャラクタの種類を異ならせる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、連続小当り演出の種類に応じて文字表示の種類を異ならせたり、文字表示の表示色を異ならせたりしてもよい。また、連続小当り演出として、装飾ランプ9025や枠ランプ28a〜28cを点灯させる演出を実行したり、スピーカ9027から演出音を出力する演出を実行したりしてもよく、連続小当り演出として様々な態様の演出が考えられる。
また、この実施の形態では、連続小当り演出A〜Cの3種類の連続小当り演出を実行可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、4種類以上の連続小当り演出を実行可能に構成してもよいし、2種類のみの連続小当り演出を実行可能に構成してもよい。また、連続小当り演出の種類が1種類しかないように構成されていてもよい。
図79(A)に示すように、前回の変動表示が小当りでなかった場合(すなわち、連続して小当りが発生した場合でない場合)には、100%の割合で連続小当り演出なしに決定される。なお、この実施の形態では、前回の変動表示が小当りでなかった場合には、連続小当り演出を実行しないように構成されているのであるから、ステップS90923でNと判定した場合に、そのままステップS90931に移行するように構成してもよい。そのように構成すれば、前回非小当り用の連続小当り演出決定テーブルを不要とすることができる。
また、図79(B)に示すように、今回の変動表示で小当りが連続して2回発生する場合には、20%の割合で連続小当り演出なしに決定され、80%の割合で連続小当り演出Aを実行することに決定される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、低い割合で連続小当り演出Bや連続小当り演出Cを決定可能に構成してもよい。
また、図79(C)に示すように、今回の変動表示で小当りが連続して3回発生する場合には、20%の割合で連続小当り演出なしに決定され、30%の割合で連続小当り演出Aを実行することに決定され、50%の割合で連続小当り演出Bを実行することに決定される。すなわち、比較的高い割合で連続小当り演出Bが実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、低い割合で連続小当り演出Cを決定可能に構成してもよい。
また、図79(D)に示すように、今回の変動表示で小当りが連続して4回以上発生する場合には、20%の割合で連続小当り演出なしに決定され、10%の割合で連続小当り演出Aを実行することに決定され、20%の割合で連続小当り演出Bを実行することに決定され、50%の割合で連続小当り演出Cを実行することに決定される。すなわち、比較的高い割合で連続小当り演出Cが実行される。
なお、この実施の形態では、図79(B)に示すように連続2回目の小当り変動において既に連続小当り演出Aが実行されている割合が高いので、図79(C),(D)に示すように、連続3回目以上の小当り変動では連続小当り演出Aの実行割合が低くなるように設定している。また、図79(C)に示すように連続3回目の小当り変動において既に連続小当り演出Bが実行されている割合が高いので、図79(D)に示すように、連続4回目以上の小当り変動では連続小当り演出Bの実行割合が低くなるように設定している。そのように構成することによって、この実施の形態では、連続小当り演出として先に実行された種類の演出と同じ種類の演出が実行されにくくなり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、図79に示す連続小当り演出決定テーブルの割り振りによって連続小当り演出として先に実行された種類の演出と同じ種類の演出が実行されにくくなるように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、連続小当り演出Aを実行した場合には連続小当り演出Aを実行済であることを示すフラグをセットするようにし、その後の変動表示で連続して小当りとなる場合には、そのフラグがセットされていれば、連続小当り演出A以外の種類の連続小当り演出を実行可能に構成するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、前回の変動表示が小当りである場合(連続して小当りが発生する場合)に図79(B)〜(D)に示す連続小当り演出決定テーブルを用いて抽選処理を実行することにより、連続小当り演出の有無および種類を決定するように構成する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、前回の変動表示が小当りである場合には、抽選処理を行うことなく、無条件で連続小当り演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図79に示すように、抽選処理により複数種類の連続小当り演出A〜Cから実行する連続小当り演出の種類を決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、小当りの連続回数に応じて固定的に連続小当り演出の種類を決定するように構成してもよい。例えば、連続2回目の小当りであれば固定的に連続小当り演出Aを決定し、連続3回目の小当りであれば固定的に連続小当り演出Bを決定し、連続4回目以上の小当りであれば固定的に連続小当り演出Cを決定するように構成してもよい。
連続小当り演出を実行することに決定した場合には(ステップS90927のY)、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンおよび決定した種類の連続小当り演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90928)。そして、ステップS90932に移行する。
この実施の形態では、ステップS90928で選択したプロセステーブルを用いて後述するステップS90933および背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行することによって、背景図柄の変動表示中に演出表示装置909において連続小当り演出が実行される。
なお、この実施の形態では、第2KT状態中に第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなる場合には短縮変動の変動表示が行われる割合が高くなるように構成されている(本例では、図55(I),図56に示すように、第2KT状態中に小当りとなる場合には95%の割合で短縮変動の第2変動パターン#27に決定される)が、短縮変動以外の変動表示が行われる場合もある(本例では、比較的変動時間が長い(例えば、30秒)の第2変動パターン#28に決定される場合もある)。そこで、例えば、図78に示す背景図柄変動開始処理において、今回の変動表示が小当り変動であった場合に、さらに短縮変動の変動パターンであるか否かを判定するようにし、短縮変動の変動パターンである場合にのみステップS90922〜S90928の処理を実行して連続小当り演出を実行可能に構成することにより、連続小当り演出が実行される場合には必ず短縮変動の変動表示において実行されるように構成する。
今回開始する変動表示が小当りとなるものでなければ(ステップS90921aのN)、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、前回小当りフラグをリセットする(ステップS90929)とともに、小当り連続数カウンタの値を0にクリアする(ステップS90930)。
ステップS90930で小当り連続数カウンタをクリアした後、第2KT状態フラグがセットされていなかった場合(ステップS90922のN)、または連続小当り演出を実行しないことに決定した場合(ステップS90927のN)には、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90931)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS90932)。次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置909、各種ランプ、スピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90933)。例えば、背景図柄表示部909cにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP90209に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027からの音声出力を行わせるために、音声出力基板9070に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、変動パターンにおいて継続演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#26,#28,#29の場合)には、ステップS90928,S90931で選択したプロセステーブルに従ってステップS90933および後述する背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中に継続演出が実行される。また、変動パターンにおいてバトル演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#16,#18,#19,#21,#23,#24,#29の場合)には、ステップS90928,S90931で選択したプロセステーブルに従ってステップS90933および後述する背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中にバトル演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90201は、変動時間に応じた値を背景図柄変動時間タイマに設定して背景図柄変動時間タイマをスタートさせる(ステップS90934)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中処理(ステップS90902)に応じた値に更新する(ステップS90935)。
図80は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動中処理(ステップS90902)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU90201は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS90940)、普通図柄変動時間タイマの値を1減算する(ステップS90941)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS90942)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS90943)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS90944)。
次いで、演出制御用CPU90201は、背景図柄変動時間延長処理を実行する(ステップS90950)。すなわち、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行しているときに第2特別図柄の変動表示を開始したり、第2特別図柄の変動表示を実行しているときに第1特別図柄の変動表示を開始したりする可能性があり、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して実行される場合がありうる。そこで、この実施の形態では、ステップS90950の背景図柄変動時間延長処理が実行されることによって、一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに他方の特別図柄の変動表示が開始された場合に、必要に応じて背景図柄の変動パターンを差し替えたり変動時間の延長を行ったりする。
ステップS90950では、演出制御用CPU90201は、例えば、はずれとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、大当りとなる方の特別図柄に対応して背景図柄の変動パターンに差し替えるとともに変動時間を延長する処理を行う。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、はずれとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、既に説明したように、この実施の形態では、後から開始した方の特別図柄の変動表示は途中で強制はずれとなるので、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS90951)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動停止処理(ステップS90903)に応じた値に更新する(ステップS90952)。
図81は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動停止処理(ステップS90903)を示すフローチャートである。背景図柄変動停止処理において、演出制御用CPU90201は、まず、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ1がセットされているか否かを確認する(ステップS90970A)。停止図柄表示フラグ1がセットされていれば、ステップS90974に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS90973で停止図柄表示フラグ1がセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグ1がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ1がセットされているということは、大当り図柄を確定表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS90971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS90974に移行する。
停止図柄表示フラグ1がセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ2がセットされているか否かを確認する(ステップS90970B)。停止図柄表示フラグ2がセットされていれば、ステップS90983に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示した場合には、ステップS90982で停止図柄表示フラグ2がセットされる。そして、小当り遊技中の演出を実行するときに停止図柄表示フラグ2がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ2がセットされているということは、小当り図柄を確定表示したが小当り遊技中の演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS90971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS90983に移行する。
停止図柄表示フラグ1および停止図柄表示フラグ2のいずれもセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において停止表示中の左中右の背景図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、小当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS90971)。
ステップS90971の処理で大当り図柄を確定表示した場合には(ステップS90972のY)、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ1をセットする(ステップS90973)。
次いで、演出制御用CPU90201は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS90974)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ1をリセットする(ステップS90975)。なお、演出制御用CPU90201は、セットされていた大当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU90201は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90976)。なお、ステップS90976では、保留連実行フラグがセットされているときには、保留連時用のプロセステーブルを選択するようにしてもよい。この保留連時用のプロセステーブルは、例えば、新たな大当り遊技が開始されることを強調するようなファンファーレ演出が実行されない、簡素なファンファーレ演出が実行される、またはファンファーレ演出に代わる、大当り遊技が再開されることを示す演出等が実行されように構成される。このような構成により、先の大当り遊技と後の大当り遊技とで一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS90977)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90978)。
次いで、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において大当りパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90979)。例えば、演出表示装置909の表示画面の左下端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに大当りパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、第1KTパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、大当りパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
なお、この実施の形態では、図81に示す背景図柄変動停止処理において大当りパターンによる賞球数表示の開始または切り替え(ステップS90979参照)を行う場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り表示処理(ステップS90904)や大当り遊技を開始した後の最初のラウンド中処理(ステップS90905)などにおいてステップS90979と同様の処理を行い、大当りパターンによる賞球数表示の開始または切り替えを行うように構成してもよい。
その後、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90904)に応じた値に更新する(ステップS90980)。
ステップS90971の処理で小当り図柄を確定表示した場合には(ステップS90981のY)、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ2をセットする(ステップS90982)。
次いで、演出制御用CPU90201は、小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90983)。小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り開始指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ2をリセットする(ステップS90984)。なお、演出制御用CPU90201は、セットされていた小当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU90201は、小当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90985)。なお、ステップS90985では、保留連実行フラグがセットされているときには、保留連時用のプロセステーブルを選択するようにしてもよい。この保留連時用のプロセステーブルは、例えば、小当り中演出が実行されない、簡素な小当り中演出が実行される、または小当り中演出に代わる演出が実行されように構成される。このような構成により、保留連演出の実行中であって保留連実行フラグがセットされているときには、先の大当り遊技の終了後、後の大当り遊技が開始されるまでの間に、小当りが発生しても、小当りに関連する演出の実行が制限されることになる。
次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS90986)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90987)。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を小当り中処理(ステップS90908)に応じた値に更新する(ステップS90988)。
ステップS90971の処理で大当り図柄や小当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS90972のN、且つステップS90981のN)、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する(ステップS90989)。
図82は、背景図柄プロセス処理における小当り中処理(ステップS90908)を示すフローチャートである。小当り中処理において、演出制御用CPU90201は、まず、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS909201)。小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ小当り終了指定コマンドを受信していない場合)には、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS909202)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027等)を制御する処理を実行する(ステップS909203)。すなわち、小当り遊技に対応した演出を継続して行う。
そして、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS909204)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS909205)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS909206)。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り終了指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU90201は、小当り遊技に対応した演出を終了し、ステップS909207に移行する。ステップS909207では、演出制御用CPU90201は、セットされていなければ、前回小当りフラグをセットする(ステップS909207)。また、演出制御用CPU90201は、小当り連続数カウンタの値を1加算する(ステップS909208)。
この実施の形態では、既に説明したように、小当り以外の変動表示を開始するときに前回小当りフラグがリセットされるとともに小当り連続数カウンタの値が0クリアされる(ステップS90929,S90930参照)。そのため、小当り以外の変動表示を実行した後に、小当りとなる1回目の変動表示にもとづいて小当り遊技が実行された場合には、ステップS909207,S909208の処理が実行されることによって、前回小当りフラグがセットされるとともに小当り連続数カウンタに1がセットされる。従って、その次の変動表示でも再び小当りとなる場合には、小当り連続数カウンタの値が1であることにもとづいて小当りが2回連続して発生したと判定することができる。そして、その小当り遊技を終了することによってステップS909208が実行されることによって小当り連続数カウンタの値が2に更新され、さらに次の変動表示でも再び小当りとなる場合には、小当り連続数カウンタの値が2であることにもとづいて小当りが3回連続して発生したと判定することができる。以降、小当りが4回、5回・・・と連続して発生した場合であっても小当り連続数カウンタの値を確認することによって、小当りが何回連続して発生しているかを判定することができる。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する(ステップS909209)。
図83〜図86は、賞球数表示処理(ステップS90707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU90201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90500)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU90201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS90501)、第1賞球増加演出の実行中であることを示す第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90502)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第1賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90506に移行する。
第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第1賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90503)。また、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90504)。そして、ステップS90510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が表示されているのであるが、賞球数表示が表示されているときに大入賞口や特殊入賞口9024に遊技球が入賞すると、賞球数表示で示される賞球数が1つずつ増加していくような態様の賞球増加演出が実行される。この実施の形態では、賞球増加演出には第1賞球増加演出〜第3賞球増加演出の3種類がある。第1賞球増加演出は、大当り遊技中に大当りパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第2賞球増加演出は、第1KT状態中に第1KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第3賞球増加演出は、第2KT状態中に第2KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的低速の第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。
この実施の形態では、大入賞口入賞フラグがセットされていた(大入賞口への入賞が発生した)ということは、大当り遊技中であり大当りパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90503において大当りパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度で賞球数が1ずつ増加していく第1賞球増加演出が開始される。
大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ)、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90505)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第1賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS90510に移行する。
ステップS90502またはステップS90505で第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第1賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS90506)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90507)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90508)。そして、ステップS90510に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90509)、第1賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90652参照)のであるが、ステップS90500〜S90509の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、1回の大入賞口への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の大入賞口への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の大入賞口への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第1賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第1賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも大当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
次いで、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90510)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口9024への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS90511)、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90511a)。保留連実行フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。すなわち、保留連演出の実行中に特殊入賞口9024への入賞が発生したとしても、賞球増加演出や入賞演出など小当りに関連する演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。保留連実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90512)。第2KTフラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、ステップS90523に移行する。第2KT状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90513)。第1KT状態フラグもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、非KT状態中に稀に特殊入賞口9024への入賞が発生したとしても、そもそも賞球数表示が行われていないので、賞球増加演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。
第1KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態中であれば)、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出の実行中であることを示す第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90514)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第2賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90519に移行する。
第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第2賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90515)。また、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90516)。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態フラグがセットされていた(第1KT状態中)ということは、第1KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90515において第1KTパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく第2賞球増加演出が開始される。
特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口9024への入賞が発生していなければ)、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90517)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90533に移行する。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90518)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第2賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS90540に移行する。
ステップS90514またはステップS90518で第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第2賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS90519)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90520)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90521)。そして、ステップS90540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90522)、第2賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90655参照)のであるが、ステップS90510〜S90522の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第1KT状態中では1回の特殊入賞口9024への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口9024への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口9024への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第2賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第2賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも小当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
ステップS90512で第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909においてエフェクト演出を開始する制御を行う(ステップS90523)。次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出の実行中であることを示す入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90524)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、待機中の入賞演出の数をカウントするための入賞演出待機数カウンタの値を1加算する(ステップS90525)。そして、ステップS90529に移行する。
入賞演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、入賞演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS90526)とともに、演出表示装置909において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS90527)。また、演出制御用CPU90201は、入賞演出実行中フラグをセットする(ステップS90528)。そして、ステップS90529に移行する。
次いで、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90529)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90533に移行する。
第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を開始する制御を行う(ステップS90530)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90531)。また、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90532)。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態フラグがセットされていた(第2KT状態中)ということは、第2KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90531において第2KTパターンにより表示され拡大表示されている賞球数表示において第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく第3賞球増加演出が開始される。
ステップS90517またはステップS90529で第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90533)。なお、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS90523でエフェクト演出を開始するときに、エフェクト演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。エフェクト演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909においてエフェクト演出を終了する制御を行う(ステップS90534)。
次いで、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.5秒経過したか否か)を確認する(ステップS90535)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90536)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90537)。そして、ステップS90540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を終了する制御を行う(ステップS90538)。また、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90539)、第3賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90655参照)のであるが、ステップS90510,S90517,S90529〜S90532,S90535〜S90359の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、エフェクト演出が実行されるとともに賞球数表示が拡大表示され、第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第2KT状態中では1回の特殊入賞口9024への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.5秒×15=7.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口9024への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口9024への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第3賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて15.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。
ここで、この実施の形態では、第3賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第2速度が0.5秒と比較的遅いので、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球数が増加する演出が終了しない場合もある。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS90707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に第3賞球増加演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって第3賞球増加演出が継続して実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって第3賞球増加演出が実行されてもよい)。
次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90540)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90541)。なお、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS90527で入賞演出を開始するときに、入賞演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。入賞演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において入賞演出を終了する制御を行う(ステップS90542)。
次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS90543)。入賞演出待機数カウンタの値が0でなければ(すなわち、未実行の待機中の入賞演出があれば)、演出制御用CPU90201は、入賞演出待機数カウンタの値を1減算する(ステップS90544)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS90545)とともに、演出表示装置909において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS90546)。
入賞演出待機数カウンタの値が0であれば(すなわち、未実行の待機中の入賞演出がなければ)、演出用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットする(ステップS90547)。
この実施の形態では、ステップS90524〜S90528,S90540〜S90547の処理が実行されることによって、第2KT状態中に特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、賞球増加表示が表示されるとともに入賞演出が実行される。この場合、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口9024への入賞が発生する場合もありうるのであるが、そのような場合には実行中の入賞演出が終了するまで待機し、その実行中の入賞演出が終了してから次の賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する(遅れて賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する)。
ここで、この実施の形態では、賞球増加表示の表示や入賞演出が遅れて実行される場合があることから、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球増加表示の表示や入賞演出を実行できない場合も考えられる。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS90707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に賞球増加表示の表示や入賞演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行されてもよい)。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口9024への入賞が発生したときにエフェクト演出も実行されるのであるが、エフェクト演出に関しては特殊入賞口9024への入賞が発生したタイミングで直ちに実行される(ステップS90523,S90533,S90534参照)。
また、この実施の形態では、賞球数表示演出(ステップS90707)を演出制御メイン処理において実行する演出として構成しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、背景図柄プロセス処理において、ステップS90900〜S90908の処理を実行する前に賞球数表示演出(ステップS90707)を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加表示の表示や入賞演出を実行する場合を示しているが、例えば、さらに特殊入賞口ランプ9024aを点灯表示させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行するように構成してもよい。この場合、一般入賞口への入賞が発生した場合には、賞球増加演出において一律に第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよいし、第2KT状態であれば一般入賞口への入賞が発生した場合であっても、賞球増加演出において第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよい。また、このように構成した場合であっても、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)であれば、一般入賞口への入賞が発生しても賞球増加演出を実行しないように構成してもよい。
次に、この実施の形態におけるKT報知および小当り報知の具体例について説明する。図87は、KT報知および小当り報知の具体例を示す説明図である。また、図88は、KT報知および小当り報知の制限の具体例を示す説明図である。なお、図87,図88において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
図87は、保留連演出の実行中ではないときのKT報知および小当り報知の具体例を示している。図87(A)に示すように、大当り遊技中には、演出表示装置909において、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される。
次いで、図87(B)に示すように、大当り遊技が終了すると、第2KT状態に制御されることを報知するKT報知として、キャラクタ90301のセリフ「小当りタイム突入」などの文字表示90312が表示される(ステップS903511参照)。
次いで、図87(C),(D)に示すように、演出表示装置909において、左中右の背景図柄の変動表示が開始され、小当り図柄「135」が導出表示されると、小当り報知として、例えば、「小当り発生!」などの文字表示90306が表示される。また、第2KTパターンによる賞球数表示90305が表示される。
図88は、保留連演出の実行中であるときのKT報知および小当り報知が制限されるときの具体例を示している。図88(A)に示すように、1回目の大当り遊技中には、演出表示装置909において、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される。
次いで、図88(B)に示すように、大当り遊技が終了しても、保留連演出の実行中であるため、KT報知は行われず(すなわち「小当りタイム突入」などの文字表示90312は表示されない。ステップS903509〜S903510参照)、キャラクタ90301および文字表示90302が引き続き表示される。
次いで、図88(C)に示すように、1回目の大当り遊技後に変動表示の表示結果として小当り図柄「135」が導出表示され、小当りが発生しても、小当り報知は行われない(すなわち、「小当り発生!」などの文字表示90306は表示されない)。同時に、賞球増加表示の表示や入賞演出、連続小当り演出なども行われず、小当りに関連する演出の実行が制限される。また、図88(C)に示す例では、1回目の大当り遊技の最終ラウンド時点からラウンド数(本例では「ラウンド16」)が継続して表示されるとともに、キャラクタ90301のセリフとして「まだまだ!」などの文字表示90313が表示されており、大当り遊技が継続しているように見せている。
次いで、図88(D)に示すように、2回目の大当り遊技が開始されると、演出表示装置909において、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される。また、図88(D)に示す例では、2回目の大当り遊技のラウンド数に、1回目の大当り遊技のラウンド数を加算したラウンド数表示(本例では「ラウンド17」)が表示されており、一連の大当り遊技が実行されているように見せている(ステップS903504〜S903508参照)。なお、図88に示す例に限らず、先の大当り遊技期間、大当り遊技終了後の変動表示期間、および後の大当り遊技期間を通じて、物語などの所定のストーリを順に展開させていくような演出を実行したり、特定のムービー画像(例えば、キャラクタが特定のストーリに基づいて動作する動画等の画像)を表示したりして、一連の大当り遊技が実行されているように見せるようにしてもよい。
次に、保留記憶の内容とKT報知および小当り報知の制限との関係について説明する。図89は、保留記憶の内容とKT報知および小当り報知の制限との関係の具体例を示す説明図である。
図89(A)に示すように、大当り遊技が開始されるときに、現在記憶されている保留記憶1〜4のうちに大当りとなる保留記憶4が存在すれば、大当りが連続して実行されることを報知する保留連の報知が行われる。この場合、大当り遊技の終了後には、KT状態に関するKT報知は行われない。また、大当り遊技後に保留1〜3にもとづいて小当りが発生しても、小当り報知は行われない。同時に、賞球増加表示の表示や入賞演出、連続小当り演出なども行われず、小当りに関連する演出の実行が制限される。
保留連演出により短期間に大当りが複数回発生することが報知されると、同時に、大当り遊技後にKT状態(特に第2KT状態)に制御される期間が短いことも報知されることになり、却って興趣を低下させてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、保留連演出により大当りが連続して実行されることを報知する場合には、大当り遊技の終了後にKT状態に関するKT報知を行わず、さらに小当りが発生しても小当り報知(および賞球増加表示の表示、入賞演出、連続小当り演出など小当りに関連する演出)を行わないように制限することにより、一連の大当り遊技が実行されているように感じさせ、保留連演出によって却って興趣を低下させてしまうことを防止している。
なお、この実施の形態では、先の大当りや後の大当りの大当り種別に関わらず、大当り遊技が開始されるときに、大当りとなる保留記憶が存在すれば保留連演出を実行可能としているが、例えば、後の大当りの大当り種別が16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)であることと、先の大当りの大当り種別が16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)であることとのいずれかに該当する場合、または両方に該当する場合には、第2KT状態が短期間であることが報知されることにもなるため、保留連演出の実行を制限する(例えば、禁止する、または実行頻度を低くする)ようにしてもよい。また、例えば、大当り遊技後に必ずKT状態(または第2KT状態)に制御される構成である場合に、保留連演出を実行可能としてもよい。
また、保留連演出を実行可能な状況を限定し、例えば、図89(B)に示すように、先の大当りの大当り種別が16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)であって、かつ後の大当りの大当り種別が16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)の場合に、保留連演出を実行可能としてもよい。この場合には、先の大当り遊技の終了後に、第2KT状態に制御されず、次の大当りが早く発生することが望ましい状況となるため、保留連演出により却って興趣を低下させてしまうことはない。そのため、大当り遊技に伴って、今回の大当り遊技の終了後に第2KT状態に制御されないことを報知するようにしてもよい。なお、図89(B)に示す例では、後の大当りの大当り種別が16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)となっているが、後の大当りの大当り種別に関わらず、先の大当りの大当り種別が16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)の場合には、保留連演出を実行可能とするようにしてもよい。この場合にも、次の大当りが早く発生することが望ましい状況となるため、保留連演出により却って興趣を低下させてしまうことはないからである。
また、例えば、図89(C)に示すように、先の大当りと後の大当りの大当り種別がともに16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)の場合には、大当り遊技が開始されるとき(または、大当り遊技中や大当り遊技終了時)に、今回の大当り遊技の終了後に第2KT状態に制御されない旨を報知した後に、大当りが連続して実行されることを報知する保留連の報知を行うようにしてもよい。この場合、大当り遊技後に保留1〜3にもとづいて小当りが発生しても、小当り報知(および賞球増加表示の表示、入賞演出、連続小当り演出など小当りに関連する演出)は行われないよう制限する。このように構成することにより、遊技者には上記の図89(B)の場合と同じ状況に認識され、保留連演出により却って興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
なお、保留連演出を実行する場合には、一連の大当り遊技が実行されているように見せる制御を行わず、先の大当り遊技と後の大当り遊技との間に通常の遊技が行われるようにしてもよい。
図90は、図89(B),(C)に示す例において、先の大当り遊技と後の大当り遊技との間に通常の遊技が行われるようにする場合の保留連演出制御処理の変形例を示すフローチャートである。
図90に示す保留連演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、大当り遊技の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS903501)。ステップS903501では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、大当り表示処理(ステップS90904)であれば、大当り遊技の開始タイミングであると判断する。
大当り遊技の開始タイミングであれば(ステップS903501のY)、演出制御用CPU90201は、始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンドおよび有効始動入賞指定コマンド(第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンド)のセット)に、16R確変大当り(すなわち第2KT状態に制御される大当り)を示すコマンドが含まれているか否かを確認する(ステップS903510)。
16R確変大当りを示すコマンドが含まれていない場合には(ステップS903510のN)、演出制御用CPU90201は、今回の大当り種別に応じて、今回の大当り遊技後に第2KT状態に制御されるか否かを報知する(ステップS903516)。例えば、演出表示装置909において、「第2KT有り」の文字表示や「第2KT無し」の文字表示が表示されることにより報知される。その後、保留連実行フラグがセットされていればリセットし(ステップS903515)、処理を終了する。
16R確変大当りを示すコマンドが含まれている場合には(ステップS903510のY)、演出制御用CPU90201は、今回の大当りが16R確変大当り(すなわち第2KT状態に制御される大当り)であれば、今回の大当り遊技後には第2KT状態に制御されない旨を報知する(ステップS903511,S903512)。例えば、演出表示装置909において、「第2KT無し」の文字表示が表示されることにより報知される。
次いで、演出制御用CPU90201は、大当りが保留記憶に存在し、大当りが連続して実行されることを報知する(ステップS903513)。例えば、演出表示装置909において、「連続大当り確定」の文字表示が表示されることにより、大当りが連続して実行されることが報知される。その後、演出制御用CPU90201は、保留連演出の実行中であることを示す保留連実行フラグをセットし(ステップS903514)、処理を終了する。
ステップS903510,S903511,S903513の処理が実行されることにより、16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)に制御されるときに、16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)となる保留記憶が存在すれば、保留連演出を実行可能となる。また、ステップS903510,S903511,S903512,S903513の処理が実行されることにより、16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)に制御されるときに、16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)となる保留記憶が存在すれば、今回制御される大当りが第2KT状態に制御されない大当りであることを報知した後に、保留連演出を実行可能となる。なお、図90の例では、今回制御される大当りが第2KT状態に制御されない大当りであることを報知した後に、保留連演出を実行しているが、このような構成に限らず、保留連演出を実行した後に(すなわち大当りが連続して実行されることを報知した後に)、今回制御される大当りが第2KT状態に制御されない大当りであることを報知するようにしてもよい。
次に、この実施の形態における賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図91〜図94は、賞球増加演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図91は、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図92は、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図93および図94は、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。なお、図91〜図94において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図91を用いて、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図91(A)に示す例では、大当り遊技中である場合には、演出表示装置909において、大当りパターンによる賞球数表示90300が表示される(ステップS90979参照)とともに、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図91に示すように、大当りパターンによる賞球数表示90300として、演出表示装置909の表示画面の左下端部において賞球数表示90300を表示する場合が示されている。
次いで、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したものとする。この場合、図91(B)に示すように、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第1賞球増加演出が実行される(ステップS90500〜S90509参照)。この実施の形態では、第1賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図91(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第1賞球増加演出が終了する。
次に、図92を用いて、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図92(A)に示す例では、第1KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第1KTパターンによる賞球数表示90303が表示される(ステップS90639,S90644参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示304が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図92に示すように、第1KTパターンによる賞球数表示90303として、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示90303を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図92(B)に示すように、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第2賞球増加演出が実行される(ステップS90510〜S90522参照)。この実施の形態では、第2賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図92(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第2賞球増加演出が終了する。
次に、図93および図94を用いて、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図93(A)に示す例では、第2KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第2KTパターンによる賞球数表示90305が表示される(ステップS90649参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示90306が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図93および図94に示すように、第2KTパターンによる賞球数表示90305として、演出表示装置909の表示画面の中央付近において賞球数表示90305を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図93(B)に示すように、演出表示装置909においてエフェクト演出が開始される(ステップS90523参照)とともに、賞球数表示90305の拡大表示が開始される(ステップS90530参照)。なお、図93(B)に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示90305の周囲に所定のエフェクト画像90307(例えば、キラキラ光るような態様の画像)が表示される場合が示されている。また、特殊入賞口9024への入賞が発生すると、図93(B)に示すように、賞球増加表示が表示される(ステップS90526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。なお、図93(B)に示す例では、入賞演出として所定のキャラクタ90308が表示される演出が実行されるとともに、賞球増加表示として「+15」などの文字表示90309が表示される場合が示されている。
また、図93(C)に示すように、演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出が開始され、第3賞球増加演出が開始される(ステップS90510,S90517,S90529〜S90539参照)。この実施の形態では、図93(C)〜図94(H)に示すように、第3賞球増加演出では、第1賞球増加演出や第2賞球増加演出と比較して、第2速度として比較的遅い速度(本例では、0.5秒)で賞球数表示の更新が行われる。
次いで、図93(D)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし(入賞演出は継続している)、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図94(E)に示すように、演出表示装置909においてエフェクト演出が開始される(ステップS90523参照)。ただし、この場合、まだ入賞演出の実行中であるので、新たな賞球増加表示の表示と入賞演出はまだ実行されない。
次いで、図94(F)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし、さらに、図94(G)に示すように、入賞演出を終了したものとする。そして、入賞演出を終了すると、未実行の待機中の入賞演出があることにもとづいて、図94(H)に示すように、遅れて賞球増加表示が表示される(ステップS90526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。
そして、その後、図94(E)で追加で発生した特殊入賞口9024への入賞にもとづく賞球数分も含めて全ての賞球数表示の更新が行われるまで、第2賞球増加演出が実行される。
なお、図93および図94に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示90305の周囲にキラキラ光るような態様のエフェクト画像90307を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト演出として、賞球数表示90305を覆うような態様の画像を表示するなど、何らかの形式で賞球数表示90305に作用するような態様の演出を実行するように構成してもよい。そのように賞球数表示90305に作用することにより、賞球数表示90305が視認しにくくなるような演出を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に獲得した賞球数にKT状態中に獲得した賞球数を加算して賞球数表示を行っていく場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り遊技中に獲得した賞球数とKT状態中に獲得した賞球数とを別々に表示するように構成してもよい。例えば、大当り遊技中である場合には、図91に示した態様で演出表示装置909の表示画面の左下端部に大当り遊技で獲得した賞球数を表示するとともに、図92に示した態様で演出表示装置909の表示画面の右上端部に第1KT状態中に獲得した賞球数も表示したり、図93(A)に示した態様で演出表示装置909の表示画面の中央付近に第2KT状態中に獲得した賞球数も表示したり(KT状態中に獲得した賞球数を別個独立に表示する)してもよい。
また、例えば、(1)KT状態が一旦終了して大当り遊技が開始するときに、KT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を消去し、大当り遊技中に表示する賞球数表示に合算して表示するように構成してもよいし、(2)KT状態を終了して非KT状態に移行するまでKT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を継続するように構成してもよい。なお、(2)の態様によれば、KT状態中のみの賞球の獲得数を認識することができることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングについて説明する。図95は、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図95に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、特殊入賞口9024が開放状態であるときに1つ目の入賞が発生すると、賞球数表示の拡大表示が開始され(ステップS90530参照)、1つ目の入賞に対する賞球数の更新表示が開始されて第3賞球増加演出が開始される(ステップS90510,S90517,S90529〜S90539参照)とともに、エフェクト演出が実行される(ステップS90523参照)。また、図95に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。
次いで、図95に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、第2賞球増加演出や入賞演出の実行中であるときに2つ目の入賞が発生すると、2つ目の入賞にもとづくエフェクト演出が直ちに実行されるとともに、2つ目の入賞で増加した分の賞球数も引き継いで第3賞球増加演出が継続して実行される。また、図95に示す例では、2つ目の入賞が発生したときに未だ入賞演出を実行中であることから、2つ目の入賞に対する入賞演出が直ちには実行されず、図95に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出を終了してから、遅れて2つ目の入賞に対する入賞演出が実行される。
そして、その後、特殊入賞口9024(特殊可変入賞球装置9022)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合や、全ての入賞演出を終了していなければ、図95に示すように、特殊入賞口9024の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出や入賞演出を継続して実行可能である。
次に、この実施の形態における連続小当り演出の演出態様の具体例について説明する。図96は、連続小当り演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図96において、例えば、(A)(B−1)の順に演出画面の態様が遷移する。小当りとなる変動表示の開始タイミングとなると、図96(A)に示すように、左中右の背景図柄の変動表示を開始する。この場合、変動表示を開始するときに連続小当り演出の有無および種類が決定される(ステップS90926参照)。
連続小当り演出Aを実行することに決定した場合には、変動表示中に連続小当り演出の実行タイミングとなると、図96(B−1)に示すように、演出表示装置909において所定のキャラクタA90310が登場するとともに、キャラクタA90310のセリフとして「もう1回!」などの文字表示90311を表示する態様で連続小当り演出Aが実行される。
また、連続小当り演出Bを実行することに決定した場合には、変動表示中に連続小当り演出の実行タイミングとなると、図96(B−2)に示すように、演出表示装置909において所定のキャラクタB90312が登場するとともに、キャラクタB90312のセリフとして「もう1回!」などの文字表示90311を表示する態様で連続小当り演出Bが実行される。
また、連続小当り演出Cを実行することに決定した場合には、変動表示中に連続小当り演出の実行タイミングとなると、図96(B−3)に示すように、演出表示装置909において所定のキャラクタC90313が登場するとともに、キャラクタC90313のセリフとして「もう1回!」などの文字表示90311を表示する態様で連続小当り演出Cが実行される。
次に、連続小当り演出の演出タイミングについて説明する。図97は、連続小当り演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図97(A)に示すように、この実施の形態では、小当りが発生しても、複数の変動表示において連続して小当りが発生していなければ(小当りとなった変動表示の前後の変動表示がはずれとなる変動表示であるなど、小当りが単発でしか発生していない場合には)、連続小当り演出は実行不可に構成されている(ステップS90929,S90930参照)。
一方、図97(B)に示すように、複数の変動表示において連続して小当りが発生した場合には、連続して小当りが発生した2つ目以降の変動表示において連続小当り演出が実行可能である(ステップS90921a〜S90928参照)。この実施の形態では、図97(B)に示すように、連続して小当りが発生した2つ目以降の変動表示を開始するときに、連続小当り演出の有無および種類が決定され(ステップS90926参照)、連続小当り演出を実行することに決定した場合には、その変動表示中に連続小当り演出を実行可能である。
なお、この実施の形態では、図97(B)に示すように、小当りが発生した変動表示中に連続小当り演出を実行可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、その小当りが発生した変動表示終了後の小当り遊技期間にもわたって連続小当り演出を実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、連続して小当りが発生する場合の変動表示の開始時に連続小当り演出の有無や種類を決定する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクコンピュータ90200は、小当りが発生したときに、その小当り遊技を開始するタイミングで(例えば、図81に示す背景図柄変動停止処理のステップS90983でYと判定した以降に)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した入賞時判定結果コマンドにもとづいて、次に開始される変動表示も小当りとなるものであるか否かを判定し、次に開始される変動表示も小当りとなるものであれば、この実施の形態で示したステップS90922〜S90926と同様の処理を実行して連続小当り演出の有無および種類を決定する。そして、連続小当り演出を実行することに決定した場合には、その小当り遊技の開始から次の変動表示までの期間にわたって連続小当り演出を実行可能である。
また、例えば、演出制御用マイクコンピュータ90200は、小当りが発生したときに、その小当り遊技中の期間であって小当り遊技を開始してから所定時間経過したタイミング(例えば、小当り遊技中の任意のタイミングや、小当り遊技中に始動入賞が発生したタイミングなど、小当り遊技の途中のタイミング)で、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した先読み判定結果コマンドにもとづいて、次に開始される変動表示も小当りとなるものであるか否かを判定し、次に開始される変動表示も小当りとなるものであれば、この実施の形態で示したステップS90926と同様の処理に従って、連続小当り演出の有無および種類を決定してもよい。そして、連続小当り演出を実行することに決定した場合には、その小当り遊技の途中のタイミングから次の変動表示までの期間にわたって連続小当り演出を実行可能としてもよい。
また、この実施の形態において、遊技球が払い出される皿(打球供給皿903や余剰球受皿904)が満タン状態となると、満タン報知を実行するように構成してもよい。例えば、打球供給皿903や余剰球受皿904に遊技球が貯留されている量をセンサ等の検出手段により検出可能とし、検出手段により、貯留量が所定量以上であると検出されると、演出表示装置909において「満タンエラー」の文字表示をしたり、エラー音を出力したりすることにより、満タン報知を実行する。ここで、この実施の形態では、大当り遊技状態と第2KT状態とにおいて、賞球が払い出される頻度が高くなるが、第2KT状態では大当り遊技状態ほど、一度に大量に払い出されることがないため、満タン状態が解消されやすい。そこで、大当り遊技状態と第2KT状態とで、満タン報知の実行態様を異ならせるようにしてもよい。例えば、第2KT状態では、大当り遊技状態に比べて、控え目な態様(例えば、「満タンエラー」の文字サイズが小さい、エラー音量が小さいなど)により満タン報知を実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態では、貯留量が第1所定量を超えると、満タン報知を実行し、第2KT状態では、貯留量が第1所定量よりも多い第2所定量を超えると、満タン報知を実行するようにしてもよい。このように構成することにより、状況に応じた好適な満タン報知を実行することができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞不能または困難な第2状態とに変化可能な可変入賞手段(例えば、可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022)と、有利状態とは異なる状態であり、可変入賞手段が第1状態に変化することを含む特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段と、通常状態に比べて特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能な特別状態制御手段とを備えている。そして、可変入賞手段は、特殊状態に制御されることが報知された後に該可変入賞手段に向けて発射された遊技媒体を入賞できないように設けられている(例えば、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより実現される)。また、特別状態における有利状態に制御される契機とならない可変表示を、可変表示期間が第1期間である第1可変表示パターン(例えば、短縮変動の第2変動パターン#25,#27)と、可変表示期間が該第1期間よりも長い第2期間である第2可変表示パターン(例えば、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能である。そして、特別状態において、第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合よりも低い(例えば、小当りの場合には、比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定される割合が低い(または決定されない)。図56参照)。そのため、興趣を低下させてしまうことを防止し、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、特別状態において特殊状態に制御されるときに特殊状態に関連する関連演出(例えば、小当り報知や連続小当り演出、賞球増加表示の表示、入賞演出など小当りに関連する演出)を実行可能な関連演出実行手段と、有利状態に制御されるときに、保留記憶手段により記憶されている保留情報のうちに有利状態に制御される契機となる可変表示に関する保留情報が含まれていることを示唆する示唆演出(例えば、保留連演出)を実行可能な示唆演出実行手段と、示唆演出実行手段により示唆演出が実行されたときに、先の有利状態と後の有利状態との間で特殊状態に制御される場合に、関連演出の実行を制限する制限手段(例えば、保留連演出の実行中は小当り報知や連続小当り演出、賞球増加表示の表示、入賞演出など小当りに関連する演出の実行が制限される)とを備えている。そのため、演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、示唆演出実行手段は、第2有利状態に制御されるときに、保留記憶手段により記憶されている保留情報のうちに第1有利状態に制御される契機となる可変表示に関する保留情報が含まれている場合に、示唆演出を実行可能である(例えば、図89(B)参照)。そのため、演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、第1有利状態に制御されるときに、保留記憶手段により記憶されている保留情報のうちに第1有利状態に制御される契機となる可変表示に関する保留情報が含まれている場合に、今回制御される有利状態が第2有利状態であると報知した後に示唆演出を実行可能である(例えば、図89(C)参照)。そのため、演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、特別状態に制御されているときに、所定経路への遊技媒体の発射を促進する促進報知(例えば、右打ち報知)を実行可能な促進報知手段(例えば、演出表示装置909において「右打ち」の文字表示や右方向を示す矢印表示等を表示することにより実現される)を備え、促進報知手段は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行されているときと、第2可変表示パターンにより可変表示が実行されているときとで、異なる態様により促進報知を実行可能であるようにしてもよい(例えば、KT状態において、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行されているときには、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行されているときよりも、「右打ち」の文字表示や、右方向を示す矢印表示等を縮小したり、透明化したりして表示し、積極的に右打ちを促さないようにしてもよい。)。そのように構成することにより、状況に応じた好適な促進報知を実行することができる。
また、この実施の形態では、遊技媒体を貯留可能な貯留手段(例えば、打球供給皿903や余剰球受皿904)と、貯留手段が満タン状態であることを示す満タン報知を実行可能な満タン報知手段(例えば、演出表示装置909において「満タンエラー」の文字表示をしたり、エラー音を出力したりすることにより実現される)とを備え、満タン報知手段は、有利状態に制御されているときと特別状態に制御されているときとで、満タン報知の実行態様を異ならせることが可能であるようにしてもよい(例えば、第2KT状態では、大当り遊技状態に比べて、控え目な態様(例えば、「満タンエラー」の文字サイズが小さい、エラー音量が小さいなど)により満タン報知を実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態では、貯留量が第1所定量を超えると、満タン報知を実行し、第2KT状態では、貯留量が第1所定量よりも多い第2所定量を超えると、満タン報知を実行するようにしてもよい。)。そのように構成することにより、状況に応じた好適な満タン報知を実行することができる。
また、この実施の形態では、可変表示の表示結果が特定結果(本例では、大当り図柄)となったときに、特殊状態よりも遊技者にとって有利度合いが高い有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示の表示結果が特殊結果(本例では、小当り図柄)となったときに、特殊状態に制御可能である。また、特別状態において、通常状態よりも特殊状態に制御される頻度が高い(本例では、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高く、第2特別図柄の変動表示が実行される場合にのみ小当りとなる場合がある)。そのため、特別状態に関する遊技性の単調さを解消でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態において、「有利度合いが高い」とは、例えば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)または特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御されているときの1回あたりの遊技媒体の獲得期待度が高いことをいう。例えば、可変入賞球装置(本例では、特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022)の開放時間が長かったり開放回数が多いことにより多くの入賞が得られたり、入賞1回あたりの賞球数が多かったりすることにより、多くの出玉を獲得できるなど、多くの遊技価値を得られることである。
また、この実施の形態では、遊技者にとって有利な特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、特別条件が成立したこと(本例では、大当りとなったこと)にもとづいて、該特別条件が成立する前に比べて特殊状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能である。また、特別状態において、特殊状態に制御された後の次の可変表示が実行されたことにもとづいて再度特殊状態に制御されるときに、特別演出(本例では、連続小当り演出)を実行可能である。そのため、特別状態に関する遊技性の単調さを解消でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、所定の契機(本例では、大入賞口や特殊入賞口9024に遊技球が入賞したこと)にもとづいて計数表示(本例では、賞球数表示)を更新表示可能であり、第1表示態様(本例では、大当りパターンによる賞球数表示)、および該第1表示態様よりも強調表示する第2表示態様(本例では、第2KTパターンによる賞球数表示)により、計数表示を更新表示可能である(本例では、図91に示すように、大当り遊技状態中の大当りパターンでは演出表示装置909の左下端部で賞球数表示90300を更新表示し、図93および図94に示すように、第2KT状態中の第2KTパターンでは演出表示装置909の中央付近で賞球数表示90305を拡大表示するとともにエフェクト画像90307を表示して更新表示する)。そのため、計数表示を更新表示する表示態様を複数種類備えることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、計数表示として賞球数表示を行う場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、計数表示として演出において何らかのゲージ表示やカウントダウン表示を行う場合に、この実施の形態で示した構成を適用するように構成してもよい。また、この実施の形態では、所定の契機が大入賞口や特殊入賞口9024に遊技球が入賞したことである場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、何らかのゲージ表示のレベルアップの条件が成立したものであってもよい。また、例えば、スロット機に適用する場合には、小役などが発生したことにもとづいて所定の契機が発生したとするものであってもよい。
また、この実施の形態では、更新表示として賞球数表示が加算表示されていくものを示したが、そのような態様にかぎらず、何らかの計数表示が減算表示されていく場合に、この実施の形態で示した構成を適用するように構成してもよい。
なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図45に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。